JP2570732B2 - 半導体レ−ザ - Google Patents
半導体レ−ザInfo
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- JP2570732B2 JP2570732B2 JP62082343A JP8234387A JP2570732B2 JP 2570732 B2 JP2570732 B2 JP 2570732B2 JP 62082343 A JP62082343 A JP 62082343A JP 8234387 A JP8234387 A JP 8234387A JP 2570732 B2 JP2570732 B2 JP 2570732B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は半導体レーザに関する。
(従来の技術) 半導体レーザ、例えば100Å前後の薄膜半導体を活性
層とする量子井戸型半導体レーザは低いしきい値電流を
有し、高速動作が可能なことから活発に研究開発が進め
られている。W.T.Tsang氏はアプライド・フィジックス
・レターズ誌(Appl.Phys.Lett.,vol.39,p134,1891)に
報告したような構造の単一量子井戸(SQW:Single Quant
um Well)レーザを開発し、500A/cm2ときわめて低いし
きい値電流密度を得た。このレーザにおいては第3図に
その伝導帯におけるエネルギー分布を示すようにGaAsSQ
W活性層1に隣接したGa1-xAlxAs導波層2がほぼ放物形
状のエネルギー分布を有しており、これによって注入キ
ャリアがSQW活性層1に有効に集まり、低いしきい値で
レーザ発振が可能となる。
層とする量子井戸型半導体レーザは低いしきい値電流を
有し、高速動作が可能なことから活発に研究開発が進め
られている。W.T.Tsang氏はアプライド・フィジックス
・レターズ誌(Appl.Phys.Lett.,vol.39,p134,1891)に
報告したような構造の単一量子井戸(SQW:Single Quant
um Well)レーザを開発し、500A/cm2ときわめて低いし
きい値電流密度を得た。このレーザにおいては第3図に
その伝導帯におけるエネルギー分布を示すようにGaAsSQ
W活性層1に隣接したGa1-xAlxAs導波層2がほぼ放物形
状のエネルギー分布を有しており、これによって注入キ
ャリアがSQW活性層1に有効に集まり、低いしきい値で
レーザ発振が可能となる。
(従来技術の問題点) ところで半導体レーザをその光源として用いる光ファ
イバ通信においては伝送路である石英系光ファイバが1.
55μm付近で最少損失を示すため、InPを基板、In1-xGa
xAsyP1-yを活性層とする系の半導体材料が主に用いられ
る。この系においてはGaAlAs系と異なってある特定の結
晶組成でしかInP基板と格子整合しないため第3図に示
すようなエネルギー分布の構造を形成することはきわめ
て困難である。そこで第4図のような伝導帯を示す単一
組成の半導体を導波層として用いるのが一般的だが、通
常の0.1μm程度の厚さの導波層においては導波層にお
ける電子あるいはホールのエネルギー準位が連続的にな
るためキャリアは有効にSQW活性層1に注入されず導波
層のエネルギーギャップに相当するエネルギーで発光し
てしまい、所望のレーザ特性を得ることができなかっ
た。
イバ通信においては伝送路である石英系光ファイバが1.
55μm付近で最少損失を示すため、InPを基板、In1-xGa
xAsyP1-yを活性層とする系の半導体材料が主に用いられ
る。この系においてはGaAlAs系と異なってある特定の結
晶組成でしかInP基板と格子整合しないため第3図に示
すようなエネルギー分布の構造を形成することはきわめ
て困難である。そこで第4図のような伝導帯を示す単一
組成の半導体を導波層として用いるのが一般的だが、通
常の0.1μm程度の厚さの導波層においては導波層にお
ける電子あるいはホールのエネルギー準位が連続的にな
るためキャリアは有効にSQW活性層1に注入されず導波
層のエネルギーギャップに相当するエネルギーで発光し
てしまい、所望のレーザ特性を得ることができなかっ
た。
本発明の目的は上述の欠点を克服し、優れた特性を有
する量子井戸型半導体レーザを提供することにある。
する量子井戸型半導体レーザを提供することにある。
(問題を解決するための手段) 本発明の半導体レーザは、活性層と、この活性層より
もエネルギーギャップが大きく、かつ、前記活性層に隣
接した導波層とを少なくとも備えている積層構造を有す
る半導体レーザにおいて、前記導波層は伝導帯の山と価
電子帯の山が対応し、伝導帯の谷に価電子帯の谷が対応
した凹凸が交互に繰り返すポテンシャルエネルギー分布
を有することが特徴とする。
もエネルギーギャップが大きく、かつ、前記活性層に隣
接した導波層とを少なくとも備えている積層構造を有す
る半導体レーザにおいて、前記導波層は伝導帯の山と価
電子帯の山が対応し、伝導帯の谷に価電子帯の谷が対応
した凹凸が交互に繰り返すポテンシャルエネルギー分布
を有することが特徴とする。
また前記導波層はドーピング超格子あるいは、組成の
異なる材料を交互に積層したTYPE II型超格子であるこ
とを特徴とする。
異なる材料を交互に積層したTYPE II型超格子であるこ
とを特徴とする。
さらに前記活性層は1又は2以上の量子井戸構造であ
ることを特徴とする。
ることを特徴とする。
(実施例) 以下実施例を示す図面を用いて本発明をより詳細に説
明する。第1図は本発明の第一の実施例である量子井戸
型半導体レーザの伝導帯及び価電子帯におけるエネルギ
ー分布を示す。この例では100ÅのIn0.53Ga0.47As活性
層1を発光波長1.1μmに相当するIn0.85Ga0.15As0.33
P0.67導波層2(厚さ0.1μm)ではさみ、さらに導波
層の外側にクラッド層5を形成した構成とした。ここで
導波層2は同じ結晶組成で厚さ100Å、ドーピング濃度
3×1017cm-2を有するn型、p型の多層薄膜より成るい
わゆるドーピング超格子を用いた。ドーピング超格子は
そのエネルギー分布が第1図に示すように各周期でほぼ
放物状となり、エネルギーの谷で離散的なエネルギーレ
ベルを形成する。しかもキャリア寿命は著しく長くな
り、また導波層2内で形成される連続準位のエネルギー
レベルは実効的に高くなるため、導波層2からの発光が
大幅に抑制される。導波層21に注入されたキャリアはエ
ネルギー分布の周期的凹凸におけるキャリアの寿命時間
が非常に長いことから有効にSQW活性層11に注入され、
良好な特性を示すレーザが得られる。実際には有機金属
原料を用いるMOVPE法によって結晶成長を行ない、原料
にはTMI(トリメチルインジウム)、TMG(トリメチルガ
リウム)、PH3(ホスフィン)、AsH3(アルシン)、SiH
4(モノシラン)、DMZn(ジメチルジンク)を用いた。
このように作製したレーザーを50μmのSiO2ストライプ
構造に加工して特性を調べたところ、しきい値電流密度
400A/cm2とInGaAsP系では最も低い値を得た。また内部
に回折格子を形成し、SQW−DFB構造としたところ、通常
のDFBレーザと比べて約1/5程度の狭い発振スペクトル線
幅を得た。
明する。第1図は本発明の第一の実施例である量子井戸
型半導体レーザの伝導帯及び価電子帯におけるエネルギ
ー分布を示す。この例では100ÅのIn0.53Ga0.47As活性
層1を発光波長1.1μmに相当するIn0.85Ga0.15As0.33
P0.67導波層2(厚さ0.1μm)ではさみ、さらに導波
層の外側にクラッド層5を形成した構成とした。ここで
導波層2は同じ結晶組成で厚さ100Å、ドーピング濃度
3×1017cm-2を有するn型、p型の多層薄膜より成るい
わゆるドーピング超格子を用いた。ドーピング超格子は
そのエネルギー分布が第1図に示すように各周期でほぼ
放物状となり、エネルギーの谷で離散的なエネルギーレ
ベルを形成する。しかもキャリア寿命は著しく長くな
り、また導波層2内で形成される連続準位のエネルギー
レベルは実効的に高くなるため、導波層2からの発光が
大幅に抑制される。導波層21に注入されたキャリアはエ
ネルギー分布の周期的凹凸におけるキャリアの寿命時間
が非常に長いことから有効にSQW活性層11に注入され、
良好な特性を示すレーザが得られる。実際には有機金属
原料を用いるMOVPE法によって結晶成長を行ない、原料
にはTMI(トリメチルインジウム)、TMG(トリメチルガ
リウム)、PH3(ホスフィン)、AsH3(アルシン)、SiH
4(モノシラン)、DMZn(ジメチルジンク)を用いた。
このように作製したレーザーを50μmのSiO2ストライプ
構造に加工して特性を調べたところ、しきい値電流密度
400A/cm2とInGaAsP系では最も低い値を得た。また内部
に回折格子を形成し、SQW−DFB構造としたところ、通常
のDFBレーザと比べて約1/5程度の狭い発振スペクトル線
幅を得た。
第2図は本発明による第2の実施例のエネルギー分布
であり、この例においては第1および第2の導波層3,4
を形成し、活性層1に近い方の導波層3をドーピング超
格子を用いて形成した。第1の導波層3は発光波長1.15
μm、第2の導波層4は発光波長1.05μmのInGaAsP層
を用いて形成し、いずれも厚さ約500Åとした。第2の
実施例による量子井戸レーザ(QW−LD;Quantum Well La
ser Diode)においても第1の実施例とほぼ同様の特性
を得ることができる。
であり、この例においては第1および第2の導波層3,4
を形成し、活性層1に近い方の導波層3をドーピング超
格子を用いて形成した。第1の導波層3は発光波長1.15
μm、第2の導波層4は発光波長1.05μmのInGaAsP層
を用いて形成し、いずれも厚さ約500Åとした。第2の
実施例による量子井戸レーザ(QW−LD;Quantum Well La
ser Diode)においても第1の実施例とほぼ同様の特性
を得ることができる。
なお、実施例においては導波層2としてn型、p型の
半導体薄膜を交互に形成した構造としたが、このような
いわゆるp−n構造に限らずp−i構造、あるいはn−
i構造としても何らさしつかえない。特にクラッド層の
p型にp−n構造、n型にn−i構造とした導波層を形
成することもキャリア注入の点から有効である。不純物
導入によらず、組成の異なる材料を交互に積層してTYPE
II型超格子のポテンシャルエネルギーを持たせた導波
層としてもよい。また、導波層は活性層の片側のみに形
成した構造でもよい。活性層1としては単一量子井戸
(SQW)を用いて説明したが、数層のウェル層/バリア
層を有する多重量子井戸あるいは通常の層厚としても何
ら差しつかえなく、実施例と同様の効果が得られるが、
効果は量子井戸活性層の方が顕著である。用いる材料も
InP〜InGaAsP系に限るものではない。
半導体薄膜を交互に形成した構造としたが、このような
いわゆるp−n構造に限らずp−i構造、あるいはn−
i構造としても何らさしつかえない。特にクラッド層の
p型にp−n構造、n型にn−i構造とした導波層を形
成することもキャリア注入の点から有効である。不純物
導入によらず、組成の異なる材料を交互に積層してTYPE
II型超格子のポテンシャルエネルギーを持たせた導波
層としてもよい。また、導波層は活性層の片側のみに形
成した構造でもよい。活性層1としては単一量子井戸
(SQW)を用いて説明したが、数層のウェル層/バリア
層を有する多重量子井戸あるいは通常の層厚としても何
ら差しつかえなく、実施例と同様の効果が得られるが、
効果は量子井戸活性層の方が顕著である。用いる材料も
InP〜InGaAsP系に限るものではない。
(発明の効果) 本発明の特徴は活性層に隣接する導波層のポテンシャ
ル分布に周期的な凹凸を形成したことである。これによ
って導波層内におけるキャリアの寿命時間がきわめて長
くなり、そこでの発光再結合が抑制され、注入されたキ
ャリアは量子井戸活性層において良好に発光再結合す
る。したがって低しきい値、狭い発振スペクトル線幅等
優れた特性を有する半導体レーザを得ることができた。
ル分布に周期的な凹凸を形成したことである。これによ
って導波層内におけるキャリアの寿命時間がきわめて長
くなり、そこでの発光再結合が抑制され、注入されたキ
ャリアは量子井戸活性層において良好に発光再結合す
る。したがって低しきい値、狭い発振スペクトル線幅等
優れた特性を有する半導体レーザを得ることができた。
第1図、第2図はそれぞれ本発明の第1、第2の実施例
における活性層付近の伝導帯及び値電子帯のエネルギー
分布を示す図、第3図、第4図は従来例のエネルギー分
布を示す図である。図中1は量子井戸活性層、2は導波
層、3,4はそれぞれ第1、第2の導波層をあらわす。
における活性層付近の伝導帯及び値電子帯のエネルギー
分布を示す図、第3図、第4図は従来例のエネルギー分
布を示す図である。図中1は量子井戸活性層、2は導波
層、3,4はそれぞれ第1、第2の導波層をあらわす。
Claims (3)
- 【請求項1】活性層と、この活性層よりもエネルギーギ
ャップが大きく、かつ、前記活性層に隣接した導波層と
を少なくとも備えている積層構造を有する半導体レーザ
において、前記導波層は伝導帯の山と価電子帯の山が対
応し、伝導帯の谷に価電子帯の谷が対応した凹凸が交互
に繰り返すポテンシャルエネルギー分布を有することを
特徴とする半導体レーザ。 - 【請求項2】前記導波層はドーピング超格子あるいは、
組成の異なる材料を交互に積層したTYPEII型超格子であ
ることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ。 - 【請求項3】前記活性層は1又は2以上の量子井戸構造
であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体
レーザ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62082343A JP2570732B2 (ja) | 1987-04-02 | 1987-04-02 | 半導体レ−ザ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62082343A JP2570732B2 (ja) | 1987-04-02 | 1987-04-02 | 半導体レ−ザ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63248189A JPS63248189A (ja) | 1988-10-14 |
JP2570732B2 true JP2570732B2 (ja) | 1997-01-16 |
Family
ID=13771920
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62082343A Expired - Fee Related JP2570732B2 (ja) | 1987-04-02 | 1987-04-02 | 半導体レ−ザ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2570732B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61154191A (ja) * | 1984-12-27 | 1986-07-12 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体レ−ザ素子 |
JPS6229189A (ja) * | 1985-07-30 | 1987-02-07 | Nec Corp | 半導体レ−ザ |
-
1987
- 1987-04-02 JP JP62082343A patent/JP2570732B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63248189A (ja) | 1988-10-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |