JP2573150B2 - 電子感光装置 - Google Patents

電子感光装置

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JP2573150B2
JP2573150B2 JP5346708A JP34670893A JP2573150B2 JP 2573150 B2 JP2573150 B2 JP 2573150B2 JP 5346708 A JP5346708 A JP 5346708A JP 34670893 A JP34670893 A JP 34670893A JP 2573150 B2 JP2573150 B2 JP 2573150B2
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舜平 山崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電子感光装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来静電複写機は真性の化合物半導体を
光電効果を利用して選択的に静電気を帯電させる層に用
いていた。しかしこの方法は材料自体が公害物質であり
かつ発ガン物質が印刷されているに加えて光照射により
発生した電荷によりすでに帯電した電荷との中和をコン
トラストを大にして(S/N比を大きくして)行なわし
めることには必ずしも満足していなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のことが
らを満足させた電子感光装置を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】このため本発明は電子写
真用感光体として、光電効果を有する半導体または半絶
縁体中にP−I−N接合または、N−I−P接合を設
け、半導体中に接合による内部電界を形成せしめさらに
そのエネルギバンドもW−N−W(WIDE−TO−N
ALLOW−TO−WIDE)構造にし、再結合電界を
発生させてSN比を増加せしめたこと、さらに非公害物
質である珪素またはその化合物特に炭化珪素または窒化
珪素を用いた。
【0005】つまり、導電性基板上にPまたはN型の半
導体の第1の層を設け、該層上に真性または実質的に真
性(人為的にPまたはN型の不純物を添加しないで形成
させる)半導体または半絶縁体の第2の層を設け、さら
に該層上に前記第1の層とは逆導電型の第3の半導体ま
たは半絶縁体を設けた電子感光装置としたのである。
【0006】
【実施例】以下にその実施例を図面に従って説明する。
図1は本発明を適用させるべき静電複写機の要素を示し
たものである。すなわち図1(A)において、導電性基
板上に光導電性の半導体(1)が設けられている。さら
にこの半導体上に静電気(3)を均質に分布せしめた。
図面では正の電荷を静電荷発生源より放出して半導体
(1)上に付着せしめている。さらにこの後図1(C)
に示す如く、光(5)を局部的に照射すると、その光量
およびその波長に従って照射された領域(6)(6’)
(6’’)の静電気は導体(2)へと放出される。加え
て光励起で発生した電子・ホール対のうち図面では負の
電子がこの正の静電気と再結合して中和する。かくして
半導体上に選択的に静電気を分布せしめることができ
た。
【0007】図2はこの原理を回転ドラムになった半導
体および層に設けた静電複写機の原理を示しているすな
わち回転ドラムの表面部分は導体と半導体との多層構造
に図1と同様に設けられている。さらに静電発生源
(8)より放出された静電気はドラムの上面に(3)の
如く均一に分布される。さらに光源(7)より物体(例
えば印刷された紙表面) (11)の反射光(5)がス
リット(9)をへてドラム上を照射する。すると照射さ
れた表面領域の半導体中で光起電力を発生し、その負の
電荷の再結合および正の電荷の基板導体への放出によ
り、その照射光(5)に従って静電気(3)の濃淡
(4)ができる。さらにこの回転ドラムの表面は(1
2)の部分にて炭素粉またはそれと似質の混合物(1.
0〜100μの粒径)の黒粉体をドラム表面上に分布せ
しめる。するとこの粉体は静電気の量に比例してドラム
表面に付着する、いわゆる「可視化」を行なう。
【0008】さらにこのドラムの回転(スピードは1〜
10秒/回転)と同じスピードにてこの黒粉体は表面に
接して被複写体例えば新しい紙(13)が移動しこの粉
体を被複写体上に付着せしめる。この後この紙(13)
は焼きつけ、定着をへて複写が完成する。ドラムの表面
に残存した粉体はブラシ(14)により完全に除去した
後最初の静電気発生源に至る。
【0009】図3は従来の非接合型の光導電性半導体
(1)のエネルギバンド図である。図面(A)におい
て、導体(2)上の半導体(1)が設けられている。さ
らにここに正(十)の静電気(3)が付加すると、エネ
ルギバンドは図3(B)の如くにまがる。また光照射に
より励起(14)しこの静電気に対し電子(15)が再
結合をする。またホール(16)は裏面の導体(2)へ
と放出される。その結果光照射が行なわれたところはそ
の程度に従って(D)が形成され、光照射が強いところ
は(A)と同じ表面がまたその程度に従って弱いところ
は(D)がまたないことろは(B)が選択的に設けられ
る。
【0010】本発明はかかるCdS等の半導体ではな
く、非単結晶〔アモルフアス(純粋のアモルフアスまた
は5〜100Åのショートレンジオーダーでの結晶)ま
たは多結晶構造を有する半導体(以下これらを総称して
非単結晶半導体という)〕の珪素半導体または珪素と炭
素、窒素または酸素が添加された半導体または半絶縁体
を用いたことを主な特徴としている。そしてこの半導体
または半絶縁体はそれ自体が公害物質ではなく、また
C、Nを添加することにより絶縁性が増加し、その結果
半導体層の必要な厚さを従来の1/3〜1/10にまで
うすくでき、加えてドラムとしての耐磨耗性にすぐれて
いるという特徴を有する。
【0011】かかる半導体または半絶縁体の層の作製は
以下の如く行なった。SiH,SiHCl,Si
Cl,SiFを(40)より導入する。さらにP型
半導体を形成する場合にはIII価の不純物であるB
,InClを同時にヘリュウム等により希釈して
導入する。さらにこのドラム(42)は直径20〜40
cm、長さ250〜500cmを有しているためこのド
ラム(42)を0.1〜1回/秒の速度にて回転させ
た。このドラムの表面はアルミニュウムまたはその化合
物よりなり表面の酸化アルミニュウムを珪化物気体を被
膜化する前に真空中でプラズマスパッタにてArまたは
ArおよびHとの混合気体により被膜の被形成面をクリ
ーニングして酸化物または汚物を除去した。さらにこれ
に珪化物気体例えば、SiH,SinH2n+2
(n≧2),SiF等を電極(47)の中央部にある
ノズル(48)より導入し、プラズマを0.01〜50
MHz、または1〜10GHzの周波数で100〜1K
Wのパワーを加え図4(B)の如くドラム(42)と電
極(47)との間にプラズマ化を生ぜしめ反応性気体が
ノズル(48)より放出されたすべてが反応してその生
成物がドラム上に被着するようこのドラムを200〜5
00℃に加熱しつつ、かつDCプラズマCVDをこのド
ラムと電極(47)との間で行なうことを本発明の他の
特徴としている。
【0012】かくするとこの反応炉(50)の内壁には
珪化物の被着が少なく、単純な平行平板型のグロー放電
法またはアーク放電法を利用した珪素に水素または水素
とフッ素の如きハロゲン元素が添加された非結晶質珪素
を利用する方法に比べて材料収率を15%より90〜9
5%に向上でき、材料の有効利用ができ場合として低コ
スト化をはかることができた。
【0013】反応炉内は珪化物気体特にシランを3〜3
0%He=95〜70%とし、さらにP型またはP
の層とするにはBまたはInClを0.1〜5
%導入する。またN型の層を作るにはPH,SbCl
を同様に同時に混入せしめた。その場合はその量に相
当する希釈材であるヘリュウムを少なくした。ヘリュウ
ムはすべての気体中最も軽くかつ熱伝導率がAr等に比
べて約3倍も大きく、反応炉内の均熱化すなわち被膜の
膜厚の均一化にきわめて好ましい希釈ガスであった。
【0014】さらにHeはイオン化する時の電離電圧が
21eVもあり他の気体の12〜15eVに比べきわめ
て大きく、結果としてプラズマ状態の持続に対してもそ
の寄与が大であった。さらにこの形成される被膜を半導
体ではなく半絶縁体とするためには同時にメタンまたは
アンモニアを添加した。するとSi4−x(0<x
<4)が形成され、窒素が1〜30モル%添加させると
その被膜はEgが2.0〜3.0eVと珪素の1.0〜
1.8eVよりも大きくすることができた。加えて耐磨
耗性も向上し、本発明の静電複写機は単純な珪素ではな
く、炭素または窒素が1〜50モル%添加され、特にこ
の半導体の静電気が吸着する表面またはその近傍に炭素
または窒素の添加量を大にしてSiC1−x,Si
4−xにおいてXを小さくし広いエネルギバンド巾であ
りかつ耐磨耗性向上につとめた。
【0015】かくすることにより静電気のリークによる
漸減が少なく、静電気を長時間半導体上または半絶縁体
上に保持することができた。炭化物気体を導入するのに
MO(金属有機物)であるテトラメチルシラン(Si
(CH)(BP 26.4℃),テトラエチルシ
ラン(Si(C)(BP 153℃)を用い
てもよい。かかる炭素、珪素化合物を用いると、形成さ
れた半導体または半絶縁体中に珪素または炭素のクラス
タが存在し半導体特性をさまたげるという心配がなくき
わめて好ましいものであった。
【0016】図5は静電複写機における本発明の半導体
のエネルギバンド図による動作原理を示す。図面におい
て半導体(1)は導体(2)に接してP型半導体または
半絶縁体による第1の層(31)真性または実質的に真
性の第2の層(32)およびN型の第3の層(33)を
有しており、各層間の遷移領域(37),(36)が構
成されている。さらにこれら第1,第2および第3の層
の伝導帯(38)価電子帯(39)は連続しており、エ
ネルギバンド的にキンク、ディップ等の不連続性を有し
ていない。
【0017】エネルギバンド巾は各層とも同じでもよい
がここでは電子・ホールの光照射における電子の表面へ
のドリフトまたホールの裏面へのドリフトを助長するた
めの内部電界を構成させるため広いエネルギバンド巾
(WIDE)の第1の層(31)−せまいエネルギバン
ド巾の(NALLOW)第2の層(32)−広いエネル
ギバンド巾の第3の層(33)がP(31)−I(3
2)−N(33)接合を構成して設けられている。
【0018】かくの如き内部電界ができたため、ホール
の裏面導体(1)への拡散が従来に比べて10〜10
倍も速くなり、結果としてこの半導体(2)を従来よ
り1/2〜1/3の厚さの100〜10μ±20μにす
ることが可能になり、省資源の面より好ましい。加えて
厚さがうすくなったため裏面導体との熱ストレスによる
クラック等の発生も少なくなり、より好ましかった。ま
たこの裏面の導体をアルミニュウムとし軽量化とこのド
ラムの半導体の作製をプラズマCVD法により300〜
650℃の温度にて作製する場合をオーム接触用シンタ
ーを作製と同時に実施することが可能であった。
【0019】さらに図5(A)におけるこの半導体
(1)の表面に図1(B)に示す如く正の静電気(3)
を帯電させると、図5(B)の如くに表面のバンドが下
側に下がる。また選択的に光照射を図1(C)の如くに
行なうと光励起された電子(15)はドリフトして表面
の静電気(3)と再結合する。またホール(16)は裏
面にP−I−N接合の接合電界とWIDE−TO−NA
LLOW−TO−WIDEの構造による内部電界により
急速に導体(2)に放電する。そしてその電界に従って
静電気(3)が図5(D)に示す如くに残存し、光照射
がない領域は図5(B)に、また光照射が強い領域は図
5(A)を選択的に形成させることができる。
【0020】本発明はこのPIN構造においてその材料
を珪素それ自体よりもむしろそこに炭素または窒素を添
加してSiC1−x(0<x<1)(x=1とすると珪
素のみになる)、Si4−x(0<x<4)(ただ
しx=4とすると珪素のみになる)とし、高い抵抗性を
有する半導体または半絶縁体とし、また第1および第3
の層には炭素において10〜50モル%、窒素において
5〜30モル%を添加し、第2の層には炭素において1
〜20モル%、窒素において0.1〜5モル%を添加す
ることにより光照射時のS/N比の増大、また第2の層
の厚さを1/5〜1/20にうすく1〜50μであって
も静電気の保持を10−50秒〜1−5分とすることが
できた。さらに第3の層は耐磨耗性にすぐれた炭化珪素
(SiC1−x(0≦x<1))または窒化珪素(Si
4−x (0<x<4))を用いることにより10
〜10回の静電複写を行なっても静電気の保持特性
に劣化がみられなかったことを他の特徴としている。
【0021】図6は本発明の他の実施例を示す。図面に
おいて(A)は半導体または半絶縁体(1)に対しNI
P構造であってかつW(31)−N(32)−W(3
3)とし、第3の層(33)はNまたはN、第1の層
はPとしたものである。図6(B)は同様であるが第
3の層(33)をNとしたものである。
【0022】図6(C)は第3の層(33)の上面に炭
化珪素(SiC)または窒化珪素(Si)になる
絶縁物を電流を流しうる厚さすなわち10〜1000Å
の厚さに設け、静電気の保持特性を向上させたものであ
る。すなわち図6(C)は半導体層(32)とその上面
の半絶縁体(33)よりなり、さらにその上面には電流
を流しうる厚さの窒化珪素(Si)が30〜10
0Åの厚さで形成されている。この窒化珪素はエネルギ
バンド巾が5.0eVであり、酸化珪素に比べてかたく
耐磨耗性にすぐれているに加えて、その厚さを30〜1
00Åと厚くしても電流を流すことができる。このため
酸化珪素の保護膜に比べて2つの特徴を有し、本発明に
おいては図1の反応炉に対しシランの導入を中止してア
ンモニアのみを導入しプラズマ化し、この半導体または
半絶縁体の表面を炭化または窒化すればよい。
【0023】図6の実施例においても、図5の場合と同
様に、各層間に遷移領域を設け、第1、第2、第3の層
の伝導帯と価電子帯を連続的に変化させて、エネルギバ
ンド的にキンク、ディップ等の不連続性を除いてある。
【0024】図5及び図6の実施例において、連続的変
化の層構成は次のように実施された。珪素を主成分とす
る非単結晶半導体の第1の層(第1の非単結晶層ともい
う)第2の層(第2の非単結晶層ともいう)及び第3の
層(第3の非単結晶層ともいう)を形成するための減圧
化学気相推積法において、反応炉を用い、その反応炉内
を0.001torrまで真空引きができるような真空
ポンプを用いて、その反応炉内に、導電性基板を配し、
そしてその反応炉内を0.01〜10torrの真空状
態にし、次に、その状態で、反応炉内に、上述した反応
性気体を必要に応じて不純物用気体とともに流し、この
場合基板を1.0〜50MHzの周波数を有する高周波
を用いた誘導加熱によって、または幅射熱による加熱に
よって350〜900℃の温度に加熱して、反応性気体
を励起または分解し、そして、基板上に珪素を推積させ
た。
【0025】本発明において炭素、酸素または窒素が添
加され、P型またはN型の第1のエネルギバンドを有す
る水素または弗素または塩素の添加された第1の非単結
晶層と、第2のエネルギバンド幅を有する水素またはハ
ロゲン元素が添加された真性または実質的に真性の第2
の非単結晶層との間のエネルギバンド幅を連続的に減少
させるには、被膜形成速度を0.1〜10μm/分と調
整し、SiC1−x、Si4−x、SiO2−x
連続的に変化させるように添加物気体の量をON/OF
Fに調整または連続的に調整した。また、第2の非単結
晶層から、N型またはP型の第3のエネルギバンドを有
する水素または弗素または塩素とが添加された第3の非
単結晶層へエネルギバンド幅を連続的に増大させるのに
同様の調整を行った。
【0026】これによりエネルギバンドは伝導帯、価電
子帯ともにある独立階段的な連続性を、または、なめら
かな連続性を有し形成されることができた。再結合中心
中和用の不純物の添加は、電気的な反応性気体の活性化
と同時に添加される水素またはハロゲン元素を活性化す
ることにより成就する方法を用いた。
【0027】さらに、炭素CH、C等の炭化物
気体、酸素はH、O、O等の炭化物気体、窒素はア
ンモニア、ヒトラジン等の窒化物体を前述の反応性気体
に含ませる。これら混合物としてNO、NO、CH
OHその他のアルコール類CO、CO等を水素等の
キャリアガスを用いた反応炉内に導入し、さらに添加物
を窒素と酸素または炭素と酸素というように2種類以上
添加してもよい。
【0028】しかし半導体被膜を、P型、N型の導電形
にするためには、炭素を添加した炭化珪素被膜が、最も
形成しやすい。これらの添加物を珪素膜作製と同時に電
気または電気と熱とを併用して実施することにより添加
すると、これらの添加物の化学量論比に応じて半導体は
1.1eVから3eV(SiC)、5.5eV(Si
)、8eV(SiO)の中間の値を得ることがで
きた。
【0029】この被膜のEgはモノクロメータまたは光
励起法により測定した。その結果、エネルギバンド幅の
変化により、例えば光照射で励起した電子の表面(光照
射部分)へのドリフト、またはホールの裏面へのドリフ
トを助長するための内部電界が形成された。
【0030】なお、図5(C)に示すように、表面近く
で光励起した電子(15)は、表面に移動しやすいが、
ホール(16)は裏面から遠いので、裏面への移動に内
部電界が有効に作用する。そして、本発明に係る感光体
では、第2の層で発生したキャリア、すなわち電子やホ
ールの移動が主として問題となるので、内部電界が有効
に作用する。
【0031】また、異なるEgの非単結晶層の間におい
てエネルギバンド幅が連続して増加あるいは減少する遷
移領域においては、Egのエッジである伝導帯および価
電子帯には、キンク、ディップ等は存在しないまたは実
質的に存在しない。このために、第2の非単結晶層にお
いて光励起で発生したキャリア、すなわち電子やホール
が、再結合電界により感光体表面及び裏面に移動すると
きに、この領域で再結合により消滅してしまうことが実
質的に無い。また、比較的厚い第2の非単結晶層から第
1の非単結晶層や第3の非単結晶層を介してキャリアを
取り出すことを促進できる。
【0032】さらに、本発明では、特にPまたはN型の
第1の非単結晶層及び第3の非単結晶層のエネルギバン
ドギャップ幅を大きくして、基板側及び表面側から入り
込む電子やホールに対しては、大きな障壁とした。これ
により、外乱となる電子やホールの混入を防止できる。
【0033】以上の説明より明らかな如く、本発明は従
来のCdS等の化合物半導体を用いた静電複写機に比べ
て、安価な珪素を主成分とした半導体とした。その半導
体中特にその表面またはその近傍に窒素を添加してかた
くし耐摩耗性を向上し、さらに静電気のリークを半導体
を半絶縁化することにより防止した。導体基板またはド
ラム近傍にはP型の半導体を設け、P−I、接合を作る
ことにより内部電界を発生せしめ、S/N比を向上させ
た。
【0034】本発明の電子写真用感光体においては、真
性または実質的に真性の珪素半導体の第2の非単結晶層
を挟んだP型またはN型の第1の非単結晶層とN型また
はP型の第3の非単結晶層が、それぞれ第2の非単結晶
層に対してエネルギバンドギャップ幅が連続的に変化し
て接合されており、且つ第2の非単結晶層より大きなエ
ネルギバンドギャップ幅を有している。このために、比
較的厚い第2の非単結晶層の中で光照射により発生した
キャリアが、感光体の表面(光照射部分)及び基体への
キャリアの移動に際し、これを促進すると共に、これら
が消滅してしまうことを防止でき、且つ外部からの電子
やホールの侵入に対し大きな障壁が形成されている。
【0035】この結果、感光体表面に対し、光照射が選
択的に行われた部分について、光励起されたキャリアが
感光体表面における光照射部分の静電荷と再結合するこ
とが充分に行われて、消滅させるべき静電荷が残ってし
まうことがなくなる。また、外部から入ってくる電子や
ホールに対する障壁は、これらの電子やホールが感光体
表面に残すべき静電荷(光照射のない部分)と結合して
しまうおそれや感光体表面の静電荷がその位置を変えた
り、感光体内に入り込んでしまうおそれを防止する。従
って、感光体表面において静電荷の残留及び消去が選択
的光照射の通りに行われる。すなわちS/N比を向上す
る効果が達成される。
【0036】
【発明の効果】以上の説明より明らかな如く、本発明は
従来のCdS等の化合物半導体を用いた静電複写機に比
べて、安価な珪素を主成分とした半導体とした。その半
導体中特にその表面またはその近傍に窒素を添加してか
たくし耐磨耗性を向上し、さらに静電気のリークを半導
体を半絶縁化することにより防止した。導体基板または
ドラム近傍にはP型の半導体を設け、I−P接合を作る
ことにより内部電界を発生せしめ、S/N比を向上させ
ることが可能となる。
【0037】本発明の実施例においては正の静電気を帯
びさせる場合を主として記した。しかし負の静電気を帯
びさせる場合は接合をP(第3の層)−I(第2の層)
−N(第1の層)とするべき導体上の第1の半導体層の
導電型を定めればよく全く逆符号の関係になる。
【0038】さらにこのドラム上での半導体または半絶
縁体の被膜化をドラムを回転しながらDCプラズマを利
用して減圧CVD法を用いたため、材料の反応炉の壁へ
の付着によるロスを少なくした等の特徴を有するもの
で、工学的にきわめて重要であると信じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明になる静電気の局部的な帯電の原理を
示したものである。
【図2】 本発明の応用するドラム式の静電複写機の原
理を示したものである。
【図3】 従来の半導体のエネルギバンド図を示す。
【図4】 本発明の複写機を作るための製造装置の原理
を示す。
【図5】 本発明の半導体のエネルギバンド図を示す。
【図6】 本発明の他の半導体または半絶縁体の構造を
有するエネルギバンド図を示す。
【符号の説明】
1 半導体 2 導体 31 第1の層 32 第2の層 33 第3の層 36、37 遷移領域 38 伝導帯 39 価電帯

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性の基体と、導電性基体の上に形成
    された感光体と、該感光体の外側表面に正の静電荷を発
    生させる手段と、該感光体の外側表面に光を照射する手
    段と、該感光体の外側表面に粉体を供給する粉体供給手
    段と、該感光体の外側表面にある粉体を紙に転写する粉
    転写手段とを有する電子感光装置において、前記感光
    体が水素、弗素、あるいは塩素を含み、ホウ素あるいは
    インジューム、またはリンあるいはアンチモンが添加さ
    れ、かつ窒素、炭素または酸素が添加された珪素を主成
    分としたP型若しくはN型の半導体または半絶縁体の第
    1の非単結晶層と、第1の非単結晶層の上に形成され、
    水素、弗素、あるいは塩素を含み、真性または実質的に
    真性の珪素半導体の第2の非単結晶層と、第2の非単結
    晶層の上に形成され、前記第1の非単結晶層とは異なる
    導電型で、珪素を主成分として水素、弗素あるいは塩素
    を含み、さらに炭素が添加されたN型若しくはP型の珪
    素半導体または半絶縁体の第3の非単結晶層を有し、第
    1の非単結晶層及び第3の非単結晶層のエネルギバンド
    幅は、第2の非単結晶層のエネルギバンド幅より大き
    く、エネルギバンド幅に広−狭−広の構造を形成し、第
    1の非単結晶層と第2の非単結晶層との境界において窒
    素、炭素または酸素の量が連続的に減少することによ
    り、第1の非単結晶層のエネルギバンドから第2の非単
    結晶層のエネルギバンドに連続的に変化し、さらに第2
    の非単結晶層と第3の非単結晶層の境界において、炭素
    の量が連続的に増加することにより、第2の非単結晶層
    のエネルギバンドから第3の非単結晶層のエネルギバン
    ドに連続的に変化している構造であることを特徴とする
    電子感光装置。
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