JP2575672B2 - 非導電性物質のメツキ法 - Google Patents
非導電性物質のメツキ法Info
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- JP2575672B2 JP2575672B2 JP61271531A JP27153186A JP2575672B2 JP 2575672 B2 JP2575672 B2 JP 2575672B2 JP 61271531 A JP61271531 A JP 61271531A JP 27153186 A JP27153186 A JP 27153186A JP 2575672 B2 JP2575672 B2 JP 2575672B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、合成樹脂、ガラス、セラミックス等の絶縁
性被メッキ物の表面に金属メッキを施すメッキ法の改良
に関する。
性被メッキ物の表面に金属メッキを施すメッキ法の改良
に関する。
従来、絶縁性被メッキ物、例えば合成樹脂成形品のメ
ッキは、表面処理、センシタイジング、キャタライジン
グと無電解メッキ処理を経て、樹脂成形物表面に導電性
を付与した後、これに電気メッキを施し、希望する金属
膜を表面に形成させていた。この導電性付与工程は、煩
雑な操作および処理を必要とする。即ち、樹脂とメッキ
した金属との密着性を高めるために、樹脂の表面前処
理、例えば化学エッチング工程を必要とし、また廃液や
排水処理に関連する公害上の問題があった。
ッキは、表面処理、センシタイジング、キャタライジン
グと無電解メッキ処理を経て、樹脂成形物表面に導電性
を付与した後、これに電気メッキを施し、希望する金属
膜を表面に形成させていた。この導電性付与工程は、煩
雑な操作および処理を必要とする。即ち、樹脂とメッキ
した金属との密着性を高めるために、樹脂の表面前処
理、例えば化学エッチング工程を必要とし、また廃液や
排水処理に関連する公害上の問題があった。
一方、メッキ前処理操作としてスパッタリング法、真
空蒸着法、イオンプレーティング法、ポットスタンピン
グ法等が提案されているが、いずれの方法も装置上、操
作性、経済性等の理由から実用化に至っていない。
空蒸着法、イオンプレーティング法、ポットスタンピン
グ法等が提案されているが、いずれの方法も装置上、操
作性、経済性等の理由から実用化に至っていない。
本発明は、絶縁性被メッキ物の導電性付与技術におけ
る上記問題点に鑑み案出されたものであり、工程が少な
く操作が簡便であり、無公害で安全性が高く、しかもエ
ッチング工程が不要となりうる、絶縁性被メッキ物の新
規な導電性付与法によるメッキ法を提供するものであ
る。
る上記問題点に鑑み案出されたものであり、工程が少な
く操作が簡便であり、無公害で安全性が高く、しかもエ
ッチング工程が不要となりうる、絶縁性被メッキ物の新
規な導電性付与法によるメッキ法を提供するものであ
る。
本発明者は、化学的に得られる導電性ポリマーが非導
電性物質のメッキ法において有用であることを見出し、
本発明に至った。
電性物質のメッキ法において有用であることを見出し、
本発明に至った。
即ち、本発明は非導電性物質からなる物品の表面に導
電性ポリマーの薄膜あるいはその複合膜を化学的に形成
させた後、金属メッキを施すことを特徴とする非導電性
物質のメッキ法を提供するものである。
電性ポリマーの薄膜あるいはその複合膜を化学的に形成
させた後、金属メッキを施すことを特徴とする非導電性
物質のメッキ法を提供するものである。
本発明において、非導電性物質とは合成樹脂、ガラス
及びセラミックス等を示す。
及びセラミックス等を示す。
例えば本発明に用いられる合成樹脂成形物は熱可塑
性、熱硬化性の樹脂のどちらでもよく特に限定されない
が、例を示すと、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン、ポリエステル、ポリアセタール、ポリス
チレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ABS、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンス
ルフィド、フッ素樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂等を挙げることができる。またこれらの樹脂
は2種以上混合して使用することができる。またこれら
の樹脂には、機械的、電気的、化学的の性質や難燃性等
の諸性質を改善する為、必要に応じて種々の添加剤、強
化剤を添加することが可能である。
性、熱硬化性の樹脂のどちらでもよく特に限定されない
が、例を示すと、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン、ポリエステル、ポリアセタール、ポリス
チレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ABS、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンス
ルフィド、フッ素樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂等を挙げることができる。またこれらの樹脂
は2種以上混合して使用することができる。またこれら
の樹脂には、機械的、電気的、化学的の性質や難燃性等
の諸性質を改善する為、必要に応じて種々の添加剤、強
化剤を添加することが可能である。
本発明においては、従来の絶縁体表面に導電性を付与
する方法に替り、化学的手法によって絶縁体表面に導電
性ポリマーの薄膜あるいはその複合膜を形成させること
により、電解メッキの前処理を行う。
する方法に替り、化学的手法によって絶縁体表面に導電
性ポリマーの薄膜あるいはその複合膜を形成させること
により、電解メッキの前処理を行う。
以下に合成樹脂成形物を例として挙げるが本発明法
は、これに限定されるべきものではなく、広ぐ絶縁体全
般のメッキに適用される方法である。
は、これに限定されるべきものではなく、広ぐ絶縁体全
般のメッキに適用される方法である。
具体例として以下の4つが挙げられるが、本発明はこ
れらの方法に限定されるべきものではない。
れらの方法に限定されるべきものではない。
合成樹脂成形物の表面に、酸化剤を吸着させた後、
モノマーと気相あるいは液相で接触させ、導電性ポリマ
ーの薄膜を形成させる。
モノマーと気相あるいは液相で接触させ、導電性ポリマ
ーの薄膜を形成させる。
合成樹脂成形物の表面に、酸化剤をマトリックスに
より固定した後、モノマーと気相あるいは液相で接触さ
せ導電性ポリマーの複合膜を形成させる。ここで、マト
リックスとしてはポリビニルアルコール、塩化ビニル樹
脂、エポキシ樹脂等が等げられるが、必ずしもこれらに
限定されるものではなく、酸化剤および樹脂と親和性を
有する物質で、しかも導電性ポリマーの膜特性(平滑
性、緻密性、密着性等)を向上させるものであれば良
い。
より固定した後、モノマーと気相あるいは液相で接触さ
せ導電性ポリマーの複合膜を形成させる。ここで、マト
リックスとしてはポリビニルアルコール、塩化ビニル樹
脂、エポキシ樹脂等が等げられるが、必ずしもこれらに
限定されるものではなく、酸化剤および樹脂と親和性を
有する物質で、しかも導電性ポリマーの膜特性(平滑
性、緻密性、密着性等)を向上させるものであれば良
い。
合成樹脂成形物の表面に、樹脂の良溶媒で且つ酸化
剤を溶解する溶媒に溶解させた酸化剤溶液を含浸させた
後、モノマーと気相あるいは液相で接触させ導電性ポリ
マーの薄膜を形成させる。
剤を溶解する溶媒に溶解させた酸化剤溶液を含浸させた
後、モノマーと気相あるいは液相で接触させ導電性ポリ
マーの薄膜を形成させる。
合成樹脂成形物の表面に、モノマーを含浸させた
後、酸化剤と接触させ導電性ポリマーの薄膜を形成させ
る。
後、酸化剤と接触させ導電性ポリマーの薄膜を形成させ
る。
本発明における導電性ポリマーとは、アセチレン、ベ
ンゼン、ナフタレン、アニリン、ピリジン、フラン、チ
オフェン、セレノフェン、ピロールおよびそれらの誘導
体等から酸化剤を用いることによって生成する共役系ポ
リマー全般であるが、必ずしもこれらに限定されるもの
ではない。これらの中でも、重合性、酸化安定性、導電
性、フィルム性の点からポリピロールを用いるのが最も
好ましい。
ンゼン、ナフタレン、アニリン、ピリジン、フラン、チ
オフェン、セレノフェン、ピロールおよびそれらの誘導
体等から酸化剤を用いることによって生成する共役系ポ
リマー全般であるが、必ずしもこれらに限定されるもの
ではない。これらの中でも、重合性、酸化安定性、導電
性、フィルム性の点からポリピロールを用いるのが最も
好ましい。
また、本発明に用いられる酸化剤としては、鉄(II
I)塩、モリブデン(V)塩、ルテニウム(V)塩、ル
テニウム(III)塩、鉛(IV)塩、クロム(VI)塩、マ
ンガン(VII)塩、チタン(IV)塩、ハロゲン、過塩素
酸塩、酸素、オゾンなどが挙げられるが、必ずしもこれ
らに限定されるものではない。ポリピロールを形成させ
るための酸化剤としては塩化第二鉄が好ましい。
I)塩、モリブデン(V)塩、ルテニウム(V)塩、ル
テニウム(III)塩、鉛(IV)塩、クロム(VI)塩、マ
ンガン(VII)塩、チタン(IV)塩、ハロゲン、過塩素
酸塩、酸素、オゾンなどが挙げられるが、必ずしもこれ
らに限定されるものではない。ポリピロールを形成させ
るための酸化剤としては塩化第二鉄が好ましい。
形成させる導電性ポリマーの膜厚は特に限定されない
が、余り厚くない方がよいことは勿論である。しかし薄
すぎると電気が流れにくく、メッキに時間がかかりすぎ
る。通常薄膜は0.01〜200μm、好ましくは0.1〜5μm
である。
が、余り厚くない方がよいことは勿論である。しかし薄
すぎると電気が流れにくく、メッキに時間がかかりすぎ
る。通常薄膜は0.01〜200μm、好ましくは0.1〜5μm
である。
ここで、気相法による導電性付与法では、樹脂成形物
の表面とモノマーの親和性を良好にするためにモノマー
蒸気に加えて他の蒸気を共存させても良い。他の蒸気と
しては、被メッキ物に対して親和性を有し、酸化剤に対
して不活性な化合物なら全て用いることができる。例え
ばモノマー(ピロール)と水の混合蒸気を用いることが
できる。又、被メッキ物に対して親和性を有しなくて
も、酸化剤に対して不活性な溶媒なら、その様な溶媒の
蒸気はモノマーに対する希釈剤となるので、酸化重合の
反応制御剤として用いることができる。
の表面とモノマーの親和性を良好にするためにモノマー
蒸気に加えて他の蒸気を共存させても良い。他の蒸気と
しては、被メッキ物に対して親和性を有し、酸化剤に対
して不活性な化合物なら全て用いることができる。例え
ばモノマー(ピロール)と水の混合蒸気を用いることが
できる。又、被メッキ物に対して親和性を有しなくて
も、酸化剤に対して不活性な溶媒なら、その様な溶媒の
蒸気はモノマーに対する希釈剤となるので、酸化重合の
反応制御剤として用いることができる。
一方、液相法による導電性付与法ではモノマーを酸化
剤に対して不活性な溶媒で希釈することにより反応を制
御できる。
剤に対して不活性な溶媒で希釈することにより反応を制
御できる。
この様な希釈液をつくるための溶媒は、酸化剤を溶解
せず、且つ酸化剤に対して不活性な溶媒なら全て用いる
ことができるが、後の溶媒除去処理の観点から非沸点の
溶媒を用いるのが好ましく、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の炭化水素溶媒は好ましい溶媒である。
せず、且つ酸化剤に対して不活性な溶媒なら全て用いる
ことができるが、後の溶媒除去処理の観点から非沸点の
溶媒を用いるのが好ましく、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の炭化水素溶媒は好ましい溶媒である。
本発明の導電性付与法は、酸化剤量、反応時間、反応
温度の選択によって半導体から金属領域まで任意の導電
率を有した導電性ポリマーあるいはその複合体を得るこ
とが可能である。
温度の選択によって半導体から金属領域まで任意の導電
率を有した導電性ポリマーあるいはその複合体を得るこ
とが可能である。
更に、得られた導電性ポリマーを脱ドープした後、再
度別のドーピング剤を注入することにより導電率および
酸化安定剤を向上させることも可能である。
度別のドーピング剤を注入することにより導電率および
酸化安定剤を向上させることも可能である。
本発明に用いられるドーピング剤としては、ハロゲン
〔Cl2,Br2,I2,ICl,IF5〕、ルイス酸〔PF5,AsF5,SbF5,BF
3,BCl3,SO3〕、プロトン酸〔HF,HCl,HNO3,H2SO4,HClO4F
SO3H,CF3SO3H〕、遷移金属塩化物〔NbF5,TaF5,MoF5,W
F5,RuF5,BiF5,TiCl4,ZrCl4,TaCl5,MoCl5,WCl5,FeCl3,Te
Cl4,SnCl4,FeBr3,TeI4,SnI4〕、遷移金属化合物〔AgClO
4,AgBF4,Ce(NO3)3,La(NO3)3,Yb(NO3)3〕、有機
化合物〔テトラシアノキノジメタン,クロラニル〕、ア
ンモニアおよびアミン類、およびアルカリ金属〔Li,Na,
K,Rb,Cs〕などが挙げられるが、必ずしもこれらに限定
されるものではない。
〔Cl2,Br2,I2,ICl,IF5〕、ルイス酸〔PF5,AsF5,SbF5,BF
3,BCl3,SO3〕、プロトン酸〔HF,HCl,HNO3,H2SO4,HClO4F
SO3H,CF3SO3H〕、遷移金属塩化物〔NbF5,TaF5,MoF5,W
F5,RuF5,BiF5,TiCl4,ZrCl4,TaCl5,MoCl5,WCl5,FeCl3,Te
Cl4,SnCl4,FeBr3,TeI4,SnI4〕、遷移金属化合物〔AgClO
4,AgBF4,Ce(NO3)3,La(NO3)3,Yb(NO3)3〕、有機
化合物〔テトラシアノキノジメタン,クロラニル〕、ア
ンモニアおよびアミン類、およびアルカリ金属〔Li,Na,
K,Rb,Cs〕などが挙げられるが、必ずしもこれらに限定
されるものではない。
例えば、ポリピロールでは、0.0005重量%〜40重量
%、好ましくは0.005重量%〜20重量%の酸化剤量〔塩
化鉄(III)〕を用い、−70〜60℃、30分程度反応させ
れば電解メッキ可能な導電性ポリピロールが形成され
る。この場合、経済性および操作性の点から、酸化剤量
は20%以下、反応温度は−30〜40℃で反応を行うのが好
ましい。
%、好ましくは0.005重量%〜20重量%の酸化剤量〔塩
化鉄(III)〕を用い、−70〜60℃、30分程度反応させ
れば電解メッキ可能な導電性ポリピロールが形成され
る。この場合、経済性および操作性の点から、酸化剤量
は20%以下、反応温度は−30〜40℃で反応を行うのが好
ましい。
また特に、本発明法では導電性ポリマーを形成させる
重合を気相法で行うと緻密性、均一性、平滑性に優れた
導電性ポリマーが短時間で容易に得られる(例えば、ポ
リピロールでは数分以内で形成される)。
重合を気相法で行うと緻密性、均一性、平滑性に優れた
導電性ポリマーが短時間で容易に得られる(例えば、ポ
リピロールでは数分以内で形成される)。
従って、後に続く電気メッキにおいても、緻密性、均
一性、平滑性に優れた金属メッキを短時間で施すことが
できる。これは従来の無電解メッキ法では、しばしば緻
密性、均一性、平滑性に優れた金属薄膜を形成させるの
に高度な技術を必要としたのとは対照的である。
一性、平滑性に優れた金属メッキを短時間で施すことが
できる。これは従来の無電解メッキ法では、しばしば緻
密性、均一性、平滑性に優れた金属薄膜を形成させるの
に高度な技術を必要としたのとは対照的である。
更に本発明法は、従来の無電解メッキと比較して、工
程数も少なく、操作は簡便であり、しかも短時間で済
み、且つ廃液や排水処理も不必要であり、従って経済性
において著しい効果がある。
程数も少なく、操作は簡便であり、しかも短時間で済
み、且つ廃液や排水処理も不必要であり、従って経済性
において著しい効果がある。
具体的な例を示すと、従来のABS樹脂成形物に対する
導電性付与法では、センシタイジング→キャタライジン
グ→水洗→アクセレーター→水洗→無電解メッキの6工
程を要したのが、本発明法では例えば酸化剤吸着→モノ
マーの気相重合の2工程となり、しかも排水処理は不必
要である。
導電性付与法では、センシタイジング→キャタライジン
グ→水洗→アクセレーター→水洗→無電解メッキの6工
程を要したのが、本発明法では例えば酸化剤吸着→モノ
マーの気相重合の2工程となり、しかも排水処理は不必
要である。
また本発明法では、樹脂成形物表面を樹脂と導電性ポ
リマーとの緻密な複合体にすることが可能であり、この
場合、煩雑な表面処理、例えば化学エッチングをしなく
ても、充分な金属と樹脂の密着力を得ることができる。
リマーとの緻密な複合体にすることが可能であり、この
場合、煩雑な表面処理、例えば化学エッチングをしなく
ても、充分な金属と樹脂の密着力を得ることができる。
更に、エッチングを施した樹脂成形物に対しては、エ
ッチングした樹脂成形物表面にアンカー効果を得るのに
十分薄い導電性ポリマーの膜を形成させることが可能で
あり、従って優れた密着力を得ることができる。
ッチングした樹脂成形物表面にアンカー効果を得るのに
十分薄い導電性ポリマーの膜を形成させることが可能で
あり、従って優れた密着力を得ることができる。
本発明の方法によれば、従来の方法に比べ、著しく簡
易な操作により合成樹脂等の非導電性物質からなる物品
に金属メッキを施すことが可能となった。
易な操作により合成樹脂等の非導電性物質からなる物品
に金属メッキを施すことが可能となった。
以下に実施例を挙げて、本発明を説明するが本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。
これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 表面処理を行ったポリアセタール樹脂〔ポリプラスチ
ックス株式会社製 ジュラコン〕成形品を20重量%塩化
鉄(III)メタノール溶液に浸漬し、超音波を2分間照
射して塩化鉄(酸化剤)を均一に吸着させ、且つ樹脂内
部に浸透させた。この塩化鉄(III)を表面に吸着させ
た樹脂を1分間乾燥した後、デシケータ中でピロール蒸
気と室温で気相で接触させたところ、2分後に表面に緻
密性、均一性、平滑性の良好なポリピロール膜が形成さ
れた。ついで、この複合化物をメタノール洗浄、乾燥し
た後、表面抵抗率を測定すると300Ωを示した。
ックス株式会社製 ジュラコン〕成形品を20重量%塩化
鉄(III)メタノール溶液に浸漬し、超音波を2分間照
射して塩化鉄(酸化剤)を均一に吸着させ、且つ樹脂内
部に浸透させた。この塩化鉄(III)を表面に吸着させ
た樹脂を1分間乾燥した後、デシケータ中でピロール蒸
気と室温で気相で接触させたところ、2分後に表面に緻
密性、均一性、平滑性の良好なポリピロール膜が形成さ
れた。ついで、この複合化物をメタノール洗浄、乾燥し
た後、表面抵抗率を測定すると300Ωを示した。
さらにこの導電化成形品を、硫酸銅200g/、濃硫酸3
0ml/から成る電解液を用いて電気メッキを行ったとこ
ろ、平滑で密着性の良好な銅メッキを施すことができ
た。この銅メッキ物は、従来法の無電解メッキ法で行っ
たものと、ほぼ同じピーリング強度(1.5kg/cm以上)を
示し、また従来法より短時間でメッキすることが出来
た。さらに、この銅メッキ物に通常のニッケル、クロム
メッキを施すことができた。
0ml/から成る電解液を用いて電気メッキを行ったとこ
ろ、平滑で密着性の良好な銅メッキを施すことができ
た。この銅メッキ物は、従来法の無電解メッキ法で行っ
たものと、ほぼ同じピーリング強度(1.5kg/cm以上)を
示し、また従来法より短時間でメッキすることが出来
た。さらに、この銅メッキ物に通常のニッケル、クロム
メッキを施すことができた。
実施例2 実施例1と同様な方法で塩化鉄(III)を表面に吸着
させたポリアセタール樹脂成形品をピロールのベンゼン
溶液〔ピロール/ベンゼン=5/300(V/V)〕に室温で浸
漬したところ、緻密性、均一性、平滑性の良好な導電性
ポリピロールが10分後に表面に形成された。この複合化
物は実施例1と同様な方法により電気メッキを施すこと
ができた。この方法で得られた銅メッキ物は良好な密着
力を有し、実施例1に近いピーリング強度(1.0kg/cm以
上)を示した。
させたポリアセタール樹脂成形品をピロールのベンゼン
溶液〔ピロール/ベンゼン=5/300(V/V)〕に室温で浸
漬したところ、緻密性、均一性、平滑性の良好な導電性
ポリピロールが10分後に表面に形成された。この複合化
物は実施例1と同様な方法により電気メッキを施すこと
ができた。この方法で得られた銅メッキ物は良好な密着
力を有し、実施例1に近いピーリング強度(1.0kg/cm以
上)を示した。
実施例3 ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに約40
重量%の塩化鉄(III)を含有するポリビニルアルコー
ルの10%濃度水溶液をキャスト法により3μmの厚さに
コートし、約120℃で3分間乾燥した。ついでデシケー
タ中に得られたフィルムを置き、これを室温でピロール
と水の混合蒸気と気相で接触させたところ、15分後にポ
リピロール複合PETフィルムが形成された。このPETフィ
ルムを室温で真空乾燥し、表面抵抗率を測定すると500
Ωを示した。さらに、このPETフィルムは実施例1と同
様な方法により電気メッキを施すことができた。この方
法で得られた銅メッキ物の密着力は良好で、セロハンテ
ープによるピーリングテストでも剥離しなかった。
重量%の塩化鉄(III)を含有するポリビニルアルコー
ルの10%濃度水溶液をキャスト法により3μmの厚さに
コートし、約120℃で3分間乾燥した。ついでデシケー
タ中に得られたフィルムを置き、これを室温でピロール
と水の混合蒸気と気相で接触させたところ、15分後にポ
リピロール複合PETフィルムが形成された。このPETフィ
ルムを室温で真空乾燥し、表面抵抗率を測定すると500
Ωを示した。さらに、このPETフィルムは実施例1と同
様な方法により電気メッキを施すことができた。この方
法で得られた銅メッキ物の密着力は良好で、セロハンテ
ープによるピーリングテストでも剥離しなかった。
実施例4 ガラスプレートを20重量%塩化鉄(III)メタノール
溶液に浸漬し、酸化剤を均一に吸着させた。このガラス
プレートを乾燥した後、デシケータ中でピロール蒸気と
室温で気相で接触させたところ、2分後に表面に緻密
性、均一性、平滑性の良好なポリピロール膜が形成され
た。ついで、この複合化物をメタノール洗浄、乾燥した
後、表面抵抗率を測定すると500Ωを示した。この複合
化物は実施例1と同様な方法により電気メッキを施すこ
とができた。この方法で得られた銅メッキ物は良好な密
着力を有し、ガムテープによるピーリングテストでも剥
離しなかった。
溶液に浸漬し、酸化剤を均一に吸着させた。このガラス
プレートを乾燥した後、デシケータ中でピロール蒸気と
室温で気相で接触させたところ、2分後に表面に緻密
性、均一性、平滑性の良好なポリピロール膜が形成され
た。ついで、この複合化物をメタノール洗浄、乾燥した
後、表面抵抗率を測定すると500Ωを示した。この複合
化物は実施例1と同様な方法により電気メッキを施すこ
とができた。この方法で得られた銅メッキ物は良好な密
着力を有し、ガムテープによるピーリングテストでも剥
離しなかった。
実施例5 塩化ビニル樹脂成形品を20重量%塩化鉄(III)テト
ラヒドロフラン溶液に浸漬し、超音波を2分間照射し
て、樹脂表面を緊密な複合体とした。この複合化樹脂成
形品をピロールとテトラヒドロフランの混合蒸気と気相
で接触させたところ3分後に表面に緻密性、均一性、平
滑性の良好なポリピロール複合膜が形成された。この複
合化物をメタノール洗浄、乾燥した後、表面抵抗率を測
定すると200Ωを示した。さらにこの複合化物は実施例
1と同様な方法により電気メッキを施すことができた。
この銅メッキ物は高いピーリング強度(1.7kg/cm以上)
を示した。
ラヒドロフラン溶液に浸漬し、超音波を2分間照射し
て、樹脂表面を緊密な複合体とした。この複合化樹脂成
形品をピロールとテトラヒドロフランの混合蒸気と気相
で接触させたところ3分後に表面に緻密性、均一性、平
滑性の良好なポリピロール複合膜が形成された。この複
合化物をメタノール洗浄、乾燥した後、表面抵抗率を測
定すると200Ωを示した。さらにこの複合化物は実施例
1と同様な方法により電気メッキを施すことができた。
この銅メッキ物は高いピーリング強度(1.7kg/cm以上)
を示した。
Claims (9)
- 【請求項1】非導電性物質からなる物品の表面に導電性
ポリマーの薄膜あるいは導電性ポリマーと樹脂との複合
膜を、次の(1)あるいは(2)の何れかの手法による
化学重合法により形成させた後、金属メッキを施すこと
を特徴とする非導電性物質のメッキ法。 (1)非導電性物質からなる物品の表面に、酸化剤を吸
着、マトリックスによる固定、あるいは含浸により付与
せしめた後、モノマーと気相あるいは液相で接触させる
ことにより導電膜を形成させる。 (2)非導電性物質からなる物品の表面に、モノマーを
含浸させた後、酸化剤と接触させることにより導電膜を
形成させる。 - 【請求項2】非導電性物質が合成樹脂、ガラス又はセラ
ミックスである特許請求の範囲第1項記載のメッキ法。 - 【請求項3】合成樹脂成形物の表面に酸化剤を吸着させ
た後、モノマーと気相あるいは液相で接触させて導電性
ポリマーの薄膜を形成させる、特許請求の範囲第1項記
載のメッキ法。 - 【請求項4】合成樹脂成形物の表面に酸化剤をマトリッ
クスにより固定した後、モノマーと気相あるいは液相で
接触させて導電性ポリマーの複合膜を形成させる、特許
請求の範囲第1項記載のメッキ法。 - 【請求項5】合成樹脂成形物の表面に樹脂の良溶媒で且
つ酸化剤を溶解する溶媒に溶解させた酸化剤溶液を含浸
させた後、モノマーと気相あるいは液相で接触させて導
電性ポリマーを形成させる、特許請求の範囲第1項記載
のメッキ法。 - 【請求項6】合成樹脂成形物の表面にモノマーを含浸さ
せた後、酸化剤と接触させて導電性ポリマーを形成させ
る、特許請求の範囲第1項記載のメッキ法。 - 【請求項7】導電性ポリマーがポリピロールあるいはそ
の誘導体である特許請求の範囲第1項乃至第6項の何れ
か1項に記載のメッキ法。 - 【請求項8】導電性ポリマーがポリピロールであり、マ
トリックスがポリビニルアルコールである、特許請求の
範囲第4項に記載のメッキ法。 - 【請求項9】酸化剤が塩化第二鉄である、特許請求の範
囲第1項乃至第8項の何れか1項に記載のメッキ法。
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JP61271531A JP2575672B2 (ja) | 1986-11-14 | 1986-11-14 | 非導電性物質のメツキ法 |
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