JP2572603B2 - 金縁模様を有するほうろう製品の製造方法 - Google Patents
金縁模様を有するほうろう製品の製造方法Info
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- JP2572603B2 JP2572603B2 JP19965387A JP19965387A JP2572603B2 JP 2572603 B2 JP2572603 B2 JP 2572603B2 JP 19965387 A JP19965387 A JP 19965387A JP 19965387 A JP19965387 A JP 19965387A JP 2572603 B2 JP2572603 B2 JP 2572603B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明はほうろう製品の製造方法に関する。
(従来の技術) 一般に鉄やステンレスなどの金属基板の表面をほうろ
う層で被覆したほうろう製品は、建物の内外装用のパネ
ルをはじめ、容器や装飾品などの各種家庭用品その他に
多く用いられているが、無模様のほうろう層は外観が単
調であるため、模様つきのほうろう層に対する需要が増
している。この模様つきのほうろう層として、模様の周
縁を金縁で縁取りした模様(本発明ではこれを金縁模様
という)を有するほうろう層は、外観がすぐれ好ましい
ものであるが、この金縁模様を得る従来の方法として
は、高価な金粉を多量に加えた釉薬またはゴールドメタ
リツクを呈する顔料を添加した釉薬を用い、型板を替え
て模様部と金縁部の2回にわたる施釉、あるいはスクリ
ーン転写板での複数刷りをおこなつたり、金縁模様とな
るように転写紙上に釉薬層を形成して使用するなどの方
法しかなく、材料費も手間もかかるものであつた。
う層で被覆したほうろう製品は、建物の内外装用のパネ
ルをはじめ、容器や装飾品などの各種家庭用品その他に
多く用いられているが、無模様のほうろう層は外観が単
調であるため、模様つきのほうろう層に対する需要が増
している。この模様つきのほうろう層として、模様の周
縁を金縁で縁取りした模様(本発明ではこれを金縁模様
という)を有するほうろう層は、外観がすぐれ好ましい
ものであるが、この金縁模様を得る従来の方法として
は、高価な金粉を多量に加えた釉薬またはゴールドメタ
リツクを呈する顔料を添加した釉薬を用い、型板を替え
て模様部と金縁部の2回にわたる施釉、あるいはスクリ
ーン転写板での複数刷りをおこなつたり、金縁模様とな
るように転写紙上に釉薬層を形成して使用するなどの方
法しかなく、材料費も手間もかかるものであつた。
(発明が解決しようとする問題点) この発明は上記従来の問題点を解決するもので、安価
な原料を用い簡単な工程で金縁模様を有するほうろう製
品が得られる、金縁模様を有するほうろう製品の製造方
法を提供しようとするものである。
な原料を用い簡単な工程で金縁模様を有するほうろう製
品が得られる、金縁模様を有するほうろう製品の製造方
法を提供しようとするものである。
(問題点を解決するための手段) しかしてこの発明の金縁模様を有するほうろう製品の
製造方法は、金属基板上に付設したグロス質のほうろう
層もしくは該ほうろう層形成用の施釉層から成るベース
層の上に、マツト質ほうろう層形成用のフリツト100重
量部に対してFeCl3を0.05〜2.0重量部添加したほうろう
釉薬を、100μm以上の厚さとなるように模様状に施釉
し、720〜860℃の焼成温度で焼成することを特徴とする
金縁模様を有するほうろう製品の製造方法である。
製造方法は、金属基板上に付設したグロス質のほうろう
層もしくは該ほうろう層形成用の施釉層から成るベース
層の上に、マツト質ほうろう層形成用のフリツト100重
量部に対してFeCl3を0.05〜2.0重量部添加したほうろう
釉薬を、100μm以上の厚さとなるように模様状に施釉
し、720〜860℃の焼成温度で焼成することを特徴とする
金縁模様を有するほうろう製品の製造方法である。
この発明における金属基板としては、鉄板、鋼板、ス
テンレスその他の合金鋼板などを用いることができる。
テンレスその他の合金鋼板などを用いることができる。
この発明において金属基板上に設けるほうろう層はグ
ロス質(光沢質)のものを用いるが、これはマツト質の
金縁模様を強調するためであり、グロス質であれば色彩
および表面の平滑性は間わない。
ロス質(光沢質)のものを用いるが、これはマツト質の
金縁模様を強調するためであり、グロス質であれば色彩
および表面の平滑性は間わない。
この発明においてグロス質のほうろう層上に設けるマ
ツト質ほうろう層形成用のフリツトとしては、その金属
酸化物組成(重量%)として、SiO2とTiO2とZrO2の合計
を40〜65%、Na2O,K2O,Li2Oのうち少なくもLi2Oを含む
2種以上を10〜25%、ZnO,MgO,BaO,CaOのうち少なくと
もBaOとZnOを含む2種以上を4〜26%、B2O3,Al2O3,SbO
3のうち少なくともB2O3を含む1種以上を5〜20%、そ
の他の成分としてP2O5とMoO3の合計を1〜6.5%含有す
るとともに、SiO2/TiO2の値が65/35〜40/60の範囲内に
ある高温で乳濁結晶化マツト質を形成するフリツトが好
適である。またこのフリツトに添加するFeCl3の量をフ
リツト100重量部に対して0.05〜2.0重量部に限定するの
は、0.05重量部未満だと焼成後の模様の縁取部が淡黄色
となり、また2.0重量%を越えると濃茶色となり、いず
れも金縁として最適な黄金色が得られないからである。
ツト質ほうろう層形成用のフリツトとしては、その金属
酸化物組成(重量%)として、SiO2とTiO2とZrO2の合計
を40〜65%、Na2O,K2O,Li2Oのうち少なくもLi2Oを含む
2種以上を10〜25%、ZnO,MgO,BaO,CaOのうち少なくと
もBaOとZnOを含む2種以上を4〜26%、B2O3,Al2O3,SbO
3のうち少なくともB2O3を含む1種以上を5〜20%、そ
の他の成分としてP2O5とMoO3の合計を1〜6.5%含有す
るとともに、SiO2/TiO2の値が65/35〜40/60の範囲内に
ある高温で乳濁結晶化マツト質を形成するフリツトが好
適である。またこのフリツトに添加するFeCl3の量をフ
リツト100重量部に対して0.05〜2.0重量部に限定するの
は、0.05重量部未満だと焼成後の模様の縁取部が淡黄色
となり、また2.0重量%を越えると濃茶色となり、いず
れも金縁として最適な黄金色が得られないからである。
またマツト質ほうろう層形成用のフリツトにFeCl3を
添加したほうろう釉薬は、100μm以上の厚さに施釉す
るのが好ましく、100μm未満の厚さでは模様全体が黄
金色となりかつ単調となるので好ましくない。またこの
釉薬の焼成温度は720〜860℃でおこなうのが好ましく、
720℃未満だと乳濁結晶性のマツト質に形成し難く通常
のグロス質のFeCl3で変色したほうろう模様となり単調
柄となるので好ましくない。またグロス質のフリツトに
微珪石粉等マツト質化させる原料を加えた釉薬(後記実
施例のC釉参照)を用いる場合、焼成温度が720℃未満
だと焼成時間が非常に長くなり、得られるほうろう層も
耐酸性、ベースコートとの密着性等の耐久性が著しく低
下するので好ましくない。また釉薬の焼成温度が860℃
を越えると、マツト質模様釉薬部の結晶化が進み過ぎて
完全に艶消しとなり、またグロス質部と模様部の境界に
Fe イオンの拡散によりシミ状の汚れが付き、所望の金
縁状の模様となり難いので好ましくない。
添加したほうろう釉薬は、100μm以上の厚さに施釉す
るのが好ましく、100μm未満の厚さでは模様全体が黄
金色となりかつ単調となるので好ましくない。またこの
釉薬の焼成温度は720〜860℃でおこなうのが好ましく、
720℃未満だと乳濁結晶性のマツト質に形成し難く通常
のグロス質のFeCl3で変色したほうろう模様となり単調
柄となるので好ましくない。またグロス質のフリツトに
微珪石粉等マツト質化させる原料を加えた釉薬(後記実
施例のC釉参照)を用いる場合、焼成温度が720℃未満
だと焼成時間が非常に長くなり、得られるほうろう層も
耐酸性、ベースコートとの密着性等の耐久性が著しく低
下するので好ましくない。また釉薬の焼成温度が860℃
を越えると、マツト質模様釉薬部の結晶化が進み過ぎて
完全に艶消しとなり、またグロス質部と模様部の境界に
Fe イオンの拡散によりシミ状の汚れが付き、所望の金
縁状の模様となり難いので好ましくない。
(作用) この発明においては、第1図に示すように、金属基板
1上に設けたグロス質ほうろう層もしくは該ほうろう層
形成用の施釉層から成るベース層2の上に、マツト質ほ
うろう層形成用のフリツトにFeCl3を所定量添加したほ
うろう釉薬3を施釉すると、施釉後焼成に至るまでの間
に、前記ほうろう釉薬3中の水分に溶解したFeCl3分4
が模様状のフリツト層5の周囲に流れ出して、フリツト
層5を縁取りする形で囲繞する。この状態で焼成される
とFeCl3のFe分が黄金色に発色し、金縁状の縁取部を形
成するに至る。
1上に設けたグロス質ほうろう層もしくは該ほうろう層
形成用の施釉層から成るベース層2の上に、マツト質ほ
うろう層形成用のフリツトにFeCl3を所定量添加したほ
うろう釉薬3を施釉すると、施釉後焼成に至るまでの間
に、前記ほうろう釉薬3中の水分に溶解したFeCl3分4
が模様状のフリツト層5の周囲に流れ出して、フリツト
層5を縁取りする形で囲繞する。この状態で焼成される
とFeCl3のFe分が黄金色に発色し、金縁状の縁取部を形
成するに至る。
(実施例) 以下この発明の実施例および比較例を説明する。
先ず金属基板としては厚さ1.6mmのSPP鋼板を10cm角に
切断したものを用い、通常の酸洗、Niデイツプ、中和の
前処理を施したものを使用した。
切断したものを用い、通常の酸洗、Niデイツプ、中和の
前処理を施したものを使用した。
次にほうろう用フリツトとしては、第1表に示す組成
のフリツトを用い、第2表に示す釉薬A〜Iを調整し
た。この釉薬としては、第2表に示す調合原料を1.5kg
アルミナ玉石入300gポツトミルで45分間粉砕後、60メツ
シユふるいでオールパスしたものを用い、スリツプ比重
は1.70〜1.75に調整した。なお表中ベース釉とはほうろ
う基板上にグロス質ほうろう層を形成するための釉薬、
模様釉とはこのグロス質ほうろう層上に模様状のほうろ
う層を形成させるための釉薬である。
のフリツトを用い、第2表に示す釉薬A〜Iを調整し
た。この釉薬としては、第2表に示す調合原料を1.5kg
アルミナ玉石入300gポツトミルで45分間粉砕後、60メツ
シユふるいでオールパスしたものを用い、スリツプ比重
は1.70〜1.75に調整した。なお表中ベース釉とはほうろ
う基板上にグロス質ほうろう層を形成するための釉薬、
模様釉とはこのグロス質ほうろう層上に模様状のほうろ
う層を形成させるための釉薬である。
上記の釉薬を用いて第3表に示す組合せで釉薬の施釉
焼成をおこなつたところ、同表に示す模様縁取部の呈色
を有するほうろう製品が得られた。以下その内容を説明
する。
焼成をおこなつたところ、同表に示す模様縁取部の呈色
を有するほうろう製品が得られた。以下その内容を説明
する。
[実施例1] 金属基板上に下釉としてA釉を80〜150μm施釉焼成
後、B釉を100〜150μm施釉したものを再び焼成し、こ
のグロス質ほうろう層11の上に第2図(a)に示すよう
にE釉から成る模様釉12をスプレーガンのエア調節によ
り斑点状に、かつ斑点の一粒の厚さが100μm以上とな
るように施釉し、乾燥後800℃で5分間焼成した。その
結果第2図(b)に示すように、チタン白のグロス質ほ
うろう層11の上に、マツト質の乳濁色の模様部13と、こ
の模様部13を縁取りする黄金色の縁取部14とにより色分
けされた金縁模様を有するほうろう製品15が得られた。
後、B釉を100〜150μm施釉したものを再び焼成し、こ
のグロス質ほうろう層11の上に第2図(a)に示すよう
にE釉から成る模様釉12をスプレーガンのエア調節によ
り斑点状に、かつ斑点の一粒の厚さが100μm以上とな
るように施釉し、乾燥後800℃で5分間焼成した。その
結果第2図(b)に示すように、チタン白のグロス質ほ
うろう層11の上に、マツト質の乳濁色の模様部13と、こ
の模様部13を縁取りする黄金色の縁取部14とにより色分
けされた金縁模様を有するほうろう製品15が得られた。
[実施例2] 実施例1と同様にほうろう基板上にグロス質ほうろう
層を形成後、この上に模様部を切抜いたアルミ製の型板
を当て、E釉を100μm以上の厚さとなるように通常に
スプレー施釉し、乾燥後型板を除去し、800℃で5分間
焼成した結果、第3図および第4図に示すような模様部
21を黄金色の縁取部22で縁取りした金縁模様を有するほ
うろう製品23が得られた。図中24は金属基板、25は下
釉、26は上釉の各ほうろう層を示す。
層を形成後、この上に模様部を切抜いたアルミ製の型板
を当て、E釉を100μm以上の厚さとなるように通常に
スプレー施釉し、乾燥後型板を除去し、800℃で5分間
焼成した結果、第3図および第4図に示すような模様部
21を黄金色の縁取部22で縁取りした金縁模様を有するほ
うろう製品23が得られた。図中24は金属基板、25は下
釉、26は上釉の各ほうろう層を示す。
[実施例3,4] 実施例1,2において、B釉を施釉し乾燥(半ば乾燥)
させた上に、F釉をスプレーにより斑点状に施釉(実施
例3)および型板により模様上に施釉(実施例4)し、
乾燥後800℃で5分間焼成したところ、第5図に示すよ
うに実施例1,2に比べて縁取部22の巾が広い金縁模様が
得られた。この実施例では未焼成で乾燥状態の上釉26層
の上に模様釉を施釉したので、FeCl3分が水分と共に上
釉26層中に滲込むため、焼上り状態における縁取部22は
上釉26層中に沈込んだ感じとなつていた。なお図中第4
図と同一部分には第4図と同一符号を付してある。
させた上に、F釉をスプレーにより斑点状に施釉(実施
例3)および型板により模様上に施釉(実施例4)し、
乾燥後800℃で5分間焼成したところ、第5図に示すよ
うに実施例1,2に比べて縁取部22の巾が広い金縁模様が
得られた。この実施例では未焼成で乾燥状態の上釉26層
の上に模様釉を施釉したので、FeCl3分が水分と共に上
釉26層中に滲込むため、焼上り状態における縁取部22は
上釉26層中に沈込んだ感じとなつていた。なお図中第4
図と同一部分には第4図と同一符号を付してある。
[実施例5〜8] 実施例1および3において、模様釉としてFeCl3の含
有量が下限値および上限値であるD釉とG釉を用い、他
の条件は実施例1および3と同一条件で施釉焼成をおこ
なつたところ、呈色の濃淡は見受けられるものの黄金色
系の縁取部を有する金縁模様が形成されることを確認し
た。
有量が下限値および上限値であるD釉とG釉を用い、他
の条件は実施例1および3と同一条件で施釉焼成をおこ
なつたところ、呈色の濃淡は見受けられるものの黄金色
系の縁取部を有する金縁模様が形成されることを確認し
た。
[実施例9] 実施例1において、焼成したB釉の上に、予めマツト
釉に調整されたC釉をスプレーガンにより斑点状に施釉
焼成したところ、実施例1と同様に黄金色の縁取部を有
する斑点模様が得られた。
釉に調整されたC釉をスプレーガンにより斑点状に施釉
焼成したところ、実施例1と同様に黄金色の縁取部を有
する斑点模様が得られた。
以上の各実施例で得られた製品(テストピース)につ
いて、性能試験としてJISR−4301「ほうろう製品の品質
基準」により耐酸性(10%クエン酸使用)と、鋼球落下
試験による密着性を確認したところ、耐酸性はA級であ
り、密着性については剥離もなく異常なしであつた。
いて、性能試験としてJISR−4301「ほうろう製品の品質
基準」により耐酸性(10%クエン酸使用)と、鋼球落下
試験による密着性を確認したところ、耐酸性はA級であ
り、密着性については剥離もなく異常なしであつた。
[比較例1〜4] 実施例1および3において、模様釉としてFeCl3の含
有量が多い(2.2部)H釉と、FeCl3の含有量が少ない
(0.03部)I釉を用い、他の条件は実施例1および3と
同一条件で施釉焼成をおこなつたところ、H釉使用のも
のでは縁取部が濃茶色、I釉使用のものでは縁取部が目
立たない淡黄色のものとなり、外観の劣るものしか得ら
れなかつた。
有量が多い(2.2部)H釉と、FeCl3の含有量が少ない
(0.03部)I釉を用い、他の条件は実施例1および3と
同一条件で施釉焼成をおこなつたところ、H釉使用のも
のでは縁取部が濃茶色、I釉使用のものでは縁取部が目
立たない淡黄色のものとなり、外観の劣るものしか得ら
れなかつた。
またさらに模様釉焼成温度条件確認のために、実施例
1(模様釉=E釉)および実施例9(模様釉=C釉)に
おいて、模様釉施釉後の焼成温度を700℃および880℃と
して他の条件は同一条件で比較試験をおこなつたとこ
ろ、先ず焼成温度700℃(焼成時間:5分)では、E釉の
場合、乳濁結晶性のマツト質化が進まず、マツト化前の
グロス質黄褐色状の単調な斑点模様しか得られず、また
C釉の場合は焼甘により発色、密着性、耐酸性が著しく
劣るものしか得られなかつた。次に焼成温度880℃(焼
成時間:5分)では、E釉の場合、高温のため完全艶消し
状態となり、またベース色側にFeイオンの拡散による汚
染が著しく、かつ金縁状とは見えない商品価値の乏しい
柄付となつた。またC釉の場合はマツト質化原料がグロ
ス質フリツトに溶解し易くなつたためか、模様全体がベ
ース色の光沢に近づき、700℃でE釉を焼成したのと同
様な単調な模様を有するものしか得られなかつた。
1(模様釉=E釉)および実施例9(模様釉=C釉)に
おいて、模様釉施釉後の焼成温度を700℃および880℃と
して他の条件は同一条件で比較試験をおこなつたとこ
ろ、先ず焼成温度700℃(焼成時間:5分)では、E釉の
場合、乳濁結晶性のマツト質化が進まず、マツト化前の
グロス質黄褐色状の単調な斑点模様しか得られず、また
C釉の場合は焼甘により発色、密着性、耐酸性が著しく
劣るものしか得られなかつた。次に焼成温度880℃(焼
成時間:5分)では、E釉の場合、高温のため完全艶消し
状態となり、またベース色側にFeイオンの拡散による汚
染が著しく、かつ金縁状とは見えない商品価値の乏しい
柄付となつた。またC釉の場合はマツト質化原料がグロ
ス質フリツトに溶解し易くなつたためか、模様全体がベ
ース色の光沢に近づき、700℃でE釉を焼成したのと同
様な単調な模様を有するものしか得られなかつた。
(発明の効果) 以上説明したようにこの発明によれば、安価な原料を
用いて簡単な工程により、金縁模様を有するほうろう製
品を低コストで得ることができる。
用いて簡単な工程により、金縁模様を有するほうろう製
品を低コストで得ることができる。
第1図(a),(b)はこの発明の発色機構を示す拡大
断面図、第2図(a),(b)はこの発明の一実施例を
示すほうろう製品の部分平面図、第3図はこの発明の他
の実施例を示すほうろう製品の平面図、第4図は第3図
の部分拡大断面図、第5図はこの発明のさらに他の実施
例を示す第4図相当図である。 1……金属基板、2……ベース層、3……ほうろう釉
薬、4……FeCl3、11……グロス質ほうろう層、13……
模様部、14……縁取部、15……ほうろう製品、21……模
様部、22……縁取部、23……ほうろう製品、24……金属
基板、25……下釉、26……上釉。
断面図、第2図(a),(b)はこの発明の一実施例を
示すほうろう製品の部分平面図、第3図はこの発明の他
の実施例を示すほうろう製品の平面図、第4図は第3図
の部分拡大断面図、第5図はこの発明のさらに他の実施
例を示す第4図相当図である。 1……金属基板、2……ベース層、3……ほうろう釉
薬、4……FeCl3、11……グロス質ほうろう層、13……
模様部、14……縁取部、15……ほうろう製品、21……模
様部、22……縁取部、23……ほうろう製品、24……金属
基板、25……下釉、26……上釉。
Claims (1)
- 【請求項1】金属基板上に付設したグロス質のほうろう
層もしくは該ほうろう層形成用の施釉層から成るベース
層の上に、マツト質ほうろう層形成用のフリツト100重
量部に対してFeCl3を0.05〜2.0重量部添加したほうろう
釉薬を、100μm以上の厚さとなるように模様状に施釉
し、720〜860℃の焼成温度で焼成することを特徴とする
金縁模様を有するほうろう製品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19965387A JP2572603B2 (ja) | 1987-08-10 | 1987-08-10 | 金縁模様を有するほうろう製品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19965387A JP2572603B2 (ja) | 1987-08-10 | 1987-08-10 | 金縁模様を有するほうろう製品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6442582A JPS6442582A (en) | 1989-02-14 |
JP2572603B2 true JP2572603B2 (ja) | 1997-01-16 |
Family
ID=16411411
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19965387A Expired - Lifetime JP2572603B2 (ja) | 1987-08-10 | 1987-08-10 | 金縁模様を有するほうろう製品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2572603B2 (ja) |
-
1987
- 1987-08-10 JP JP19965387A patent/JP2572603B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6442582A (en) | 1989-02-14 |
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