JP2575121Y2 - インスタントフィルム用フィルムバック - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、カメラボディに着脱自
在なロールフィルム用フィルムバックの替わりに当該カ
メラボディに装着可能にされたインスタントフィルム用
フィルムバックに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、カメラボディに着脱自在なロール
フィルム用フィルムバックを設けたカメラがあり、その
ようなカメラでは、ロールフィルムを装填したロールフ
ィルム用フィルムバックを複数用意することにより、フ
ィルム交換の煩雑さを生じることなく撮影を連続的に行
うことができる。また、撮影前に構図などを確認するた
めに、撮影と同時に現像可能なインスタントフィルムを
内蔵すると共にロールフィルム用フィルムバックと交換
可能にされたインスタントフィルム用フィルムバックが
ある。

【０００３】上記インスタントフィルム用フィルムバッ
クは、インスタントフィルムの大きさからカメラボディ
の裏面側にてカメラボディの外周から一部はみ出すよう
に取り付けられることがある。その場合には、カメラボ
ディ内に結像する像とインスタントフィルムの感光面と
が互いに離れて位置することになるため、カメラによる
結像をインスタントフィルムの感光面まで移動させるた
めに光ファイバを束ねたファイバオプティックプレート
をインスタントフィルム用フィルムバックに設けてい
る。

【０００４】ところで、インスタントフィルムに鮮明に
結像させるためには、ファイバオプティックプレートと
インスタントフィルムとは互いに密接させる必要があ
り、ファイバオプティックプレートの後端面をインスタ
ントフィルム用フィルムバック内のケースホルダの内面
から所定量突出させ、そのファイバオプティックプレー
トの端面にインスタントフィルムを弾発的に密接させる
と良い。そのために、インスタントフィルム用フィルム
バックには、インスタントフィルムをファイバオプティ
ックプレートに密接させるためのばね体が設けられてい
る。

【０００５】また、ファイバオプティックプレートは精
密に仕上げられた光学部品であり、その取扱いを慎重に
行う必要がある。そのためには、例えば移動時にふらつ
かないように、ファイバオプティックプレートをインス
タントフィルムバックのケースに固着することが考えら
れる。

【０００６】一方、ファイバオプティックプレートの断
面積がロールフィルム上の結像面積と同等に形成されて
いる場合には、一般にインスタントフィルムの感光面の
面積に対して小さい。例えば４５×６０mmのロールフィ
ルムに対してインスタントフィルムのサイズが７３×８
５mmの場合がある。このような場合、インスタントフィ
ルムの感光面の一部分にファイバオプティックプレート
の後端面が当接するようになるため、インスタントフィ
ルムがファイバオプティックプレートを支点として傾き
易くなる。インスタントフィルムが傾いた場合には、ぼ
けた写真が撮影されてしまうという問題が生じる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】このような従来技術の
問題点に鑑み、本考案の主な目的は、カメラボディに着
脱自在なロールフィルム用フィルムバックの替わりにイ
ンスタントフィルム用フィルムバックをカメラボディに
装着した際に、カメラボディ内に結像する像をインスタ
ントフィルムの感光面上に移すためのファイバオプティ
ックプレートの後端面をインスタントフィルムの感光面
の一部と密接させる際の密接性を確保し得るインスタン
トフィルム用フィルムバックを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】このような目的は、本考
案によれば、カメラボディに着脱自在なロールフィルム
用フィルムバックの替わりに当該カメラボディに装着可
能にされたインスタントフィルム用フィルムバックであ
って、前記インスタントフィルム用フィルムバックが、
インスタントフィルムを内蔵するケースホルダと、前記
カメラボディへの装着状態にて前記カメラボディ側に向
けて前記インスタントフィルムを弾発付勢するための弾
発付勢手段と、前記カメラボディ内に結像する像を前記
インスタントフィルムの感光面上に移すためのファイバ
オプティックプレートとを有し、前記ファイバオプティ
ックプレートが、その後端面を前記インスタントフィル
ムの感光面よりも狭く形成されていると共に当該後端面
を前記インスタントフィルムの感光面の一部と密接させ
るべく前記ケースホルダの内面から後方に所定量突出す
るように前記ケースに固着され、かつ前記ケースホルダ
の前記内面に、前記インスタントフィルムの感光面に対
面するべく前記ファイバオプティックプレートの突出量
と略同一の突出量を有するスペーサが前記ファイバオプ
ティックプレートと並んで設けられていることを特徴と
するインスタントフィルム用フィルムバックを提供する
ことにより達成される。

【０００９】

【実施例】以下、本考案の好適実施例を添付の図面を参
照して詳しく説明する。

【００１０】図１は、本考案が適用されたインスタント
フィルム用フィルムバック１及びその装着対象のカメラ
２を示す組付け斜視図である。このカメラ２は、例えば
４５×６０mmのこまサイズのロールフィルムを使用して
撮影を行うためのものであり、通常は、そのロールフィ
ルムを装填した図示されない着脱自在なロールフィルム
用フィルムバックをカメラボディ３の後面に開口するフ
ィルム収容室４に装着して使用される。

【００１１】例えば正規の撮影を行う前に構図などを確
認する際には、ロールフィルム用フィルムバックの替わ
りに図に示されるようにインスタントフィルム用フィル
ムバック１を装着する。インスタントフィルム用フィル
ムバック１は、例えば複数枚のインスタントフィルム５
を収容する偏平な箱状のフィルムケース６を内蔵するた
めのケースと、カメラボディ３内の所定位置に結像する
像を装着時のインスタントフィルム６の感光面上に光学
的に移すためのファイバオプティックプレート８とによ
り構成されている。ケースは、ファイバオプティックプ
レート８を固着された凹状のフィルムケースホルダ７ａ
と、フィルムケースホルダ７ａの開口端面を開閉し得る
ようにフィルムケースホルダ７ａに傾動自在に枢着され
た蓋７ｂと、蓋７ｂを閉じた状態に保持するべくフィル
ムケースホルダ７ａに傾動自在に枢着されたフック７ｃ
とからなる。

【００１２】ファイバオプティックプレート８は、光フ
ァイバを束ねたブロック状に形成されており、その光軸
方向両端面を平坦に仕上げられている。また、図２に示
されるように、フィルムケースホルダ７ａの装着時にカ
メラボディ３側に向く面には、図示されないねじにより
ベース板９・カバー１０・支持板１１がこの順に固着さ
れており、それらによりケースホルダが構成されてい
る。ファイバオプティックプレート８の４方の外周面に
は４枚のファイバ取付板１２が接着されており、支持板
１１にそれらファイバ取付板１２がねじ止めされて、フ
ァイバオプティックプレート８がフィルムケースホルダ
７ａに固着されている。また、ファイバオプティックプ
レート８の前端部分の外周部が、ファイバ取付板１２に
ねじ止めされたガイドフレーム１３により支持されてい
る。

【００１３】フィルム収容室４の奥には、ロールフィル
ムのスライド支持及び縁のガイド用に内レール１４及び
外レール１５が適所に設けられている。本実施例のイン
スタントフィルム用フィルムバック１にあっては、カメ
ラボディ３に装着した際には、ガイドフレーム１３が外
レール１５に当接するようになっており、その当接状態
でファイバオプティックプレート８が光軸方向に位置決
めされる。このように位置決めすることにより、通常一
対の内レール１４同士を結ぶ面から若干（例えば０．１
mm）後方側に結像面を位置させていることから、その結
像面に極めて近い位置にファイバオプティックプレート
８の前端面８ｂを位置させることができる。

【００１４】フィルムケース６には、前記したように複
数枚のインスタントフィルム５が積層されて収容されて
いるが、フィルムケース６を図１の矢印Ａに示されるよ
うにフィルムケースホルダ７ａに納め、蓋７ｂを同図矢
印Ｂに示される向きに傾動して閉じ、フック７ｃを同図
矢印Ｃに示されるように傾動して蓋７ｂを全閉状態に保
持する。このようにして、インスタントフィルム用フィ
ルムバック１が待機状態になる。

【００１５】ところで、フィルムケース６には、図１に
示されるようにインスタントフィルム５の裏面を前方に
向けて付勢するためのばね手段としてのばね片６ａが適
所に複数設けられている。また、蓋７ｂの内面にはフィ
ルムケース６の裏面を押圧付勢するための板ばねからな
る押さえばね１６が設けられている。

【００１６】ファイバオプティックプレート８のインス
タントフィルム５の感光面の一部と密接することになる
後端面８ａは、フィルムケースホルダ７ａの内面として
のベース板９の内面９ａから後方に所定量（図２のｄ）
突出するようにされている。また、本実施例の場合に
は、内面９ａに、ファイバオプティックプレート８と並
んで３つのスペーサ１７が設けられている。これらスペ
ーサ１７は、ファイバオプティックプレート８の後端面
８ａと同一面上に各突出端面を位置させるように内面９
ａから所定量ｄ突出する厚さにて形成されていると共
に、インスタントフィルム５の感光面の後端面８ａと密
接する部分とは異なる他の部分と接することにより、イ
ンスタントフィルム５の感光面を４点で支持し得るよう
にそれぞれ配設されている。なお、スペーサ１７の厚さ
は、インスタントフィルム５の可撓性により、ファイバ
オプティックプレート８の内面９ａからの突出量ｄと略
同一であれば良い。

【００１７】従って、蓋７ｂを全閉状態にすることによ
り、上記したようにフィルムケースホルダ７ａに納めら
れたフィルムケース６が押さえばね１６により付勢され
て弾発支持されると共に、インスタントフィルム５が、
ファイバオプティックプレート８の後端面８ａに向けて
ばね片６ａにより付勢される。そして、インスタントフ
ィルム５の後端面８ａに密接しない他の部分が、各スペ
ーサ１７により後端面８ａと同一高さで支持されるた
め、ファイバオプティックプレート８の後端面８ａに対
してインスタントフィルム５が傾くことなく密接し、イ
ンスタントフィルム５の後端面８ａに対する密接性を好
適に確保し得る。ところで、スペーサ１７の突出端面形
状は、図の４角形に限らず、円形やその他の形状であっ
て良い。また、スペーサの数も３つに限るものではな
く、例えばＬ字形のスペーサを設けるようにしても良
い。

【００１８】なお、インスタントフィルム５をそのフィ
ルムケース６と共に内蔵したケースを有するインスタン
トフィルム用フィルムバック１をカメラボディ３に装着
するには、ロールフィルム用フィルムバックを装着する
際に用いるべくフィルム収容室の両側面に突設されたロ
ックピン１８を利用する。すなわち、ロールフィルム用
フィルムバックに設けられたロック機構と同様のロック
機構を例えば支持板１１に設けておき、そのロック機構
を構成するロックレバー１９をロックピン１８に係合さ
せて、インスタントフィルム用フィルムバック１をカメ
ラボディ３に一体化することができる。

【００１９】

【考案の効果】このように本考案によれば、インスタン
トフィルム用フィルムバックを使用する際に、インスタ
ントフィルムの感光面の面積に対してファイバオプティ
ックプレートの後端面の面積が狭い場合であっても、フ
ァイバオプティックプレートと密接するエリア以外の所
を支持するスペーサが設けられていることから、ファイ
バオプティックプレートの後端面に対して傾くことなく
インスタントフィルムが密接し得るため、鮮明な写真を
撮影することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案が適用されたインスタントフィルム用フ
ィルムバックのカメラへの組付け斜視図。

【図２】インスタントフィルム用フィルムバックをカメ
ラへ装着した状態の要部横断面図。

【符号の説明】

１ インスタントフィルム用フィルムバック ２ カメラ ３ カメラボディ ４ フィルム収容室 ５ インスタントフィルム ６ フィルムケース ７ａ フィルムケースホルダ ７ｂ 蓋 ７ｃ フック ８ ファイバオプティックプレート ８ａ 後端面 ８ｂ 前端面 ９ ベース板 １０ カバー １１ 支持板 １２ ファイバ取付板 １３ ガイドフレーム １４ 内レール １５ 外レール １６ 押さえばね １７ スペーサ １８ ロックピン １９ ロックレバー

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 カメラボディに着脱自在なロールフィル
   ム用フィルムバックの替わりに当該カメラボディに装着
   可能にされたインスタントフィルム用フィルムバックで
   あって、 前記インスタントフィルム用フィルムバックが、インス
   タントフィルムを内蔵するケースホルダと、前記カメラ
   ボディへの装着状態にて前記カメラボディ側に向けて前
   記インスタントフィルムを弾発付勢するための弾発付勢
   手段と、前記カメラボディ内に結像する像を前記インス
   タントフィルムの感光面上に移すためのファイバオプテ
   ィックプレートとを有し、 前記ファイバオプティックプレートが、その後端面を前
   記インスタントフィルムの感光面よりも狭く形成されて
   いると共に当該後端面を前記インスタントフィルムの感
   光面の一部と密接させるべく前記ケースホルダの内面か
   ら後方に所定量突出するように前記ケースに固着され、
   かつ前記ケースホルダの前記内面に、前記インスタント
   フィルムの感光面に対面するべく前記ファイバオプティ
   ックプレートの突出量と略同一の突出量を有するスペー
   サが前記ファイバオプティックプレートと並んで設けら
   れていることを特徴とするインスタントフィルム用フィ
   ルムバック。