JP2573900B2 - 粉体の焼成方法 - Google Patents

粉体の焼成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉体の焼成方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】粉体粒子の緻密化、粒子の比表面積を制御
するための表面細孔の調整、ないしはシラノール基含有
率の低減などを目的として、粉体粒子を所要の温度領域
に保持する焼成処理が行われている。この際に湿り粉体
を出発原料とする場合、一般的には高温度領域における
焼成処理に先立って湿り粉体の含水率を低減させるため
に、乾燥処理が行われる。
【0003】湿り粉体の乾燥方法としては、1)粉体を
棚段に並べて熱風を送り、回分式または連続式で加熱す
る箱型乾燥装置を用いる方法; 2)内部に粉体掻き上げ
板を備えた傾斜回転体内に粉体を供給し、熱風で加熱す
る回転乾燥器を用いる方法;3)気流中に粉体を同伴さ
せ、燃焼ガス等で加熱して乾燥させる気流乾燥器を用い
る方法; 4)多孔板または金網上の粉体層に下方より熱
風を吹き込み、粉体を流動化させて乾燥する流動層乾燥
器を用いる方法など、各種の方法がある。これらの方法
においては、いずれも、乾燥用熱源として熱風が用いら
れる。
【0004】焼成処理の方法としては、前記の各種の乾
燥方式に準じた方法の他に、原料粉体を坩堝などの容器
に充填した状態で電熱または燃焼ガスなどによって加熱
し、所要の温度領域に保持する方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は高純度シ
リカの湿り粉体を乾燥し、ついで焼成処理するにあたっ
て、不純物が混入する機会をできるだけ小さくして高い
純度を維持しながら、かつ短時間内に乾燥させ焼成する
方法について研究を続けてきたが、乾燥段階において、
前記1)の方法では、回分式で行う場合には、粉体の汚
染は少ないが生産性が低い。一方、連続式で行う場合
や、また2)および3)の方法では、いずれも粉体の移
動層を形成させるために、装置の摩耗による粉体の汚染
が起こり、また、4)の方法では、乾燥時間の短縮化が
可能であるが、粉体を流動化させるために、同様に、装
置の摩耗によって粉体が汚染されるという問題があっ
た。
【0006】また、乾燥用熱源として熱風を用いる前記
従来の方法によって高純度シリカの湿り粉体を乾燥する
際には、不純物の混入による粉体の汚染を極力少なくす
るために、熱源として清浄な熱風を使用する必要があ
る。そのため、、燃焼ガスをそのまま用いることはでき
ず、乾燥用熱源を得るのに清浄空気を加熱するための手
段が必要であり、装置が大型化すると共に、得られる加
熱空気の温度に限度があるため乾燥効率の点でも問題が
あった。
【0007】また、既存の装置では、乾燥と焼成との二
つの処理を連続して行い得るものが見当たらず、それぞ
れ別個の装置を設けることを要すること、また、原料粉
体を各装置で処理し、そして、二つの処理装置の間で取
り扱うことにより、処理粉体に不純物が混入する機会が
増大するという問題があった。
【0008】また、シリカ湿り粉体の乾燥と焼成とを、
容器に充填した状態で同一の加熱装置内で行う際に、乾
燥段階で発生する蒸発水蒸気により容器内の粉体が流動
し、運転が不安定になるという問題点があった。更に、
焼成用原料粉体を充填状態で加熱し、常温から所要の高
温度領域に昇温させる過程で、シリカなど伝熱係数が小
さい粉体の場合には、伝熱速度が小さいので粉体充填層
内の温度分布が大きい。そのため、所要の物性変化を得
るに要する時間に差を生じ、熱履歴が異なってしまうと
いう問題点も指摘されていた。
【0009】このようなことから、従来の方法における
問題点を改善し、装置材料および加熱用熱源からの粉体
汚染を極力少なくし、かつ、短時間内に乾燥させること
ができ、更に、乾燥と焼成との二つの処理を原料粉体の
純度を維持しながら行える、高純度シリカ粉体の焼成方
法が求められていた。
【0010】本発明の目的は、原料粉体を短時間内に乾
燥させ、かつ乾燥ならびに焼成処理を、同一の装置を用
いて原料粉体を系外に取り出すことなく、連続して行う
ことができる、加熱が均一であって焼成成績のバラツキ
が小さく、しかも不純物の混入する機会を極力少なくし
て処理粉体の汚染を防ぐことができる、粉体の焼成方法
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は高純度シリ
カの湿り粉体を焼成するにあたって、不純物が混入する
機会をできるだけ小さくして、高い純度を維持しなが
ら、焼成することができる方法を種々検討した結果、加
熱炉内に粉体を供給して希薄な密度の粉体層を形成させ
て放射伝熱によって粉体を加熱し、ついで加熱炉の下端
寄りの部分に粉体を保持し所要の時間加熱保温して高温
度領域に維持することにより、粉体を汚染させることな
く、焼成できることを知り、本発明を完成した。
【0012】本発明は、「加熱炉内において、該加熱炉
からの放射伝熱によって、粉体密度が希薄な状態で粉体
を加熱し、ついで加熱炉の下端寄りの部分に粉体を保持
して高温度領域に保持することを特徴とする粉体の焼成
方法。」を要旨とする。
【0013】本発明の方法の好ましい実施態様として
は、加熱炉内における粉体密度が、加熱炉の空間容積1
3 あたり 100〜0.1 kgの範囲であることがよい。ま
た、加熱炉の下端寄りの部分に粉体を保持するにあた
り、粉体の堆積層を形成させることがよい。また、粉体
がシリカ粒子であり、加熱炉内における粉体密度が、加
熱炉の空間容積1m3 あたり 100〜0.1 kgの範囲であっ
て、加熱炉の温度は 600〜1500℃の範囲内であることが
よい。また、加熱炉が石英ガラス製の炉芯管を使用した
縦型炉であり、加熱炉内に粉体を供給するにあたっては
炉芯管の上部からシリカ粒子を自由落下させることがよ
い。
【0014】以下、本発明の詳細を説明する。本発明の
方法は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素、各
種セラミックスなどの耐熱性を有する粉体に適用するこ
とができる。
【0015】本発明の方法では、乾燥ならびに焼成処理
用熱源として熱放射エネルギーを利用する。本発明の方
法における乾燥段階においては、湿り粉体の個々の粒子
が熱放射線を受けることが好ましく、従って、加熱炉内
における粉体密度は重要な因子である。たとえば、粉体
の充填層または移動層などの粉体が堆積して粉体密度が
高い層では、熱放射線が層内部の粉体粒子まで到達せ
ず、均一に加熱されない。
【0016】本発明の方法における湿り粉体の乾燥段階
においては、希薄な粉体密度が必要であって、加熱炉内
における粉体密度が、加熱炉の空間容積1m3 あたり 1
00〜0.1 kgの範囲であることがよい。たとえば、平均粒
径が 300μmであるシリカ粉体の場合には、加熱炉内の
空間容積1m3 あたり 100〜0.1 kg、好ましくは10〜
0.1 kg、更に好ましくは2〜0.1 kgの範囲とすることが
よい。 100kgを超えると、熱放射線を受けない粒子が残
り易く、均一に加熱され難いので好ましくない。一方、
0.1 kg未満では、装置効率が低く工業的に好ましくな
い。
【0017】本発明の方法において、加熱炉内において
粉体密度が希薄な状態を形成させるにあたって加熱炉内
に粉体を供給する方法としては、たとえば、加熱炉の上
部から炉内に粉体を自由落下させる方法、加熱炉の上部
から粉体を気流中に同伴させる方法、加熱炉の下部また
は/および中部から粉体を上昇気流中に同伴させる方法
などがある。これらの内、粉体を自由落下させる方法が
最も好ましい。
【0018】本発明の方法においては、被処理粉体を熱
放射エネルギーによって加熱するため、粉体の伝熱量は
その表面積の影響を受ける。即ち、粒径が大きい粉体
は、単位質量当たりの表面積が小さいので、加熱炉の温
度条件が同じときには伝熱速度が減少する。所要の伝熱
量を確保するには、加熱炉内での滞留時間を長くするこ
とが必要となり、あるいはまた、加熱炉の長さを大きく
する必要がある。
【0019】本発明の方法においては、粉体に同伴され
る水分など液体の含有量を考慮して粉体の供給量を制御
することにより、あらゆる粒径の粉体を乾燥・焼成する
ことが可能であり、本発明の方法を適用できる粉体の大
きさに制限はない。しかし、湿り粉体を自由落下させる
方法では、加熱された湿り粉体から発生する同伴液体の
蒸気が、自由落下する粉体の向きとは反対の方向、すな
わち、加熱炉の上端に向かって上昇するので、粉体の粒
径が小さい場合には、発生した液体蒸気の上昇流に粉体
が同伴され、効率的が乾燥が妨げられる。このようなこ
とから、工業的に安定した乾燥処理を行うには、湿り粉
体の粒径には実用上制限がある。
【0020】水分を同伴するシリカ粉体の場合、平均粒
径で、20μmないし5mmの範囲、好ましくは30μm
ないし3mmの範囲がよい。平均粒径が20μm未満であ
る粉体では、発生する水蒸気による粉体の同伴が起こり
易くなるために、粉体の安定した自由落下が維持でき
ず、乾燥が困難になる。一方、5mmを超える粉体では、
単位質量当たりの表面積の減少による放射伝熱量の不足
を補うため、所要の自由落下距離を確保するために加熱
炉を長くする必要があり、実用的ではない。
【0021】また、本発明者等は、水分を同伴するシリ
カ粉体の場合、加熱炉の上部から湿り粉体を供給する際
に、加熱炉内温度を 400℃以上、好ましくは 600℃以
上、更に好ましくは 800℃以上にすることにより、特別
の分散装置を用いることなく、凝集状態で供給された湿
り粉体の加熱炉内における分散が良好であること、加熱
炉の温度が高い方が容易に分散することを見出した。湿
り粉体が凝集している場合でも、加熱炉内に入ると、同
伴されている水分が熱放射線を受けて急速に気化し膨張
することにより、凝集していた粉体粒子が分散するもの
と考えられる。この粉体粒子の分散効果は熱放射線の伝
熱速度に関係する。
【0022】本発明の方法を適用する、乾燥・焼成処理
の対象とするシリカ粉体は、その組成及び製造方法に制
約されない。
【0023】本発明の方法では乾燥ならびに焼成処理用
熱源として熱放射エネルギーを利用するので、加熱炉の
温度は重要である。高温物体から放射される熱放射エネ
ルギーについては、下記(1) の式で表される、Stefan-B
oltzmannの法則が知られている。これによると、熱放射
エネルギーは絶対温度の4乗に比例するので、放射伝熱
による加熱処理を行う際に、所要の熱量の伝熱を短時間
で完了させ、加熱炉の長さを短くするためには、加熱炉
の温度を高くすることが好ましい。 E=σ(T/100)4 ‥‥‥ (1) E:熱放射エネルギー, [kcal/m2 ・ hr] σ:Stefan-Boltzmann定数(= 4.88 kcal/m2 ・ hr ・
°K) T:絶対温度, [°K]
【0024】しかし、耐火材、ヒーター、炉芯管等の耐
熱性と実用性を考慮すると、加熱炉の温度には工業的に
は制約がある。本発明者らは、高純度シリカの湿り粉体
を乾燥し、ついで焼成処理するにあたって種々検討した
結果、炉材からの汚染を防止し、かつ、伝熱を阻害しな
い炉芯管として、たとえば石英ガラス管を用いた場合に
は、加熱炉の温度が600〜1500℃の範囲、好まし
くは800〜1400℃の範囲であることが、処理時間
の短縮に適していることを見出した。温度が600℃未
満では、熱放射エネルギーが減少するため、所要の処理
時間が増大し、大型の加熱炉を要する。一方、温度が1
500℃を超えると、石英ガラスが結晶化の進行によっ
て失透し、炉芯管の寿命が短くなるので、工業的には適
さない。
【0025】本発明の方法において、希薄な粉体密度を
保持する時間は、湿り粉体の形状、粒径、比熱、水分含
有率等に応じて適宜選定される。湿り粉体を、その乾燥
が完了するための所要の時間の間、希薄な粉体密度を保
持して、加熱炉内に滞留させる。湿り粉体を自由落下方
式で供給する場合には、乾燥を完了させるための所要の
時間に応じて、落下の必要距離、すなわち、加熱炉の長
さが決められる。
【0026】本発明の方法により、乾燥の所要時間を2
〜3秒程度ないし10秒以内とすることができる。
【0027】粉体の比重・比表面積などの物性を変化さ
せる焼成処理を進めるためには、粉体を所要の温度領域
で所要の時間保持することを要する。本発明の方法にお
いては、湿り粉体の乾燥処理を行った加熱装置内で、引
続き粉体の温度を所要の時間維持するために、加熱炉の
下端寄りの部分で粉体を保持する。加熱炉内を自由落下
する間に加熱され、乾燥段階で含水率が低減した粉体
は、ついで、加熱炉の下端寄りの部分に保持され所要の
時間加熱保温の状態が継続されて高温度領域に維持され
ることにより、焼成処理が進む。粉体を保持する手段と
しては、たとえば、加熱炉の下端寄りの部分に、少なく
とも、粉体の保持部と排出部から構成される粉体保持機
構を設ければよい。粉体保持機構で保持された粉体は、
固定層もしくは移動層を形成した状態で堆積する。粉体
堆積層において所要の時間滞留するよう、原料粉体の供
給速度に応じて粉体堆積層からの排出量を調節しつつ、
粉体排出部から連続的に粉体を排出することによって移
動層を形成させることができる。粉体堆積層において
は、加熱炉の内壁に接している粉体から中心部に向けて
伝導伝熱で加熱されるが、シリカなど伝熱係数が小さい
粉体の場合には伝熱速度が小さいので、本発明の方法に
おいて加熱炉内を自由落下する間に既に加熱されて所要
の温度に達している粉体の堆積層内部の温度のばらつき
は極めて少ない。
【0028】本発明の方法においては、自由落下する粉
体の温度−すなわち、加熱炉の温度と原料粉体の供給速
度を調節することにより、粉体堆積層での粉体の焼成度
を制御することができる。本発明の方法により、たとえ
ば、加熱炉内温度600〜1500℃の範囲で、堆積層
での保持時間120分までの範囲でシリカ粉体を焼成し
たとき、得られる物性は、かさ密度0.4〜1.3g/
cm3 、また、N2 吸着法を用いた BETによる比表面積
0.1〜400m2 /gの範囲である。
【0029】高純度シリカの湿り粉体を乾燥し焼成処理
する際には、加熱炉内に炉芯管を用いることがよく、そ
の材質の選定が重要である。炉芯管として必要な性能
は、シリカ粉体を汚染させないことと、並びに、熱放射
線を透過させるか、もしくは、高い熱放射率を有するこ
とである。粉体を熱放射線で加熱するには、加熱炉の熱
源を含む炉材からの熱放射線を直接に粉体に照射する方
法と、炉芯管を加熱して炉芯管から放射される熱放射線
を利用する間接的な方法がある。前者の方法では、熱放
射線を透過させる材料として、たとえば、石英ガラス製
の管が使用できる。後者の方法では、たとえば、アルミ
ナセラミックスや炭化珪素製の管が使用できる。なお、
石英ガラスとしては、透明石英ガラスが好ましいが、気
泡を含む不透明石英ガラスであっても、透明石英ガラス
と同様に熱放射線を透過させるので用いることができ
る。また、粉体保持機構を構成する部材についても、シ
リカ粉体の純度を低下させないために、接粉部に石英ガ
ラス製の部材、あるいは耐摩耗性の大きいセラミックス
部材を使用することが好ましい。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 焼成処理用粉体としての高純度シリカ粉体を、次のよう
にして調製した。ケイ酸ソーダ#3号を、孔径が 400μm
φのノズルを通して、温度50℃に保持した硫酸凝固浴中
に押し出し、得られた繊維状ゲルを、硫酸中に浸漬し撹
拌しながら 100℃で1時間処理し、ヌッチェを用いて脱
酸した。硫酸処理を繰り返し行って得られた短繊維状シ
リカを、イオン交換水を用いて洗浄・ろ過を行って脱酸
・脱水し、シリカ湿粉を得た。得られたシリカ湿粉は、
150℃絶乾法による水分計測で含水率42重量%であっ
た。また、 150℃で恒量になるまで加熱した後の、かさ
密度は0.31g/cm3 、また、N2 吸着法を用いた BETに
よる比表面積は 750m2 /gであり、不純物の含有率が
Na 0.2 ppm, Al 0.4 ppm, Zr 0.1 ppm である高純度シ
リカであった。シリカ湿粉の粒度は、平均粒径が 320μ
mであり、粒径20μm以下の粒子を3重量%含み、か
つ、粒径 600μm以上の粒子を含まないものであった。
【0031】乾燥・焼成処理は、図1に示す加熱装置1
を用いて行った。加熱装置1を構成する縦型加熱炉2に
は、透明石英ガラス製の炉芯管3が鉛直に取り付けら
れ、炉芯管3の上端部と通ずる加熱炉2の上端部には排
気孔4が設けられている。炉芯管3は加熱炉2に設けら
れたヒーター5で加熱される。炉芯管3の上端部には原
料供給孔6が、また、炉芯管3の下端寄りの部分には粉
体の保持部と排出部から構成された粉体保持機構7が、
それぞれ設けられている。
【0032】炉内温度1100℃に調節された炉芯管3内
に、前記のシリカ湿粉を、毎分 120gの速度で原料供給
孔6から供給し、炉芯管内を自由落下させた。加熱炉内
における粉体密度は、加熱炉の空間容積1m3 あたり平
均値として 1.1kgであった。供給されたシリカ粉体は、
炉芯管内を平均4秒間で自由落下し、炉芯管底部に設け
られた粉体保持機構7で保持されてシリカ粉体の堆積層
8を形成した。粉体排出部の開度を調節し、シリカ粉体
堆積層8の粉面高さがほぼ一定に維持されるように排出
速度を制御しながら、シリカ粉体を連続的に排出するこ
とにより、シリカ粉体を移動層の状態で滞留させ温度を
保持した。粉体堆積層におけるシリカ粉体の滞留時間が
10分間となるように制御してシリカ粉体を排出し、回
収した。回収されたシリカ粉体 200.0gを石英ビーカー
に入れ、箱型の大気雰囲気電気炉内で1100℃で5時間加
熱した後の粉体重量は、重量減少は認められず、 200.0
gであった。このことから、シリカ粉体は1100℃で乾燥
・焼成処理されたことが確認された。かさ密度は0.60g
/cm3 、比表面積は80m2 /gであった。焼成されたシ
リカ粉体は、不純物含有率が Na 0.2 ppm, Al 0.4 ppm,
Zr 0.1ppm であって、処理による不純物の増大は認め
られず、高純度が維持された。
【0033】実施例2 加熱炉の温度、シリカ湿粉の供給速度およびシリカ粉体
の堆積層における保持時間を変えたほかは実施例1と同
様にして、シリカ湿粉を乾燥し焼成した。試験条件と、
得られた焼成粉のかさ密度および比表面積を表-1に示し
た。回収されたシリカ粉体は、実施例1と同様にして試
験したところ、いずれも重量減少は認められず、含水率
は殆どゼロになったことが確認された。また、不純物含
有率が Na 0.2 ppm, Al 0.4 ppm, Zr 0.1 ppm であっ
て、処理による不純物の増大は認められず、高純度が維
持された。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明の方法により、湿り粉体を所要時
間10秒以内の極めて短時間に乾燥させ、ついで系外に
取り出すことなく同一装置内において所要の時間高温度
領域に保持して、温度分布が極めて少ない状態で焼成処
理を行うので、加熱が均一であって焼成品の品質のバラ
ツキが小さく、しかも不純物の混入する機会が少ないの
で処理粉体の汚染を防ぐことができる。炉芯管として石
英ガラス管を用い、かつ、粉体保持機構の接粉部に石英
ガラスを使用することにより、高純度シリカ湿粉を汚染
させることなく焼成することができ、高純度が維持でき
るので、例えば、電子材料用としての高純度シリカを得
ることができ、本発明の工業的価値は極めて大きい。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施に好適な加熱装置の一例
を示す説明図である。
【0037】
【符号の説明】
1‥加熱装置、2‥縦型加熱炉、3‥炉芯管、4‥排気
孔、5‥ヒーター、6‥原料供給孔、7‥粉体保持機
構、8‥シリカ粉体堆積層。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱炉内において、該加熱炉からの放射伝
    熱によって、粉体密度が希薄な状態で粉体を加熱し、つ
    いで加熱炉の下端寄りの部分に粉体を保持して高温度領
    域に保持することを特徴とする粉体の焼成方法。
  2. 【請求項2】前記加熱炉内における粉体密度が、加熱炉
    の空間容積1m3 あたり 100〜0.1 kgの範囲である、請
    求項1記載の粉体の焼成方法。
  3. 【請求項3】加熱炉の下端寄りの部分に粉体の堆積層を
    形成させて保持することを特徴とする請求項1記載の粉
    体の焼成方法。
  4. 【請求項4】粉体がシリカ粒子であり、加熱炉内におけ
    る粉体密度が加熱炉の空間容積1m3 あたり 100〜0.1
    kgの範囲であり、前記加熱炉の温度が600〜1500
    ℃の範囲内である請求項1記載の粉体の焼成方法。
  5. 【請求項5】前記加熱炉が石英ガラス製の炉芯管を使用
    した縦型炉であり、加熱炉内に粉体を供給するにあたり
    炉芯管の上部からシリカ粒子を自由落下させる請求項1
    または請求項4記載の粉体の焼成方法。
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