JP2662707B2 - ドラム形感光体の作製方法 - Google Patents
ドラム形感光体の作製方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は複写機における選択的
に静電気を帯電させる板またはドラムに関する。 【0002】本発明はかかる電子的特に静電複写機にお
いて同一パターンを多数回くりかえし、複写印刷する場
合特に有効であって、導電性基板またはドラム上に感光
性半導体層とこの半導体層上に電荷を捕獲蓄積させる層
とを有せしめることを特徴とする。本発明は2つの絶縁
または半絶縁膜によりはさまれた半導体のクラスタまた
は膜の層を設けることにより電荷を捕獲蓄積させる層を
設けたもので、かかる層に蓄積された電荷により黒粉体
を吸引し、この吸引された電荷を被複写体に転写する。
さらにこの後同じ電荷により再び黒粉体を吸引し再び被
複写体に転写をするという如く、同一電荷により複数回
の複写を高速で行わんとしたものである。 【0003】本発明はかくの如く基板またはドラムかパ
ターンを不揮発に記憶し、この記憶情報を用いて複写を
行わんとしたものである。本発明は導電性基板上にPま
たはN型の半導体の第1の層を設け、該層上に真性また
は実質的に真性(人為的にPまたはN型の不純物を添加
しないで形成させる)半導体または半絶縁体の第2の層
を設けたことに関する。本発明はかかる半導体または半
絶縁体層上に静電荷を流しうる厚さの絶縁または半絶縁
体膜にはさまれて電荷捕獲層を設け、該層に帯電した静
電荷と選択的に光励起された電荷とを再結合せしめ、ま
たこの静電荷または光励起された多数キャリアを裏面の
導体に放電せしめることを特徴とする。 【0004】 【従来の技術】従来静電複写機は真性の化合物半導体を
光電効果を利用して選択的に静電気を帯電させる層に用
いていた。しかしこの方式は材料自体が公害物質であ
り、かつ発ガン性物質が印刷されているに加えて光照射
により発生した電荷によりすでに帯電した電荷との中和
をコントラストを大にして(S/N比を大きくして)行
わしめることには必ずしも満足していなかった。このた
め本発明はこの光電効果を有する半導体中にI−N接合
またはI−P接合を設け、半導体中に内部電界を形成せ
しめさらにSN比を増加せしめたこと、さらに非公害物
質である珪素またはその化合物を用いたことを特徴とし
ている。 【0005】 【課題を解決するための手段】反応炉内でプラズマを発
生させる一方の電極となるように導電性基体を円筒状の
アルミニュームまたはその化合物により作製し、該導電
性基体の表面に相対して電極を配置し、前記導電性基体
と電極の間にプラズマを発生させ、プラズマ発生領域に
て前記円筒状導電性基体を円周方向に回転させつつ該円
筒状導電性基体の表面に珪化物を含む基体を導入し、プ
ラズマ反応をさせることにより前記円筒状導電性基体の
被形成面上の全周にわたり珪化物被膜を形成することを
特徴とするドラム形感光体の作製方法。 【0006】 【実施例】以下にその実施例を図面に従って説明する。
図1は本発明を適用させるべき静電複写機の要素を示し
たものである。すなわち図1(A)において導電性基板
上に光導電性の半導体(1)が設けられている。さらに
この半導体上に静電気(3)を均質に分布せしめた。図
面では正の電荷を静電荷発生源より放出して半導体
(1)上に付着せしめている。さらにこの後図1(C)
に示す如く、光(5)を局部的に照射するとその光量お
よびその波長に従って照射された領域(6)(6’)
(6”)の静電気は導体(2)へと放出される。加えて
光励起で発生した電子・ホール対のうち図面では負の電
子がこの正の静電気と再結合して中和をする。かくして
半導体上に選択的に静電気を分布せしめることができ
た。 【0007】図2はこの原理を回転ドラムになった半導
体および層に設けた電子式複写機の原理を示している。
すなわち回転ドラムの表面部分は導体と半導体との多層
構造に図1と同様に設けられている。さらに静電発生源
(8)より放出された静電気はドラムの上面に(3)の
如く均一に分布される。さらに光源(7)より物体(例
えば印刷された紙表面)(11)の反射光(5)がスリ
ット(9)をへてドラム上を照射する。すると照射され
た表面領域の半導体中で光起電力を発生し、その負の電
荷の再結合および正の電荷の基板導体への放出により、
その照射光(1)に従って静電気(4)の濃淡ができ
る。 【0008】さらにこの回転ドラムの表面は(12)の
部分にて炭素粉またはそれと似質の混合物(1.0〜1
00μの粒径)の黒粉体をドラム表面上に分布せしめ
る。するとこの粉体は静電気の量に比例してドラム表面
に付着する。いわゆる「可視化」を行なう。さらにこの
ドラムの回転(スピードは1〜10秒/回転)と同じス
ピードにてこの黒粉体は表面に接して被複写体例えば新
しい紙(13)が移動し、この粉体を被複写体上に付着
せしめる。この後この紙(13)は焼きつけ、定着をへ
て複写が完成する。ドラムの表面に残存した粉体はブラ
シ(14)により完全に除去した後最初の静電気発生源
に至る。 【0009】図3は従来の非接合型の光導電性半導体
(2)のエネルギバンド図である。図面において静電気
(3)、裏面の導体(1)が設けられ、光照射により電
子・ホール対が形成される。この半導体はCdS等の化
合物半導体であり真性であるためフェルミレベル(2
2)が中央に存在している。さらにこの半導体(2)の
表面に静電気が吸着して安定状態になったエネルギバン
ド図が図3(B)に示されている。 【0010】本発明のドラムを製造した製造装置を図4
に示す。すなわち真空可能な反応炉(50)に対し珪化
物気体であるSiH4 ,SiH2 Cl2 ,SiCl4 ,
SiF4 を(40)より導入する。さらにP型半導体を
形成する場合にはIII 価の不純物であるB2 H6 ,In
Cl3 を同時にヘリューム等により希釈して導入する。 【0011】さらにこのドラム(42)は直径20〜4
0cm、長さ25〜50cmを有しているためこのドラ
ム(42)を0.1〜1回/秒の速度にて回転させた。
このドラムの表面はアルミニュームまたはその化合物よ
りなり、表面の酸化アルミニュームを珪化物気体を被膜
化する前に真空中でプラズマスパッタにてArまたはA
rおよびH2との混合気体により被膜の被形成面をクリ
ーニングして酸化物または汚物を除去した。さらにこれ
に珪化物気体例えばSiH4,SiF4等を導入し、プ
ラズマを1〜50MHz、1〜10GHzの周波数で1
00W〜1KWのパワーを加え図4(B)の如くドラム
(42)と電極(47)(47’)との間にプラズマ化
を生ぜしめ珪素元素がドラム上に被着するようこのドラ
ムを200〜400℃に加熱しつつかつDCプラズマC
VDを行う。電極(47)(47’)は反応炉(50)
の内壁より離れてドラム(42)に向いているので、グ
ロー放電がドラム(42)上の導電性基体の表面近傍の
みに発生する。かくするとこの反応炉(50)の内壁に
は珪化物の被着が少なく、単純なグロー放電法を利用し
た珪素に水素または水素とフッ素の如きハロゲン元素が
添加された非結晶珪素を利用する方法に比べて1/10
以下になり、材料の有効利用ができ場合として低コスト
化をはかることができた。 【0012】反応炉内は珪化物気体特にシランを3〜3
0%をHe97〜70%とし、さらにB2 H6 またはI
nCl3 を0.1〜5%導入する場合はその量に相当す
る希釈材であるヘリュームを少なくした。ヘリュームは
すべての気体中最も軽く、かつ熱伝導率がAr等に比べ
て約3倍も大きく、反応炉内の均熱化すなわち被膜の膜
厚の均一化にきわめて好ましい希釈ガスであった。 【0013】さらにHeはイオン化する時の電離電圧が
21eVもあり他の気体の12〜15eVに比べてきわ
めて大きく、結果としてプラズマ状態の持続に対しても
その寄与が大であった。さらにこの形成される被膜を半
導体ではなく半絶縁体とするためには同様にアンモニア
を添加した。するとSi3 N4-X (0<x<4)が形成
され、窒素が10〜50モル%添加されるとその被膜は
Egが2.0〜3.0eVと珪素の1.0〜1.8eV
よりも大きくすることができた。加えて耐摩もう性も向
上し、本発明の静電複写機は単純な珪素ではなく、窒素
が10〜50モル%添加され、特にこの半導体の静電気
が吸着する表面またはその近傍に窒素の添加量を大にし
た。 【0014】かくすることにより静電気のリークによる
漸減が少なく、静電気を長時間半導体上または半絶縁体
上に保持することができた。図5は本発明の構造を示し
ている。すなわち図5(A)は導体基板(1)上にP型
半導体(21)、真性または実質的に真性の半導体(2
3)よりなる半導体層(2)、この上面に電流を流しう
る厚さの絶縁または半絶縁膜(26)ここでは窒化珪素
を10〜100A特に30〜50Aとした。この上面に
半導体のクラスタ(50)、その上面に電流を流しうる
厚さの第2の絶縁または半絶縁膜(27)を(26)と
同時に設けた。半導体のクラスタ(50)は50Å〜5
μの直径をもつ塊状の半導体であり、また各クラスタは
電気的に絶縁されている。平均膜厚は50〜2000A
の厚さを有するこのクラスタはシランのみを膜(26)
上にデポジットしてもよく、またはこの珪素に0.1〜
10モル%の窒素を添加した低級窒化物であってもよ
い。いずれにしても一度半導体表面よりこの低エネルギ
の井戸(50)に静電荷が集積させた場合では面方向に
拡散しない程度に絶縁性があることが必要となる。 【0015】さらに本発明においてはこの半導体のクラ
スタまたは膜の上面に電流を流しうる厚さの絶縁物ここ
では窒化珪素(Si3 N4 )が30〜100Aの厚さで
形成されている。この窒化珪素はエネルギバンド巾が
5.0eVであり、これは酸化珪素に比べて硬く耐まも
う性にすぐれているに加えて、その厚さを30〜100
Åと厚くしても電流を流すことができる。このため酸化
珪素の保護膜に比べて2つの特徴を有し、本発明におい
ては図1の反応炉に対しシランの導入を中止してアンモ
ニアのみを導入しプラズマ化し、この半導体または半絶
縁体の表面を窒化すればよい。この保護膜(27)は炭
化珪素であってもよい。 【0016】図5(A)は注入させた電荷に光照射によ
り発生した電子・ホール対(20)のうちの少数キャリ
アの再結合する場合であり、図5(B)は正の静電荷が
蓄積されて不揮発性になった場合である。この場合粉体
(53)がこの静電荷に吸引されて静電荷の量に比例し
て絶縁膜(27)の表面に吸着する。この図5(A)
(B)の構造の半導体層においてはプリントのたびに再
び静電荷を蓄積させる必要がなく、複数回プリントする
複写機に対して好ましい結果が得られる。 【0017】図5(C)は図5(B)と同様に半導体の
クラスタまたは膜を有したエネルギバンド的に井戸を有
し、この井戸に静電荷を蓄積させる方法であるが、その
井戸をはさむ膜(28)(29)はプラズマCVD法で
作製したため、そのエネルギエッジがソフトになってい
る。この場合は窒素の添加量を調整してEg3〜4eV
とすることができるため、被膜(28)(29)の膜を
30〜500Åと厚くしても光照射による感光性を有し
ていた。 【0018】 【発明の効果】以上の説明より明らかな如く、本発明は
従来のCdS等の化合物半導体を用いた静電複写機に比
べて安価な珪素を主成分とした半導体とした。その半導
体中特にその表面またはその近傍に窒素を添加して硬く
耐まもう性を向上し、さらに静電気のリークを半導体を
半絶縁化することにより防止した。導体基板またはドラ
ム近傍にはP型の半導体を設け、I−P接合を作ること
により内部電界を発生せしめS/N比を向上させた。 【0019】本発明の実施例においては正の静電気を帯
びさせる場合を主として示した。しかし負の静電気をお
びさせる場合は接合をI−Nとするべき導体上の第1の
半導体層の導電型を定めればよく全く逆符号の関係にな
る。さらにこのドラム上での半導体または半絶縁体の被
膜化をドラムを回転しながらDCプラズマを利用して減
圧CVD法を用いたため、材料の反応炉の壁への付着に
よるロスを少くした等の特徴を有するもので、工学的に
きわめて重要であると信ずる。
に静電気を帯電させる板またはドラムに関する。 【0002】本発明はかかる電子的特に静電複写機にお
いて同一パターンを多数回くりかえし、複写印刷する場
合特に有効であって、導電性基板またはドラム上に感光
性半導体層とこの半導体層上に電荷を捕獲蓄積させる層
とを有せしめることを特徴とする。本発明は2つの絶縁
または半絶縁膜によりはさまれた半導体のクラスタまた
は膜の層を設けることにより電荷を捕獲蓄積させる層を
設けたもので、かかる層に蓄積された電荷により黒粉体
を吸引し、この吸引された電荷を被複写体に転写する。
さらにこの後同じ電荷により再び黒粉体を吸引し再び被
複写体に転写をするという如く、同一電荷により複数回
の複写を高速で行わんとしたものである。 【0003】本発明はかくの如く基板またはドラムかパ
ターンを不揮発に記憶し、この記憶情報を用いて複写を
行わんとしたものである。本発明は導電性基板上にPま
たはN型の半導体の第1の層を設け、該層上に真性また
は実質的に真性(人為的にPまたはN型の不純物を添加
しないで形成させる)半導体または半絶縁体の第2の層
を設けたことに関する。本発明はかかる半導体または半
絶縁体層上に静電荷を流しうる厚さの絶縁または半絶縁
体膜にはさまれて電荷捕獲層を設け、該層に帯電した静
電荷と選択的に光励起された電荷とを再結合せしめ、ま
たこの静電荷または光励起された多数キャリアを裏面の
導体に放電せしめることを特徴とする。 【0004】 【従来の技術】従来静電複写機は真性の化合物半導体を
光電効果を利用して選択的に静電気を帯電させる層に用
いていた。しかしこの方式は材料自体が公害物質であ
り、かつ発ガン性物質が印刷されているに加えて光照射
により発生した電荷によりすでに帯電した電荷との中和
をコントラストを大にして(S/N比を大きくして)行
わしめることには必ずしも満足していなかった。このた
め本発明はこの光電効果を有する半導体中にI−N接合
またはI−P接合を設け、半導体中に内部電界を形成せ
しめさらにSN比を増加せしめたこと、さらに非公害物
質である珪素またはその化合物を用いたことを特徴とし
ている。 【0005】 【課題を解決するための手段】反応炉内でプラズマを発
生させる一方の電極となるように導電性基体を円筒状の
アルミニュームまたはその化合物により作製し、該導電
性基体の表面に相対して電極を配置し、前記導電性基体
と電極の間にプラズマを発生させ、プラズマ発生領域に
て前記円筒状導電性基体を円周方向に回転させつつ該円
筒状導電性基体の表面に珪化物を含む基体を導入し、プ
ラズマ反応をさせることにより前記円筒状導電性基体の
被形成面上の全周にわたり珪化物被膜を形成することを
特徴とするドラム形感光体の作製方法。 【0006】 【実施例】以下にその実施例を図面に従って説明する。
図1は本発明を適用させるべき静電複写機の要素を示し
たものである。すなわち図1(A)において導電性基板
上に光導電性の半導体(1)が設けられている。さらに
この半導体上に静電気(3)を均質に分布せしめた。図
面では正の電荷を静電荷発生源より放出して半導体
(1)上に付着せしめている。さらにこの後図1(C)
に示す如く、光(5)を局部的に照射するとその光量お
よびその波長に従って照射された領域(6)(6’)
(6”)の静電気は導体(2)へと放出される。加えて
光励起で発生した電子・ホール対のうち図面では負の電
子がこの正の静電気と再結合して中和をする。かくして
半導体上に選択的に静電気を分布せしめることができ
た。 【0007】図2はこの原理を回転ドラムになった半導
体および層に設けた電子式複写機の原理を示している。
すなわち回転ドラムの表面部分は導体と半導体との多層
構造に図1と同様に設けられている。さらに静電発生源
(8)より放出された静電気はドラムの上面に(3)の
如く均一に分布される。さらに光源(7)より物体(例
えば印刷された紙表面)(11)の反射光(5)がスリ
ット(9)をへてドラム上を照射する。すると照射され
た表面領域の半導体中で光起電力を発生し、その負の電
荷の再結合および正の電荷の基板導体への放出により、
その照射光(1)に従って静電気(4)の濃淡ができ
る。 【0008】さらにこの回転ドラムの表面は(12)の
部分にて炭素粉またはそれと似質の混合物(1.0〜1
00μの粒径)の黒粉体をドラム表面上に分布せしめ
る。するとこの粉体は静電気の量に比例してドラム表面
に付着する。いわゆる「可視化」を行なう。さらにこの
ドラムの回転(スピードは1〜10秒/回転)と同じス
ピードにてこの黒粉体は表面に接して被複写体例えば新
しい紙(13)が移動し、この粉体を被複写体上に付着
せしめる。この後この紙(13)は焼きつけ、定着をへ
て複写が完成する。ドラムの表面に残存した粉体はブラ
シ(14)により完全に除去した後最初の静電気発生源
に至る。 【0009】図3は従来の非接合型の光導電性半導体
(2)のエネルギバンド図である。図面において静電気
(3)、裏面の導体(1)が設けられ、光照射により電
子・ホール対が形成される。この半導体はCdS等の化
合物半導体であり真性であるためフェルミレベル(2
2)が中央に存在している。さらにこの半導体(2)の
表面に静電気が吸着して安定状態になったエネルギバン
ド図が図3(B)に示されている。 【0010】本発明のドラムを製造した製造装置を図4
に示す。すなわち真空可能な反応炉(50)に対し珪化
物気体であるSiH4 ,SiH2 Cl2 ,SiCl4 ,
SiF4 を(40)より導入する。さらにP型半導体を
形成する場合にはIII 価の不純物であるB2 H6 ,In
Cl3 を同時にヘリューム等により希釈して導入する。 【0011】さらにこのドラム(42)は直径20〜4
0cm、長さ25〜50cmを有しているためこのドラ
ム(42)を0.1〜1回/秒の速度にて回転させた。
このドラムの表面はアルミニュームまたはその化合物よ
りなり、表面の酸化アルミニュームを珪化物気体を被膜
化する前に真空中でプラズマスパッタにてArまたはA
rおよびH2との混合気体により被膜の被形成面をクリ
ーニングして酸化物または汚物を除去した。さらにこれ
に珪化物気体例えばSiH4,SiF4等を導入し、プ
ラズマを1〜50MHz、1〜10GHzの周波数で1
00W〜1KWのパワーを加え図4(B)の如くドラム
(42)と電極(47)(47’)との間にプラズマ化
を生ぜしめ珪素元素がドラム上に被着するようこのドラ
ムを200〜400℃に加熱しつつかつDCプラズマC
VDを行う。電極(47)(47’)は反応炉(50)
の内壁より離れてドラム(42)に向いているので、グ
ロー放電がドラム(42)上の導電性基体の表面近傍の
みに発生する。かくするとこの反応炉(50)の内壁に
は珪化物の被着が少なく、単純なグロー放電法を利用し
た珪素に水素または水素とフッ素の如きハロゲン元素が
添加された非結晶珪素を利用する方法に比べて1/10
以下になり、材料の有効利用ができ場合として低コスト
化をはかることができた。 【0012】反応炉内は珪化物気体特にシランを3〜3
0%をHe97〜70%とし、さらにB2 H6 またはI
nCl3 を0.1〜5%導入する場合はその量に相当す
る希釈材であるヘリュームを少なくした。ヘリュームは
すべての気体中最も軽く、かつ熱伝導率がAr等に比べ
て約3倍も大きく、反応炉内の均熱化すなわち被膜の膜
厚の均一化にきわめて好ましい希釈ガスであった。 【0013】さらにHeはイオン化する時の電離電圧が
21eVもあり他の気体の12〜15eVに比べてきわ
めて大きく、結果としてプラズマ状態の持続に対しても
その寄与が大であった。さらにこの形成される被膜を半
導体ではなく半絶縁体とするためには同様にアンモニア
を添加した。するとSi3 N4-X (0<x<4)が形成
され、窒素が10〜50モル%添加されるとその被膜は
Egが2.0〜3.0eVと珪素の1.0〜1.8eV
よりも大きくすることができた。加えて耐摩もう性も向
上し、本発明の静電複写機は単純な珪素ではなく、窒素
が10〜50モル%添加され、特にこの半導体の静電気
が吸着する表面またはその近傍に窒素の添加量を大にし
た。 【0014】かくすることにより静電気のリークによる
漸減が少なく、静電気を長時間半導体上または半絶縁体
上に保持することができた。図5は本発明の構造を示し
ている。すなわち図5(A)は導体基板(1)上にP型
半導体(21)、真性または実質的に真性の半導体(2
3)よりなる半導体層(2)、この上面に電流を流しう
る厚さの絶縁または半絶縁膜(26)ここでは窒化珪素
を10〜100A特に30〜50Aとした。この上面に
半導体のクラスタ(50)、その上面に電流を流しうる
厚さの第2の絶縁または半絶縁膜(27)を(26)と
同時に設けた。半導体のクラスタ(50)は50Å〜5
μの直径をもつ塊状の半導体であり、また各クラスタは
電気的に絶縁されている。平均膜厚は50〜2000A
の厚さを有するこのクラスタはシランのみを膜(26)
上にデポジットしてもよく、またはこの珪素に0.1〜
10モル%の窒素を添加した低級窒化物であってもよ
い。いずれにしても一度半導体表面よりこの低エネルギ
の井戸(50)に静電荷が集積させた場合では面方向に
拡散しない程度に絶縁性があることが必要となる。 【0015】さらに本発明においてはこの半導体のクラ
スタまたは膜の上面に電流を流しうる厚さの絶縁物ここ
では窒化珪素(Si3 N4 )が30〜100Aの厚さで
形成されている。この窒化珪素はエネルギバンド巾が
5.0eVであり、これは酸化珪素に比べて硬く耐まも
う性にすぐれているに加えて、その厚さを30〜100
Åと厚くしても電流を流すことができる。このため酸化
珪素の保護膜に比べて2つの特徴を有し、本発明におい
ては図1の反応炉に対しシランの導入を中止してアンモ
ニアのみを導入しプラズマ化し、この半導体または半絶
縁体の表面を窒化すればよい。この保護膜(27)は炭
化珪素であってもよい。 【0016】図5(A)は注入させた電荷に光照射によ
り発生した電子・ホール対(20)のうちの少数キャリ
アの再結合する場合であり、図5(B)は正の静電荷が
蓄積されて不揮発性になった場合である。この場合粉体
(53)がこの静電荷に吸引されて静電荷の量に比例し
て絶縁膜(27)の表面に吸着する。この図5(A)
(B)の構造の半導体層においてはプリントのたびに再
び静電荷を蓄積させる必要がなく、複数回プリントする
複写機に対して好ましい結果が得られる。 【0017】図5(C)は図5(B)と同様に半導体の
クラスタまたは膜を有したエネルギバンド的に井戸を有
し、この井戸に静電荷を蓄積させる方法であるが、その
井戸をはさむ膜(28)(29)はプラズマCVD法で
作製したため、そのエネルギエッジがソフトになってい
る。この場合は窒素の添加量を調整してEg3〜4eV
とすることができるため、被膜(28)(29)の膜を
30〜500Åと厚くしても光照射による感光性を有し
ていた。 【0018】 【発明の効果】以上の説明より明らかな如く、本発明は
従来のCdS等の化合物半導体を用いた静電複写機に比
べて安価な珪素を主成分とした半導体とした。その半導
体中特にその表面またはその近傍に窒素を添加して硬く
耐まもう性を向上し、さらに静電気のリークを半導体を
半絶縁化することにより防止した。導体基板またはドラ
ム近傍にはP型の半導体を設け、I−P接合を作ること
により内部電界を発生せしめS/N比を向上させた。 【0019】本発明の実施例においては正の静電気を帯
びさせる場合を主として示した。しかし負の静電気をお
びさせる場合は接合をI−Nとするべき導体上の第1の
半導体層の導電型を定めればよく全く逆符号の関係にな
る。さらにこのドラム上での半導体または半絶縁体の被
膜化をドラムを回転しながらDCプラズマを利用して減
圧CVD法を用いたため、材料の反応炉の壁への付着に
よるロスを少くした等の特徴を有するもので、工学的に
きわめて重要であると信ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明になる静電気の局部的な帯電の原理を
示したものである。 【図2】 ドラム式の静電複写機の原理を示したもので
ある。 【図3】 従来の半導体のエネルギバンド図を示す。 【図4】 本発明の複写機を作るための製造装置の原理
を示している。 【図5】 本発明の半導体または半絶縁体の構造を有す
るエネルギバンド図を示す。
示したものである。 【図2】 ドラム式の静電複写機の原理を示したもので
ある。 【図3】 従来の半導体のエネルギバンド図を示す。 【図4】 本発明の複写機を作るための製造装置の原理
を示している。 【図5】 本発明の半導体または半絶縁体の構造を有す
るエネルギバンド図を示す。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.円筒状を有する導電性基体の上にP型又はN型の第
1の半導体層を形成する工程と、前記第1の半導体層の
上に真性又は実質的に真性の第2の半導体層を形成する
工程と、前記第2の半導体層の上に保護膜を形成する工
程とを有し、前記保護膜中にエネルギバンド的に井戸を
有していることを特徴とするドラム形感光体の作製方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6126805A JP2662707B2 (ja) | 1994-05-16 | 1994-05-16 | ドラム形感光体の作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6126805A JP2662707B2 (ja) | 1994-05-16 | 1994-05-16 | ドラム形感光体の作製方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP56151148A Division JPH0723962B2 (ja) | 1981-09-24 | 1981-09-24 | ドラム形感光体の作製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07140691A JPH07140691A (ja) | 1995-06-02 |
JP2662707B2 true JP2662707B2 (ja) | 1997-10-15 |
Family
ID=14944402
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6126805A Expired - Lifetime JP2662707B2 (ja) | 1994-05-16 | 1994-05-16 | ドラム形感光体の作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2662707B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54145539A (en) * | 1978-05-04 | 1979-11-13 | Canon Inc | Electrophotographic image forming material |
JPS5562160A (en) * | 1978-11-01 | 1980-05-10 | Canon Inc | Forming method for film by glow discharge |
-
1994
- 1994-05-16 JP JP6126805A patent/JP2662707B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07140691A (ja) | 1995-06-02 |
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PART | IMAGING SCIENCE AND ENGINEERING LABORATORY TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY YOKOHAMA, JAPAN |