JP2567592Y2 - 運搬用容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、容器同士を同方向で積
み上げ（以下スタッキングと呼ぶ）が、方向を変えて重
ね合わせ（以下ネスティングと呼ぶ）が可能な運搬用容
器であって、平面サイズの大なる容器（大箱）とその平
面サイズをほぼ均等に２分した平面サイズを有する容器
（半箱）を、箱の方向性に関係なく、荷重支持に対して
安定な状態で、相互にスタッキング可能な運搬用容器、
及びスタッキングのみ可能で該同色スタッキングの容器
とほぼ同じ平面サイズを有する大箱と半箱とを、該同色
スタッキングの容器との間で、大箱と半箱が箱の構造・
方向性に関係なく荷重支持に対して安定な状態で相互に
スタッキング可能な運搬用容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】同じ型の容器において、容器自体の構造
により、スタッキングとネスティングを可能とする容器
としては、例えば実公昭６３−４０４５３号公報に開示
された運搬用容器が知られている。この容器は、矩形容
器の側壁に該容器の開口縁から容器中高部位まで外方に
膨出させた膨出部（ポケット部）を相対する側壁につい
て非対称に形成しており、容器同士は通常位置でネステ
ィング、上段または下段の容器のいずれかを平面方向に
１８０度回転することにより上下段の容器を膨出部同士
が互い違いになりスタッキングできるように構成したも
のである（以下このスタッキング方法を１８０度回転方
式と呼ぶ）。

【０００３】しかしこの容器では上記のように下段の容
器に対して上段の容器を常に１８０度回転させて乗せな
ければならないため次のような問題点がある。即ち、容
器の一側壁外側に例えば内容物を表示するカンバン、カ
ード等を取り付けていた場合、その表示具は上段と下段
とで反対向きになってしまうため、特に多段積みしたよ
うな場合、内容物が一方向から確認できず、倉庫保管時
等に不便であった。また部品等の内容物が収納された容
器を例えば組み付けラインに流すような場合、上記のよ
うに容器が一段ごとに１８０度方向が異なってスタッキ
ングされていると、そのまま容器を上から順にライン上
に降ろしたのでは、内容物の向きが容器ごとに違ってし
まうので、作業性が悪く、ロボットによる自動組み付け
の障害にもなるものであった。このためスタッキングさ
れた容器は一個置きに方向転換してライン上に降ろさな
ければならなくなり手間がかかるという問題があった。

【０００４】これに対して、上記問題点を解消しその取
扱性を改善するものとして実開平２−１０２３４３号公
報に容器同士は通常の位置でスタッキングし、上段の容
器を下段の容器に対し、平面方向に１８０度回転するこ
とによりネスティング可能となる容器が提案されている
（以下このスタッキング方法を同色スタッキングと呼
ぶ）。

【０００５】この容器は矩形容器の相対する側壁の点対
称位置に、該側壁の外面より突出した該容器の開口縁に
乗る支脚部（スタッキング支持部）と該側壁の一部を外
方に膨出させ前記支脚部が収納可能なポケット部（ネス
ティング嵌合部）を形成した運搬用容器である。

【０００６】一般的に、スタッキングのみを可能とする
容器において、平面サイズの大なる容器（以下大箱と呼
ぶ）と、この大箱の平面サイズを均等割り、例えば２分
の１にした容器（以下半箱と呼ぶ）を相互にスタッキン
グ可能とするためには、大箱の底面を盛り上げ、半箱上
に大箱をスタッキング可能としたもの、或いは大箱のス
タッキング代が干渉せず嵌り込むように半箱の開口縁
（フランジ）の片側もしくは、対向する両側を落し込む
ことが実施される。

【０００７】一方、スタッキングとネスティングを可能
とする容器では、方向性に関係なく大箱と半箱を相互に
スタッキングすることは実施されていない。またスタッ
キングとネスティングを可能とする容器の大箱及び半箱
と、スタッキングのみ可能な容器の平面サイズの同じ大
箱及び半箱との間においても、大箱と半箱を構造に関係
なく相互にスタッキングすることも実施されていない。
しかしながら、これらの容器においても容器の取扱いや
すさ、作業能率向上のために、相互にスタッキングでき
ることが要望されている。

【０００８】

【考案が解決すべき課題】同色スタッキングの大箱と半
箱において相互に（上下に）スタッキング可能とするた
めには、 １ 容器のコーナー部に近接するようにスタッキング支
持部を設置する必要がある。コーナー部支持が圧縮（段
積み）強度において最も有効であり、またスタッキング
の支持が均等に配置され、安定したスタッキングが可能
であるためである。

【０００９】２ 半箱において、大箱上にスタッキング
したとき、荷重がより均等に配分されるように４点支持
以上のスタッキング支持部を有することが必要である。
また半箱に大箱をスタッキングしたとき、大箱は各コー
ナー部に夫々近接するスタッキング支持部を少くとも１
個有する４点支持以上でなくてはならない。

【００１０】３ 長方形（平面視）の容器の場合、図１
のように、大箱上に半箱をスタッキングするパターン
（１）及び半箱上に大箱をスタッキングするパターン
（２）は、図２に示すように、それぞれ４通り存在す
る。これは大箱、半箱ともに箱自体が同色スタッキング
構造で、スタッキング支持部とネスティング嵌合部との
配置が方向性を有するためである。大箱２１のＡ，Ｂ及
び半箱２２のＣ，Ｄは方向性を示し、矢印はそれぞれ大
箱上に半箱を、また半箱上に大箱をスタッキングする場
合を示している。従って、作業効率を考えれば、上記の
いずれのパターンにおいても方向性なく安定した形状で
確実にスタッキング可能な容器が最も望ましい。

【００１１】４ 大箱、半箱いずれも同色スタッキング
構造であるので、当然容器の側面にはスタッキング支持
部を収納するネスティング嵌合部が必要であり、このネ
スティング嵌合部上にスタッキング支持部がきてもスタ
ッキング機構は果たせない。

【００１２】５ 加えて、大箱上に半箱を或いは半箱上
に大箱を所定位置に積み上げたとき、積み上げた箱同士
がずれないように安定して積み上げられることが必要で
ある等の問題を有している。

【００１３】スタッキングのみ可能の大箱と半箱におい
て、大箱のスタッキング代だけ押し込んだ形状の場合、
大箱の長手方向の篏合止め、或いは半箱同士の短手方向
の篏合止めが出来ない問題がある。更に同色スタッキン
グの容器と平面サイズの同じであるスタッキングのみ可
能な大箱と半箱が、同色スタッキングの容器との間で、
大箱と半箱とが、相互にスタッキング可能であるために
は、スタッキング支持部端と開口縁の関係が問題にな
る。

【００１４】本考案の目的は、上方に開口した平面が方
形状の同色スタッキング構造の運搬用容器で、平面サイ
ズの大なる大箱とその半分の平面サイズを有する半箱と
を、荷重支持に対して安定した形で相互に（上下に）ス
タッキングが可能で、多段積みしたときの圧縮強度に優
れ、しかも方向性に関係なく、スタッキング可能な作業
性の優れた運搬用容器を提供するものである。

【００１５】また、本考案の目的は、上方に開口した平
面が方形状のスタッキングのみ可能な運搬用容器で、同
色スタッキングの大箱及び半箱とほぼ同じ平面サイズを
有する大箱と半箱とを、同色スタッキング容器との間
で、大箱と半箱が箱の構造、方向性に関係なく荷重支持
に対して安定な状態で相互にスタッキング可能な運搬用
容器を提供するにある。

【００１６】

【課題を解決するための手段】上方に開口し各側壁が開
口縁に向って少し外に拡がるように傾斜した方形容器
で、相対する側壁のほぼ点対称の位置に、該側壁の外面
より外方に突出すスタッキング（積み上げ）支持部と、
該側壁の一部を外方に膨出させ側壁内面をポケット状に
凹こますネスティング（重ね合わせ）凹部とを有する積
み上げ及び重ね合わせ可能な同色スタッキングの運搬用
容器であって、平面サイズの大なる容器（以下大箱とい
う）と大箱の平面サイズをほぼ均等に２分した平面サイ
ズを有する容器（以下半箱という）とを、大箱には、コ
ーナー近傍に各側壁当りスタッキング支持部とネスティ
ング凹部を夫々２個以上設け、且つスタッキング支持部
上の開口縁部並びに大箱上に半箱を積み上げるときの配
置において半箱のスタッキング支持部端部を受ける開口
縁部に、開口縁をほぼスタッキング代分下方に落し込ん
だスタッキング凹部を設け、半箱には、コーナー近傍に
各側壁当りスタッキング支持部とネスティング凹部を夫
々２個以上設け、且つそれらの位置か配置形を区別しな
ければコーナーに対して大箱のスタッキング支持部及び
ネスティング凹部とほぼ同位置にあり、更にそれらの配
置形が大箱上に半箱を積み上げるときの配置において、
２組の相対する側壁同士のいづれか一方の相対する側壁
同士のスタッキング支持部とネスティング凹部の配置形
を大箱と逆転した形になるように設けると共に、半箱の
長側壁の開口縁を半箱上に大箱を積み上げ可能に下方に
落し込んだ形状にし、短側壁開口縁のスタッキング支持
部上の開口縁部に開口縁をほぼスタッキング代分下方に
落し込んだスタッキング凹部を設けて、相互に積み上げ
可能としたことを特徴とする運搬用容器が提供される。

【００１７】また本考案によれば、上方に開口し各側壁
が開口縁に向って少し外に拡がるように傾斜した方形容
器で積み上げのみ可能な運搬用容器であって、請求項１
記載の同色スタッキングの大箱及び半箱とほぼ同じ平面
サイズを有する大箱及び半箱とを、大箱の開口縁及び半
箱の短側壁の開口縁に、前記同色スタッキングの大箱及
び半箱のスタッキング凹部に対応する位置に、開口縁を
下方にほぼスタッキング代分落し込んだスタッキング凹
部を設けると共に、半箱の長側壁の開口縁を下方にほぼ
スタッキング代分落し込んだ形状にし、且つ大箱と半箱
の底部コーナー寄りに同色スタッキングの大箱と半箱の
スタッキング支持部に対応する位置に、側壁より外方に
突出すスタッキング用凸部を設けて、前記同色スタッキ
ングの大箱及び半箱との間に、相互に積み上げ可能とし
たことを特徴とする運搬用容器が提供される。

【００１８】

【作用】本考案の同色スタッキングの運搬用容器は、容
器の中心を中心点にして、相対する側壁のスタッキング
支持部（以下Ｓ部という）とネスティング嵌合部（以下
Ｎ部という）とが互いにほぼ点対称の位置に形成されて
いて、大箱同士或いは半箱同士は同方向（Ｓ部とＮ部の
配置形状が同じ）では上段容器のＳ部下端が下段容器の
開口縁に乗りスタッキング可能となる、上段か下段の容
器のどちらかを１８０度回転させて方向を変えると上段
容器のＳ部が下段容器のＮ部に収納され、ネスティング
可能となる、いわゆる同色スタッキングの構造となって
いる。

【００１９】この大箱と半箱は、Ｓ部、Ｎ部の配置形状
の一例を平面略図で示す図３のように、（ｉ）Ｓ部の位
置を表わすＳ，Ｎ部の位置を表わすＮが、大箱２１、半
箱２２共に各側壁に容器コーナー近傍で且つ各側壁当り
２個づつあり、相対する側壁のＳとＮが、容器中心Ｏを
中心点とし、ほぼ点対称の位置にある。また、（ii）大
箱２１のＳとＮの配置位置と半箱２２のＳとＮの配置位
置はＳ，Ｎの配置形を度外視すれば、容器コーナーに対
してほぼ同位置にある。

【００２０】また大箱と半箱のＳ部とＮ部の配置形は、
簡略化してその一例を示す図４及び図５のように、（ii
i)大箱上に半箱をスタッキングさせる向きにおいて、２
組の相対する側壁同士のいづれか片方の相対する側壁同
士のＳ，Ｎの配置形が逆転した形になっている。図の半
箱２２の（１）と（２）は同じもので、（１）を１８０
度回転させて向きを変えたものが（２）である。矢印２
３は、Ｓ部、Ｎ部の配置形（配置向き）を矢印で示した
もので、矢先がＳからＮへ向けて記してある。

【００２１】大箱と半箱は、上記特徴（ｉ）、（ii）及
び（iii)を具備することにより、大箱上に半箱を方向性
に関係なくスタッキングさせることが可能となる。

【００２２】また（iv）半箱における大箱の短側壁とほ
ぼ同じ長さの長側壁の開口縁を、半箱上に大箱を積み上
げ可能に下方にほぼスタッキング代分落し込んだ形状に
している。これにより半箱上に大箱をスタッキングさせ
たとき、大箱が２箱並べた半箱の内方の長側壁開口縁を
またいで半箱上部の相対する短側壁の内側にスタッキン
グ代を嵌合させてスタッキングすることが可能となる。

【００２３】また（ｖ）大箱のＳ部上の開口縁部、及び
大箱上に半箱を積み上げるときの配置において半箱のＳ
部に対応する位置の開口縁部に下方にほぼスタッキング
代分凹こましたスタッキング凹部（以下Ｓ部凹部或いは
略してＳＲ部という）を設け、（vi）半箱の短側壁のＳ
部上の開口縁部に開口縁をほぼスタッキング代分だけ下
方に凹こましたＳ部凹部（ＳＲ部）を設けたことによ
り、スタッキングの際、上段容器の下部のスタッキング
代が下段容器上部内側に嵌合するだけでなく、上段容器
のＳ部下端が、下段容器のＳ部凹部に嵌合することによ
り、スタッキングがずれたり、ガタつくことがないより
安定したスタッキングが可能となる。更に大箱、半箱相
互積み重ねにおいて、有効深さを少なくすることなくス
タッキングが可能となる。

【００２４】大箱上に半箱を方向性に関係なく、安定し
たスタッキングができる例を図６及び図７に示す。図は
図３に示したＳ部とＮ部の配置形状の大箱と半箱を例に
スタッキングのパターンを平面視したもので、図の大箱
のＳ及びＮはＳ部、Ｎ部の配置位置を示し、ＳＲはＳＲ
部（Ｓ部上及びＳ部以外の開口縁に設けられた）を示
す。半箱は開口縁、Ｎ部、ＳＲ部等を省略しＳ部のみＳ
で示し、また（Ｓ）はスタッキングしている半箱のＳ部
を示している。また、斜線はスタッキング支持している
ところを示す。図により、半箱２２が大箱の左側半分の
上にも、また右側半分の上にも方向性なくスタッキング
でき、スタッキングを支持する（Ｓ）の位置が４ヶ所の
コーナー近傍に夫々一点づつ分布しており、荷重支持に
対してバランスよく安定した状態でスタッキングされる
ことが理解される。

【００２５】半箱上に大箱を、方向性に関係なく、安定
したスタッキングができる例を図８及び図９に示す。図
は図３に示したＳ部とＮ部の配置形状の大箱及び半箱を
例にスタッキングのパターンを平面視で示したもので、
図の半箱Ｓ，Ｎ及びＳＲは、それぞれ半箱のＳ部、Ｎ部
及びＳＲ部の配置位置を示す。大箱は、開口縁、Ｎ部、
ＳＲ部等を省略し、Ｓ部のみＳで示す。また（Ｓ）はス
タッキング支持をしている大箱のＳ部を示す。また斜線
はスタッキング支持しているところを示す。図により大
箱２１が２個の半箱２２上に方向性に関係なくスタッキ
ングでき、しかもスタッキングを支持する（Ｓ）の位置
が大箱の４か所のコーナーのそれぞれの近傍に１点づつ
荷重に対してバランスよく配置されており、安定した状
態でスタッキングされることが理解される。

【００２６】本考案の同色スタッキングの運搬用容器
は、大箱上に半箱を、或いは半箱上に大箱をスタッキン
グする場合のいずれにおいても、上段容器は、各コーナ
ー部（近傍を含めた）を代表する少なくとも１個のＳ部
よりなる４個以上のＳ部により支持され、結局上段容器
の荷重が４コーナー部により支持されることになるか
ら、荷重支持に関して最も安定な状態でスタッキングさ
れる。しかも容器は、Ｓ部がコーナー近傍にあることに
よって、コーナー部が強化されて圧縮（段積み）強度に
おいて最も有効なコーナー支持ができる。またスタッキ
ングしたとき上段容器のＳ部と下段容器のＳ部が重なる
ことにより荷重に対して無理がなく支持される。また、
スタッキングしたとき上段容器の下方の部分（容器底部
を含むスタッキング代）が、下段容器の上部内側に嵌合
し、更に上段容器のＳ部下端が下段容器のＳ部凹部（Ｓ
Ｒ部）に嵌合することで、スタッキングが安定化する。
更に大箱、半箱相互積み重ねおいて、有効深さを少なく
する事なく安定したスタッキングが可能となる。

【００２７】スタッキングのみ可能な運搬用容器の大箱
と半箱は、（ａ）同色スタッキングの大箱及び半箱とほ
ぼ同じ平面サイズを有すること、（ｂ）大箱に、同色ス
タッキングの大箱と同様に対応する開口縁部にＳ部凹部
（ＳＲ部）を設け、（ｃ）大箱の短側壁とほぼ同じ長さ
を有する半箱の長側壁の開口縁をほぼスタッキング代分
下方に落し込んだ形状にし、更に（ｄ）大箱と半箱の底
部コーナー寄りに、同色スタッキングの大箱と半箱のＳ
部端部に対応する位置に、側壁より外方に突出すスタッ
キング用凸部（以下Ｓ用凸部）を設けているのが特徴で
ある。

【００２８】この（ａ），（ｂ）及び（ｃ）の構成によ
り大箱と半箱は、スタッキングのみ可能な運搬用容器の
間だけでなく、前記同色スタッキングの運搬用容器との
間でも、構造に関係なく、大箱同士、半箱同士、大箱と
半箱とが互いにスタッキング可能となっている。更に
（ｄ）により大箱の長手方向の篏合止め、或いは半箱同
士の短手方向の篏合止めが出来るので、スタッキングが
より安定して可能となる。

【００２９】即ち大箱上に半箱を積み上げるとき、半箱
のＳ用凸部が大箱のＳ部凹部に嵌合して乗りスタッキン
グが支持され、半箱上に大箱をスタッキングするときは
大箱の底部中央が半箱の長側壁開口縁に乗ると共に半箱
のＳ用凹部或いは長側壁開口縁に乗って安定したスタッ
キングが可能となる。

【００３０】更にスタッキングのみ可能な大箱及び半箱
は、Ｓ用凸部、Ｓ部凹部が、同色スタッキングの容器の
Ｓ部、Ｓ部凹部に対応し同様に機能するので、スタッキ
ングのみ可能な容器と同色スタッキングの容器との間で
も、相互に大箱と半箱がスタッキングでき、しかも荷重
支持に対して安定したスタッキングが可能である。また
多段積み上げが可能となる。

【００３１】

【実施例】本考案の運搬用容器の一実施例を図によって
説明する。なお図は、底面網目、側面模様、標識、持ち
手部等を省略している。同色スタッキングの大箱１は、
図１０乃至図１３に示すように長側壁２，３及び短側壁
４，５が底部６より開口縁７に向かって少し外に拡がる
ように傾斜した矩形容器で、長側壁２，３にはコーナー
近傍に各側壁当りそれぞれ２個のＳ部８及び２個のＮ部
９が、また短側壁４，５にはコーナー近傍に各側壁当り
それぞれ２個のＳ部８及び２個のＮ部９が一体に形成さ
れている。

【００３２】図１０では、開口縁７の下方にあるＳ部８
の位置を点線で示している。図１２に示すように、相対
する側壁のＳ部とＮ部は、容器の中心Ｏを中心点として
ほぼ点対称の位置にある。また開口縁のＳ部８上の開口
縁部にほぼスタッキング代分だけ側壁と共に開口縁を下
方に凹こましたＳ部凹部１０が、また大箱上に半箱を２
個積み上げるときの配置において半箱のＳ部を受ける開
口縁部に同様にほぼスタッキング代分下方に凹ましたＳ
部凹部１１が設けられている。

【００３３】容器の側壁の外側面に設けられているＳ部
８は、開口縁７から２本の縦リブが垂下、横リブ１２と
結合、更に下方に容器底部下端１３まで伸び、その下端
を横リブで閉じてＳ部が形成されている。Ｓ部は、外方
に向けて段階になっており、中間端１４（横リブ１２の
下辺に当る）と下端１５を有し、中間端１４はネスティ
ング（積み重ね）のときの支持部となる。またＳ部下端
より外方へ出ている。図では下端１５は、容器底部下端
のレベルまで達しているが、それよりやや上にすること
もできる。また段階的にすることもできる。

【００３４】Ｎ部９は、側壁の一部を外に膨出し、容器
内側面を凹まし、ポケット部を形成しており、ネスティ
ングの際上段容器のＮ部下端１６が下段容器の開口縁７
に乗り、上段容器のＳ部の中間端１４より下方が下段容
器のＮ部９に嵌合され容器の重ね合わせが行なわれる。

【００３５】半箱１Ａは、図１４乃至図１７に示すよう
に相対する長側壁２Ａ，３Ａ及び短側壁４Ａ，５Ａが底
部６Ａより開口縁７Ａ，７Ｂに向かって少し外に拡がる
ように傾斜した矩形容器であり、その平面サイズは大箱
１の平面サイズをほぼ均等に２分した大きさを有し、長
側壁２Ａ，３Ａが大箱の短側壁４，５とほぼ同じ長さ
で、それらの開口縁の長さもほぼ同じであり、また半箱
の短側壁４Ａ，５Ａ及びそれらの開口縁の長さが大箱の
長側壁２，３及びそれらの開口縁の長さのほぼ２分の１
になっている。

【００３６】長側壁２Ａ，３Ａには、コーナー近傍に各
側壁当りそれぞれ２個のＳ部８及び２個のＮ部９が、ま
た短側壁４Ａ，５Ａには、コーナー近傍に各側壁当りそ
れぞれ２個のＳ部８及び２個のＮ部９が一体に形成され
ている。図１４では、開口縁７Ａ，７Ｂの下方にあるＳ
部８の位置を点線で示している。またＳ部８とＮ部９の
配置が相対する側壁について、容器の中心Ｏを中心点と
して点対称の位置にあり、大箱同様同色スタッキングと
なっている。

【００３７】半箱１Ａの長側壁２Ａ，３Ａの開口縁７Ａ
は、図に示したように、半箱上に大箱を大箱のスタッキ
ング代を開口縁に干渉せず半箱上部内側に嵌合できるよ
うに、短側壁４Ａ，５Ａの開口縁７Ｂよりスタッキング
代分下方に落し込んだ形状としている。短側壁Ｓ部８上
の開口縁部には、側壁と共に開口縁７Ｂを下方にほぼス
タッキング代分凹こましたＳ部凹部１０が設けられてい
る。半箱の側壁外面に設けたＳ部８は、大箱同様に中間
端１４と下端１５とを有している。

【００３８】半箱におけるＳ部、Ｎ部の配置は図１４に
示すように配置されており、位置についてはＳ部、Ｎ部
の区別をつけなければ容器コーナーに対して大箱におけ
るＳ部、Ｎ部の位置とほぼ同じ位置にあり、また配置に
ついては大箱上に半箱をスタッキングさせる位置におい
て、２組の相対する側壁同士２Ａ，３Ａ及び４Ａ，５Ａ
の内の４Ａ，５ＡのＳ部８、Ｎ部９の配置形が大箱の相
対する側壁２，３のＳ部８、Ｎ部９の配置形を逆転した
形になっている。

【００３９】図１０乃至図１７で示した大箱と半箱のＳ
部、Ｎ部の配置形は図３に対応している。図示した大箱
上に半箱をスタッキングしたときのパターンの一例を図
１８及び図１９に示す。図は図６のパターンに対応して
いる。図１８の正面側面図では図６に示す通り上段の左
右の半箱１Ａは、中央寄りのＳ部８が大箱１の長側壁開
口縁のＳ部凹部１１に嵌合して開口縁７に乗ることによ
り支持されている。図１９の左側図面では、半箱１Ａの
左右のＳ部下端１０が大箱１のＳ部凹部１１に嵌合し、
半箱１Ａのスタッキングを支持すると共に上段半箱の下
方スタッキング代が下段大箱上部内側に嵌合するので、
ずれやがたつきがなく安定した状態でスタッキングでき
る。更に半箱１ＡのＳ部８と大箱１のＳ部８とが上下に
重なっており、荷重支持が無理なく安定していることが
理解される。

【００４０】図１８及び図１９と、図６とを対照する
と、大箱への半箱のスタッキングは、各コーナー近傍を
代表するＳ部の４箇所によって確実に支持されることが
理解される。

【００４１】図７のパターンのスタッキングの図は図示
しないが、図６同様に安定したスタッキングが行われる
ことが図６、図１８、図１９から理解される。また、図
６、図７、図１８、図１９の例から大箱上に半箱をスタ
ッキングするとき、平面形状を合わせるならば方向性に
関係なくスタッキングすることができ、しかも荷重支持
に対して安定した状態でスタッキングすることが理解さ
れる。

【００４２】半箱上に大箱をスタッキングしたときのパ
ターンの一例を図２０及び図２１に示す。図は図８のパ
ターンに対応している。上段大箱は、下段の２個の半箱
の内側の長側壁開口縁をまたぎ、Ｓ部下端を半箱の短側
壁開口縁のＳ部凹部及び長側壁開口縁に乗せて、スタッ
キング代を半箱の相対する短側壁開口縁の内側に嵌合し
てスタッキングしている。図８に示すように図２０では
上段容器のＳ部と下段容器のＳ部が重ならないが、図２
１では大箱のＳ部８は半箱のＳ部８上に重なっている。
図２０、図２１及び図８から判るように大箱はコーナー
近傍のＳ部４箇所により、荷重支持に対して安定した状
態で支持される。

【００４３】図９のパターン例においても図８同様半箱
上に大箱が安定した状態でスタッキングされることが理
解される。かくして、図８、図９、図２０、図２１等か
ら半箱上に大箱をスタッキングするとき、平面形状を合
わせれば、大箱の方向性に関係なく、荷重に対して安定
した状態でスタッキングできることが理解される。

【００４４】本考案の運搬用容器のスタッキングのみ可
能な大箱の一例を図２２、図２３及び図２４に示す。図
２２は、右半分が平面図であり、左半分が裏面図であ
る。図２３は左半分が正面側面図であり、右半分が図２
２のＡ−Ａ断面図である。また図２４は、右半分が左側
面図であり、左半分が図２２のＢ−Ｂ断面図である。

【００４５】大箱３１は、長側壁３２，３３及び短側壁
３４，３５が底部３６より開口縁３７に向って少し外に
拡がるように傾斜した矩形容器で、平面形状が同色スタ
ッキングの大箱とほぼ同じである。

【００４６】大箱３１の下部、各側壁の外側横方向に
（図では底部６よりやや上に）、外方にフランジ状に突
出す横リブ３８を設け、また各側壁上部外方に横リブ３
９、更に各側壁のコーナー寄りに縦リブ４０を設けてい
る。容器は横リブ３８より下方がスタッキング代となっ
ている。

【００４７】開口縁３７には、同色スタッキングの大箱
のＳ部凹部１０，１１に対応する位置に、開口縁と共に
側壁をほぼスタッキング代分だけ下方に凹こましたＳ部
凹部４１を設けている。

【００４８】また、容器底部、長側壁側横リブ３８の下
部のコーナー寄りに同色スタッキングの大箱のＳ部下端
１５に対応して、Ｓ部凹部４１に嵌合し得るスタッキン
グ用凸部（Ｓ用凸部）４２を設けている。Ｓ用凸部４２
の下端は容器底部下端４３と同じレベルにある。図では
Ｓ用凸部を長側壁側のみに設けているが、更に同色スタ
ッキングの大箱に対応して短側壁側のコーナーにも設け
ることもできる。

【００４９】スタッキングのみ可能な半箱の一例を図２
５、図２６及び図２７に示す。図２５は、右半分が平面
図であり、左半分が裏面図である。図２６は、左半分が
正面側面図であり、右半分が図２５のＣ−Ｃ断面図であ
る。図２７は右半分が左側面図であり、左半分がＤ−Ｄ
断面図である。

【００５０】半箱３１Ａは、長側壁３２Ａ，３３Ａ及び
短側壁３４Ａ、３５Ａが底部３６Ａより開口縁３７Ａ、
３７Ｂに向って少し外に拡がるように傾斜した矩形容器
で、平面形状が大箱３１の平面形状をほぼ均等に２分し
た平面形状を有し、長側壁３２Ａ，３３Ａが大箱の短側
壁３４，３５とほぼ同じ長さで、それらの開口縁の長さ
もほぼ同じであり、また半箱の短側壁３４Ａ，３５Ａ及
びそれらの開口縁の長さが大箱の長側壁３２，３３及び
それらの開口縁の長さのほぼ２分の１になっている。ま
た同色スタッキングの半箱と平面形状がほぼ同じになっ
ている。

【００５１】半箱３１Ａの長側壁３２Ａ，３３Ａの開口
縁３７Ａは、図に示したように、半箱上に大箱をスタッ
キングするときに、大箱の底部が半箱の長側壁に干渉せ
ず半箱上部内側に嵌合できるように、短側壁３４Ａ，３
５Ａの開口縁３７Ｂより下方にスタッキング代分だけ下
方に落し込んだ形状にしている。

【００５２】半箱３１Ａの下部、各側壁の外側横方向に
（図では底部６よりやや上に）、外方にフランジ状に突
出す横リブ３８を設け、また各側壁上部外方に横リブ３
９、更に各側壁のコーナー寄りに縦リブ４０を設けてい
る。容器は横リブ３８より下方がスタッキング代となっ
ている。

【００５３】開口縁３７Ａには、同色スタッキングの半
箱のＳ部凹部に対応する位置に、開口縁と共に側壁をほ
ぼスタッキング代分だけ下方に凹こましたＳ部凹部４１
を設けている。

【００５４】また、容器底部、短側壁側横リブ３８Ａの
下部のコーナー寄りに同色スタッキングの半箱のＳ部下
端１５に対応してＳ部凹部に嵌合し得るＳ用凸部４２を
設けている。Ｓ用凸部４２の下端は容器下端４３と同レ
ベルにある。図ではＳ用凸部４２を短側壁側にのみ設け
ているが、更に同色スタッキングの半箱に対応して長側
壁側のコーナーにも設けることもできる。

【００５５】大箱の上に半箱をスタッキングするとき
は、半箱の横リブ３８Ａが大箱の開口縁３７上に乗り、
半箱の横リブ３８より下方が大箱の上部内側に嵌合し、
更に半箱のＳ用凸部は大箱のＳ部凹部に嵌合する。

【００５６】大箱を半箱上にスタッキングするときは、
大箱の長側壁側の横リブ３８が半箱の短側壁側の開口縁
上に乗り、横リブ３８より下方が半箱の相対する短側壁
間の内側上部に嵌合する。その際大箱の底部中央部分
は、半箱の内側長側壁開口縁をまたいでその上に乗る。
またＳ用凸部は、半箱の短側壁開口縁のＳ部凹部に嵌合
する。

【００５７】スタッキングのみ可能な大箱及び半箱の相
互のスタッキング状態を図示しないが、図２２乃至図２
７を図６乃至図９と対比すれば、相互に方向性に関係な
く安定した状態でスタッキングできることが理解され
る。

【００５８】更にスタッキングのみ可能な大箱及び半箱
がＳ部、Ｎ部を有しないが、同色スタッキングの大箱及
び半箱と平面形状がほぼ同じであり、同色スタッキング
の大箱及び半箱のＳ部（詳しくはＳ部下端）及びＳ部凹
部に相当するＳ用凸部及びＳ部凹部を対応する位置に有
し、開口縁形状も相通ずる形状になっていることから、
図６乃至図９の一例で示すパターンが同色スタッキン
グ、スタッキングのみの区別なく大箱と半箱同士が相互
にスタッキングでき、しかも荷重支持に対して安定した
状態でスタッキングできる。

【００５９】図２８及び図２９は、同色スタッキング容
器との間のスタッキングの一例を示すもので、スタッキ
ングのみ可能な大箱の上に、同色スタッキングの半箱２
個をスタッキングし、その上にスタッキングのみ可能な
大箱をスタッキングしている。図２８は正面図（左半
分、大箱より見て）と同断面図（右半分）を、また図２
９は左側面図（右半分、大箱より見て）と同断面図（左
半分）を示す。

【００６０】本考案の運搬用容器は、主として合成樹脂
（ゴムで改質したものを含む）で、射出成形その他公知
の成形方法で一体成形で製造される。この合成樹脂には
熱可塑性樹脂のほか、熱硬化性樹脂を使用することがで
き、汎用的にはプラスチック類が使用される。また合成
樹脂には、顔料、染料、充填剤、老化防止剤、その他の
ものを使用できることは勿論である。また、本考案の運
搬用容器は、着色のもの、無色のもの、不透明のもの、
透明のもの、半透明のもの等いろいろのものを作り使用
することができる。

【００６１】

【考案の効果】本考案の同色スタッキングの大箱と半箱
は、平面サイズを合せれば、方向性に関係なく上下に相
互にスタッキングが可能であり、しかも容器自体がコー
ナー近傍のＳ部によって荷重支持に対して安定した状態
でスタッキングされる。また大箱、半箱相互積み重ねに
おいて、有効深さを少なくする事なく安定したスタッキ
ングが可能となり、多段積みが可能である。取扱い性、
作業性が著しく改善されるので作業能率が向上する。ス
タッキングのみ可能の大箱と半箱は、同色スタッキング
の大箱と半箱との間で、平面サイズを合せれば、構造や
方向性に関係なく上下に相互にスタッキングが可能であ
り、しかも容器自体が荷重支持に対して安定した状態で
スタッキングされる。多段積みが可能である。構造に関
係なく方向性に関係なく相互にスタッキングできるため
取扱い性、作業性が著しく改善されるので作業能率、容
器の利用性が著しく向上する。更に本考案によれば、運
搬用容器を使用しての運搬作業の自動化がより一層容易
にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一般の同色スタッキング容器の大箱と半箱とを
相互にスタッキングさせたときの正面側面略図である。

【図２】一般の同色スタッキング容器の大箱と半箱とを
相互にスタッキングする際の組合せを示す平面略図であ
る。

【図３】本考案の同色スタッキングの運搬用容器の一実
施例の大箱と半箱のＳ部、Ｎ部の配置位置を示す平面略
図である。

【図４】本考案の同色スタッキングの運搬用容器の一実
施例の大箱と半箱のＳ部、Ｎ部の配置位置形状を示す平
面略図である。

【図５】本考案の同色スタッキングの運搬用容器の一実
施例の大箱と半箱のＳ部、Ｎ部の配置位置形状を示す平
面略図である。

【図６】本考案の同色スタッキングの運搬用容器の一実
施例（図３）の大箱上に半箱をスタッキングしたときの
パターンの平面略図である。

【図７】本考案の同色スタッキングの運搬用容器の一実
施例（図３）の大箱上に半箱をスタッキングしたときの
パターンの平面略図である。

【図８】本考案の同色スタッキングの運搬用容器の一実
施例（図３）の半箱上に大箱をスタッキングしたときの
パターンの平面略図である。

【図９】本考案の同色スタッキングの運搬用容器の一実
施例（図３）の半箱上に大箱をスタッキングしたときの
パターンの平面略図である。

【図１０】本考案の同色スタッキングの運搬用容器の一
実施例の大箱の平面図である。

【図１１】本考案の同色スタッキングの運搬用容器の一
実施例の大箱の正面側面図（右半分）と図１０のＡ−Ａ
断面図（左半分）である。

【図１２】本考案の同色スタッキングの運搬用容器の一
実施例の大箱の左側面図である。

【図１３】本考案の同色スタッキングの運搬用容器の一
実施例の大箱の図１０のＢ−Ｂ断面図である。

【図１４】本考案の同色スタッキングの運搬用容器の一
実施例の半箱の平面図である。

【図１５】本考案の同色スタッキングの運搬用容器の一
実施例の半箱の正面側面図（右半分）と図１４のＣ−Ｃ
断面図（左半分）である。

【図１６】本考案の同色スタッキングの運搬用容器の一
実施例の半箱の右側面図である。

【図１７】本考案の同色スタッキングの運搬用容器の一
実施例の半箱の図１４のＤ−Ｄ断面図である。

【図１８】本考案の同色スタッキングの運搬用容器の一
実施例の大箱上に半箱をスタッキングしたときの正面側
面図である。

【図１９】本考案の同色スタッキングの運搬用容器の一
実施例の大箱上に半箱をスタッキングしたときの左側面
図である。

【図２０】本考案の同色スタッキングの運搬用容器の一
実施例の半箱上に大箱をスタッキングしたときの正面側
面図である。

【図２１】本考案の同色スタッキングの運搬用容器の一
実施例の半箱上に大箱をスタッキングしたときの左側面
図である。

【図２２】本考案のスタッキングのみ可能の運搬用容器
の一実施例の大箱の平面図（右半分）と底面図（左半
分）である。

【図２３】本考案のスタッキングのみ可能の運搬用容器
の一実施例の大箱の正面側面図（左半分）と図２２のＡ
−Ａ断面図（右半分）である。

【図２４】本考案のスタッキングのみ可能の運搬用容器
の一実施例の大箱の左側面図（右半分）と図２２のＢ−
Ｂ断面図（左半分）である。

【図２５】本考案のスタッキングのみ可能の運搬用容器
の一実施例の半箱の平面図（右半分）と底面図（左半
分）である。

【図２６】本考案のスタッキングのみ可能の運搬用容器
の一実施例の半箱の正面側面図（左半分）と図２５のＣ
−Ｃ断面図（右半分）である。

【図２７】本考案のスタッキングのみ可能の運搬用容器
の一実施例の半箱の左側面図（右半分）と図２５のＤ−
Ｄ断面図（左半分）である。

【図２８】本考案のスタッキングのみ可能な大箱の上に
同色スタッキングの半箱を、その上にスタッキングのみ
可能な大箱をスタッキングした正面図及び断面図であ
る。

【図２９】本考案のスタッキングのみ可能な大箱の上に
同色スタッキングの半箱を、その上にスタッキングのみ
可能な大箱をスタッキングした左側面図及び断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 同色スタッキングの大箱 １Ａ 同色スタッキングの半箱 ２，３ 大箱の長側壁 ２Ａ，３Ａ 半箱の長側壁 ４，５ 大箱の短側壁 ４Ａ，５Ａ 半箱の短側壁 ６ 大箱の底部 ６Ａ 半箱の底部 ７ 大箱の開口縁 ７Ａ，７Ｂ 半箱の開口縁 ８ Ｓ部 ９ Ｎ部 １０，１１ Ｓ部凹部 １２ 横リブ １３ 容器底部下端 １４ Ｓ部中間端 １５ Ｓ部下端 １６ Ｎ部下端 ２１ 大箱 ２２ 半箱 ２３ Ｓ，Ｎの方向を示す矢印 ３１ スタッキングのみ可能な大箱 ３１Ａ スタッキングのみ可能な半箱 ３２，３３ 大箱の長側壁 ３２Ａ，３３Ａ 半箱の長側壁 ３４，３５ 大箱の短側壁 ３４Ａ，３５Ａ 半箱の短側壁 ３６ 大箱の底部 ３６Ａ 半箱の底部 ３７ 大箱の開口縁 ３７Ａ，３７Ｂ 半箱の開口縁 ３８，３９ 横リブ ４０ 縦リブ ４１ Ｓ部凹部 ４２ Ｓ用凸部 ４３ 容器底部下端 Ｓ Ｓ部 （Ｓ） スタッキングを支持するＳ部 Ｎ Ｎ部 ＳＲ Ｓ部凹部

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上方に開口し各側壁が開口縁に向って少
   し外に拡がるように傾斜した方形容器で、相対する側壁
   のほぼ点対称の位置に、該側壁の外面より外方に突出す
   スタッキング（積み上げ）支持部と、該側壁の一部を外
   方に膨出させ側壁内面をポケット状に凹こますネスティ
   ング（重ね合わせ）凹部とを有する積み上げ及び重ね合
   わせ可能な同色スタッキングの運搬用容器であって、 平面サイズの大なる容器（以下大箱という）と大箱の平
   面サイズをほぼ均等に２分した平面サイズを有する容器
   （以下半箱という）とを、 大箱には、コーナー近傍に各側壁当りスタッキング支持
   部とネスティング凹部を夫々２個以上設け、且つスタッ
   キング支持部上の開口縁部並びに大箱上に半箱を積み上
   げるときの配置において半箱のスタッキング支持部端部
   を受ける開口縁部に、開口縁をほぼスタッキング代分下
   方に落し込んだスタッキング凹部を設け、半箱には、コ
   ーナー近傍に各側壁当りスタッキング支持部とネスティ
   ング凹部を夫々２個以上設け、且つそれらの位置が配置
   形を区別しなければコーナーに対して大箱のスタッキン
   グ支持部及びネスティング凹部とほぼ同位置にあり、更
   にそれらの配置形が大箱上に半箱を積み上げるときの配
   置において、２組の相対する側壁同士のいづれか一方の
   相対する側壁同士のスタッキング支持部とネスティング
   凹部の配置形を大箱と逆転した形になるように設けると
   共に、半箱の長側壁の開口縁を半箱上に大箱を積み上げ
   可能に下方に落し込んだ形状にし、短側壁開口縁のスタ
   ッキング支持部上の開口縁部に開口縁をほぼスタッキン
   グ代分下方に落し込んだスタッキング凹部を設けて、 相互に積み上げ可能としたことを特徴とする運搬用容
   器。
2. 【請求項２】 上方に開口し各側壁が開口縁に向って少
   し外に拡がるように傾斜した方形容器で積み上げのみ可
   能な運搬用容器であって、 請求項１記載の同色スタッキングの大箱及び半箱とほぼ
   同じ平面サイズを有する大箱及び半箱とを、 大箱の開口縁及び半箱の短側壁の開口縁に、前記同色ス
   タッキングの大箱及び半箱のスタッキング凹部に対応す
   る位置に、開口縁を下方にほぼスタッキング代分落し込
   んだスタッキング凹部を設けると共に、半箱の長側壁の
   開口縁を下方にほぼスタッキング代分落し込んだ形状に
   し、且つ大箱と半箱の底部コーナー寄りに、同色スタッ
   キングの大箱と半箱のスタッキング支持部端部に対応す
   る位置に、側壁より外方に突出すスタッキング用凸部を
   設けて、 前記同色スタッキングの大箱及び半箱との間に、相互に
   積み上げ可能としたことを特徴とする運搬用容器。