JP2572800B2 - 金属・セラミックス接合体 - Google Patents

金属・セラミックス接合体

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JP2572800B2 JP63044211A JP4421188A JP2572800B2 JP 2572800 B2 JP2572800 B2 JP 2572800B2 JP 63044211 A JP63044211 A JP 63044211A JP 4421188 A JP4421188 A JP 4421188A JP 2572800 B2 JP2572800 B2 JP 2572800B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はセラミック部材と金属部材とを一体的に接合
してなる金属・セラミックス接合体に関するものであ
る。
(従来の技術) ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素等のセラミックス
は、機械的強度、耐熱性、耐摩耗性にすぐれているた
め、ガスタービンエンジン部品、エンジン部品等の高温
構造材料あるいは耐摩耗材料として実用化が図られてい
る。しかし、セラミックスは一般に硬くて脆いため、金
属材料に比較して成形加工性が劣る。また、靭性が乏し
いため、衝撃力に対する抵抗が弱い。このため、セラミ
ック材料のみでエンジン部品のような機械部品を形成す
ることは難しく、一般には金属部材とセラミック部材を
接合した複合構造体としての形で使用されることが多
い。
接合に際して、セラミック部材の凸部を金属部材の凹
部に焼きばめまたはろう付等の方法により接合し、接合
体とするのが一般的である。このとき、セラミック部材
の凸部外表面と金属部材の凹部内表面の接合端部に応力
集中が生じやすく、接合体の曲げやねじりに対する強度
が低下し、セラミック部材が破壊するおそれが大きかっ
た。
この接合体端部への応力集中を防止するため、セラミ
ック部材に凸部を設けるとともに金属部材に凹部を設け
て、該凸部と該凹部を接合した金属・セラミックス接合
体において、接合を焼きばめの機械的接合により行い、
該凸部の外周部に溝部を設け、該溝部の端が接合端部に
なるように該凹部を位置させた形状が、特開昭59-15940
8号公報において開示されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述したように機械的接合により本構
造を実施しても、なおセラミック部材の凸部の実質的全
周にわたって設けた溝部の端と金属部材の凹部とが当接
し、その位置で過大な応力集中が生じ、接合体の曲げや
ねじりに対する強度が低下し、セラミック部材が破壊し
やすい欠点があった。
なお、該溝部の端がエッジ部であっても、丸め部であ
っても程度の差はあるが応力集中が生じるため、このた
めに接合体の曲げやねじりに対する強度が低下し、セラ
ミック部材が破壊しやすい欠点は同様である。さらに、
接合体が燃焼ガス等の雰囲気下で用いられた場合、接合
端部が燃焼ガス等にさらされ、接合体の耐久性が低下し
やすい欠点があった。
本発明は上述した課題を解消して、製造が容易でしか
も接合部の接合強度の高い金属・セラミックス接合体を
提供しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の金属・セラミックス接合体は、セラミック部
材に設けた凸部が金属部材に設けた凹部に挿入されて一
体的に接合されている構造の金属・セラミックス接合体
において、前記セラミック部材の凸部先端表面と前記金
属部材の凹部底面との間にろう材と非接合性物質からな
る低弾性中間体を介在させるとともに、前記金属部材の
凹部の内径が凹部開口部で大きくなるように段部を設
け、接合時に前記段部とセラミック部材の凸部との間の
隙間に少なくともろう材を介在させることを特徴とする
ものである。
また、本発明の金属・セラミックス接合体は、セラミ
ック部材に設けた凸部が金属部材に設けた凹部に挿入さ
れて一体的に接合されている構造の金属・セラミックス
接合体において、前記セラミック部材の凸部先端表面と
前記金属部材の凹部底面との間にろう材と非接合性物質
からなる低弾性中間体を介在させるとともに、前記セラ
ミック部材の凸部接合端近傍の実質的全周にわたって溝
部を設け、少なくとも該溝部の端と前記金属部材の凹部
との間にろう材が介在するようにろう材を該溝部に設け
たことを特徴とするものである。
なお、本発明の接合体でいう接合端とは、金属部材の
凹部開口部近傍におけるセラミック部材の凸部とろう材
との接合部の端のことであって、第3図に示すように接
合端20が該凸部の溝部の位置にあってもよいし、該溝部
より外側にあってもよい。
(作用) 上述した構成において、セラミック部材の凸部接合端
近傍の実質的全周にわたって溝部を設け、少なくとも該
溝部の端と金属部材の凹部との間にろう材が介在するよ
う構成するか、金属部材の凹部の内径が凹部開口部で大
きくなるように段部を設け、接合時に前記段部とセラミ
ック部材の凸部との間の隙間に少なくともろう材を介在
させるよう構成したため、ろう材の緩衝作用でセラミッ
ク部材中の応力集中の低減がはかれるので、曲げやねじ
りに対し破壊しにくく、信頼性が高い金属・セラミック
ス接合体を得ることができる。さらに、上述のセラミッ
ク部材の凸部接合端近傍の実質的全周にわたって溝部を
設け、少なくとも該溝部の端と金属部材の凹部との間に
ろう材が介在するように構成し、ろう材を該溝部内に設
けた場合は、ろう材が溝部内に存在することによりセラ
ミック部材の抜け防止になり、抜けに対する信頼性が増
大する。
さらに、金属部材とセラミック部材との接合をセラミ
ック部材の凸部外周面と金属部材の凹部内周面との間に
限定するとともに、ろうと非接合性物質の低弾性体から
なる中間体を介在させてセラミック部材の凸部先端表面
と金属部材の凹部底面との接合を妨げると、セラミック
部材の凸部先端および接合端での残留応力による応力集
中が緩和され、曲げやねじりに対し破壊しにくく信頼性
が高い金属・セラミックス接合体を得ることができる。
接合をろう付けにより行う場合は、セラミック部材の
凸部に設けた溝部と金属部材の凹部との間あるいはセラ
ミック部材の凸部と金属部材の凹部に設けた段部との間
にろう材が存在し、ろう材の厚みが厚くなることによ
り、セラミック部材の接合端部にろう付け温度からの金
属部材とセラミック部材との収縮量の差により発生する
応力集中を低減できるため好ましい。
また、上記凸部外周面と金属部材凹部内周面との接触
部のみでろう付けすると、接合端に発生する残留応力を
緩和でき、さらにろうとセラミック部材ならびに金属部
材が反応し、両部材の間に強固な接合部が形成されるた
めに室温から高温までの接合強度が強くなるばかりでな
く、接合温度からの冷却に際して焼嵌め効果が付加され
るので、安定して高強度が得られ好ましい。
接合部の上記位置への限定は、ろうと接合性を持たな
い物質からなる薄い膜をセラミック部材に設けた凸部先
端表面へ形成させることや、該物質からなる中間体を金
属部材に設けた凹部底面とセラミック部材に設けた凸部
先端表面との間に配置すること、およびそれらを組合せ
て行う。
ろうと接合性を持たない物質の一例としては、黒鉛が
ある。前記凸部先端表面への黒鉛膜の形成は、黒鉛粒子
懸濁液を刷毛またはスプレーによる塗布、あるいは浸漬
などで容易に行うことができる。また、前記中間体とし
ては、例えば黒鉛繊維からなるスライバー、フェルト、
ウエブ、ウエブ焼結体、織布のような低弾性体を単独で
または組合わせて使用すると好ましい。
さらに、前記中間体を前記凸部先端表面と前記凹部底
面との間に介在させると、接合部位の限定を容易にしか
も確実に行なえるので、接合後にセラミック部材の接合
端に生じる残留応力の低減と管理が可能となり、接合強
度の増大とばらつきの減少が達成される。
低弾性体からなる中間体の介在は、ろうと前記凹部底
面との接合を阻止する効果だけでなく、接合温度からの
冷却に際しセラミック部材と金属部材との収縮量の差に
より生じる前記凸部先端と前記凹部底面の相互干渉を防
止し、接合部に過大な残留応力が発生することを阻止す
る効果と、溶融したろうを凸部外周面と凹部内周面の間
の隙間に効率良く浸透させる効果も有している。
セラミック部材と金属部材との接合に使用するろう
は、セラミック部材と化学的接合が可能な活性金属元素
を含有する活性金属ろうであると好ましい。該ろうとし
ては、活性金属元素を含む合金ろうであってもよいし、
金属基材の上に活性金属元素を被覆した構造のろう材で
もよい。ろう材に対する活性金属の添加量の調整、取り
扱いの容易さあるいは製造の容易さを考慮すると、金属
基材の上に活性金属元素を被覆した構造のろう材の使用
が好ましく、金属基材の上に活性金属元素を蒸着した構
造のろう材の使用がより好ましい。このような活性金属
元素としては、被接合セラミック部材が少なくとも窒化
物および/または炭化物を含むセラミックスの場合に
は、Zr,Ti,Ta,Hf,V,Cr,La,Sc,YおよびMoからなる群から
選ばれた少なくとも一種の金属元素が好ましく、被接合
セラミック部材が酸化物セラミックスの場合には、Be,Z
rおよびTiからなる群から選ばれる少なくとも一種の金
属元素が好ましい。
上記活性金属ろうは、セラミックスとの濡れ性が良い
ので、セラミック部材に対してメタライズ処理のような
特別な前処理をする必要はない。また、金属部材に対し
てはNiめっきをすればろうに対して濡れが良くなる。従
って、該ろうを使用すれば所定の接合位置へ毛細管現象
を利用して溶融ろうを浸透させることができるので、接
合予定位置にろう材を配置させずとも被接合部に形成す
る隙間の管理を行うだけで、気泡やひけなどの欠陥の少
ないろう付けを行うことができる。
活性金属を含有しないろう付けを行う場合は、セラミ
ック部材の凸部外周面の接合予定位置にメタライズ層を
設けて該メタライズ層にNiめっきを施し、より好ましく
は金属部材の凹部内周面の接合予定位置にNiめっきを施
すことにより、上述の活性金属を含むろうの場合と同様
の効果が得られる。この場合、メタライズ層を設けてい
ない凸部先端では、ろうとセラミックスが反応しないの
で接合されず、凸部先端表面と凹部底面との間に隙間が
形成される。さらに、金属部材の凹部内周面の接合予定
位置にNiめっきを施すことにより、該凹部内周面とろう
との濡れが良くなるので、より好ましい。
さらにまた、セラミック部材の凸部外周面と金属部材
の凹部内周面の接合予定位置に、活性金属の箔を配置
し、金属部材の凹部底面には、活性金属を含まないろう
材を配置してろう付けを行うことにより、活性金属ろう
を使用したと同様の効果を得ることも出来る。
また、実質的接合を圧入、焼ばめ、冷やしばめ等の機
械的接合により行い、少なくともセラミック部材の凸部
接合端近傍の実質的全周にわたって設けた溝部の端と金
属部材の凹部との間にろう材が介在するように構成すれ
ば、接合を機械的接合でのみ行った場合に前記溝部の端
と金属部材の凹部とが当接し、その位置で発生した過大
な応力集中がろう材の緩衝作用で低減され、さらに高温
燃焼ガス等の腐蝕性ガスが接合界面に侵入するのを防ぐ
ことができるため好ましい。
なお、上記のように実質的接合を機械的接合にて行な
った場合の少なくとも該溝部の端と金属部材の凹部との
間にろう材を介在させる方法は、機械的接合後、該溝部
に配置したろう材の溶融温度まで接合体を昇温すること
により、溶融したろうが該溝部の端と該凹部との間に浸
透し、本発明の構造を容易に達成することができる。な
お、上記の場合に用いるろう材は活性金属ろうであって
もよいし、活性金属を含有しないろうであってもよい。
また、実質的接合を圧入、焼きばめ、冷やしばめ等の
機械的接合により行う場合においても、セラミック部材
の凸部外周面と金属部材の凹部内周面との接触面のみで
接合すると、セラミック部材と金属部材の熱膨脹量また
は熱収縮量の差に起因する前記凸部と前記凹部の相互干
渉による残留応力がなくなり好ましい。
接合部の上記位置への限定は、中間体を前記凹部底面
と前記凸部先端表面との間に配置することにより行な
う。
またさらに、実質的接合を圧入により行なう場合、本
出願人が特願昭61-285974号公報に示したように、容器
内にセラミック部材と金属部材を収容し例えば10Torr程
度の減圧下で圧入を実施すると、セラミック部材凸部と
金属部材凹部間に形成される空間に圧縮された空気が残
留せず、より信頼性の高い接合体が得られるので好まし
い。
本発明の金属・セラミックス接合体を構成するセラミ
ック材料としては、いずれの材料でもよいが、実用性を
考慮すると窒化珪素、炭化珪素、サイアロン、ジルコニ
ア、アルミナ、ムライト、チタン酸アルミニウム、およ
びコージェライトからなる群から選ばれる少なくとも一
種のセラミック材料が好ましい。これらのセラミック材
料のいずれを使用するかは、本発明の金属・セラミック
ス接合体の使用目的と接合すべき金属材料の種類に応じ
て決定すればよい。
(実施例) 第1図(a)〜(d)はそれぞれ本発明の金属・セラ
ミックス接合体の参考例((a),(b),(d))お
よび本発明例(c)を示す部分断面図である。各例にお
いては、セラミック部材1の凸部2と金属部材4の凹部
5とを接合し、前記凹部5の内径が凹部開口部で大きく
なるように段部3を設けるとともに、接合時に前記段部
3と前記凸部2との間の隙間に少なくともろう材を介在
した例を示している。
第1図(a)に示す参考例では、接合予定位置の金属
部材4の凹部5の内表面全面にNiめっきを施した後、活
性金属ろう6を使用して接合することにより、凹部5の
内表面とセラミック部材1の凸部2の外表面の接触面と
を実質的に全面ろう付けした構造を示している。なお、
通常の活性金属を含有しないろうを使用するときは、上
述した凹部5の内表面へのNiめっき後、接合予定位置の
凸部2の外表面全面にメタライズ層を設け該メタライズ
層にNiめっきを施すことにより、同様な接合を達成する
ことができる。
第1図(b)に示す参考例では、接合予定位置の凹部
5の少なくとも内周面にNiめっきを施し、凸部2の先端
表面9にはろうと非接合性物質からなる黒鉛を塗布した
後、活性金属ろう6を使用して接合することにより、実
質的接合を凹部5の内周面と凸部2の外周面の接触面に
おいてろう付けすることにより構成するとともに、凹部
5の底面と凸部2の先端表面9との間に空間7を設け接
合していない構造を示している。
第1図(c)に示す実施例では、接合予定位置の凹部
5の内周面にNiめっきを施し、凸部2の先端表面9に黒
鉛を塗布し、凹部5の底面であって凸部2の先端表面9
に接触する位置にろうと非接合性物質からなる低弾性中
間体である黒鉛フェルト8を設けた後、活性金属ろう6
を使用して接合することにより、実質的接合を凹部5の
内周面と凸部2の外周面の接触面においてろう付けする
ことにより構成するとともに、凹部5の底面と凸部2の
先端表面とが接合していない構造を示している。
第1図(d)に示す参考例では、圧入を行う前に凹部
5の開口部に設けた段部3の内周面の少なくともろう付
け予定位置にNiめっきを施した後圧入を行ない、該段部
3と凸部5との間に配置した活性金属ろうをろう付け温
度まで加熱し、ろう付けすることにより、段部3を形成
する凹部5の内周面と凸部2の外周面との間に活性金属
ろう6を設けた構造を示している。また、段部3の内周
面の少なくともろう付け予定位置へのNiめっきを圧入後
に行ってもよい。さらに、ろう材を段部3と凸部5との
間に配置する方法としては、圧入前にろう材を前記所定
の位置に配置後圧入を実施してもよいし、可能な場合は
圧入後にろう材を前記所定の位置に配置してもよい。さ
らにまた、別のろう付け方法として、圧入後溶融したろ
う材を段部3と凸部5との間に流し込んでろう付けして
もよい。
なお、上述した例のうち、第1図(a),(b),
(c)に示した場合、ろう付け温度における凹部内周面
と凸部外周面とのすき間gの厚さは300μm以下とする
のが好ましく150μm以下とするのがより好ましい。該
すき間gが300μm以上では、接合強度が低くなること
や、前述の毛細管現象を利用して溶融ろうを浸透させる
場合には、ろうの上昇高さが減少し、所定の接合距離が
得られないので好ましくない。一方、ろう付け温度にお
ける段部を形成する凹部内周面と凸部外周面との間のす
き間Gが、すき間gの1.5〜4倍であると好ましく、2
〜3倍であるとより好ましい。
また、第1図(d)に示した場合、すき間Gはろう付
け温度において100〜1200μmが好ましく、200〜800μ
mがより好ましい。
なお、上述した第1図(a)〜(d)に示す例におい
て、すき間Gがこれ以上大きくなると金属部材の厚さが
薄くなるため耐久上よくない場合がある。
第2図(a)〜(d)はそれぞれ本発明の金属・セラ
ミックス接合体の別の参考例((a),(b),
(d))および別の本発明例(c)を示す部分断面図で
ある。第2図(a)から(c)の例においては、セラミ
ック部材11の凸部12と金属部材13の凹部14とを活性金属
ろうあるいは活性金属を含有しないろう15を使用してろ
う付けにより接合するとともに、前記凸部12の接合端近
傍に対応する位置の全周にわたって溝部16を設け、さら
にこの溝部16に接合に使用したろうと同じろう15を接合
部から連続して設けて、該溝部16の端17と前記凹部14と
の間にろう15が少なくとも介在するように、ろう15を該
溝部16に設けた例を示している。
第2図(a)に示す参考例では、接合予定位置の金属
部材13の凹部14の内表面全面にNiめっきを施した後、活
性金属ろう15を使用して接合することにより、凹部14の
内表面とセラミック部材11の凸部12の外表面の接触面と
を実質的に全面ろう付けした構造を示している。なお、
通常のAgろうのように活性金属を含有しないろうを使用
するときは、上述した凹部14の内表面へのNiめっき後、
接合予定位置の凸部12の外表面全面にメタライズ層を設
け、該メタライズ層にNiめっきを施すことにより、同様
な接合を達成することができる。
第2図(b)に示す参考例では、接合予定位置の凹部
14の少なくとも内周面にNiめっきを施し、凸部12の先端
表面にはろうと非接合性物質からなる黒鉛を塗布した
後、活性金属ろう15を使用してろう付けにより凸部12の
外周面と凹部14の内周面のみで接合するとともに、凹部
14の底面と凸部12の先端表面とを接合せずに、該凹部14
の底面と該凸部12の先端表面との間に、空間18を設けた
構造を示している。
第2図(c)に示す実施例では、接合予定位置の凹部
14の内周面にNiめっきを施し、凹部14の底面の上にろう
と非接合性物質からなる低弾性中間体である黒鉛フェル
ト19の配置と、該黒鉛フェルト19の上に銀ろう板の表面
上にTiを蒸着した活性金属ろうの配置とを行ない、凸部
12の先端表面に黒鉛を塗布した後、該凸部12を前記凹部
14内に挿入して接合用立体を形成した。次に、該接合用
組立体を真空中で加熱し、該ろうを溶融させ、毛細管現
象を利用して、溶融ろうを接合予定位置へ浸透させ凸部
12の外周面と凹部14の内周面のみで接合するとともに、
凹部14の底面と凸部12の先端表面とが接合していない構
造を示している。
第2図(d)に示す参考例においては、セラミック部
材11の凸部12と金属部材13の凹部14とを圧入等の機械的
接合により結合するとともに、前記凸部12の接合端近傍
の全周にわたって溝部16を設け、少なくとも該溝部16の
端17と前記凹部14との間に活性金属ろう15が介在するよ
うに、該ろう15を該溝部16に設けた例を示している。本
実施例では、Niめっきを該凹部14のろう付け予定位置へ
施す工程は、機械的接合の実施前でもよいし、該接合の
実施後でもよい。さらに、ろう材の所定の位置への配置
は、該接合前に該溝部16に配置してもよいし、可能であ
れば該接合後に該溝部16に配置してもよい。さらにま
た、別のろう付け方法として、該接合後に溶融したろう
材を該後部16と前記凹部14との間に流し込み、ろう付け
してもよい。
上述した第2図(b),(c)に示すように、凹部14
の底面と凸部12の先端表面とが空間18または黒鉛フェル
ト19よりなる中間体により直接接触しない構造の実施例
においては、凹部14の底面と凸部12の先端表面とが接触
もしくは接合している場合に生じる応力集中を防止でき
るため好ましい。
また、溝部16のろう15の状態は、第3図(a),
(b)において拡大して示すように、少なくとも溝部16
の端17がろう15で包まれていればよい。すなわち、第3
図(a)に示すように溝部16の一部にろう15が存在して
も、第3図(b)に示すように溝部16の全体にろう15が
存在してもよい。しかしながら、第3図(b)に示すよ
うに溝部16の全体にろう15が存在する構造では抜けに対
する強度が高くなり、緩衝作用が大きくなるとともに、
応力集中の低減が図れるため好ましい。
以下、実際の例について説明する。
実施例 まず、第1図(a)〜(c)に示す参考例および本発
明例の金属・セラミックス接合体を作製した。作製方法
を以下に示す。
直径:18mmの溶体化処理済インコロイ903丸棒の一端に
内径:11.05mm、深さ8mmの凹部5と直径12mmの細軸部を
設けるとともに、凹部内周の開口部に全周にわたって段
部3を設けた金属部材4と、常圧焼結法による窒化珪素
焼結体の一端に直径:11.0mm、長さ:10mmの凸部2を設け
たセラミック部材1を作製した。なお、前記段部3はす
き間Gに対応する寸法に加工し、凹部開口端部より2.5m
m内側の位置まで設けた。
上記凹部5の底部隅部にはC0.2の面取りが、また開放
端隅部にはテーパー加工がそれぞれ施してある。同じ
く、上記凸部2の先端のエッジ部はC0.5のテーパ加工
が、根本部にはR2の曲面加工がそれぞれ施してある。
これらの金属部材とセラミック部材について、上述し
た第1図(a)〜(c)に示す方法で厚さ0.1mmの銀ろ
う板の表面上に厚さ2μmのTiを蒸着した活性金属ろう
を使用して本発明の金属・セラミックス接合体を得た。
このとき、第1図(a)〜(c)におけるNiめっきの
厚さは10μm、第1図(c)における中間体として使用
した黒鉛フェルト8の厚さは0.4mmであった。また、第
1図(a)〜(c)におけるgの厚さは150μmとし
た。
次に、第1図(d)に示す参考例の金属・セラミック
ス接合体を作製した。作製方法を以下に示す。
第1図(a)〜(c)に示す接合体において用いたセ
ラミック部材と同じ材質、形状のセラミック部材と、第
1図(a)〜(c)に示す接合体において用いた金属部
材と同じ材質で凹部5の内径が10.9mmであることを除け
ば同じ形状の金属部材を作製した。
この金属部材とセラミック部材について、上述した第
1図(d)に示す方法でTiを蒸着した活性金属ろうを使
用して本発明の金属・セラミックス接合体を得た。この
とき、Niめっきの厚さは10μmであった。
一方、第1図(a)〜(c)において用いた金属部材
やセラミック部材と同様の形状の第4図(a)に示す段
部を有さず凹部5の内表面と凸部2の外表面の接触面と
を実質的に全面ろう付けした比較例1と、第1図(d)
において用いた金属部材やセラミック部材と同様の形状
の第4図(b)に示す段部を有さず凸部2を凹部5内に
圧入した比較例2とを準備した。
なお、第1図、第4図に示す金属・セラミックス接合
体は、すべて真空中で850℃まで昇温してろう付けを行
ったのち、インコロイ903所定の時効硬化処理を行って
作製したものである。
準備した試料に対し、第5図に示す曲げ試験装置によ
り金属部材4を固定してセラミック部材1に荷重を付加
することにより、セラミック部材が破壊するときの曲げ
荷重を測定して破壊曲げ荷重とするとともに、本発明例
におけるすき間Gを変化させてそれぞれの破壊曲げ荷重
を求めた。なお、第5図において、l1=40mm,l2=5mmと
した。結果を第1表に示す。
第1表の結果から、本発明の段部および低弾性中間体
を設けたものが段部を設けなかった比例例より高く、ば
らつきが少ない破壊曲げ荷重を示した。なお、これらの
結果を第6図および第7図にまとめて示す。
以上の結果より、ろう付け温度における段部を形成す
る凹部内周面と凸部外周面との間のすき間Gが、すき間
gの1.5〜4倍であると好ましく、2〜3倍であるとよ
り好ましいことがわかる。
また、第1図(d)の場合、すき間Gはろう付け温度
において100〜1200μmが好ましく、200〜800μmがよ
り好ましいことがわかる。
本発明は上述した実施例にのみ限定されるものではな
く、幾多の変形変更が可能である。例えば、第1図に示
した実施例においては、段部形状を階段状としたが、凹
部開口部へ近づくにともなって大きくなるようなテーパ
部またはR部より構成することもできる。また、第2図
に示した実施例においては、溝部の断面形状が半円状の
例を示したが、他の形状でもよいことはいうまでもな
い。
(発明の効果) 以上詳細に説明したところから明らかなように、本発
明の金属・セラミックス接合体によれば、金属部材の凹
部の内径が凹部開口部で大きくなるように段部を設け、
接合時に前記段部とセラミック部材の凸部との間の隙間
に少なくともろう材を介在させることにより、またはセ
ラミック部材の凸部の接合端近傍の実質的全周にわたっ
て溝部を設け、少なくとも該溝部の端と金属部材の凹部
との間にろう材を介在させることにより、さらに凸部先
端と凹部底面との間に低弾性中間体を使用することによ
り、セラミック部材の接合端の応力集中をろう材の緩衝
作用で減少させ、曲げやねじりに対し破壊しにくく信頼
性が高い金属・セラミックス接合体を得ることができ
る。
また、本発明の金属・セラミックス接合体で、タービ
ン翼車およびタービン軸の一部が窒化珪素セラミック
ス、その他の部分が高強度を有する金属からなるターボ
チャージャロータを構成すれば、ろう材の緩衝作用、残
留応力の低減、接合界面への高温の排気ガス等の腐食性
ガスの侵入が防止でき、耐久性にすぐれ、さらに応答性
にすぐれた高効率のターボチャージャロータを得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(d)および第2図(a)〜(d)はそ
れぞれ参考例および本発明例の金属・セラミックス接合
体の一例を示す部分断面図、 第3図(a),(b)はそれぞれ本発明の溝部を拡大し
て示す部分断面図、 第4図(a),(b)はそれぞれ比較例とした金属・セ
ラミックス接合体を示す部分断面図、 第5図は試験に使用した曲げ試験装置を示す図、 第6図および第7図はそれぞれ実施例における結果を示
すグラフである。 1,11……セラミック部材 2,12……凸部 3……段部 4,13……金属部材 5,14……凹部 6,15……活性金属ろうあるいは活性金属を含有しないろ
う 7,18……空間 8,19……黒鉛フェルト 9,……凸部の先端表面 20……接合端
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−72578(JP,A) 特開 昭61−219767(JP,A) 実開 昭61−63628(JP,U) 実開 昭63−2743(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック部材に設けた凸部が金属部材に
    設けた凹部に挿入されて一体的に接合されている構造の
    金属・セラミックス接合体において、 前記セラミック部材の凸部先端表面と前記金属部材の凹
    部底面との間にろう材と非接合性物質からなる低弾性中
    間体を介在させるとともに、前記金属部材の凹部の内径
    が凹部開口部で大きくなるように段部を設け、接合時に
    前記段部とセラミック部材の凸部との間の隙間に少なく
    ともろう材を介在させることを特徴とする金属・セラミ
    ックス接合体。
  2. 【請求項2】セラミック部材に設けた凸部が金属部材に
    設けた凹部に挿入されて一体的に接合されている構造の
    金属・セラミックス接合体において、 前記セラミック部材の凸部先端表面と前記金属部材の凹
    部底面との間にろう材と非接合性物質からなる低弾性中
    間体を介在させるとともに、前記セラミック部材の凸部
    接合端近傍の実質的全周にわたって溝部を設け、少なく
    とも該溝部の端と前記金属部材の凹部との間にろう材が
    介在するようにろう材を該溝部に設けたことを特徴とす
    る金属・セラミックス接合体。
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