JP2572277Y2 - 工事用ガスバーナのバルブ装置 - Google Patents

工事用ガスバーナのバルブ装置

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JP2572277Y2
JP2572277Y2 JP1991026282U JP2628291U JP2572277Y2 JP 2572277 Y2 JP2572277 Y2 JP 2572277Y2 JP 1991026282 U JP1991026282 U JP 1991026282U JP 2628291 U JP2628291 U JP 2628291U JP 2572277 Y2 JP2572277 Y2 JP 2572277Y2
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牧平恭秀
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榮製機株式会社
中国工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、道路工事等において路
面上のアスファルトを溶解したり、道路上の白線等を加
熱除去する際などに使用される工事用ガスバーナのバル
ブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アスファルト舗装道路上のアスファルト
を溶解したり、道路上に付された白線等を除去する場
合、一般に、路面の白線やアスファルト等を手持式の燃
焼バーナで加熱し、溶融させて除去することが行われて
いる。このような工事用バーナには、通常、石油バーナ
が使用されるが、石油を噴出させるためのポンプ装置を
不要とするために、近年、携帯式のガスバーナが使用さ
れる傾向にある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】従来のガスバーナは、
プロパン、ブタン等の液化ガスを充填したガスボンベか
ら気化したガスがノズルに供給されるため、ガスバーナ
を長時間使用すると、ガスボンベがガスの気化熱により
極度に冷却される。このため、長時間使用すると、ガス
ボンベ内に露や霜が付着してガスの気化効率が低下し、
ガスバーナへのガスの供給が不十分となり、バーナの火
力が低下してしまう不具合があつた。
【0004】そこで、液化ガスのガスボンベから液化ガ
ス(液体)を導入し、バルブ部又はバーナ本体部で液化
ガスを気化させてノズルに送る構造の工事用ガスバーナ
が開発されている。
【0005】しかし、この種の工事用ガスバーナは、液
化ガスがそのまま供給されるため、バルブ部の手前に液
化ガスの圧力を低下させるための調圧弁を別個に取付け
る必要があった。また、バルブ部にはニードル弁が使用
され、バーナに着火する際、ツマミを回してニードル弁
を開き、バーナ本体部に着火するが、ニードル弁はその
構造上、流体の微量調整が難しく、着火時にガスが過大
に噴出することがあり、着火時に大きな火炎が生じやす
い課題があった。
【0006】本考案は、上記の課題を解決するためにな
されたもので、ガスの調圧を良好に行い且つガス流量の
微量調整を容易に行って、安全に着火を行うことができ
る工事用ガスバーナのバルブ装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本考案の工事用ガスバーナは、バルブ装置の送出
側に接続管部を介してバーナ本体部を連結し、作業者が
バルブ装置部分又は接続管部を把持して使用する長尺の
工事用ガスバーナのバルブ装置において、出口側に連通
するダイヤフラム室と入口側に連通する弁室がバルブハ
ウジング内に形成され、弁室とその上方に位置するダイ
ヤフラム室が細い弁孔を通して連通され、伏せたカップ
形状を有し上部に細い円柱部を突設した弁体が、弁孔に
その円柱部を緩く挿入し弁室内で上下動可能に配設さ
れ、弁体の円柱部にはOリングが弁孔の下部周縁の弁座
部に当接して閉弁可能に外嵌され、弁体を閉弁方向に付
勢するコイルばねが弁室内に配設され、ダイヤフラム室
内には作動部材がダイヤフラム宝内のダイヤフラムにそ
の上端部を接して上下動可能に配設され、作動部材の下
部中央に棒状部が弁孔に進入して弁体の円柱部を押し下
げて開弁可能に設けられ、ダイヤフラム室上方を包囲す
るように支持筒が固定され、支持筒の上部にツマミが螺
合され、ツマミを回動することによりコイルばねを介し
て上下動する押下部材が支持筒内にダイヤフラムを押し
下げるように配設されて構成される。
【0008】
【作用】バーナに着火する場合、バルブ装置のツマミを
開方向に少し(例えば約反回転)回す。このとき、押下
部材がダイヤフラムを介して作動部材を押下げ、これに
よって弁体が押し下げられて弁が開き、その弁の隙間を
通過して気化したガスが接続管部の管路を経てバーナ本
体部に送られる。そして、バーナ本体部のノズルから噴
出するガスに着火する。
【0009】この際、弁の開度が大き過ぎて高いガス圧
がダイヤフラム室に印加されると、ダイヤフラムが押下
部材を上に押し戻し、作動部材を上昇させるように作用
するため、弁の開度が減少し、着火に必要な最適量のガ
スが吐出し、安全に着火させることができる。
【0010】着火後、バルブ装置のツマミを、さらに例
えば一回転回して弁を略全開にすると、ガスボンベから
供給された液化ガスが管路を経てバーナ本体部に送ら
れ、そこで燃料加熱器を通りノズルに送られる。液化ガ
スが燃料加熱器を通過する間、火炎の熱により加熱され
るため、液化ガスが気体状のガスとなり、ノズルから噴
出される。
【0011】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0012】図1は工事用ガスバーナの正面図を、図2
はその部分断面図を示している。このガスバーナは、ガ
スボンベに接続されるガスホース40の末端に接続され
るバルブ装置1と、バルブ装置1の吐出側に接続され管
路22を内在した筒状の接続管部2と、接続管部2の先
端側に連結されたバーナ本体部3と、から構成される。
【0013】バルブ装置1は、図3の拡大断面図に示す
ように、バルブハウジング11内に隔壁部材12を配設
することにより、弁室13とその上にダイヤフラム室1
4を形成している。弁室13とダイヤフラム室14は細
い弁孔16により連通し、弁室13内には、弁孔16を
開閉する弁体17が上下動可能に配設される。弁体17
はカップを伏せた形状を有し、弁体17の上部に突設さ
れた細い円柱部17aにはOリング17bが外嵌され、
弁孔16の下部周縁の弁座部に当接して閉弁する。弁体
17はコイルばね18により常時上方つまり閉弁方向に
付勢される。弁室13下側の隔壁部材12にはフィルタ
が取付けられる。
【0014】ダイヤフラム室14内の上部、つまり隔壁
部材12の上端部にダイヤフラム15が水平に張設さ
れ、さらにその内部にはダイヤフラム15の下側に接触
して作動部材19が上下動可能に配設される。作動部材
19の下部中央に棒状部19aが突設され、その棒状部
19aを弁孔16内に進入させ、弁体17の円柱部17
を押し下げることにより、弁を開く構造である。
【0015】さらに、支持筒9が、ダイヤフラム室14
の上方を包囲するように、バルブハウジング11の上部
に固定される。支持筒9内の下部には、ダイヤフラム1
5を押し下げるための押下部材8が上下動可能に配設さ
れ、その上方にコイルばね7を介して上下動部材6が嵌
挿される。
【0016】支持筒9の上部外周におねじが形成され、
そのおねじに螺合するめねじを内側に有するツマミ5
が、支持筒9の上部に被せるように螺合される。ツマミ
5を右側に回すと、ツマミ5が支持筒9に対し下降し、
上下動部材6を押し下げ、コイルばね7を介して押下部
材8を押し下げ、ダイヤフラム15を押し下げる。
【0017】ツマミ5の回転範囲は、例えば約180度
に設定され、最も左側に回したとき、押下部材8が上昇
して弁を完全に閉鎖し、最も右側に回したとき、上記の
ように、作動部材19及び弁体17を押し下げ、弁を全
開とする。
【0018】ガスホース40が接続されるバルブハウジ
ング11の吸入側ポート11aは、流路11bを通して
弁室13の下部と連通し、バルブハウジング11の吐出
ポート11cは、流路11dを通してダイヤフラム室1
4と連通される。吐出ポート11cには逆止弁用のゴム
ボールが配設される。
【0019】接続管部2は、バルブ装置1の吐出側に接
続される。接続管部2の接続管21内には燃料供給用の
細い管路22が配設され、その管路22がバルブ装置1
の吐出ポート11cに連通接続される。接続管21の外
周に、合成樹脂等によつて形成された握り部23が取付
けられ、使用者が握り部23を手に持つて作業できる構
造である。
【0020】バーナ本体部3は、接続管部2の先端に連
結され流路31、32を内部に持つ本体ブロツク33の
先端にノズル34を取付け、先広がり形状のバーナ外筒
35を本体ブロツク33にノズル34を囲うように取付
け、さらに、コイル状の燃料加熱用パイプ36をバーナ
外筒35内の火炎発生位置に設けて構成される。
【0021】燃料加熱用パイプ36の両端部は本体ブロ
ツク33内の流路31と32に連通接続され、流路31
が接続管部2内の管路22に接続され、流路32がノズ
ル34に接続される。このため、管路22を通してバー
ナ本体部3の本体ブロツク33に供給された燃料は、流
路31から燃料加熱用パイプ36を経てノズル34に送
られる。
【0022】バーナ外筒35のノズルに対応した位置に
は空気孔37が穿設され、この空気孔37から燃焼空気
がバーナ外筒35内に吸引される。バーナ外筒35の先
端側には、燃料加熱用パイプ36のコイル部分を覆うよ
うにカバー筒38が取付けられる。
【0023】このように構成された工事用ガスバーナ
は、例えば、ブタン、プロパン等の液化ガスを充填した
ガスボンベの液体吐出口に、そのガスホース40を接続
し、ガスボンベからバルブ装置1と接続管部2を介し
て、液化ガス(液体)をバーナ本体部3に導入するよう
にして、工事現場等で使用される。
【0024】ガスバーナに着火する場合、バルブ装置1
のツマミ5を右側に約90度回す。このとき、ツマミ5
の下降に応じて、上下動部材6及びコイルばね7を介し
て押下部材8が僅かに下がることにより、ダイヤフラム
15を少し押下げ、作動部材19及び弁体17が押し下
げられて弁孔16が僅かに開く。
【0025】液化ガスは、弁室13から弁孔16を通過
してダイヤフラム室14に入り、それらの隙間を通過す
る際に気化したガスは、流路11dから吐出ポート11
cを通り、接続管部2の管路22を経てバーナ本体部に
送られる。そして、バーナ本体部3のノズル34から噴
出するガスに着火する。
【0026】このような着火の際、例えば、弁の開き過
ぎ、或は液化ガスの圧力上昇によって、高いガス圧がダ
イヤフラム室14に印加されると、ダイヤフラム15が
押下部材8を上に押し戻すことにより、作動部材19と
弁体17が上昇し、弁孔16が絞られるように作用す
る。このような調圧作用により、ガス流量が微量調整さ
れ、着火するために必要な最適量のガスを出すことがで
きる。
【0027】着火した状態で、バルブ装置1のツマミ5
をさらに約90度回し、バルブ装置1を略全開にする。
これにより、充分な量の液化ガスがバルブ装置1から接
続管部2の管路22を経てバーナ本体部3に供給され、
その液化ガスはそこで流路31を通り燃料加熱用パイプ
36に送られる。
【0028】そして、液化ガスは、燃料加熱用パイプ3
6を通過する際、バーナの火によつて加熱されて気化
し、そのガスがノズル34から噴出され、燃焼する。バ
ルブ装置1の全開時においても、ダイヤフラム15、作
動部材19によって調圧作用は良好に行われ、適度に低
減された圧力の液化ガスがノズル34に供給される。
【0029】このように、液化ガスが燃料加熱用パイプ
を通過する際、加熱され気化してガスが生成されるた
め、ノズル34から噴出するガスの量は充分に多く、ガ
スバーナの先端から充分な熱量の火炎を出して、アスフ
ァルト等を溶かす作業を行うことができる。
【0030】また、このガスバーナは長時間使用したと
しても、ガスボンベにおいては液化ガスを液体の状態で
供給するため、ガスボンベ中で気化したガスを供給する
場合のように、ガスボンベ内の冷却による露や霜の付着
によって、燃料の供給量が低下することはない。
【0031】
【考案の効果】以上説明したように、本考案の工事用ガ
スバーナのバルブ装置によれば、出口側に連通するダイ
ヤフラム室と入口側に連通する弁室がバルブハウジング
内に形成され、弁室とその上方に位置するダイヤフラム
室が細い弁孔を通して連通され、伏せたカップ形状を有
し上部に細い円柱部を突設した弁体が、弁孔にその円柱
部を緩く挿入し弁室内で上下動可能に配設され、弁体の
円柱部にはOリングが弁孔の下部周縁の弁座部に当接し
て閉弁可能に外嵌され、弁体を閉弁方向に付勢するコイ
ルばねが弁室内に配設され、ダイヤフラム室内には作動
部材がダイヤフラム室内のダイヤフラムにその上端部を
接して上下動可能に配設され、作動部材の下部中央に棒
状部が弁孔に進入して弁体の円柱部を押し下げて開弁可
能に設けられ、ダイヤフラム室上方を包囲するように支
持筒が固定され、支持筒の上部にツマミが螺合され、ツ
マミの回動によりコイルばねを介して上下動する押下部
材が支持筒内にダイヤフラムを押し下げるように配設さ
れて構成したから、着火の際には、液化ガスが細い弁孔
と円柱部の隙間などを通過する際に気化して完全にガス
化してバーナ本体部に送られるため、安全に着火できる
と共に、ガスの吐出量を容易に微調整して、着火に必要
な最適量のガスを安定して吐出させ、着火直後の火炎も
安定して保持することができる。
【0032】また、弁室内には、通常、液化ガス(液
体)が供給されているが、ツマミを閉じた状態では、弁
体がコイルばねとその液化ガスの圧力により閉弁方向に
付勢され、且つ弁孔がOリングによって確実に閉鎖され
るため、完全にガスの吐出を遮断することができる。
【0033】また、ツマミを開いた状態では、ダイヤフ
ラム及び作動部材の押し下げによって、弁体が押し下げ
られ、弁孔が開いて液化ガスがダイヤフラム室に流入す
るが、吐出側にダイヤフラム室が設けられるため、弁孔
を通過してダイヤフラム室内に流入した液化ガスや気化
ガスの吐出圧によって弁の開度を調節することができ、
バーナ本体部に供給するガス圧の調整を正確に安定して
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は工事用ガスバーナの正面図である。
【図2】図2はその部分断面図である。
【図3】図3はバルブ装置の拡大断面図である。
【符号の説明】
1−バルブ装置、 2−接続管部、 3−バーナ本体部、 5−ツマミ、 8−押下部材、 9−支持筒、 11−バルブハウジング、 13−弁室、 14−ダイヤフラム室、 15−ダイヤフラム、 16−弁孔、 17−弁体、 19−作動部材。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブ装置の送出側に接続管部を介して
    バーナ本体部を連結し、作業者がバルブ装置部分又は接
    続管部を把持して使用する長尺の工事用ガスバーナのバ
    ルブ装置において、出口側に連通する ダイヤフラム室と入口側に連通する
    室がバルブハウジング内に形成され、該弁室とその上方
    に位置する該ダイヤフラム室が細い弁孔を通して連通さ
    れ、伏せたカップ形状を有し上部に細い円柱部を突設し
    た弁体が該弁孔に該円柱部を緩く挿入し該弁室内で上下
    動可能に配設され、該弁体の円柱部にはOリングが該弁
    孔の下部周縁の弁座部に当接して閉弁可能に外嵌され、
    該弁体を閉弁方向に付勢するコイルばねが該弁室内に配
    設され、該ダイヤフラム室内に作動部材が該ダイヤフラ
    ム室内のダイヤフラムにその上端部を接して上下動可能
    に配設され、該作動部材の下部中央には棒状部が前記弁
    孔に進入して前記弁体の円柱部を押し下げて開弁可能に
    設けられ、該ダイヤフラム室上方を包囲するように支持
    筒が固定され、該支持筒の上部にツマミが螺合され、該
    ツマミを回動することによりコイルばねを介して上下動
    する押下部材が該支持筒内に該ダイヤフラムを押し下げ
    るように配設されたことを特徴とする工事用ガスバーナ
    のバルブ装置。
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