JP2566880B2 - 薬剤注入器 - Google Patents

薬剤注入器

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JP2566880B2
JP2566880B2 JP6074366A JP7436694A JP2566880B2 JP 2566880 B2 JP2566880 B2 JP 2566880B2 JP 6074366 A JP6074366 A JP 6074366A JP 7436694 A JP7436694 A JP 7436694A JP 2566880 B2 JP2566880 B2 JP 2566880B2
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智 中野
浩 政本
洋一 七座
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Fushimi Pharmaceutical Co Ltd
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Fushimi Pharmaceutical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下部消化管をレントゲ
ン線で診断する場合に用いられる造影剤や、その他の薬
剤を注入するのに用いられる薬剤注入器に関する。
【0002】
【従来の技術】薬剤注入器としては、実開昭58−13
9145号公報に開示されているように、一体となった
弁体に逆流防止弁を有する可撓性チューブを設けた容器
本体に、このチューブの軸線上に着脱自在なキャップを
有する注入口を設け、容器内の造影剤を注腸した後、空
気を注入するために、この注入口に空気注入用アダプタ
ーを装着するものや、実開昭60−132739号公報
に開示されているように、容器本体の前方開口部に逆流
防止弁を内装した前方コックを介して下部消化管挿入用
の可撓性チューブを設けると共に、容器本体の後方開口
部に送気手段を設ける後方コックを設けたものが提案さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の発明で述べたも
のは、収納した造影剤を注入した後、空気を注入するた
めには、送気手段を別に準備し、容器本体に装着したア
ダプターあるいは後方コックに接続しなければならず、
さらに、この送気手段の操作によって空気注入を行なわ
なければならないという問題がある。さらに、送気手段
に空気注入量を量る方法がない場合、空気注入量を把握
することが困難である。たとえば、実開昭60−132
739号公報に開示された従来の技術では、前方コック
を閉め後方コックを開けて、送気手段から送られた空気
を一度容器内に溜め、次に後方コックを閉め前方コック
を開け容器を押圧して、容器内に溜めた空気を注入する
という方法であれば、容器本体の容量と空気注入量が同
じであることから空気注入量を知ることができる。しか
し、下部消化管をレントゲン線で診断する場合に通常必
要な空気量を、注入量を把握しながら注入するために
は、上記のようなコック開閉操作を何度も繰り返さなけ
ればならないため手間がかかる。また、従来の技術で述
べたものは、逆流防止弁の逆流防止機能を解除すること
ができないため、下部消化管に造影剤および空気を注入
した後あるいは注入途中で、注入した造影剤を容器内に
回収することが不可能である。
【0004】本発明は、上記欠点を解決するものであ
り、その目的とするところは、造影剤などの薬剤注入後
の空気の注入を円滑に実施し、同時に注入した空気の容
量を容易に知ることが可能で、さらに、注入した薬剤を
回収することができる薬剤注入器を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の薬剤注入器は、
基本的に、(a) 薬剤および(または)空気の入口である
筒状の後方開口部ならびに薬剤及び(または)空気の出
口である筒状の前方開口部を有する可撓性でかつ原形復
元力を具備した容器本体、(b) 前記後方開口部に結合し
た後方キャップ、(c) 前記後方キャップに回動自在に嵌
挿して設けられ、軸心部に管状の流路を有し、この流路
に容器本体からの流出を防止する逆流防止弁を備えた後
方操作部、(d) 前記前方開口部に結合した前方キャッ
プ、(e) 前記前方キャップに回動自在に嵌挿して設けら
れ、軸心部に管状の流路を有する前方操作部、(f) 前記
前方操作部外周に嵌挿して設けられ、内部に逆流防止弁
を収容し、軸と平行方向に前方操作部外周上を摺動させ
ることにより逆流防止弁の弁機能の解除を可能にしたス
ライド管、および(g) 可撓性チューブからなり、一端を
前記スライド管と結合し、他端に薬剤注入孔を有する挿
入管とからなることを特徴とする。
【0006】本発明の薬剤注入器の一つの好ましい態様
としては、前記前方キャップが、その頭部に、一方が閉
端、他方が開放端である筒体が該開放端をキャップ外方
に向けて一体的に埋設して有しており、該筒体の側面に
1個以上の造影剤または空気の流通孔を有するととも
に、前記前方操作部は前記管状流路の一端を該筒体に嵌
挿したとき前記前方キャップの流通孔に対応する部位に
薬剤または空気の流通孔を有し、前方キャップの前記筒
体中で前方操作部を回動して両者流通孔の位置を重合さ
せたときのみ薬剤または空気がこれら流通孔を通して流
動することができるように構成される。また、本発明の
薬剤注入器の他の好ましい態様としては、前記後方キャ
ップが、その頭部に、一方が閉端、他方が開放端である
筒体が該開放端をキャップ外方に向けて一体的に埋設さ
れており、該筒体の側面に1個以上の空気の流通孔を有
するとともに、前記後方操作部は前記管状流路の一端を
該筒体に嵌挿したとき前記後方キャップの流通孔に対応
する部位に空気の流通孔を有し、後方キャップの前記筒
体中で後方操作部を回動して両者流通孔の位置を重合さ
せたときにのみ空気がこれら流通孔を流動するようにし
たものである。本発明のさらに他の好ましい態様として
は、前記逆流防止弁が、前記前方操作部の流路の開放端
に密着してこの流路を閉塞することにより逆流を防止す
る形式のものであって、前記スライド管を軸と平行方向
に摺動させたとき、該密着が損なわれることにより逆流
防止の弁機能を解除するものである。また、本発明の別
の好ましい態様としては、容器本体の中間部分に、薬剤
の注入方向に対し前方部と後方部とに区別するくびれを
有するように構成される。
【0007】
【作用】本発明にしたがえば、容器本体に原形復元力を
保持させると同時に、前方コック部と後方コック部とに
逆流防止機構および前方コック部にこれを解除すること
ができる機構を付与したから、外部に空気導入用のポン
プ等を設けたり、複雑な弁の開閉操作を繰り返さなくて
も、薬剤の注入に引続いて直ちに空気の注入を行うこと
ができ、しかも容器本体の押圧を繰り返すことによっ
て、必要十分な量の空気を注入することができる。ま
た、上記機構に加えて後方コック部に後方操作部を設
け、これを回動させて容器本体と外気との流通を遮断す
ることができるようにしたことにより、すでに注入して
挿入管の薬剤注入孔付近に滞留して存在する薬剤を容器
本体内へ回収することができる。
【0008】すなわちこの場合は、後方操作部を回動さ
せ空気流入路を閉鎖し、容器を傾け挿入管方向に空気を
集め、容器本体を押圧して空気のみ注入したのち、容器
本体を押圧したままでスライド管を挿入管方向へ移動さ
せ、容器本体の押圧を解除すれば、容器本体の復元力に
より容器本体内は負圧となり、挿入管の薬剤注入孔周辺
に滞留する薬剤は、容器本体内へ自動的に流入し回収さ
れる。さらに、容器本体に前方室と後方室とに分けるく
びれを設けたことにより、くびれより後方の部分を押圧
して、一回の押圧ごとに一定量の空気を次々に注入する
ことが可能であり、したがって注入する空気量を都度把
握することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明に係る薬剤注入器の実施例を図
面に基づいて説明する。なお、以下の説明において「前
方」および「後方」という場合、薬剤が注入器から注入
される方向が「前方」であり、その逆方向が「後方」で
あることを意味する。
【0010】図1は本発明の薬剤注入器の一実施例であ
る造影剤注入器の縦断面図である。図1に示すとおり、
本実施例の薬剤注入器は、注入する造影剤を収容する容
器本体1、該容器本体1に接続された後方コック部3、
前記容器本体1に接続され、造影剤を下部消化管へ送り
出す前方コック部2および前方コック部2に接続され、
造影剤を下部消化管へ注入するための挿入管4から構成
されている。容器本体1は、造影剤の出口に当る前方開
口部5および入口に当る後方開口部6に開口を有し、こ
れら両開口の間の部分は膨出した造影剤収容室7であ
り、ここに注入する造影剤が収容される。容器本体1の
少くとも造影剤収容室7の部分は、収容した造影剤を容
器を変形させて前方コック部2、挿入管4を通過して下
部消化管へ注入した後には原形に復することができる合
成樹脂等の可撓性材料で作られる。前記前方開口部5お
よび後方開口部6は、筒状に形成され、その外周にはそ
れぞれ前方コック部2および後方コック部3を接続する
ための螺条8を有する。この螺条8は前方コック部およ
び後方コック部を確実に接続することができる限り必ず
しも螺条である必要はなく、たとえば係着用の突起など
であってもよい。
【0011】つぎに、図2は前記前方コック部2の分解
断面図、図3は組立てた状態を示す断面図である。図2
に示すとおり、前方コック部2は前記容器本体1の前方
開口部5外周の螺条8に螺合させるための螺条9を内周
に有する前方キャップ10、この前方キャップ10に嵌挿し
て結合させる前方操作部11、この前方操作部11の外周に
密着させて摺動させることができるスライド管12、該ス
ライド管12に収容した逆流防止弁13および栓14からな
る。前方キャップ10は、図示したとおりその頭部に一方
が閉端15で、他方が開放端16である筒体17を該開放端16
を外方に向けて一体的に埋設して有しており、該筒体17
の側面には1個以上の造影剤または空気の流通孔18が設
けられている。さらに該開放端の内周には環状突起19を
有し、この突起は図3に示すとおり、筒体17に嵌挿され
る前方操作部11の後筒22外周に設けられた環状の溝28に
咬合し、使用中の通常の外力によっては前方操作部11が
前方キャップ10から離脱しない役割を果たしている。前
方操作部11は、図2に示すとおり軸心部に流路20を有す
る管状体であり、直径の小さな前筒21と直径の広がった
後筒22からなり、後筒22が前述前方キャップ10の筒体17
に嵌挿される。後筒22の側面には前方キャップ10の筒体
17に嵌挿したとき該筒体17の流通孔18と合致する位置に
流通孔23が開孔されている。前筒21の端は開放端30であ
る。
【0012】前筒21と後筒22との境界には注入器の使用
時に施術者がこの前方操作部11の回動操作を容易に行え
るように、やや厚めの操作板24が鍔状に突設されてい
る。操作板24の外周側面には回動操作の便のため多数の
軸方向の凹凸(図示せず)を設けるのが好ましく、さら
に小さな突出部25が設けられている。この突出部25は、
前方キャップ10の筒体17中に嵌挿した前方操作部11の回
動操作に際し、流通孔18と流通孔23との位置を合致させ
る目印とする役割を有している。すなわち、図2に示し
たとおり、前方キャップ10の筒体17の閉端15は端部より
浅い筒状の立上り部26を有しており、この立上り部は、
第一には前方キャップ10の筒体17中へ前方操作部11の後
筒22をより確実に嵌合させる目的を有しているが、立上
り部26と筒体17の側面との間に一ヵ所、堰(図示せず)
が設けられており、他方前方操作部の後筒22の端部には
切欠き部27が設けられており、この切欠き部27が前方キ
ャップ10の前記堰の上にくるように前記筒体17に後筒22
が嵌挿される。
【0013】そして、前方キャップ10と前方操作部11と
の各流通孔18,23は1個以上任意の数で設けることがで
きるが、いまたとえば筒体17と後筒22の側面の相対する
任意にいずれも2個づつ設けた場合、双方の流通孔の位
置を重合して造影剤を通過させたのち、流通を確実に止
めるためには、前方操作部を約90°回動するのが好まし
い。この場合、前方操作部11の操作板24に突出部25を設
けておき、前記流通孔18,23が合致するときの突出部25
の位置および90°回動したときの位置に相当する前方キ
ャップ10の側面に印を付しておけば、この印と前記突出
部25の位置を合致させることにより、流通孔の重合と完
全な閉止とを知ることが容易となる。
【0014】なお、このような前方操作部11の操作板24
に突出部25を設けない場合であっても、前述のような前
方キャップ10の筒体17の閉端部に設けた堰により、前方
操作部11の回動の範囲が後筒23の切欠き部27のある円周
の範囲が制限されるため、流通孔18,23の位置の重合、
非重合は、前方操作部11の回動により操作することは可
能である。前方操作部11の前筒21の外周には、後述する
スライド管12のスリーブ31を係止するための環状突起29
が設けられている。
【0015】つぎに、前方操作部11の前筒21の外周にス
ライド管12が嵌挿される。スライド管12は、図2に示さ
れるとおり、前方操作部11の前筒21に嵌挿される筒体で
あるスリーブ31と、この部分より内径が少し大きく、逆
流防止弁13を収容する筒体状の弁室32とからなる。スリ
ーブ31の後方側はその内径が前方操作部11の前筒21の外
径よりやや大きく、その開放端33の内周側に環状突起34
が設けられており、スリーブ31を前筒21に押し込んで嵌
挿し、この環状突起34を前筒21外周の環状突起29の後方
側に位置させることによって、スライド管12を前方操作
部11に嵌挿させた状態で軸方向に摺動操作する際、スラ
イド管12が前方操作部11から離脱することが防止され
る。
【0016】スライド管12のスリーブ31の前半部の内径
は、前方操作部11の前筒21の外径と一致させてあり、こ
の部分には、図4(図2におけるA−A断面図である)
に示すように軸方向に多数の溝35が刻設されている。ス
ライド管12の前半部である弁室32内に平板状の逆流防止
弁13が設置される。逆流防止弁13はゴムのような弾性の
ある可撓性材料で作られることが好ましい。スライド管
12の弁室32の先端には、逆流防止弁13が抜け落ちたり弁
室内で横向きになったり不安定な方向をとらないように
栓14が嵌合される。この栓14は、図2、図3に示すとお
り、軸心部は中空の筒状であり、逆流防止弁13の前述の
ような不安定な動きを抑制するために周辺部に複数の脚
37を有する。さらにスライド管12には、そのスリーブ31
外周に挿入管4の係止を確実にするために環状突起38,
39が設けられている。
【0017】図5は、前方コック部2の先端に取付けら
れる造影剤を下部消化管に注入するための挿入管4を示
している。挿入管4は通常合成樹脂等の透明な可撓性材
料で作られ、挿入側の端は丸みのある閉端であり、ここ
に1個以上の造影剤注入孔40,40´が穿孔されている。
この注入孔は、挿入管4の最先端に1個、先端部側面に
1〜3個、とくに2個程度設けられる。これにより、下
部消化管の目的とする部位へ造影剤を確実に注入するこ
とが可能となる。挿入管4の他端は、前述スライド管12
および栓14の上に嵌挿することにより、前方コック部2
に結合させるため、開放端41となっている。挿入管4に
は、その外側面に図5に示すような長さ方向の目盛42を
付しておけば、施術者の体内に入った長さを知ることが
できるから便利である。
【0018】図6および図7は、以上説明した前方コッ
ク部2の内部を造影剤または空気が流通する際の前方コ
ック部2各部分の作動状態を示したものである。すなわ
ち、図6は、スライド管12の開放端33が前方操作部11の
操作板24に接するところまで押し込まれた状態を示し、
造影剤を下部消化管へ注入する際はこの状態で使用され
る。造影剤は、容器本体1から前方キャップ10の流通孔
18、さらに、この流通孔18に前方操作部11を回動するこ
とにより位置を合致させた前方操作部11の後筒22に設け
られた流通孔23を通過し、前方操作部11の流路20を通り
前筒21の開放端30から前方へ流出する。このとき逆流防
止弁13は造影剤の流圧によって栓14の脚37側へ移動して
おり、造影剤は逆流防止弁13の周縁を通り、該脚37と脚
37との間から栓14を通過し、さらにこの外側に嵌挿され
た挿入管4を通過して目的とする下部消化管内へ注入さ
れる。
【0019】このような注入状態において、注入前方で
ある下部消化管の方向からの圧力により造影剤が逆流し
ようとしたときは、逆流防止弁13が流圧により後方へ移
動する。図3は丁度このように移動した状態を示してお
り、逆流防止弁13は前方操作部11の前筒21の開放端30に
密着するから、逆流は防止される。一方、図7は、スラ
イド管12のスリーブ31の開放端内周部の環状突起34が前
方操作部11の前筒21外周の環状突起29に接触するところ
までスライド管12を前方へ移動させた状態を示す。この
状態では、前方操作部11の前筒21の開放端30は、スライ
ド管12のスリーブ31内周に刻設された軸方向の溝35の中
途付近に位置するから、造影剤または空気など流体が前
方方向から逆流した場合、これら流体は、逆流防止弁13
の周縁を通り溝35に流入し、さらにこの溝35から前方操
作部11前筒21の中央流路20に流出し、後方の容器本体1
に回収される。
【0020】図8は、容器本体1の後方開口部6に取付
ける後方コック部3の分解断面図である。同図8に示す
とおり、後方コック部3は、容器本体1の後方開口部6
に取外し自在に結合させた後方キャップ43およびこの後
方キャップ43に嵌挿して組立てられる後方操作部44から
なる。これらのうち、後方キャップ43は、前述した前方
キャップ10とまったく同じ構造を有しており、各部分の
機能も同じであるので詳細な説明は省略する。なお、図
面に付した各符号は、後方キャップについては前方キャ
ップのものと同一である。つぎに、後方操作部44は、一
部逆流防止弁機能が加わった点を除けば前方操作部11と
同じ構造を有しており、構造が同じ部分については機能
は同一である。従って図面においても前方操作部11と同
じ構造、機能である部分は同一符号を付し、付加された
部分のみ別符号を追加して以下説明する。
【0021】後方操作部44が前方操作部11と構造が相違
する部分は、前筒21の先端が単なる開放端ではなく、中
心に孔45を有する閉端46となっている点、および該前筒
21の閉端46側が弁室47であり、ここにボール弁48を収納
している点である。さらに前筒21内にボール弁48の弁室
からの移動を制御するために前筒21円壁に突起49が設け
られている。
【0022】図9および図10は、後方キャップ43の筒体
17に後方操作部44の後筒22を嵌挿し後方コック部3を組
立てた状態断面図である。図9は、操作板24を回動する
ことにより後方操作部44の後筒22の流通孔23を後方キャ
ップ43の筒体17の流通孔18と重合しない位置に持ってき
た場合であり、この状態では容器本体1を押圧しても造
影剤または空気は後方へ流動することはない。またこれ
ら流通孔が相互に重合していてもボール弁48が流圧によ
り後方操作部44後筒22閉端の孔45を閉塞するから、後方
への流動は阻止される。図10は、後方操作部44の操作板
24を回動させ、後方キャップ43の流通孔18と後方操作部
44の流通孔23との重合させた場合であり、こうすること
により空気など流体が後方から容器本体1内へ流入する
ことができるようになる。
【0023】図11は、本発明造影剤注入器の別の実施態
様の縦断面図である。すなわち、図11の実施例は上記図
1の実施例に比し、容器本体1の中央付近にくびれ50を
作り、造影剤収容室7を前方室51と後方室52との2つの
部分に区分したものである。このように容器本体1をく
びれ50で前後に区分して作った場合、本発明の注入器は
前方コック部2の逆止弁機能および逆止機能解除機能な
らびに後方コック部3の逆止弁機能と相俟って、容器本
体1部分がポンプとしての機能を果させる必要上、前記
前方室51または後方室52の双方またはいずれか一方(通
常は後方室52)は、変形させても原形復元力を備えてい
る必要があり、このような機能を満足する材料として可
撓性の合成樹脂材料を用い、少くとも後方室52部分を肉
厚に成形することが好ましい。この場合、合成樹脂材料
を用いブロー成形で成形し、図11のように後方室52を前
方室51より断面直径が小さくなるように作れば、前方室
51側の原形復元力が不十分であっても、後方室52側は肉
厚に成形され十分な原形復元力を持たせることができ
る。
【0024】しかも図11の場合、後方室52の容積をたと
えば 100ミリリットルとなるように定量化しておけば、
後述のように造影剤または空気を本発明注入器のポンプ
作用で順次注入する場合、注入量を知ることが容易とな
る。なお、本発明注入器の前記前方操作部11および後方
操作部44は、操作部位の識別を容易にするため他の部分
とは異なった色に作成することが推奨される。
【0025】次に、以上の本発明注入器を用いて、実際
に造影剤の注入、施術を行うに際しては、まず容器本体
1に造影剤を充填する。充填する場合は、後方コック部
3全体あるいは後方キャップ43を外して造影剤を充填
し、その後、後方コック部3あるいは後方キャップ43を
取付ける。容器本体1に充填した造影剤を下部消化管に
注入するにあたっては、挿入管4を目盛42により挿入長
さを確認しながら被施術者の体内へ挿入した後、前方キ
ャップ10の流通孔18と前方操作部11の流通孔23との位置
を合致させ、スライド管12を容器本体1側の位置、すな
わち図6の状態に設定する。このとき後方キャップ43の
流通孔18と後方操作部44の流通孔23とは通常は重合する
位置、すなわち図10の状態に設定しておいてよい。
【0026】その後、容器本体1の周壁を押圧すれば造
影剤収納室7内の造影剤は挿入管4先端の注入孔40,4
0' から注入することができる。このとき後方コック部
3は逆流防止弁の働きによって閉じられているから、造
影剤が外部へ流出することはない。またスライド管12内
に設けた逆流防止弁13の作用により、下部消化管内に注
入した造影剤が容器本体1内へ逆流してくることはない
(図3参照)。一度の押圧によって容器本体1内の造影
剤を全量注入することは難しい場合もあるが、そのよう
な場合には容器本体1の前方側を下に、後方側を上に持
ち上げ、容器本体1の押圧を一時止めると、容器本体1
は原形復元力があるから原形に戻ろうとして容器内は負
圧となる。すると後方コック部3が図10の状態となり、
後方操作部44の孔45から空気が流入し、後方操作部44の
流路20および後方キャップ43を通過して容器本体1内に
空気が取入れられるから、再び容器本体1の周壁を押圧
して造影剤を注入することができる。また、変形し負圧
となった容器本体1が復元する際も、逆流防止弁13の作
用により下部消化管内の造影剤および空気が挿入管4よ
り逆流してくることはない。
【0027】以上のようにして、容器本体1に収納され
た造影剤をすべて注入した後、容器本体1の押圧を休止
すれば、直後に、変形し負圧となった容器本体1内に後
方コック部3より空気が流れ込み容器本体1は自体の復
元力によって元の形に復し、内部は空気で充満される。
ここで再び容器本体1を押圧すれば、下部消化管に空気
を注入することができ、容器とは別に送気手段を準備し
なくても、造影剤の注入に引続き直ちに空気の注入を行
うことができる。すなわち、造影剤注入器自体の復元力
を利用してそのまま送気手段として空気の注入に利用す
ることができるわけであり、繰り返し容器本体1を押圧
することにより必要とする空気量の注入が可能である。
この際容器本体1の造影剤収容室7の容積が分っていれ
ば、一回の押圧により注入される空気のおよその量を知
ることができる。
【0028】さらに本発明の注入器として、図11に示さ
れたような容器本体1の中間部にくびれ50を持つものを
使用すれば、注入する空気の量を比較的正しく把握しな
がら注入することができる。すなわち、空気を注入する
際、容器本体1に設けたくびれ50より後方の部分、つま
り後方室52を押圧すれば、この後方室52は一定容量とな
るように成形されているうえにくびれ50より前方の部分
つまり前方室51は押圧により変形することなくこの後方
室52のみが変形するため、一回の押圧によりこの後方室
52の一定容量の空気を注入することができる。したがっ
て、この後方室52部分の押圧を繰り返し行えば、押圧し
た回数分だけ一定容量の空気を注入することになるか
ら、後方室52の容量と押圧した回数から注入した空気量
を知ることができる。たとえば、後方室52の容量が 100
cm3 になるようにくびれ50が設けてある場合、後方室52
を押圧した回数が10回であるなら、それまでに注入され
た空気量は直ちに1000cm3 であることがわかる。
【0029】一方、下部消化管に挿入管4を挿入し造影
剤および空気を注入した後あるいは注入途中で、挿入管
4先端の造影剤注入孔40および40' 付近の下部消化管内
に溜まった造影剤を容器本体1内に回収したい場合に
は、注入後あるいは注入途中で後方キャップ43に結合し
た後方操作部44を操作して後方キャップ43の流通孔18と
後方操作部44の流通孔23を不一致状態とし、後方操作部
44内の流路20と容器本体1内部との流通を遮断する。こ
の後、容器本体1を傾け容器本体1の前方開口部5に空
気を集め、容器本体1の周壁を押圧して空気のみを挿入
管4を介して下部消化管内に注入し、容器本体1を押圧
したままでスライド管12を挿入管4の方向に移動させ、
前方コック部2が図7の状態になるようにしたのち容器
本体1の押圧を解除すれば容器本体1の復元力により容
器本体1内は負圧となるから下部消化管に挿入された挿
入管4の造影剤注入孔40,40' の周辺に滞溜した造影剤
は容器本体1内に自動的に流入し回収される。つまり、
スライド管12を挿入管4の側に位置させれば、逆流防止
弁14の逆流防止機能を解除し、チューブ先端付近の下部
消化管内に溜まった造影剤を容易に回収することができ
るのである。このように造影剤を容易に回収することが
できるのは、本発明においてスライド管の移動という簡
単な操作によって逆流防止弁の機能を一時的に解除でき
るようにしたためである。
【0030】なお、上記実施例は造影剤注入器に関する
ものであったが、同様の構成を造影剤以外の種々の薬剤
を注入する薬剤注入器としても適用することができる。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、外部に空
気導入用のポンプ等を付加したり、複雑な弁操作を行わ
なくても、薬剤の注入に引続いて直ちに空気の注入を行
うことができ、同様に一端注入した薬剤を下部消化管か
ら注出することができる。同様に、容器の薬剤を一度で
注入することができない場合は、途中で容器本体の押圧
を休止し、数回に分けて薬剤を注入することもできる
し、薬剤注入後も送気手段、空気注入手段として使用す
ることができる。また、容器本体に前方室と後方室とに
分けるくびれを設けるときは、空気を注入する際、容器
本体のくびれより後方の部分つまり後方室の部分を押圧
すれば、後方室のみが変形し一回の押圧によりこの後方
室の一定容量の空気が注入されるので、具体的な空気注
入量を把握しながら空気の注入を行うことができ、逆に
注入した全空気量を知ることも容易である。こうして、
具体的空気注入量を把握しながら空気を注入することに
より、空気注入量の過不足を防止し安全で効果的な空気
注入が実施できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明薬剤注入器の一実施例の縦断面図であ
る。
【図2】前方コック部の分解断面図である。
【図3】前方コック部の組立断面図である。
【図4】図1のA−A線断面図である。
【図5】挿入管の斜視図である。
【図6】前方コック部の一作動状態における断面図であ
る。
【図7】前方コック部の他の作動状態における断面図で
ある。
【図8】後方コック部の分解断面図である。
【図9】後方コック部の一作動状態における断面図であ
る。
【図10】後方コック部の他の作動状態における断面図
である。
【図11】本発明薬剤注入器の他の実施例の縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1 容器本体 2 前方コック部 3
後方コック部 4 挿入管 5 前方開口部 6
後方開口部 7 造影剤収容室 10 前方キャップ 11
前方操作部 12 スライド管 13 逆流防止弁 14
栓 17 筒体 18 流通孔 21
前筒 22 後筒 23 流通孔 24
操作板 31 スリーブ 35 溝 40
造影剤注入孔 42 目盛 43 後方キャップ 44
後方操作部 48 ボール弁 50 くびれ 51
前方室 52 後方室

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 薬剤および(または)空気の入口であ
    る筒状の後方開口部ならびに薬剤および(または)空気
    の出口である筒状の前方開口部を有する可撓性でかつ原
    形復元力を具備した容器本体、(b) 前記後方開口部に結
    合した後方キャップ、(c) 前記後方キャップに回動自在
    に嵌挿して設けられ、軸心部に流路を有し、この流路に
    容器本体からの流出を防止する逆流防止弁を備えた後方
    操作部、(d) 前記前方開口部に結合した前方キャップ、
    (e) 前記前方キャップに回動自在に嵌挿して設けられ、
    軸心部に流路を有する前方操作部、(f) 前記前方操作部
    外周に嵌挿して設けられ、内部に逆流防止弁を収容し、
    軸と平行方向に前方操作部外周上を摺動させることによ
    り逆流防止弁の弁機能の解除を可能にしたスライド管、
    および(g) 可撓性チューブからなり、一端で前記スライ
    ド管と結合し、他端に薬剤注入孔を有する挿入管とから
    なることを特徴とする薬剤注入器。
  2. 【請求項2】前記前方キャップは、その頭部に一方が閉
    端、他方が開放端である筒体を該開放端をキャップ外方
    へ向けて一体的に埋設して有しており、該筒体の側面に
    1個以上の薬剤または空気の流通孔を有するとともに、
    前記前方操作部は前記流路の一端を該筒体に嵌挿したと
    き前記前方キャップの流通孔に対応する部位に薬剤また
    は空気の流通孔を有し、前方キャップの前記筒体中で前
    方操作部を回動して両者流通孔に位置を重合させたとき
    にのみ薬剤または空気がこれら流通孔を通して流通する
    ようにしたことを特徴とする請求項1記載の薬剤注入
    器。
  3. 【請求項3】前記後方キャップは、その頭部に一方が閉
    端、他方が開放端である筒体を該開放端を外方へ向けて
    一体的に埋設して有しており、該筒体の側面に1個以上
    の空気の流通孔を有するとともに、前記後方操作部は前
    記流路の一端を該筒体に嵌挿したとき前記後方キャップ
    の流通孔に対応する部位に空気の流通孔を有し、後方キ
    ャップの前記筒体中で後方操作部を回動して両者流通孔
    に位置を重合させたときにのみ空気がこれら流通孔を流
    通するようにしたことを特徴とする請求項1または2記
    載の薬剤注入器。
  4. 【請求項4】容器本体は、その中間部分に、薬剤の注入
    方向に対し前方部と後方部とに区別するくびれを有する
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の薬剤注入
    器。
  5. 【請求項5】前記逆流防止弁は、前記前方操作部の流路
    の開放端に密着して流路を閉塞することにより逆流を防
    止するものであって、前記スライド管を軸と平行方向に
    摺動させたとき該密着が損なわれることにより逆流防止
    の弁機能が解除されるものである請求項1または4記載
    の薬剤注入器。
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