JP2574956Y2 - 炭素繊維炭素複合材料製焼成用ボックス - Google Patents

炭素繊維炭素複合材料製焼成用ボックス

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JP2574956Y2
JP2574956Y2 JP1992032256U JP3225692U JP2574956Y2 JP 2574956 Y2 JP2574956 Y2 JP 2574956Y2 JP 1992032256 U JP1992032256 U JP 1992032256U JP 3225692 U JP3225692 U JP 3225692U JP 2574956 Y2 JP2574956 Y2 JP 2574956Y2
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隆夫 中川
正晴 橘
利弘 佐藤
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は炭素繊維炭素複合材料
(以下C/Cコンポジットと称す)を用いる焼成用ボッ
クスに関するものであり、好適にはC/Cコンポジット
製の高温焼成用のマッフル、治具、ボックス、トレー等
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、1000〜2000℃の高温で焼成するた
めの治具、ボックスとしてステンレス鋼、インコネル等
の各種耐熱鋼、セラミックス、黒鉛材料等の材料で製造
されたものが知られている。
【0003】しかしながら、高温焼成用に使用するボッ
クスをステンレス鋼又はインコネル等の各種耐熱鋼で製
造すると、重量が大きくなるばかりでなく、焼成の際に
昇温、降温を繰り返すことによりボックスが変形し、焼
成内容物に悪影響を及ぼすことがあるほか、ロボットに
よる作業ができなくなる。
【0004】更に、当該耐熱鋼は、使用可能温度が約12
00℃程度であり、温度変化による変形が大きいため、そ
れ以上の温度での焼成に用いるのは困難であった。
【0005】また、セラミックス材料は、焼成の際の使
用可能温度は材料によって異なるが、熱衝撃に弱く、脆
いので破壊しやすく、作業性に問題がある。
【0006】黒鉛材料は高温操作を伴なう種々の用途に
用いられているが、かかる黒鉛材料は、3000℃まで使用
可能である一方、強度が低く、弾性率が小さいため必要
な設計を満たそうとすると重量が大きくなり、そのため
脆く、ボックスが破壊しやすい。
【0007】高温焼成用に使用するボックスを黒鉛材料
で製造する場合、厚肉の材料からボックス状にくり抜き
加工を施して当該ボックスを製造しているが、これは、
強度の点からボルト、リベット類による接合や嵌め合い
による接合ができないためであり、また、高温で十分に
使用可能な接着剤も現在は存在しないため、かかるくり
抜き加工により製造するものである。かかるくり抜き加
工は、通常、等方性黒鉛材料のブロック材を所定の形状
に切削することにより製造されているが、ブロック材を
基準にした製品の歩留が極めて低く、製品が大型になる
につれて歩留がますます低下することになる。
【0008】更に、原料ブロック材の等方性黒鉛材料
は、その製造に多大な手間とエネルギーとを要し、この
ブロック材から切削して製造する際の製品歩留が低いこ
とは、ますますその製品を高価なものにするという問題
があった。
【0009】そこで、このような問題を解決する方法と
して、最初から黒鉛材料を最終製品に近い形状に成形し
ておき、これを炭素化し黒鉛化する、いわゆるニアネッ
トシェイプ成形法により製品歩留を上げることも考えら
れるが、等方性黒鉛材料はその炭素化あるいは該炭素化
と引き続き行わる黒鉛化の工程からなる炭化工程で通常
15〜40%の体積収縮があり、ニアネットシェイプ成形を
行う際の設計が極めて難しい。また、仮にニアネットシ
ェイプ成形を行っても、炭素化や黒鉛化の炭化工程で収
縮が一様に起こらず、収縮率の違いによって形状が変化
したり、また、収縮率の大きいところではクラックが生
じる等の問題が生じた。
【0010】また、かかるニアネットシェイプ成形は、
最初から最終製品に近い形状に成形して炭素化、黒鉛化
をするため、わずかな寸法の異なるボックスや形状の異
なるボックスを製造する際にも、最初の工程からやり直
さなければならず、手間がかかるため経済的に高価なも
のとなっている。
【0011】その上、黒鉛材料のボックスは、強度の点
から肉厚にならざるを得ず、そのため重量が大きくな
り、焼成内容物の昇温に用いられるエネルギーの他にボ
ックスそれ自体の昇温に用いられるエネルギーが非常に
大きく、コスト的に無駄が生じ、その上衝撃に弱いので
作業中に落としたり、ぶつけたりしたときに、ひびが入
ったり割れたりすることがあり、作業性にも問題があ
る。
【0012】
【考案が解決しようとする課題】本考案の課題は、高強
度、高弾性率、軽量である特徴を有するC/Cコンポジ
ットを用いて、肉厚が薄く、軽量で、省エネルギー型
の、しかも温度変化に対する変形のない高温焼成用ボッ
クスを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本考案者らは、上記従来
の問題点を解決すべく高強度、高弾性率、軽量等の特徴
を有するC/Cコンポジットに着目して鋭意研究の結
果、従来の材料では製造できない肉厚が薄く、軽量で、
省エネルギー型でしかも温度変化に対する変形のないボ
ックスを得ることを知見し、その構造上の特徴は、ボッ
クスを構成する板状体相互の接合を嵌合孔と掛止部の掛
合により可能にしたことである。
【0014】即ち、本考案のC/Cコンポジット製焼成
用ボックスは、複数の板状体を相互に密接嵌合させて構
成した枠体と、この枠体の底部に装着した底面部材とか
ら成り、前記板状体相互の嵌合部において、一方の板状
体に嵌合孔を設け、他方の板状体にこの嵌合孔に挿通し
得る突出部と、前記嵌合孔に掛合し得るようこの突出部
の少なくとも一つに形成した掛止部と、前記突出部に隣
接して前記嵌合部に垂直な方向に形成したスリットとを
具えることを特徴とする。
【0015】
【実施例】本考案の好適な実施例を図1〜図5を参照し
ながら詳細に説明する。図1において枠体1は、一方の
板状体を構成する第1側板2と他方の板状体を構成する
第2側板3とを有する。
【0016】図1及び図2(b) に示すように第1側板2
の端部には嵌合孔2bを設け、図2(a) に示すように第
2側板3には、第1側板2の嵌合孔2bを挿通し得る突出
部3aを設け、この突出部3aの少なくとも1つに掛止部3b
を形成する。
【0017】突出部3aは嵌合孔2bより若干小さい断面積
となる寸法とし、また、突出部3aに、若干の可撓性を持
たせるように第2側板3の突出部3aに隣接した位置にス
リット3cを形成する。
【0018】図2(c) には枠体1の第1側板2と第2側
板3との嵌合状態を示す。嵌合に際しては、第2側板3
の突出部3aを側方に押圧Pして第1側板2の嵌合孔2bに
挿通させて嵌合させる。
【0019】この際スリット3cによってもたらされた弾
性により、突出部3aを復帰させて掛止部3bが嵌合孔2bに
掛合するようにするため、最上方に設けた突出部3a上端
と最下方に設けた突出部3a下端との距離aが第1側板2
の最上方に設けた嵌合孔2b上端と最下方に設けた嵌合孔
2b下端までの距離bよりも若干大きくなるようにする。
【0020】この枠体の底部には、棒状又は面状の底面
部材4を第1側板2の底部に設けた孔2aに嵌合させて装
着する。
【0021】以上の部材は本考案では、C/Cコンポジ
ットを用いるが、以下に本考案に用いるC/Cコンポジ
ットについて説明する。
【0022】本考案の焼成用ボックスに用いるC/Cコ
ンポジットには、含浸法、CVD法等の従来の方法によ
り製造したC/Cコンポジットの他、好ましくは、プリ
フォームドヤーン法によるC/Cコンポジットを用いる
ことができる。
【0023】C/Cコンポジットは、軽量で、強度、弾
性率が大きく、熱衝撃に強く、温度変化を繰り返しても
変形しないなどの利点から高温焼成用のマッフル、治
具、ボックス、トレーなどに効果的である。
【0024】CVD法により得られるC/Cコンポジッ
トは、炭素繊維を予め簡単に成形し、炉に入れて高温下
で加熱し、次いで炭化水素系ガスを炉内に通して分解炭
化させ、炭素を表面に沈着固化させるものである。
【0025】他に、本考案に用いるC/Cコンポジット
を得る方法として、炭素繊維の束、織布、不織布など
を、フェノール樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に
より所望の形状に成形した後、不活性ガス雰囲気で熱処
理を行って樹脂を炭化させる方法もある。
【0026】また炭素繊維で強化した樹脂成形体を焼成
炭化し、更に樹脂が炭化する際に分解物が抜けてできた
気孔に樹脂を含浸して炭化する操作を繰り返すことによ
り、本考案に用いるC/Cコンポジットを得る方法もあ
る。
【0027】本考案に使用するC/Cコンポジットに用
いる炭素繊維としては、石油ピッチ若しくはコールター
ルピッチを原料とし、紡糸用ピッチの調整、溶融紡糸、
不融化及び炭素化して得られるピッチ系炭素繊維並びに
アクリロニトリル(共)重合体繊維を耐炎化及び炭素化
して得られるPAN系炭素繊維の何れのものでもよい。
【0028】プリフォームドヤーン法により得られるC
/Cコンポジットが特に好ましく、当該プリフォームド
ヤーンは本件出願人による特願昭61−182483号に記載さ
れた方法により製造するものである。
【0029】プリフォームドヤーンにおいては、炭素繊
維束の周囲に熱可塑性樹脂からなる柔軟な被覆(即ちス
リーブ)が設けられている。
【0030】プリフォームドヤーンで用いる炭素繊維束
は、フィラメントのデニール数が約0.05〜約600 の範囲
内で、フィラメント数が約50〜300000のもの、特にフィ
ラメントのデニール数が約0.25〜約16で、フィラメント
数が約100 〜約48000 のものが好ましく、該スリーブの
肉厚は一般的には、均一なスリーブ形成及びプリフォー
ムドヤーンの柔軟性のため約5〜約1000μm とするのが
良く、特に約10〜約300 μm とするのが好ましい。
【0031】従って、プリフォームドヤーンとしては、
炭素繊維束に含有される最終的にマトリックスとなる粉
末状のピッチ、コークス類の粉末類も含めて、直径約0.
1 〜約10mmの範囲のものが適切であり、約0.5 〜約5mm
のものが好ましい。前記繊維束の周囲に上記スリーブを
設けることによって、プリフォームドヤーンの補強用繊
維含有量は、補強効果及び高品質で均一な成形品を得る
ため約5〜約70容量%の範囲で任意に選択される。
【0032】プリフォームドヤーンにおいて、柔軟なス
リーブ形成材として用いる熱可塑性樹脂は、後加工にお
ける成形温度で完全に溶解する樹脂であり、例えばポリ
アミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド
イミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニ
レンサルファイド等のポリマーが挙げられる。更に具体
的にはポリアミドとしては、ナイロン66、ナイロン12、
ナイロン6/66/12 ターポリマーのようなホモ又はコポリ
マーが用いられる。またポリエステルとしては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリオキシエト
キシベンゾエート、全芳香族ポリエステル等のホモポリ
マー又はこれらコポリマーが用いられる。
【0033】次いで得られた炭素繊維束を熱可塑性樹脂
で被覆してなる比較的太い柔軟性プリフォームドヤーン
と、比較的細い熱可塑性樹脂繊維糸又は比較的細い炭素
繊維束を、その何れか一方を経糸とし、他方を緯糸とし
て製織して一方向プリフォームドシートを製造する。
【0034】当該プリフォームドシートは、本件出願人
による特願昭63−231791号公報に開示されている。当該
プリフォームドシートの経糸若しくは緯糸として用いら
れる熱可塑性樹脂繊維糸は、後加工における成形温度で
完全に溶融する樹脂繊維糸であり、例えばポリアミド、
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミドイミド、ポ
リイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホ
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサル
ファイド等のポリマーの繊維が挙げられる。更に具体的
には、ポリアミド繊維としては、ナイロン66、ナイロン
6、ナイロン12、ナイロン6/66/12 ターポリマーのよう
なホモ又はコポリマーから得られる繊維が用いられ、ま
たポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレート、ポリオキシエトキシベンゾエー
ト、全芳香族ポリエステル等のホモポリマー又はこれら
のコポリマーから得られる繊維が用いられ、この熱可塑
性樹脂繊維糸としてはできるだけ細い糸を使用するのが
良く、前記プリフォームドヤーンに対して、直径が1/5
以下のものを使用するのが、プリフォームドヤーンの直
線性を保持して通常織物にしたことによる後加工時の強
度低下を殆どなくすため好ましい。
【0035】更に、プリフォームドヤーンと熱可塑性樹
脂繊維との交織割合は、プリフォームドヤーン中の補強
用繊維と熱可塑性樹脂との割合によって変わり、また成
形後の複合材料の用途によっても変わるが、通常プリフ
ォームドシート全体での補強用繊維の割合が約3〜約70
容量%程度になるようにするのが好ましい。
【0036】このようにして得られたシートを最終製品
である焼成用ボックスに必要な枚数だけ重ね、これをホ
ットプレスで約300 〜約900 ℃の温度、常圧〜300kg/cm
2 の圧力を加えて成型する。温度が300 ℃以下だとマト
リックスの炭化が十分に行なわず、また成形品が十分に
作製されないため好ましくない。300kg/cm2 以上の圧力
だと成型品の形がくずれることもあり、装置的にも大規
模なものが必要となり好ましいない。特に、300 ℃以
上、好ましくは500 ℃以上でホットプレス処理をおこな
った際には成形体中に揮発分が殆ど残存せず、従って、
次いで、黒鉛化処理してもガスの発生がないため、気孔
が殆どなく、再含浸処理、炭化処理、黒鉛化処理を繰り
返すことなしに、充分な機械的強度を有する複合材料を
得ることができる。
【0037】次いで、ホットプレス法により得られた成
型品を約700 〜約1200℃の温度で炭化、次いで約1500℃
〜約3000℃の温度で黒鉛化してC/Cコンポジットを得
る。
【0038】更に、C/Cコンポジットの他に、酸化防
止、浸炭防止、表面の平滑化等のため、C/Cコンポジ
ット基材の表面に各種のコーティングを施したものも使
用することができる。
【0039】該コーティングには、SiC, TiC, ZrC, WC,
TiN, ZrN, AlN, BN, Si3N4, Al2O3, TiO2, Cr2O3, SiO
2 等のセラミックス類、Cr, Zr, Ti, Si, B 等の金属
類、ガラス類、グラッシーカーボン等を用いることがで
きる。
【0040】またコーティングする方法としてはCVD
法、PVD法、イオンプレーティング、スパッタリン
グ、溶射、水性ガラスコーティング、レーザー蒸着法、
プラズマ溶射、メッキライニング、塗装等の従来の方法
を用いることができ、コーティングは、最終製品である
ボックスに組み立てる前にC/Cコンポジット基材に施
しても、又、ボックスに組み立てた後に施してもよい。
【0041】次に図3を参照して、底面部材4の他の実
施例を説明する。図1及び図2(b)に示した例では棒状
の底面部材を第1側板2の孔2aに嵌合させて複数整列さ
せて配設したが、この図3に示す例では、底面部材4を
板状体とするとともに、第1側板2の下部に内方に突出
させた掛合部2cを設け、この上に底面部材4を載置する
ようにしたものである。
【0042】このように底面部材4はボックス内に収容
する物を支持できればどのような形状のものでも用いる
ことができ、上記した棒状、板状の形状の底面部材の
他、多数の孔を設けた板及び格子状の形状のものを用い
てもよい。また枠体1への装着方法も必らずしも嵌合固
着でなくとも、掛上するだけでもよい。
【0043】図2(a) 〜(c) に示すように突出部3a端部
の側方を押圧して嵌合孔2bに嵌合させる際、突出部3aを
押圧するのに必要な圧力はPで示されるが、このとき、
スリットの奥の部分に応力が集中し、その応力の最大値
はたわみ(δ)、弾性率(E)、スリットの位置(H)
と長さ(L)によって決まる。従って最大応力が許容応
力以下となるように設計する必要がある。
【0044】また、突出部3aは上述の実施例では3個の
ものを示したが、必要に応じてこれ以上設けても、これ
以下としてもよい。スリット3cの数は、1個でも良い
し、2個でも良く、必要に応じて適宜増減可能である。
【0045】図4(a), (b)はスリット3cの他の実施例で
ある。図2(a), (b)に示した図示例ではスリット3cは第
2側板3の面に垂直な方向に切欠いたものを示したが、
この図4(a), (b)に示す例はスリット3cを第2側板の面
に水平な方向、すなわち第1側板2と第2側板3の接合
面に沿う方向に設けたものである。
【0046】嵌合に際しては、第2側板3の突出部3aを
圧力Pで両側から押圧して、第1側板2の嵌合孔2bに挿
通させて嵌合させる。この際スリット3cによってもたら
された弾性により、突出部3aを復帰させて、掛止部3bが
嵌合孔2bに掛合するようにするため、2つの突出部3aの
幅cが嵌合孔2bの幅dより若干小さくなるようにする。
【0047】図5は突出部3aの他の実施例である。この
実施例では、突出部3aを3分割し、中央に剛固な部分3a
3 を設け、上下2つの突出部3a1, 3a2 により上述の図
4に示す実施例と同様の方法により第1側板2の嵌合孔
2bに掛合させるようにしたものである。
【0048】この実施例によれば、突出部3aに剛固な部
分を設けてあるので、側板の嵌合部における側面強度を
高く保持できるという利点が得られる。
【0049】図6は、本考案の焼成用ボックスの枠体を
構成する側板の他の実施例である。
【0050】この実施例では側板5の一端に突出部5a、
掛止部5b及びスリット5cを設け、他端に突出部5aに嵌合
し得る寸法の嵌合孔5dを設けたものである。
【0051】この実施例では、同一形状の側板5を例え
ば4枚用意し、一つの側板の突出部5aを次の側板の嵌合
孔5dに嵌合させ、順次各側板を連結し、最後の側板5の
突出部5aを最初の側板5の嵌合孔5dに嵌合させることに
より枠体を構成するようにしたものである。
【0052】このような構成によれば、側板を全て同一
形状に形成すればよいので、製造コストを低減できると
いう利点が得られる。
【0053】なお以上の実施例では、側板を4枚用い、
4角形状の枠体による例を示したが、枠体の形状はこれ
に限られることなく、3角形状、5角形状、6角形状や
それ以上の多角形状の枠体でもよく、適宜必要に応じた
形状の枠体を用いることができる。
【0054】以下に図1〜図5に示す実施例のC/Cコ
ンポジット製ボックスにおける強度試験の結果を示す。試験例1 プリフォームドヤーン法により製造した板厚5mmのC/
Cコンポジット(商品名エクセルシーAC200 、(株)
アクロス製)を用いて外形500 ×500 ×70mmのボックス
を製造した。該C/Cコンポジットの曲げ強度σは15kg
f/mm2 、曲げ弾性率Eは4000kgf/mm2 であり、掛止部を
設けるボックス側面のたわみ(掛止部の高さ)δを1m
m、割ピン高さHを20mmとした。許容応力σn を破断応
力の1/2 とすると7.5kgf/mm2となった。従って掛止部の
受け長Lは127mm 以上であればよく、150mm とすると、
掛止部の耐え得る最大荷重Pは12kgとなった。
【0055】試験例2 たわみ(掛止部の高さ)δを1.5mm 、割りピン高さHを
30mmとする以外は実施例1と同様に焼成用ボックスを製
造した。掛止部の受け長Lは、155mm 以上であればよ
く、180mm とすると、掛止部の耐える最大荷重Pは23kg
であった。
【0056】試験例3 プリフォームドヤーン法により製造した板厚5mmのC/
Cコンポジット(商品名エクセルシーAC250 、(株)
アクロス製)を用いて外形500 ×500 ×70mmのボックス
を製造した。該C/Cコンポジットの曲げ強度σは55kg
f/mm2 、曲げ弾性率Eは14000kgf/mm2であり、掛止部を
設けるボックス側面のたわみ(掛止部の高さ)δを1m
m、割ピン高さHを20mmとした。許容応力σn を破断応
力の1/2 とすると27.5kgf/mm2となった。従って掛止部
の受け長Lは124mm 以上であればよく、150mm とする
と、掛止部の耐え得る最大荷重Pは41kgとなった。
【0057】試験例4 含浸法により製造した板厚5mmのC/Cコンポジットを
用いて外形500 ×500×70mmのボックスを製造した。該
C/Cコンポジットの曲げ強度σは16kgf/mm2 、曲げ弾
性率Eは6000kgf/mm2 であり、掛止部を設けるボックス
側面のたわみ(掛止部の高さ)δを1mm、割ピン高さH
を20mmとした。許容応力σn を破断応力の1/2 とすると
8kgf/mm2 となった。従って掛止部の受け長Lは150mm
以上であればよく、180mm とすると、掛止部の耐え得る
最大荷重Pは12kgとなった。
【0058】
【考案の効果】上述のように本考案において得られたC
/Cコンポジットから成る焼成用ボックスは、肉厚が薄
く、軽量で、高強度、高弾性率を有し、温度変化に対す
る変形がないという効果が得られる。また、特に高温で
の強度保持、耐熱衝撃性に優れ、所望の形状の焼成用ボ
ックスが容易に得られ、製造コストの大幅な低減を図れ
るという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の1実施例の炭素繊維炭素複合材料製焼
成用ボックスを示す斜視図である。
【図2】(a) は、一方の側板の嵌合部を示す部分平面図
である。(b) は、他方の側板の嵌合部を示す部分平面図
である。(c) は、側板相互の嵌合状態を示す正面図であ
る。
【図3】底面部材の他の実施例を示す斜視図である。
【図4】側板の嵌合部の他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図5】側板の嵌合部の他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図6】他の実施例の側板を示す平面図である。
【符号の説明】
1 枠体 2,3,5 側板 4 底面部材 2a 孔 2b, 5d 嵌合孔 2c 掛合部 3a, 5a 突出部 3b, 5b 掛止部 3c, 5c スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 山下 美穂子 埼玉県川口市末広1丁目17番3号 第2 川口ハイツ1F 株式会社 アクロス内 (56)参考文献 特開 昭58−115292(JP,A) 特開 昭52−11206(JP,A) 実開 平4−74297(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F27D 3/12 C01B 31/02 101 C04B 35/64 C04B 35/83

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の板状体を相互に密接嵌合させて構
    成した枠体と、この枠体の底部に装着した底面部材とか
    ら成り、前記板状体相互の嵌合部において、一方の板状
    体に嵌合孔を設け、他方の板状体にこの嵌合孔に挿通し
    得る突出部と、前記嵌合孔に掛合し得るよう該突出部の
    少なくとも一つに形成した掛止部と、前記突出部に隣接
    して前記嵌合部に垂直な方向に形成したスリットとを具
    えることを特徴とする炭素繊維炭素複合材料製焼成用ボ
    ックス。
JP1992032256U 1992-05-15 1992-05-15 炭素繊維炭素複合材料製焼成用ボックス Expired - Lifetime JP2574956Y2 (ja)

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