JP2571994B2 - 流動層炉 - Google Patents

流動層炉

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JP2571994B2 JP4110725A JP11072592A JP2571994B2 JP 2571994 B2 JP2571994 B2 JP 2571994B2 JP 4110725 A JP4110725 A JP 4110725A JP 11072592 A JP11072592 A JP 11072592A JP 2571994 B2 JP2571994 B2 JP 2571994B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄系や非鉄系・石灰系
など各種の粉粒状鉱石の反応、乾燥または造粒などのた
めに使用される流動層炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】流動層炉の多くは、内部に分散器(分散
板、整流器などともいう)を有している。分散器は複数
のガスノズルをもつ板状のもので、炉体下方からのガス
をそのノズルを通して整流しながら上方の塔本体(流動
層部分)の内部へ導く。鉱石などの粉粒体を分散器上に
投入して下方からガスを導入すると、分散器上、つまり
塔本体内でその粉粒体を流動させ、各種の反応を促進す
ることができる。こういった作用をなす分散器として
は、特開昭59−113129号公報などに記載がある
ように水平な平板状のものが最も一般的である。
【0003】粉粒状の鉱石は、一般的には分級・造粒な
どの前処理を施されたうえ、原料として流動層炉に投入
される。塔本体内での流動の状態は鉱石の粒径によって
異なり、大径(粗粒)のものは流動しにくいため、適正
な流動状態を得る目的で事前に粒径を整えておくのであ
る。
【0004】しかしながら、そうした前処理には相当な
コストがかかることなどから、粒径を整えないまま、つ
まり大径のものを含めて粉粒状鉱石が投入されるケース
もある。特開平1−129915号公報に記載の流動層
炉は、そうした幅広い粒径分布を有する鉱石を扱うのに
好適な流動層炉で、中央部等に排出口のある漏斗状の分
散器を有している。小径の鉱石を塔本体内で流動させな
がら、大径のものは分散器の漏斗状の傾斜に沿ってゆっ
くりと移動させ、その間に反応を進行させる。また、同
様の使い方ができる流動層炉としては、実開昭60−6
5597号公報に記載のごとく、片側一方向に向けて下
り勾配となるように分散器(分散器に相当する炉体底
部)を設けた例もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上に紹介した従来の流
動層炉には、下記の点につき解決すべき課題がある。
【0006】イ) 水平な平板状の分散器を有する図4の
ような流動層炉では、粒径分布の広い粉粒状鉱石が装入
されたとき、分散器23上に、鉱石の滞留部分24yが
できる。すなわち、分散器23の上面周縁部と炉体側壁
21aの内面とがつながる隅の部分に、活発な流動をし
得ない大径の鉱石が滞留する。この部分にある大径の鉱
石は、ガスノズル23aから出るガスや流動している小
径の鉱石と接触する機会が少なく、また接触するにして
も隅に押しやられる力しか受けないことが多いので、一
旦ここへ来たのちはほかの部分へ移動し難いのである。
鉱石の性質やガスの温度などにもよるが、滞留すること
によって粉粒状の鉱石同士が付着・焼結し、成長が進む
と、ガスの流れや小径鉱石の流動を阻害することにもな
りかねない。なお、図4(a)はその成長途中の状態を示
すが、発明者らの実験によると、滞留部分24yは、分
散器23上の最も外側(炉体側壁21a寄り)のガスノ
ズル23aよりも外側の位置にまず発生する。
【0007】ロ) 図3のように漏斗状の分散器13を有
し、その中央付近に排出口16aを有する流動層炉に
は、第一に、大容量で内径(もしくは幅)Dが大きい場
合に安定した流動化が実現されにくい、という課題があ
る。滞留させずに鉱石を確実に排出するためには分散器
13の上面に鉱石の安息角以上の急な勾配が必要である
にも拘わらず、流動層の上面は全体的にはほぼ水平にな
ること、またその高さがいくらでも任意に増加できる性
質のものではないことなどに基づいて、流動層14xの
中心付近での高さHと外周付近での高さH’とに大きな
差が生じるからである。流動層の高さが不均一な場合
は、高さの低い部分へガスが偏って流れ、いわゆる吹き
抜け現象が局部的に発生する。ガスノズルの分布の疎密
を流動層の低い・高いに対応させたり、ガスノズルに意
図的に流路抵抗(圧力損失)をつけたりしてガス流れの
分布を均一化することも不可能ではないが、ガスの圧力
や流量の変化にも安定的に対応し、かつ設備能力上の合
理性を保つとなると不都合が多い。第二に、分散器13
の中央の排出口16aから風箱12の内部を貫通して排
出管16が配置されることから、排出管16が簡単には
構成されないという不利もある。鉱石に接する前の高温
のガスが風箱12内には流れているため、排出管16に
は最低限、熱膨張に対する配慮や耐熱性、あるいは強度
的・化学的な安定性などが求められるからである。そし
て第三には、分散器13の中央に排出口16aがあって
ガスノズルが分布しないために、その付近での鉱石の流
動が活発にはならず、それが、流動層14xの全体的な
撹拌・反応特性にとってマイナス要因となる。
【0008】ハ) 片側一方向へ向けて下り勾配の分散器
を有する流動層炉では、炉体の内径や幅が大きい場合、
図3の流動層炉以上に流動層高さに差が生じやすく、安
定した流動化が実現され難くなる。
【0009】本発明の目的は、大径のものを含む粉粒状
鉱石を原料として装入しても鉱石の滞留部分が生じず、
しかも流動化の安定性が阻害されにくく、かつ排出管の
構成も容易な流動層炉を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の流動層炉は、a)
分散器上面の周縁部と炉体側壁内面とがつながる隅の部
分に、ガスノズルの一部を含みその粉粒状鉱石の安息角
以上の角度で炉体内方(内側寄り)へ向けて下向きに傾
く傾斜面を設けるとともに、b)それより内側の分散器上
面部分は安息角以下の平坦面にし、c)上記の炉体側壁を
貫通して外側へ至る経路で鉱石の排出管を設けたもので
ある。
【0011】ただし、この流動層炉については、炉体内
方へ向けての上記傾斜面の水平寸法Lを、ガスノズルの
うち最も外方のものから炉体側壁内面までの水平距離
P、炉体(塔本体部分)の内径D、および最大流動層高
さHに対して、 L>P ‥‥ である(上記a)のように傾斜面がガスノズルの一部を
含むため、これは当然に満たされる)とともに、 L<D/4 ‥‥ かつ L<H/1.2 ‥‥ を満たすように定めている。
【0012】
【作用】本発明(請求項1)の流動層炉は、大径の粉粒
状鉱石が滞留しやすい前述の隅の部分に、上記a)のとお
り急な勾配の傾斜面を有している。この勾配は、鉱石の
安息角以上であって炉体内方へ向けて下向きに傾くもの
なので、大径の鉱石はここに堆積することはできず、分
散器上の内方、つまり上記b)の平坦面上にまで転がり
(または滑り)落ちる。ガスノズルの一部(つまり最も
外側のガスノズルなど)が上記の傾斜面上にあるため、
鉱石が到達したこの位置は、最も外側のガスノズルより
も内側であって前述(図4(a)参照)のように滞留部分
の発生し始める位置ではない。すなわち大径鉱石は、ガ
スノズルを通る高速のガスや、それにより活発に流動さ
せられる小径鉱石の動きの影響を四方から受けてあらゆ
る方向に運動し撹拌されて、滞留や付着・焼結を起こす
ことがない。
【0013】上記a)の傾斜面は、分散器周縁付近の隅の
部分に設けられるものであって、分散器の中央付近もし
くは他方の端部付近にまで続くものではない。またb)の
ように、その傾斜面の内側は安息角以下の(つまり水平
もしくは傾きの緩い)平坦面である。そのためこの流動
層炉では、図3の例と違って流動層高さの差がほとんど
生じず、または生じるとしてもその高さの低い部分は僅
かの範囲に限られる。このことは、流動層炉(塔本体)
内で均一かつ安定した流動化を実現する大きな要件であ
る。なお、もし鉱石の排出管の端部(すなわち排出口)
を前記の隅の部分に寄せて設けるとすれば、その排出管
が風箱内を通る距離がわずかになって構成容易となるほ
か、ガスノズルの配置から流動の円滑化を図りやすい、
といった利点ももたらされる。
【0014】またこの流動層炉は、上に述べた流動化の
安定の点でとくに好ましい作用を発揮する。それは、傾
斜面の水平寸法Lが、上記・・の各条件を満たす
ように定められているからである。すなわち、まずに
ついては、請求項1の流動層炉において傾斜面がガスノ
ズルの一部を含むことからすでに満たされているが、請
求項2の流動層炉はおよびの条件をも満たすため
に、流動層高さの高低比(流動層の高い部分と低い部分
との高さの比)が、必然的に好ましい範囲内に収まるの
である。詳細は実施例の項で述べる。
【0015】
【実施例】図1(a)に、本発明の一実施例である流動層
炉1の縦断面図を示す。図1(b)は同(a)におけるb部
の拡大図である。
【0016】この炉1は、鉄鉱石の還元に使用するもの
で、導入管2aを経由させて高温の還元ガスを風箱2内
に導き、分散器3のガスノズル3aを通して塔本体4内
へ送る一方、投入口5から粉粒状の鉄鉱石を分散器3上
に投入し、塔本体4内でその流動層4xを形成せしめ
る。鉄鉱石は、流動層4xなどにおいてガスと接触する
ことにより還元され、排出口6aより排出管6を経て炉
外へ排出される。
【0017】流動層炉1は塔本体4の内径が約5メート
ルの円筒状のものだが、この炉1における導入ガスの仕
様や鉄鉱石の粒径は下記のとおりである。
【0018】 ガス組成 CO:39%、CO2:21
%、H2:14%、H2O:12%、N2:14% ガス温度(導入管2a内) 1030 ℃ 鉄鉱石反応温度(流動層4x内) 800 ℃ 空塔速度(塔本体4内のガス流速) 5 m/s 鉄鉱石の粒径 10mm以上:2%、10〜5m
m:18%、5〜0.5mm:31%、0.5mm以
下:49% 鉄鉱石原料として、上記のように粒径(直径)10mm
以上のものから1mm未満のものまでを含めて投入する
のは、分級や粉砕・造粒といった鉄鉱石の前処理を省略
してコストを低減するためである。しかしながら直径が
6mmを超える程度の鉄鉱石はまず流動し得ないことか
ら、この流動層炉1には、下記のような新規の構成を施
している。
【0019】すなわち、流動しなくて動きの鈍い大径の
鉄鉱石が滞留しがちな部分、つまり分散器3の上面周縁
部と炉体側壁1aの内面とがつながる隅の部分に、図1
(b)のとおりの炉体内方に向けて下がり勾配の傾斜面7
を全周的に形成している。この例では、炉体側壁1aと
分散器3とはいずれも耐火材(煉瓦やセラミックスな
ど)主体の構成であるが、両者の接続部である隅の部分
(上部)に同様の耐火材を施工したうえ、その部分の上
面に図のような傾斜面7を形成した。水平面に対する傾
斜面7の傾き角αは、原料である鉄鉱石の堆積を避ける
ため、その安息角(鉱石の種類や性状によるが28°〜
40°)を上回る角度(ここでは30°)としている。
また分散器3には、その半径方向および周方向に多数の
ガスノズル3aが点在するが、それらのうち一部のもの
(この例では、最外周に位置するノズル3a’)は、図
1(b)のとおり傾斜面7の中腹に開口させてある。なお
この傾斜面7の内側では、分散器3の上面は図のように
水平な平坦面としている。
【0020】こうした構成に基づいて流動層炉1では、
投入口5より投入された鉄鉱石のうち小径のもの(図1
(b)の鉄鉱石x)が前述のように流動して流動層4xを
形成する一方、大径(粒径が6mm程度以上)の鉄鉱石
(図1(b)の鉄鉱石y)はつぎのような挙動をする。す
なわち、 1) 炉体側壁1aの付近より傾斜面7上に至った鉄鉱石
yは、ここに堆積することができないため、図1(b)の
とおりその表面に沿って下方へ移動する。傾斜面7上で
移動する途中、その傾斜面7に開口するガスノズル3
a’の付近では高速のガスにより一部が多少吹き上げら
れるが、すべての鉄鉱石yが、特定の箇所に滞ることな
く傾斜面7の内側縁部(平坦面上)にまで移動する。
【0021】2) 上記1)のように傾斜面7上を経て分散
器3の平坦面に到達した大径の鉄鉱石yと、傾斜面7を
経ずに塔本体4の中央付近からその平坦面上へ至った同
様の鉄鉱石yとは、分散器3上に堆積して流動すること
はないものの、上下左右へ少しずつの移動を続ける。そ
の周囲四方に点在するガスノズル3a・3a’からのガ
スや、それによって活発に流動している小径の鉄鉱石x
により上下・左右・前後のあらゆる方向に動かされるか
らである。そして、こうした運動を続けるうちに排出口
6aに到達した鉄鉱石yが、流動層4xにおいて流動し
ながら同じ箇所へ到達した小径の鉄鉱石xとともに排出
管6を経て炉外へ出る。
【0022】このように流動層炉1においては、流動す
る小径の鉄鉱石xだけでなく、流動し得ない大径の鉄鉱
石yまでもが常に運動し撹拌されるので、特定箇所への
滞留に起因する鉄鉱石同士の付着もしくは焼結が発生し
ない。
【0023】なおこの流動層炉1では、鉄鉱石の排出管
6を、傾斜面7を形成した分散器3の隅の部分から炉体
側壁1aを貫通させ、風箱内を通さないで設けている。
このことは、排出管6として1000℃を超えるほどの
耐熱性は不要であることや、それを水冷構造とする必要
もないこと、さらにそれゆえに、排出されて次工程へ送
られる鉄鉱石の顕熱エネルギーが失われないことなど、
多くの利点に結びついている。また、流動層4xに及ぼ
す影響が強い分散器3の中央付近を外して排出口6aを
設けたので、流動層4xの安定性の点でも好ましい。
【0024】ところで、傾斜面7については、前述のよ
うに傾き角αを30°に設定するとともに、図2に示す
半径方向の水平寸法Lを150mmにしている。これ
は、以下の考え方に基づくものである。
【0025】イ) 傾斜面7の内側縁部が最外周のガスノ
ズル3a’よりも外側にあれば、その縁部の付近に大径
の鉄鉱石yが滞留し、図4(a)に似た結果となる可能性
があるので、図2のように L > P ‥‥ (ただしPは、最外周のガスノズル3a’から炉体側壁
1aの内面までの水平距離)とする。この点は、傾斜面
7が最外周のガスノズル3a’を含む、とすでに述べた
ことと同義である。なお、本流動層炉1においては P
=70mm である。
【0026】ロ) 寸法Lは、それが大きいほど、大径の
鉄鉱石yが傾斜面7を下る距離すなわち運動の活発な距
離が長くなるうえ、上記イ)のとおり傾斜面7のうちにガ
スノズル3aを設けやすくなって鉄鉱石yの滞留・付着
等の防止に効果的であるが、そのLが大きすぎるとほか
の不都合が生じる。すなわち、流動層4xの高さH(お
よびH’)にアンバランスができて流動を安定させ難く
なったり、排出口6a(図1(a))を分散器3の外周
付近には設けにくくなったりする。それらを考慮した発
明者らの設計経験および実験結果に基づけば、上記の
条件を満たすとともに L < D/4 ‥‥ (図2のようにDは炉体(塔本体4)の内径)であるべ
きことがわかった。なお本実施例の流動層炉1では D
=5000mmである。
【0027】ハ) 流動層4xの高さHないしはH’の分
布はその流動の安定性と密接な関係をもつが、その分布
が、許容されない程度のアンバランスなものかどうか
は、内径Dの大小だけでなく、最大高さHをどの程度に
定めるかによっても変わる。たとえば、図2において最
大高さHが十分に大きければ、内径Dおよび寸法Lが大
きい場合でも高さHとH’とのちがいは小さくなる。こ
の点から、最大高さHをも考慮して寸法Lを定める必要
がある。発明者らの実験によると、流動層4xの最大高
さHと最小高さH’との比H/H’が2以上のときは、
ガスノズル3aの分布や寸法・形状をいかに工夫して
も、ガス流れの偏りを防いで常に(ガスの条件が変わっ
ても)流動を安定化させることは難しい。H/H'<2
の条件に H’=H−L・tanα, α=30° を併せて考えると、 L < H/1.2 ‥‥ でなければならないことになる。なおこの流動層炉1で
は H=1500mm である。
【0028】以上のイ)・ロ)・ハ)(式・・)より、
この例においては L=150mmとしたのである。こ
うして水平寸法Lを定めたことと、傾斜面7の内側では
分散器3の上面を水平な平坦面にしたこととにより、こ
の流動層炉1では、流動層高さの最大値(H)・最小値
(H’)間に不都合なアンバランスが生じない。その結
果、塔本体4内で均一かつ安定した流動層4xが形成さ
れる。
【0029】以上、一実施例を紹介したが、本発明の流
動層炉はこのほか下記のように実施することも可能であ
る。
【0030】a) 上の例では、傾斜面7を、分散器3と
炉体側壁1aとの両者に対して一体的に設けたが、それ
以外に、分散器3・側壁1aのいずれとも別の部材(取
り外し可能な傾斜物)を設けてその上面を傾斜面にした
り、分散器3か側壁1aのいずれかのみと一体的な部材
に傾斜面を設ける−などの手段をとるのもよい。
【0031】b) 傾斜面7の部分は、耐火材ではなく金
属(内部を流体で冷却するのがよい)によって形成する
こともできる。金属製の部材(傾斜物)の表面のみを耐
火材や耐摩耗材で被覆するのもよい。
【0032】c) 傾斜面よりも内側の分散器上の部分
は、水平面とするに限らず、鉱石の安息角以下の緩い傾
斜をもつ平坦面にしてもよい。その場合の傾斜は、炉体
側壁付近の排出口(排出管)に向かって下がるものにす
るのが好ましい。
【0033】d) 実施例には鉄鉱石の還元用の流動層炉
を示したが、本発明は、非鉄系・石灰系を始めとする各
種の粉粒状鉱石の流動層炉において実施できる。高温ガ
スの導入に起因して鉱石同士の付着等が生じがちな場
合、実施例と同様の効果があると期待される。
【0034】
【発明の効果】本発明の流動層炉にはつぎの効果があ
る。
【0035】1) 原料として、大径のものを含む粉粒状
の鉱石が装入された場合にも、その鉱石の滞留部分が生
じない。したがって、炉内で鉱石が付着したり焼結した
りして円滑な流動が阻害されることがない。このことは
逆に、分級など鉱石の前処理のためのコストを確実に低
減できることにもなる。
【0036】2) 流動層の高さに極端な分布が生じない
ため、均一で安定した流動層が形成され、反応等の安定
化・効率化がはかれる。
【0037】3) 鉱石の排出管を、風箱内を通す必要が
ないことから容易に構成することができる。また、その
端部(排出口)を分散器の中央付近に設けるのでないた
め、流動層の安定化の面でも好都合である。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の一実施例である流動層炉
1の縦断面図である。また図1(b)は、同(a)における
b部の拡大図である。
【図2】図1の流動層炉1の各部寸法の関係を表わす模
式図である。
【図3】従来の流動層炉を示す縦断面図である。
【図4】図3のものとは別の従来の流動層炉を示す図
で、図4(a)は分散器上で見た水平断面図、同(b)は分
散器付近での縦(鉛直)断面図である。
【符号の説明】
1 流動層炉 1a 炉体側壁 3 分散器 3a ガスノズル 6 排出管 7 傾斜面

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスノズルを複数有する分散器を備え、
    その上に粉粒状鉱石を装入するとともに下方から流動用
    ガスを導入する流動層炉であって、 分散器上面の周縁部と炉体側壁内面とがつながる隅の部
    分に、ガスノズルの一部を含みその鉱石の安息角以上の
    角度で炉体内方へ向けて下向きに傾く傾斜面を設けると
    ともに、それより内側の分散器上面部分は安息角以下の
    平坦面にし、上記の炉体側壁を貫通して外側へ至る経路
    で鉱石の排出管を設けたこと、 および、炉体内方へ向けての上記傾斜面の水平寸法L
    は、ガスノズルのうち最も外方のものから炉体側壁内面
    までの水平距離P、炉体の内径D、および最大流動層高
    さHに対して、 L>Pであるとともに、 L<D/4 かつ L<H/1.2 を満たすものとしたこと を特徴とする流動層炉。
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