JP2570346B2 - ウルシの乾燥造膜促進方法 - Google Patents
ウルシの乾燥造膜促進方法Info
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- JP2570346B2 JP2570346B2 JP62322215A JP32221587A JP2570346B2 JP 2570346 B2 JP2570346 B2 JP 2570346B2 JP 62322215 A JP62322215 A JP 62322215A JP 32221587 A JP32221587 A JP 32221587A JP 2570346 B2 JP2570346 B2 JP 2570346B2
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- urushi
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- film formation
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Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はウルシの乾燥造膜促進方法に関する。
ウルシは採取されてから使用されるまでに長期間保存
される場合が多く、その間の品質劣化が大きな問題とな
っている。この品質劣化において最も大きな問題は、ウ
ルシ塗料としての使用時におけるウルシの乾燥造膜速度
の低下である。
される場合が多く、その間の品質劣化が大きな問題とな
っている。この品質劣化において最も大きな問題は、ウ
ルシ塗料としての使用時におけるウルシの乾燥造膜速度
の低下である。
従ってこの乾燥造膜速度を促進し、人為的にコントロ
ールすることが出来れば、伝統的ウルシ産業において極
めて有利である。
ールすることが出来れば、伝統的ウルシ産業において極
めて有利である。
（従来の技術） ウルシの乾燥造膜のメカニズムはウルシの主成分であ
るウルシオール、チチオール、ラッコール等がウルシ中
の微量成分である酵素ラッカーゼの働きにより酸素の存
在下に酸化重合されることにあるとされている。従っ
て、このラッカーゼの作用の強弱、含有量、酸素の供給
速度が、ウルシの乾燥造膜速度を決める主要因と考えら
れている。このような観点から従来のウルシの乾燥造膜
促進法としては、使用前に十分撹拌して酸素の供給を十
分に行なうことによる促進、水の添加と撹拌による反応
系エマルジョン（酵素溶解水滴とウルシオールとのエマ
ルジョン）の均一化による促進等が実施されている。し
かしこの方法においてはすでに酵素が失活してしまい、
品質低下したウルシにおいては効果は期待されないとい
う問題を有している。一方、採取されたウルシの品質劣
化の軽減、劣化速度の遅延という観点から、ウルシの品
質保存を達成しようとする方法も考えられる。これにつ
いては低温流通、低温保存が行なわれており、保存流通
技術の進歩によって品質劣化の防止効率は高められつつ
ある。しかしこの方法においても一旦劣化したウルシの
品質向上は不可能であり、劣化ウルシの品質改善手段と
はなり得ないものである。
るウルシオール、チチオール、ラッコール等がウルシ中
の微量成分である酵素ラッカーゼの働きにより酸素の存
在下に酸化重合されることにあるとされている。従っ
て、このラッカーゼの作用の強弱、含有量、酸素の供給
速度が、ウルシの乾燥造膜速度を決める主要因と考えら
れている。このような観点から従来のウルシの乾燥造膜
促進法としては、使用前に十分撹拌して酸素の供給を十
分に行なうことによる促進、水の添加と撹拌による反応
系エマルジョン（酵素溶解水滴とウルシオールとのエマ
ルジョン）の均一化による促進等が実施されている。し
かしこの方法においてはすでに酵素が失活してしまい、
品質低下したウルシにおいては効果は期待されないとい
う問題を有している。一方、採取されたウルシの品質劣
化の軽減、劣化速度の遅延という観点から、ウルシの品
質保存を達成しようとする方法も考えられる。これにつ
いては低温流通、低温保存が行なわれており、保存流通
技術の進歩によって品質劣化の防止効率は高められつつ
ある。しかしこの方法においても一旦劣化したウルシの
品質向上は不可能であり、劣化ウルシの品質改善手段と
はなり得ないものである。
（発明が解決しようとする課題） 本発明は前述の如きウルシの品質向上、管理における
従来技術における問題点を解決して、劣化ウルシの品質
向上を達成しようとする新規な方法を提供することにあ
る。
従来技術における問題点を解決して、劣化ウルシの品質
向上を達成しようとする新規な方法を提供することにあ
る。
（発明の解決しようとする手段） そこで本発明は前述の如き劣化ウルシの品質改良を目
的として鋭意検討した結果、生ウルシ又は黒めウルシへ
のペルオキシダーゼの添加が、ウルシの乾燥造膜を促進
する効果を有することを見出し、本発明を完成するに至
った。すなわち本発明は生ウルシ又は黒めウルシにペル
オキシダーゼ又はペルオキシダーゼと過酸化水素を添加
することを特徴とするウルシの乾燥造膜促進方法に関す
るものである。
的として鋭意検討した結果、生ウルシ又は黒めウルシへ
のペルオキシダーゼの添加が、ウルシの乾燥造膜を促進
する効果を有することを見出し、本発明を完成するに至
った。すなわち本発明は生ウルシ又は黒めウルシにペル
オキシダーゼ又はペルオキシダーゼと過酸化水素を添加
することを特徴とするウルシの乾燥造膜促進方法に関す
るものである。
本発明において用いられる生ウルシ又は黒めウルシと
しては、主成分がウルシオールであり、日本、中国、韓
国を主産地とするウルシ、主成分がラッコールであり、
台湾、ベトナムを主産地とするウルシ及び主成分がチチ
オールであり、タイ、ビルマを主産地とするウルシ等の
生ウルシ又は、これら生ウルシを公知の方法で脱水して
得られる黒めウルシが用いられる。
しては、主成分がウルシオールであり、日本、中国、韓
国を主産地とするウルシ、主成分がラッコールであり、
台湾、ベトナムを主産地とするウルシ及び主成分がチチ
オールであり、タイ、ビルマを主産地とするウルシ等の
生ウルシ又は、これら生ウルシを公知の方法で脱水して
得られる黒めウルシが用いられる。
次に、本発明において用いられるペルオキシダーゼと
しては、西洋ワサビ等の植物を原料としてこれより抽出
される粗精製酵素標品又は精製酵素標品が用いられる。
また、種々のペルオキシダーゼ生産性微生物を培養して
得られる粗酵素標品又は精製酵素標品も用いることが出
来る。さらに遺伝子組換技術により作り出されるペルオ
キシダーゼも使用しうる。一般的には、西洋ワサビ根茎
より工業的規模で抽出され市販されているペルオキシダ
ーゼを利用することが有利である。
しては、西洋ワサビ等の植物を原料としてこれより抽出
される粗精製酵素標品又は精製酵素標品が用いられる。
また、種々のペルオキシダーゼ生産性微生物を培養して
得られる粗酵素標品又は精製酵素標品も用いることが出
来る。さらに遺伝子組換技術により作り出されるペルオ
キシダーゼも使用しうる。一般的には、西洋ワサビ根茎
より工業的規模で抽出され市販されているペルオキシダ
ーゼを利用することが有利である。
これらの酵素の添加量は、一般的に多いほど乾燥促進
効果が著しいが、通常、ペルオキシダーゼの活性単位と
して定められるプルプロガリン単位（PUと略）として、
ウルシ10g当り100〜10,000PUの範囲で用いられる。しか
し、実用的には、使用しようとするウルシの種類、乾燥
造膜時の温度、湿度等の物理的条件に応じて、及び目標
とする乾燥造膜時間に応じて適宜決定されることが望ま
しい。
効果が著しいが、通常、ペルオキシダーゼの活性単位と
して定められるプルプロガリン単位（PUと略）として、
ウルシ10g当り100〜10,000PUの範囲で用いられる。しか
し、実用的には、使用しようとするウルシの種類、乾燥
造膜時の温度、湿度等の物理的条件に応じて、及び目標
とする乾燥造膜時間に応じて適宜決定されることが望ま
しい。
更に、本発明において用いられる過酸化水素は、工業
的に安価に入手可能な薬品であり、その使用濃度は通常
ウルシ10g当り、0.02〜３％であり、実用的には使用さ
れるウルシの種類、乾燥造膜時の温度、湿度等の物理的
条件に応じて、及び目標とする乾燥造膜時間に応じて適
宜決定されることが望ましい。
的に安価に入手可能な薬品であり、その使用濃度は通常
ウルシ10g当り、0.02〜３％であり、実用的には使用さ
れるウルシの種類、乾燥造膜時の温度、湿度等の物理的
条件に応じて、及び目標とする乾燥造膜時間に応じて適
宜決定されることが望ましい。
本発明において、ペルオキシダーゼ又はペルオキシダ
ーセと過酸化水素を添加する方法としては、乾燥造膜促
進を目的とした品質向上を行なおうとするウルシに、ペ
ルオキシダーゼ又はペルオキシダーゼと過酸化水素を予
め適当な濃度で水に溶解しておいた後、この溶解を添加
する方法とペルオキシダーゼの粉末又は過酸化水素原液
を直接添加する方法が考えられる。しかし、一般的には
粉末状態での添加はウルシ液中での均一な分散及び濃度
調節が困難であるので、前者による方法が好ましい。
ーセと過酸化水素を添加する方法としては、乾燥造膜促
進を目的とした品質向上を行なおうとするウルシに、ペ
ルオキシダーゼ又はペルオキシダーゼと過酸化水素を予
め適当な濃度で水に溶解しておいた後、この溶解を添加
する方法とペルオキシダーゼの粉末又は過酸化水素原液
を直接添加する方法が考えられる。しかし、一般的には
粉末状態での添加はウルシ液中での均一な分散及び濃度
調節が困難であるので、前者による方法が好ましい。
このようにして本発明の方法を実施すれば乾燥造膜性
の低いウルシの乾燥造膜速度を早めることが可能であ
り、乾燥造膜速度の異なる種々のウルシの乾燥造膜速度
を自由に変えることが可能になるものである。また、ペ
ルオキシダーゼはウルシオールの過酸化重合作用を空中
の酸素を介して行なうものではなく、過酸化水素により
行なうものであることから乾燥造膜作用は、空中酸素の
供給の律速下においても行なわれ、しかも造膜の表面か
らだけでなく内部からも行ない得るものである。つまり
ウルシの内部での乾燥造膜を誘起促進することが可能に
なるものである。このように、本発明は伝統的ウルシ産
業において、ウルシの品質向上、品質管理等において極
めて有用な手段を提供し得るものである。
の低いウルシの乾燥造膜速度を早めることが可能であ
り、乾燥造膜速度の異なる種々のウルシの乾燥造膜速度
を自由に変えることが可能になるものである。また、ペ
ルオキシダーゼはウルシオールの過酸化重合作用を空中
の酸素を介して行なうものではなく、過酸化水素により
行なうものであることから乾燥造膜作用は、空中酸素の
供給の律速下においても行なわれ、しかも造膜の表面か
らだけでなく内部からも行ない得るものである。つまり
ウルシの内部での乾燥造膜を誘起促進することが可能に
なるものである。このように、本発明は伝統的ウルシ産
業において、ウルシの品質向上、品質管理等において極
めて有用な手段を提供し得るものである。
（実施例） 次に本発明を実施例により更に詳しく説明する。
実施例 １ 中国産竹ウルシ（1984年産）の生ウルシ又は黒めウル
シ各5gに市販の西洋ワサビ由来のペルオキシダーゼ（東
洋紡績（株）社製品の３号品）の10％水溶液（約11,000
PU/ml）100μ（製品10mg相当）又は該ペルオキシダー
ゼ水溶液100μと10％過酸化水素水溶液100μを添加
し、良く撹拌した後、塗膜乾燥時間を測定した。塗膜作
成条件としては、先ず塗布条件として、ガラス板（L300
×W130×t2mm）に上記ペルオキシダーゼ又はペルオキシ
ダーゼと過酸化水素含有ウルシサンプルをアプリケータ
ーで膜厚38μｍになるように塗布した。また乾燥条件と
しては恒温恒湿器を用いて、温度20℃、相対湿度80％で
乾燥した。乾燥時間の測定は塗膜乾燥時間測定装置（理
研工業製RC型）を使用した。
シ各5gに市販の西洋ワサビ由来のペルオキシダーゼ（東
洋紡績（株）社製品の３号品）の10％水溶液（約11,000
PU/ml）100μ（製品10mg相当）又は該ペルオキシダー
ゼ水溶液100μと10％過酸化水素水溶液100μを添加
し、良く撹拌した後、塗膜乾燥時間を測定した。塗膜作
成条件としては、先ず塗布条件として、ガラス板（L300
×W130×t2mm）に上記ペルオキシダーゼ又はペルオキシ
ダーゼと過酸化水素含有ウルシサンプルをアプリケータ
ーで膜厚38μｍになるように塗布した。また乾燥条件と
しては恒温恒湿器を用いて、温度20℃、相対湿度80％で
乾燥した。乾燥時間の測定は塗膜乾燥時間測定装置（理
研工業製RC型）を使用した。
その結果を第１表に示す。
（発明の効果） 実施例１において示される如く、造膜乾燥時間が長
く、品質の低下した生ウルシ又は黒めウルシも本発明方
法を採用することにより、著しく造膜乾燥時間を短縮さ
せることが可能でることが確認された。従って本発明は
ウルシの品質改良、管理を行なう新規な技術を提供する
ものである、伝統的ウルシ産業の発展に大きく貢献する
ものと期待される。
く、品質の低下した生ウルシ又は黒めウルシも本発明方
法を採用することにより、著しく造膜乾燥時間を短縮さ
せることが可能でることが確認された。従って本発明は
ウルシの品質改良、管理を行なう新規な技術を提供する
ものである、伝統的ウルシ産業の発展に大きく貢献する
ものと期待される。
Claims (1)
- 【請求項１】生ウルシ又は黒めウルシにペルオキシダー
ゼ又はペルオキシダーゼと過酸化水素を添加することを
特徴とするウルシの乾燥造膜促進方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62322215A JP2570346B2 (ja) | 1987-12-18 | 1987-12-18 | ウルシの乾燥造膜促進方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62322215A JP2570346B2 (ja) | 1987-12-18 | 1987-12-18 | ウルシの乾燥造膜促進方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01163272A JPH01163272A (ja) | 1989-06-27 |
| JP2570346B2 true JP2570346B2 (ja) | 1997-01-08 |
Family
ID=18141238
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62322215A Expired - Lifetime JP2570346B2 (ja) | 1987-12-18 | 1987-12-18 | ウルシの乾燥造膜促進方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2570346B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100348865B1 (ko) * | 1999-12-23 | 2002-08-17 | 태산도장 주식회사 | 전기적인 특성이 향상된 옻칠 조성물 및 이의 경화 방법 |
| KR20030078237A (ko) * | 2002-03-28 | 2003-10-08 | 학교법인조선대학교 | 자외선 경화형 옻칠 조성물 및 이를 이용한 옻칠도막의제조방법 |
| WO2004067582A1 (en) * | 2003-01-28 | 2004-08-12 | Akzo Nobel Coatings International B.V. | Curable composition comprising a compound having radically polymerizable olefinically unsaturated groups, an oxidation-reduction enzyme, and a thiol-functional compound |
| BR102014017354B1 (pt) * | 2013-07-30 | 2021-06-29 | Rohm And Haas Company | Composição, e, método para preparar uma composição |
| CN103965781B (zh) * | 2014-04-21 | 2016-01-20 | 中南林业科技大学 | 生物酶改性天然生漆组合物及其制备方法 |
| CN113462289B (zh) * | 2021-07-22 | 2022-06-28 | 闽江学院 | 一种改变生漆固化速度的方法 |
-
1987
- 1987-12-18 JP JP62322215A patent/JP2570346B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01163272A (ja) | 1989-06-27 |
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