JP2570165B2 - 仮撚機の糸の張力異常検出方法 - Google Patents

仮撚機の糸の張力異常検出方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、延伸仮撚機の張力異常
の検出方法に関わり、特に制御異常を検出可能なものに
関する。
【0002】
【従来の技術】延伸仮撚機(以下単に仮撚機という。)
は、多数の仮撚ユニットを有し、各仮撚ユニットで糸に
撚りと張力を加えながら糸を走行させて仮撚を行う。仮
撚ユニットの中に設けられているニップツイスタは、互
いに交差して接する2本の無端状のベルトからなり、ベ
ルト間に糸を挟むようにして、両ベルトを回転させつつ
糸を走行させ、糸に撚りを与える。このニップツイスタ
のすぐ下流(解撚側)における糸の解撚張力は加工後の
糸の品質や性状に大きく関係する。そこで、各仮撚ユニ
ットにはニップツイスタの解撚側に糸の張力を検出する
測定器が設けられている。
【0003】検出された張力の利用の仕方の1つは張力
制御である。張力に応じて各仮撚機ユニットの張力制御
用のバルブを開閉する。バルブを開閉することでニップ
ツイスタのベルトの接圧を調整するとその下流では糸の
張力が変化する。このようにして張力をフィードバック
制御することにより、巻き取られた糸は品質や性状が安
定する。
【0004】検出された張力の他の利用の仕方は、糸の
評価と各仮撚ユニットの監視である。前記のように張力
制御を行っていても、瞬間的に大きな張力変動が発生す
ることがある。糸の評価においては、その張力が糸の品
質に対する管理限界を超えていると異常と判定する。監
視においては異常判定の警報を出し、原因を解析して場
合によっては生産を取り止めてその糸を廃棄し、場合に
よっては生産を続ける。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記張力異
常には供給糸の品質不良等に起因する上述の瞬時異常の
他に、糸の走行経路の不具合に起因する制御異常があ
り、この制御異常は張力の平均値の変動を伴い、上記瞬
時異常に比べて変動量が小さく継続時間が長いという特
徴がある。これに対し上記の張力異常の検出方法は、張
力データとして瞬時値を用い、上限値及び下限値を設定
して瞬時値がこの上限値及び下限値の範囲から逸脱した
場合に異常と判定するものである。瞬時値は、常時脈動
(微小変動)するもの故、誤動作を避けるべくこの上限
値及び下限値は張力制御の目標値からかなり離れて設定
される。従って、上記制御異常を検出できないという問
題点を有していた。
【0006】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、制御異常を検出可能な仮撚機の糸の張力異常検
出方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明における仮撚機の糸の張力異常検出方法は、
仮撚機において解撚ゾーンを走行する糸の張力を検出し
てこれを所定の制御目標値にフィードバック制御すると
ともに該張力の変動により糸の品質を監視する際の張力
異常の検出方法であって、前記張力の瞬時値の異常と平
均値の異常とを検出するものである。
【0008】また、前記張力の瞬時値及び平均値のそれ
ぞれに上限値及び下限値を設け、該瞬時値及び平均値が
それぞれ前記上限値及び下限値の範囲を逸脱すると異常
を検出するものとすることもできる。
【0009】また、前記上限値及び下限値は前記制御目
標値を基準にして設定されているものとすることもでき
る。
【0010】また、前記張力の瞬時値及び平均値のそれ
ぞれの異常の継続時間と発生回数とを検出するものとす
ることもできる。
【0011】
【作用】張力の瞬時値の異常を検出することにより供給
糸の品質不良等に起因する異常を検出するとともに、平
均値の異常を検出することにより制御異常を検出する。
また、平均値の異常を検出するのに、瞬時値とは別個に
(通常は低めに)上限値及び下限値を設けることによ
り、瞬時異常より変動量の小さい制御異常を適切に検出
することができる。また、この上限値及び下限値を、制
御目標値を基準にして設定するようにすると、糸質の変
化に伴い制御目標値を変えた場合でも、上限値及び下限
値ををいちいち設定しなおす必要がない。さらに、上記
異常において、単に上下限値の範囲から逸脱したか否か
の判断だけでなく、その継続時間と発生回数とを検出す
ることにより、異常の程度やその進行状況等を知ること
ができ、より精密な分析が可能となる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
つつ説明する。まず本発明の仮撚機の糸の張力異常の検
出方法を実施するための装置を図1乃至図4に基づき説
明する。図1は本発明を実施するのに使用される仮撚機
の機械的構成を示す側面図、図2は接圧調整機構を示す
斜視図、図3はテンションセンサの測定原理を示す概略
側面図、図4は仮撚機の品質管理装置の構成を示すブロ
ック図である。
【0013】図1において、仮撚機の仮撚ユニットは、
糸Yの移動する順に、クリールスタンド61に多段に挿
着された給糸パッケージ62から解舒されクリールスタ
ンド61の下方を通して供給される糸Yを切断するため
のヤーンカッタ63、糸Yを上方に走行させる第1フィ
ードローラ64、第1フィードローラ64からクリール
スタンド61の上方まで立ち上げられ、その途上で糸Y
を加熱する1次ヒータ65、1次ヒータ65の出口から
出た糸Yをニップツイスタ側へ案内しつつ冷却するバル
ーン制御プレート66、糸Yに撚りを与えるニップツイ
スタ67、ニップツイスタ67の下流で糸Yの張力を測
定するテンションセンサ68、糸Yを下方に走行させる
第2フィードローラ69、第2フィードローラ69から
床Fの方向に立ち下げられ、糸Yを加熱する2次ヒータ
70の外方に糸Yを走行させる第3フィードローラ7
1、糸Yの有無を検知するヤーンフィーラ72、2次ヒ
ータ70の外側に沿って多段に設けられ、糸Yを巻取パ
ッケージ73に巻取るテイクアップワインダ74から構
成されている。1台の仮撚機には、上記各からなる仮撚
ユニットが例えば216錘設けられている。
【0014】ニップツイスタ67は、互いに交差して接
する2本の無端状のベルト67a、67bを有し、ベル
ト67a、67bを回転させることにより糸Yに撚りを
与えるものである。ベルトの回転速度を制御することに
より所望の撚り数を与えることができる。また、ベルト
同士の接圧を調整することにより糸Yの張力を変えるこ
とができる。上記の構成において、ニップツイスタ67
から糸Yに与えられる撚りは第1フィードローラ64ま
で伝搬し、1次ヒータ65、バルーン制御プレート66
等による加熱・冷却を経て撚りが固定され、ニップツイ
スタ67の下流で解撚されることにより、糸Yに仮撚が
与えられる。
【0015】ニップツイスタ67の接圧調整方法を簡単
に説明すると、各ベルト67a、67bは、一方が固定
され他方が揺動自在に支持される。その揺動のためのシ
リンダを伸縮させる2つのバルブが備えられ、一方のバ
ルブは上記揺動自在のベルトを固定されたベルトに押圧
する方向にシリンダを作用させ、他方のバルブは揺動自
在のベルトを固定されたベルトから離れる方向にシリン
ダを作用させる。
【0016】図2を用いて接圧機構を詳しく説明する。
図2において、ニップツイスタ67は、糸Yを挟んで撚
りと送りを与える交差した一対の無端状のベルト67
a、67bを備えている。各ベルト67a、67bは、
それぞれフレーム115に支持された駆動プーリ116
と従動プーリ117間に巻掛けられている。ベルト67
a、67bの回転方向はそれぞれ、矢印B1、B2であ
る。実線で示したベルト67bは固定側のベルト67a
に対する接圧を調整すべく揺動自在に支持され、後述す
るシリンダ125と弁131、132からなる接圧調整
手段140にて固定側ベルト67aに押圧され接圧が調
整されるようになっている。
【0017】駆動プーリ116と従動プーリ117は、
タッチローラ118に支持され、そのタッチローラ11
8が、フレーム115に回転自在に支持され、タッチロ
ーラ118を回転することで、ベルト67bが駆動プー
リ116と同一軸心を支点に図示の矢印R方向に揺動で
きるようになっている。このタッチローラ118内に
は、図示していないが駆動軸が挿通され、モータなどで
駆動プーリ116が駆動されるようになっている。また
タッチローラ118にホルダ119が取り付けられる。
このホルダ119は3つのレバー部120、121、1
22を有し、第1のレバー部120には、揺動側のベル
ト67bを固定側のベルト67aから離反させる方向に
付勢するバネ123が設けられた接圧調整ピン124が
当接されている。第2のレバー部121には、バネ12
3の力に抗して揺動側のベルト67bを固定側のベルト
67bに押圧付勢するシリンダ125のピストン126
が当接されている。第3のレバー部122には、揺動側
のベルト67bの最大位置を規制するストッパピン12
7に連結されたレバー127aを回すことで、ベルト6
7a、67b間を大きく開くこともできるようになって
いる。
【0018】シリンダ125は、リザーブタンク128
に接続され、そのリザーブタンク128に空気圧供給管
129が接続される。この空気圧供給管129は、内部
に例えば0.1mm程度のオリフィス130を有し、そ
の上流側が二股に分岐されるとともに、その一方に上限
の空気圧uを供給する弁(以下第1弁という)131が
接続され、他方に下限の空気圧Pdを供給する弁(以下
第2弁という)132が接続されている。オリフィス1
30とリザーブタンク128は空気圧の脈動を防止する
ために設けられる。上限の空気圧Puを供給する第1弁
131の上流側は空気圧供給言に接続され、下限の空気
圧Pdを供給する第2弁132の上流側は、上流側の空
気圧供給源と別個の供給源に接続されるかあるいは上側
の空気圧供給源に減圧弁等を介して接続される。上限の
空気圧Puと下限の空気圧Pdは、糸の種類やベルト速
度に応じて設定される。
【0019】接圧の調整は、第1弁131を開くと、上
限の空気圧Puが、オリフィス130を介してリザーブ
タンク128に作用する。この結果シリンダ125に作
用する圧力は徐々に上昇し、ベルト67a、67bの接
圧が上昇し、解撚張力が減少する。第1弁131が閉じ
られると、シリンダ125は、その間に上昇した圧力を
維持し、ベルト67a、67bはそのままの接圧に維持
される。第2弁132を開くと、下限の空気圧Pdがリ
ザーブタンク128に作用し、シリンダ125の空気圧
が下がりこれによりベルト67a、67bの接圧が低下
し、解撚張力が増大する。第2弁132が閉じられる
と、ベルト67a、67bはそのままの接圧に維持され
る。
【0020】図2において、ベルト67a、67bより
も下流側の糸道には糸Yの解撚張力Tを検出するテンシ
ョンセンサ68が設けられ、その検出信号が後述する管
理装置1に入力されるようになっている。
【0021】テンションセンサ68の構成及び張力の測
定原理を図3により説明する。テンションセンサ68
は、主にケース202、基板203、回転角度検出器2
04、回転部材205、可動糸ガイド206、付勢手段
207、偏心軸208、上ストッパ209、入側固定糸
ガイド210、及び出側固定糸ガイド211からなる。
基板203はケース202の横柱202a、202b、
202cで支持され、この基板203にボルト等で回転
角度検出器204が固定され、この回転角度検出器20
4の回転軸204aに回転部材205が直接嵌め入れら
れている。回転部材205は回転軸204aを支点22
0として回転自在であり、自重で反時計方向に回転する
ように一方に突き出している。この回転部材205には
可動糸ガイド206が設けられ、この可動糸ガイド20
6に掛けられて糸Yが屈曲し、その張力により回転部材
205が反時計方向に回転する力が付与される。力点2
21としての可動糸ガイド206に対抗するため、回転
部材205を反時計方向に回転させようとする付勢手段
207がピン205aと偏心軸208のピン208aと
の間に掛けられ、ピン205aが作用点222となって
いる。回転角度検出器204は磁気式角度センサ光学式
角度センサ等の回転角度を電気的に検出するものであ
る。
【0022】可動糸ガイド206に糸Yが掛かっていな
い状態では、回転部材205の自重Wによる回転力と付
勢手段207の付勢力Fとが釣り合って回転部材205
との間隔εをゼロにすると、回転部材205は基準の水
平姿勢になる。そして、偏心軸208を回転させると、
回転部材205が付勢手段207を介して上下し、間隔
εを微小な隙間ゲージが入る程度の実質ゼロに調整す
る。この状態の回転部材205を糸張力ゼロに相当する
ものとして回転角度検出器204を設定する。回転部材
205の自重Wによる回転力と付勢手段207の付勢力
Fによる回転力が釣り合って、基準の水平姿勢が保たれ
ているので、僅かの糸張力が可動糸ガイド206にかか
ると、回転部材205が回転し、回転角度検出器204
でその回転角度が検出される。検出された回転角度は糸
張力を表すことになる。
【0023】つぎに、図4により仮撚機の品質管理装置
の電気系統主要部を説明する。図4において、鎖線で区
切られた部分が12錘の仮撚ユニットを管理する管理装
置1に相当し、216錘を管理するためにこの管理装置
1が18台設けられている。
【0024】管理装置1は、CPU、ROM、RAM等
を含むシングルチップからなる8ビット構成のマイクロ
コンピュータ2、マイクロコンピュータ2に内蔵された
時間通信インタフェース27、マイクロコンピュータ2
にバス3を介して接続された12ビットの分解能を有す
るA/D変換器4、12個の入力端子を有しこれらの入
力端子から1つの信号を選択してA/D変換器4に出力
するチャンネル切換器5、マイクロコンピュータ2に内
蔵されたI/O28に接続された24個の出力インタフ
ェース6から構成されている。
【0025】チャンネル切換器5の12個の入力端子に
は各仮撚ユニットの解撚張力を測定する上述のテンショ
ンセンサ68が接続されている。テンションセンサ68
は張力0〜150gに相当する電圧をフルレンジとし、
A/D変換器4はこのフルレンジを0〜4095のデジ
タル値に変換することができる。マイクロコンピュータ
2、A/D変換器4、及びチャンネル切換器5は、張力
測定値を所定時間間隔でサンプリングするサンプリング
手段15を構成している。
【0026】24個のインタフェース6には、12個の
仮撚ユニットの張力を強めるバルブ132と弱めるバル
ブ131とがそれぞれ接続される。バルブ131、13
2は図2で説明したように各ニップツイスタに設置され
ている第1弁、第2弁である。なお、図示されないが、
いずれのバルブもバルブ作動時に赤ランプが作動し、非
作動時に緑ランプが点灯するようになっている。
【0027】管理装置1のマイクロコンピュータ2の通
信インタフェース27は、マイクロコンピュータ2のプ
ログラムにより動作し、メモリデータ、警報データを送
信する。各管理装置1は、通信インタフェース27を介
してRS485に準拠したネットワーク10に接続さ
れ、このネットワーク10は9600ボーの通信線を備
えている。ネットワーク10には中継器11が接続され
ている。中継器11はネットワーク10の通信をRS2
32Cに準拠したシリアル通信線12を介して集中管理
装置13に中継することができる。シリアル通信線12
の通信速度は1200bpsである。集中管理装置13
は、表示器、キーボード等を備えたパソコンで構成され
る。
【0028】マイクロコンピュータ2内のRAMからな
るメモリ20には、主に、サンプリングした張力データ
が保存される。また、ROMからなるメモリ18には、
接圧調整装置を制御するプログラム等とともに後述する
瞬時異常、制御異常を検出するプログラムが格納されて
いる。
【0029】一方、集中管理装置13のメモリには、各
錘の警報回数、警報の累積時間、転送された張力データ
等が記憶されるようになっている。
【0030】つぎに、本発明の実施、すなわち上記装置
の作動を図4乃至図9に基づき説明する。図5はマイク
ロコンピュータの演算内容を示すブロック図、図6は張
力の異常検出方法を示す張力信号グラフ図、図7は張力
異常の警報データの項目を示す図、図8は集中管理装置
の画面への品質ランクの表示例を示す図、図9は集中管
理装置の画面への張力信号の表示例を示す図である。
【0031】まず、本発明実施の前提となる糸の張力T
のフィードバック制御について説明する。図4におい
て、マイクロコンピュータ2は、テンションセンサ68
から入力される糸の張力信号に基づきバルブ131、1
32に駆動信号を出力して上述の接圧調整機構を駆動
し、糸の張力をフィードバック制御する。図6におい
て、Tはマイクロコンピュータに入力された張力信号の
1例を示す。この糸の張力Tには制御目標値c0 、上限
値c1 、下限値c2 が設定されており、糸の張力Tはこ
の範囲内となるよう制御される。本実施例では、この値
は、例えば制御目標値c0 =50g、上限値c1 =52
g、下限値c2 =48gに設定されている。そして、こ
の張力Tのデータは、図9に示すように、錘の番号30
と張力Tが一覧表の形で集中管理装置に表示され、一目
でその変動状況が把握できるようになっている。このよ
うに、制御目標値(50g)に対して糸の張力がほぼ一
定にフィードバック制御されている状態で、張力の大き
な変動があれば、それは異常とみなすことができる。従
ってつぎに述べる張力の瞬時値と平均値の2種類の検出
による精密な異常検出が行い易くなる。
【0032】つぎに、瞬時異常、制御異常の演算内容を
図5、図6により説明する。図5において、糸の張力信
号Tがマイクロコンピュータ2に入力され、比較手段で
あるブロック42で上限値a1 、下限値a2 と比較さ
れ、上限値a1 を超える場合は警報信号S1が、下限値
2 を下回る場合は警報信号S2がそれぞれ出力され
る。ブロック44〜47において、警告信号S1、S2
のそれぞれについてその発生回数OP、UP、継続時間
L1、L2が算出され、出力手段27に出力される。一
方、張力信号Tは、ブロック41で移動平均Tmが算出
され、比較手段であるブロック43で上限値b1 、下限
値b2 と比較され、上限値b1 を超える場合は警報信号
S3が、下限値b2 を下回る場合は警報信号S4がそれ
ぞれ出力される。ブロック48〜51において、警告信
号S3、S4のそれぞれについてその発生回数OT、U
T、継続時間L3、L4が算出され、出力手段27に出
力される。出力手段27はこれら発生回数OP、UP、
OT、UT、継続時間L1、L2、L3、L4を警報デ
ータとして他の情報とともに、図4の集中管理装置13
に出力する。
【0033】図6において、糸の張力Tは上述のように
適宜な間隔でサンプリングされたデジタル値であるがこ
こでは瞬時値を表す。一点鎖線で表されるTmはこの瞬
時値Tの最新の例えば10個の信号の平均値すなわち移
動平均値である。瞬時値Tに対して、上限値a1 、下限
値a2 が設定され、平均値Tmに対して上記a1 、a2
より狭い範囲の上限値b1 、下限値b2 が設定されてい
る。瞬時値Tは図示するように、脈動するが、平均値T
mは、平均値を取ることにより、この脈動がほとんどな
くなるのでこのように、狭い範囲の上限値b1 、下限値
2 を設定することができる。また、これら上限値及び
下限値a1 、a2 、及びb1 、b2 は、制御目標値C0
を基準にして設定される。本実施例では、例えば瞬時値
Tの上限値及び下限値a1 、a2 は、制御目標値C0 ±
2%(50g±10g)、平均値Tmの上限値及び下限
値b1 、b2 は、制御目標値C0 ±0.6%(50g±
3g)に設定される。このように、上限値及び下限値a
1 、a2 、b1 、b2 を、制御目標値C0 を基準にして
設定するようにすると、糸質の変化に伴い制御目標値C
0 を変えた場合でも、上限値及び下限値をa1 、a2
1 、b2 いちいち設定しなおす必要がない。
【0034】図示するように、瞬時値Tに上限値a1
超える異常OPが発生すると、上限値a1 を超える部分
(斜線部分)の継続時間L1が算出され、その回数がカ
ウントされる。また、下限値a2 を下回る異常UPが発
生すると、同様に下限値a2を下回る部分(斜線部分)
の継続時間L2が算出され、その回数がカウントされ
る。一方平均値Tmに上限値b1 を超える異常OTが発
生すると、上限値b1 を超える部分(斜線部分)の継続
時間L3が算出され、その回数がカウントされる。ま
た、下限値b2 を下回る異常UTが発生すると、同様に
下限値b2 を下回る部分(斜線部分)の継続時間L4が
算出され、その回数がカウントされる。従って、瞬時値
Tの上下限値a1 、a2 では検出されない異常OT、U
Tを検出することができる。 この瞬時値Tの異常の原
因には給糸パッケージの生産工程での糸継によって生じ
るテール等がある。また平均値Tmの異常(制御異常)
の原因には仮撚機の糸ガイドが破損し、糸がガイドから
飛びだしたまま走行している場合等がある。
【0035】上記制御異常及び瞬時異常の発生回数O
P、UP、OT、UT、及びその継続時間L1、L2、
L3、L4は、1ドッフの間通算され、図7に示す1ド
ッフ毎の警報データが作成され、マイクロコンピュータ
のRAMに格納される。この警報データは、集中管理装
置のポーリングに応じて送信される。
【0036】集中管理装置では、送信された警報データ
を適宜表示する。オペレータは、この警報データから直
接制御異常が発生したことを知ることができ、しかも、
警報データには制御異常の管理範囲から外れた方向、外
れた時間幅、外れた回数が表示されているので、制御異
常の程度、進行状況等を知ることができ、その原因解析
に大いに役立てることができる。
【0037】また、集中管理装置では、この警報データ
をパッケージの品質評価に利用する。すなわち、ドッフ
毎にパッケージの品質を、例えばA〜Dにランク付けし
て評価し、図8に示すよう画面に表示する。これによれ
ば、従来と比べて、制御異常による張力変動も考慮され
る分、より適切な品質評価が可能となる。
【0038】
【発明の効果】本発明の仮撚機の糸の張力異常検出方法
は上述のように、解撚ゾーンを走行する糸の張力を検出
してこれを所定の制御目標値にフィードバック制御する
とともに該張力の変動により糸の品質を監視する際の張
力異常の検出方法であって、張力の瞬時値の異常と平均
値の異常とを検出するものであるので、供給糸の品質不
良等に起因する異常とともに制御異常を検出することが
可能である。また、異常を検出するのに張力の瞬時値及
び平均値のそれぞれに上限値及び下限値を設けると瞬時
異常に比べて変動量の小さい制御異常を適切に検出する
ことが可能である。また、この上限値及び下限値を、制
御目標値を基準にして設定するようにすると、糸質の変
化に伴い制御目標値を変えた場合でも、上限値及び下限
値ををいちいち設定しなおす必要がない。さらに、張力
の瞬時値及び平均値のそれぞれの異常の継続時間と発生
回数とを検出するようにすると、より精密な分析が可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するのに使用される仮撚機の機械
的構成を示す側面図である。
【図2】仮撚機の接圧調整機構を示す斜視図である。
【図3】仮撚機のテンションセンサの測定原理を示す概
略側面図である。
【図4】仮撚機の品質管理装置の構成を示すブロック図
である。
【図5】本発明の張力の異常検出方法を実行するマイク
ロコンピュータの演算内容を示すブロック図である。
【図6】本発明の張力の異常検出方法を示す張力信号グ
ラフ図である。
【図7】張力異常の警報データの項目を示す図である。
【図8】集中管理装置の画面への品質ランクの表示例を
示す図である。
【図9】集中管理装置の画面への張力信号の表示例を示
す図である。
【符号の説明】
1 上限値 a2 下限値 b1 上限値 b2 下限値 c0 制御目標値 L1 継続時間 L2 継続時間 L3 継続時間 L4 継続時間 OP 発生回数(瞬時値異常) OT 発生回数(平均値異常) T 張力(瞬時値) Tm 張力(平均値) UP 発生回数(瞬時値異常) UT 発生回数(平均値異常)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−322621(JP,A) 特開 昭63−264926(JP,A) 特開 昭57−47932(JP,A) 特開 昭51−112960(JP,A) 特開 平6−123019(JP,A) 特開 平3−182470(JP,A) 特開 平5−321051(JP,A) 特開 昭63−256729(JP,A) 実開 平6−79758(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仮撚機において解撚ゾーンを走行する糸
    の張力を検出してこれを所定の制御目標値にフィードバ
    ック制御するとともに該張力の変動により糸の品質を監
    視する際の張力異常の検出方法であって、前記張力の瞬
    時値の異常と平均値の異常とを検出することを特徴とす
    る仮撚機の糸の張力異常検出方法。
  2. 【請求項2】 前記張力の瞬時値及び平均値のそれぞれ
    に上限値及び下限値を設け、該瞬時値及び平均値がそれ
    ぞれ前記上限値及び下限値の範囲を逸脱すると異常を検
    出する請求項1記載の仮撚機の糸の張力異常検出方法。
  3. 【請求項3】 前記上限値及び下限値は前記制御目標値
    を基準にして設定されていることを特徴とする請求項2
    記載の仮撚機の糸の張力異常検出方法。
  4. 【請求項4】 前記張力の瞬時値及び平均値のそれぞれ
    の異常の継続時間と発生回数とを検出する請求項2記載
    の仮撚機の糸の張力異常検出方法。
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