JP2572254B2 - ポリフェニレンエーテル共重合体 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル共重合体

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JP2572254B2 JP5826588A JP5826588A JP2572254B2 JP 2572254 B2 JP2572254 B2 JP 2572254B2 JP 5826588 A JP5826588 A JP 5826588A JP 5826588 A JP5826588 A JP 5826588A JP 2572254 B2 JP2572254 B2 JP 2572254B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規なポリフェニレンエーテル共重合体に関
する。更に詳しくは、ポリフェニレンエーテルの構成単
位として、フェノール類の2位の側鎖メチレン基に芳香
族アミンが結合した構成単位と脂肪族アミンが結合した
ヘッド末端基を有し、加熱成形時の着色及び粘度上昇が
抑えられる等の特徴を持った新規なポリフェニレンエー
テル共重合体に関する。
〔従来の技術及び問題点〕
ポリフェニレンエーテルは、耐熱性、機械的性質、電
気的性質に優れたエンジニアリング樹脂として広く用い
られている。しかし、この樹脂には軟化点が低く加工
性、耐衝撃性、色調などが劣るという問題点がある。そ
こでこれらの問題点を解決するため、従来から種々の樹
脂とのブレンドや添加剤の使用と共に、ポリフェニレン
エーテル自身の変性反応や共重合による改質が試みられ
てきた。例えばこの様な試みの一つとして、ポリフェニ
レンエーテルの主鎖にアニリン類を導入した特公昭60−
50373号が提案している方法もその1つである。しか
し、その方法によってもいまだ充分な改質がなされたと
は言い難い。又、ヘツド末端の水酸基のオルソ位のアル
キル基に脂肪族アミンが結合した構造のものも提案され
ている。(特開昭52−897号)。しかし、この構造を有
するポリフェニレンエーテルは、ポリスチレン等と相溶
性が改善され、組成物とした時の耐衝撃性に秀れてはい
るものの、流動性が悪く、加熱時にアミン成分が分解す
るために悪臭を放つといった欠点を持っている。
〔問題点を解決するための手段〕
この様な状況にあって、本発明者らは上記のようなポ
リフェニレンエーテルの改質を鋭意研究した結果、ポリ
マー主鎖中には実質的にアニリン構造を含まず、専ら側
鎖メチレンにアニリン類が結合した下記一般式(1)及
び(2)で表わされる繰返し単位を有し、ヘツド末端の
一部又は全部が水酸基のオルソ位のメチレン基に脂肪族
アミンが結合した一般式(3)で表わされる構造する新
規なポリフェニレンエーテル共重合体が従来のポリフェ
ニレンエーテルに比べて、加熱成形時の着色及び粘度上
昇が大巾に改善され、且つポリスチレン等との組成物と
した際に、耐衝撃性と加工性が同時に改善されることを
見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は下記一般式(1)で表わされる繰り返
し単位と、一般式(2)で表わされる繰り返し単位とを
有し、(1)と(2)との重合度が10〜5000であり、
(1)が該重合体中に(2)の0.02〜20モル%存在し、
且つ一般式(3)で表わされるヘッド末端基が(2)の
0.02〜1.0モル%、及び一般式(4)で表わされるヘッ
ド末端基が必要により(2)の10モル%以下存在するポ
リフェニレンエーテル共重合体。
(式中、R1は水素、炭素数1〜4のアルキル基又はア
リール基、R2は炭素数1〜20のアルキル基、置換アルキ
ル基、アリール基、置換アリール基、lは1〜5、R3
水素又は同一若しくは異なる炭素数1〜20のアルキル
基、置換アルキル基、アリール基または置換アリール
基、R4およびR5は炭素数1〜20のアルキル基、置換アル
キル基を表わす)を提供するものである。
本発明のポリフェニレンエーテル共重合体において
は、一般式(1)で表わされる繰返し単位がポリマー主
鎖中に(2)の0.02〜20モル%、即ち、(2)の繰返し
単位100個当り0.02〜20個の(1)の繰返し単位が存在
している必要がある。なお、共重合体の各繰返し単位
(1)および(2)のあり方はランダムに存在し、従っ
てヘッド末端にアニリン類が結合した一般式(5)の構
造も確率的に存在し得るが、極めて微量であり、実質的
に無視し得る。また、一般式(3)で表わされるヘッド
末端基もポリマー中に(2)の0.02〜1.0モル%存在し
ている必要がある。
一般式(4)で表わされる通常のヘッド末端基は存在
してもしなくてもよく、存在させる場合には(2)の10
モル%以下にする。又、脂肪族アミンが主鎖中のベンジ
ル位に結合した一般式(6)の構造は式(3)より少な
い量共存してもよい。
さらに、一般式(7)のテイル−テイル結合構造を含
んでいても構わない。
分子量は特に限定されず、低分子量のものから、一般
に汎用的に用いられている従来のポリフェニレンエーテ
ルの分子量を越えて更に高い分子量のものまで対象とな
る。これを繰返し単位(1)及び(2)の重合度(数平
均重合度)で示すと、該重合度は10以上、上限は5000以
下であるが50〜300が好ましい。なお、本発明の数平均
重合度は後述する〔実施例〕の項で具体的に示す通り、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで求めたポリ
スチレン換算の数平均分子量を主な繰り返し単位(2)
の式量(120.2)で除した値のものである。
即ち、本発明の共重合体は、エンジニアリング樹脂用
途の高分子量のものから、耐熱性や機械的性質等の物性
を改良する目的で他の樹脂にブレンドされる低分子量の
ものまで幅広く用いることができる。
エンジニアリング樹脂用途として好ましい重合度は50
以上であり、繰り返し単位(1)の占める割合いとして
好ましいのは(2)の0.1〜10モル%、より好ましくは
0.1〜2モル%である。
末端基数は通常(2)の2%以下となり、脂肪族アミ
ンの結合したヘッド末端(3)の好ましい存在率は
(2)の0.02〜0.5モル%である。耐衝撃性などの改善
にはこの程度の量で充分効果があり、1%を越えると溶
融混練時に悪臭が強くなったり、粘度が大きくなるとい
った問題がおこる。
繰り返し単位(2)はその2位及び/又は6位にメチ
ル基を有するものが好ましい。これらに対応する単量体
の代表的な例としては、o−クレゾール、2,6−ジメチ
ルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2−メ
チル6−フェニルフェノール等があげられ、本発明にお
いては、これらの同士又はこれらと若干量の2,6−ジフ
ェニルフェノール等を共存させることを妨げない。これ
らのうちで2,6−ジメチルフェノールが特に好ましい。
繰り返し単位(1)のR2,R3及びlの好ましい態様は
以下の通りである。すなわち、R2及びR3がアルキル基又
は置換アルキル基の場合、炭素数は1〜4であり、アリ
ール基又は置換アリール基の場合はフェニル、ナフチル
又はこれらのアルキル置換体で、lが3〜5の場合はR3
は低級アルキル基が好ましい。
繰り返し単位(1)における置換アニリン基、すなわ
ち一般式 で表わされる置換アニリン基の代表的な例としては、N
−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピル
アニリン、N−ブチルアニリン、N−メチル−2−メチ
ルアニリン、N−メチル−2,6−ジメチルアニリン、N
−メチル−2,4,6−トリメチルアニリン、N−ナフチル
アニリン、ジフェニルアニリン基等がある。さらに、一
般式(3)においてが置換アルキル基、置換アリール基
の場合、その置換基としては水酸基やハロゲン基といっ
た官能基を有するものが好ましく、具体的には、N−フ
ェニルエタノールアミン、N−(m−メチル)フェニル
エタノールアミン、N−(P−メチル)フェニルエタノ
ールアミン、N−(2',6'−ジメチル)フェニルエタノ
ールアミン、N−(2',4',6'−トリメチル)フェニルエ
タノールアミン、N−(m−メトキシ)フェニルエタノ
ールアミン、N−(P−クロロ)フェニルエタノールア
ミン、N−(m−クロロ)フェニルエタノールアミン、
N−(o−クロロ)フェニルエタノールアミン、N−
(o−エチル)フェニルエタノールアミン、N−(m−
エチル)フェニルエタノールアミン、及びN−(p−エ
チル)フェニルエタノールアミン等がある。
これらの水酸基やハロゲン基といった官能基はファイ
バーやフィラー類を配合して機械的特性を改良する際の
界面の密着性改良に利用できる他、さらにポリマーの変
性反応にも利用できる。
末端基(3)におけるジ置換アミノ基に対応する第2
級脂肪族アミンは式: HNR4R5 ……(9) 〔式中R4およびR5はそれぞれ、単独であるいは両者とも
に非環式および環式有機基〕を有するものである。好ま
しい第2級脂肪族アミンはR4およびR5がそれぞれ炭素数
1〜20個、より好ましくは1〜10個を持つアミンであ
る。特に現在商業的に容易に入手し得るという点でR4
びR5がそれぞれC1、好ましくはC2、さらに好ま
しくはC3のアルキル基である第2級脂肪族アミンが
好ましい。
具体的な第2級アミンの例はつぎのものを包含する。
ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピル
アミン、ジ−第2級プロピルアミン、ジ−n−ブチルア
ミン、ジ−第2級−ブチルアミン、ジ−第3級−ブチル
アミン、ジペンチルアミン類、ジヘキシルアミン類、ジ
ヘプチルアミン類、ジオクチルアミン類、ジノニルアミ
ン類、ジデシルアミン類、ジエイコシルアミン類、ジベ
ンジルアミン類、メチルエチルアミン、メチルブチルア
ミン類、メチルシクロヘキシルアミン、ヘプチルシクロ
ヘキシルアミン類、オクタデシルシクロヘキシルアミン
類等。
本発明のポリフェニレンエーテル共重合体の製法は特
に限定されないが、例えば一般式(10)に示すアニリン
類及び一般式(11)に示す第2級脂肪族アミンの存在下
で、公知のフェノール類の酸化カップリング重合とほぼ
同様の方法を用いて製造することができる。即ち、一般
式(12)に示すフェノール類、一般式(10)に示すアニ
リン類及び一般式(11)に示す第2級脂肪族アミンを含
有した溶液に、触媒及び必要に応じて助触媒を添加し
て、激しく撹拌しながら酸素含有ガスを供給して重合を
行う。
触媒としては、銅−アミン錯体、マンガン−アミン錯
体、コバルト−アミン錯体、マンガン−アルコキシド錯
体、その他公知のフェノール類の酸化カッフリング重合
に用いられる触媒は全て使用できる。助触媒としては、
各種アミン類の、アルカリ類、アルコキシド類、その他
が使用できる。アニリン類(10)及び第2級脂肪族アミ
ン類(11)の使用量は、一般式(1)及び一般式(3)
の構造を所望量生成するのに充分な量であれば特に限定
されないが、通常重合体に係合させようとする量の4倍
以内に留めるのがよい。この様な重合方式のうちで、本
発明者らが先に出願した特開昭64−33131号公報に詳述
されている方法は、得られる重合体の性質と重合活性が
共に優れた好適な例である。
反応終了後の後処理方法については、特に制限はな
い。通常、塩酸や酢酸などの酸を反応液に加えて触媒を
失活させた後、生成した重合体を分離して、メタノール
などの該重合体を溶解しない溶媒で洗浄後、乾燥すると
いう簡単な操作でポリフェニレンエーテルが回収でき
る。
〔発明の効果〕
本発明のポリフェニレンエーテル共重合体は、従来の
ポリフェニレンエーテルに比べて、加熱成形時の着色及
び粘度上昇が大巾に改善され、且つポリスチレン等との
組成物とした際の耐衝撃性と加工性が同時に改善された
優れた特性を有する共重合体である。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
なお、各測定は以下の条件によって行った。
ポリマーの粘度は0.5%クロロホルム溶液を30℃の条
件下でウベローデ粘度管を用いて測定した。ηsp/cで表
わした。
成形品は、実施例及び比較例で得たパウダーを310℃,
180Kg/cm2で10分開加熱加圧成形した試験片を指す。
△η/ηはパウダーと成形品のηsp/cの差をパウダー
のηsp/cで除した値で下熱成形時の粘度上昇の指標とし
ている。
着色度は成形品の0.5gをクロロホルムに溶解して全量
を10mlとし、25℃に480での吸光度を測定し、下記式で
定義されるカラーインデックス(着色性指数)により評
価した。
ここに |o:入射光の強さ | :透過光の強さ a :セル長〔cm〕 b :溶液濃度〔g/cm3〕 ポリフェニレンエーテルの全窒素結合量は、JIS K 26
09のミクロケルダール法に準じて測定した。1 H−核磁器共鳴スペクトルは日本電子(株)製のGX−
270でCDCl3を溶媒として測定した。
赤外線吸収スペクトルは日本分光向工業(株)製のJU
SCO A3でキャスティング成形しフィルムについて測定し
た。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GP
C)は東洋曹達工業(株)製HL−802 RTSで測定し、標準
ポリスチレンで較正した。
実施例1 3槽の完全混合槽から成る連続重合反応器を用いて重
合した。第1反応器は容量1.5で循環ポンプが付属し
ている。第2反応器及び第3反応器には撹拌機があり容
量はそれぞれ3.7、1.5である。
触媒液は酸化第一銅を35%塩酸に溶解後メタノールを
加え、さらにN−フェニルエタノールアミン、ジ−n−
ブチルアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,3−ジアミ
ノプロパンとメタノールを加え調整した。モノマー液は
2,6−ジメチルフェノールを混合キシレン及びn−ブタ
ノールに溶解調製した。それぞれ大気下で調製した。
第1反応器に触媒液及びモノマー液を一定速度で送液
した。
触媒液とモノマー液の送液量から、それらを合わせた
反応原料液の組成は以下の通りである。
2,6−ジメチルフェノール濃度20重量%用いた溶媒の
重量比は混合キシレン:n−ブタノール:メタノール=6
0:20:20である。
2,6−ジメチルフェノール100モル当り、銅は0.06グラ
ム原子、Clイオンは0.55グラム原子、N−フェニルエタ
ノールアミンは0.5モル、ジ−n−ブチルアミンは0.5モ
ル、N,N,N',N'−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン
は2モルの割合であった。又、2,6−ジメチルフェノー
ルは208g/Hrの速度で供給された。
第1反応器は循環ポンプで反応液を激しく循環しつつ
酸素を流した。内温が30℃になるようにコントロールし
た。第1反応器からヘッド圧で第2反応器に送られた反
応液は均一であった。
第2反応器で激しく撹拌しながら、酸素ガスを500ml/
分の割合で流し25℃に保った。重合体が析出してくる
が、撹拌により反応器内全体に均一に分布している。第
2反応器からオーバーフローで、重合体粒子を含む反応
液が第3反応器に入る。
第3反応器25℃にコントロールしつつ、撹拌機で撹拌
しながら酸素ガスを200ml/分の割合で流した。
第3反応器から、オーバーフローで重合体を含む反応
液を連続的に取り出した。
スラリーを含む黄白色の反応液に、メタノール添加後
濾過した。混合溶液(混合キシレン、ブタノール、及び
メタノール)と希塩酸をもちいて充分精製、洗浄した。
乾燥後得られた重合体の粘度(ηsp/c)は0.62±0.03の
は範囲に入り、長時間にわたり安定した運転ができた。
得られた共重合体の構造解析および物性評価の結果を
表−1に記した。
実施例2 実施例1に於て、銅及びClイオンの量を0.05グラム原
子及び0.46グラム原子に代え、N−フェニルエタノール
アミンに代えてN−エチルアニリンを使用した以外は実
施例1と同様に行い、表−1の結果を得た。
比較例1 実施例1において、銅及び塩酸の量を0.05グラム原子
及び0.46グラム原子に代え、ジ−n−ブチルアミンを添
加せず、又、2,6−ジメチルフェノールの送液量を172g/
Hrに変更した以外は実施例1と同様に行い、表−1の結
果を得た。
比較例2 実施例1において、N−フェニルエタノールを添加せ
ず、ジ−n−ブチルアミンの量を0.95モルに変え、2,6
−ジメチルフェノールの送液量を160g/Hrに変更した以
外は実施例1と同様に行い、表−1の結果を得た。
《ポリマー構造の確認》 実施例1,2及び比較例1,2の共重合体の構造を主として
窒素元素分析、赤外線吸収スペクトル、核磁気共鳴スペ
クトルによって決定した。
まず、繰り返し単位(1)の存在は、本発明者らが先
に出願した特願昭62−134933号と同様の方法によって確
認し、定量した。即ち、実施例1及び2の共重合体に
は、N−フェニルエタノールアミン又はN−エチルアニ
リンの結合による一置換ベンゼン環骨格が、それぞれ0.
15モル%及び0.17モル%存在することが赤外線吸収スペ
クトルの695cm1の吸収によって明らかとなった。又、実
施例1の共重合体の1H−核磁気共鳴スペクトル上で、式
(1)のメチレン基のシグナルが4.41ppmに観測され、R
2に対応する−CH2−CH2OH基の2つのメチレン基のシグ
ナルが、3.42および3.65ppmに観測された。これら3組
のシグナルは等しい面積強度を持ち、主な繰り返し単位
(2)のベンゼン環上の1H核のシグナルの面積強度との
比較から、この構造が(2)の0.15%であることを確認
した。同様に、実施例2の共重合体の1H−核磁気共鳴ス
ペクトル上で、式(1)のメチレン基に対応するシグナ
ルを4.33ppmに、又R2に対応するエチル基のシグナルを
3.30ppmおよび1.04ppmに観測した。この3組のシグナル
はいずれも等しい面積強度を有し、この構造の存在量が
(2)の0.17%であることを確認した。
比較例1の共重合体中には実施例1の共重合体中の式
(1)と同じ構造が(2)の0.26%存在することを確認
したが、比較例2のポリマー中には全く認められなかっ
た。
第2級脂肪族アミンの結合した末端基(3)は1H及び
13C核磁気共鳴スペクトルで確認、定量した。即ち、実
施例1及び21H核磁気共鳴スペクトル上で、式(3)の
メチレン基のシグナルが、3.63ppmに観測され、R4及びR
5に対応するn−ブチル基−CH2−CH2−CH2−CH3の4種
1H核に対応するシグナルが、2.47,1.50,1.29,及び0.8
8ppmに観測され、その面積強度比も式(3)の構造と矛
盾のないものであった。この面積強度によって式(3)
の構造を定量し、実施例1及び2の重合体について、夫
々(2)の0.16%及び0.15%と確認した。これらのシグ
ナルは比較例2の共重合体のスペクトル上にも認めら
れ、(2)の0.24%と定量したが、比較例1の共重合体
のスペクトル上には、全く認められなかった。
尚、実施例1及び比較例2の共重合体の13C−核磁気
共鳴スペクトル上では、R4,R5のn−ブチル基の4種の
13C−核のシグナルが13〜53ppmの間に観測された。
脂肪族二級アミンが主鎖中のベンジル位に結合した構
造(6)は式(3)の構造とよく似た1H核磁気共鳴スペ
クトルを与えるが、それぞれのシグナルの化学シフト値
は式(3)のそれとはっきり区別ができ、メチレン基の
シグナルは3.36ppmに、n−ブチル基の末端の2種のシ
グナルが1.17ppmと0.88ppmに観測される。この構造は、
実施例1の重合体中には0.03モル%存在するが、式
(3)の構造を越えない量存在しても、全く存在しなく
てもよい。
この2種の二級脂肪族アミン結合構造の結合位置の違
いは以下のようにして明らかにした。
実施例1の重合体からトルエン溶液からメタノールで
再沈・回収という操作で低分子量を約5%除いてやる
と、式(3)に帰属したシグナルが0.16モル%から0.12
モル%まで減少したのに対して、式(6)に帰属したシ
グナルはほとんど減少しなかった。5%の低分子量域に
は(3)に帰属したシグナルが0.8モル%と偏在してい
たが、式(6)に帰属したシグナルはほとんど濃縮され
ていなかった。低分子量域に偏在するのは末端基の典型
的な特徴であり、これによって式(3)及び式(6)の
構造を決定した。又同様な手法で、アニリン骨格の結合
位置、主鎖、即ち、式(1)の構造を決定した。
以上のような詳細な検討によって、本発明の共重合体
の構造を決定した。尚、通常の繰返し単位(2)存在
は、赤外線吸収スペクトルおよび1H,13C−核磁気共鳴ス
ペクトルによって確認した。
《組成物》 以上のようにして重合、精製し、構造を決定した。実
施例1,比較例1,及び比較例2の共重合体を下記のように
して組成物とし、衝撃強さの評価を行った。即ち、上記
の共重合体55重量部とゴム補強ポリスチレン(旭化成
(株)製、商品名;スタイロン492)45重量部、トリフ
ェニルホスフェート4重量部、オクタデシル−3−(3,
5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート(イルガノックス1076)0.5重量部から
なる配合物を290℃で溶融混練し、得られた組成物のア
イゾット衝撃強さを測定した。結果は表−1に記載し
た。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表わされる繰り返し単
    位と、一般式(2)で表わされる繰り返し単位とを有
    し、(1)と(2)との重合度が10〜5000であり、
    (1)が該重合体中に(2)の0.02〜20モル%存在し、
    且つ一般式(3)で表わされる末端基が(2)の0.02〜
    1.0モル%存在するポリフェニレンエーテル共重合体。 (式中、R1は水素、炭素数1〜4のアルキル基又はアリ
    ール基、R2は炭素数1〜20のアルキル基、置換アルキル
    基、アリール基、置換アリール基、lは1〜5、R3は水
    素又は同一若しくは異なる炭素数1〜20のアルキル基、
    置換アルキル基、アリール基または置換アリール基、R4
    およびR5は炭素数1〜20のアルキル基、置換アルキル基
    を表わす)。
  2. 【請求項2】下記一般式(1)で表わされる繰り返し単
    位と、一般式(2)で表わされる繰り返し単位とを有
    し、(1)と(2)との重合度が10〜5000であり、
    (1)が該重合体中に(2)の0.02〜20モル%存在し、
    且つ一般式(3)で表わされる末端基が(2)の0.02〜
    1.0モル%、及び一般式(4)で表わされる末端基が
    (2)の10モル%以下存在するポリフェニレンエーテル
    共重合体。 (式中、R1は水素、炭素数1〜4のアルキル基又はアリ
    ール基、R2は炭素数1〜20のアルキル基、置換アルキル
    基、アリール基、置換アリール基、lは1〜5、R3は水
    素又は同一若しくは炭素数1〜20のアルキル基、置換ア
    ルキル基、アリール基または置換アリール基、R4および
    R5は炭素数1〜20のアルキル基、置換アルキル基を表わ
    す)。
  3. 【請求項3】一般式(1)におけるR2が2−ヒドロキシ
    エチル基(−CH2CH2OH)である請求項1又は2記載のポ
    リフェニレンエーテル共重合体。
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