JP2567157B2 - 輪転枚葉紙供給印刷機の両面刷胴とともに使用するためのマーキング防止方法および装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は印刷機に関し、さらに詳
しくは、片面もしくは両面印刷のいずれかを可能にする
両面刷胴を有するタイプの高速・枚葉紙給紙輪転多色印
刷機において、印刷された枚葉紙（シート）のマーキン
グ（marking)ならびに損傷（marring)を防止するための
マーキング防止方法および装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】多くの高速、枚葉紙給紙輪転印刷機に
は、枚葉紙の両面に印刷することを可能にし、そして片
面多色印刷にも用いることができるような両面刷胴が装
備されている。このような印刷機の例としては、現在、
西ドイツ、ハイデルベルグの、Heidelberger Druckmasc
hinen ＡＧ（ハイデルベルガー・ドゥリュックマシーネ
ン・アクチエンゲゼルシャフト）によって「Speedmaste
r 」、「Ｍ−Offset」および「ＧＴＯ」の商品名で製造
されているものがある。これらの印刷機においては、両
面刷胴は、第１の印刷ステーションで片面が印刷された
枚葉紙を貯蔵胴（storage drum）から次なる印刷のため
の第２の印刷ステーションへと移送するために使用され
る。この両面刷胴は上記貯蔵胴に対して同期するように
調節されて、これにより、両面刷胴は、枚葉紙を、端部
を先端に導入しながら、既に印刷された面と同じ面に対
して第２色インキをのせるための第２印刷ステーション
へと移送するか（これを片面もしくは非両面モード印刷
という）、あるいは枚葉紙は、裏面を印刷するために裏
返して裾ないし尻を先端にして、第２印刷ステーション
へと移送される（これを両面モード印刷という）。

【０００３】両面印刷のための両面モードにおいて使用
される場合、両面刷胴によって担持された枚葉紙くわえ
爪（シートグリッパー）は該胴の長さにそって形成され
た長手方向開口部から放射状に突設されており、これら
のくわえ爪は、貯蔵胴上の枚葉紙が両面刷胴と貯蔵胴の
間のニップを通過したあとに当該貯蔵胴からの枚葉紙の
尻部を把持し、かつ、非印刷面が両面刷胴に支持される
ように枚葉紙を貯蔵胴から引っ張るようにタイミングが
合わされる。非両面刷モードで使用される場合は、枚葉
紙の導入端はニップにおいて両面刷胴のくわえ爪によっ
て把持され、そして濡れインク面が両面刷胴に面して支
持されるように枚葉紙を貯蔵胴から引っ張る。

【０００４】貯蔵胴は、典型的なものでは、両面刷胴の
２倍の直径を有する大きさであって、そして２つの直径
方向に対向した枚葉紙くわえ機構のセットを具備し、各
々のセットは枚葉紙の導入端のためのくわえ爪と枚葉紙
の尻部のためのくわえ爪とからなる。両面刷胴は、印刷
機が両面刷モードで使用される場合には、貯蔵胴によっ
て担持された枚葉紙の導入端をニップを通過させなけれ
ばならないので、両面刷胴の支持表面は、貯蔵胴の枚葉
紙導入端くわえ爪がニップを通過することを可能にす
る、長手方向に離間して設けられた円周状の溝ないし凹
部、を具備している。しかし、印刷機が非両面刷モード
で使用される場合は、枚葉紙の導入端はニップにおいて
両面刷胴に転送されるので、両面刷胴の支持表面におけ
る凹部は必要ではない。なぜなら、貯蔵胴の導入端くわ
え爪は、必ず、そこから枚葉紙くわえ爪が突設した両面
刷胴中の開口部とかみ合うからである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】両面刷モード印刷の
間、両面刷胴は、該両面刷胴の支持表面によって枚葉紙
の非インク面が支持されるようにその枚葉紙を裏返す操
作を行い、そして新たに印刷される枚葉紙のマーキング
や損傷は生じない。しかしながら、印刷機が非両面刷モ
ードで使用される場合には、新たに印刷される枚葉紙に
マーキングや損傷が生じることが見出されている。なぜ
なら、転送時においては、両面刷胴は、該胴の支持表面
に対して担持された枚葉紙の印刷面を伴う従来の印刷渡
し胴としてしか機能せず、しかも溝切りされた表面では
均一な枚葉紙の支持はなされないからである。

【０００６】現在、印刷産業においては、濡れたインク
面と従来の印刷転写胴の支持表面との接触によって引き
起こされる、新たに印刷された枚葉紙のマーキングや損
傷が、１９８３年９月６日付のＤｅＭｏｏｒｅによる米
国特許第４、４０２、２６７号（「印刷された枚葉紙材
料の取扱いのための方法および装置」と題するものであ
り、ここにその内容が参照として引用される）において
開示されているようなマーキング防止ネットシステムを
使用することによって実質的に除去することができるこ
とは、広く認識されかつ受け入れられている。このシス
テムは、「Ｓｕｐｅｒ Ｂｌｕｅ」という登録商標で、
Ｐｒｉｎｔｉｎｇ Ｒｅｓｅａｒｃｈ，Ｉｎｃ．（テキ
サス州ダラス）によるライセンスのもとに市販されてい
るものであり、転送胴の支持表面上に低摩擦コーティン
グを使用することを包含し、そして、その上に取引にお
いて「ネット」と呼ばれる織物カバーが緩く載置され
る。緩くマウントされたネットは、枚葉紙が転送胴に支
持されるときに新しく印刷された枚葉紙の濡れインキ面
に付着し、枚葉紙と胴との間の全ての相対運動を、ネッ
トの表面と胴の低摩擦コート表面との間の相対運動に置
き換えることにより、新たに印刷された面のマーキング
や損傷が起こらない、と信じられている。

【０００７】これまで両面刷胴のためにＤｅＭｏｏｒｅ
による米国特許第４、４０２、２６７号に開示されたマ
ーキング防止システムに適用しようとする種々の試みが
なされていたが、本発明以前には満足のいくものはなか
った。これらの試みの一つは、印刷機を非両面刷モード
で使用する際に両面刷胴の溝きりされた支持表面上に単
にネットをマウントするものであった。しかし、この方
法は、満足のいくものでないことが判明している。とい
うのも、胴の溝切りされた表面は滑らかで均一な支持表
面を枚葉紙に与えないからであり、凹部に被せられたネ
ットの非支持部の領域において枚葉紙のマーキングや損
傷が生じることが見出されているからである。別の提案
は、両面刷胴を従来の渡し胴のような滑らかな表面の胴
と置換することであった。しかしこの方法は実施が困難
で両面刷胴の目的を破壊するものである。なぜなら、こ
れでは印刷機はもはや両面刷モードで使用することがで
きないからである。

【０００８】したがって、両面刷モードで印刷機を運転
する場合に両面刷胴の溝切り支持表面による、新たに印
刷された枚葉紙のマーキングや損傷を防止し、しかも比
較的簡単な設計で低廉に製作することができ、かつ、両
面刷と非両面刷モードとの間の変換の際における最小限
の損失印刷製造時間で、印刷機への装着および脱着を迅
速かつ容易に行えるような、効果的で信頼性のある方法
ならびに装置への要求が存在している。以下の記載によ
って明らかなように、本発明は、新規で自明でない態様
でこの要請を満足するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】このような本発明は、印
刷機が枚葉紙の片面もしくは両面印刷のための操作を可
能にするための両面刷胴を有するタイプの枚葉紙供給・
輪転印刷機であって、前記両面刷胴は、軸方向に沿って
形成された長手方向に間隔をおいた円周状凹部を有し、
前記印刷機が両面印刷モードで運転される場合には印刷
された枚葉紙の非インキ面を支持し、かつ、前記印刷機
が片面印刷モードで運転される場合には印刷された枚葉
紙の濡れインキ面を支持するように適合する一般に円筒
状の支持表面を具備する枚葉紙供給・輪転印刷機におい
て、前記両面刷胴の前記枚葉紙支持表面を被覆する寸法
の側方および長手方向側端を有し、さらにその一方の面
に実質的に滑らかで摩擦を低減するコーティングを有す
る、実質的に剛性で一般にＣ字形状のカバーと、前記コ
ーティングを前記枚葉紙に向かって半径方向の外方に面
するように前記カバーを脱着可能に前記両面刷胴の前記
枚葉紙支持表面上に搭載し、これにより前記印刷機が前
記片面印刷モードで運転される場合には前記印刷枚葉紙
の前記濡れたインキ面を前記実質的に剛性のカバーによ
って平らに支持するようにするための手段、とを有する
ように構成されている。

【００１０】また、印刷機が枚葉紙の片面もしくは両面
印刷のための操作を可能にするための両面刷胴を有する
タイプの枚葉紙供給・輪転印刷機であって、前記両面刷
胴は、軸方向に沿って形成された長手方向に間隔をおい
た円周状凹部を有し、前記印刷機が両面印刷モードで運
転される場合には印刷された枚葉紙の非インキ面を支持
し、かつ、前記印刷機が片面印刷モードで運転される場
合には印刷された枚葉紙の濡れインキ面を支持するよう
に適合する一般に円筒状の支持表面を具備し、そして前
記支持表面に形成された細長い軸方向に伸長した溝であ
ってその内部において両面刷胴にボルト締めされた軸受
けによって支持された枚葉紙くわえ爪機構が搭載された
溝を有するものにおける、前記印刷機が片面印刷モード
で運転される場合において前記両面刷胴によって印刷枚
葉紙のマーキングおよび損傷を防止するための装置にお
いて、前記両面刷胴の前記枚葉紙支持表面を被覆する寸
法の側方および長手方向側端を有し、かつ、その半径方
向外方面に摩擦低減コーティングを有する、一般にＣ字
形状の実質的に剛性のカバー、前記摩擦低減コート上か
ら前記カバーに脱着可能に装着されたマーキング防止織
物ネット、および前記枚葉紙に面した前記マーキング防
止ネットとともに前記溝切りされた枚葉紙支持表面上に
前記カバーを脱着可能に搭載し、これにより前記印刷機
が前記片面印刷モードで運転される場合には前記印刷枚
葉紙の前記濡れたインキ面が前記ネットと連動され、前
記実質的に剛性のカバー上に支持するようにするための
手段、からなるように構成されている。

【００１１】また、枚葉紙の一方もしくは両面の印刷が
可能なタイプの枚葉紙供給・輪転印刷機の両面刷胴とと
もに使用されるカバーであって、前記両面刷胴は、前記
印刷機が両面印刷のための両面刷モードで運転される場
合には印刷された枚葉紙の非インキ面を支持し、かつ、
前記印刷機が片面印刷のための非両面刷モードで運転さ
れる場合には印刷された枚葉紙の濡れインキ面を支持す
るための、溝切りされた支持表面を有するものにおい
て、前記カバーが、一般に剛性のプラスチック材料によ
って形成され、そして前記両面刷胴の前記溝切りされた
支持表面を被覆する寸法の側方および長手方向側端を有
する実質的に剛性のＣ字形状のベース、前記Ｃ字形状ベ
ースの半径方向外方面に形成された摩擦低減コート、お
よび前記溝切りされた支持表面上から前記両面刷胴に前
記基材を脱着自在に装着するための前記ベースに連結さ
れた手段、からなるように構成されている。

【００１２】さらに、また、片面もしくは両面の枚葉紙
印刷に使用することができるタイプの枚葉紙給紙輪転印
刷機が片面印刷モードで運転される場合に両面刷胴の溝
切りされた枚葉紙支持表面上を枚葉紙が通過する間に印
刷された枚葉紙の濡れインキ面のマーキングおよび損傷
を防止する方法であって、前記両面刷胴の前記支持表面
を被覆する寸法を有し、かつその一方の面に摩擦低減コ
ーティングを有する実質的に剛性のカバーを用意し、前
記カバーを、前記摩擦低減コーティングが枚葉紙に面す
るように前記両面刷胴の溝切りされた支持表面上に配置
し、そして前記カバーを、前記溝切りされた支持表面が
実質的に完全に被覆されるように、両面刷胴に脱着自在
に装着する工程からなるように構成されている。

【００１３】

【作用】本発明による方法および装置は、両面刷胴の溝
切り支持表面上に、滑らかで実施的に剛性で低摩擦コー
トが施されたカバー（これにはマーキング防止ネットを
装着することができる）を脱着可能に搭載することによ
って、非両面刷モード運転での印刷機の使用中における
新たに印刷された枚葉紙のマーキングおよび損傷を防止
する。両面刷胴上に迅速、簡便かつ容易にカバーを適用
ないし除去することを可能にするために、搭載手段を具
備し、これは両面刷胴のくわえ爪機構を支持している存
在する軸受けにカバーを直接係合するものであり、これ
により両面刷胴やそのくわえ爪機構に対して穿孔その他
の改変を施すことは全く必要ない。

【００１４】カバーは、両面刷胴の支持表面を被覆する
寸法であり側部端および長手方向端を有する通常Ｃ字形
状の部材として形成され、コーティング（好ましくは、
ポリテトラフルオロエチレン）が、枚葉紙に面する側の
カバーの半径方向の外面上に形成される。搭載手段は、
両面刷胴上の位置にカバーを係留するためにカバーの長
手方向側の端に装着された長尺のロッドを解放可能に係
合するためのホック部を含む特別に設計された保持クリ
ップからなる。好ましくは、カバーは、ポリスチレンの
ような一般に剛性のプラスチック材料から作られた基材
部および一方の面に摩擦を低減するコーティングが接合
された緊密に織られた布の積層体として構成される。係
留ストリップ（好ましくは、ＶＥＬＣＲＯ）が、カバー
の側方および長手方向側の端部に沿ったコーティング上
に固定され、そしてマーキング防止ネットがカバーに着
脱可能に装着されることを可能にするように機能する。

【００１５】保持クリップは軸受けに装着され、そして
これは既に存在する軸受け装着用ボルトを使用して搭載
することができるので、印刷機やくわえ爪機構の改変は
必要ではない。さらにまた、保持クリップは両面刷胴に
永久的に装備したままにできるので、印刷機を両面刷モ
ードで運転しているときにも適切な状態に維持できる。
これにより両面刷と非両面刷運転の間の変換において必
要なすべてのことは、カバーのロッドを保持クリップに
係止するか外すことだけになるので、最小限の損失印刷
製造時間で上記変換を遂行することができる。

【００１６】

【実施例】本発明は、個々の枚葉紙の片面もしくは両面
を印刷することが可能なタイプの多色・枚葉紙給紙・高
速輪転オフセット印刷機における両面刷胴（perfecting
cylinder) １０とともに用いるためのマーキング防止
装置および方法に具体化される。両面刷胴１０を装備す
る輪転印刷機を熟知する者にとってはよく理解されるよ
うに、両面刷胴の機能は、一方の面が印刷された枚葉紙
を受取り、そして裏面を印刷するためにその枚葉紙を裏
返しにするか（以下、「両面刷モード」印刷という）、
あるいは同じ面を、典型的には第２色インキによりさら
に印刷するために枚葉紙を移送する（以下、「非両面刷
モード」印刷という）ことにある。

【００１７】例示図である図１の概要図に示すように、
両面刷胴１０（当該技術においてはしばしば裏返し胴と
も呼ばれる）は、印刷機中に配置され、従来の第１印刷
ステーション（ここでは参照符号１２によって通常示さ
れるもの）において一方の面の印刷がなされた枚葉紙を
受け取り、そしてこの枚葉紙を従来の第２印刷ステーシ
ョン（ここでは参照符号１４によって通常示されるも
の）に搬送される。ここで、各々の印刷ステーション１
２および１４は、版胴１６、ブランケット胴１８、圧胴
２０、および渡し胴２２を含み、さらに第１印刷ステー
ション１２は、個々の枚葉紙を一度に一枚だけ従来の給
紙機２６から印刷用の第１圧胴へと供給する給紙ローラ
ー２４を具備している。各々の圧胴２０、および渡し胴
２２は、給紙ローラー２４と同様に枚葉紙くわえ爪機構
（一般に２８で示されるもの）を具備し、この機構によ
って枚葉紙の導入端を把持して矢印で示す方向に胴の回
りに枚葉紙を引っ張るのである。上記胴ならびに印刷ス
テーション１２および１４の関連するくわえ爪の機能お
よび操作は、多色・枚葉紙給紙印刷機を熟知する者にと
っては良く知られていることであると思われる。したが
って、次のこと以外、すなわち、圧胴２０が、枚葉紙に
インキを供給するブランケット胴１８に対して枚葉紙を
押圧するように機能し、そして渡し胴２２が、該渡し胴
の支持表面に濡れインキ面が対向するようにして圧胴か
ら枚葉紙を運び去るということ、以外についてはさらに
説明する必要はないであろう。渡し胴２２は胴の支持表
面に濡れインキ面を対向するようにして印刷された枚葉
紙を支持するので、各々の渡し胴は、ＤｅＭｏｏｒｅの
米国特許第４、４０２、２６７号に記載され、Ｐｒｉｎ
ｔｉｎｇＲｅｓｅａｒｃｈ，Ｉｎｃ．（テキサス州、ダ
ラス）によって登録商標「Super Blue」で市販されてい
るようなマーキング防止ネットシステムを具備すること
が好ましい。

【００１８】ストレージドラム（storage drum）３０
は、第１印刷ステーション１２の渡し胴２２から一方の
面が印刷された枚葉紙を受け取り、次に、両面刷胴１０
はストレージドラム（storage drum）３０から印刷され
た枚葉紙を受取る。このストレージドラム３０は従来の
設計に係るものであるが、典型的には渡し胴２２、圧胴
２０および両面刷胴１０の直径の２倍の直径を有してお
り、そして直径方向に対向するくわえ爪機構（ここでは
一般的に参照符号３２で示す）を２セット具備する。各
々のくわえ爪機構３２のセットは、第１印刷ステーショ
ン１２の渡し胴２２から枚葉紙の導入端を把持するため
の導入くわえ爪３４、渡し胴から受け取った枚葉紙の尾
ないし尻部を把持するための尾あるいは尻部くわえ爪３
６を包含する。使用する印刷モードによって、両面刷胴
１０（これは単一のくわえ爪３８を有している）は、枚
葉紙の終端もしくは導入端のいずれかを把持することに
よってストレージドラム３０から枚葉紙を受け取る。

【００１９】両面刷胴１０は、図２に良く示されている
が、従来の設計のものであり、そして通常、筒体４０か
らなり、これは印刷機内での回転のために装着された駆
動シャフト４２に支持され、そして外側支持表面４４を
画定する。細長い溝ないし開口部４４が支持表面４４の
軸長に沿って形成されており、その内部にはくわえ爪機
構３８が装着されている。ここで、このくわえ爪機構３
８は、開口部４６の長さに沿って長手方向に離間して設
けられ軸受け５０に回転可能に支持された操作シャフト
４８、軸受けを通して操作シャフト４８が軸受けされる
整合的にくり抜かれた中央部５２を具備する当該軸受
け、ならびに該開口の基底において両面刷胴１０の本体
４０内に延長されたボルト５６によって胴に固定された
フランジを形成するベース５４、を包含する。操作シャ
フト４８は、一連の長手方向に離間して設けられたくわ
え爪５８を支持し、このくわえ爪５８は、ストレージド
ラム３０から枚葉紙を把持するために支持表面４４の外
側に半径方向に突起している。このくわえ爪は、印刷さ
れた枚葉紙を把持し、そして解放するために適当なタイ
ミングで開閉するように従来の方法で操作が行われる。
さらに、使用される印刷操作のモードに応じて、枚葉紙
の終端もしくは導入端を把持するくわえ爪５８を方向付
けるために、シャフト４８の軸の回りにくわえ爪５８を
ほぼ１８０度で回転させるための、従来の手段（図示せ
ず）が設けられていてもよい。

【００２０】両面刷モードの操作においては、両面刷胴
１０のくわえ爪機構３８がストレージドラムからの枚葉
紙尻端をまず引っ張るために枚葉紙の尻端を把持し、こ
れにより枚葉紙の未印刷面が両面刷胴の支持表面４４に
面するように、ストレージドラム３０ならびに両面刷胴
１０のタイミングを選択する。非両面刷モードの操作に
おいては、両面刷胴１０のくわえ爪機構３８がストレー
ジドラムからの枚葉紙の導入端を把持し、これにより枚
葉紙の印刷された面が両面刷胴の支持表面４４に面する
ように、タイミングを選択する。両面刷モードの印刷の
間においては、ストレージドラム３０の導入端くわえ爪
３４は、ストレージドラムと両面刷胴１０のニップ間を
通過するようにしなければならない。このようにするこ
とにより両面刷胴１０のくわえ爪機構３８は枚葉紙の尻
端を把持することができるのである。

【００２１】両面刷胴１０の支持表面４４をストレージ
ドラム３０の導入端くわえ爪３４が通過するための間隙
を設けるために、図２の切取り部に示すように、長手方
向に離間された円周溝もしくは凹部６０を両面刷胴１０
の支持表面４４に形成することが必要である。しかしな
がら、片面の非両面刷モード印刷においては、両面刷胴
１０のくわえ爪３８は枚葉紙をその導入端において把持
するので、導入端くわえ爪３４がくわえ爪３８が突設さ
れている両面刷胴１０の長手方向開口部４６と協働する
ことにより、ストレージドラム３０の導入端くわえ爪３
４がニップを自由に通過することができるのである。し
たがって、非両面刷モード印刷においては、両面刷胴１
０の支持表面４４に、ストレージドラム３０の導入端く
わえ爪３４がニップを通過するようにするための円周方
向の凹部もしくは溝は、必要ではない。

【００２２】非両面刷モード印刷における印刷機の使用
中においては、印刷された枚葉紙の濡れたインキ面が両
面刷胴１０の支持表面４４と接触するので、新たに印刷
された枚葉紙の汚れおよび損傷が生じるかもしれない。
本発明のマーキング防止方法ならびに装置によれば、非
両面刷モード操作での印刷機の使用中におけるマーキン
グおよび損傷は、図２の参照符号６２によって一般的に
示されるような、両面刷胴１０の溝形成された支持表面
４４上に、滑らかで比較的剛性の低摩擦カバーを脱着可
能に装着することによって、防止することができる。こ
のカバー６２は、印刷された枚葉紙をその全領域にわた
って支持するための均一で滑らかな表面を提供し、そし
て両面刷胴１０に対して、印刷機が非両面刷モードの場
合には、前述したＤｅＭｏｏｒｅによる米国特許第４、
４０２、２６７号に記載され汎用タイプの汚れ防止織物
ネットを具備することを可能とし、さらにそれは迅速か
つ容易に除去することができ、印刷機を両面刷モードに
変換するための印刷製造時間の損失を最小限にする。カ
バー６２を迅速、簡易かつ容易に装着するかまたは両面
刷胴１０から除去することを可能にするために、搭載手
段（ここでは参照符号６６で一般的に示される特殊形状
の保持クリップからなる）を設け、これで両面刷胴のく
わえ爪機構３８を支持する軸受け５０に対してカバーを
直接留めることができ、これにより両面刷胴やそのくわ
え爪機構に対して穿孔その他の改変を施す必要はなくな
る。

【００２３】両面刷胴１０に装着する前のカバー６２を
描いた図３に良好に示されているように、前方端に向か
って、カバーは通常長方形の形状を有し、そして表面に
広がりかつ両面刷胴の溝切りされた支持表面４４を完全
に覆う大きさである。すなわち、カバー６２は、両面刷
胴１０の軸の長さと実質的に同じ距離だけ間隔をあけた
側方部６８、ならびにカバーが開口部４６の一方の端か
ら他方に向けて支持表面の回りを円周方向で広がり得る
に充分なカバー幅を形成する長手方向側７０を有するよ
うに形成されている。好ましくは、このカバー６２は、
屈曲可能でさらに実質的に剛性の材料で形成され、そし
てその一方の面には低摩擦材料のコーティングがなされ
ている。

【００２４】ここで、図４に示すように、カバー６２
は、３つの部分の複合積層体によって構成される。すな
わち左に示すような、屈折可能でしかも通常剛性のたと
えば０．０２０インチ（０．５１mm）程度の厚さを有す
るポリスチレンもしくはこれに類するプラスチック材料
によって形成された内側基材部７２、柔軟な基材、好ま
しくはたとえば０．０１９インチ（０．４８mm）程度の
厚さを有する極めて緊密に編まれた綿ないし帆布のよう
な織物タイプの布材料から形成された中央部７４、なら
びにたとえばポリテトラフルオロエチレンあるいはスム
ースで滑らかで効果的に摩擦のない表面を与えるその他
の適当な材料であって、好ましくは０．００２インチ
（０．０５mm）程度の厚さを有するものから形成された
外側面コーティング７６からなる。まず最初にカバー６
２をプラスチック基材部７２、織物布７４およびコーテ
ィング７６を平らな条件で積層することによって形成
し、次いでこのカバーを巻くか曲げるかし、これでカバ
ーを通常Ｃ−形状の構造にして、両面刷胴１０の支持表
面４４を上記コーティングが円周外面を形成するように
覆う。好ましくは、低摩擦コーティング７６は織物布７
４上に接合されたコーティングとして分離して形成さ
れ、その後、プラスチック基材部７２に縫い付けるか積
層するかされる。

【００２５】織物ネット７８（図１１参照）−これはＤ
ｅＭｏｏｒｅの米国特許第４、４０２、２６７号に記載
されているように、チーズクロス（寒冷紗）のような粗
い織物材料から典型的に形成され液体および撥インキ性
の物質で含浸される−をカバー６２に付着させるため
に、好ましくはＶＥＬＣＲＯから作られた係留材料のス
トリップ８０（これはコーティング７６上から複合カバ
ーに接合、縫製その他によって固定される）をカバーの
外表面の全周縁に配置する。ＶＥＬＣＲＯ係留ストリッ
プ８０は、たとえばネットが長期の使用後に破れたり汚
れたりしたときに必要になるであろうように、カバーを
印刷機に装着するときに、汚れ防止ネット７８が迅速か
つ容易に装着されまたはカバー６２から除去されること
を可能にする。

【００２６】本発明のカバー６２は、印刷機が非両面刷
モードで運転される場合にのみ必要となるので、容易に
除去することができ、そして最小限の損失印刷製造時間
で両面刷胴１０に装着されることが重要である。すなわ
ち、最小限の印刷停止時間で両面刷から非両面刷印刷運
転に変換できるように、カバー６２は非常に迅速かつ容
易に両面刷胴１０に着脱することができなければならな
い。

【００２７】カバー６２は端部方向に一対の円筒状の装
着ロッド８２を具備しており、好ましくはこれはステン
レス鋼からなり、織物材料７４の長手方向側を折り曲げ
て二重化して縫い合わせるか端部を固定することによっ
て形成されたループ８４を通して、長手方向７０に沿っ
て延在している。一連の裁断開口部８６がループ８４に
沿って間隔を置いた位置に形成され、これを通してロッ
ドが露出する。そしてループの長手方向の端が同様に裁
断されてロッドの端部８８が露出する。ロッドの長さ
は、２つの側方部６８の間であるところのカバー６２の
長手方向長さより少し短い。

【００２８】カバー６２を保持するために、ロッド８２
は、裁断部８６においてロッドの露出部を保持クリップ
６６に装着することによって両面刷胴１０に固定され
る。ここで、各々の保持クリップ６６は通常四角形のブ
ロック９０として形成され、好ましくは鋳造によって作
られ、夫々、上面９１と下面９３、側壁９５、および端
壁９７を有し、そして一般に９２で示されるホック部を
具備し、金属ロッド８２を受け入れて、溝切りされた両
面刷胴１０の支持表面４４上の位置でカバー６２を係留
するように形成されている。保持クリップ６６は、既存
の軸受け装着ネジ５６を取りはずし、そしてホール９４
を通してネジを軸受けに再装着することによって永久的
に両面刷胴１０の軸受け５０に装備される。そしてこの
ように装備された場合であっても、印刷機が両面刷モー
ドあるいは非両面刷モードで運転されようと、くわえ爪
機構３８もしくは両面刷胴の通常運転に影響を与えるこ
とはない。

【００２９】保持クリップ６６は、終端クリップ（通
常、６７で示され、そして図５、７および８に図示され
ている）もしくは中央クリップ（通常、６９で示され、
そして図６、９および１０に図示されている）のいずれ
かを形成して構成され、各々のホック部９２には、ロッ
ド８２を受け入れるに充分な直径を有する半円形凹部９
６が形成されており、上記凹部が軸受けの隆起中央部５
２に対して相対的に下方に開口するように軸受け５０に
装着される。図５、７および８に示すように、終端クリ
ップ６７は、軸受けの隆起中央部５２に向かって内部方
向に突出するホック部９２とともに軸受け５０にマウン
トされ、そしてこのホック部は、ブロック９０の一方の
側壁９５から突き出た側方突出部として形成され、これ
らホック部は互いに双方向に突き出たホック部を有する
両面刷胴１０にマウントされた場合に軸方向に対向する
終端クリップとして構成される。この配置によって、終
端クリップ６７のホック部９２の凹部９６において受け
入れられた、搭載ロッド８２の軸端部８８は、ブロック
９０の側壁９５に隣接し、これでロッド８２がループ８
４に相対して両面刷胴１０の軸方向に沿ってスライドす
るのを防止することができるのである。

【００３０】図６、９および１０に示す各々の中央クリ
ップ６９は、ブロック９０の一方の長手方向側に沿って
延びる非遮断の半円溝として形成された凹部９６を有す
るように作られ、そしてホック部を軸受けの隆起中央部
５２から突き出すように軸受け５０に装着される。この
配置によって、まず最初に中央クリップ６９のホック部
９２の中に搭載ロッド８２の露出部を留めて、次いで終
端クリップ６７のホック部中にロッドの終端部８８を係
止することによって、カバー６２を迅速かつ容易に装着
することができる。

【００３１】典型的には、スクリュードライバーや他の
適当な道具を用いることにより、ホック部９２の端部の
回りで効果的にロッド８２を動かして、ロッド８２を装
着クリップ６６に挿入し、そしてこれから除去し、これ
によりロッドが完全に半円凹部９６中に載置されたとき
に、カバー６２は両面刷胴１０の溝切りされた支持表面
４４上にしっかりと伸張される。ロッド８２の終端部８
８を終端クリップ６７中へマウントするのを容易にする
ために、ホック部９２の上方に面した表面９８がその下
の凹部９６に向かって勾配を有する傾いた傾斜部（ラン
プ部）をなすように形成し、そしてその傾斜部上でロッ
ドはホック部の終端部の周りをスライドして凹部の中に
入ることができる。このように、両面刷胴１０にカバー
６２を装着する場合または脱着のいずれの場合でも、な
されるべき必要なすべてのことは、搭載ロッド８２を装
着クリップ６６に係止するか外すことであって、いかな
る留め具その他の装置を使用したり操作する必要はない
ので、装着ならびに脱着を極めて容易かつ迅速に行うこ
とができる。一旦、カバー６２を両面刷胴１０に装着す
れば、マーキング防止ネット７８は、このネットの側端
をＶＥＬＣＲＯ係留ストリップ８０の上に押圧すること
によって迅速かつ簡単にカバーに取り付けることができ
る。一旦、このネット７８が装着されれば、印刷機は非
両面刷モードで運転することができ、そしてカバー６２
の積層構造は印刷された枚葉紙を平坦に支持する滑らか
で実質的に堅い表面を提供し、これにより枚葉紙は均一
にネットに付着し、そしてぴったりと付くことができ、
そのため両面刷胴１０と枚葉紙との間の相対的な動きは
ネットとカバーの摩擦のない外部表面７６との間で起こ
ることになるので、印刷された枚葉紙のマーキングおよ
び損傷が発生することはない。印刷機を両面刷モードで
印刷することを望む場合には、なされるべき必要なすべ
てのことは、装着クリップ６６からカバー６２を外し
て、両面刷胴１０の支持表面４４中の溝６０を再び露出
させることである。ここでは本願発明の特定の形態を例
示し記載してきたが、特許請求の範囲に規定された本願
発明の範囲および精神から逸脱することなく様々な改変
ならびに変形を行うことができることは、当業者であれ
ば容易に理解するであろう。

【００３２】

【発明の効果】本発明の方法および装置は、印刷機が非
両面刷モードで使用される場合には両面刷胴１０を変換
して前述したＤｅｍｏｏｒｅ特許に開示されたタイプの
マーキング防止ネットシステムの使用を可能するための
信頼性のある効果的な方法を提供し、そしてまた損失印
刷製造時間が最小限になるように容易かつ迅速なやり方
で非両面刷モードと両面刷モードとの間の変換を可能に
する、ということが認められるであろう。さらにまた、
本発明の方法および装置は、印刷機の改変あるいは複雑
な部品の組み立てを伴うことなく上記変換を行うことを
可能にし、そして比較的簡単で製作するのに低廉な部品
を使用する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明が使用を意図するタイプの両面刷胴を有
する枚葉紙供給多色輪転印刷機の部分概要図である。

【図２】本発明に従って装着されるカバーを有する両面
刷胴を、その下方部の特徴を示すために切り取った部分
とともに示す拡大外観図である。

【図３】本発明に従って構成されるカバーの上方平面図
であり、印刷機の両面刷胴上に装着する前の状態を示す
ものである。

【図４】図３の４−４線に実質的に沿う拡大断面図であ
る。

【図５】カバーならびに図２の両面刷胴に連結される本
発明の終端装着クリップの組み立て方法を示す、部分的
に拡大された外観図である。

【図６】カバーならびに図２の両面刷胴に連結される本
発明の中央装着クリップの組み立てを示す部分的に拡大
された外観図である。

【図７】図５に示す終端装着クリップの側方の拡大正面
図である。

【図８】図５に示す終端装着クリップの上方平面図であ
る。

【図９】図６に示す中央装着クリップの側方の拡大正面
図である。

【図１０】図６に示す中央装着クリップの底部の拡大平
面図である。

【図１１】両面刷胴に装着されマーキング防止ネットに
よって被覆された両面刷胴の外観図であり、印刷機から
除去され、くわえ爪機構を装着していない状態を示すも
のである。

【符号の説明】 １０…両面印刷胴 １２，１４…印刷ステーション １６…版胴 １８…ブランケット胴 ２０…圧胴 ２２…渡し胴 ２４…給紙ローラー ２８，３２…枚葉紙くわえ爪機構 ３０…ストレージドラム ４４…支持表面 ４６…開口部 ６２…カバー ６６…保持クリップ ６８…側方部 ７０…長手方向側 ７２…プラスチック基材部 ７６…コーティング ７８…織物ネット ８２…搭載ロッド ８４…ループ ８６…裁断開口部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−255435（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−169360（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−31740（ＪＰ，Ｕ)

Claims (28)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷機が枚葉紙の片面もしくは両面印刷
   のための操作を可能にするための両面刷胴を有するタイ
   プの枚葉紙供給・輪転印刷機であって、前記両面刷胴
   は、軸方向に沿って形成された長手方向に間隔をおいた
   円周状凹部を有し、前記印刷機が両面印刷モードで運転
   される場合には印刷された枚葉紙の非インキ面を支持
   し、かつ、前記印刷機が片面印刷モードで運転される場
   合には印刷された枚葉紙の濡れインキ面を支持するよう
   に適合する一般に円筒状の支持表面を具備する枚葉紙供
   給・輪転印刷機において、前記両面刷胴の前記枚葉紙支
   持表面を被覆する寸法の側方および長手方向側端を有
   し、さらにその一方の面に実質的に滑らかで摩擦を低減
   するコーティングを有する、実質的に剛性で一般にＣ字
   形状のカバーと、前記コーティングを前記枚葉紙に向か
   って半径方向の外方に面するように前記カバーを脱着可
   能に前記両面刷胴の前記枚葉紙支持表面上に搭載し、こ
   れにより前記印刷機が前記片面印刷モードで運転される
   場合には前記印刷枚葉紙の前記濡れたインキ面を前記実
   質的に剛性のカバーによって平らに支持するようにする
   ための手段、とを有することを特徴とする枚葉紙供給・
   輪転印刷機。
2. 【請求項２】 前記搭載のための手段が、前記両面刷胴
   に永久的に装着された保持クリップからなり、前記カバ
   ーが、前記クリップによって前記支持表面上に脱着可能
   に装着されている、請求項１に記載の枚葉紙供給・輪転
   印刷機。
3. 【請求項３】 マーキング防止織物ネットが前記コーテ
   ィング上の前記カバーに除去自在に装着される、請求項
   １に記載の枚葉紙供給・輪転印刷機。
4. 【請求項４】 前記カバーが、一般に剛性のプラスチッ
   ク材料によって形成される、請求項１に記載の枚葉紙供
   給・輪転印刷機。
5. 【請求項５】 前記コーティングが、前記カバーの前記
   一方の面に積層された基材上に形成される、請求項４に
   記載の枚葉紙供給・輪転印刷機。
6. 【請求項６】 前記コーティングが、前記基材に結合さ
   れたポリテトラフルオロエチレンである、請求項５に記
   載の枚葉紙供給・輪転印刷機。
7. 【請求項７】 前記カバーが、前記長手方向側端部に装
   着された軸方向に伸長したロッドを含み、前記保持クリ
   ップが前記ロッドを着脱自在に係合するホック部を含
   む、請求項２に記載の枚葉紙供給・輪転印刷機。
8. 【請求項８】 マーキング防止織物ネットが前記コーテ
   ィング上から前記カバーに除去自在に装着される、請求
   項７に記載の枚葉紙供給・輪転印刷機。
9. 【請求項９】 前記カバーが、一般に剛性のプラスチッ
   ク材料によって形成される、請求項８に記載の枚葉紙供
   給・輪転印刷機。
10. 【請求項１０】 前記コーティングが、前記基材に結合
    されたポリテトラフルオロエチレンである、請求項９に
    記載の枚葉紙供給・輪転印刷機。
11. 【請求項１１】 前記コーティングが、前記プラスチッ
    ク材料の前記一方の面に積層された布上に形成される、
    請求項１０に記載の枚葉紙供給・輪転印刷機。
12. 【請求項１２】 前記側方および長手方向側の端部に沿
    って前記コーティング上から前記カバーに、係留ストリ
    ップが固定される、請求項１１に記載の枚葉紙供給・輪
    転印刷機。
13. 【請求項１３】 印刷機が枚葉紙の片面もしくは両面印
    刷のための操作を可能にするための両面刷胴を有するタ
    イプの枚葉紙供給・輪転印刷機であって、前記両面刷胴
    は、軸方向に沿って形成された長手方向に間隔をおいた
    円周状凹部を有し、前記印刷機が両面印刷モードで運転
    される場合には印刷された枚葉紙の非インキ面を支持
    し、かつ、前記印刷機が片面印刷モードで運転される場
    合には印刷された枚葉紙の濡れインキ面を支持するよう
    に適合する一般に円筒状の支持表面を具備し、そして前
    記支持表面に形成された細長い軸方向に伸長した溝であ
    ってその内部において両面刷胴にボルト締めされた軸受
    けによって支持された枚葉紙くわえ爪機構が搭載された
    溝を有するものにおける、前記印刷機が片面印刷モード
    で運転される場合において前記両面刷胴によって印刷枚
    葉紙のマーキングおよび損傷を防止するための装置にお
    いて、前記両面刷胴の前記枚葉紙支持表面を被覆する寸
    法の側方および長手方向側端を有し、かつ、その半径方
    向外方面に摩擦低減コーティングを有する、一般にＣ字
    形状の実質的に剛性のカバー、前記摩擦低減コート上か
    ら前記カバーに脱着可能に装着されたマーキング防止織
    物ネット、および前記枚葉紙に面した前記マーキング防
    止ネットとともに前記溝切りされた枚葉紙支持表面上に
    前記カバーを脱着可能に搭載し、これにより前記印刷機
    が前記片面印刷モードで運転される場合には前記印刷枚
    葉紙の前記濡れたインキ面が前記ネットと連動され、前
    記実質的に剛性のカバー上に支持するようにするための
    手段、からなることを特徴とする装置。
14. 【請求項１４】 前記搭載のための手段が前記ボルトに
    よって前記軸受けに永久的に装着された保持クリップか
    らなり、前記カバーが前記クリップに脱着自在に連結さ
    れている、請求項１３に記載の装置。
15. 【請求項１５】 前記カバーが、一般に剛性のプラスチ
    ック材料によって形成される、請求項１４に記載の装
    置。
16. 【請求項１６】 前記コーティングが、ポリテトラフル
    オロエチレンである、請求項１５に記載の装置。
17. 【請求項１７】 前記カバーが、一般に剛性のプラスチ
    ック材料によって形成され、かつ、前記コーティングが
    前記プラスチックシートの一方の面に積層された基材上
    に形成されている、請求項１３に記載の装置。
18. 【請求項１８】 前記プラスチックシート材料がポリス
    チレンである、請求項１７に記載の装置。
19. 【請求項１９】 前記コーティングが、前記基材に結合
    されたポリテトラフルオロエチレンによって形成され
    る、請求項１８に記載の装置。
20. 【請求項２０】 前記ネットが、前記側方および長手方
    向側端部の周りの前記コーティング上に固定された係留
    ストリップによって前記カバーに装着される、請求項１
    ９に記載の装置。
21. 【請求項２１】 枚葉紙の一方もしくは両面の印刷が可
    能なタイプの枚葉紙供給・輪転印刷機の両面刷胴ととも
    に使用されるカバーであって、前記両面刷胴は、前記印
    刷機が両面印刷のための両面刷モードで運転される場合
    には印刷された枚葉紙の非インキ面を支持し、かつ、前
    記印刷機が片面印刷のための非両面刷モードで運転され
    る場合には印刷された枚葉紙の濡れインキ面を支持する
    ための、溝切りされた支持表面を有するものにおいて、
    前記カバーが、一般に剛性のプラスチック材料によって
    形成され、そして前記両面刷胴の前記溝切りされた支持
    表面を被覆する寸法の側方および長手方向側端を有する
    実質的に剛性のＣ字形状のベース、前記Ｃ字形状ベース
    の半径方向外方面に形成された摩擦低減コート、および
    前記溝切りされた支持表面上から前記両面刷胴に前記基
    材を脱着自在に装着するための前記ベースに連結された
    手段、からなることを特徴とするカバー。
22. 【請求項２２】 前記ベースに脱着自在に装着するため
    の手段が、前記長手方向側端部に連結された細長いロッ
    ドを含む、請求項２１に記載のカバー。
23. 【請求項２３】 前記プラスチック材料がポリスチレン
    である、請求項２１に記載のカバー。
24. 【請求項２４】 前記コーティングが前記ベース上に積
    層された基材上に形成される、請求項２１に記載のカバ
    ー。
25. 【請求項２５】 前記コーティングが、ポリテトラフル
    オロエチレンである、請求項２４に記載のカバー。
26. 【請求項２６】 前記プラスチック材料がポリスチレン
    である、請求項２５に記載のカバー。
27. 【請求項２７】 片面もしくは両面の枚葉紙印刷に使用
    することができるタイプの枚葉紙給紙輪転印刷機が片面
    印刷モードで運転される場合に両面刷胴の溝切りされた
    枚葉紙支持表面上を枚葉紙が通過する間に印刷された枚
    葉紙の濡れインキ面のマーキングおよび損傷を防止する
    方法であって、前記両面刷胴の前記支持表面を被覆する
    寸法を有し、かつその一方の面に摩擦低減コーティング
    を有する実質的に剛性のカバーを用意し、前記カバー
    を、前記摩擦低減コーティングが枚葉紙に面するように
    前記両面刷胴の溝切りされた支持表面上に配置し、そし
    て前記カバーを、前記溝切りされた支持表面が実質的に
    完全に被覆されるように、両面刷胴に脱着自在に装着す
    る工程からなることを特徴とする方法。
28. 【請求項２８】 マーキング防止織物ネットを前記摩擦
    低減コート上から前記カバーに脱着可能に固定する工程
    をさらに含む、請求項２７に記載の方法。