JP2573131B2 - 大形コンクリート製品の即時脱型式自動成形機およびその成形方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【産業上の利用分野】本発明は、土木用の各形状の大形
コンクリート製品を即時脱型方式で成形する成形機なら
びにその成形方法に関する。

【従来の技術】従来の土木用コンクリート製品は取扱い
が人手に頼るため形状や重量を取扱い易い小型製品とし
て即時脱型あるいはスランプの多い軟練りのコンクリー
トを型枠に流し込み養生して硬化後脱型して製造してい
た。このような取扱い易い小型コンクリート製品を施工
構築する作業員は近年人手不足であって施工工期の遅延
は免れない。その主たる要因は構築に当って危険がとも
なう、作業がきつい、汚い等々いわゆる３Ｋの悪条件の
ため施工構築にたずさわる人手は更に減少する一方であ
る。

【発明が解決しようとする課題】この人手不足を補うた
めコンクリート製品を大形化して人手に頼らず機械力に
て取扱う構築がなされつつあるが、大形製品を製造する
業者は従来から人手で取扱いのできない大形製品の製造
は、スランプの多い軟状コンクリートを型枠に流し込
み、長時間掛けて、熱養生してコンクリートの硬化をま
って型枠を人手により解体脱型して大形製品を製造して
いたが、型枠が数多く必要であり、その型枠の保管にも
作業場所が広く必要で、更に型枠の組成、解体脱型は人
手によって行っていた。このため生産は非能率的であ
り、いずれも人手作業が多い製造方法であった。

【課題を解決するための手段】本発明は従来のこれら諸
欠点を解消し、高能率で大形のコンクリート製品を即時
脱型方式で成形して製造する自動成形機であって構築施
工現場での作業は重機により構築施工するもので、高能
率で大形のコンクリート製品を即時脱型方式で成形製造
する成形機ならびにその成形方法を提供するものであ
る。

【作用】本発明の大形コンクリート製品を即時脱型方式
で成形する成形機は任意形状の大形コンクリート製品
と、その表出面を成形する任意形状の面パレットの底面
に大形製品の重量に耐える補強鋼材を熔着して一体の面
パレットに形成し、上下に昇降する面パレットを置載す
る振動台上に載せて、一次上昇位置まで上昇させ（図５
参照）、左、右、前、後の分割移動する側型枠板をそれ
ぞれ前進して規定の一体型枠に強固に嵌合組成し、この
型枠上面開口部に給材函を前進させ、コンクリート素材
を給材し、給材函の後退で給材したコンクリートの上面
を均一にカットしてホッパー下方の元の位置に復すると
同時に上下昇降するプレス盤の下降でコンクリート上面
を押圧、振動を加えると同時に、一次停止している面パ
レットを下方から振動を与えながら二次停止する既定位
置まで押し上げ型枠内の未締固めコンクリートを上下の
挟圧縮と振動で全体を均等に高密度に締固めた後四方分
割型板を後退移動させて面パレットのみを残して全体を
即時脱型し、振動台の下降で面パレット付の生大形製品
はチエンコンベアー上に押送移載され所定位置搬送して
養生する。

【実施例】添付図面により本発明を説明すると、図１は
大形コンクリート製品を即時脱型により成形する成形機
の要部切断正面図で製品形状は実施例の一例として図示
したものである。図２は同要部切断側面図である。また
図３は分割型枠の隅部の嵌合機構を示し、図４は組立て
られた型枠の平面図、図５は面パレットを２段に上昇し
て締固める成形状態を示す拡大図である。そして図６は
大形面パレットの各種形状の断面図を示している。図に
おいて、（１）は本発明の大形コンクリート製品を即時
脱型方式で成形する成形機の機台、（２），（２）…は
前、後、左、右の分割型枠基板（９）を作動するシリン
ダー（１３）の取付機台を示している。（３）は製品の
表出面を成形する面パレットＰを置載し上下に昇降する
振動面パレット置載台、（４）は振動面パレット置載台
（３）を防振ゴム（５）を介して上下昇降する基台板で
ある。（６）は振動機である。（７）は面パレット置載
振動台板（３）と上下昇降する基台板（４）を上下昇降
するシリンダーであって、このシリンダー（７）の上昇
作動は後述するように２段階に作動する面パレットが、
型枠底部に内装された時に一次停止して型枠内にコンク
リート素材を給材し、この給材の完了で規定位置まで面
パレットを上昇させて、コンクリート中の空隙を排除し
上方からの押圧と合せて挟持によって密度の高いコンク
リートに締固めることができる。この２段階上昇作動は
コンクリートの練り加減と供給量に合せて電気的に行
う。（８）は大形コンクリート製品の任意形状の四側面
分割の成形型板を水平移動する基板で、製品の形状で内
面に張着する成形型板（９）を取替え、製品形状が相違
する製品が簡単に成形できる。そしてこの分割基板の隅
部には型枠に組成したときに縦ずれ、横ずれを生じない
よう強固に一体化するための嵌合装置（８−１）が設け
られている。（図３参照） （９）は大形コンクリート製品を成形する四側面分割型
板であって、シリンダー（１３）の作動によって移動す
る分割基板（８）の内面に装脱自在に張着されている。
この型枠（９）の形状は、実施例図においては、張りブ
ロックの形状であるが、この形状は実施例図であり型板
（９）の取替えて各種形状の製品を成形することができ
る。（１０）は四側面に水平移動する基板（８）に固着
している水平スライドメタルである。（１１）はこの水
平スライドメタルのレールである。（１２）は移動基板
（８）を前進および後退と作動させるシリンダー（１
３）を取付けるフレームで、下方は機枠に固着されてい
る。図中のＰは製品表出面を成形する面パレットで、底
部には大形製品のため製品重量で変形を生じないように
耐える補強鋼材Ｈが熔着されている。そしてこの面パレ
ットＰの内面は成形するコンクリートブロックの表出面
に合せて各種の形状に形成することができる。（図６Ａ
〜Ｅ参照）このように鋼材Ｈによって面パレットＰを補
強することによって製品を即時脱型しても未硬化の生コ
ンクリート製品にクラック等が入らない構成にされてい
る。（１５）は型枠内にコンクリート素材を供給する型
枠開口上に前進後退する給材函である。（１６）は一体
に組成した型枠に給材したコンクリート素材の上面を圧
縮締固めるプレス盤である。（１７）は振動機でコンク
リートを圧縮と振動で締固める。（１８）はプレス盤
（１６）を上下動するシリンダーである。（１９）はコ
ンクリート素材を貯溜するホッパーで下方には型枠に給
材するための前進後退する給材函（１５）を設ける。
（２０）は給材函の作動シリンダーである。（２１）は
成形を完了した面パレット付きの製品Ｂを所定の養生位
置に搬送するチエンコンベアーを示すもので、（２２）
は面パレット付製品Ｂを製品搬送チエンコンベアー（２
１）上に押送移載する製品押送シリンダーである。図３
および図４は成形型板（９）を張着する水平移動基板
（８）の四隅部に設けた嵌合装置の拡大図で一体の型枠
に組成した時に強固に嵌合して、縦ずれ横ずれを防止す
る。この嵌合装置は、左右の移動基板（８）の分割隅部
に山形状嵌合突起を形成した山形嵌合板（８−１）を固
着し、左右の移動基板をシリンダー（１３）の前進で、
先に所定位置に前進している前後の基板の分割隅部に設
けてある嵌合板（８−２）の山形凹部に強固に嵌合して
一体した型枠が組成され成形が完了すると分割している
四方側面型板（９）はそれぞれ基板（８）と共に外方に
移動して面パレットに載置したブロックＢを残して即時
脱型されるものである。次に本発明の大形コンクリート
製品を即時脱型で成形するコンクリート素材を締固める
成形方法を図５の拡大断面図で説明すると、シリンダー
（７）の作動によって下降している振動板（３）上に任
意形状の製品表出面を成形する面パレットＰ（図６参
照）を置載して一体に組成する型枠底部に内装する。そ
してシリンダー（７）の作動によってａ線位置まで上昇
して一次停止させると同時に型枠開口部上に給材函（１
５）を前進させ型枠内にコンクリート素材を給材して給
材函は元位置に後退し、型枠上方に設けたプレス盤（１
６）をシリンダー（１８）の下降でもって給材したコン
クリート素材面を押圧と同時に振動機（１７）を起動
し、そのプレス盤の下降で上方から型枠内のコンクリー
トを押圧振動する操作と同時に面パレットを置載してい
る振動台板（３）の振動機（６）を起動すると同時にａ
線位置の面パレットをｂ線の位置までシリンダー（７）
で上昇させる。したがってコンクリートは下方と上方の
相方から振動と押圧で締固められる。即ちａ線の位置で
給材し、ｂ線の位置まで上昇させて下方からの押上げと
上方からの押圧と振動との相方からの挟圧で型枠内のコ
ンクリートを均一に締固め成形する。そして成形を完了
するとプレス盤は元の位置に上昇して振動機も停止し、
面パレットを置載している振動板の振動機も停止する。
次に四方向の側面成形型板及び成形板を張着している移
動台板はそれぞれ後退して面パレットＰ上に生コンクリ
ート製品Ｂを残して他は即時脱型されると同時にシリン
ダーの下降で面パレットと共に機外搬出位置に振動台板
は下降する。下降した振動台板上の底面の面パレットと
即時脱型した生コンクリート製品を所定の養生位置に搬
送するチエンコンベアー上に製品を押送するプッシャー
シリンダーの前進で順次移載して生コンクリート製品を
養生に移送する。この面パレットの一次位置ａ線に上昇
させコンクリート素材を給材し、次に面パレットの二次
位置ｂ線まで押し上げることによって上方からの押圧振
動と下方から振動しながらの押上げ圧縮でのコンクリー
ト材挟圧振動により製品全体を均一に締固めることがで
き、また特に製品によって形成される側面形状の突起部
の締固めにおいて、その効果は抜群で従来の上方からの
みの押圧では突起下方のコンクリート材締固めは不完全
であったが、本発明においては下方からのコンクリート
押上げ締固めと上方からの押圧で締固めるため、製品の
側面形状がいかなる凹凸突起形状でも全体が均一密度に
締固めることができるコンクリート締固め効果は従来の
締固めに見られない画期的効果を奏するものである。図
６は本発明の大形製品を即時脱型方式で製品表出面を成
形するのに用いる各形状の面パレットの断面で、実施例
として図示したのが製品表出面が図示外の形状でも同様
で図示形状に限定することはないが一例を挙げると、Ａ
図は製品表出面が滑面のフラット面表出に用いる面パレ
ットの一部断面図。Ｂ図は製品表出面が凹凸の滑面表出
に用いる面パレットの一部断面図。Ｃ図は製品表出面が
凹凸状粗面表出に用いる面パレットの一部断面図。Ｄ図
は製品表出面に自然石面を表出するのに用いる面パレッ
トの一部断面図。をそれぞれ示している。このＤ図に示
す面パレットは自然石による表面形成用の面パレットで
表出面に用いる大、中、小、石材と細砂適量を混合配合
した自然石材を高さのある箱状面パレットに適量を供給
して、その石材上に適宜水を噴霧して大、中、小、石材
相互の間隙底部に振巾の小さい振動を与えて該石材細砂
を充填し、余剰水は面パレット底面に形成した細孔より
排水させ処理した石材入面パレットを用いて、大形コン
クリート製品の表出面に自然石面を表出する面パレット
である。Ｗ′は余剰水分の排水孔である。Ｗは適量水を
噴霧するノズルである。この各形状の製品表出面を成形
する面パレットは製品が大形化のためその製品重量で曲
って変形しない補強材Ｈを底部熔着して製品重量に耐え
る構成としたもので即時脱型した生コンクリート製品に
破損を生じないような強度のある面パレット構造とした
ものである。また図示していないが、面パレットＡ図の
フラット滑面内に升目形状のプラスチック、スポンジあ
るいは金網等各種材質の升目、網目形状体を敷き、その
上面に大、中、小の自然石を適宜数並置して、その自然
石相互間の空隙に適宜深さの目地部を形状する粒砂を充
填して適量水を噴霧して粒砂を締固め処理した面パレッ
トを用いることもある。この面パレットＡ底面には噴霧
した水の余剰水を排水する細孔を適所に設けるものであ
る。次に本発明の大形コンクリート製品を即時脱型で成
形する自動成形機の成形操作を順を追って説明すると、
各形状の面パレットＰを型枠位置下方に下降している面
パレット置載振動板（３）上に置載し、一次上昇位置
（図５拡大図参照）までシリンダー（７）の上昇でａ線
位置で停止して四方向に開いている分割基板（８）に張
着している型板（９）をそれぞれ水平前進して一体の型
枠に強固に嵌合組成される。（図４参照） 次に一体に組成された型枠上方開口よりコンクリート貯
溜ホッパーからコンクリート素材を収容し、期待してい
る給材函をシリンダーの前進で型枠開口上に前進してコ
ンクリート材を落下供給し、給材函はシリンダーの後退
でホッパー下方の元の位置に復すと同時に型枠上方に設
けたプレス盤（１６）を下降して型枠に給材したコンク
リート素材を上面を押圧しながら振動機（１７）を起動
すると同時に面パレットを置載している側の振動板
（３）下面に固着している振動機（６）も起動させ、先
に給材で一次停止している振動面パレット置載台（３）
を二次上昇位置ｂ線の所定位置まで上昇させコンクリー
ト素材を下方からの挟圧振動と上方からの加振押圧によ
り密度の高いコンクリートに空隙を排除して締固め成形
して成形は完了する。このコンクリート締固めの給材ａ
線から、締固めｂ線はコンクリートのスランプにより電
気的に至極簡単に変更できるものでコンクリートのスラ
ンプ状態で簡単に変更して常に安定した密度強度の製品
が成形できる。また、基板（８）の四方向の移動は製品
の形状により異る。この成形完了でシリンダー（１３）
は後退で四方向の側面の基板（８）に張着している型板
（９）は外方に水平移動して面パレットＰを残して即時
に脱型されると下方のシリンダー（７）の下降で面パレ
ット置載する振動台板上の面パレット付生コンクリート
製品Ｂは所定の位置に下降し、機外に搬送するチエン
（２１）上に移載して押送シリンダー（２２）によって
順次製品移載毎間欠的に製品移載し所定の養生場所に搬
送する。

【発明の効果】本発明は前記したようにコンクリート大
形製品の成形に際して、従来不可能視されていた人手で
取扱いできない重量形状の製品を即時脱型方式により能
率的に生産され、成形する成形機で、製品表出面を成形
する任意の面パレットは下面に製品重量にて変形しない
補強鋼材を一体に形成した面パレットを用い、型枠は左
右前後分割開閉移動する構成の分割型板で前進して縦ず
れ、横ずれを生じることなく強固に嵌合する装置を各分
割型板の隅部に装置し一体に組成した型枠底部に面パレ
ットを振動面パレット載置台上に置載して型枠底部の一
次上昇位置に内装して給材したコンクリート上面をプレ
ス盤の下降で押圧すると共に一次上昇停止している面パ
レットを振動台の上昇と同時に振動台、プレス盤に設け
た振動機を起動して型枠内のコンクリート材を下方と上
方からの挟圧振動で型枠内のコンクリートを均一に締固
め面パレットが型枠の所定位置で上下の振動機は停止
し、プレス盤は上昇して元の位置に復し、四方向の分割
型板はそれぞれ外方に開いてパレット装置する振動台上
に面パレットを残して即時脱型され振動台の所定位置に
下降で機外に設けた製品搬送するチエンコンベアー上に
面パレットと共に生製品は押送される。この型枠底部に
内装する面パレットの一次停止して給材したコンクリー
トを所定位置の二次上昇と上方プレス盤の押圧でコンク
リート材を上下の挟圧と振動で締固め、特に下方からの
押し上げ圧と振動によって側面型板に凹凸部が形成され
ていても押圧の影になる部分がなく振動も加勢されるた
め強固に均一密度に締固めることのできる効果は極めて
大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の成形機の要部切断正面図。

【図２】 同要部切断側面図。

【図３】 本発明の四方向開閉移動する型板の嵌合装置
の拡大図。

【図４】 本発明実施例の四方向開閉移動する型枠の平
面図。

【図５】 本発明の締固め作用を示す説明図。

【図６】 本発明の即時脱型で任意大形コンクリート製
品の表出面成形する各形状の面パレット切断図である。

【符号の説明】

（１）…成形機の機台 （２）…側枠基板作動用シリンダーの取付台 （３）…面パレット置載台 （６）…面パレット置載台の振動機 （７）…面パレット置載台昇降シリンダー （８）…四側面分割型板基板 （９）…基板に張着する型板 （１３）…水平移動基板作動用のシリンダー （１６）…プレス盤 （１７）…プレス盤上の振動機 （１８）…プレス盤作動用のシリンダー

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】四方向側面分割型枠であって、四方向から
   のシリンダーの作動によって水平移動する移動基板を設
   け、該移動基板の隅部に嵌合装置を設けると共に、該移
   動基板の内面に型板を装脱自在に張着して型枠四側面を
   形成し、該型枠の底部に補強鋼材によって補強した面パ
   レットを嵌入させ、上面および下面に押圧板および振動
   機を設けることを特徴とした大形コンクリート製品の即
   時脱型式自動成形機。
2. 【請求項２】請求項１によって組成された型枠の底面下
   方からシリンダーによって上昇する振動載置板上の面パ
   レットをａ位置において一次停止させて上方からコンク
   リートを給材し、上方のプレス盤を下降して給材コンク
   リートの上面を押圧し、同時に一次停止している面パレ
   ットを二次停止の規定位置ｂまで押上げて上下のプレス
   盤および面パレットに振動を与えてコンクリートを上下
   の振動と挟圧によって均一密度に締固めることを特徴と
   した大形コンクリート製品の即時脱型式自動成形方法。