JP2569095Y2 - 断熱キャップの取付構造 - Google Patents

断熱キャップの取付構造

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JP2569095Y2
JP2569095Y2 JP1784593U JP1784593U JP2569095Y2 JP 2569095 Y2 JP2569095 Y2 JP 2569095Y2 JP 1784593 U JP1784593 U JP 1784593U JP 1784593 U JP1784593 U JP 1784593U JP 2569095 Y2 JP2569095 Y2 JP 2569095Y2
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辰男 三好
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株式会社イナックス
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は吐水管先端部に取り付
けられる断熱キャップの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】湯水混合水栓等において熱湯を連続吐出
させた場合に吐水管が加熱されてしまうことがあり、そ
こで吐水管先端に断熱キャップを装着することが行なわ
れている。
【0003】この断熱キャップの取付構造として、従来
図4に示すようなものが知られている(実願昭62−1
18938号)。図において100は吐水管で、この吐
水管100には内部に通路102を有する端部部材10
4が固着され、そしてこの端部部材104に筒状の吐水
口106を有する断熱キャップ108が嵌装されてい
る。
【0004】端部部材104は軸状部110を有してい
て、その先端外周面の溝に止め輪112が装着され、こ
の止め輪112によって断熱キャップ108が抜け止め
された上、その止め輪112による抜止め部分が断熱キ
ャップ108にねじ込固定されたカバー114にて覆わ
れている。
【0005】しかしながらこの取付構造の場合、端部部
材104を吐水管100に離脱不能に固着した上、端部
部材104に断熱キャップ108を嵌め合せた後に止め
輪112にて断熱キャップ108の抜止めを行い、しか
る後更にカバー114を装着しなければならないなど、
組付性の点で問題があった。
【0006】そこで本出願人は先の実用新案登録願(平
成5年2月6日提出)において、中心部から半径方向外
方に延び出す複数の羽根片を備えた位置決部材を前記吐
水口内部に挿入した上、これを吐水管内面と吐水口に螺
合した吐水口キャップとにより挟み込む状態に固定して
成る断熱キャップの取付構造を提案した。
【0007】図5はその一例を示している。図において
116は断熱キャップ、118は断熱キャップに設けら
れた吐水口、120は断熱キャップの位置決めのための
位置決部材であって中心部から十字状をなすように羽根
片122が延び出しており、各羽根片122における外
側面と吐水管100の貫通口内面及び断熱キャップにお
ける吐水口118内面との係合作用により、断熱キャッ
プ116が回止め及び抜止めされている。
【0008】この位置決部材120は、吐水管100内
面と吐水口118に螺合された吐水口キャップ124と
により、整流板126、パッキン128、整流網130
を介して間接的に軸方向に挟み込まれ、固定されてい
る。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】しかしながらこの取付
構造にあっては、吐水管の貫通穴,断熱キャップの吐水
口内面,位置決部材間に寸法差があると位置決部材を挿
入・係合させたときにがたつきを生じ、或いはまたこれ
を防止すべくそれらの寸法を厳密に合せた場合には位置
決部材の挿入・組付がしづらくなる問題のあることが判
明した。
【0010】尤も、かかる位置決部材としてある程度の
弾性を有する樹脂製のものを用いれば、その弾性を利用
して位置決部材をがたつきなく且つ比較的スムーズに挿
入・組み付けることが可能である。しかしながらこのよ
うに樹脂から成る位置決部材を用いた場合、吐水管先端
部への水圧の作用に基づく強い力によって、吐水管の貫
通穴内周縁部が羽根片に食い込むことがあり、強度的に
また耐久信頼性の点で問題が生ずる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本考案はこのような課題
を解決するためになされたものであり、その要旨は、吐
水管の先端部に管壁を貫通する貫通穴を形成するととも
に、対応する部位に筒状の吐水口を有する断熱キャップ
をそれら貫通穴と吐水口とが一致する状態に嵌め合せた
上、中心部から半径方向外方に延び出す複数の羽根片を
備え且つ該羽根片の外側端より所定距離中心側の部位に
おいて該羽根片の一端から他端側に向かって軸方向に延
びる切欠が設けられた、前記断熱キャップの位置決めの
ための位置決部材を該一端側から前記吐水口内部に挿入
し、該位置決部材を前記吐水管の内面と該吐水口に螺合
した吐水口キャップとにより挟み込む状態に固定したこ
とにある。
【0012】
【作用及び考案の効果】本考案の取付構造にあっては、
吐水管に断熱キャップを嵌め合せた上、断熱キャップの
吐水口内部に位置決部材を挿入して吐水口に吐水口キャ
ップを螺合することで、容易に断熱キャップの取付けを
行うことができる。
【0013】また位置決部材の挿入・組付けに際して作
業性が良好であり、且つ組付後においてがたつきを抑制
することができる。本考案の取付構造にあっては、位置
決部材の羽根片に、軸方向一端で開口する切欠が形成さ
れていてその切欠に基づいて羽根片に所定の弾性が付与
されているため、吐水管の貫通穴,断熱キャップの吐水
口内面,位置決部材をそれぞれ寸法精度高く形成した場
合であっても、その位置決部材の羽根片の弾性変形能に
基づいてこれを容易に挿入・組み付けることができるの
であり、更に組付後において良好な寸法精度によりがた
つきの発生を抑制できるのである。
【0014】本考案は切欠の形成に基づいて位置決部材
に弾性変形能を持たせたものであり、従って位置決部材
を硬質の材料即ち金属で形成した場合において上記効果
を奏することができ、而して金属製の位置決部材の場
合、高い水圧に基づいて強い力が作用しても十分に耐え
ることができ、強度・耐久寿命の点で高い信頼性が得ら
れる。
【0015】本考案の取付構造にあっては、吐水の急激
な停止に基づいて吐水管先端部に急激な圧力上昇が生じ
た場合にもウォーターハンマー現象を抑制し得る利点を
有する。位置決部材における弾性変形作用と断熱キャッ
プの微小相対変位とに基づいて急激な圧力上昇を吸収す
ることが可能だからである。
【0016】
【実施例】次に本考案の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。図3において10は湯水混合水栓で、吐水管
12の先端部に断熱キャップ14が装着されている。
【0017】図2はこの断熱キャップ14の取付構造を
示している。同図に示しているように吐水管12の先端
は開放形状とされていて、そこにゴム栓16が嵌着され
ている。
【0018】吐水管12の先端近傍の外周面には環状溝
18が形成されていて、そこにOリング20が嵌込固定
されている。更にこのOリング20よりも先端側におい
て、その下面に貫通穴22が形成されている。
【0019】断熱キャップ14は断熱性を有する樹脂製
の部材で、貫通穴22に対応する部位に筒状の吐水口2
4が設けられている。吐水口24の外周面には雄ねじが
形成されており、そこに袋ナット状の吐水口キャップ2
6がねじ込固定されている。この筒状の吐水口24の内
部には位置決部材28が挿入・保持されている。
【0020】位置決部材28は金属から成るものであっ
て、図1に詳しく示しているように4枚の板状の羽根片
30が十字に交わる形態をなしている。各羽根片30の
上端面(吐水管12内部への挿入側端面)32は、図2
(B)に示しているように吐水管12の横断面形状に対
応した湾曲面とされており、また各羽根片30には中心
部に近い位置においてその上端面32から下方に延びる
切欠34が所定の深さで形成されている。尚各羽根片3
0の外側面は軸方向にストレートに延びる面とされてい
る。
【0021】この位置決部材28は、図2に示している
ように互いに180度を成す一対の羽根片30が吐水管
12の軸直角方向を向くように吐水口24及び吐水管1
2内部に挿入され、且つその上端が吐水管12内面に当
接する状態で、かかる吐水管12内面と吐水口24に螺
合された吐水口キャップ26とにより整流板36,パッ
キン38,整流網40を介して上下に挟み込まれ、固定
されている。
【0022】本例の取付構造において、断熱キャップ1
4は次のようにして吐水管12に取り付けることが出来
る。即ちまず貫通穴22と吐水口24とが一致するよう
に断熱キャップ14を吐水管12に嵌め合せ、その状態
で位置決部材28を吐水口24の内部に図中下側から上
向きに挿入する。このとき切欠34の開口が上向きとな
る状態で位置決部材28を挿入する。
【0023】位置決部材28の挿入後、整流板36,パ
ッキン38,整流網40を介して袋ナット状の吐水口キ
ャップ26を吐水口24にねじ込むと、位置決部材28
が吐水管12内面と吐水口キャップ26とにより整流板
36等を介して上下に挟み込まれた状態に固定される。
これと同時に断熱キャップ14が吐水管12に対して取
付状態となる。
【0024】本例の取付構造においては、切欠34の形
成に基づいて各羽根片30に所定の弾性変形能が付与さ
れており、従って吐水管12の貫通穴22,断熱キャッ
プ14の吐水口24内面及び位置決部材28を高い寸法
精度で形成した場合にも、その羽根片30の弾性変形能
に基づいて位置決部材28を容易に挿入し、組み付ける
ことができる。
【0025】また貫通穴22,吐水口24内面,位置決
部材28を高い寸法精度で形成できることから、位置決
部材28を挿入・組み付けたときのがたつきの発生を抑
制できる。
【0026】更に本例の位置決部材28は金属製のもの
であるため、吐水管12先端部に高い水圧が作用しても
貫通穴22内周縁部が位置決部材28の羽根片30に強
く食い込むことがなく、強度上,耐久信頼性の点でも問
題がない。
【0027】更に本例の位置決部材28は、中心部に近
い位置において形成された切欠34が吐水管12内を送
られてきた水を先端側に良好に回り込ませるとともに、
それらを速やかに合流させた上で下向き、つまり吐水口
24の軸心方向に流下させる作用をなすので、整流機能
の点でも優れている特長を有する。
【0028】加えて本例の位置決部材28は、一直線状
をなす一対の羽根片30の上端面32全体が吐水管12
の内面に当接するため、位置決部材28自身のがたつき
がより良好に防止される利点を有する。
【0029】以上本考案の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示である。例えば図1(B)に示す位置決部
材36のように、切欠34で挟まれた中心部分38の高
さを低くして、その上端と吐水管12内面との間に隙間
を形成するようにしても良く、また各羽根片の形状を上
例以外の様々な形状とすることも可能である。
【0030】更に切欠の深さは必要に応じて適宜深く或
いは浅くすることも可能であるし、強度的に十分強いも
のであれば位置決部材の構成材として樹脂材を用いるこ
とも可能である。その他、本考案はそのその主旨を逸脱
しない範囲において、当業者の知識に基づき様々な変更
を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例である断熱キャップ取付構造
において用いられる位置決部材の図である。
【図2】その断熱キャップ取付構造の断面図である。
【図3】本考案の適用対象である水栓の一例を示す図で
ある。
【図4】従来の断熱キャップの取付構造の一例を示す図
である。
【図5】本願の先願に係る断熱キャップの取付構造の一
例を示す図である。
【符号の説明】
10 湯水混合水栓 12 吐水管 14 断熱キャップ 22 貫通穴 24 吐水口 26 吐水口キャップ 28,36 位置決部材 30 羽根片 34 切欠

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐水管の先端部に管壁を貫通する貫通穴
    を形成するとともに、対応する部位に筒状の吐水口を有
    する断熱キャップをそれら貫通穴と吐水口とが一致する
    状態に嵌め合せた上、中心部から半径方向外方に延び出
    す複数の羽根片を備え且つ該羽根片の外側端より所定距
    離中心側の部位において該羽根片の一端から他端側に向
    かって軸方向に延びる切欠が設けられた、前記断熱キャ
    ップの位置決めのための位置決部材を該一端側から前記
    吐水口内部に挿入し、該位置決部材を前記吐水管の内面
    と該吐水口に螺合した吐水口キャップとにより挟み込む
    状態に固定したことを特徴とする断熱キャップの取付構
    造。
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CU20180098A7 (es) * 2016-03-18 2019-03-04 Sumitomo Metal Mining Co Intercambiador de calor de contraflujo tipo calentamiento directo
JP6631346B2 (ja) * 2016-03-18 2020-01-15 住友金属鉱山株式会社 向流式直接加熱型熱交換器

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