JP2575840Y2 - トランスファフィーダのアイドルフィンガ自動交換装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案はアプライトの裏側に位
置するアイドルフィンガの自動交換を可能にしたトラン
スファフィーダのアイドルフィンガ自動交換装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来トランスファプレスに装備されたト
ランスファフィーダは、ワーク搬送方向に並設された一
対のトランスファバーを有していて、これらトランスフ
ァバーの互に対向する位置に、ワークをクランプするフ
ィンガが取付けられている。また上記トランスファバー
は、金型交換時ムービングボルスタのバー受け台に載置
してプレス本体内より引出せるよう複数分割されてい
て、プレス本体内より引出されたトランスファバーに取
付けられているフィンガは外段取りで簡単に交換できる
ようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし金型交換時プレ
ス本体内に残されたトランスファバーに取付けられてい
るアイドルステーションのアイドルフィンガは、プレス
内に作業者が入って交換しなければならないため、作業
に多くの時間を要して能率が悪いと共に、作業に危険が
伴うなどの不具合もあった。この考案は上記不具合を改
善するためになされたもので、アイドルフィンガの自動
交換を可能にしたトランスファフィーダのアイドルフィ
ンガ自動交換装置を提供することを目的とするものであ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この考案は上記目的を達
成するために、ワーク搬送方向に並設された一対のトラ
ンスファバーに、搬送すべきワークをクランプする複数
のフィンガを着脱自在に取付けたトランスファフィーダ
において、プレス本体のアプライトの裏側に位置するト
ランスファバーに、退避シリンダによりアプライトと干
渉しない位置まで移動自在な移動台車を設け、この移動
台車にアイドルフィンガを着脱自在に固定する自動クラ
ンプ装置を設けると共に、上型のサブプレートに、上記
アイドルフィンガを格納するフィンガホルダを設けたも
のである。

【０００５】

【作 用】上記構成により、金型交換の際金型ととも
にアイドルフィンガをプレス本体内より引出して、次に
使用するアイドルフィンガと自動交換することができ
る。

【０００６】

【実 施 例】この考案の一実施例を図面を参照して詳
述する。図１はトランスファプレス内に装備されたトラ
ンスファフィーダの平面図、図２は同正面図、図３はア
イドルフィンガ自動交換装置の詳細図である。これら図
において１はプレス本体、２はプレス本体１の前後アプ
ライト１ａ間に設けられた一対のトランスファバーを示
す。上記トランスファバー２はワーク搬送方向に並設さ
れていて、金型交換時ムービングボルスタ（図示せず）
とともにプレス本体１内より出入れできるよう複数分割
されていると共に、各トランスファバー２の対向位置に
はワーク（図示せず）をクランプして搬送するフィンガ
３が着脱自在に取付けられている。

【０００７】上記フィンガ３は、各加工ステーションへ
ワークを搬送する主フィンガ３ａと、上記アプライト１
ａの裏側に設けられたアイドルフィンガ３ｂよりなり、
主フィンガ３ａは３組が一体構造となっていて、トラン
スファバー２に内装された２基の自動クランプ装置４に
よりトランスファバー２に対して着脱自在に取付けられ
ている。なお図中５はトランスファバー２に対して主フ
ィンガ３ａを位置決めする位置決めピン、６は上型（図
示せず）をダイクランプ７を介してスライド８に取付け
るサブプレート９の下面に設けられたフィンガホルダ１
０へ主フィンガ３ａを引掛けるための支持ピンを示す。

【０００８】一方上記アイドルフィンガ３ｂは退避装置
１２によりアプライト１ａと干渉しない位置へ退避でき
るようになっている。上記退避装置１２は、下部にロー
ラ１３を有する移動台車１４を有していて、この移動台
車１４のローラ１３はトランスファバー２の上面に布設
されたガイドレール１６に案内されている。上記ガイド
レール１６は図２に示すように、アプライト１ａの裏側
が低く、そして主フィンガ３ａ側が高くなっていると共
に、上記移動台車１４にはトランスファバー２上に設け
られた退避シリンダ１８のピストン杆１８ａ先端がフロ
ーティングジョイント１９を介して接続されていて、こ
の退避シリンダ１８により、アプライト１ａの裏側か
ら、ムービングボルスタとともに引出されるトランスフ
ァバー２上へ移動できるようになっている。

【０００９】また上記移動台車１４上にはフィンガ取付
け板１４ａが突設されていて、このフィンガ取付け板１
４ａ上に自動クランプ装置２０を介してアイドルフィン
ガ３ｂが取付けられている。上記自動クランプ装置２０
はフィンガ取付け板１４ａ上に設置された軸受け２０ａ
にピン２０ｂを介して揺動自在に支承されたコ字形のク
ランプ部材２０ｃを有していて、このクランプ部材２０
ｃの一端側にクランプシリンダ２１が図３に示すように
接続されている。２股となったクランプ部材２０ｃの他
端側は、フィンガ取付け板１４ａ上に取付けられたアイ
ドルフィンガ３ｂ側へ突出されていて、先端部に設けら
れたパッド２０ｄとフィンガ取付け板１４ａの間でアイ
ドルフィンガ３ｂをクランプするようになっている。

【００１０】なお、図中２３はトランスファバー２に対
してアイドルフィンガ３ｂを位置決めする位置決めピン
で、フィンガ取付け板１４ａ上に２個所突設されてい
る。また図中２５は移動台車１４に接続されたケーブル
やエア配管などのケーブル類２６を移動自在に支持する
ケーブルラックである。

【００１１】次に作用を説明すると、プレス本体１の稼
動時には、自動クランプ装置４，２０により主フィンガ
３ａ及びアイドルフィンガ３ｂはトランスファバー２の
図１に示す位置に取付けられていて、トランスファバー
２の３次元動作により、各フィンガ３の間でクランプし
たワークを各加工ステーションへ搬送するようになって
いる。また一連の作業が終了して次に使用する金型と交
換する場合は、まず退避装置１２の退避シリンダ１８に
より移動台車１４を主フィンガ３ａ側へ移動させる。こ
れによって移動台車１４はガイドレール１６に案内され
て主フィンガ３ａ側へ移動されるので、フィンガ取付け
板１４ａに取付けられたアイドルフィンガ３ｂは主フィ
ンガ３ａの上側に図１の仮想線Ｂで示すように格納され
る。

【００１２】次にこの状態でトランスファバー２をクラ
ンプ方向へ移動した後上昇させ、さらにクランプ位置ま
で移動したら下降させる。これによってアイドルフィン
ガ３ｂの支持ピン６が、上型のサブプレート９に設けら
れたフィンガホルダ１０に掛合されるので、この状態で
自動クランプ装置２０のクランプシリンダ２１へエアを
供給して、クランプシリンダ２１によりクランプ部材２
０ｃをアンクランプ方向へ回動し、アイドルフィンガ３
ｂをアンクランプする。そしてこの状態でトランスファ
バー２を下降させて図示しないバー受け台に載置した
ら、プレス本体１内よりムービングボルスタを引出すこ
とにより、アイドルフィンガ３ｂもプレス本体１内より
引出すことができる。

【００１３】一方外段取りで金型やフィンガ３ａ，３ｂ
の交換が完了したムービングボルスタがプレス本体１内
へ搬入されると、上記アンクランプと逆の動作でトラン
スフィバー２が動作されて、フィンガホルダ１０に格納
されているアイドルフィンガ３ｂが移動台車１４上のフ
ィンガ取付け板１４ａに取付けられ、自動クランプ装置
２０によりクランプされる。そしてアイドルフィンガ３
ｂのクランプ完了とともに退避装置１２の退避シリンダ
１８によりアプライト１ａ裏側のトランスファバー２上
へ移動され、その位置に固定される。以上のように金型
交換の際、アプライト１ａの裏側に位置するアイドルフ
ィンガ３ｂも金型とともにプレス本体１内より引出し
て、次に使用するアイドルフィンガ３ｂと自動交換する
ことができるようになる。

【００１４】

【考案の効果】この考案は以上詳述したように、プレス
本体のアプライトの裏側に設けられたアイドルフィンガ
も、金型交換時に自動交換できるため、従来のようにプ
レス本体内に作業者が入って交換する必要がない。これ
によって作業者の安全が図れると共に、金型及びフィン
ガの交換が全て自動的に行えるようになるため、省力化
が図れるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例になるアイドルフィンガ自
動交換装置の平面図である。

【図２】この考案の一実施例になるアイドルフィンガ自
動交換装置の正面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線に沿う拡大断面図である。

【図４】この考案の一実施例になるアイドルフィンガ自
動交換装置の作用説明図である。

【符号の説明】

１…プレス本体、１ａ…アプライト、２…トランスファ
バー、３…フィンガ、３ｂ…アイドルフィンガ、９…サ
ブプレート、１０…フィンガホルダ、１４…移動台車、
１８…退避シリンダ、２０…自動クランプ装置。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワーク搬送方向に並設された一対のトラ
   ンスファバー２に、搬送すべきワークをクランプする複
   数のフィンガ３を着脱自在に取付けたトランスファフィ
   ーダにおいて、プレス本体１のアプライト１ａの裏側に
   位置するトランスファバー２に、退避シリンダ１８によ
   りアプライト１ａと干渉しない位置まで移動自在な移動
   台車１４を設け、この移動台車１４にアイドルフィンガ
   ３ｂを着脱自在に固定する自動クランプ装置２０を設け
   ると共に、上型のサブプレート９に、上記アイドルフィ
   ンガ３ｂを格納するフィンガホルダ１０を設けてなるト
   ランスファフィーダのアイドルフィンガ自動交換装置。