JPH061672A - セラミック製軸と金属製軸の接合構造 - Google Patents
セラミック製軸と金属製軸の接合構造Info
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- JPH061672A JPH061672A JP4188799A JP18879992A JPH061672A JP H061672 A JPH061672 A JP H061672A JP 4188799 A JP4188799 A JP 4188799A JP 18879992 A JP18879992 A JP 18879992A JP H061672 A JPH061672 A JP H061672A
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- shaft
- ceramic
- metal
- ceramic shaft
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 金属製軸4とセラミック製軸1の突き合わせ
部分を端面接合した場合において十分な強度が得られる
接合構造を提供する。 【構成】 セラミック製軸1と金属製軸4の接合構造
は、先ず、セラミック製軸1と金属製軸4の突き合わせ
部分を、緩衝板3を介してロウ付する。そして、その突
き合わせ部分外周に金属製スリーブ5を嵌合すると共
に、該金属製スリーブ5と金属製軸4をロウ付し、さら
に、金属製スリーブ5とセラミック製軸1のクリアラン
ス(D−d)が110μ以上になる様に設定し、ロウ材
6を充填する。
部分を端面接合した場合において十分な強度が得られる
接合構造を提供する。 【構成】 セラミック製軸1と金属製軸4の接合構造
は、先ず、セラミック製軸1と金属製軸4の突き合わせ
部分を、緩衝板3を介してロウ付する。そして、その突
き合わせ部分外周に金属製スリーブ5を嵌合すると共
に、該金属製スリーブ5と金属製軸4をロウ付し、さら
に、金属製スリーブ5とセラミック製軸1のクリアラン
ス(D−d)が110μ以上になる様に設定し、ロウ材
6を充填する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックで形成され
るターボチャージャーロータやガスタービン等のセラミ
ック製軸と、金属製軸とを一体化するための接合構造に
関する。
るターボチャージャーロータやガスタービン等のセラミ
ック製軸と、金属製軸とを一体化するための接合構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来のセラミック製軸と金属製軸の接合
構造は、セラミック製軸と金属製軸の突き合わせ部分外
周に金属製スリーブを嵌合し、該金属製スリーブとセラ
ミック製軸及び金属製軸の隙間にロウ材を充填して、金
属製スリーブとセラミック製軸及び金属製軸を一体化す
るものであった。
構造は、セラミック製軸と金属製軸の突き合わせ部分外
周に金属製スリーブを嵌合し、該金属製スリーブとセラ
ミック製軸及び金属製軸の隙間にロウ材を充填して、金
属製スリーブとセラミック製軸及び金属製軸を一体化す
るものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】周知のようにターボチ
ャージャーロータやガスタービン等は高速回転する部品
である。従って、接合部分の精度を高めて回転バランス
を良くしなければならないから図1に示すように金属製
スリーブの内径Dとセラミック製軸の軸径dの差(以
下、クリアランスという。)(D−d)は極力小さい方
が良い、というのが当業者間の支配的な考え方であっ
た。而して、金属製軸とセラミック製軸の接合構造にお
いて、その突き合わせ部分を直接又は緩衝板を介して端
面接合する場合と端面接合しない場合がある。突き合わ
せ部分を端面接合しない場合は軸方向の自由度が比較的
高いためクリアランスを小さくしても必要な接合強度を
得ることが可能であった。しかし、金属製軸とセラミッ
ク製軸の突合せ部分を化学的に端面接合した場合にも上
記の考え方を適用してクリアランスを小さくすると、金
属とセラミックの熱膨張係数の差によってロウ付後の冷
却過程でスリーブ又は凹部開放端に残留応力が発生し、
そのために十分な接合強度が得られない、という問題点
が明らかになった。本発明は、上記の問題点に鑑みなさ
れたもので、その目的は、金属製軸とセラミック製軸の
突き合わせ部分を端面接合した場合において十分な強度
が得られる接合構造を提供することにある。
ャージャーロータやガスタービン等は高速回転する部品
である。従って、接合部分の精度を高めて回転バランス
を良くしなければならないから図1に示すように金属製
スリーブの内径Dとセラミック製軸の軸径dの差(以
下、クリアランスという。)(D−d)は極力小さい方
が良い、というのが当業者間の支配的な考え方であっ
た。而して、金属製軸とセラミック製軸の接合構造にお
いて、その突き合わせ部分を直接又は緩衝板を介して端
面接合する場合と端面接合しない場合がある。突き合わ
せ部分を端面接合しない場合は軸方向の自由度が比較的
高いためクリアランスを小さくしても必要な接合強度を
得ることが可能であった。しかし、金属製軸とセラミッ
ク製軸の突合せ部分を化学的に端面接合した場合にも上
記の考え方を適用してクリアランスを小さくすると、金
属とセラミックの熱膨張係数の差によってロウ付後の冷
却過程でスリーブ又は凹部開放端に残留応力が発生し、
そのために十分な接合強度が得られない、という問題点
が明らかになった。本発明は、上記の問題点に鑑みなさ
れたもので、その目的は、金属製軸とセラミック製軸の
突き合わせ部分を端面接合した場合において十分な強度
が得られる接合構造を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のセラミック製軸と金属製軸の接合構造は、図1
に示すように、セラミック製軸1と金属製軸4の突き合
わせ部分が、直接又は緩衝板3を介して化学的に端面接
合され、且つ、その突き合わせ部、セラミック製軸1及
び金属製軸4の外周に金属製スリーブ5を有し、セラミ
ック製軸1と金属製スリーブ5の隙間にロウ材6を充填
したセラミック製軸1と金属製軸4の接合構造におい
て、セラミック製軸1の軸径dと金属製スリーブ5の内
径Dの差を(D−d)≧110μに設定してなることを
特徴とする。そして、金属製軸4と金属製スリーブ5
は、ロウ材で接合してもよいし、圧入、焼き嵌め、冷や
嵌め等の公知の接合方法で接合される。なお、金属製軸
端部に凹部を有し金属製スリーブ5と金属製軸4が一体
となった構造であってもよい。また、前記クリアランス
は、350μ≧(D−d)≧110μに設定するのが望
ましい。ここでいうクリアランス(D−d)の測定方法
は、図3に示す様に、接合後に金属製スリーブ5とセラ
ミック製軸1の間にロウ材6を充填した部分を軸方向に
垂直な面で切断し、金属製スリーブ5とセラミック製軸
1の距離L1,L2,L3,L4を測定し、D−d=(L1
+L2+L3+L4)/2の式にて求めるものである。そ
して、さらに、前記セラミック製軸1の外周部にガラス
質又はアルミナ質のコーティング層2を形成してもよ
い。ここで直接化学的に端面接合されとは、セラミック
製軸と金属製軸をロウ材等により化学的に接合されてい
ることを意味するが、一般にセラミックは、ロウ材とな
じみ難いので、予めセラミック製軸端面に金属を被着さ
せておくとよいが、Tiを含む活性ロウ材を用いると金
属を被着させておかなくても良い。そして緩衝板を介し
て化学的に端面接合されとは、Cu,Ni等の軟質金属
板又は低膨張金属板を応力緩和層としてセラミック製軸
と金属製軸との間に配置することを意味し、具体的に
は、金属製軸、ロウ材、緩衝板、ロウ材、セラミックの
順に配置して接合される。また緩衝板は2枚以上使用す
る場合もある。この場合には緩衝板と緩衝板の間にもロ
ウ材を入れる。セラミック製軸端面に金属を被着させて
おくとよいが、Tiを含む活性ロウ材を用いると金属を
被着させておかなくても良い。また、セラミック製軸と
金属製スリーブの隙間にロウ材を充填してとは、一般に
セラミックはロウ材となじみ難いので完全に化学的に接
合はしてないが、物理的に接合することを意味する。よ
って軸方向には、セラミック製軸と充填されたロウ材の
間にすべりを生ずることができるので後に示す作用をも
たらすことができる。そして更にガラス質又はアルミナ
質のコーティングにより、効果を増すことができる。
本発明のセラミック製軸と金属製軸の接合構造は、図1
に示すように、セラミック製軸1と金属製軸4の突き合
わせ部分が、直接又は緩衝板3を介して化学的に端面接
合され、且つ、その突き合わせ部、セラミック製軸1及
び金属製軸4の外周に金属製スリーブ5を有し、セラミ
ック製軸1と金属製スリーブ5の隙間にロウ材6を充填
したセラミック製軸1と金属製軸4の接合構造におい
て、セラミック製軸1の軸径dと金属製スリーブ5の内
径Dの差を(D−d)≧110μに設定してなることを
特徴とする。そして、金属製軸4と金属製スリーブ5
は、ロウ材で接合してもよいし、圧入、焼き嵌め、冷や
嵌め等の公知の接合方法で接合される。なお、金属製軸
端部に凹部を有し金属製スリーブ5と金属製軸4が一体
となった構造であってもよい。また、前記クリアランス
は、350μ≧(D−d)≧110μに設定するのが望
ましい。ここでいうクリアランス(D−d)の測定方法
は、図3に示す様に、接合後に金属製スリーブ5とセラ
ミック製軸1の間にロウ材6を充填した部分を軸方向に
垂直な面で切断し、金属製スリーブ5とセラミック製軸
1の距離L1,L2,L3,L4を測定し、D−d=(L1
+L2+L3+L4)/2の式にて求めるものである。そ
して、さらに、前記セラミック製軸1の外周部にガラス
質又はアルミナ質のコーティング層2を形成してもよ
い。ここで直接化学的に端面接合されとは、セラミック
製軸と金属製軸をロウ材等により化学的に接合されてい
ることを意味するが、一般にセラミックは、ロウ材とな
じみ難いので、予めセラミック製軸端面に金属を被着さ
せておくとよいが、Tiを含む活性ロウ材を用いると金
属を被着させておかなくても良い。そして緩衝板を介し
て化学的に端面接合されとは、Cu,Ni等の軟質金属
板又は低膨張金属板を応力緩和層としてセラミック製軸
と金属製軸との間に配置することを意味し、具体的に
は、金属製軸、ロウ材、緩衝板、ロウ材、セラミックの
順に配置して接合される。また緩衝板は2枚以上使用す
る場合もある。この場合には緩衝板と緩衝板の間にもロ
ウ材を入れる。セラミック製軸端面に金属を被着させて
おくとよいが、Tiを含む活性ロウ材を用いると金属を
被着させておかなくても良い。また、セラミック製軸と
金属製スリーブの隙間にロウ材を充填してとは、一般に
セラミックはロウ材となじみ難いので完全に化学的に接
合はしてないが、物理的に接合することを意味する。よ
って軸方向には、セラミック製軸と充填されたロウ材の
間にすべりを生ずることができるので後に示す作用をも
たらすことができる。そして更にガラス質又はアルミナ
質のコーティングにより、効果を増すことができる。
【0005】
【作用】ロウ付の熱で膨張したセラミックと金属が冷却
過程で収縮する場合に、両者の軸方向の収縮量の差によ
ってセラミック製軸1に大きな軸方向引張力が発生す
る。しかし、クリアランス内のロウ材6が緩衝層の働き
をしてこの引張力を吸収するため、接合部分が保護され
て接合強度が向上する。この接合強度は、表1に示すよ
うに、クリアランスが110μ以上で急激に向上するこ
とが確認された。また、クリアランスを350μより大
きく設定すると、ロウ材6の充填が均一にならない可能
性が高くロウ付の信頼性が低下する。従って、クリアラ
ンスは、110μ〜350μの範囲内で設定するのが最
も実用的である。また、セラミック製軸1の外周部にコ
ーティング層2を形成すれば、クリアランスを広く設定
してもセラミック製軸1が金属製スリーブ5内で片寄ら
ない。また、ガラス質が軸方向のすべりを生じ、接合時
の残留応力が低減し接合強度を向上する利点も有する。
過程で収縮する場合に、両者の軸方向の収縮量の差によ
ってセラミック製軸1に大きな軸方向引張力が発生す
る。しかし、クリアランス内のロウ材6が緩衝層の働き
をしてこの引張力を吸収するため、接合部分が保護され
て接合強度が向上する。この接合強度は、表1に示すよ
うに、クリアランスが110μ以上で急激に向上するこ
とが確認された。また、クリアランスを350μより大
きく設定すると、ロウ材6の充填が均一にならない可能
性が高くロウ付の信頼性が低下する。従って、クリアラ
ンスは、110μ〜350μの範囲内で設定するのが最
も実用的である。また、セラミック製軸1の外周部にコ
ーティング層2を形成すれば、クリアランスを広く設定
してもセラミック製軸1が金属製スリーブ5内で片寄ら
ない。また、ガラス質が軸方向のすべりを生じ、接合時
の残留応力が低減し接合強度を向上する利点も有する。
【0006】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。なお、図1は接合部分を拡大して示す断面図で
ある。セラミック製軸1は、図示しないがセラミック製
のターボチャージャーロータやガスタービンと一体の部
品であり、軸径が10〜16mm程度で、先端外周部に
30〜35μ程度のガラス質やアルミナ質のコーティン
グ層2が形成されている。このセラミック製軸1の端部
に、軸径の20%程度の厚みの金属製の緩衝板3がロウ
付され、さらに、その緩衝板3に金属製軸4がロウ付さ
れている。また、このセラミック製軸1と金属製軸4の
突き合わせ部分に、金属製スリーブ5が嵌合されると共
に、そのクリアランスにロウ材6が充填されて金属製ス
リーブ5とセラミック製軸1及び金属製軸4が一体化さ
れる。なお、一般的には、スリーブは熱膨張係数がセラ
ミックに近い事が要求され、また、金属製軸には硬度,
強度が要求される為、各々別体で製作し、接合すること
が好ましいが、使用条件によっては、図2に示すよう
に、金属製軸4とスリーブ5を一体形とし、この凹底部
にセラミック製軸1を化学的に接合し、凹内周部とセラ
ミック製軸1の間にロウ材6を充填した構造でも良い。
明する。なお、図1は接合部分を拡大して示す断面図で
ある。セラミック製軸1は、図示しないがセラミック製
のターボチャージャーロータやガスタービンと一体の部
品であり、軸径が10〜16mm程度で、先端外周部に
30〜35μ程度のガラス質やアルミナ質のコーティン
グ層2が形成されている。このセラミック製軸1の端部
に、軸径の20%程度の厚みの金属製の緩衝板3がロウ
付され、さらに、その緩衝板3に金属製軸4がロウ付さ
れている。また、このセラミック製軸1と金属製軸4の
突き合わせ部分に、金属製スリーブ5が嵌合されると共
に、そのクリアランスにロウ材6が充填されて金属製ス
リーブ5とセラミック製軸1及び金属製軸4が一体化さ
れる。なお、一般的には、スリーブは熱膨張係数がセラ
ミックに近い事が要求され、また、金属製軸には硬度,
強度が要求される為、各々別体で製作し、接合すること
が好ましいが、使用条件によっては、図2に示すよう
に、金属製軸4とスリーブ5を一体形とし、この凹底部
にセラミック製軸1を化学的に接合し、凹内周部とセラ
ミック製軸1の間にロウ材6を充填した構造でも良い。
【0007】而して、セラミック製軸1と金属製スリー
ブ5のクリアランスは、前記コーティング層2の厚さ、
及び、金属製スリーブ5の内周に施されることがあるロ
ウ付のためのメッキ(Ni,Cu,Ag等)の厚さに拘
らず、セラミック製軸1の軸径dと金属製スリーブ5の
内径Dの差を基準とし、(D−d)=110μ〜350
μの範囲に設定される。このクリアランスは、110μ
より小さいとロウ付後の冷却過程で接合部の強度が低下
する。逆に、350μより大きい場合は、ロウ材6の充
填が難しくなってロウ付の信頼性が低下する虞がある。
また、前記コーティング層2は、若干不確定であるが、
金属製スリーブ5内におけるセラミック製軸1の片寄り
を防止し、以て、接合精度の向上を図ることができる。
また、軸方向のすべりを生じることにより接合時の残留
応力を低減し、接合強度を向上することが可能となる。
ブ5のクリアランスは、前記コーティング層2の厚さ、
及び、金属製スリーブ5の内周に施されることがあるロ
ウ付のためのメッキ(Ni,Cu,Ag等)の厚さに拘
らず、セラミック製軸1の軸径dと金属製スリーブ5の
内径Dの差を基準とし、(D−d)=110μ〜350
μの範囲に設定される。このクリアランスは、110μ
より小さいとロウ付後の冷却過程で接合部の強度が低下
する。逆に、350μより大きい場合は、ロウ材6の充
填が難しくなってロウ付の信頼性が低下する虞がある。
また、前記コーティング層2は、若干不確定であるが、
金属製スリーブ5内におけるセラミック製軸1の片寄り
を防止し、以て、接合精度の向上を図ることができる。
また、軸方向のすべりを生じることにより接合時の残留
応力を低減し、接合強度を向上することが可能となる。
【0008】
【曲げ強度試験】以下に示す条件で試料A〜Rを作成
し、その試料A〜Rで曲げ強度試験を実施した。 セラミック製軸1は、Y2O3,Al2O3の焼結助材を
用いて1600℃,4時間のスケジュールで焼成した常
圧焼結窒化珪素を使用し、軸径d=16mmとした。 金属製スリーブ5は、低熱膨張合金であるインコロイ
903を使用した。 金属製軸4は、SNCM447を使用した。 緩衝板3は、Ni,W合金,Niの三層複合構造とな
し、トータル4mmの厚さとした。 コーティングを行ったものについては、Al2O3を使
用してコーティング層2の厚さ=35μとした。なお、
セラミック製軸1と金属製スリーブ5のクリアランス
は、コーティング層2の厚さに拘らず、セラミック製軸
1の軸径dと金属製スリーブ5の内径Dの差である。 そして、上記の部材を図1のように組み合せ、セラミッ
ク製軸1と緩衝板3をTiを含む活性ろうで、金属製軸
4と緩衝板3を銀ろうでロウ付し、さらに、セラミック
製軸1及び金属製軸4と金属製スリーブ5を銀ろうでロ
ウ付した。ロウ付の条件は、10-3以下の真空中で95
0℃,10分のスケジュールである。こうして作成した
試料A〜Rを、図4に示すように、金属製軸4を固定し
て片持ち梁状になし、セラミック製軸1の先端に荷重W
を加えた。その結果を表1に示す。なお、試料A〜Lは
ロウ付後に曲げ強度を測定し、試料M〜Rは20℃〜4
00℃の温度サイクルで100サイクル経過後に曲げ強
度を測定した。
し、その試料A〜Rで曲げ強度試験を実施した。 セラミック製軸1は、Y2O3,Al2O3の焼結助材を
用いて1600℃,4時間のスケジュールで焼成した常
圧焼結窒化珪素を使用し、軸径d=16mmとした。 金属製スリーブ5は、低熱膨張合金であるインコロイ
903を使用した。 金属製軸4は、SNCM447を使用した。 緩衝板3は、Ni,W合金,Niの三層複合構造とな
し、トータル4mmの厚さとした。 コーティングを行ったものについては、Al2O3を使
用してコーティング層2の厚さ=35μとした。なお、
セラミック製軸1と金属製スリーブ5のクリアランス
は、コーティング層2の厚さに拘らず、セラミック製軸
1の軸径dと金属製スリーブ5の内径Dの差である。 そして、上記の部材を図1のように組み合せ、セラミッ
ク製軸1と緩衝板3をTiを含む活性ろうで、金属製軸
4と緩衝板3を銀ろうでロウ付し、さらに、セラミック
製軸1及び金属製軸4と金属製スリーブ5を銀ろうでロ
ウ付した。ロウ付の条件は、10-3以下の真空中で95
0℃,10分のスケジュールである。こうして作成した
試料A〜Rを、図4に示すように、金属製軸4を固定し
て片持ち梁状になし、セラミック製軸1の先端に荷重W
を加えた。その結果を表1に示す。なお、試料A〜Lは
ロウ付後に曲げ強度を測定し、試料M〜Rは20℃〜4
00℃の温度サイクルで100サイクル経過後に曲げ強
度を測定した。
【0009】
【表1】
【0010】以上表1の結果から、クリアランスが11
0μ以上である場合に安定した高い接合強度を示すこと
が判る。
0μ以上である場合に安定した高い接合強度を示すこと
が判る。
【0011】
【発明の効果】以上のように本発明の接合構造は、セラ
ミック製軸1と金属製スリーブ5のクリアランスを、従
来の当業者の常識に反して広くし、(D−d)≧110
μに設定することによって両者の接合強度を顕著に向上
させることができる。また、クリアランスの上限値は、
必然的にロウ付可能な範囲以下に限定されるが、その範
囲内にあってもクリアランスが広過ぎる場合にはロウ付
の信頼性に問題が生ずる虞がある。従って、クリアラン
スは110μ〜350μの間に設定するのが最も実用的
である。また、クリアランスを広く設定しても精度上殆
ど問題ないが、セラミック製軸1の外周部にガラス質や
アルミナ質のコーティング層2を形成すれば接合精度及
び信頼性の向上を図ることができる。
ミック製軸1と金属製スリーブ5のクリアランスを、従
来の当業者の常識に反して広くし、(D−d)≧110
μに設定することによって両者の接合強度を顕著に向上
させることができる。また、クリアランスの上限値は、
必然的にロウ付可能な範囲以下に限定されるが、その範
囲内にあってもクリアランスが広過ぎる場合にはロウ付
の信頼性に問題が生ずる虞がある。従って、クリアラン
スは110μ〜350μの間に設定するのが最も実用的
である。また、クリアランスを広く設定しても精度上殆
ど問題ないが、セラミック製軸1の外周部にガラス質や
アルミナ質のコーティング層2を形成すれば接合精度及
び信頼性の向上を図ることができる。
【図1】接合部分を拡大して示す断面図である。
【図2】他の実施態様を示す接合部分の拡大断面図であ
る。
る。
【図3】クリアランスを示す断面図である。
【図4】曲げ強度試験を示す断面正面図である。
1…セラミック製軸、2…コーティング層、3…緩衝
板、4…金属製軸、5…金属製スリーブ、D…金属製ス
リーブの内径、d…セラミック製軸の軸径。
板、4…金属製軸、5…金属製スリーブ、D…金属製ス
リーブの内径、d…セラミック製軸の軸径。
Claims (4)
- 【請求項1】 セラミック製軸と金属製軸の突き合わせ
部分が、直接又は緩衝板を介して化学的に端面接合さ
れ、且つ、その突き合わせ部、セラミック製軸の外周及
び金属軸外周に金属製スリーブを有し、セラミック製軸
と金属製スリーブの隙間にロウ材を充填したセラミック
製軸と金属製軸の接合構造において、 セラミック製軸の軸径dと金属製スリーブの内径Dの差
を(D−d)≧110μに設定してなることを特徴とす
るセラミック製軸と金属製軸の接合構造。 - 【請求項2】 金属製軸の端部に凹部を有し、凹部の底
部にセラミック製軸端面が直接又は化学的に端面接合さ
れたセラミック製軸と金属製軸の接合構造において、セ
ラミック製軸の軸径dと金属製軸端凹部の内径Dの差を
(D−d)≧110μに設定してなることを特徴とする
セラミック製軸と金属製軸の接合構造。 - 【請求項3】 前記軸径dと内径Dの差を350μ≧
(D−d)≧110μに設定してなる請求項1,2記載
のセラミック製軸と金属製軸の接合構造。 - 【請求項4】 前記セラミック製軸の外周部にガラス質
又はアルミナ質のコーティング層を形成してなる請求項
1,2,3記載のセラミック製軸と金属製軸の接合構
造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4188799A JPH061672A (ja) | 1992-06-22 | 1992-06-22 | セラミック製軸と金属製軸の接合構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4188799A JPH061672A (ja) | 1992-06-22 | 1992-06-22 | セラミック製軸と金属製軸の接合構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH061672A true JPH061672A (ja) | 1994-01-11 |
Family
ID=16230009
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4188799A Pending JPH061672A (ja) | 1992-06-22 | 1992-06-22 | セラミック製軸と金属製軸の接合構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH061672A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016125577A1 (ja) * | 2015-02-06 | 2016-08-11 | 松本油脂製薬株式会社 | 合成繊維用処理剤及びその用途 |
-
1992
- 1992-06-22 JP JP4188799A patent/JPH061672A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016125577A1 (ja) * | 2015-02-06 | 2016-08-11 | 松本油脂製薬株式会社 | 合成繊維用処理剤及びその用途 |
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060118 |
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A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20071018 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071113 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080401 |