JP2572803B2 - 金属・セラミックス接合体 - Google Patents

金属・セラミックス接合体

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JP2572803B2 JP63065864A JP6586488A JP2572803B2 JP 2572803 B2 JP2572803 B2 JP 2572803B2 JP 63065864 A JP63065864 A JP 63065864A JP 6586488 A JP6586488 A JP 6586488A JP 2572803 B2 JP2572803 B2 JP 2572803B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はセラミック部材と金属部材とをろう材を介し
て一体的に接合してなる金属・セラミックス接合体に関
するものである。
(従来の技術) ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素等のセラミックス
は、機械的強度、耐熱性、耐摩耗性にすぐれているた
め、ガスタービンエンジン部品、エンジン部品等の高温
構造材料あるいは耐摩耗材料として実用化が図られてい
る。しかし、セラミックスは一般に硬くて脆いため、金
属材料に比較して成形加工性が劣る。また、靭性が乏し
いため、衝撃力に対する抵抗が弱い。このため、セラミ
ック材料のみでエンジン部品のような機械部品を形成す
ることは難しく、一般には金属部材とセラミック部材を
接合した複合構造体としての形で使用されることが多
い。
接合に際して、セラミック部材の凸部外表面を金属部
材の凹部内表面にろう付けにより接合した接合部におい
て、セラミック部材の凸部外表面と金属部材の凹部内表
面との間に存在するろう材が前記凸部と接する面の全面
で化学的接合により強固に固着した構造の金属・セラミ
ックス接合体が知られている。
(発明が解決しようとする課題) 一般に、セラミック部材の凸部と金属部材の凹部とを
ろう付けにより接合する際、ろう材の凝固点から室温ま
で温度を下げるとき、金属部材やろう材の熱膨張率が大
きくセラミック部材の熱膨張率が小さいため、熱膨張率
の差により金属部材やろう材の方が収縮量が多くなる。
しかしながら、上述したようにセラミック部材の凸部と
ろう材とが接する面の全面で化学接合により強固に固着
している構造においては、降温時の金属部材やろう材の
収縮時にろう材とセラミック部材が強固に固着し、ろう
材とセラミック部材の接合界面でのすべりが不可能であ
るため、金属部材やろう材の収縮力がセラミック部材に
及び、セラミック部材中に無理な引張応力が発生する欠
点があった。また、凸部先端表面と凹部底面との関係、
さらには直径と接合長さの関係には充分な検討が加えら
れていなかった。
そのため、特に、セラミック部材中の接合端部には引
張の応力集中が増大し、この応力集中により接合体の曲
げやねじりに対する強度が低下し、信頼性も低下する欠
点があった。
本発明の目的は上述した課題を解消して、室温ならび
に高温のいずれにおいても接合強度が高く信頼性も高い
金属・セラミックス接合体を提供しようとするものであ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明の金属・セラミックス接合体の第1発明は、セ
ラミック部材に設けた凸部が金属部材に設けた凹部に挿
入されて、しかもろう付けにより一体的に接合されてい
る構造の金属・セラミックス接合体において、 前記セラミック部材の凸部先端表面と前記金属部材の
凹部底面との間にろうと非接合性物質からなる低弾性中
間体を介在させるとともに、前記セラミック部材の凸部
外表面と金属部材の凹部内表面との接合部のうち少なく
とも接合端部では、前記凸部とろう材とが化学的接合に
より強固に固着していないことを特徴とするものであ
る。
また、本発明の金属・セラミックス接合体の第2発明
は、セラミック部材に設けた凸部が金属部材に設けた凹
部に挿入されて、しかも前記凸部の外周面と前記凹部の
内周面とがろう付けにより一体的に接合されている構造
の金属・セラミックス接合体において、 前記セラミック部材の凸部先端表面と前記金属部材の
凹部底面との間に空間またはろうと非接合性物質からな
る低弾性中間体を介在させるとともに、この空間または
中間体の厚さGが以下の式を満たすよう構成したことを
特徴とするものである: ここで、L1:金属部材の凹部底面から接合端までの距離 α :金属部材の熱膨張率 α′:セラミック部材の熱膨張率 TS :ろうの凝固温度 TR :室温。
さらに、本発明の金属・セラミックス接合体の第3発
明は、セラミック部材に設けた凸部が金属部材に設けた
凹部に挿入されて、しかもろう付けにより一体的に接合
されている構造の金属・セラミックス接合体において、 前記セラミック部材の凸部先端表面と前記金属部材の
凹部底面との間にろうと非接合性物質からなる低弾性中
間体を介在させるとともに、前記金属部材の凹部とセラ
ミック部材の凸部との間の軸方向の接合長さL2、該凸部
の直径をDとしたときに、 の関係を満たすように接合することを特徴とするもので
ある。
(作用) 上述した第1発明の構成において、前記接合部のうち
少なくとも接合端部では、ろう材とセラミック部材の凸
部が化学的接合により強固に固着していないため、セラ
ミック部材中の接合端部に金属部材あるいはろう材とセ
ラミック部材との間の熱膨張差による引張の応力集中が
低減され、接合体の曲げやねじりに対する強度が増大し
て信頼性も高くなる。また、ろう材のような柔らかい金
属がセラミック部材の凸部と金属部材の凹部の間に介在
するため、緩衝材の効果も得られる。さらに、セラミッ
ク部材と金属部材との化学的接合がおこなわれている接
合界面より外側にもろう材が介在するため、腐食性のガ
スが化学的接合がおこなわれている接合界面に浸入する
ことを防ぐことができる。
さらに、前記接合部のろう材がセラミック部材の凸部
外周面全面と化学的接合により強固に固着していない接
合体は、後述の実施例で示すように曲げ強度が最も高い
ため、ターボチャージャロータのような曲げ荷重がかか
る部品には好適に適用できる。
しかし、ろう材が前記凸部外周面全面と化学接合によ
り強固に固着していない接合体は、接合部全体の温度が
ターボチャージャロータの接合部よりもより高温、例え
ば600℃となると、セラミック部材と金属部材との熱膨
張差による焼ばね効果が減少するため、接合強度が低下
する心配がある。
ここで、ろう材とセラミック部材とが化学的接合によ
り強固に固着していないとは、ろう材がセラミック部材
と互いに接触して存在しているだけのことであり、ろう
材とセラミック部材とが接触界面で強固な化学的接合を
せず、ろう材がセラミック部材を機械的に締め付ける接
合をしている状態を意味している。また、接合端部と
は、前記凹部開口部付近でセラミック部材とろう材とが
接合した接合部の端部を意味している。
上述の接合部のうち接合端部でろう材とセラミック部
材とが化学的接合により強固に固着しないようにするた
めには、後述の活性金属ろうを用いてろう付けを行なう
場合は、ろうと接合性を持たない物質からなる薄い層を
セラミック部材に設けた凸部外表面の接合端部に対応す
る位置に形成することにより、また活性金属を含有しな
いろうを用いてろう付けを行なう場合は、セラミック部
材に設けた凸部外表面の接合予定位置のうちの接合端部
に対応する位置以外にはメタライズ層を形成し、接合端
部に対応する位置にはメタライズ層を形成しないことに
より、達成することができる。また、金属部材の凹部に
はNiメッキを施すことにより、該凹部とろうとの漏れが
良くなるためより好ましい。
なお、金属部材とセラミック部材との接合をセラミッ
ク部材の凸部外周面と金属部材の凹部内周面との間に限
定するとともに、セラミッ部材の凸部先端と金属部材凹
部底面との間にろうと非接合性物質からなる低弾性中間
体または該物質からなる膜を介在させてセラミック部材
の凸部先端表面と金属部材の凹部底面との接合あるいは
接触を妨げると、セラミック部材の凸部先端および接合
端部での残留応力による応力集中が緩和され、曲げやね
じりに対し破壊しにくく、信頼性が高い金属・セラミッ
クス接合体を得ることができる。
また、上記凸部外周面と金属部材凹部内周面との接触
部のみでろう付けすると、接合端に発生する残留応力を
緩和でき、さらに接合端部以外の接合部ではろうとセラ
ミック部材ならびに金属部材が化学的接合により強固に
固着し、両部材の間に強固な接合部が形成されるために
室温から高温までの接合強度が強くなるばかりでなく、
接合温度からの冷却に際して焼嵌め効果が付加されるの
で、安定して高強度が得られ好ましい。
接合部の上記位置への限定は、ろうと接合を持たない
物質からなる中間体を金属部材に設けた凹部底面とセラ
ミック部材に設けた凸部先端表面との間に配置すること
で行う。
ここで、凸部外周面とは凸部の外側側面のことであ
り、凸部先端表面を含まないが、凸部外表面とは凸部の
外側表面全体のことであり、凸部先端表面を含む。同様
に、凹部内周面とは凹部の内側側面のことであり、凹部
底面を含まないが、凹部内表面とは凹部の内側表面全体
のことであり、凹部底面を含む。
上述した第2発明の構成において、使用する金属、セ
ラミックス、ろうの各材料により決定される厚さGの空
間またはろうと非接合性物質からなる低弾性中間体を設
けることにより、セラミック部材と金属部材との間の熱
膨張差によるセラミック部材の凸部先端表面と金属部材
の凹部底面との相互干渉を防止するとともに、セラミッ
ク部材と金属部材との接合界面における接合端部での残
留応力による応力集中が低減され、その結果曲げねじり
に対して十分な強度を有し、信頼性の高い接合体を得る
ことができる。厚さGが(α−α′)×(TS−TR)×L1
以上であればよいのは、ろう付け時の冷却期間中で考え
得る金属部材とセラミック部材との熱膨張差による収縮
量の差以上の空間または中間体を設ければ、少なくとも
金属部材の凹部底面とセラミック部材の凸部先端表面と
が直接接触し相互干渉しないためである。
なお、該空間や該中間体の厚さGはろう付け時のろう
の凝固点温度において設けられる厚さであればよい。ま
た、該厚さの管理が難しいため、該厚さGはろう付けし
冷却後において設けられた厚さであるほうがより好まし
い。さらに、該中間体の厚さGとしては、接合前の室温
における厚さであってもよい。この場合は、量産化する
に際し、該厚さが管理することにより、容易に接合強度
が大きく、信頼性の高い接合体を得ることができる。
接合部として、ろう付けをセラミック部材に設けた凹
部の外周面と金属部材に設けた凹部の内周面との間で行
なうとともに、前記凸部先端表面と前記凹部底面との間
に空間またはろうと非接合部材からなる中間体を介在さ
せる方法としては、ろうと接合性を持たない物質からな
る薄い膜を前記凸部先端表面に形成させることや、該物
質からなる中間体を前記凹部底面と前記凸部先端表面と
の間に配置すること、およびそれらを組合せて行う。
上述した第3発明の構成において、セラミック部材の
凸部先端表面と金属部材の凹部底面との間にろうと非接
合性物質からなる低弾性中間体を介在させるとともに、
金属部材凸部直径であるDにより最適な接合長さL2を選
択することにより、セラミック部材と金属部材との熱膨
張差に起因する接合部の接合端部に発生する応力集中を
低減することができ、その結果、接合体の曲げやねじり
に対する強度が向上して信頼性も向上する。ここで、L2
/Dの値が0.2以上で0.39以下と限定したのは、後述する
実施例から明らかなように、L2/Dの値が0.39よりも大き
いと破壊曲げ荷重が低下して所望の強度を達成できない
ためである。また、L2/Dの値が0.2未満であるとろう付
け面積が減少し、接合強度が低下するため、引張強度が
低下するとともに、セラミック部材の凸部が金属部材の
凹部とのろう付け部より容易に離脱するためである。
ただし、接合長さL2とは金属部材の凹部内周面とセラ
ミック部材の凸部外周面との間でろう材により接合され
た長さである。
なお、金属部材とセラミック部材との接合をセラミッ
ク部材の凸部外周面と金属部材の凹部内周面との間に限
定するとともに、セラミック部材の凸部先端と金属部材
凹部底面との間にろうと非接合性物質からなる低弾性中
間体を介在させてセラミック部材の凸部先端表面と金属
部材の凹部底面との接合あるいは接触を妨げると、セラ
ミック部材の凸部先端および接合端部での残留応力によ
る応力集中が緩和され、曲げやねじりに対し破壊しにく
く、信頼性が高い金属・セラミックス接合体を得ること
ができる。
また、上記凸部外周面と金属部材凹部内周面との接触
部のみでろう付けすると、接合端部に発生する残留応力
を緩和でき、さらにろうとセラミック部材ならびに金属
部材が反応し、両部材の間に強固な接合部が形成される
ために室温から高温までの接合強度が強くなるばかりで
なく、接合温度からの冷却に際して焼嵌め効果が付加さ
れるので、安定して高強度が得られ好ましい。
接合部の上記位置への限定は、ろうと接合性を持たな
い物質からなる薄い膜をセラミック部材に設けた凸部先
端表面へ形成させることや、該物質からなる中間体また
は空間を金属部材に設けた凹部底面とセラミック部材に
設けた凸部先端表面との間に配置すること、およびそれ
らを組合せて行う。
ろうと接合性を持たない物質の一例としては、黒鉛が
ある。前記凸部先端表面への黒鉛膜の形成は、黒鉛粒子
懸濁液を刷毛またはスプレーによる塗布、あるいは浸漬
などで容易に行うことができる。また、前記中間体とし
ては、例えば黒鉛繊維からなるスライバー、フェルト、
ウエブ、ウエブ焼結体、織布のような低弾性体を単独で
または組合わせて使用すると好ましい。
さらに、前記中間体を前記凸部先端表面と前記凹部底
面との間に介在させると、接合部位の限定を容易にしか
も確実に行なえるので、接合後にセラミック部材の接合
端に生じる残留応力の低減と管理が可能となり、接合強
度の増大とばらつきの減少が達成される。
低弾性体からなる中間体の介在は、ろうと前記凹部底
面との接合を阻止する効果だけでなく、接合温度からの
冷却に際しセラミック部材と金属部材との収縮量の差に
より生じる前記凸部先端と前記凹部底面の相互干渉を防
止し、接合部に過大な残留応力が発生することを阻止す
る効果と、溶融したろうを凸部外周面と凹部内周面の間
に隙間に効率良く浸透させる効果も有している。
セラミック部材と金属部材とのろう付けによる接合を
行なうために使用するろう材は、セラミック部材と化学
的接合が可能な活性金属元素を含有する活性金属ろうで
あると好ましい。
該ろうとしては、活性金属元素を含む合金ろうであっ
てもよいし、金属基材の上に活性金属元素を被覆した構
造のろう材でもよい。ろう材に対する活性金属の添加量
の調整、取り扱いの容易さあるいは製造の容易さを考慮
すると、金属基材の上に活性金属元素を被覆した構造の
ろう材の使用が好ましく、金属基材の上に活性金属元素
を蒸着した構造のろう材の使用がより好ましい。このよ
うな活性金属元素としては、被接合セラミック部材が少
なくとも窒化物および/または炭化物を含むセラミック
スの場合には、Zr,Ti,Ta,Hf,V,Cr,La,Sc,YおよびMoから
なる群から選ばれた少なくとも一種の金属元素が好まし
く、被接合セラミック部材が酸化物セラミックスの場合
には、Be,ZrおよびTiからなる群から選ばれる少なくと
も一種の金属元素が好ましい。
上記活性金属ろうは、セラミックスとの濡れ性が良い
ので、セラミック部材に対してメタライズ処理のような
特別な前処理をする必要はない。また、金属部材に対し
てはNiメッキをすればろうに対しての濡れが良くなる。
従って、該ろうを使用すれば所定の接合位置へ毛細管現
象を利用して溶融ろうを浸透させることができるので、
接合予定位置にろう材を配置せずとも被接合部に形成す
る隙間の管理を行うだけで、気泡やひけなどの欠陥の少
ないろう付けを行うことができる。
活性金属を含有しないろうで例えば、上述の第1発明
の接合体のろう付けを行う場合は、セラミック部材の凸
部外表面の接合予定位置のうち接合端子と対応する以外
の位置にメタライズ層を設けて該メタライズ層にNiメッ
キを施し、より好ましくは金属部材の凹部内表面の少な
くとも接合予定位置にNiメッキを施すことにより、上述
の活性金属を含むろうの場合と同様の効果が得られる。
この場合、メタライズ層を設けていない凸部の接合端部
の対応位置では、存在するろう材と凸部とが化学的接合
により強固に固着していない。同様に凸部先端表面にメ
タライズ層を設けないと、ろうとセラミックが反応しな
いので接合されず、凸部先端表面と凹部底面との間に空
間が形成される。さらに、金属部材の凹部内表面の接合
予定位置にNiメッキを施すことにより、該凹部内表面と
ろうとの濡れが良くなるので、より好ましい。
さらにまた、セラミック部材の凸部該表面と金属部材
の凹部内表面の接合予定位置のうち接合端部と対応する
以外の位置に、活性金属の箔を配置し、凸部外表面の接
合端部と対応する位置に黒鉛等のろうと非接合物質から
なる薄い層を形成し、金属部材の凹部底面には、活性金
属を含まないろう材を配置してろう付けを行うことによ
り、活性金属ろうを使用したと同様の効果を得ることも
出来る。
本発明の金属・セラミックス接合体を形成するセラミ
ック材料としてはいずれの材料でもよいが、実用性を考
慮すると、窒化珪素、炭化珪素、サイアロン、ジルコニ
ア、アルミナ、ムライト、チタン酸アルミニウムおよび
コージェライトよりなる群から選ばれた少なくとも一種
のセラミック材料とするのが好ましい。これらのセラミ
ック材料のいずれを使用するかは、本発明の金属・セラ
ミックス接合体の使用目的と接合すべき金属材料やろう
の種類に応じて決定すればよい。
さらにまた、第1発明、第2発明および第3発明のう
ちのいずれかの発明を組み合わせればセラミック部材の
凸部の接合端部に発生する応力集中をさらに低減でき、
より接合部の強度が強く、信頼性の高い金属・セラミッ
クス接合体を得ることができる。
(実施例) 第1図(a)〜(c)はそれぞれ本発明の第1発明であ
る金属・セラミックス接合体の参考例(a),(b)お
よび本発明例(c)を示す部分断面図である。各例にお
いて、セラミック部材1の凸部2と金属部材3の凹部4
とをろう5を使用してろう付けにより接合するととも
に、接合端6から所定距離lだけろう5がセラミック部
材1の凸部2と化学的接合により強固に固着しないよう
構成している。以後、この所定距離lを化学的非接合距
離と呼ぶ。セラミック部材1の凸部2とろう5とが化学
的接合による強固な固着をしないようにするためには、
例えば化学的接合により強固に固着させない部分のセラ
ミック部材1の凸部2に黒鉛等のろうと非接合物質を塗
り通常のろう付け操作を実施することにより達成でき
る。
第1図(a)に示した参考例では、接合予定位置の金
属部材3の凹部4の内表面全面にNiメッキを施すととも
に、セラミック部材1の凸部2の接合予定位置の接合端
6から化学的非接合距離lの部分にろうと非接合物質で
ある黒鉛を施した後、活性金属ろう5を使用して接合す
ることにより、凹部4の内表面とセラミック部材1の凸
部2の外表面との間の接合予定位置の接触面を全面ろう
付けし、接合端6より化学的非接合距離lの部分におけ
る凸部2と活性金属ろう5とは化学的接合により強固に
固着していない構造の金属・セラミックス接合体を示し
ている。なお、通常の活性金属元素を含有しないAgろう
を使用するときは、上述した凹部4の内表面全面へのNi
メッキ後、化学的非接合距離lの部分を除く接合予定位
置の凸部2の外表面全面にメタライズ層を設け、該メタ
ライズ層にNiメッキを施すことにより、同様な接合を達
成することができる。
第1図(b)に示す参考例では、接合予定位置の凹部
4の少なくとも内表面にNiメッキを施し、化学的非接合
距離lの部分および凸部2の先端表面には黒鉛を塗布し
た後、活性金属ろう5を使用して凸部2の外周面と凹部
4の内周面との間でろう付けにより接合するとともに、
接合端6より化学的非接合距離lの部分における凸部2
と活性金属ろう5とは化学的接合により強固に固着せ
ず、凹部4の底面と凸部2の先端表面との間に空間7を
設けた構造を示している。
第1図(c)に示す実施例では、接合予定位置の凹部
4の少なくとも内周面にNiメッキを施し、化学的非接合
距離lの部分と凸部2の先端表面に黒鉛を塗布するとと
もに、凹部4の底面であって凸部2の先端表面と接触す
る位置にろうと非接合物質からなる低弾性中間体である
黒鉛フェルト8と該黒鉛フェルト上に活性金属ろうとを
設け、凸部2を凹部4内に挿入して接合用組立体を形成
した後、該接合用組立体を真空中で加熱し、該ろうを溶
融させ、さらに毛細管現象を利用して、溶融ろうを接合
予定位置へ浸透させ、凸部2の外周面と凹部4の内周面
との間でろう付けにより接合するとともに、接合端6よ
り化学的非接合距離lの部分における凸部2と活性金属
ろう5とは化学的接合により強固に固着せず、凹部4の
底面と凸部2の先端表面との間に中間体が存在し、凹部
4の底面と凸部2の先端表面とが接合あるいは直接接触
していない構造を示している。
上述した第1図(b),(c)に示すように、凹部4
の底面と凸部2の先端表面とが空間7または黒鉛フェル
ト8により直接接触しない構造あるいは接合していない
構造においては、凹部4の底面と凸部2の先端表面とが
接触している場合や接合されている場合に生じる凸部2
の先端や接合端6の近傍での応力集中を防止できるため
好ましい。
第2図(a),(b)はそれぞれ本発明の第2発明で
ある金属・セラミックス接合体の一例を示す部分断面図
である。各実施例においては、セラミック部材11の凸部
12と金属部材13の凹部14とは前記凸部12の外周面と前記
凹部14の内周面との間の該凹部14の底面から接合端18ま
での距離Lで底部に空間または中間体を厚さGとなるよ
うろう付けにより接合した例を示している。
第2図(a)に示す実施例では、接合予定位置の凹部
14の少なくとも内周面にNiメッキを施し、凸部12の先端
表面には黒鉛を塗布した後、活性金属ろう15を使用して
凸部12の外周面と凹部14の内周面との間の凹部14の底面
から接合端18までの距離がL1となるよう接合するととも
に、凹部14の底面と凸部12の先端表面との間に厚さGの
空間16を設けた構造を示している。なお、通常の活性金
属元素を含有しないAgろうを使用するときは、上述した
凹部14の少なくとも内周面へのNiメッキ後、接合予定位
置の凸部12の外周面にメタライズ層を設け、該メタライ
ズ層にNiメッキを施すことにより、同様な接合を達成す
ることができる。
第2図(b)に示す実施例では、接合予定位置の凹部
14の少なくとも内周面にNiメッキを施し、凹部14の底面
の上に厚さGのろうと非接合性物質からなる低弾性中間
体である黒鉛フェルト17と、該黒鉛フェルトの上に活性
金属ろうとを配置し、凸部12の先端表面に黒鉛を塗布し
た後、凸部12を凹部14内に挿入して接合用組立体を形成
するとともに、該接合用組立体を真空中で加熱し、該ろ
うを溶融させ、さらに毛細管現象を利用して、溶融ろう
を接合予定位置へ浸透させ、凸部12の外周面と凹部14の
内周面との間の凹部14の底面から接合端18までの距離が
L1となるようろう付けにより接合し、凹部14の底面と凸
部12の先端表面との間に中間体が存在し、凹部14の底面
と凸部12の先端表面とが接合あるいは直接接触していな
い構造を示している。
本発明では、第2図(a),(b)に示す実施例にお
いて、セラミック部材および金属部材の熱膨張率をα′
およびαとするとともに、活性金属ろうまたはろう5の
凝固温度をTS、室温をTRとした場合に、空間または中間
体の厚さGをG/L1>(α−α′)×(TS−TR)を満たす
値となるよう設計すれば、良好な接合体を得ることがで
きる。
第3図(a)〜(c)はそれぞれ本発明の第3発明に
おける金属・セラミックス接合体の参考例(a),
(b)および本発明例(c)を示す部分断面図である。
各例において、セラミック部材21の凸部22と金属部材23
の凹部24とをろう25を使用してろう付けにより接合する
とともに、凸部22と凹部24との間の軸方向の接合長さを
L2、凸部の直径をDとしたときに、0.2≦L2/D≦0.39の
条件を満たすように設けた例を示している。
第3図(a)に示した参考例では、接合予定位置の金
属部材23の凹部24の内表面全面にNiメッキを施した後、
活性金属ろう25を使用して接合することにより、凹部24
の内周面とセラミック部材21の凸部22の外表面の接触面
とを実質的に全面ろう付けした構造を示している。な
お、通常の活性金属元素を含有しないAgろうを使用する
ときは、上述した凹部24の内表面全面へのNiメッキ後、
接合予定位置の凸部22の外表面全面にメタライズ層を設
け、該メタライズ層のNiメッキを施すことにより、同様
な接合を達成することができる。
第3図(b)に示す参考例では、接合予定位置の凹部
23の少なくとも内周面にNiメッキを施し、凸部22の先端
表面には黒鉛を塗布した後、活性金属ろう25を使用して
凸部12の外周面と凹部4の内周面との間でろう付けによ
り接合するとともに、凹部24の底面と凸部22の先端表面
との間に、空間26を設けた構造を示している。
第3図(c)に示す実施例では、接合予定位置の凹部
24の少なくとも内周面にNiメッキを施し、凸部22の先端
表面に黒鉛を塗布し、凹部24の底面であって凸部22の先
端表面に接触する位置にろうと非接合性物質からなる低
弾性中間体である黒鉛フェルト27と該黒鉛フェルト上に
活性金属ろうとを設け、凸部22を凹部24内に挿入して接
合用組立体を形成した後、該接合用組立体を真空中で加
熱し、該ろうを溶融させ、さらに毛細管現象を利用し
て、溶融ろうを接合予定位置へ浸透させ、凸部22の外周
面と凹部24の内周面との間に中間体が存在し、凹部24の
底面と凸部22の先端表面とが接合あるいは直接接触して
いない構造を示している。
上述した第3図(b),(c)に示すように、凹部24
の底面と凸部22の先端表面とが空間26または黒鉛フェル
ト27により直接接触しない構造あるいは接合していない
構造においては、凹部24の底面と凸部22の先端表面とが
接触している場合や接合されている場合に生じる凸部22
の先端や接合端28の近傍での応力集中を防止できるため
好ましい。
以下、実際の例について説明する。
実施例1(第1発明) 直径:18mmの溶体化処理済インコロイ903丸棒の一端に
内径:11.05mm、深さ8mmの凹部4と直径12mmの細軸部を
設けた金属部材3と、常圧焼結法による窒化珪素焼結体
の一端に直径:11.0mm、長さ:10mmの凸部2を設けたセラ
ミック部材1を作製した。
なお、上記凹部4の底部隅部にはC0.2の面取りがまた
開放端隅部にはテーパー加工がそれぞれ施してある。同
じく、上記凸部2の先端エッジ部はC0.5のテーパー加工
が、根本部にはR2の曲面加工がそれぞれ施してある。
これらの金属部材とセラミック部材について、上述し
た第1図(a)〜(c)に示す方法で厚さ0.1mmの銀ろ
う板の表面上に厚さ2μmのTiを蒸着した活性金属ろう
を使用して、接合端6と凹部底面との距離を5mmに固定
した状態で化学的非接合距離lを種々変えて本発明およ
び比較例の金属・セラミックス接合体を得た。このと
き、第1図におけるNiメッキの厚さは10μmであり、第
1図(c)に示す例では、厚さ:0.4mmの黒鉛フェルトを
ろうと非接合性物質からなる低弾性中間体として使用し
た。
準備した本発明および比較例の接合体に対し、第4図
に示す曲げ試験装置により金属部材3を固定してセラミ
ック部材1に荷重を付加することにより、セラミック部
材1の凸部2が接合端部近傍より破壊するときの曲げ荷
重を測定して、破壊曲げ荷重とした。なお、第4図にお
いて、l1=40mm、l2=5mmとした。結果を第1表および
第5図に示す。
第1表および第5図から、第1図(a)に示す全面ろ
う付け構造の参考例の場合比較例の化学的非接合距離l
が0すなわち側面全面がろう付けされ、接合端部も含め
凸部2の外表面全面が化学的接合により強固に固着して
いるものと比べて、少なくとも接合端部が化学的接合に
より強固に固着していないすなわちlが0以外の本発明
品の方が高い破壊曲げ荷重を示すことがわかった。ま
た、化学的非接合距離lは凸部外周面と凹部内周面との
間の接触面における接合距離がほぼ5mmの場合0.5mm以上
好ましくは1.0mm以上であるとより高い破壊曲げ荷重を
示し、側面全面が化学的接合により強固に固着していな
い側面全面化学的非接合のものが最高の破壊曲げ荷重を
示した。
また、第1図(a)に示す全面ろう付け構造の接合体
よりも、第1図(b)に示す凹部底面と凸部先端表面と
の間に空間を設けた接合体の方が、さらには第1図
(c)に示す中間体としての黒鉛フェルトを設けた接合
体の方が、高い破壊曲げ荷重を示すことがわかった。
実施例2(第2発明) 直径:18mmの溶体化処理済インコロイ903丸棒の一端に
内径:11.05mm、深さ8mmの凹部14と直径12mmの細軸部を
設けた金属部材13と、常圧焼結法による窒化珪素焼結体
の一端に直径:11.0mm、長さ:10mmの凸部12を設けたセラ
ミック部材11を作製した。
なお、上記凹部14の底部隅部にはC0.2の面取りが、ま
た開放端隅部にはテーパー加工がそれぞれ施してある。
同じく、上記凸部12の先端エッジ部はC0.5のテーパー加
工が、根本部にはR2の曲面加工がそれぞれ施してある。
これらの金属部材とセラミック部材について、上述し
た第2図(a),(b)に示す方法で厚さ0.1mmの銀ろ
う板の表面上に厚さ2μmのTiを蒸着した活性金属ろう
を使用して、空間および黒鉛フェルト等の中間体の厚さ
Gを種々変えて本発明の金属・セラミック接合体を得
た。このとき、第2図(a),(b)におけるNiメッキ
の厚さは10μm、第2図(b)における黒鉛フェルト17
の厚さは0.4mmであった。なお、金属部材の熱膨張率α:
13.0×10-61/℃、セラミック部材の熱膨張率α′:3.5×
10-61/℃、ろうの凝固温度TS:780℃、室温TR:20℃であ
り、この場合の(α−α′)×(TS−TR)の値は7.2×1
0-3であった。
一方、同様の形状で凹部14の低面と凸部12の先端表面
との間に空間および中間体を設けずに凹部14の内表面と
凸部12の外表面との接触面とを実質的に全面ろう付けし
た第6図にその部分断面を示す比較例の接合体を準備し
た。
準備した本発明および比較例の接合体に対し、室温中
で第4図に示す曲げ試験装置により金属部材13を固定し
てセラミック部材11に荷重を付加することにより、セラ
ミック部材11の凸部12が接合端部より破壊するときの曲
げ荷重を測定して、破壊曲げ荷重とした。なお、第4図
において、l1=40mm、l2=5mmとした。結果を第2表お
よび第7図に示す。なお、第2図(a)に示す空間Gは
試験後切り開いて実体顕微鏡により観察して測定した値
を、また第2図(b)に示す中間体の厚さGは接合前の
中間体の厚さより測定した。
第2表および第7図から、所定の空間又は中間体を設
けた本発明の接合体は、それらを設けない比較例の接合
体と比較して高い破壊曲げ荷重を示すことがわかった。
また、G/L1は(α−α′)×(TS−TR)の値である7.2
×10-3を越えると破壊曲げ荷重が十分に高くなることが
わかり、G/L1>10×10-3がより好ましく、G//L1>20×1
0-3がさらに好ましいことがわかる。
実施例3(第2発明) 高温における接合強度を調べるため、実施例2と同様
の接合体に対して、試験温度450℃において通常の引張
試験を実施した。結果を第3表に示す。
第3表の結果から、G/L1の値が大きくなると高温にお
ける接合強度が低下することがわかり、G/L1≦0.4が好
ましくさらにG/L1≦0.3が好ましい。これはろう付けに
よる接合面積が小さくなるからである。
実施例2および実施例3の結果より、空間または黒鉛
フェルト等の中間値の厚さGは凸部先端表面と凹部底面
が熱膨張差により相互干渉しない値であればよいことが
わかる。
実施例4(第2発明) タービン翼車と軸部を常圧焼結法による窒化珪素で一
体的に形成したタービンロータの軸部先端に直径12.0m
m、長さ7.5mmの凸部を設けてセラミック部材とした。ま
た、直径21mmのインコロイ903の丸棒の一端に、直径12m
mの合金鋼(例えばJIS-SNCM439)の丸棒を摩擦圧接した
棒材を準備した。次いで、該棒材をターボチャージャロ
ータの構成に必要な外径に機械加工するとともに、イン
コロイ903側の端部に直径12.05mm、深さ7.0mmの凹部を
設けて金属部材とした。該凹部の内周面にNiメッキを施
したのち、実施例2に記載の方法と同一の方法で接合
し、接合部が第2図(a)に示すような空間を有するも
のと第2図(b)に示すような黒鉛フェルトを有する本
発明のターボチャージャロータ用接合体を作製した。な
お、空間および黒鉛フェルトの厚さGはG/L1=20×10-3
とした。
また、これらの接合体に対し所定の工程に従って仕上
げ加工を行い、ターボチャージャ用タービンロータを作
製した。
一方、同様の形状で凹部底面と凸部先端表面との間に
空間および中間体を設けずに凹部の内表面と凸部の外表
面との接触面とを全面ろう付けしたターボチャージャ用
タービンロータを作製し比較例とした。
本発明および比較例のターボチャージャ用タービンロ
ータを高温回転試験装置に組み込み回転試験を実施し
た。
その結果、本発明のタービンロータは両者とも200,00
0rpm、800℃において異常なく回転して破壊しなかった
が、比較例のタービンロータは回転を200,000rpmに上げ
る途中で破壊した。
実施例5(第3発明) 直径:18mmの溶体化処理済インコロイ903丸棒の一端に
内径:11.05mm、深さ8mmの凹部24と直径12mmの細軸部を
設けた金属部材23と、常圧焼結法による窒化珪素焼結体
の一端に直径:11.0mm、長さ:10mmの凸部22を設けたセラ
ミック部材21を作製した。
なお、上記凹部24の底部隅部にはC0.2の面取りが、ま
た開放端隅部にはテーパー加工がそれぞれ施してある。
同じく、上記凸部22の先端エッジ部はC0.5のテーパー加
工が、根本部にはR2の曲面加工がそれぞれ施してある。
これらの金属部材とセラミック部材について、上述し
た第3図(a)〜(c)に示す方法で厚さ0.1mmの銀ろ
う板の表面上に厚さ2μmのTiを蒸着した活性金属ろう
を使用して、それぞれに対してL2/Dを種々変えて本発明
およい比較例の金属・セラミック接合体を得た。このと
き、第3図におけるNiメッキの厚さは10μmであり、第
3図(c)に示す例では、厚さ:0.4mmの黒鉛フェルト27
をろうと非接合性物質からなる低弾性中間体として使用
した。
準備した本発明および比較例の接合体に対し、第4図
に示す曲げ試験装置により金属部材23を固定してセラミ
ック部材21に荷重を付加することにより、セラミック部
材21の凸部22が接合端部より破壊するときの曲げ荷重を
測定して、破壊曲げ荷重とした。なお、第4図におい
て、l1=40mm、l2=5mmとした。結果を第4表および第
8図に示す。
第4表および第8図から、L2/Dの値が0.2以上で0.39
以下であれば70kg以上の破壊曲げ荷重を得られることが
わかった。なお、L2/Dの値が0.25以上で0.35以下である
とさらに好ましい。
また、第3図(a)に示す全面ろう付け構造の接合体
よりも、第3図(b)に示す凹部底面と凸部先端表面と
の間に空間を設けた接合体の方が、さらには第3図
(c)に示すろうと非接合性物質からなる低弾性中間体
としての黒鉛フェルトを設けた接合体の方が、高い破壊
曲げ荷重を示すことがわかった。
(発明の効果) 以上詳細に説明したところから明らかなように、本発
明の第1発明〜第3発明の金属・セラミックス接合体に
よれば、接合部の接合状態、セラミック部材の凸部先端
表面と金属部材の凹部底面との間の空間または中間体の
状態、凸部直径と接合長さとの状態を限定することによ
り、セラック部材と金属部材あるいはセラミック部材と
ろう材との間の熱膨張差に起因する接合端部に働く残留
応力による応力集中が低減できることなどにより曲げや
ねじりに対し破壊しにくく信頼性が高い金属・セラミッ
クス接合体を得ることができる。
また、本発明の金属・セラミックス接合体で、タービ
ン翼車およびタービン軸の一部が窒化珪素セラミック
ス、その他の部分が高強度を有する金属からなるターボ
チャージャロータを構成すれば、残留応力の低減、ろう
材の緩衝作用、接合界面への高温の排気ガス等の腐食性
ガスの侵入が防止でき、耐久性にすぐれ、さらに応答性
にすぐれた高効率のターボチャージャロータを得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(c)、第2図(a),(b)および第
3図(a)〜(c)はそれぞれ本発明例および参考例の
金属・セラミックス接合体の一例を示す部分断面図、 第4図は試験に使用した曲げ試験装置を示す図 第5図は本発明の第1発明における曲げ荷重試験の結果
を示すグラフ、 第6図は比較例の金属・セラミックス接合体を示す部分
断面図、 第7図および第8図はそれぞれ本発明の第2発明および
第3発明における曲げ荷重試験の結果を示すグラフであ
る。 1,11,21……セラミック部材 2,12,22……凸部 3,13,23……金属部材 4,14,24……凹部 5,15,25……ろうあるいは活性金属ろう 6,18,28……接合端 7,16,26……空間 8,17,27……黒鉛フェルト

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック部材に設けた凸部が金属部材に
    設けた凹部に挿入されて、しかもろう付けにより一体的
    に接合されている構造の金属・セラミックス接合体にお
    いて、 前記セラミック部材の凸部先端表面と前記金属部材の凹
    部底面との間にろうと非接合性物質からなる低弾性中間
    体を介在させるとともに、前記セラミック部材の凸部外
    表面と金属部材の凹部内表面との接合部のうち少なくと
    も接合端部では、前記凸部とろう材とが化学的接合によ
    り強固に固着していないことを特徴とする金属・セラミ
    ックス接合体。
  2. 【請求項2】セラミック部材に設けた凸部が金属部材に
    設けた凹部に挿入されて、しかも前記凸部の外周面と前
    記凹部の内周面とがろう付けにより一体的に接合されて
    いる構造の金属・セラミックス接合体において、 前記セラミック部材の凸部先端表面と前記金属部材の凹
    部底面との間に空間またはろうと非接合性物質からなる
    低弾性中間体を介在させるとともに、この空間または中
    間体の厚さGが以下の式を満たすよう構成したことを特
    徴とする金属・セラミックス接合体; ここで、L1:金属部材の凹部底面から接合端までの距離 α :金属部材の熱膨張率 α′:セラミック部材の熱膨張率 TS :ろうの凝固温度 TR :室温。
  3. 【請求項3】セラミック部材に設けた凸部が金属部材に
    設けた凹部に挿入されて、しかもろう付けにより一体的
    に接合されている構造の金属・セラミックス接合体にお
    いて、 前記セラミック部材の凸部先端表面と前記金属部材の凹
    部底面との間にろうと非接合性物質からなる低弾性中間
    体を介在させるとともに、前記金属部材の凹部とセラミ
    ック部材の凸部との間の軸方向の接合長さL2、該凸部の
    直径をDとしたときに、 の関係を満たすように接合することを特徴とする金属・
    セラミックス接合体。
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