JP2571121Y2 - バルカナイズドファイバー製の鋸歯刃つきシートならびに該シートを接着させたカートン - Google Patents

バルカナイズドファイバー製の鋸歯刃つきシートならびに該シートを接着させたカートン

Info

Publication number
JP2571121Y2
JP2571121Y2 JP1992078914U JP7891492U JP2571121Y2 JP 2571121 Y2 JP2571121 Y2 JP 2571121Y2 JP 1992078914 U JP1992078914 U JP 1992078914U JP 7891492 U JP7891492 U JP 7891492U JP 2571121 Y2 JP2571121 Y2 JP 2571121Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
carton
saw blade
blade
moisture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1992078914U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0581018U (ja
Inventor
充洋 佐野
信男 若林
弘明 三鴨
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Paper Co Ltd
Priority to JP1992078914U priority Critical patent/JP2571121Y2/ja
Publication of JPH0581018U publication Critical patent/JPH0581018U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2571121Y2 publication Critical patent/JP2571121Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Rigid Or Semi-Rigid Containers (AREA)
  • Nonmetal Cutting Devices (AREA)
  • Cartons (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、合成樹脂製のラッピン
グフィルム、紙または金属箔などの所謂クッキングシ−
トを截断するための鋸歯刃つきシ−トならびに前記の鋸
歯刃つきシ−トを接着させたカ−トンケ−スに係る。
【0002】
【従来の技術とその問題点】厨房などで食品等を包装す
るために使用される合成樹脂製のラッピングフィルムや
アルミホイル等、一般にクッキングシ−トと呼ばれる資
材は、通常、ロ−ル状に捲回された上で板紙製のカート
ンケ−ス(以下、単にカ−トンという)に収納されてい
る。そして使用に当っては、前記フィルムやアルミホイ
ルの端部をカ−トンから引き出した上で、該カートンの
前面部または蓋部に付設された切刃、すなわち、鋸歯状
に形成された切刃(以下、単に切刃または鋸歯刃とい
う)を介して截断することにより所望の長さとして使用
に供されている。
【0003】ところで、前記カートンに付設されている
切刃は、一般に金属製であることが多いが、最近に至っ
てはバルカナイズドファイバー製のものも上市されるよ
うになってきている。それは金属製の切刃であるとカー
トンを掴んだときに手指を傷つけ易いが、バルカナイズ
ドファイバー製であると、そのような憂いがなく、一
方、フィルムやホイルを使い終わったときには、カート
ンごと焼却処分が可能であるからである。
【0004】バルカナイズドファイバ−製の切刃は、前
記のような利点を有する反面、素材特有の性質に起因し
て長期間多湿の雰囲気下におかれると、吸湿して伸びが
生ずるという欠点を有している。そのため、従来はバル
カナイズドファイバ−の原反の表面にメラミン樹脂液、
グリオキザ−ル溶液またはポリウレタン樹脂液等を塗工
して耐湿性を付与した上で切刃を形成させて実用に供し
ているが、必ずしも満足のゆく結果は得られず、更に改
良が望まれている実情にある。すなわち、バルカナイズ
ドファイバ−製の切刃を、特に高湿度になりやすい調理
場等においた場合には雰囲気中の湿気を受けて伸びが生
ずることがあり、耐水、防水加工の程度にもよるが、極
端な場合には吸湿による伸びのため、前記切刃と該切刃
を接着させているカ−トンとの間が局部的に剥離して切
刃の機能を低下させるという不具合の生ずることがあ
る。
【0005】
【問題点を解決するための手段】ここにおいて、本考案
は雰囲気中の湿気の影響を極力受けずに済むようにし
て、カートン内から繰り出されてくるシートの切断用切
刃として、終始充分な截断機能を発揮できるようにした
切刃用シ−トを得ることを目的としたものである。換言
すれば、湿気に対しても極めて寸法安定性の高いバルカ
ナイズドファイバー製鋸歯刃つききシートを得んとした
ものである。
【0006】本考案は、鋸歯刃つきシートを構成してい
るバルカナイズドファイバーの両面に、ポリオレフィン
樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルムまたはポリ塩
化ビニリデン樹脂フィルムの何れかから選ばれるところ
の低透湿度の防湿皮膜を形成させることにより、前述の
問題点を解決しようと意図したものである。なお、前記
樹脂フィルムの典型例としてはポリエチレンフィルムま
たはPETフィルム等が挙げられる。
【0007】なお、前記防湿皮膜はこれをバルカナイズ
ドファイバーの表面に直接形成させてもよいが、それに
先立ってあらかじめ前記したメラミン樹脂、グリオキザ
−ル、その他の耐水化剤を塗工する等の手段により耐水
ないしは防水処理を施した上で、前記防湿皮膜を形成さ
せてもよいことは勿論である。ちなみに、前記防湿皮膜
とバルカナイズドファイバーとの間の接着性を向上させ
るため次のような手段を採用することもできる。すなわ
ち、バルカナイズドファイバー面にポリエチレンイミン
等によるアンカーコート剤を予め塗布しておく方法、或
いは防湿皮膜をバルカナイズドファイバー面にラミネ−
トするに先立って、当該防湿皮膜となる樹脂フィルムの
表面に予めコロナ放電処理を行っておく等の方法があ
る。
【0008】なお、鋸歯刃つきシートにおける切刃全体
の形態は、これを前記のように一直線状とすることもで
きれば、或いは切刃全体の形状を長さ方向において屈曲
させて山形に形成させてもよい。
【0009】さらにまた、前記のようにして鋸歯刃を形
成させた後の鋸歯刃の端面、詳しくは個々の切刃の凹部
に対しても耐水処理を施しておくようにした発明を含
み、その場合には鋸歯刃形成後の刃の周りに対して次の
ような処理を施す。すなわち、その一つは比較的流動性
を高くした前記各樹脂の有機溶剤溶液または前記以外の
各種耐水化剤を塗布または含浸させて刃の端面にも耐水
処理を施しておく方法であり、それ以外にも前記した刃
の端面に電子線硬化型樹脂(EB樹脂)または紫外線硬
化型樹脂(UV樹脂)等の電離放射線硬化型樹脂を塗工
した後、これを硬化させることによって防水皮膜を形成
させてもよい。電離放射線硬化型樹脂による硬化後の防
水皮膜は、極めて高い硬度を有するので、鋸歯刃の端面
からの水分の浸透を防ぐと共に、刃それ自体の強度を向
上させる効果もある。ちなみに、前記の耐水処理は水分
の浸入を防ぐための所謂防水処理を含む概念である。
【0010】なお、バルカナイズドファイバーの表裏両
面に防湿皮膜を形成させた後に、第2段目の処理で鋸歯
刃の端面に前記防水皮膜を形成させるように処理しても
よい。また、予めバルカナイズドファイバーの原反に対
して防水剤を含浸させたものを対象として、その両面に
防湿皮膜を形成させてから鋸歯刃を形成させてもよい。
【0011】前述のように、本考案においては鋸歯刃を
形成させて成るバルカナイズドファイバー片、すなわち
鋸歯刃つきシ−トを前記したカ−トンに付設させるもの
であるが、付設に当っては、適宜の粘着剤または接着剤
(感圧接着剤を含む)を使用することができるけれど
も、下記の接着方法を採用したときには、前記粘着剤ま
たは接着剤を使用した場合よりも後記のように種々の面
で優れた効果が得られる。
【0012】その接着法とは、前記したカ−トンを構成
する板紙に対して、前記の鋸歯刃つきシ−トを重ね合わ
せてから、超音波溶着法により該シ−トの表面に形成さ
せた防湿皮膜を介して板紙と鋸歯刃つきシ−トとを互い
に溶着させるようにした方法であって、このようにして
接着させたものは高湿度の雰囲気下におかれても少しも
剥れの生じないことが確認された。
【0013】かくして本考案は、バルカナイズドファイ
バー製鋸歯刃つきシートを湿度の影響を受けにくい状態
に保持することが可能となり、したがってバルカナイズ
ドファイバーを素材に用いながらも極めて寸法安定性に
富んだ鋸歯刃つきシートとなるので、鋸歯刃の截断性能
も高く、その上、このシ−トをカ−トンに接着した場合
にあっても、接着部位において剥れの生ずる虞れなく、
しかも強固に接着された切歯付カートンを提供すること
が可能となる。
【0014】本考案で用いる主要材料はバルカナイズド
ファイバーであり、そのものは周知のように、木綿繊維
または化学パルプを原料に用い、無サイズで抄造した原
紙を所定の濃度(一般にボ−メ度65〜74)の塩化亜鉛の
液で処理したもので、木材と金属の中間の性質をもち、
高い弾性と剛性を有し、しかも金属に較べ遥かに軽量で
あり、各種の油に対しても高度の耐性を有する。
【0015】本考案はバルカナイズドファイバーが有す
る前記の性質を活用し、かつこのものに後記のような特
殊加工を施すことにより、前記した鋸歯刃つきシ−トを
得、このものをカ−トンに接着させて従来の金属刃に代
わる有用性の高い切刃つきカ−トンを提供し得るように
したものである。また、前記鋸歯刃つきシ−トの厚みと
しては、0.2mm〜0.5mm程度、好ましくは0.
25mm〜0.35mm程度で、薄いほど切れ味がよ
い。
【0016】なお、本考案にあっては、前記したバルカ
ナイズドファイバーの原反を、そのまま鋸歯刃つきシ−
トの原材料として用いてもよいが、このバルカナイズド
ファイバーに予めメラミン樹脂溶液またはグリオキザ−
ル溶液等を塗工または含浸させて耐水性を付与した上で
使用してもよい。
【0017】前記原反の表面に設ける防湿皮膜の形成方
法に関して具体的に述べると、前記したポリオレフィン
樹脂、ポリエステル樹脂またはポリ塩化ビニリデン樹脂
等から選ばれる低透湿度の各種樹脂をエマルジョンや溶
液の形態で前記原反の表面に塗工する方法、或いはフィ
ルムの形態でドライラミネ−トする方法、さらには、前
記各樹脂を溶融状態に保持した上で、これを原反の表面
に押し出しコ−ティングする等の方法を採用することが
できる。
【0018】なかでも、ポリエチレン、ポリプロピレン
あるいはメチルペンテンポリマー等の透湿度の低いポリ
オレフィン樹脂を溶融押出しによりバルカナイズドファ
イバー表面にラミネートする方法がよい。
【0019】なお、前記構成から成る鋸歯刃つきシ−ト
をカ−トンブランクに貼着させる際には、当該接着部位
に相当する個所のカ−トン側に接着促進剤としてポリエ
チレン樹脂等のエマルジョンを予め塗布して皮膜を形成
させておくと、両者の接着強度がさらに高まる。
【0020】以下、本考案を実施例ならびに比較例に基
づき、一層具体的に説明する。 実施例1 まず、前記バルカナイズドファイバー製の鋸歯刃つきシ
−トを製造する場合に用いるバルカナイズドファイバー
の原反の製造法について略述する。使用パルプとして、
NBKPおよびNDSPをそれぞれ50%づつ配合した
紙料を用いて、米坪105g/m2 の原紙を抄造する。
この原紙2枚を69°ボーメ、40℃の塩化亜鉛溶液に
浸漬後、圧搾、加温圧着、空気熟成を経て約30°ボー
メの塩化亜鉛溶液槽に浸漬した後、逐次、低濃度の塩化
亜鉛溶液槽にて熟成を行って塩化亜鉛を溶出させる。次
いで塩酸槽にて酸洗いをした後、水洗槽に送り塩化亜鉛
を除去する。その後に予備乾燥を施してから、メラミン
ホルマリン樹脂溶液を両面に塗工(固形分換算で10g
/m2 )した上で、シリンダドライヤ−にて乾燥する。
次いで更にキャレンダ−掛けを行って、0.25mm厚
の耐水性に富んだバルカナイズドファイバー原反を得
た。
【0021】この原反の表裏両面に、それぞれポリエチ
レンイミンを固形分で3g/m2 の割合で塗工、乾燥さ
せることによりアンカ−処理を施した後、その処理面に
低密度ポリエチレンの溶融押出しコートを行なって、両
面に厚さ20μの低密度ポリエチレン層からなる防湿皮
膜を形成させた。
【0022】かくして図2〜4に示すように帯状のバル
カナイズドファイバーの原反1の表裏両面に前記ポリエ
チレン層からなる防湿皮膜2が形成されたバルカナイズ
ドファイバー板3が得られるから、このものを鋸歯刃形
成機に掛け、或いはプレス機等により打ち抜き成形すれ
ば容易に同図に示すようなバルカナイズドファイバー製
の鋸歯刃つきシ−ト4が得られる。
【0023】ところで前記原反は抄造時において構成繊
維の配向に起因した方向性を帯びる。すなわち、構成繊
維は抄紙方向に沿って平行に並ぶ傾向があるので、それ
に伴って抄造された原反にも、当該原反の長手方向、す
なわちマシン方向(MD方向)とそれに直交する方向
TD方向)とでは原反そのものの物理的性質が異なっ
てくる。特に吸湿時における伸縮率を考察すると、図3
〜4のTD方向における前記原反の伸縮率はMD方向の
それに較べて6〜7倍も高い数値を示す。伸びを例にと
って具体的に述べると、相対湿度65%RHから90%
RH(雰囲気温度23℃に24時間放置)にした場合の
伸びは、MD方向は0.4%であるのに対し、TD方向
は2.7%という値を示すのである。
【0024】したがって前記原反から鋸歯刃つきシ−ト
を作成する際、図3に示すような状態で鋸歯刃を形成さ
せ、かつこのシ−トをカ−トンに貼着して使用したとき
には、前記伸びに起因して鋸歯刃つきシ−トがカ−トン
上において波打つように屈曲し、局部的に剥れが生じて
しまう。その結果、鋸歯刃それ自体の鋭利性も損なわ
れ、切れ味が極端に低下してしまうという不具合が生じ
る。ちなみに図4のような状態、すなわちMD方向に沿
って鋸歯刃を形成した場合には、伸縮率が小さいので前
記の現象は生ぜず、また幾分伸縮が生じても、それはカ
−トンの伸縮と合致する値となるから、事実上問題は生
じない。
【0025】本考案は、前記TD方向の不具合を解決す
ることを目的の一つとし、その目的を達成させるため前
記原反の両面に、ポリオレフィン樹脂フィルム、ポリエ
ステル樹脂フィルム、ポリ塩化ビニリデン樹脂フィルム
の何れか一つからなる防湿皮膜を形成させるようにした
ものである。
【0026】本考案は、前記した意図の下に原反1の両
面に防湿皮膜2を形成させた後、図1に示すような形態
の鋸歯刃つきシート、すなわち全体として細長い矩形状
の鋸歯刃つきシート4を得るもので、一例として0.8
cm×30cmの平板状で、厚み約0.25mmの鋸歯
刃つきシートを得た。
【0027】実施例2 実施例1で得られた鋸歯刃つきシート4における鋸歯刃
4aの端面を耐水処理するため、前記鋸歯刃の周りに、
一例として粘度400cpのエポキシアクリレート系の
紫外線硬化型樹脂液を適宜のグラビアロ−ルを介して塗
工した後、紫外線を照射することにより鋸歯部の端面に
紫外線硬化型樹脂皮膜を形成させた。
【0028】実施例3 米坪量400g/m2 のバルカナイズドファイバー原反
を用いた以外は、前記実施例1におけると同様に処理し
て、該原反の両面にポリエチレンフィルムから成る防湿
皮膜を形成させた上で、切刃を打ち抜き成形させて鋸歯
刃つきシ−トとした。この場合の鋸歯刃つきシ−トの厚
みは0.35mmであり、かつ矩形状シ−トにおける2
つの長辺にそれぞれに鋸歯刃を形成させた。また、鋸歯
刃の端面をも前記と同様にして耐水処理を施した。
【0029】前記形態の鋸歯刃つきシ−ト4における防
湿皮膜2の片面にコロナ放電処理を行って該皮膜面を活
性化させて、表面張力が40dyne/cmの易接着面
にした上で、該シ−トを図5に示す展開形状のカ−トン
ブランクの所定位置に感圧接着剤を介して接着させた。
【0030】以下、図5〜6に基づきカ−トンの構成に
ついて説明する。同図において、符号Pは、米坪量35
0g/m2 の板紙製カ−トンブランク(0.8mm
厚)、同11は前記ブランクに折線を介して区画形成し
た矩形状の底板であって、図において前記底板の下方に
位置する長辺には前面板12を連設させると共に、他方
の長辺には前記と同様な折線を介して、背面板13、天
面板14および蓋板15を順次隣り合うように設ける。
また、前記前面板12と背面板13のそれぞれの両側に
は、折線を介して接着片16および17を延長させ、一
方、前記底板11の短辺側にも同様にしてフラップ18
を付設した妻板19を、それぞれ延長させる。
【0031】なお、蓋板15には図示のようなハ字形の
破断線20とこれに連なる直線状の破断線21とを刻設
しておき、組立後のカ−トンを開封するに際し、これら
破断線を用いて開封するようになす。組立て後において
蓋板15の一部を、すなわち前記破断線で囲まれた仮付
片23の部分をカ−トン本体から切り離すことによって
開封すると共に、同時にハ字形の破断線20の間に形成
される差込片22を開封後において前記の前面板12に
穿設した係止用スリット24に差込んで蓋を固定するよ
うに運用するものである。
【0032】前記の鋸歯刃つきシート4は、これを前記
底板11の底面側で前面板12との境目部分に接着させ
るもので、接着に際しては該シ−トの鋸歯刃4aが境の
折線より僅かに突出するような位置に接着、固定させ
る。なお、前記鋸歯刃つきシ−トをカ−トンに接着させ
るに当っては、当該シ−トが長さ方向において底板11
の長辺より僅かに短くなるように取り付けるのがよい。
【0033】前記展開形状のカ−トンブランクを組立て
るに当っては、図6に示すように底板11を中心にして
前面板12、背面板13、妻板19を、それぞれ折線を
介して垂直に立ち上げ、接着片16および17を妻板1
9の内側に位置させて接着した後、この中に前記したク
ッキングシ−トでロ−ル状に捲回されたもの(図7の符
号G参照)を収容する。次いで天面板14および蓋板1
5で開口面を覆ってから、該蓋板を仮付け片23等を介
して前面板12に対しスポット接着Hを施して閉塞する
のである。
【0034】前記のようにしてカ−トン内に収納されて
いるクッキングシ−トFを取り出す場合には、第7図に
示すようにスポット接着されている仮付け片23を破断
線を介して切り取って開封し、次いで前記ロールGとし
て巻き込まれているラッピングフィルムまたはシ−トF
の端縁部を摘んで所望の長さを引き出す。引き出したフ
ィルム等は、これを前面板12の上縁から該板12に沿
って垂下させ、さらに前面板12の方向に押圧すること
により、前面板12の下端縁に突出している鋸歯刃4a
で必要とする長さに截断する。截断後は、前記した差込
片22を前面板12に形成されている係止用スリット2
4に挿入し、開口部を閉塞してカ−トン内に塵埃が混入
するのを防ぐように運用するものである。
【0035】実施例4 続いて前記の鋸歯刃つきシ−トの形態、厳密には鋸歯刃
の分布状態が直線状にあらざる山形状を呈する鋸歯刃つ
きシ−トとした場合の実施例について説明する。第8図
に符号5で示すように、鋸歯刃の配列を平面的に見た場
合、長さ方向の中央部が突出し、端部に向うにしたがっ
て若干傾斜した分布状態の平板状部材から成る鋸歯刃つ
きシ−ト5としたもので、このものを前記実施例におけ
るとほぼ同様な展開形状のカ−トンブランクP′に接着
した事例である。
【0036】すなわち、前記カートンブランクの蓋板面
における図示の位置に、前記と同様な感圧接着剤または
ホットメルトタイプの接着剤、その他、任意の接着手段
を用いて前記形状の鋸歯刃つきシ−ト5を接着させるの
である。
【0037】以下、このカートンブランクの構成につい
て略述すると、該ブランクにおける天面板14の上辺側
には蓋板25が連設されているが、この蓋板面に前記実
施例とは異なる形態の鋸歯刃つきシ−ト5を接着させる
と共に、その形態に沿った形の破断線26を蓋板上に刻
設させておく。そしてカ−トン内に収納されたロ−ル状
のフィルムまたはシ−トを取り出すに当っては前記破断
線26を介して、その外側に位置する切離片27を前記
破断線に沿って除去してカ−トンを開封するように運用
する。なお、切離片27が蓋板25から切り離される
と、前記の鋸歯刃つきシ−ト5における鋸歯刃4aの部
分が蓋板の縁辺から露出した状態となるので、この鋸歯
刃を利用して前記フィルムまたはシ−トを所要の長さに
切断することが可能となる。ちなみに、前記カートンブ
ランクP´に示した符号中、前記実施例(図5参照)と
共通する部材については、同一の符号を付した。
【0038】なお、鋸歯刃つきシ−トを接着させるカ−
トンブランク側の被接着個所に予め接着を容易ならしめ
る物質、例えば変性ポリエチレンのエマルジョンをグラ
ビヤコ−タ等を用いて予めパタ−ンコ−トしておいた上
で、このブランクを前記ダイセット機構に供給するよう
になせば、前記超音波接着による接着強度がさらに高ま
り、接着スピ−ドをも向上させることができる。
【0039】以上に詳しく説明したように、本考案は前
記した各実施例に限定されるものではなく、考案の趣旨
を変更しない限度において、種々の変形が可能である。
【0040】次に、本考案における前記防湿皮膜の効果
を確認するため、下記試料を用いて、次のような試験を
行った。すなわち 試料A:前記実施例3に準じて作成した原反シ−ト(米
坪量400g/m2 のバルカナイズドファイバー板(厚
さ0.35mm)に対して予めメラミン樹脂溶液(5%
濃度)を含浸させた後、乾燥した原反の両面に厚さ20
μの低密度ポリエチレン皮膜を形成させたもの) 試料B:前記と同じ米坪量のバルカナイズドファイバー
板(厚さも同じ)に対して予めメラミン樹脂溶液(5%
濃度)を含浸させただけのもの) 試料C:前記と同じ米坪量のバルカナイズドファイバー
板(厚さも同じ)に対して予め5%濃度のメラミン樹脂
溶液を含浸させた上で、さらにウレタン樹脂液を15g
/m2 (固形分)の割合で塗工したもの)
【0041】前記各試料の原反から、それぞれ幅8m
m、長さ100mmの短形状の板を切り出し、切り出し
に当たっては第3〜4図に示すように前記鋸歯刃が形成
される方向を長さ方向に設定し、かつその長さ方向をM
D方向と平行にしたもの(下記第1〜2表中で「縦」と
表示)と、TD方向が鋸歯刃の長さ方向に一致するもの
(下記第1〜2表中で「横」と表示)との2種類を作成
し、湿度の違いにより前記各試料にどの程度の伸縮が生
ずるかを試験した。
【0042】なお、試験方法としては、前記各試料を、
23゜C、65%RHの雰囲気下に24時間放置したも
のを対象として各試料の長さ方向の伸びを測定して基準
値を得る。そして、今度は前記測定対象とした各試料を
20%RHおよび90%RHの雰囲気下におき、所定の
時間(下表記載の各時間)放置したときの伸縮度合、す
なわち、条件を変えたときの前記測定値に対する伸びま
たは縮みの割合を百分率で表したのが、下記の表1〜2
である。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】表1〜2から明らかなように、本考案によ
れば雰囲気中の湿気により比較的影響を受け易いバルカ
ナズドファイバ−板も、その表面に形成した防湿皮膜に
より湿度の影響を受け難い状態に保ち得ることが確認さ
れた。ことに従来汎用されている前記メラミン樹脂また
はウレタン樹脂等による耐水加工品に比較して本発明の
防湿皮膜形成による防湿処理は、従来品に較べ格段の効
果を示す点で注目すべきものがある。なお、特にこの防
湿皮膜として比較的透湿度の低いポリオレフィン系の樹
脂皮膜を用いるのが好ましい。
【0046】さらにまた、本考案によれば、前記防湿皮
膜の利用により、従来不可欠としていたメラミン樹脂ま
たウレタン樹脂等による耐水ないしは防水処理をする場
合にも、軽度の処理で足りるようになったから、高価な
ウレタン樹脂を使用しなくても済み、その結果、低コス
トで実用性に富んだ製品を提供し得る点でも極めて有利
となる。すなわち、ポリエチレンをラミネートしたバル
カナイズドファイバーウレタン樹脂塗工を施したそれ
とを比較すると、使用する樹脂単価において前者は後者
の1/5で済むばかりか、加工速度においても前者は後
者の30倍も効率がよいので、本考案による製品はこれ
を極めて廉価に提供し得るのである。
【0047】かくして本考案は前記防湿皮膜を形成した
バルカナイズドファイバ−板を原反に用い、当該ファイ
バーそれ自体が有する非常に高い弾性と剛性とを活用し
ながら、このものに鋸歯刃を形成させたものであるか
ら、外力による鋸歯刃の変形や潰れがなく、常時鋭利な
截断性能を発揮する。特に本発明による前記シ−トは、
雰囲気中の湿度が高い厨房または調理場等におかれて
も、寸法安定性を損なうこともないので、食品の包装等
に利用される樹脂製フィルム、紙、金属箔、加工紙等の
クッキングシートを截断するための切断刃として適切で
ある。
【0048】その上、前記鋸歯刃つきシ−トは、素材が
バルカナイズドファイバ−製であるので、カ−トンに付
設されて使用されたときにも、取り扱い中に指先を傷付
けることなく、その上、使用済みになったものは、全体
としてそのまま焼却処分が可能で、従来の金属刃のよう
に残渣が残るようなこともない。
【0049】さらにまた、本考案の鋸歯刃つきシートが
カ−トンに付設された場合において、雰囲気中の湿気を
受けたときにも伸縮差が殆んどなく、ことにカートンを
構成している板紙との間の相対的な伸縮差が認められな
いから、カートンに貼着された後の鋸歯刃つきシートが
湿度の影響で剥離したり、或いは変形したりすることも
無く、したがって常時安定した切断機能を発揮するとい
う利点を発揮する。
【0050】上記のように、本考案は、厨房などで食品
包装用に使用されているクッキングシ−トを截断するた
めの鋸歯刃シ−トならびに該シ−トを付設した板紙製の
カートンケ−スに係り、特に当該シ−トをバルカナイズ
ドファイバ−製となし、このものを現に多用されている
金属刃に代替使用することを可能ならしめたものである
から、消費量の多い前記カートンケ−スが使用済みとな
った場合、鋸歯刃シ−トを含めてカ−トンケ−スごと焼
却処分が可能となり、また古紙パルプとしても回収を可
能ならしめた点で、資源の再利用、ひいては環境汚染を
防ぐ面からも有用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案におけるバルカナイズドファイバ−製鋸
歯刃つきシ−トの1実施例を示す斜面図である。
【図2】図1のII−II線における拡大断面図である。
【図3】バルカナイズドファイバーの原反の両面に前記
防湿皮膜を形成させた後、そのものを前記原反の抄紙方
向と直角方向(TD方向)に鋸歯刃を形成させて鋸歯刃
つきシートとする場合を示した平面図である。
【図4】前記原反から鋸歯刃つきシートを得るに当り、
該原反の抄紙方向(MD方向)と平行に鋸歯刃を形成さ
せた場合を示す平面図である。
【図5】前記鋸歯刃つきシ−トが付設されたカ−トンブ
ランクの1実施例を示す展開図である。
【図6】図5に示すカ−トンブランクを組み立てた場合
で、かつ開封する際の状態を示した斜面図である。
【図7】カ−トン開封後に、該カ−トン内に収納されて
いるロ−ル状に巻かれたクッキングシ−トを引き出して
截断する際の状態を示した斜面図である。
【図8】前記したバルカナイズドファイバ−製鋸歯刃つ
きシ−トを接着させたカ−トンブランクの他の形態を示
す展開図である。
【符号の説明】
1 原反 2 防湿皮膜 3、4 鋸歯刃つきシート 4a 鋸歯刃 11 底板 12 前面板 13 背面板 14 天面板 15 蓋板 16、17 接着片 19 妻板 20 破断線 22 差込片 23 仮付片 24 係止用スリット 26 破断線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 若林 信男 静岡県富士市平垣300 本州製紙株式会 社富士加工事業所内 (72)考案者 三鴨 弘明 静岡県富士市平垣300 本州製紙株式会 社富士加工事業所内 (56)参考文献 特開 平5−178344(JP,A) 特開 平5−111969(JP,A) 特開 平1−294429(JP,A) 特開 昭56−8243(JP,A) 実開 平6−20221(JP,U)

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向がTD方向と一致するバルカナ
    イズドファイバー製シートの両面に、ポリオレフィン樹
    脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、ポリ塩化ビニ
    リデン樹脂フィルムの何れか一つからなる防湿皮膜を形
    成し、シートの長手方向の少なくとも一縁辺を鋸歯状に
    加工した鋸歯刃シート。
  2. 【請求項2】 メラミン樹脂、グリオキザール、その他
    の耐水化剤をアンダーコートしてなる請求項1に記載の
    鋸歯刃シート。
  3. 【請求項3】 底板、前面板、背面板および妻板とから
    なるカートン本体と該カートン本体の開口部を覆う蓋体
    とを有するカートンの底面部または蓋部に、請求項1又
    は2に記載の鋸歯刃シートを接着してなるカートン。
  4. 【請求項4】 カートンブランクにおける鋸歯刃シート
    の接着部位に、ポリエチレンのエマルジョンを塗布、乾
    燥させておく請求項3に記載のカートン。
JP1992078914U 1992-02-15 1992-10-20 バルカナイズドファイバー製の鋸歯刃つきシートならびに該シートを接着させたカートン Expired - Lifetime JP2571121Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1992078914U JP2571121Y2 (ja) 1992-02-15 1992-10-20 バルカナイズドファイバー製の鋸歯刃つきシートならびに該シートを接着させたカートン

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1441692 1992-02-15
JP4-14416 1992-02-15
JP1992078914U JP2571121Y2 (ja) 1992-02-15 1992-10-20 バルカナイズドファイバー製の鋸歯刃つきシートならびに該シートを接着させたカートン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0581018U JPH0581018U (ja) 1993-11-02
JP2571121Y2 true JP2571121Y2 (ja) 1998-05-13

Family

ID=26350367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1992078914U Expired - Lifetime JP2571121Y2 (ja) 1992-02-15 1992-10-20 バルカナイズドファイバー製の鋸歯刃つきシートならびに該シートを接着させたカートン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2571121Y2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012077875A (ja) * 2010-10-04 2012-04-19 Yozo Nakamura ダンボール綴じ用紙針

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5390532U (ja) * 1976-12-25 1978-07-25
JPH0427777Y2 (ja) * 1988-01-28 1992-07-03
JPH01267152A (ja) * 1988-04-15 1989-10-25 Asahi Chem Ind Co Ltd 巻回フイルムのケース
JPH01294429A (ja) * 1988-05-09 1989-11-28 Isao Nakamura 鋸歯状縁を有する繊維性シートおよびこれからなる箱並びにこれを生産する刃物
JPH028726U (ja) * 1988-06-27 1990-01-19

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0581018U (ja) 1993-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6173876B1 (en) Vulcanized fiber sheet having a serrated cutting edge, a carton having said sheet adhered thereto, and a method of adhesion thereof
EP0093370B1 (de) Klebeband
US3509991A (en) Release sheet and adhesive structure embodying the same
RU2226467C2 (ru) Чувствительная к давлению ламинированная лента из бумаги и пластиковой пленки
US4220490A (en) Method of making a laminate with removable scored paper backing
US3533899A (en) Self-sealing adhesive materials
CA2344397C (en) Film tape for forming a cutting edge on dispenser cartons
EP2284095B1 (de) Verpackung mit vorgeschnittener Öffnung, die reversibel geöffnet und verschlossen werden kann, sowie deren Herstellungsverfahren
US5804024A (en) Paper-film laminate sealing tape
JP2571121Y2 (ja) バルカナイズドファイバー製の鋸歯刃つきシートならびに該シートを接着させたカートン
US3518158A (en) Release sheet or web having a printable surface
JP2606776B2 (ja) バルカナイズドファイバー製の鋸歯刃つきシートをカートンケースに接着させる方法
JP2593400B2 (ja) バルカナイズドファイバー製の鋸歯刃つきシート及び該シートを接着させたカートンならびにその接着法
JP2824901B2 (ja) 鋸歯刃つきシートをカートンケースに接着させる方法ならびに装置
RU98108762A (ru) Ламинированный упаковочный материал, способ его изготовления и упаковочный контейнер, изготовленный из этого материала и обладающий высокой непроницаемостью для газообразного кислорода
JP3034691B2 (ja) カッター及び該カッターを用いた包装用シート収納カートン
KR100235827B1 (ko) 톱날커터 접착방법과, 이 방법에 의해 만들어진 상자원지-톱날커터조합체
JPH06182906A (ja) バルカナイズドファイバー製鋸歯刃の高速接着方法
GB993981A (en) Improvements in or relating to twist sealable sheet material and container, and method of making the same
JP2529719Y2 (ja) 巻回フィルムの収納箱
JPS61100398A (ja) 粘着部材
JP2016124548A (ja) カートンブランクとその製造方法、カートン
KR820001275B1 (ko) 자착식 앨범대지의 연속 제조방법
JPH06144425A (ja) 繊維製鋸歯刃シートをカートンブランクに2段接着する方法
JP2003053925A (ja) 耐水パネル

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080220

Year of fee payment: 10