JP2572446B2 - 空心コイル巻線挿入装置 - Google Patents

空心コイル巻線挿入装置

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JP2572446B2
JP2572446B2 JP1158264A JP15826489A JP2572446B2 JP 2572446 B2 JP2572446 B2 JP 2572446B2 JP 1158264 A JP1158264 A JP 1158264A JP 15826489 A JP15826489 A JP 15826489A JP 2572446 B2 JP2572446 B2 JP 2572446B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電子チューナの電気回路等に用いられる空心
状のコイル(高周波コイル)の巻線および基板への挿入
を行なう空心コイル巻線挿入装置に関する。
〔従来の技術〕
従来の空心コイルの挿入装置は特開昭62−178000号公
報に記載のようにあらかじめ所定形状に巻線されたコイ
ルをコイル供給部で位置決めして、この状態からコイル
のリードを左右よりチャックして基板へ挿入している。
またコイルの巻線装置は一般に巻軸にコイルを巻いたの
ち巻軸の下部に設置したシュート上にばら状態で落下さ
せており、これらのコイルを何らかの手段によりコイル
供給部で位置決めしチャックして基板へ挿入している。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は空心コイルの巻線工程と挿入工程が分
れているので巻線されたコイルがフリーの状態になるた
め、ばら状態のコイルを分離・整列させる装置が必要で
あって特に柔軟なコイルがからみ易いため分離・整列さ
せる点での信頼性の問題があった。またコイルの高密度
挿入および多種類コイルの挿入の点について配慮がされ
ておらず、隣接部品とチャックが干渉して挿入できない
とか異なるリードピッチのコイルが挿入できないなどの
問題があった。
本発明の目的は巻線したコイルの位置決めの信頼性向
上ならびにコイルの高密度挿入および多種類コイルの挿
入ができる空心コイル巻線挿入装置を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明による空心コイル
巻線挿入装置は巻線ピッチがあらく巻かれたコイルや線
径の細い柔軟なコイルをばら状態から分離し整列するこ
とが信頼性を上げるうえで非常な困難性がある点を考慮
し、巻線されたコイルが巻軸上にある時点でコイルリー
ドをクランプして位置決めし、その後に巻線からコイル
を取り外し、この状態のまま2本のコイルリードをチャ
ックし直して基板へ挿入する構成とし、巻軸に巻線した
コイルをばら状態にすることなく連続的に位置決めして
基板へ挿入するようにしたものである。また上記基板へ
の挿入にはコイルリードを斜め上方からスライドする一
対のチャック爪で把持する構成とし、基板上へコイルを
高密度挿入できるようにしたものである。さらに上記一
対のチャック爪をユニット化して各コイルリード1本毎
のユニットをリードピッチ方向に移動可能にし、上記コ
イルの巻線にはインデックステーブル上に複数種の巻軸
を設置して切り換える構成とし、多種コイルの巻線およ
び挿入を行なえるようにしたものである。
〔作用〕
上記の空心コイル巻線挿入装置は巻線したコイルをば
ら状態にすることなく巻軸上にある状態で位置決めした
のち、巻軸からコイルを取り外した状態のままコイルリ
ードをチャックして基板へ挿入するので、コイルのばら
状態からの分離・整列作業が不要となることから機構の
簡素化と共にコイル同士のからみやリードの曲り等の発
生要因の除去が可能となるため、コイルの位置決めおよ
び挿入作業における信頼性が大幅に向上する。また上記
コイル挿入のさいにコイルリードを斜め上方からチャッ
クするので、基板上の既挿入コイルとチャック爪との干
渉がなくなるためコイルの高密度挿入ができる。さらに
上記2組のチャック爪のピッチを可変として例えば4個
の巻軸径を各々変えることにより、多種コイルへの対応
を可能にして巻径や巻数の異なるコイルを巻線し挿入す
ることができる。
〔実施例〕
以下に本発明の一実施例を第1図から第32図により説
明する。
第1図は本発明による空心コイル巻線挿入装置の一実
施例を示す装置全体の斜視図である。第2図は第1図の
コイルと基板の斜視図である。
本装置の概要を第1図と第2図により説明する。第1
図の巻線治具部Aはベース3の上に固定された間欠駆動
装置4の出力軸に固定されたインデックスプレートの上
に4個の巻線治具が90゜間隔で配置される。巻線リード
成形部Bは第2図のコイル1を巻線してココイルリード
1a,1bを所定形状に成形する。リード位置決め部Cは巻
軸上のコイル1のリード1a,1bを位置決めクランプして
コイルリードクランプ治具部へ移し替える。XY位置決め
ユニットDは挿入ヘッド部EをXY座標方向へ移動させる
ための直線スライドとボールねじとDCモータなどから成
る。挿入ヘッド部Eはコイル1のリード1a,1bを把持し
て所定の基板穴2a,2bへ挿入する。線材送出部Fはリー
ルに巻かれた線材をモータにより送り出す。搬送コンベ
ア部Gは基板2を搬送する。コイルリードクランプ治具
部Hはコイルリード1a,1bをクランプする。巻軸回転駆
動部Iは巻線を回転駆動する。これらの各部A〜Iはベ
ース3の上に取り付けられる。この他に図示していない
制御部が装置本体内に収納される。
上記の構成で、線材送出部Fからリールに巻かれた線
材が所定経路を通って巻線リード成形部Bへ送られる。
巻線リード成形部Bでは巻軸回転駆動部Iにより回転駆
動される巻線治具部Aの巻軸にコイル1の所定形状に線
材を巻線してコイルリード1a,1bを成形する。つぎに巻
軸上のコイル1が間欠駆動装置4によりインデックスプ
レートを1インデックス(90゜)回転してリード位置決
め部Cへ送られる。リード位置決め部Cではコイル1の
リード1a,1bを所定ピッチに位置決め後に巻軸からコイ
ル1を抜き取ってコイルリードクランプ治具部Hへ移し
替える。つぎにインデックスプレートを90゜回転した位
置が空きステーションであり、さらに次の90゜回転によ
ってコイル1がXY位置決めユニットDの挿入ヘッド部E
へのコイル受渡し位置へくる。ここではXY位置決めユニ
ットDによりコイルリードクランプ治具部Hの真上まで
移動した挿入ヘッドEが下降し、2本のコイルリード1
a,1bを各々対になったチャック爪で把持して上昇したの
ち、基板2の所定位置まで移動後に再び下降して基板2
の所定の穴2a,2bにコイルリード1a,1bを挿入する。上記
の概略手順をくり返して所定量のコイル1を基板2に挿
入したのち、基板2は搬送コンベアGにより次工程へ送
られると同時に次の基板1が送られてくる。つぎに各部
の詳細を説明する。
第3図は第1図の巻線軸部Aとコイルリードクランプ
治具部Hの一部断面正面図である。第4図は第1図の巻
線回転駆動装置部Iと一部の巻線軸部Aの正面図であ
る。第5図は第3図のリードチャック治具部HのA−
A′矢視図である。第6図は第1図の一部の巻線治具部
Aと巻線リード成形部Bの斜視図である。
巻線治具部Aとコイルリードクランプ治具部Hと巻軸
回転駆動部Iを第3図から第6図により説明する。第3
図のベース3に固定された間欠駆動装置4の回転出力軸
5にインデックスプレート6が固着されており、インデ
ックスプレート6上に巻線治具部Aの4個の巻線治具が
90゜間隔で配置される。インデックスプレート6に固定
されたブロック7にベアリング11a,11bで回転自在に支
持された軸9とベアリング12a,12bで回転自在に支持さ
れた軸13とがあり、軸9と軸13の一端には各々かさ歯車
8とかさ歯車10とが直角にかみ合っている。軸13の他端
にはフランジ14が固定され、フランジ14の穴14cにはピ
ン15が係合する。ピン15は2本のバー17a,17bに固定さ
れたプレート16に固着される。バー17a,17bはブロック
に摺動自在に組み込まれ、圧縮ばね18によりピン15を介
してフランジ14の回転を防止する。軸9の他端には巻軸
22が固着され、外径の一部を切り欠き、コイル押え21が
ピン20を支点として圧縮ばね19を介し揺動自在に組み込
まれる。
第4図の巻軸回転駆動部Iのベース3に固定の支柱61
に固定されたスライドブロック62の上にパルスモータ64
とブロック68が固定される。パルスモータ64の回転軸に
はブロック68に回転自在に支持された軸66が接続され、
軸66の他端にはフランジ67が固着され、フランジ67には
ピン69が固着される。支柱61に固定されたシリンダ63の
ロッドはスライドブロック62に接続される。シリンダ63
によりスライドブロック62が下降するとブロック68に固
着されたバー65が巻線治具部Aのプレート16に当接し、
さらに下降するとプレート16のピン15がフランジ14の穴
14c(第6図)から抜ける。同時にフランジ67のピン69
がフランジ14の別の穴14a,14b(第6図)と係合し、こ
の位置でパルスモータ64が回転するとピン69とフランジ
14を介して軸13(第3図)に回転を伝達し、さらにかさ
歯車10,8を介して軸9に回転を伝達して巻軸22が回転す
る。
つぎに第3図のブロック7とインデックスプレート6
に両端を固定されたガイドバー24a,24bにはコイルリー
ドクランプ治具部Hの中空ブロック25が摺動自在に組み
込まれ、さらに圧縮ばね23により常に一端に押圧され
る。中空ブロック25には4本のバー29a,29b,29c,29dが
第5図のように固着され、バー29a,29dにはチャック爪2
7がバー29b,29cにはチャック爪26が各々第5図のように
摺動自在に組み込まれ、第5図の圧縮ばね59a,59bによ
りコイル1のリード1a,1bを互いに把持する方向に押圧
される。また第5図のチャック爪27,26の下部には各々
ピン30a,30bが固着され、ピン30a,30bには各々ローラ28
a,28bが回転自在に固着される。ローラ28a,28bの間にリ
ード位置決め部Cのテーパ面を有する開閉カム81を挿入
することにより圧縮ばね59a,59bをたわませてチャック
爪26,27が左右に開く。リード位置決め部Cの開閉カム8
1と挿入ヘッド部Eのチャック爪150は後に説明される。
巻線リード成形部Bを第6図により説明する。第6図
の一部の巻線治具部Aのブロック7とかさ歯車10,8と巻
軸22などの巻線治具は先に説明しており、つぎに巻線リ
ード成形部Bのコイル1を巻線してコイルリード1a,1b
を所定形状に成形するのを説明する。まず第6図の巻線
リード成形部Bの巻線リード成形機構を説明する。第6
図のベース3上に固定され摺動自在に動くスライド52上
にLプレート31が固定される。Lプレート31の下部はボ
ールねじ51と係合し、ボールねじ51の他端はベース3上
に固定のパルスモータ35の回転軸に接続される。従って
パルスモータ35の回転によりボールねじ51が回転してL
プレート31が矢印X−X′方向に移動する。Lプレート
31の上部には上下摺動自在なスライダ54が固定され、さ
らにスライダ54に上成形矢36が固定される。Lプレート
31の上部に固定のシリンダ37のロッド37aの先端は上成
形矢36に固定され、また上成形矢30の側面には上部カッ
タ38が固着される。同様にLプレート31の中間部には下
成形矢32が図示していないスライダを介して上下摺動自
在に固定され、その下端にはLプレート31に固定のシリ
ンダ33のロッド33aの先端が固定され、まち下成形矢32
の側面には下部カッタ34が固定される。
ついで線材送出部Fから送られる線材の第6図の巻線
治具成形部Aの線材送り機構を説明する。第6図のベー
ス3上に固定され摺動自在に動くスライダ52に固定され
たプレート48にブラケット43が固定され、またプレート
48にはベース3上に固定のパルスモータ50の回転軸と接
続されたボールねじ49が回転自在に係合する。ブラケッ
ト43に固定されたシリンダ47のロッドはロック爪44に揺
動自在に接続され、ロック爪44はブラケット43上の固定
位置のピン45を支点に揺動する。Lプレート46はブラケ
ット43に固定され、シリンダ47によりピン45を支点にロ
ック爪44を回転させると、線材100はLプレート46とロ
ック爪44の先端とにはさまれてクランプされる。この状
態でパルスモータ50が所定量だけ回転することにより、
ボールねじ49の回転でブラケット43を矢印Y−Y′方向
に送って、線材100を巻線治具部Aの巻軸22の所定位置
に送り出す。巻線リード成形機構の定位置のノズル39は
通常には線材100を通過させるが、巻線時には矢印Z−
Z方向に移動して線位置を規制する。一方で第6図の一
部の巻線治具部Aの巻線治具のブロック7の側面にプレ
ート40が固定され、プレート40にはピン41を支点にレバ
ー42が回転自在に支持され、レバー42の一端は通常には
コイル押え21とわずかなギャップを保っている。
つぎに巻線リード成形部Bの動作を第7図から第11図
により説明する。第7図から第11図は巻線リード成形部
Bのコイル巻線とリード成形の動作説明図である。まず
第7図のように第6図の巻線リード成形部Bの線材送り
機構のピン45を支点とするロック爪44とLプレート46と
にクランプされた線材100はY方向に巻線リード成形機
構のノズル39を通して巻線治具部Aの巻軸22の上部の所
定位置までパルスモータ50の回転により送られる。つぎ
に第8図のように巻線リード成形機構の上成形矢36と下
成形矢32が第6図のシリンダ37,33により巻軸22を中心
にして互いに接近する方向に移動する。ここで線材100
の先端部をはさむ上成形矢36には巻軸22を逃げる型の
溝が形成され、下成形矢32には巻軸22を逃げる型の溝
が形成されているので、線材100の先端部を型溝の内
面で巻軸22の外周部から軸方向と直角に折りまげること
により巻始めリード1aを形成する。このとき巻線治具部
Aのコイル押え21は第6図のレバー42の作用で圧縮ばね
19をたわませてピン20を支点に巻軸22の外周に対して線
材100が入るに十分な隙間を保持している。また上成形
矢36の上部カッタ38の側は第6図のように矢印Z−Z′
方向で線材100が逃げる形状である。ついで第8図の線
材100が直角に折り曲げたのち、第6図のレバー42が逃
げて圧縮ばね19によりコイル押え21の先端が線材100を
1本分のみクランプする。つぎに第9図のように上成形
矢36と下成形矢32が各々元の位置に戻り、同時にロック
爪44がシリンダ47により線材100を開放する方向に揺動
し、その後にパルスモータ50によりY′方向に元の位置
へ戻る。この状態で巻軸22が所定量だけ回転してコイル
1を形成する。この巻軸22の回転は第4図の巻軸回転駆
動部Iのパルスモータ64とフランジ67などにより先に説
明した通りに行なわれる。ここで巻軸22は所定の巻数プ
ラス角度θ分だけ余分に巻いた位置で停止する。
ついで第10図のように巻軸22の回転中に第6図の巻線
リード成形機構のパルスモータ35によりLプレート31が
矢印X方向に寸法lだけ移動する。従って上成形矢36と
下成形矢32ともに寸法Lの型溝の内面のうちの巻始め
リード1aを成形した面とは反対側の面がコイル1の外径
と接する位置に移動する。この状態で再び上成形矢36と
下成形矢32を動作させ、コイル1の終端部をはさんで
型溝の内面で巻軸22の外周部から軸方向と直角に折り曲
げることにより巻終りリード1bを成形する。同時に上部
カッタ38と下部カッタ34の間に線材100をはさんで切断
する。つぎに第11図のように上成形矢36と下成形矢32が
元の位置に戻ると、巻終りリード1bはスプリングバック
により角度θ分だけ戻って巻始めリード1aの方向位置と
一致する。すなわち角度θ分はスプリングバック量であ
り、コイル1の巻数と線径などにより変化する。従って
このスプリングバック量をあらかじめ把握しておくと、
第4図の巻軸回転駆動部Iのパルスモータ64の回転量に
置き替えて制御部に入力することにより、部品交換や調
整等がなくてソフトウェア的に対応可能である。また第
6図の巻線リード成形部Bのパルスモータ35で上下成形
矢36,32の各々を巻軸22に対して相対的に第10図の寸法
lだけ移動させることは多種類の巻軸22径に対応可能で
あり、寸法lが多種ある場合には巻軸22径によりパルス
モータ35の回転量を各々制御するようにそのデータを入
力することにより連続的に可変可能である。第11図から
以降はコイルリード1a,1bが下部の下成形矢32側に向く
ように巻軸22が回転したのち、第4図の巻軸回転駆動部
Iのシリンダ63によりフランジ67とピン69が上昇して巻
線治具部Aのフランジ14との連絡が切れる。同時にフラ
ンジ14にピン15が係合して巻軸22の回転が規制される。
第12図は第1図のリード位置決め部Cの平面図であ
る。第13図は第1図のリード位置決め部Cの側面図であ
る。第12図と第13図は第1図の一部の巻線治具部Aとコ
イルリードクランプ治具部Hがともに示してある。
リード位置決め部Cを第12図と第13図により説明す
る。リード位置決め部Cは第3図の巻線治具部Aの巻軸
22に巻かれたコイル1を第5図のコイルリードクランプ
治具部Hへ移し替える。第12図と第13図のベース3(第
13図)にブラケット71が固定され、ブラケット72にプレ
ート72が固定される。プレート72には固定スライダ73
(第13図)とシリンダブラケット75が固定される。固定
スライド73には摺動自在に可動スライド74が係合し、可
動スライダ74にはスライドベース78が固定される。シリ
ンダブラケット75には固着されたシリンダ76のロッド76
aの先端はスライドベース78に固定されたブラケット77
に固着される。さらにスライドベース78上には固定スラ
イド79とシリンダブラケット83が固着される。シリンダ
ブラケット83にはシリンダ84(第12図)が固着され、そ
のロッド85の先端はプレート81の突起部に接続される。
プレート81は固定スライド79に摺動自在に係合する可動
スライド80(第13図)に固定される。シリンダ82はプレ
ート81に固定されており、そのロッド82aの先端にはカ
ムプレート86が固定される。またプレート81には固定ス
ライド90(第13図)が固定され、この固定スライド90に
可動スライド91が摺動自在に係合する。プレート81の先
端部にはストッパ92を有する。固定スライド90と可動ス
ライド91は各々2個づつプレート81上に設けられてお
り、一方の可動スライド91には位置決めプレート87が固
着されるとともに、他方の可動スライド95(第12図)に
は位置決めプレート89が固着される。位置決めプレート
87の一端にはローラ88aが位置決めプレート89の一端に
はローラ88bが各々回転自在に取り付けられる。ピン96
a,96b(第12図)は位置決めプレート87,89に各々固着さ
れ、ピン96a,96bには引張ばね93の一端が各々かけられ
ている。これによりローラ88a,88bは常時にカムプレー
ト86の側面に押圧される。また位置決めプレート87,89
の他端には2個のV溝をもつ位置決め部87a,87b,89a,89
b(第12図)を各々有する。つぎに第13図のスライドベ
ース78の先端部にはシリンダ95と固定スライド93が固定
され、固定スライド93には可動スライド94が摺動自在に
係合する。可動スライド94には開閉カム81が固定され、
開閉カム81の一端にはシリンダ95のロッドが接続され
る。従ってシリンダ95により開閉カム81が往復動する。
これは先に説明した第5図のコイルリードクランプ治具
部Hのローラ28a,28bの間に開閉カム81が入り、圧縮ば
ね59a,59bをたわませてチャック爪26,27を開く。
つぎにリード位置決め部Cの動作を第14図から第17図
により説明する。第14図から第17図はリード位置決め部
Cのコイルリード位置決めの動作説明図である。まず第
14図のように第13図の状態はシリンダ76により可動スラ
イド74をガイドにしてスライドベース78が途中まで矢印
U方向に前進し、ストッパ92がコイルリードクランプ治
具部Hの中空ブロック25に当接した位置にあり、この位
置でシリン76のロット76aの前進が一時停止する。この
シリンダ76は空圧回路および電気的指令により中間停止
する。ついでシリンダ95により開閉カム81がコイルリー
ドクランプ治具部Hのローラ28a,28bの間に入ってチャ
ック爪26,27を開くと第14図の状態になる。つぎに第15
図のように第13図のシリンダ76によりスライドベース78
が前進すると、ストッパ92に当接したコイルリードクラ
ンプ治具部Hの中空ブロック25が巻線治具部Aのガイド
バー24a,24bの圧縮ばね23をたわませて共に巻軸22のコ
イル1の下部まで前進する。この状態で第15図の位置決
め部87b,89bの2個のV溝でコイルリード1a,1bをガイド
する。このガイド動作は第12図のシリンダ82によりカム
プレート86が矢印V′方向にスライドすることにより位
置決め部87b,89bが閉じる動作で行なわれる。ついで第1
3図のシリンダ94により開閉カム81が動作し、チャック
爪26,27が閉じてコイルリード1a,1bを把持する。ついで
コイル押え21を開いてコイル1をクランプ状態から開放
する。これは第6図の巻線治具部Aのレバー42により圧
縮ばね19をたわませて行なう。その動力源は図示してい
ない。
ついで第16図のようにこの状態で第13図のシリンダ76
のロッド76aが矢印U′方向に後退し、これによりコイ
ルリードクランプ治具部Hの中空ブロック25のチャック
爪26,27がコイル1のリード1a,1bを把持したまま後退す
るので、巻軸22からコイル1が抜ける。ついで第17図の
ようにシリンダ76のロッド76aは中間位置で再び停止す
る。これは第13図に示す位置である。ここで第12図のシ
リンダ82が動作し、カムプレート86が矢印V方向に移動
して位置決め部87b,89bを開く。第17図から以降はこの
ままの位置では第13図のストッパ92がコイルリードクラ
ンプ治具部Hの中空ブロック25に当接したままなので巻
線治具部Aのインデックスプレート6が次ステーション
への90゜回転ができない。このため第13図のシリンダ76
によりスライドベース78に固着されているもの全てがさ
らに後退して所定位置で停止する。これにより巻線治具
部Aの巻軸22上にあったコイル1は所定間隔にコイルリ
ード1a,1bを位置決めされた状態でコイルリードクラン
プ治具部Hへ移し替えられる。また第12図のシリンダ84
によりプレート81が矢印W−W′方向に移動することに
より、コイル1のリード1a,1bのピッチが2種ある場合
でも、これに対応した2個のV溝ピッチP1,P2を有する
位置決め部87b,89bと87a,89aを設け、シリンダ84により
寸法Mだけ移動して切り替えることにより2種のコイル
1に対応可能である。
第18図は第1図の挿入ヘッド部Eの一部断面正面図で
ある。第19図は第18図の一部断面側面図である。第20図
は第19図のK−K′矢視図である。第21図は第18図のB
−B′矢視図である。第22図は第18図のコイルチャック
先端部の上面図である。第23図は第18図のコイルチャッ
ク先端部の一部断面正面図である。第24図は第18図のC
−C′矢視図である。第25図は第18図のD−D′矢視図
である。第26図は第18図のE−E′矢視図である。第27
図は第19図のF−F′矢視図である。第28図は第18図の
コイルチャック状態の側面図である。
挿入ヘッド部Eを第19図から第28図により説明する。
挿入ヘッド部Eはコイルリードクランプ治具部Hのコイ
ル1を把持して基板2へ挿入する挿入ヘッド機構であ
る。第18図のベース110がXY位置決めユニットDの本体1
09に固定される。ベース110にはガイドシャフト111と結
合する軸受プレート112,113が固定される。ガイドシャ
フト111に案内されてシリンダ114により上下動する上下
プレート115を有し、シリンダ114は軸受プレート112に
取り付けられる。上下プレート115にブロック116が固定
され、ブロック116にはシャフト117が回転可能に支持さ
れる。シャフト117の上部にピニオン118が固定され、ラ
ックホルダ119に固定されたラック120とかみ合ってお
り、ラックホルダ119はラックガイド121に案内される。
ラックガイド121はブロック116に固定され、ラック120
はシリンダ122(第19図)のロッド123に連結する。シリ
ンダ122はブロック116に固定したブラケット124に取り
付けられる。上記の構成からシリンダ114を動作させる
とシャフト117が上下し、さらにシリンダ122を動作させ
るとシャフト117が回転可能である。
つぎに第18図のシャフト117の内部にカム部125を形成
したカムシャフト126が回転可能に支持され、カムシャ
フト126の上端部はカップリング127によりパルスモータ
128のモータシャフト129と連結する。パルスモータ128
はピニオン118に固定したモータベース130に取り付けら
れる。従ってパルスモータ128を動作させるとカム部125
が回転可能である。シャフト117の下部フランジにはユ
ニットベース131が固定され、ユニットベース131にはシ
ャフトホルダ132が固定され、シャフトホルダ132にガイ
ドシャフト133が取り付けられる。ガイドシャフト133に
案内されて摺動可能なチャックホルダ134が左右対称に
配置され、チャックホルダ134とプレート135に支持され
たガイドポスト136を有する。ガイドポスト136に案内さ
れて摺動可能にプッシャホルダ137(第19図)が取り付
けられ、プッシャホルダ137にはプッシャ139が固定され
る。またプッシャホルダ137には摺動可能なサイドガイ
ド140が組み込まれ、圧縮ばね141により下方へ付勢され
る。さらにプッシャホルダ137は圧縮ばね142により上方
へ付勢される。一方でプッシャ139の上部にはプッシャ
下降板143(第19図)が接している。プッシャ下降板143
はカムシャフト126に内蔵したシリンダ144のロッド145
に固定され、さらにプレート135に案内される。プレー
ト135にはピン146が固定され、カムフォロア147に回転
自在に支持される。カムフォロア147はカムシャフト126
のカム部125にシャフトホルダ132とチャックホルダ134
の間に付勢した圧縮ばね148(第19図)により接してい
る。サイドガイド140には突起149が形成される。上記の
構成からシリンダ144が動作するとプッシャ139とサイド
ガイド140が下降する。またパルスモータ128を動作させ
るとカム部125が回転してチャックホルダ134を移動可能
である。
つぎにチャックホルダ134には左右対称にチャック爪1
50が配置される。チャック爪150はチャックホルダ134に
固定したガイド板(1)151とガイド板(2)152に取り
付けたガイドバー153に案内されて摺動可能なスライド
駒154に固定している。ガイド板(1)151にはシリンダ
155が固定され、そのシリンダロッド156(第21図)がス
ライド駒154に突き当てている。一方のガイド板(2)1
52にはストッパねじ157がナット158により固定され、ガ
イド板(2)152とスライド駒154の間に圧縮ばね159が
取り付けられる。上記の構成からシリンダ155が動作す
るとチャック爪150を前後動させることができる。上記
の説明のようにチャックホルダ134に構成する部品でユ
ニット化され、各コイルリード1a,1bの1本ごとに対向
して設けられる。
つぎに挿入ヘッド部Eの動作を第29図から第32図によ
り説明する。第29図から第32図は第18図から第28図の挿
入ヘッド部Eのコイル挿入の動作説明図である。まずコ
イルリードクランプ治具部Hに把持されたコイル1は間
欠駆動装置装置4の回転により第1図に示すコイルリー
ドクランプ治具部Hの位置に送られてくる。一方の挿入
ヘッド部EはXY位置決めユニットDによりコイルリード
クランプ治具部Hの真上まで移動する。ついで第18図の
挿入ヘッド部Eのシリンダ155を動作してチャック爪150
を前進させ、第5図に示すようにチャック爪150でコイ
ルリードクランプ治具部Hのチャック爪27,26に把持さ
れたコイル1のリード1a,1bを把持する。ついで図示し
ていないシリンダにより動作する開閉カム81と同じ形状
の開閉カム81′によりチャック爪27,26を開く。ついで
挿入ヘッド部Eのシリンダ114により挿入ヘッド全体を
上昇したのち、XY位置決めユニットDにより基板2上の
所定位置へ移動する。ここで再びシリンダ114により挿
入ヘッド部Eの挿入ヘッドが下降して、第29図と第31図
のように第28図に示すコイルチャック状態でコイルリー
ド1a,1bを基板2の所定の穴2a,2bに挿入して停止する。
その後にシリンダ155を動作させて、第30図と第32図の
ようにチャック爪150を後退させる。ついでシリンダ144
(第19図)を動作することにより、プッシャ139が下降
して、それとともにサイドガイド140も下降する。それ
よりサイドガイド140の突起149(第19図)がチャックホ
ルダ134のストップ面に当って定位置で停止する。さら
にプッシャ139を下降させると第30図と第32図のコイル
1を定位置まで挿入する。また基板2への挿入方向(平
面に対するXY方向)の切換えはシリンダ122(第19図)
によりラック120を介してシャフト177を回転することに
より行なう。またコイルリード1a,1bの間のピッチが異
なる場合にはパルスモータ128を動作させてカム部125を
回転させることにより、一対のチャクホルダ134の間隔
を変える。これよりチャック爪150とサイドガイド140と
プッシャ139ともに同時に一対の間隔が変わる。
本実施例によれば、巻線したコイルをフリーにするこ
となく巻軸上にある状態でコイルを位置決めして挿入ヘ
ッドへ受渡しする構造であるため、コイル同士のからみ
や振動フィーダ等によるコイル同士の摩擦による汚れや
コイルリード部の曲りなどが発生せずにコイル供給の信
頼性が著しく向上する。また巻線治具部の巻線治具4個
とリード位置決め部のV溝をもつ位置決め部を各々2個
有してコイルにより切換え可能な構造であり、一方の挿
入ヘッド部もパルスモータにより一対のチャック爪間隔
を連続的に可変可能であるため、少なくとも2種以上の
コイルを連続または交互に挿入可能であり、一枚の基板
に数種のコイルを挿入する場合に非常に効果的である。
またコイル挿入に関してはリードをチャックするのとコ
イルの側面をガイドするのとプッシャで押し込むことか
ら柔軟なコイルの挿入を確実に行なうことが可能であ
る。
〔発明の効果〕
本発明によれば、巻線したコイルをばら状態にするこ
となく巻軸上にある状態で位置決めしたのをチャックし
て基板に挿入するので信頼性が大幅に向上でき、またコ
イルリードを斜め上方からチャックして既挿入コイルと
の干渉がないので高密度挿入ができ、さらに巻軸径を変
えて巻線しチャックピッチを可変にして挿入するので巻
径や巻数の異なる多種コイルを巻線し挿入することので
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による空心コイル巻線挿入装置の一実施
例を示す全体斜視図、第2図は第1図のコイルと基板の
斜視図、第3図は一実施例の巻線治具部Aの一部断面正
面図、第4図は第1図の巻軸回転駆動部Iの正面図、第
5図は第3図のコイルリードチャック部HのA−A′矢
視図、第6図は第1図の巻線リード成形部Bの斜視図、
第7図から第11図は第6図のコイル巻線とリード成形の
動作説明図、第12図は第1図のリード位置決め部Cの平
面図、第13図は第1図のリード位置決め部Cの側面図、
第14図から第17図は第12図と第13図のコイルリード位置
決め動作説明図、第18図は第1図の挿入ヘッド部Eの一
部断面正面図、第19図は第18図の一部断面側面図、第20
図は第19図のK−K′矢視図、第21図は第18図のB−
B′矢視図、第22図は第18図のコイルチャック先端部の
上面図、第23図は同じく一部断面正面図、第24図は第18
図のC−C′矢視図、第25図は第18図のD−D′矢視
図、第26図は第18図のE−E′矢視図、第27図は第19図
のF−F′矢視図、第28図は第18図のコイルチャック状
態の側面図、第29図から第32図は第18図のコイル挿入動
作説明図である。 A……巻線治具部、B……巻線リード成形部、C……リ
ード位置決め部、D……XY位置決めユニット、E……挿
入ヘッド部、F……線材送出部、G……搬送コンベア
部、H……コイルリードチャック治具部、I……巻軸回
転駆動部、1……コイル、2……基板、3……ベース、
4……間欠駆動装置、6……インデックスプレート、7
……ブロック、22……巻軸、26,27……チャック爪、32
……下成形矢、36……上成形矢、139……プッシャ、140
……サイドガイド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 種田 幸記 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 堀内 立夫 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所横浜工場内

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直径の異なる複数個の巻軸と、その巻軸に
    巻線するコイルの巻径に合わせてコイルリードを成形す
    るための上記巻軸との相対位置を無段階に可変な巻線リ
    ード形成機構と、その2本のコイルリードに対応した2
    組のチャック爪の間隔を無段階に可変のコイル挿入ヘッ
    ド機構とを備え、形状の異なる複数種のコイルの巻線お
    よび基板への挿入を連続的に行なう構成としたことを特
    徴とする空心コイル巻線挿入装置。
  2. 【請求項2】間欠回転するテーブル上に上記巻軸と巻軸
    上のコイルリードのクランプ治具とを設置し、上記テー
    ブル外周部に巻軸回転源とクランプ治具駆動源とを設
    け、上記クランプ治具上のコイルリードを上記コイル挿
    入ヘッド機構が把持してコイルを受け取ることにより基
    板上の所定位置へ移動して挿入する構成としたことを特
    徴とする請求項1記載の空心コイル巻線挿入装置。
  3. 【請求項3】上記巻軸上のコイルの1ターン分のみを押
    え他端をフリーにして巻線時の張力を開放後にコイルリ
    ードを位置決め把持して巻軸からコイルを抜き取って上
    記コイルリードのクランプ治具上へ移し替えるリード位
    置決め機構を設けたことを特徴とする請求項2記載の空
    心コイル巻線挿入装置。
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