JP2568821C - - Google Patents

Info

Publication number
JP2568821C
JP2568821C JP2568821C JP 2568821 C JP2568821 C JP 2568821C JP 2568821 C JP2568821 C JP 2568821C
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
coating
layers
wet
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
Other languages
English (en)
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Publication date

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気記録媒体の製造方法、特に同等又は逐次湿潤重層塗布方式(以下
、ウエット・オン・ウエット塗布方式という)による磁気記録媒体の製造方法に
関するものである。 〔従来の技術〕 磁気記録媒体の層構成は、一般に下塗層の上に磁性層、必要に応じその上に第
2の磁性層があり、その反対面には下塗層の上にバック層がある。又近来中間層
(カーボンブラック含有層)の上に磁性層、必要に応じてカーボンブラック含有
層の下に下塗層が設けられている磁気記録媒体も製造されるようになった。 これらの層を構成させるための従来の塗布方法は、一層づつ塗布乾燥工程を経
て積み重ねる方法である。所謂ウエット・オン・ドライ塗布方式である。上述の
塗布方式では一層単独で塗布する場合は塗布液組成としては単に溶媒に溶質が溶 解すればよいが、しかし一方すでに塗布、乾燥された層の上に次の層を積み重ね
て塗布する場合、これから塗布しようとする上層の塗布液の溶媒が下層に対し溶
解性があることは好ましくなく、従って上層塗布液の溶媒としては下層に対する
溶解性の少ない塗布液組成が選定されていた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかるに、上記のような塗布液組成をウエット・オン・ウエット塗布方式の塗
布液組成として用いた場合、即ち、乾燥されていない湿潤状態にある層の上に次
なる層を重ねて塗布する場合は、該重畳層の乾燥された塗布面を観察すると、亀
甲状の模様の中に半透明な核があったり、いたるところに密集して透明な“ブツ
”が発生する場合がある。これらの異物を分析した結果重畳層のいずれかの、又
は各層の溶質(バインダー類)が析出凝固したものであることが判明した。 上記のような面質では、製品とすることができず問題であった。 本発明の目的は上記したウエット・オン・ウエット塗布方式における問題点を
解決し、表面性の良い塗布面を効率よく形成することができる磁気記録媒体の製
造方法を提供することにある。 又本発明の目的は異なった性質の層、例えば下塗層、バック層、磁性層等の組
合わさった塗布をウエット・オン・ウエット塗布方式で重畳塗布を行い、又同時
重畳塗布による薄層・高速塗布による磁気記録媒体の高品質化及び原価低減を実
現することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、ウエット・オン・ウエット塗布方式の際の各塗布液組成につい
て鋭意検討した結果、ウエット・オン・ウエットで塗布液が2層重なった時、各
層の境界では有機溶媒同志、溶質同志の移動が生じ、又重畳層が乾燥される過程
において各層異った溶媒であれば、各々異った蒸発速度、拡散速度により刻々そ
の混合比を変えながら濃縮して行く、この場合各々の溶質(バインダー類)は刻
々変化する数種の溶媒の混合比とその含有量に対し溶解していることが必要であ
る。 以上の見解に立って、各種溶媒と溶質の相互溶解性のある組み合わせを実現す
ることにより、前記問題点を解決するに致った。 即ち、本発明は、可撓性支持体上に塗布された複数の層より形成される磁気記
録媒体の製造方法において、隣接した複数層の各塗布液組成の溶媒は隣接層の溶
媒及び溶質に対し相互溶解性を有し、かつ複数層の塗布液の全溶質の体積に対し
全溶媒の体積が3倍の濃度になる迄該相互溶解性が保たれ、該複数層の塗布液を
湿潤状態で同時又は可及的速やかに重畳してエクストルージョン塗布方式で塗布
し、乾燥することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法である。 尚本発明は隣接した複数層として、複数層の磁性層においては勿論であるが、
下塗層とバック層、下塗層と磁性層、中間層と磁性層等の異った質の塗布液の組
合わせにおいてもその結果を発揮するものである。ここで下塗層は中間層、磁性
層、又はバック層と支持体との密着を改良するための層は結合剤が含まれている
。又中間層は磁性層とは別異の機能、例えば帯電防止のためカーボンブラック又
は帯電性樹脂等と結合剤を含む層をいう。 本発明において用いられる可撓性支持体としては、ポリエチレンテレフタレー
ト(P.E.T)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピ
レン等のオレフィン類、セルロースアセテート等のセルロース誘導体等のプラス
チックフィルムが用いられる。 本発明の磁性層に用いられる強磁性微粉末としては、γ−Fe23、Co−含
有γ−Fe23、Fe34、Co−含有Fe34、CrO2、Co−Ni−Fe
合金、Co−Ni−P合金等公知の強磁性微粉末が用いられる。これらの強磁性
微粉末をバインダーや他の添加剤と共に有機溶媒に分散して磁性液として塗布す
る。これらのバインダー、溶剤、添加剤や、調液方法等に関しては特公昭56−
26890号公報等に詳しく記載されている。又バック層用としてはカーボンブ
ラック、炭酸カルシウム等が分散物として用いられる。 溶質(バインダー)としては磁性層、バック層、中間層用として具体的にはポ
リエステル、ニトロセルロース、塩化ビニリデン、塩化ビニル・酢酸ビニル共重
合体(以下塩・酢ビと称す)が、下塗層用として、塩化ビニリデン/アクリルニ
トリル共重合体、塩化ビニリデン/アクリル酸エステル共重合体、エポキシ樹脂
、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、メタクリレート共重合体、ポリエス
テル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリアミド電子線硬化 性アクリルオリゴマー、又は電子線硬化性アクリルプレポリマー及び特開昭59
−19230号公報等記載の無定形飽和ポリエステル等がある。 溶媒としては、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン等のケトン
類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族溶
剤、メチレンクロライド、エチレンクロライドの塩素系溶剤がよく用いられる。 本発明で塗布液を湿潤状態で重畳して塗布する方法、即ち、ウエット・オン・
ウエット塗布方式とは、初め一層を塗布した後に湿潤状態で可及的速やかに次の
層をその上に塗布する所謂逐次塗布方法、及び多層同時にエクストルージョン塗
布方式で塗布する方法等がある。 尚本発明では、塗布直後の溶剤の体積は溶質の体積の約10倍位迄になるので
、その時は隣接する複数層の相互溶解性があっても、乾燥が進んで溶媒が蒸発し
、複数層の全溶媒の体積が全溶質の体積の3倍位に濃縮される迄、好ましくは2
倍位迄前記相互溶解性が保たれることが好ましい。溶液濃度が高くなった時にも
溶質のゲル化が生じないことが望ましい。 〔実施例〕 以下、本発明を2層のウエット・オン・ウエット塗布方式の一実施例により詳
細に説明する。 実施例及び比較例として扱った塗布液の溶媒(有機溶剤)と溶質(バンインダ
ー)は表−1に示す。ウエット・オン・ウエット塗布方式としては特願昭59−
259941号に示した磁気記録媒体塗布方法を使用した。 まず第1図により本発明の内容を説明する。連続的に走行するポリエチレンテ
レフタレート可撓性支持体1に塗布液(A)3にて塗布液(a)2をプレコート
し、その直後スムージングロール4にて該塗布面を平滑化し、該塗布液2が湿潤
状態にある状態で別の押し出し塗布機(B)6により次なる塗布液(b)5を塗
布する方法を用いた。 表−1に示した各種塗布液(a)−1,2,3及び(b)−1,2,3の組み
合わせによる乾燥後の塗布面評価を行った。析出物発生状況−顕微鏡観察結果を
表−2に示す。 尚この際の第1層の塗布液(a)、第2層の塗布液(b)の塗布量は各々8cc /m2あった。又本発明のウエット・オン・ウエット塗布方式は本方式に限られる
ものでなく、例えば第2図に示すエクストルージョン型同時多層塗布方式を用い
てもよい。第2図は可撓性支持体1上に同時多層塗布注液器8を用い塗布液(a
)2と塗布液(b)5とを同時に塗布する状態を説明するものである。 尚、その他の析出物の性状は下記の通りである。 i)析出物は暗い視野の中で白っぽく透明なブツブツに見える。 ii)i)の場合は塗布表面上はとくに粗れてはいない。 iii)白っぽいブツブツの、その1個の囲りに細い溝状の線がありその形が滑
甲状である場合がある。 iv)iii)の場合塗布面は粗れて2〜3μの凹凸となる場合がある。 上記に示した様に、比較例−1において第1層塗布液(a−1)と第2層塗布
液(b−1)の組合せでは第1層塗布液の溶媒であるトルエンが第2層塗布液中
に拡散したMEKとトルエンとの比率が変り第1層中のポリエステル(1)の一
部がゲル状になり析出物の発生となる。又第2層のニトロセルロースにとっては
乾燥によりトルエンに比し沸点の低いMEKが先に蒸発し第1層のトルエンが過
剰となる時点でゲル化を起し析出物の発生となる。 上記の2種類の溶質は溶媒と溶質の溶解性を説明する表−3に示すように、ポ
リエステル(1)についてはケトン類、芳香族の各単独系には溶解せず、ニトロ
セルロースについてはケトン類には溶解するが芳香族には溶解しないという特性
がある。このことが析出物発生の主要因で、換言すれば溶質の溶媒に対する相互
溶解性がないということがバインダーの析出という現象を誘発するのである。 実施例−1について、第1層の下塗液(a−2)、第2層のバック層(b−1
)の場合、第1層のポリエステル(2)の溶媒MEKは第2層のニトロセルロー
スも溶解するので析出物は全く発生せず、満足する品質が得られた。 比較例−2について、第1層下塗液(a−1)と第2層磁性液(b−1)の場
合、第2層の塩酢ビは第1層の溶媒の1つであるトルエンに全く溶解せず、第1
層のポリエステル(1),(2)は又第2層の酢酸ブチルに夫々溶解しない、ゲ
ル化する性質を持っているので製品として不合格であった。 実施例−2は第1層下塗液(a−2)と第2層磁性層(b−2)の組合せで第
1層の溶媒MEKは第2層の塩酢ビに溶解性があるが、第1層の溶質であるポリ
エステル(2)が第2層溶媒の酢酸ブチルにゲル化する性質があり、少々の析出
物の発生があったが製品として使用できる程度であった。 又実施例−3は第1層下塗液(a−3)、第2バック液の組合せは両液の溶媒
エチレンクロライドで問題なく製品とすることが出来た。 〔発明の効果〕 本発明はウエット・オン・ウエット塗布方式及び乾燥する工程において、隣接
する各層塗布液として、それぞれの塗布液の溶媒が相互の溶質に対し溶解性をも
ち、重畳塗布を行い乾燥により重畳層の全溶質の体積に対し、全溶媒の体積が3
倍になる迄前記相互溶解性をもつ、各液の塗布液特性を選定することにより面質
の良好な磁気記録媒体の製造が可能になったのみならず、ウエット・オン・ウエ
ット塗布方式により異った役目の塗布層を重畳させて塗布することが可能になり
生産能率が向上した。又更に重畳塗布の内同時多層塗布による薄層・高速塗布化
により一層の品質向上と、原価低減への貢献は大である。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の塗布を実施するウエット・オン・ウエット塗布方式の一実施
例である逐次塗布方式の説明図、第2図は同じく同時多層塗布方式の説明図であ
る。 1・・・・可撓性支持体、2・・・・塗布液(a)、3・・・・塗布機(A)、4・・・・スム
ージングロール、5・・・・塗布液(b)、6・・・・塗布機(B)、7・・・・バックアッ
プロール、8・・・・同時多層塗布注液器。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)可撓性支持体上に塗布された複数の層より形成される磁気記録媒体の製
    造方法において、隣接した複数層の各塗布液組成の溶媒は隣接層の溶媒及び溶質
    に対し相互溶解性を有し、かつ該複数層の塗布液の全溶質の体積に対し全溶媒の
    体積が3倍の濃度になる迄該相互溶解性が保たれ、該複数層の塗布液を湿潤状態
    で同時又は可及的速やかに重畳してエクストルージョン塗布方式で塗布し、乾燥
    することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 (2)隣接した複数層が下塗層及び/又は中間層と磁性層であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の磁気記録媒体の製造方法。 (3)隣接した複数層の下塗層とバック層であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の磁気記録媒体の製造方法。 (4)隣接した複数層が組成の異なる磁性層であることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の磁気記録媒体の製造方法。

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007216690A (ja) 多層データキャリヤ
JPH0353253A (ja) 静電記録フイルム
US20150322222A1 (en) Antistatic film
CN1304059A (zh) 具有挤出抗静电层的反射正片材料
JP3746791B2 (ja) 低帯電性複合ポリエステルフィルム
US4135032A (en) Magnetic recording medium
JP2568821B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
KR920008437B1 (ko) 자기디스크 및 그 제조방법
JP2568821C (ja)
JPS582415B2 (ja) ジキキロクタイ
US3215554A (en) Subbing layer for magnetic recording materials
JPS6061259A (ja) ポリエステルフイルム
US7344073B2 (en) Magnetic recording medium
JP3319087B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH09277458A (ja) 転写箔
JPS63146209A (ja) 磁気記録媒体
JPH0345341A (ja) 防水性記録用材料
JP2002200833A (ja) 金属酸化物膜のパターン化方法
JPS61233749A (ja) 透明静電記録フイルム
JPH06126229A (ja) 塗布方法及び装置
JP3293701B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体
JPH07232420A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JPS63136049A (ja) 静電記録フイルム
JPS63184758A (ja) 静電記録フイルム
JPS61169289A (ja) 通電感熱転写記録材料