JP2568850B2 - 車速測定方法 - Google Patents

車速測定方法

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JP2568850B2
JP2568850B2 JP62168817A JP16881787A JP2568850B2 JP 2568850 B2 JP2568850 B2 JP 2568850B2 JP 62168817 A JP62168817 A JP 62168817A JP 16881787 A JP16881787 A JP 16881787A JP 2568850 B2 JP2568850 B2 JP 2568850B2
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浩一 石坂
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自動車機器株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、全車速域において、常に一定の時間範囲内
においてその測定を完了し得る車速測定方法に関するも
のである。
〔従来の技術〕
従来より、車速測定は、車速センサの送出する車速に
応じたパルス状電気信号(車速パルス)に基づき行われ
ている。すなわち、車速のパルスのN周期の時間Tを測
定し、この測定時間Tを測定周期数Nで除して一周期当
たりの平均周期時間を算出し、この平均周期時間に基づ
き車速測定を行うようにしている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながらこのような従来の車速測定方法において
は、全車速域に対して測定周期数Nが一定であるため、
この測定周期数Nを高速時の車速測定精度向上のために
大きく設定すると、低速時においてその車速測定時間が
長びくものであった。また、低速時における車速測定時
間短縮のために、測定周期数Nを小さく設定すると、高
速時の車速測定精度が悪化するものであり、このような
理由から、低速時の車速測定時間の長期化並びに高速時
の車速測定精度の悪化を少なからず犠牲にして、中速時
のそれに照準を合わせて上記測定周期数Nの値を定めて
いた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、
車速に応じて送出されるパルス状電気信号のN周期の測
定時間Tの上限値および下限値を定め、この測定時間T
が車速の増大に伴いその下限値を下回った場合、その上
限値と下限値との比を前記測定周期数Nに乗じて新たな
る測定周期数を得るようになし、測定周期数Nが車速の
減少に伴いその上限値を上回った場合、その上限値と下
限値との比で前記測定周期数Nを除して新たなる測定周
期数を得るようになすものである。
〔作用〕
したがってこの発明によれば、車速の増大および減少
に伴って、車速パルスの測定周期数が大および小とな
り、しかもその測定時間が全車速域においてその上限値
と下限値との一定時間範囲に入るように制御される。
〔実施例〕
以下、本発明に係る車速測定方法を詳細に説明する。
第1図は、この車速測定方法の一実施例を示す原理図で
ある。すなわち、車速が例えば10km/hから50km/hまで上
昇する際の車速パルスの測定周期数Nと、その測定時間
Tとの関係を示し、この測定時間Tの上限値および下限
値を16進法で120Hおよび90Hと定めている。即ち、測定
時間Tの上限値および下限値を288msecおよび144msecと
定めている。
今、時速10km/hの時、図示せぬ車速センサより7.08Hz
の車速パルスが送出されるものとする(第1図
(a))。すなわち、このときの車速パルスの測定周期
数Nを2と定めた場合(N=2)、そのN周期の測定時
間Tは、第2図に示す車速パルスにおいて、隣接するパ
ルス間の周期時間T1とT2とを足した値である(T=T1+
T2)。第1図に示した(a)は、この2周期の測定時間
Tが283msecであった場合を示しており、この場合、そ
の測定時間T(=283msec)をそのときの測定周期数N
(=2)で除して、1周期当たりの平均周期時間が算出
され、この平均周期時間に基づき車速測定が行われる。
このような状態から車速が上昇すると、この車速の増
大に伴って上記2周期の測定時間Tが徐々に短くなり
(第1図(b))、遂にはその下限値である144msecを
下回るようになる。このとき、それまでの測定周期数N
(=2)に2(比例定数)を乗じて(2・N)、新たな
る測定周期数N(=4)を得るようになす。すなわち、
測定時間Tの上限値(288msec)と下限値(144msec)と
の比(288/144=2)を上記比例定数となし、この比例
定数をそれまでの測定周期数Nに乗じて新たなる測定周
期数Nとなす。
したがって、第1図(c)に示す車速20km/hのとき、
その2周期の測定時間Tが141msecであった場合、新た
なる測定周期数Nとして4が定められるものであり、こ
の新たなる4周期の測定時間Tに基づいて車速測定が行
われる。この4周期の測定時間Tは、上記2周期の測定
時間Tの略2倍となることから、その上限値である288m
sec近傍に位置する(第1図(d))。
そして、さらに車速が増大し、上記4周期の測定時間
Tがその下限値(144msec)を下回るようになると、そ
れまでの測定周期数N(=4)に2(比例定数)が乗じ
られて新たなる測定周期数N(=8)が得られ、以降こ
の8周期の測定時間Tに基づいて車速測定が行われるよ
うになる(第1図(e))。
なお、上述は、車速増大時についての動作につき説明
したが、車速減少時ついても同様にして説明できる。こ
の場合、車速の減少に伴って、N周期の測定時間Tがそ
の上限値(288msec)を上回るようになったとき、それ
までの測定周期数Nを上述と同様にして得られる比例定
数2で除して(N/2)、新たなる測定周期数Nを得るよ
うになす。例えば、第1図(d)において、時速20km/h
から車速が減少した場合、4周期の測定時間Tが288mse
cより長くなるので、それまでの測定周期数N(=4)
が比例定数2で除されて、新たなる測定周期数N(=
2)が得られ、以降2周期の測定時間Tに基づいて車速
測定が行われるようになる。この2周期の測定時間T
は、上記4周期の測定時間Tの略1/2となることから、
その下限値である144msec近傍に位置する。
このように本実施例によれば、車速の増大および減少
に伴ってその測定周期数Nが大および小となるので、低
速時における車速測定時間の長期化を招くことなく中・
高速時の車速測定精度の向上を図ることができる。しか
も、全車速域において、N周期の測定時間Tが略288mse
c(上限値)〜144msec(下限値)の範囲内に入るように
制御されるので、高速・中速・低速時に係わらず常に一
定の時間内での車速測定が可能となる。
なお、本実施例においては、測定時間Tの上限値を28
8msecとしその下限値を144msecとして、これらの値より
定まる比例定数を2としたが、さらに上限値と下限値と
の差を縮めて、その比例定数を1.5等としてもよいこと
は言うまでもない。このようにして上限値と下限値との
差を縮めることにより、車速測定時間の安定化が図られ
るようになる。しかし、実際的には、その演算を簡単に
行うために、比例定数は2とした方が都合がよい。すな
わち、比例定数を2とすることによって、測定周期数N
を整数倍とすることができ、1周期当たりの平均周期時
間を単純な演算により求めることができるようになる。
また、これは車速測定において付随することではある
が、車速パルスのN周期の時間を測定する途中で車速セ
ンサが故障したような場合を考慮して、N周期の測定時
間が終了するまでその直前の車速情報を保持するように
なすべきである。すなわち、新たな車速が確定するま
で、その直前の車速情報を保持するようになすことによ
り、フェールセーフ動作を得ることができる。
第3図は、その車速測定に本実施例の車速測定方法を
適用した電動モータ駆動ポンプ式パワーステアリングシ
ステムのシステム構成図である。同図において、1は操
舵量に応じたパルス状電気信号を送出する操舵センサ、
2は車速に応じたパルス状電気信号(車速パルス)を送
出する車速センサ、3はエンジンの回転の有無を検出す
るエンジン回転検出器、4はオイルポンプ41とこのオイ
ルポンプ41を駆動する電動モータ42とから構成されてな
る電動モータ駆動ポンプ、5はオイルポンプ41内の油温
を高めるポンプヒータ、6はオイルポンプ41の近傍に配
置されこのオイルポンプ41内の油温を相対的に検出する
温度センサ、7はこのシステムにおける異常を警告する
異常警告ランプ、8はバッテリ、9はイグニッションス
イッチである。電動モータ42は、その一端がバッテリ8
の正極性側に、その他端がパワートランジスタ10のコレ
クタに接続されており、パワートランジスタ10のエミッ
タが抵抗R1を介して接地されている。電動モータ42に
は、並列にフライホイールダイオード11が接続されてお
り、パワートランジスタ10のベースがコントローラ12の
PWM端子に接続されている。
コントローラ12には、操舵センサ1,車速センサ2,エン
ジン回転検出器3および温度センサ6からの各信号が入
力されるようになっており、温度センサ6を介してオイ
ルポンプ41における油温の低温状態を検出した場合、リ
レー13のコイル131を通電付勢しその常開接点132を閉じ
て、モータポンプヒータ5への電力の供給が行われるよ
うになっている。また、車速センサ2および操舵センサ
1を介して入力される信号に基づき走行状態を検出し、
この走行状態に適したパルス幅変調特性を選択しPWM端
子を介してパワートランジスタ10を駆動することによっ
て、電動モータ42への供給平均電圧を変化させ、オイル
ポンプ41から吐出されるオイル流量の制御が行われるよ
うになっている。すなわち、車速センサ2からの信号に
基づき例えば10km/h以下であるという車速判定がなされ
ている場合、操舵センサ1からの信号に基づき操舵が検
出されると、パワートランジスタ10が100%のデューテ
ィ比で駆動されるようになっており、これによって電動
モータ42が最大回転で駆動され、オイルポンプ41からの
吐出オイル流量が量大となり、ステアリングホイルに加
わる補助操舵力が量大となるようになっている。一方、
車速センサ2からの信号に基づき例えば10km/h以上であ
るという車速判定がなされている場合には、車速が速く
なるにつれパワートランジスタ10の駆動デューティ比が
小さくなるようなパルス幅変調特性の設定がなされてお
り、これによって電動モータ42の回転数が低下し、オイ
ルポンプ41からの吐出オイル流量が減少するようになっ
ている。すなわち、車速が速くなるにつれ、ステアリン
グホイルに加わる補助操舵力が減少するようになってい
る。尚、14はラジエータ冷却用のサブファン15を駆動す
るリレーであり、コントローラ12を介するコイル141の
通電付勢により、常開接点142が閉成され、その駆動が
行われるようになっている。
このように構成された電動モータ駆動ポンプ式パワー
ステアリングシステムにおいては、車速センサ2の送出
する車速パルスに基づき、そのコントローラ12の内部に
おいて、第4図に示すようなフローチャートに従った車
速測定が行われる。すなわち、ステップ401におけるス
タートの後、ステップ402においてメモリNおよびN′
が2とされる。そして、ステップ403においてメモリN
の値がメモリN1に書き写された後、ステップ404におい
て車速パルスの入力の有無が確認される。ステップ404
〜406において車速パルスが2個確認されると、ステッ
プ406を経たステップ407において、同図(b)に示す割
り込みフローに基づくメモリTIMERの計時値がメモリMEM
に書き写されると同時に、このメモリTIMERの計時値が
零に戻される。このとき、メモリMEMに書き写されるメ
モリTIMERにおける計時値は、車速パルスの2周期の時
間となり、この車速パルスの2周期の時間がステップ40
8において判定される。ステップ408において、メモリME
Mの値が16進法で90〜120H(288〜144)msecの範囲内に
ある場合、ステップ409においてこのメモリMEMの値が上
記メモリN′の値で除され、車速パルスの1周期当たり
の平均周期時間が算出され、この算出された平均周期時
間がメモリCYCLEに格納される。ステップ408において、
メモリMEMの値が90H(144)msecよりも小さいと判定さ
れた場合は、ステップ410においてこのときのメモリN
の値に比例定数2が乗じられ、この乗じて得られた値が
新たなるメモリNの値となる。また、ステップ408にお
いて、メモリMEMの値が120H(288)msecよりも大きいと
判定された場合にあっては、ステップ411においてこの
ときのメモリNの値が比例定数2で除され、この除して
得られた値が新たなるメモリNの値となる。ステップ40
9において、車速パルスの1周期当たりの平均周期時間
を算出した後は、ステップ412においてメモリNの値が
メモリN′に書き写され、ステップ403以下の動作が繰
り返される。
すなわち、ステップ410においてメモリNの値が更新
された時は、例えば車速の上昇に伴いメモリNの値が更
新されて4となった時は、次回のステップ407におい
て、メモリMEMに書き写されるメモリTIMERの計時値が車
速パルスの4周期の時間となり、この4周期の時間がス
テップ409においてこのときのメモリN′の値4で除さ
れ、車速パルスの1周期当たりの平均周期時間が算出さ
れ、この算出された平均周期時間がメモリCYCLEに格納
されるようになる。また、ステップ411においてメモリ
Nの値が更新された時は、例えば車速の下降に伴いメモ
リNの値が更新されて3となったときは、次回のステッ
プ407において、メモリMEMに書き写されるメモリTIMER
の計時値が車速パルスの3周期の時間となり、この3周
期の時間がステップ409においてこのときのメモリN′
の値3で除され、車速パルスの1周期当たりの平均周期
時間が算出され、この算出された平均周期時間がメモリ
CYCLEに格納されるようになる。
なお、メモリCYCLEに格納される平均周期時間に基づ
き、その後の車速演算が行われることは言うまでもな
く、このようにして、第1図にその原理を示した車速測
定方法が、実際の電動モータ駆動ポンプ式パワーステア
リングシステムに適用されるようになる。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明による車速測定方法による
と、車速に応じて送出されるパルス状電気信号のN周期
の測定時間Tの上限値および下限値を定め、この測定時
間Tが車速の増大に伴いその下限値を下回った場合、そ
の上限値と下限値との比を前記測定周期数Nに乗じて新
たなる測定周期数を得るようになし、測定周期数Nが車
速の減少に伴いその上限値を上回った場合、その上限値
と下限値との比で前記測定周期数Nを除して新たなる測
定周期数を得るようになすようにしたので、車速の増大
および減少に伴って車速パルスの測定周期数が大および
小となり、低速時における車速測定時間の長期化を招く
ことなく、中・高速時の高速測定精度の向上を図ること
が可能となる。しかも、全車速域において、N周期の測
定時間Tがその上限値と下限値との一定時間範囲に入る
ように制御されるので、高速・中速・低速時に係わらず
常に一定の時間内での車速測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る車速測定方法の一実施例を示す原
理図、第2図は車速パルスの2周期の測定時間Tを示す
図、第3図はその車速測定に本実施例の車速測定方法を
適用した電動モータ駆動ポンプ式パワーステアリングシ
ステムのシステム構成図、第4図はこの電動モータ駆動
ポンプ式パワーステアリングシステムにおいてそのコン
トローラ内部における車速測定方法を示すフローチャー
トである。 2……車速センサ、4……電動モータ駆動ポンプ、41…
…オイルポンプ、42……電動モータ、12……コントロー
ラ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車速に応じて送出されるパルス状電気信号
    のN周期の時間Tを測定し、この測定時間Tをその測定
    周期数Nで除して1周期当たりの平均周期時間を算出
    し、この平均周期時間に基づき車速の測定を行う車速測
    定方法において、前記測定時間Tの上限値および下限値
    を定め、この測定時間Tが車速の増大に伴い前記下限値
    を下回った場合前記上限値と下限値との比を前記測定周
    期数Nに乗じて新たなる測定周期数を得るようになし、
    前記測定周期数Nが車速の減少に伴い前記上限値を上回
    った場合前記上限値と下限値との比で前記測定周期数N
    を除して新たなる測定周期数を得るようになすことを特
    徴とする車速測定方法。
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