JP2571199B2 - 溶解性の高いサイクロデキストリンの製造方法 - Google Patents

溶解性の高いサイクロデキストリンの製造方法

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JP2571199B2 JP62295298A JP29529887A JP2571199B2 JP 2571199 B2 JP2571199 B2 JP 2571199B2 JP 62295298 A JP62295298 A JP 62295298A JP 29529887 A JP29529887 A JP 29529887A JP 2571199 B2 JP2571199 B2 JP 2571199B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、溶解性の高いサイクロデキストリンの製造
方法に関する。
〔従来の技術〕
サイクロデキストリン(以下、「CD」と略記する。)
はグルコースが6個以上環状にα−1、4結合したオリ
ゴ糖であり、6個のグルコース単位からなるα−CD、7
個のグルコース単位からなるβ−CD、8個のグルコース
単位からなるγ−CDが主として知られている。
CDには、その構造上、分子に空洞があり、しかもこの
空洞が疎水性であるため、各種油性物質を取り込む性質
がある。
CDはこのような性質を有しているために、幅広い用途
があり、製薬工業,化粧品工業,香料工業,食品工業な
どの分野において応用研究が活発に進められている。
しかし、CDの溶解度は低く、α−CDで14、β−CDで
2、γ−CDで23程度である。特にβ−CDの溶解度は低
く、実用化の場合にな不利な性質である。
最近、小林らによって分岐CDの研究が進められ、その
性質が明らかにされた(小林ら、澱粉科学、30、231〜2
39(1983))。たとえば溶解度については、分岐CDの溶
解度は元のCDの10倍にも達する。
分岐CDの澱粉から製造する方法とCDとオリゴ糖を混合
し、その混合物にプルラナーゼを作用させ、逆反応を利
用して製造する方法が知られている。前者の方法は澱粉
分子の枝部分を巻き込んで環化反応を行なわせるもので
あり、酵素反応を二回以上行なわせるなど、煩雑な操作
を必要とする。また、後者は大量の酵素を必要とし、高
濃度基質を用い、反応時間が長いなど、コスト低減化に
不利な面が多い。
しかし、これまで酵素による枝付け以外の方法でCDに
枝を付け、CDの物性を改良した例は知られていない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来の酵素を用いた分岐CDの製造と製品の高溶解性
は、各方面から注目されているが、本発明では、可及的
低コストで安全性の高い製品の開発を目的として従来と
は全く異なった観点から、CDと澱粉分解物を混合し、主
として食品添加物として認められている酸を触媒として
用い、CDの物性改良を試みた。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで本発明者らはCDと澱粉分解物の酸縮合反応を鋭
意検討し、高温、減圧下で、フマル酸などの食品用有機
酸をCDと澱粉分解物の混合物中に加えて処理することに
より、各種の枝がCD環に付き、製品の溶解性が高まるこ
とを見出し、実用性の高いCDの物性改良法を完成したの
である。
本発明は、CDと澱粉分解物を混合し、酸処理を行なう
ことを特徴とする溶解性の高いCDの製造方法を提供する
ものである。
澱粉分解物としてはグルコースのほかマルトース,マ
ルトトリオース,マルトテトラオース,マルトペンタオ
ース,マルトヘキサオースなどのマルトオリゴ糖、デキ
ストリンなどがあり、これらを単独または混合物の状態
で用いることが出来る。
CDとしては非分岐CD,分岐CDいずれでも良いが、経済
的には通常のα−CD,β−CD,γ−CDのいずれか、または
これら二種以上の混合物、さらには市販されているCD製
品、例えばCDを50%含むCD粉アメなども用いることがで
きる。
酸としては、酢酸,シュウ酸,プロピオン酸,乳酸,
マレイン酸,フマル酸,コハク酸,リンゴ酸,酒石酸,
クエン酸およびグルコン酸などの有機酸の他、塩酸,硫
酸,リン酸などの無機酸も利用できる。有機酸にはこの
他、ギ酸,酪酸も使用可能であり、条件によってはアミ
ノ酸も利用できる。酸を選択する場合、不快臭,安定性
などの面から目的に適合した酸を選択すべきである。
CDと澱粉分解物の混合割合については適宜決定すれば
よいが、通常はCD100重量部に対し澱粉分解物10〜100重
量部の割合とすればよい。
澱粉分解物用の原料澱粉としては、馬鈴薯,甘藷,ト
ウモロコシ,モチトウモロコシ,大麦,小麦,タピオカ
などの任意の原料から得られる物を使用することができ
る。しかし、これらの澱粉から得られる分解物はマルト
オリゴ糖より巨大な分子であっても、酵素反応と異な
り、酸縮合反応であるため効率よく縮合が行なわれる。
しかし、マルトオリゴ糖より巨大な分子では、得られる
反応物の溶解度はあまり上昇しないので、高溶解性製品
生産用にはマルトオリゴ糖が好ましい。
次に、酸としては食品添加物として認められている有
機酸が好ましいが、いずれの酸も使用することができ
る。また、酸を過剰に加えると、縮合反応が進みすぎ巨
大分子となるので、溶解度を上昇させることが困難とな
る。酸の添加量は反応温度と時間により異なるが、通常
CDと澱粉分解物の総重量に対し5〜30%、好ましくは10
〜20%が適当である。
反応温度は用いる酸の安定性によって異なり、最適な
温度を選択すべきであるが、通常135〜300℃の範囲であ
れば反応は進行し、例えばフマル酸を用いる場合、160
℃程度で充分である。
真空度は特に限定する必要はなく、着色が強くなる場
合は真空度を上げるか、または炭酸ガス置換をすること
が望ましいが、通常20〜755mmHgで反応する。
本発明の方法によれば、グルコースやマルトースが結
合した分岐CD以外に各種糖が生成している。溶解度が上
昇するのは、CD環にグルコースまたはグルコースポリマ
ーがαおよび/またはβ結合した分岐CD、またはCD間に
マルトオリゴ糖が架橋した糖等が生成しているためと思
われる。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を示す。
実施例1 α−CD2.5gとグルコース0.5gにフマル酸を0.01〜5.0g
添加し、温度160℃,圧力740mmHgで17時間反応させ、酸
の添加量の影響を調べた。その結果を表−1に示す。 表−1 酸の添加量(g) CD変換率(%) 0.01 0 0.1 34.6 0.2 49.1 0.5 62.3 0.6 48.6 0.8 36.1 3.0 33.3 5.0 31.5 CD変換率の分析は高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)を用いて行なった。なお、HPLCの条件は島津「LC−4
A」,水溶出,流速0.6ml/min,検出RI:Attenuation 16X,
カラム:Bio−Rad Aminex Carbohydrate HPX−42Aであ
り、この条件下での各糖の保持時間(min)は表−2に
示したとおりである。表中、例えばG1−α−CDはグルコ
シル−α−CDを、G2−α−CDはマルトシル−α−CDを意
味する。
表−2 G2−α−CD 8.3, G1−β−CD 12.1, G1−α−CD 8.9, G2 14.5, α−CD 9.7, G1 16.6, G2−β−CD 11.6, β−CD 19.1 実施例2 α−CD1.5gとマルトース0.5gにフマル酸0.1g添加し、
温度160℃,圧力660mmHgで反応させ、経時変化を調べ
た。その結果を表−3に示す。 表−3 時間(H) CD変換率(%) 0.3 0 1 0 2 4.2 4 18.7 8 19.2 以上のように、本発明の方法は酵素反応法と比較し
て、反応時間が4時間程でよく、非常に短時間に終了す
る。
実施例3 α−CD2.5gとグルコース0.5gに各種酸を適当量添加
し、温度160℃,圧力740mmHgで17時間反応させた。その
結果を表4に示す。 表−4 酸の種類 酸の添加量(g) CD変換率(%) フマル酸 0.5 62.7 コハク酸 0.1 32.1 酒石酸 0.2 29.3 実施例4 α−CD1.5gとグルコース0.5gにフマル酸0.5gを添加
し、温度160℃,圧力660mmHgで17時間反応させた。この
時の反応前後のクロマトグラムを第1図に示す。この時
のCD変換率は48.5%であった。
実施例5 前記した実施例4の反応物の25℃における溶解度を測
定した。その結果をα−CDと比較して表−5に示す。 表−5 溶解度(g/100ml) α−CD 14.1 反応物 45.1 〔発明の効果〕 本発明によればCDを簡便な処理により高溶解性とする
ことができ、本処理により分岐CDと思われる物質が大量
に効率的に生成される。
さらに、カーボン,イオン交換樹脂等を用いる方法、
セファデックスなどの分子量差を利用した方法、ODSカ
ラム,膜による分離方法を組合せて、反応混合物から分
岐CD部分を得ることができる。分岐CDが高分子の場合
は、目的に応じてその水溶液を酸処理して低分子化する
こともできる。
このように、本発明によって得られる反応生成物から
分岐CD部分を分離し、必要に応じて低分子化して用いる
ほか、用途により酸縮合反応を行なった反応生成物をそ
のまま製品化することもできる。これらの混合物は医薬
品,化粧品,香料,食品等の可溶化等に広く用いること
ができる。
また、難消化性であるのでビフィダス菌増殖因子、肥
満防止などの健康食品,特殊食品への用途が期待され
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による酸処理反応前後のクロマトグラム
である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サイクロデキストリンと澱粉分解物を混合
    し、酸処理を行なうことを特徴とする溶解性の高いサイ
    クロデキストリンの製造方法。
  2. 【請求項2】澱粉分解物がグルコースおよびマルトー
    ス,マルトトリオース,マルトテトラオース,マルトペ
    ンタオースおよびマルトヘキサオースの中から選ばれた
    マルトオリゴ糖単独、デキストリン、またはこれらの混
    合物である特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
  3. 【請求項3】サイクロデキストリンがα−,β−および
    γ−サイクロデキストリンのいずれか、またはこれらの
    混合物である特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
  4. 【請求項4】酸が塩酸,硫酸およびリン酸の中から選ば
    れた無機酸、ならびに酢酸,シュウ酸,プロピオン酸,
    乳酸,マレイン酸,フマル酸,コハク酸,リンゴ酸,酒
    石酸,クエン酸,グルコン酸の中から選ばれた有機酸の
    いずれかである特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
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IT1263831B (it) * 1993-01-29 1996-09-04 Paolo Chiesi Complessi di inclusione multicomponente ad elevata solubilita' costituiti da un farmaco di tipo basico, un acido ed una ciclodestrina
CN100335527C (zh) * 2005-08-22 2007-09-05 暨南大学 一种水溶性聚乳酸材料及其制备方法与应用

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