JP2573904B2 - 共同溝及びその構築工法及びこれらに使用する共同溝用プレキャストコンクリートブロック - Google Patents

共同溝及びその構築工法及びこれらに使用する共同溝用プレキャストコンクリートブロック

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JP2573904B2
JP2573904B2 JP5236358A JP23635893A JP2573904B2 JP 2573904 B2 JP2573904 B2 JP 2573904B2 JP 5236358 A JP5236358 A JP 5236358A JP 23635893 A JP23635893 A JP 23635893A JP 2573904 B2 JP2573904 B2 JP 2573904B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Sewage (AREA)
  • Underground Structures, Protecting, Testing And Restoring Foundations (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は共同溝及びその構築工法
及びこれらに使用する共同溝用プレキャストコンクリー
トブロックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、共同溝は現場打ちコンクリートブ
ロック、又はプレキャストコンクリートブロックを連続
的に接合して構築されている。これらは専らアスファル
ト防水が用いられており、図18の(1)に示すよう
に、共同溝30の外周全面にアスファルトシート40が
幾重にも巻かれ、その上を保護材が覆っている。そし
て、コンクリートブロック50同士の接合部は、同図の
(2)に示すように防水シール60の上下に防水モルタ
ル70及びウレタン目地材80が充填されている。
【0003】しかし、このアスファルト防水は施工の際
に高熱処理を要するために煙や悪臭が発生するという公
害問題があり、また共同溝を埋戻す際の埋戻し材料でア
スファルト防水層が破損するのを防ぐためその表面に保
護材を被覆しなければならないという問題があった。そ
のため最近はこのアスファルト防水に代わって高分子系
のシート防水が用いられるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしこのシート防水
もシートの継目の施工精度が悪く、接合部に変位が生じ
た場合にはこれに追随できないためそこから漏水する恐
れがあるといった問題がある。
【0005】また、この工法は比較的高価であるばかり
でなく、湿潤面への接着が悪く、かつ出隅入隅の施工が
困難である等の種々の問題があり、未だ確率した工法に
なっていないのが現状である。
【0006】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、接合部に変位が生じた場合で
もそれに追随して接合部から漏水しない共同溝及びその
構築工法及びこれらに使用する共同溝用プレキャストコ
ンクリートブロックを提供することであり、かつ共同溝
を構築する際に、防水施工時に公害を発生させず、かつ
その施工精度を高めることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの共同溝の要旨は、外周面及び接合端面に被覆膜が吹
付け塗布された共同溝用プレキャストコンクリートブロ
ックが連続的に接合され、その接合部の外面には被覆帯
が吹付け塗布され、接合部外面の被覆帯が外周面の被覆
膜よりも厚く、かつ接合端面における外周角部が面取り
されたことに存し、また共同溝の構築工法の要旨は、開
削溝の床コンクリート上に適宜厚さの樹脂層を吹付け塗
布し、該樹脂層の上に、外周面及び接合端面が被覆膜で
被覆された共同溝用プレキャストコンクリートブロック
を連続的に配設して接合した後、その接合部外面に被覆
帯を吹き重ね塗布し、接合部外面の被覆帯が外周面の被
覆膜よりも厚く、接合端面における外周角部が面取りさ
れたことに存し、また共同溝用プレキャストコンクリー
トブロックの要旨は、外周面及び接合端面に被覆膜が吹
付け塗布され、前記接合端面の被覆膜が外周面の被覆膜
よりも厚く、かつ接合端面における外周角部が面取りさ
れたことに存する。
【0008】上記被覆膜、被覆帯及び樹脂層はポリウレ
タン樹脂であり、そのポリウレタン材料は指触乾燥時間
が60秒以内の硬化速度を持つ超速硬化型ウレタン吹付
材である。これは、床や天井等の水平部分と壁等の垂直
面や傾斜面を同一材料で同時に施工して継目のない皮膜
を得るためのものであり、最も好ましい指触乾燥時間は
4〜30秒である。また指触乾燥時間が60秒を越える
と垂直面や傾斜面では液ダレが発生し均一な膜厚を得る
ことができなくなる。
【0009】また、吹き付け可能なポリウレタン材料と
しては、硬化物の比重が0.9以上のものを使用するこ
とが好ましい。これは、比重が低くなると物性や防水性
能が低下する傾向があるからである。
【0010】また、ポリウレタン材料の吹付け条件は、
液圧を約100kg/cm2、液温度を40〜70℃と
して衝突時のエネルギーで2液を瞬時に攪拌・混合す
る。したがって、吹付け塗布に使用するスプレーガン
は、衝突混合型を使用し、作業性及び環境性を考慮し
て、ガンの洗浄方式が溶剤を使用するタイプより、溶剤
を使用しないロッドの出し入れによる機械式や空気洗浄
方式のタイプが好ましい。
【0011】また、この被覆膜の施工は、樹脂の吐出速
度がスプレーガン1個当り約5〜10kg/minであ
り、ポリウレタン樹脂の比重が約1であるから3mm厚
に施工した場合は100〜200m2/時間の施工能力
を有する。したがって、短時間のうちに必要箇所を被覆
することができるとともに、硬化に要する時間が短いた
め施工後の雨等による外的要因の影響を低減することが
できる。
【0012】この被覆膜の厚みは、1〜5mmで連続的
に積層し、接合端面は他の部分よりも30%以上厚くす
る。さらに接合部の被覆帯の厚みは目地幅、予測変位値
等により異なるが、変位の生じた場合に対応するため前
記被覆膜よりも30%以上厚くし、厚みを増した部分は
50cm以上の幅で重ね吹付け塗布する。また樹脂の施
工に際しては、プライマーを使用することで、下地コン
クリートとの接着力を向上させることができる。
【0013】このプライマーは、ウレタン系、アクリル
ウレタン系、エポキシ系、エポキシウレタン系、合成ゴ
ム系、シラン系等の各種材料が使用可能であるが、末端
にイソシアネート基を有するウレタン系を使用すると、
下地がやや濡れている湿潤状態の場合もイソシアネート
基が下地水分と反応するため事前にモルタルで平滑に仕
上げることにより均一なポリウレタン被覆膜を得ること
ができる。特にポリマーセメント(樹脂モルタル)また
は一液ウレタンプライマーにセメントを混合した材料を
塗布することで、コンクリートの不陸がなくなるので仕
上げが良好になる。
【0014】
【作用】本発明においては、外周面及び接合端面に被覆
膜を被覆したプレキャストコンクリートブロックを連続
的に接合し、その接合部外面に外周面の被覆膜よりも厚
い被覆帯を吹き重ね塗布したことにより、プレキャスト
コンクリートブロックの接合部に変位が生じた場合でも
それに追随できるので、この接合部からの漏水が防止で
きる。
【0015】また、開削溝の床コンクリート上に適宜厚
さの樹脂層を吹付け塗布し、該樹脂層の上に、外周面及
び接合端面が被覆膜で被覆された共同溝用プレキャスト
コンクリートブロックを連続的に配設して接合した後、
その接合部外面に被覆帯を吹き重ね塗布し、該被覆帯を
外周面の被覆膜よりも厚くしたことにより、共同溝が容
易に構築できるとともに、この構築時において公害等を
発生させることなく環境を良好に保つことができ、かつ
底面も含めた共同溝全周を防水することが可能となっ
た。
【0016】また、共同溝用プレキャストコンクリート
ブロックの外周面及び接合端面に被覆膜を吹付け塗布し
たことにより、プレキャストコンクリートブロック同士
を接合する際に被覆膜が防水シールの代用となる。さら
に、接合端部外周の角部が面取りされているので、プレ
キャストコンクリートブロックの接合部に変位が生じた
場合に、被覆膜に集中する応力を分散することができ
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1及び図2は共同溝用プレキャストコンクリ
ートブロックの断面図である。共同溝用プレキャストコ
ンクリートブロック1(以下PCブロックという)は工
場で予め所定の大きさに形成されるものであり、これを
現場に運送して連続的に接続することにより共同溝2を
構築する。
【0018】このPCブロック1は中空部1aを備え、
その外周全面及び接合端面にポリマーセメント3aが塗
布され、さらに外周全面には3mm厚のポリウレタン被
覆膜3が、また両接合端面には5mm厚のポリウレタン
被覆膜3がそれぞれ吹付け塗布され、両接合端面外周の
角部が面取りされている。このような両接合端面のポリ
ウレタン被覆膜3は、PCブロック1を接合する際に接
合部における防水シールの代用となるため、従来のよう
に接合する際に逐一接合部に防水シールを入れる手間が
省ける。
【0019】前記ポリウレタン被覆膜3は、リムスプレ
ーF−1000(三井東圧化学社製の超速硬化型ウレタ
ン吹付材)が使用されている。これは主剤のイソシアネ
ート成分に硬化剤としての特殊混合レジンを1対1の配
合比(容積比)で混合した超速硬化型ウレタン吹付材で
あり、液温度が40〜70℃の2液を、それぞれの吐出
ポンプ4bから80〜120kg/cm2 の圧力で吐出
してスプレーガン4aの吐出口で衝突混合して塗布する
(図4参照)。これは下記の表1にあるように可使時間
が数秒、指触乾燥時間が8〜20秒、硬化時間が30
分、伸び率が410%という物性を備えている。
【表1】
【0020】図5〜図8は上記PCブロックを連続的に
接合して構築した共同溝の断面図である。床コンクリー
ト5の上に形成されたポリウレタン樹脂層6の上にPC
ブロック1が連続的に配置され、これらのPCブロック
1が連結ボルト(図示せず)でそれぞれ接合されて共同
溝2が構築されている。
【0021】このPCブロック1の外周面には3mm厚
のポリウレタン被覆膜3が、また接合端部には5mm厚
のポリウレタン被覆膜3がポリマーセメント3aを介し
て吹付け塗布され、特に接合部においてはポリウレタン
被覆膜同士3、3が圧着されて防水シールとしての役割
を果している。なお、このポリウレタン被覆膜同士3、
3は表面に接着剤3cを塗布して接着強度を増してい
る。
【0022】また、この接合部の外周面には、ポリウレ
タン被覆膜3の上からさらに5mm厚で、かつ60cm
幅のポリウレタン被覆帯7が吹き重ねて被覆され、その
両端部がPCブロック1の側面からポリウレタン樹脂層
6の上にかけて被覆されている。したがって、このポリ
ウレタン被覆帯7は図8の(2)に示すように、この接
合部に変位が生じてもこれに容易に追随することができ
る。
【0023】次に、図9〜図11に基づいて共同溝の構
築工法について説明する。先ず、図9に示すように、床
コンクリート5の上面にポリマーセメント8(カチオン
タイト:ヤブハラ産業製)を塗布して表面を滑らかにし
た後、該ポリマーセメント8の全面にポリウレタン樹脂
を吹付け塗布して約3mm厚のポリウレタン樹脂層6を
形成する。
【0024】次に、このポリウレタン樹脂層6の上に、
外周全面及び両接合端面にポリウレタン被覆膜3が吹付
け塗布されたPCブロック1を連続的に敷設し、これら
を油圧ジャッキで緊張してから接続ボルトで接合する。
この際接合部においてはポリウレタン被覆膜同士3、3
がそれぞれ圧着されて防水シールの代わりとなる。
【0025】そして、このように接合されたPCブロッ
ク1の接合部外面に約5mm厚でかつ60cm幅のポリ
ウレタン被覆帯7をポリウレタン被覆膜3の上から吹き
重ね塗布する。このようにポリウレタン被覆帯7を吹き
重ねて厚く塗布することにより、その接合部に変位が生
じた場合でもこれに容易に追随することができる。
【0026】次に、ポリウレタン被覆膜同志の接着部の
水密性試験の結果について述べる。これは、共同溝の接
合部に水圧による漏水確認を想定した実験であり、まず
図12の(1)に示すように、表面に速硬型ポリウレタ
ン樹脂膜3(リムスプレー:三井東圧化学社製)を吹付
け塗布した2つの供試体9、10を、ポリウレタン樹脂
膜同士3、3を接着させて試験機11にセットする。な
お、前記ポリウレタン樹脂膜3の表面には接着力を強化
するためのプライマー3bが塗布されている。
【0027】そして、一方の供試体10の孔10aから
ポリウレタン樹脂膜3の接着部に1kg/cm2〜10
kg/cm2の水圧を加える。また加圧後の放置期間
は、各1時間とし10kg/cm2で7日間放置した。
この試験結果から下記の表2に示すように、接着部から
の漏水はみられず十分に水密性があることを確認するこ
とができた。
【表2】
【0028】次に、ポリウレタン被覆膜の接着性試験の
結果について述べる。図13の(1)はコンクリート1
2とポリウレタン被覆膜3との接着力の確認を試験した
ものであり、コンクリート12の表面にポリウレタン被
覆膜3を吹付け塗布した供試体13を作成し、それを懸
引用アタッチメント14で懸引してその接着力を測定し
た。このときコンクリート12の表面にはプライマー3
bを塗布せずに直接ポリウレタン被覆膜3を塗布した。
【0029】また同図の(2)はポリウレタン被覆膜同
士3、3の接着力の確認を試験したものであり、取付金
物15にプライマー3bを塗布した後にポリウレタン被
覆膜3を吹付け塗布するとともに、懸引用アタッチメン
ト14にもプライマー3bを塗布した後にポリウレタン
被覆膜3を吹付け塗布してそれぞれ供試体16、17を
作成した。
【0030】そして、これらを、その表面に接着剤3c
(二液無溶剤・常温硬化型・特殊エポキシ変性ポリマ
ー:セメダイン社製;弾性マスチック接着剤PM20
0)を塗布して接着した後、懸引用アタッチメント14
で懸引してその接着力を測定した。
【0031】この試験結果から下記の表3に示すよう
に、ポリウレタン被覆膜同士3、3の方がはるかに接着
力が強いのを確認できた。したがって、図14に示すよ
うに、PCブロック1の接合部において変位が生じた場
合でも、PCブロック1とポリウレタン被覆膜3との接
着面が剥離するので防水効果を十分に発揮することがで
きる。
【表3】
【0032】次に、ポリウレタン被覆膜3とポリウレタ
ン被覆帯7との吹き重ね部分の接着強さを測定した試験
結果に付いて述べる。まず、従来のシートの貼り付け工
法では、熱または接着材等によりシート同志を接着させ
るが、人手による作業のため完全に接着させることは不
可能である。そのため通常はシートの接着面積を増やし
て部分的な接着不良に備えている。しかし、出隅入隅部
や接着部分に段差や不陸がある場合はシートに浮き上が
り部が発生して接着不良が起こる場合がある。
【0033】図15は、ポリウレタン被覆膜3の吹き重
ね部分の接着強さを測定した時のサンプル18であり、
材料として前記同様のリムスプレー(三井東圧化学社製
の超速硬化型ウレタン吹付材)を使用した。
【0034】この成形条件は、液温度を主剤及び硬化剤
とも60℃とした後、H−2000型高圧スプレーマシ
ン(米国ガスマー社製)を用いて圧力をそれぞれ100
kg/cm2まで昇圧し、プロプラーガン(米国グラス
クラフト社製2液衝突混合ガン)にラウンドチャンバー
#1を取り付けポリプロピレン製の下地板19上に所定
の厚みを吹き付けた。
【0035】そして、吹き重ね部分は十分ゴム弾性が発
現したことを確認した後(成形5分後)、40mm幅に
吹付け成形してサンプル18とした。比較材料として
は、常温工法用ゴムアスファルトシート防水材であるカ
スタムPA(日新工業社製)をローラ剛毛で塗布して接
着した。つぎに、これらのサンプル18を恒温室(20
℃、55%とRH)に10日間放置した後に測定を行っ
た。
【0036】前記サンプル18の形状は、図15に示す
通りであり、試験条件は試験温度が20℃、引張速さが
200mm/min、試験機がテンシロン型引張試験機
(トーヨーボールドウイン社製)を使用した。
【0037】この結果、下記の表4に示すように、リム
スプレーは接着部分が完全に一体化しているため剥離は
発生しなかった。このため引張試験を行うと、接着部分
は厚さが倍となっているため強度が増して破断は接着部
以外の箇所で起こった。
【0038】一方、ゴムアスシートは剥離が発生し、強
度もリムスプレーに比較すると低い。また、リムスプレ
ーの厚みを増した場合は破断時強度も増す。このような
ことから本発明のポリウレタン被覆膜3は全体が一体化
しており強度も大きいことがわかる。
【0039】したがって、既設部分との接着は、液状樹
脂を吹き付け施工するために、例え凹凸があっても下地
の形状に対応して密着させることができると同時に、樹
脂が液体から固体に反応硬化して接着するため完全に一
体化する。よって、躯体に変位が生じてポリウレタン被
覆膜3に応力がかかった場合でも吹き重ね部分から剥離
することがない。
【表4】
【0040】次に、塗布厚みと亀裂抵抗性との関係につ
いての試験結果について述べる。これは、共同溝2の接
合部は外力により動く可能性があるため、ポリウレタン
被覆膜3が引張り応力を受ける。そのため本発明では接
合部を他の部分より厚くしているが、その効果度を試験
したものである。
【0041】この試験方法は住宅都市整備公団「塗膜防
水材の試験方法(KMK法)」に準拠して行った。即
ち、下地板20はJISA5403(石綿スレート)に
規定される石綿セメント板(平板8mm)の表面を#4
0番のサンドペーパで研磨した後、プライマーとしてサ
ン−PC(一液湿気硬化型ウレタンプライマー:三井東
圧化学社製)を150g/m2塗布して2時間乾燥させ
た。
【0042】そして、この上に前記と同様の方法でリム
スプレー(三井東圧化学社製の超速硬化型ウレタン吹付
材)を吹き付けて所定の厚さのポリウレタン被覆膜3を
形成して図16の(1)および(2)のようなサンプル
21を作成し、同図の(3)に示す方法により試験をお
こなった。
【0043】以上の試験結果は下記の表5に示すよう
に、リムスプレーの塗布厚みが増す程防水層の強度は向
上し、また基準線の伸び率も小さくなり、かつ下地ひび
割れ負荷抵抗指数も低下することがわかる。したがっ
て、接合部が動いた場合、塗膜は下地に接着しているの
で動きへの対応は厚み方向のみであり、この厚みが厚く
なること(塗膜が伸びる)で対応する。このため膜厚が
厚い方が有利となって破断し難くなる。
【0044】なお、表5における防水材の強度は引張試
験における最大値でほぼ破断強度に等しく、基準線の伸
び率は下地ひび割れ幅が5mmの場合の基準線の伸び率
であり、下地ひび割れ負荷抵抗指数は下地ひび割れ幅が
5mmの場合の負荷抵抗指数である。
【表5】
【0045】次に、下地との接着力の試験結果について
述べる。これは前記と同じ下地(石綿スレート)で接着
試験を実施した。これは、図17に示すように、下地板
22の表面を#40番のサンドペーパで研磨した後、プ
ライマーとして2液型エポキシウレタン系のUPー10
00を120g/m2使用した。
【0046】そして、3時間乾燥した後にリムスプレー
を前記と同様の条件で吹き付けて3mm厚のポリウレタ
ン被覆膜3を形成してサンプル23を作成した。この塗
布方法は1回に1mmずつ縦、横、縦と方向を変えて行
い、比較用として前記で使用したゴムアスシートを上記
と同様の方法で処理した下地板22上にカスタムプライ
マーPBを用いて張り付けた。
【0047】この試験方法は、前記のポリウレタン被覆
膜3の接着部の接着強さと同様の条件で行った。このよ
うな結果から、下記の表6に示すように、従来法と比較
して接着力は良好であることがわかる。
【表6】
【0048】
【発明の効果】共同溝用プレキャストコンクリートブロ
ックの外周面及び接合端面に被覆膜を吹付け塗布したこ
とにより、プレキャストコンクリートブロック同士を接
合する際に被覆膜が防水シールの代用となる。
【0049】共同溝用プレキャストコンクリートブロッ
クの接合端部外周の角部が面取りされているので、プレ
キャストコンクリートブロックの接合部に変位が生じた
場合に、被覆膜に集中する応力が分散できる。
【0050】外周面及び接合端面に被覆膜を被覆したプ
レキャストコンクリートブロックを連続的に接合し、そ
の接合部外面に外周面の被覆膜よりも厚い被覆帯を吹き
重ね塗布したことにより、プレキャストコンクリートブ
ロックの接合部に変位が生じた場合でもそれに追随でき
るので、この接合部からの漏水を防止することができ
る。
【0051】開削溝の床コンクリート上に適宜厚さの樹
脂層を吹付け塗布し、該樹脂層の上に、外周面及び接合
端面が被覆膜で被覆された共同溝用プレキャストコンク
リートブロックを連続的に配設して接合した後、その接
合部外面に被覆帯を吹き重ね塗布し、該被覆帯を外周面
の被覆膜よりも厚く被覆したことにより、共同溝を容易
に構築できるとともに、この構築時において公害等を発
生させることなく環境を良好に保つことでき、かつ底面
も含めた共同溝全周を防水することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】共同溝用コンクリートブロックの断面図であ
る。
【図2】図1のa−a線断面図である。
【図3】接合部の拡大断面図である。
【図4】吹付装置の斜視図である。
【図5】共同溝の断面図である。
【図6】図5のb−b線の断面図である。
【図7】共同溝用コンクリートブロック同士の接合部の
断面図である。
【図8】(1)は共同溝の接合部の断面図、(2)は同
接合部に変位が生じた状態の断面図である。
【図9】床コンクリートの断面図である。
【図10】床コンクリートの平面図である。
【図11】床コンクリート上に共同溝を構築する状態の
断面図である。
【図12】(1)はポリウレタン被覆膜同士を圧着する
前の断面図、(2)はポリウレタン被覆膜同士を圧着し
た断面図である。
【図13】(1)はコンクリートに塗布したポリウレタ
ン被覆膜の断面図、(2)はポリウレタン被覆膜同士を
圧着した断面図である。
【図14】変位が生じた接合部の断面図である。
【図15】(1)はポリウレタン被覆膜の吹き重ね部の
サンプルの平面図、(2)は同サンプルの側面図であ
る。
【図16】(1)は下地板にポリウレタン被覆膜の吹き
付けたサンプルの平面図、(2)は同サンプルの側面
図、(3)は試験方法を示した平面図である。
【図17】(1)は下地板にポリウレタン被覆膜を吹き
付けたサンプルの平面図、(2)は同側面図である。
【図18】(1)は従来の共同溝の断面図、(2)は同
接合部の断面図である。
【符号の説明】
1 PCブロック 2 共同溝 3 ポリウレタン被覆膜 3a ポリマーセメント 3b プライマー 3c 接着剤 4a スプレーガン 4b 吐出ポンプ 5 床コンクリート 6 ポリウレタン樹脂層 7 ポリウレタン被覆帯 8 ポリマーセメント 9、10、13、16、17 供試体 11 試験機 12 コンクリート 14 懸引用アタッチメント 15 取付金物 18、21、23 サンプル 19、20、22 下地板 30 共同溝 40 アスファルトシート 50 コンクリートブロック 60 防水シール 70 防水モルタル 80 ウレタン目地材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16L 1/038 (72)発明者 谷口 和生 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面及び接合端面に被覆膜が吹付け塗
    布された共同溝用プレキャストコンクリートブロックが
    連続的に接合され、その接合部の外面には被覆帯が吹付
    け塗布されたことを特徴とする共同溝。
  2. 【請求項2】 開削溝の床コンクリート上に適宜厚さの
    樹脂層を吹付け塗布し、該樹脂層の上に、外周面及び接
    合端面が被覆膜で被覆された共同溝用プレキャストコン
    クリートブロックを連続的に配設して接合した後、その
    接合部外面に被覆帯を吹き重ね塗布したことを特徴とす
    る共同溝の構築工法。
  3. 【請求項3】 外周面及び接合端面に被覆膜が吹付け塗
    布されたことを特徴とする共同溝用プレキャストコンク
    リートブロック。
  4. 【請求項4】 接合部外面の被覆帯が外周面の被覆膜よ
    りも厚いことを特徴とする請求項1又は2に記載の共同
    溝及びその構築工法。
  5. 【請求項5】 共同溝用プレキャストコンクリートブロ
    ックの接合端面の被覆膜が外周面の被覆膜よりも厚いこ
    とを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の共同溝及
    びその構築工法及びこれらに使用する共同溝用プレキャ
    ストコンクリートブロック。
  6. 【請求項6】 共同溝用プレキャストコンクリートブロ
    ックの接合端面における外周角部が面取りされたことを
    特徴とする請求項1又は2又は3に記載の共同溝及びそ
    の構築工法及びこれらに使用する共同溝用プレキャスト
    コンクリートブロック。
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