JP2569163B2 - 静電写真式複写機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、循環式結像部材、現像済みトナー像が前記
結像からコピーシートへ転写される転写領域、及び前記
コピーシートを前記転写領域へ給送するための手段とを
備えた静電写真式複写機に関する。

〔従来の技術〕

静電写真式複写機においては、一般に、光受容体の速
度と、転写領域において光受容体にコピーシートを給送
する速度との間の精密な制御を保持することが必要であ
る。さもないと、未定着のトナー像が、コピーシートへ
の転写最中にこすれて汚れる可能性がある。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところが、シート給送手段にある公差のために速度の
不整合が生じ、その結果、画像のこすれ汚れが生ずる可
能性がある。

また、従来の静電写真式複写機に付随する問題とし
て、コピーシートの前縁が例えば後転写用紙ガイドまた
は定着装置自体と接触するときにその速度が遅くなる可
能性があり、そしてこの「衝撃」がコピーシートを通じ
て転写ステーションの方へ後ろへ伝播し、その結果、未
定着のトナー像がコピーシートへ転写されるときに該像
のこすれ汚れが生ずる可能性がある。この現像を最小に
減らすように用紙通路を設計するために種々の試みが従
来からなされているが、問題は除去されないでいる。即
ち、特に、コピーシートは、用紙特性の変動のために所
望の筋道から予測不可能にそれる傾向があるからであ
る。

本発明は前記従来の問題を除去するように改良した静
電写真式複写機を提供することを目的とするものであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本発明にかかる静電写真式複写機は、循環式結像部材
と、現像済みトナー像が前記結像部材からコピーシート
へ転写される複写領域と、前記コピーシートを前記転写
領域へ給送するための手段とを備えて成り、前記給送手
段は、（ａ）前記シートの第１の先頭部分を光受容体の
速度と実質的に同じ第１の速度で送り、（ｂ）前記シー
トのその後の第２の部分を前記第１の速度よりも大きい
第２の速度で送り、及び（ｃ）前記シートの残りの部分
を前記第１の速度で送るようになっている。

〔作用〕

前述のように、本発明複写機においては、シート給送
手段の速度は可変である。最初、各シートを、光受容体
の速度に出来るだけ近い速度で、転写領域へ送る。好ま
しくは、コピーシートの前縁が光受容体の面に取り付け
たいときにシート給送手段の速度を短時間にわたって増
加させ、これにより、用紙内に小さな曲がり部を生じさ
せる。次いで、シート給送手段の速度をその初めの価に
戻す。これにより、前記曲がり部の大きさは、シートの
残部の給送中は、ほぼ一定になっている。前記曲がり部
はシートに十分なたるみを与え、画像のこすれ汚れを生
じさせる可能性のある転写領域においてシートが引っ張
られてぴんと張るようになることを防止する。発生させ
られる前記曲がり部は比較的小さいものでよく、そし
て、この曲がり部は大きさがほぼ一定に保持されている
から、コピーシートを損傷することなしにこの曲がり部
を受容するための大きな空間を設ける必要はない。この
ことは、複写機を小形にするためには特に好都合であ
る。

本発明の一実施例の複写機は、また、給送手段と転写
領域との間に、前記曲がり部がコピーシート内に生じさ
せられる区域に隣接して凹状の案内面を有するシートガ
イドを有す。従って、この曲がり部は前記ガイドの凹面
と密に接触させられて転写ステーションにおけるコピー
シートの強ばりを増し、従って、後転写の前縁の「衝
撃」に対し、転写領域を通って後ろへ伝播する傾向を減
らす。

以下、本発明をその実施例について図面を参照して詳
細に説明する。

〔実施例〕

図示はゼログラフィ式複写機は、図に示すように時計
方向に回転するように支持ローラ1a及び1bの回りに掛け
渡された無端可撓性の光受容体ベルト１を有しており、
ベルト１の感光性結像面が、一連のゼログラフィ処理ス
テーション、即ち、帯電ステーション２、結像ステーシ
ョン３、現像ステーション４、転写ステーション５、及
びクリーニング・ステーション６を通って運ばれるよう
になっている。

帯電ステーション２は、ベルト１上に一様な静電荷を
与えるコロトロン2aを具備している。

複写すべき原画書類Ｄをプラテン13上の所定位置にお
き、タングステン・ハロゲン・ランプ14を具備する光源
により、周知の仕方により、一度に一つずつの細長い条
区域を照明する。ランプからの光は楕円反射鏡15によっ
て収束され、プラテン13に面を向けている原画書類Ｄの
面に光の細長い条を投光する。このようにして露光され
た書類Ｄは、ミラーM1〜M6のミラー系及び合焦レンズ18
を介して光受容体１上に結像される。この光学像は前記
光受容体を画像状に選択的に放電させ、これにより、原
画書類の静電潜像が、結像ステーション３にあるベルト
面上に形成される。原画書類全体を複写するために、ラ
ンプ14、反射鏡15、及びミラーM1は全速キャリジ（図示
せず）に取り付けられており、このキャリジは所定の速
度でプラテンの下を横に移動し、これにより、書類全体
を走査する。光学路は折れ曲がっているので、ミラーM2
及びM3は他のキャリジ（図示せず）に取り付けられてお
り、このキャリジは、光学路を一定に保持するため、前
記全速キャリジの２分の１の速度で横に移動する。前記
光受容体も移動しており、これにより、画像は一条ずつ
形成され、原画書類の全体が一つの画像として光受容体
上に再生される。

現像ステーション４においては、磁気ブラシ式現像装
置20が静電潜像を現像して可視像にする。このステーシ
ョンにおいては、トナーがホッパ（図示せず）から現像
装置ハウジング23内に分配される。このハウジングは、
磁気的引付け性キャリヤ及びトナーを含む２成分混合現
像剤を内蔵しており、この現像剤は現像ロール24によっ
てベルト１の帯電区域上に堆積させられる。

現像された画像は、転写ステーション５において、前
記ベルトからコピー用紙のシートへ転写される。このコ
ピー用紙シートは、給紙装置25から、前記画像との同期
的関係で送り出されて前記ベルトと接触する。この給紙
装置内には、コピー用紙シート26のスタックがトレイ27
上に格納されている。前記トレイ内のスタックの最上部
のシートを、必要に応じて、上部シート・セパレータ／
フィーダ28と給送的に係合させる。シートフィーダ28
は、前記スタックの最上部のコピーシートを、２組のニ
ップロールの対29及び30を通る180゜曲がった通路を回
って前記光受容体へ向かって送る。このコピーシートが
通る道路を、図では、破線で示してある。転写ステーシ
ョン５においては、転写コロトロン７が、コピーシート
へのトナー粒子の転写を助けるために電界を提供する。

給送ロール、即ちニップロールの対30は、普通のステ
ップモータのような可変速度モータ（図示せず）によっ
て駆動される。コピーシートの前縁が給送ロール30のニ
ップに入ると、給送ロール30は、前記光受容体の速度と
実質的に等しい速度で駆動される。このコピーシートは
この同じ速度で絶えず送られ、そして最初、このコピー
シートは、該コピーシートの下側にある逆Ｌ字形ガイド
部材16によって転写ステーション５の入口へ案内され
る。このシートの前縁が転写ステーション５に入って光
受容体ベルト１に取り付くと、給送ロール30の速度が短
時間にわたって増し、用紙の若干の過剰部分、例えば5m
mの過剰部分を、給送ロール30と転写ステーション５と
の間の用紙通路内に生じさせる。この過剰部分は、転写
ステーション５へ入る直前に、用紙ガイド17の近くに小
さな曲がり部Ｂを生じさせる。転写ステーション直前の
この若干の用紙過剰部は、用紙が引っ張られてぴんと張
るのを防止し、従って、未定着のトナー像をこすれ汚れ
が避けられる。曲がり部Ｂの大きさが大きくなるにつれ
て、該曲がり部は、上部ガイド部材17の凹面に密に接触
させられる。これにより、コピーシートは処理方向に強
ばり、前述したように、コピーシートの前縁が後転写用
紙ガイドに接触するとき、及び／又は定着ステーション
に入るときに発生する可能性のある「衝撃」に対し、転
写ステーションの方へ後ろへ伝播しようとする傾向を減
らし、従ってトナー像のこすれ汚れの発生が減る。前記
高速度になっている短時間の後、前記給送ロールはその
元の速度に戻ってコピーシートの最後の部分を送る。こ
の時間中、前記曲がり部の大きさは一定のままになって
いる。

明らかに解るように、２つの異なる速度で送られる用
紙の相対的長さ及び前記曲がり部の大きさは、転写ステ
ーションの領域における複写機の構造及びこれに対する
用紙通路によって定まる。一例を挙げると、本出願人が
用いた構成においては、コピーシートの最初の80mmを、
初めは17.2cm/sの速度で送る。次いで速度を20.5cm/sに
上げてシートの次の32mmを送る。これにより、約5mmの
用紙過剰部分が発生し、従って曲がり部Ｂが生ずる。次
いで、用紙の残部に対して速度を初めの価に戻す。用紙
の大きさとは関係なしに、この同じ条件が適用される。
ステップモータのパラメーラは次のように変化させられ
る。コピーシートの前縁が給送ロールのニップに入ると
きの始まりに、モータは１ステップ当たり5msで100ステ
ップ回転する。直径19mmの給送ロールを用いると、コピ
ーシートの最初の80mmは17.2cm/sの線速度で送られる。
次いで、モータのタイミングを、次の35ステップに対し
て１ステップ当たり4msに変化させる。その結果、シー
トの後続の32mmの部分は20.5cm/sの線速度で送られる。
次いで、モータのタイミングを１ステップ当たり5msに
戻し、コピーシートの残部を17.2cm/sの初めの線速度で
送る。

現像済み画像を担持するコピーシートは次いでベルト
１から剥離され、そして定着ステーション10へ送られ
る。この定着ステーションは加熱ロール式定着装置を具
備し、これには剥離オイルが周知の仕方で塗布される。
この画像は、定着装置の２つのロール10a及び10b間のニ
ップにおいて熱及び圧力によってコピーシートに定着さ
れる。最後のコピーは、定着ロールにより、他の２つの
ニップロールの対31a及び31bを介してキャッチトレイ32
内に送られる。

現像済み画像をベルトから転写した後、若干のトナー
粒子がベルトの面に残るのが通例であり、これら粒子
は、クリーニングステーション６においてドクタブレー
ド34によって除去される。即ち、前記ドクタブレードは
残留トナーをベルトから掻き落とす。このようにして除
去されたトナー粒子は下の容器35内に落下する。また、
ベルト上に残っている全ての静電荷は、消去ランプ11に
曝すことによって放電させられる。この消去ランプは前
記光受容体の面を横切って光を一様に与える。そこで、
この光受容体は、次のコピーサイクルにおける最初のス
テップとして帯電用コロトロン2aによって再び帯電させ
られる準備がととなう。

光受容体ベルト１、帯電コロトロン2a、現像装置20、
転写コロトロン７、及びクリーニングステーション５は
処理装置12内に収容され、ゼログラフィ式複写機の主組
立体100内に着脱自在に取り付けられるようになってい
る。

以上、本発明をその実施例について説明したが、当業
者には明らかなように、本発明の範囲内で種々の変形を
行なうことができる。例えば、転写ステーションへの入
口における用紙通路の形状は図示のものからかなり異な
ったものであってもよい。また、可変速度モータはステ
ップモータである必要はなく、可変速度クラッチまたは
ギャボックス付きの交流または直流モータであってもよ
い。

【図面の簡単な説明】

図は本発明にかかるゼログラフィ式複写機の縦断面図で
ある。 １……光受容体ベルト、 ３……結像ステーション、 ５……転写ステーション、 10a,10b……ロール、 17……用紙ガイド、 30……給送用ニップロール。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−299371（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−206539（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】循環式結像部材と、現像済みのトナー像が
   前記結像部材からコピーシートへ転写される複写領域
   と、前記コピーシートを前記転写領域へ給送する手段と
   を備えた静電写真式複写機において、 前記給送手段は、（ａ）前記シートの先頭部分である第
   １部分を光受容体の速度と実質的に同じ第１の速度で送
   り、（ｂ）前記シートの第１部分が前記結像部材に接触
   した後、該シートの第１部分に後続する第２の部分を前
   記第１速度より大きい第２の速度で送り、（ｃ）シート
   にバックルを誘起させて像の汚れを阻止するために、前
   記シートの、第１及び第２部分以外の部分を前記第１速
   度で送るように構成されたことを特徴とする静電写真式
   複写機。