JP4270409B2 - 限定逆流環流弁 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、動物にカテーテルを通じて液体を注入するための弁機構に関する。
発明の背景
多くの医療環境で、診断または治療中に、患者に医療液体を注入する。一例は、CT、血管造影法、磁気共鳴または超音波の画像を改善するために、動力付き自動注入装置を使って、患者に造影剤を注入することである。これらの用途で使う造影剤は、典型的には高価で、従って、出来るだけ節約して使うのが好ましい。
この種の注入中には、注入装置操作員が最初にこの注入装置に注射器を取付け、この注射器を別の大容量の造影剤容器からの造影剤で満たすのが典型的である。次に、半透明管の一端をこの注射器に結合し、この管の他端を針またはカテーテルに結合して患者に挿入し、続いて造影剤をこの患者に注入できるようにする。
しばしば、この手順中に、操作員が血液をこのカテーテルまたは針から半透明管の中へ引込むために注入装置を逆に運転することによって、一時的に血液をこの患者からカテーテルの中に引込んで、このカテーテルの開通性をチェックする。もし、この一時的引込み後に、カテーテルの中に血液が見えれば、操作員は、この針またはカテーテルが、例えば、血餅によって、塞がれていないことを確認出来る。その後、操作員は、造影剤を注射器から患者に押込むために注入装置を順方向に運転することによって、この注入を続ける。
血管造影法の用途では、患者の脈管構造を視覚化し、カテーテルをその脈管構造に関して配置するために、カテーテルの最終位置決め中に、しばしば、少量に造影剤の注入を行う。(蛍光透視法ではカテーテルが見えないので、少量の造影剤の注入が必要である。)
上に説明した手順での一つの難点は、このプロセスの初期に、注射器に入れる造影剤の量を決めることが必要なことである。安全上の理由から、注入後に注射器内に残る造影剤は、他の患者に再使用出来ない。従って、造影剤のコストのために、注射器を注入に必要な量の造影剤だけで満たすことが望ましい。残念ながら、この量を正確に予測することは困難である。必要な量の過大評価過は、造影剤が無駄になる。過小評価は、注射器の詰替えが必要になり;これは、注射器を管から取外し、この注射器を大容量の造影剤容器に結合し、追加の造影剤をこの注射器に引込み、次に、この注射器を管に再結合することを伴う。この詰替え作業は、手間がかかり、取外しおよび再結合中にカテーテルの中に空気を導入する可能性があり、およびもしかしたら患者の血液に曝されたかも知れない注射器内の造影剤に操作員が曝されおよび/または大容量容器が汚染される可能性があるので、安全上の問題も生ずる。
もう一つの難点は、患者の脈管構造の視覚化を助けるために少量の造影剤の注入をするときに、カテーテルの位置決め中に生ずる。無菌状態を維持するために、医師は、典型的にはこの動力注入装置を直接操作せずに、注入装置操作員に口頭で指示を伝達しなければならず;これは、医師がカテーテルの操作と蛍光透視鏡の監視を同時にするので、調整が困難なことがある。更に、造影剤を注入するためのある動力注入装置は、高流量注入用に設計されていて、少量の注入に正確に制御することが出来ない。その結果、これらの注入装置を使うとき、カテーテルの位置決め中に、しばしば、必要以上の造影剤を使うことがある。
発明の概要
この発明によれば、造影剤注入装置および注射器を使う際および詰替える際のこれらの難点が、注射器、配管、および注入液体の大容量容器の間に限定逆流環流弁を含むことによって避けられる。この弁は、一つの入口、一つの出口、および第3の両方向口を含む。第1の逆止弁が液体をこの入口から両方向口にだけ流れさせ、第2の逆止弁が液体をこの両方向口から出口へ流れさせる。
この発明の環流弁は、大容量造影剤容器を入口に、カテーテルを出口に、および注射器を両方向口に取付けることによって、注射器、カテーテル、および液体の大容量容器の間に結合する。それで、この環流弁は、どの配管も取外さずに、および大容量造影剤容器の汚染の危険なしに、注射器から患者への液体の注入、および大容量容器からの注射器の詰替えを可能にする。
この発明の環流弁は、上に説明した引込み工程も可能にし;特に、両方向口と出口の間の第2逆止弁が限定逆流逆止弁で、それが限られた量の液体を出口に逆流させるが、この限られた量の後は、出口にそれ以上の逆流をさせない。この限られた量は、患者からの引込み中に血液を管の中に見えるようにするに十分である。
この発明による限定逆流環流弁は、造影剤注入に使用するとき、患者からカテーテルを取外す必要なしに、および注射器若しくは大容量造影剤容器の汚染、または空気の導入の危険なしに、患者からの血液の引込み、および大容量容器からの注射器の詰替えの両方を可能にする。これは、この注入プロセスの効率を高め、その安全性も増す。更に、液体をこの逆流限定環流弁を通して大量造影剤容器から引込むために注入装置を単純に逆に操作することによって、注射器を詰め換え出来るので、操作員が注入に必要な造影剤の量を意図的には過大評価しそうになく、それで造影剤の無駄を減らす。
この発明の種々の特定の実施例で、この限定逆流逆止弁は、液体の順方向および逆方向注入中にシリンダの中を並進するようにシリンダに嵌められたピストンである。このシリンダの一端に入口および両方向口があり、シリンダの反対端に出口がある。
一つの特定の実施例では、このピストンの周辺境界が、カップ状になっていて、液体がこのピストンの周りを流れて出口から出て行かせはするが、液体が出口を通ってこのピストンの周りを環流弁へ流入はさせない。この実施例の特定の改良では、環流弁が限定逆流逆止弁のピストンに取付けられ、シリンダの外側に伸びる手動可能プランジャを含む。この手動可能プランジャは、ピストンを手で動かすために使い、それによってカテーテルの位置決めを助けるために少量の造影剤を患者に手動で注入することができる。この環流弁は無菌であるので、医師がこのプランジャを操作して、カテーテルの位置決め中に手動で造影剤を患者に注入することができ、この手順を単純化し、医師に正確に制御した量の造影剤(シリンダの中のピストンの変位に等しい)を注入できるようにもする。
この手動可能プランジャは、適当なロック機構によって適所にロックし、環流弁を使う動力注入中にピストンの運動を制限できるようにしてもよい。特別に開示したロック機構の一つには、プランジャにモールドされて可動ロック部材の単一歯と係合する複数の歯がある。このロック部材と係合することによって、プランジャの運動を阻止または小範囲に制限して出口から引込む量を阻止または制限することができる。
代替実施例では、シリンダが出口付近の端で拡大され、ピストンがシリンダのこの端にあるとき、液体がこのピストンの周りを流れられるようにする。シリンダ内の他の位置では、ピストンがシリンダ壁に密接して液体がピストンの周りを流れるのを防ぐ。弾性部材がこのピストンをシリンダの拡大領域から引離そうとするばね張力を生じ、それによって、圧力が平均化し、液体がピストンの周りを流れないときは何時でも密閉を保証する。
これらの実施例のどれかで、ハウジングが、出口に隣接するこのハウジングの端から伸びて、ピストンと係合し、ピストンが円筒形ハウジングのこの端まで完全に並進するのを防ぐリブを含み、ピストンがハウジングのこの端にある間、このピストンの周りの液体の自由流れを保証してもよい。
この発明の更に他の特定の実施例では、限定逆流環流弁がこの環流弁ハウジング内で回転するように取付けられたゲートを含む。このゲートは、第1方向に回転して、液体が出口を通ってこのハウジングから無制限に流出するようにし、反対方向に限られた角度回転して、限られた量の液体が出口を通ってこのハウジングに流れ込むようにする。ばね部材がこのゲートをハウジング内の所定の角度位置へ押付け、出口から液体が流出しないときは、第2逆止弁を密閉する。
この発明の他の態様は、動力付き注入装置、液体の大容量容器、および上に説明した限定逆流環流弁を介して結合されたカテーテルを含む、完全動力付き液体注入システムを含む。
もう一つの態様は、造影剤の大容量容器が上に説明したような限定逆流環流弁に結合された造影剤供給システムである。
追加の態様は、限定逆流環流弁を使って患者に液体を注入するための、上に説明した方法である。
本発明の上記およびその他の態様、目的および利点は、添付の図面およびその説明から明白となるだろう。
【図面の簡単な説明】
この明細書に組込み、その一部を構成する添付の図面は、この発明の実施例を示し、上記のこの発明の一般的説明、および以下の実施例の詳細な説明と共に、この発明の原理を明白にする役に立つ。
図1Aは、本発明の原理によるプランジャおよびプランジャ・ロックを含む限定逆流環流弁の、そのプランジャおよびピストンをそれらの最後位置で示す部分断面図である。
図1Bは、図1Aの限定逆流環流弁の、そのプランジャおよびピストンをそれらの最前位置で示す図である。
図1Cは、歯35および35aの代替実施例を示す部分図である。
図1Dは、図1Aの弁の線1D−1Dによる断面図である。
図2Aは、本発明の原理による限定逆流環流弁の第2実施例の、そのピストンをその最後位置で示す断面図である。
図2Bは、図2Aの限定逆流環流弁の、そのピストンをその最前位置で示す図である。
図2Cは、図2Aの弁の線2C−2Cによる断面図である。
図3Aは、本発明の原理による限定逆流逆止弁の第3実施例の、そのゲートをその最後位置で示す概略等角図である。
図3Bは、図3Aの限定逆流逆止弁の、そのゲートを液体流のないときに達成される位置で示す概略図であり、図3Cは、この弁の、ゲートを液体が前方に流れるときに達成される位置で示す概略図である。
図3Dは、図3Aないし図3Dの弁の軸およびばね組立体の立面図である。
特定の実施例の詳細な説明
図1A、図1B、図1Cおよび図1Dを参照して、本発明の原理による限定逆流環流弁10には、この弁10に液体が出入りするための三つの口がある。出口12は、カテーテル(図示せず)に通じる配管に接続するための大きさの、標準型のルーアー注射器継手を含む。入口16は、患者に液体を注入するために使う種類の動力注入装置の注射器に接続するための大きさである。両方向口14は、適当な配管を介して造影剤の大容量容器に接続するための大きさである。
弁10は、主円筒形ハウジング部18、および主ハウジング部18より直径の小さい第2円筒形ハウジング部20を含む。ピストン22が主ハウジング部18内に設置されていて、図1Bと比較して図1Aに示すように、この部分を通って横に滑動できる。ピストン22は、ピストン22の後の延長部27を窪み28に挿入することによってプランジャ26に取付けられている。ピストン22とプランジャ26の間に位置付けられているのは、密封リング24で、それは、ピストン22の外縁を囲み、ハウジング部18の内壁29と係合してそれと共に液体シールを形成する。
密封リング24は、ゴムのような弾性材料で造られ、その外周リムがカップ状で;従って、液圧を受けるとリング24が弾性的に撓んで液体がリング24の後側(プランジャ26が伸びる側)からリング24の前側(ピストン22の本体がある側)へ流れられるようにする。しかし、液圧を除きまたは反転すると、密封リング24は、部分18の円筒形壁29と再係合して、液密シールを形成し、液体がリング24の前側からリング24の後側へ反対方向に流れるのを防ぐ。この様にして、リング24がハウジング部18の円筒形壁29と相互作用して、液体を出口12の方へ前方へは流すが逆流は防ぐ、逆止弁を形成する。
プランジャ26は、ハウジング部20を通って後方に伸び、ハウジング部20から出て、親指掛け30で終る。プランジャ26の長さの途中の中央にあるのは、1対の密封リング32で、それは、ハウジング部20の内面31と係合し、それと共にシールを形成し、液体がハウジング部20から逃げるのを防ぐ。ハウジング部20は、その外側に、指掛け34を有する。指掛け30および34は、医師の指を指掛け34に置き、同じ手の親指を指掛け30に置いて、プランジャ26をハウジング部18および20に手動で出し入れできるような大きさおよび位置になっている。
プランジャ26の密封リング32の後方の外面には、多数の歯35があり、それらはプランジャ26からプランジャ26の長さのかなりの部分に亘って伸びる。しかし、プランジャ26の最後方自動引込み領域33には、以下に記す理由で歯がない。
ハウジング部20の後端で、ツイストロック37がハウジング部20のフランジ38に支承されている。ツイストロック37は、一つ以上の歯35a(図面には一つを示す)を担持し、それを回転してツイストロック37の歯がプランジャ26の歯35と係合するようにできる。従って、ツイストロック37を回転することによって、プランジャ26を所定の軸方向位置にロックするか、またはハウジング部20内を軸方向に自由に滑動するままにすることができる。捻りばね37aをツイストロック37とハウジング部20の間の支承結合に含めて、ツイストロック37をプランジャ26の歯35と係合するように回転させようとする力を生じ、それによってプランジャ26を適所にロックできる。この発明の一実施例では、このツイストロック37を捻りばね37aの力に抗して回転してその非ロック位置に保持できるように、ツイストロック37にスナップ嵌め(図示せず)を含めてもよい。
図1Cに示す実施例では、歯35および35aにかかりが付いていて、ツイストロック37は、注射器10のハウジング内のプランジャ26の前方運動は妨げないが、ハウジング内のプランジャ26の後方運動は妨げるようになっている。
これらの異なるツイストロックの実施例の種々の用途および利点を以下に記す。
入口16は、逆止弁胴36を介してハウジング部18および20の内部と流体連通している。胴36は、ピストン22およびプランジャ26がそれらの最前位置にあるときでも(図1B)、常に密封リング32の前にある位置で、ハウジング部20の内部に通じている。この位置は、ピストンがその最後位置にあっても(図1A)、常に密封リング24の後でもある。
逆止弁ボール39が胴36の内側に位置する。ばね40が胴36の内部でボール39を圧迫し、ボール39を胴36の外壁41の方へ押付ける確実な力を生ずる。胴36、ボール39およびばね40が協同して逆止弁を形成し、それが入口16を通って弁10のハウジングの中へ液体を流すが、入口を通って弁10のハウジングの外へは液体を流さない。
両方向口14もチャンネル42を介してハウジング部20の内部と流体連通している。チャンネル42は、胴36と対向する位置、即ち、ピストン22およびプランジャ26がそれらの最前位置にあるときでも(図1B)、常に密封リング32の前にあり、ピストンがその最後位置にあっても(図1A)、常に密封リング24の後にある位置でハウジング部20に通じる。
ハウジング部18は、その前端が、円錐形ピストン22と一致する形状の円錐形端キャップ44で終る。端キャップ44内に位置するのは、端キャップ44の円錐形面から内方に突出するスペーサ・リブ46である。四つのそのようなリブ46を図1Dに示すが、それより少ない、または多いリブを使ってもよい。ピストン22が、図1Bに示すように、その最前位置へ進むとき、ピストン22の円錐形前面がリブ46に寄り掛り、ピストン22の円錐形前面と端キャップ44の円錐形内部面の間に周辺隙間を残し、そこを通って液体が出口12へ流れることができる。
ハウジング部18は、その後端が、プランジャ26の円錐形面と嵌り合う第2円錐形端キャップ48で終る。端キャップ44の内部面と違って、端キャップ48の内部面には、リブまたはスペーサが無く、このプランジャがその完全な後方位置へ並進するとき、プランジャ26の円錐形面が端キャップ48の円錐形内部面に完全に嵌り合って液密結合を形成する。
上に説明した限定逆流環流弁10は、多くの異なる方法で使って注入手順を実行することができ、その幾つかを例示目的で以下に説明する。これらの手順は、CT、血管造影法、磁気共鳴または超音波の画像を改善する目的で、動物の患者に造影剤を注入することに関して説明する。造影剤のコストのために、この発明の利点は、そのような注入で特に劇的であるが;しかし、他の多数の類似の手順を、上に説明した弁10を使って実行して類似の効果を得ることができる。
この注入手順で、最初の工程は、動力注入装置の注射器を注入するための造影剤で満たすことである。この工程は、造影剤の大容量容器(例えば、袋、カップ、または瓶)を入口16に結合し、注射器を両方向口14に結合することである。次に、動力注入装置を逆に運転して空気および液体を注射器に引込む。これは、ハウジング部18および20の内部圧力を、密封リング32の前および密封リング24の後の領域で減らす。密封リング24のカップ型形状が密封リング24にハウジング部18に対する堅いシールを維持させ、空気が密封リング24を通過するのを阻止する。
密封リング24の摩擦力が十分小さければ、この動力注入装置の逆作動によって生ずる初期圧力降下が、ピストン22およびプランジャ26を図1Aに示す位置の方へハウジング部18および20を通って後方に動かさせるだろう。ピストン22およびプランジャ26は、ハウジング部20の断面積がハウジング部18に比べて小さいので、この方向に駆動されるだろう。この力は、ピストン22およびプランジャ26が図1Aに示すそれらの完全に後方の位置へ並進してしまうまで作用し続け、そのときピストン22およびプランジャ26が運動を止めるだろう。
動力注入装置の逆作動を続けることによって生ずる更なる圧力低下は、ばね40によって生ずる圧縮力に打勝ってボール39を逆止弁胴36の外端から引込め、空気および液体を大容量造影剤容器から入口16へ、弁10のハウジングを通り、および両方向口14から注射器へ流れさせるだろう。その後、動力注入装置の逆作動を続けると、大容量容器からの造影剤に動力注入装置の注射器を満たさせるだろう。
ピストン22およびプランジャ26の運動が、密封リング24とハウジング部18の間の摩擦が高いか、またはツイストロック37が回転してプランジャ26の歯35と係合したために、妨害されると、ピストン22およびプランジャ26は、空気および液体が入口16から弁10に入る前には動かないだろうことに注意すべきである。しかし、密封リング24は、低摩擦で動作するように形造られていて、それでプランジャ26は、液体を入口16から導入する前に後方に引かれるだろう。更に、注射器を弁10を通して満たす前に、プランジャ26をその最後位置へ引込めるべきであるか、またはその代りに、ツイストロック37を回転してその非係合位置にスナップ止めするかまたは手動で保持して、ピストン22およびプランジャ26が入口16から液体を導入する前に図1Aに示す位置へ並進するようにすべきである。
一実施例では、弁10が製造業者からプランジャ26を既にその完全な後方位置にして供給される。この場合、プランジャ26をその最後位置へ動かすか、または弁10からの初期充填中に、ツイストロック37をその非係合位置にスナップ止めするか若しくは手動で保持する必要はない。(弁10が患者からの血液と接触するようになるので、使用後それを捨てなければならず;従って、弁10を1回の詰替え手順に使うだけであり、それでもし、弁10がプランジャ26をその完全な後方位置にして供給されるなら、プランジャ26は、初期充填中この位置にあるだろう。)
最終余談として、もし、かかり付きの歯(図1C)を使用し、弁10が製造業者からプランジャ26をその完全な後方位置にして供給されるなら、そのような場合、ツイストロック37を外すために必要な全ての手順は手動で行い、およびそのような場合、ツイストロック37を以下に説明する方法で容易に手動で外せるので、弁10は、ツイストロック37をその非係合位置に保持するためのスナップを設ける必要がないことに注意すべきである。
所望量の造影剤を弁10を通して注射器に引込んだとき、動力注入装置の逆運動を終える。この瞬間、弁10の内部圧力が均等化され、その結果、ばね40の圧縮力がボール39を逆止弁胴36の外端と係合するように押付けて、入口16を弁10の内部から密閉する。
この様に動力注入装置の注射器を充填してから、カテーテルに接続するための1本の高圧管を弁10の出口12に取付ける。次に、動力注入装置を順方向運転して注射器内の空気を弁10の中へ、およびこの高圧管から押出す。この作業中、動力注入装置を典型的には上に傾け、動力注入装置の注射器内の空気がこの注射器のノズルへ動くようにする。更に、弁10を上に傾け、出口12を弁10の残りの部分より高くして、重力に弁10の中に混入した気泡を出口12の方へ動かさせ、そこから出させるのが好ましい。
動力注入装置が口14から空気および造影剤を弁10に押込むので、ハウジング部18および20の内部の密封リング32の前で密封リング24の後の領域に正圧を生ずる。この正圧は、ボール39への封止圧を増そうとし、入口16の封止を強化する。更に、ハウジング部18および20の断面積が異なるため、この正圧がピストン22およびプランジャ26に前向きの力を発生し、ピストンを図1Bに示す位置の方へ前に押出す。密封リング24のカップ状外周の弾性力は、十分大きく、ツイストロック37が妨げなければ、この正圧差がピストン22およびプランジャ26を図1Bに示す位置の方へ前方に動かす。
以下に記す理由で、ピストン22およびプランジャ26が、段取手順の終りで液体の注入の前までに、図1Bに示す最前位置へ動くのが望ましい。従って、密封リング24のカップ状外周の外方弾性力は、もしツイストロック37によって妨害されなければ、ピストン22が前方に動くに十分大きい。もし、ツイストロック37にかかり付きの歯(図1C参照)を使うなら、プランジャ26は、ツイストロック37が外れているかどうかに関係なく、前方に自由に並進するだろう。しかし、もし歯35および35aにかかりが付いていなければ(図1Aおよび図1B参照)、初期の気泡除去中、プランジャ26がその最前位置へ動けるようにするために、ツイストロック37を開放して保持すべきである。
ピストン22およびプランジャ26が図1Bに示すそれらの最前位置に達してからは、動力注入装置を更に順方向に駆動すると、弁10内部の圧力を増し、究極的に密封リング24が生ずる弾性力に打勝って、空気および造影剤をピストン22の周りに流し、および円錐形端キャップ44の中へ入れ、出口12からそれに接続した管の中へ流す。
動力注入装置の十分な順方向運転の後、注射器、弁10および配管の中の空気を全て追出すことができ、それでこのシステムを注入に使う用意が完了する。従って、出口12の配管をカテーテルに接続し、そのカテーテルを患者に挿入してもよい。
先に記したように、ある注入手順では、患者の脈管構造を視覚化およびカテーテルに位置決めを支援するために、少量の造影剤を注入することが望ましい。この作業を可能にするために、ツイストロック37を外してプランジャ26およびピストン22に自由な運動をさせる。次に、少量の注入を行うために、医師または技師が指掛け30および34を使って親指と2本の指で弁10を掴み、プランジャ26およびピストン22を手動で前後に動かして少量の造影剤をカテーテルを介して患者に注入する。この作業のためには、ツイストロック37を外さねばならず、それは、指掛け30および34を握るために使ったのと同じ手の薬指でツイストロック37を回転することによってなすことができる。
ピストン22を手動で後方に下げるとき、弁10のハウジングの内部の密封リング24の後方の領域に正圧を生ずる。この圧力が十分なレベルに達するとき、それが密封リング24のカップ状外部が生ずる弾性力に打勝って、造影剤がピストン22の周りを密封リング24の後側から密封リング24の前側へ流れることを可能にする。その後、ピストン22を手動で前方に押したとき、弁10の内部の密封リング24の前方の領域に正圧を生ずる。この正圧が密封リング24の封止を強化し、密封リング24の周りに液体が全く流れないようにする。従って、この圧力が患者の血圧より高いレベルに達するとき、造影剤が弁10の密封リング24の前の部分からカテーテルを介して患者に注入される。同時に、ピストン22が前方に動くとき、弁10の密封リング24の後の部分に負圧が生ずる。この負圧が最後にばね40の圧縮力に打勝ち、追加の造影剤が入口16から弁10に供給されるようになる。
上記の相互作用のために、プランジャ26の前後運動を繰返すことによって、造影剤を少しの計った量で患者に注入することができる。
カテーテルを適正に配置してから、動力注入装置を作動することによって、造影剤の大規模な注入を行うことができる。そうすることは、造影剤に両方向口14から弁10に流れ込ませ、最初にピストン22をその最前位置へ並進させ(もし、ツイストロック37が外れているか、またはかかり付き歯を有するなら)、その後、液体を密封リング24の周りに流すだろう。(一旦密封リング24が弁10を通る液体の前方流によって撓められると、密封リング24とハウジング部18の内部の間の隙間の断面積は、注射器ノズルおよび配管の断面積より大きく;従って弁10は、高流量でも液体流に対する実質的抵抗とならない。)
下記のように、プランジャ26を注入手順中その完全な前位置に置くのが望ましいかも知れない。もし、かかり付き歯を使用するなら、そのような配置は、弁10の中の液圧に反応するプランジャ26の自然の運動から自動的に達成されるだろう。しかし、もし、かかり付き歯を使用しないなら、プランジャ26を手動でその完全な前位置に動かすか、または注入中、ツイストロック37を外してプランジャ26が弁10の中の液圧に反応して自然に前方に動くようにしなければならない。
注入手順中は何時でも、医師が、カテーテルの開通性をチェックするために、血液をカテーテルを通して配管の中に引出したいかも知れないので、プランジャ26をその完全な前位置に配置することが望ましいかも知れない。そうするためには、医師が動力注入装置を逆に運転し、注射器の内部に負圧を作る。もし、ピストン22およびプランジャ26がそれらの最前位置にあるなら、それらは、後方に動くことによってこの負圧に反応し(上に注射器の初期充填に関して説明したのと同じ方法で)、血液を患者からカテーテルの中へ引込むだろう。配管の中に血液が見えるようになったとき、カテーテルが詰っていないことを確認できる。
この引込み手順中、ツイストロック37は、プランジャ26の歯35と係合する位置にあるべきである。しかし、プランジャ26の自動引込み領域33には歯がないので、もし、プランジャ26が引込み始めに完全に前にあれば、ツイストロック37がプランジャ26に係合できず、それでプランジャ26が弁10のハウジングから自動引込み領域の長さに等しい距離だけ後方に動けるだろう。その後、ツイストロック37は、プランジャ26の歯35と係合し、それ以上の運動を阻止するだろう。それで、もしプランジャ26が注入中にその最前位置にあっても、ツイストロック37が係合する前に、管理され、制限された量の血液を患者から引出すことができる。その後、ツイストロック37がプランジャ26の歯と係合し、それ以上の引出しを阻止し、動力注入装置の更なる後方運動が血液を引出さずに、注射器の充填に関して上に議論した方法で、液体を入口16から弁10の中へ引込むだろう。
この様に、動力注入装置の操作によって、ツイストロック37が、プランジャ26と相互作用して、この動力注入装置の高精度の操作を必要とせずに、所定量の液体(例えば、2ml)を患者から引出させる。この所定量は、血液が弁10に達することができず、汚染を防ぐように、配管およびカテーテルの全容積より少なく選ぶことができる。しかし、たとえ血液が弁10に達したとしても、密封リング24が引出し中ハウジング部18の内部を堅く密閉しているので、患者から弁10に引込まれた血液は、弁10の密封リング24の前の領域に包含され、口14に接続された動力注入装置の注射器と、口16に接続された大容量造影剤容器のどちらの汚染も避ける。
参考までに、非血管造影法手順のための典型的小型カテーテルは、長さ約76mm、内径0.5mmで、このカテーテル内に0.015mlの量が取込まれることになる。血管造影法手順のための典型的小型カテーテルは、長さ約250mm、内径0.76mmで、このカテーテル内に0.116mlの量が取込まれることになる。典型的大型カテーテル(血管造影法用)は、長さ1,000mm、内径1.27mmで、このカテーテル内に1.287mlの量が取込まれることになる。それで、これらの典型的サイズに対して、患者から2mlの血液を引出すことは、血液をカテーテルに通じる配管に見えるようにするに十分だろう。
注入中は何時でも、注射器の中に残る造影剤がこの手順を完了するには不十分であることが分るかも知れない。そのような場合、技師は、この注射器を逆に操作するだけでよく、それが(ことによると、限られた量の血液をカテーテルの中に最初に引込んだ後に)、追加の造影剤を大容量容器から入口16に流し、注射器を再充填させるだろう。この様に、注射器をこの手順中何時でも、配管を外さず、汚染オブ空気の導入の危険なしに、再充填できる。
さて、図2Aおよび図2Bを参照すると、限定逆流環流弁の簡易化した実施例が、全体として上に説明した原理の下で動作するが、ある特徴がない。特に、この簡易型弁100は、前と同様、カテーテルに通じる配管に接続するための出口12、注射器に接続するための両方向口14、および注入液体の大容量容器に接続するための入口16を含む。
図1A〜図1Dの実施例同様、入口16は、逆止弁胴36、ボール39およびばね40を含み、それらがまとまって逆止弁機能をもたらし、液体を口16から弁100に流入させるが、口16から外には出さない。注射器100のハウジングは、主円筒形部18および副部20も含み、ピストン102が、弁100内の圧力および液流に反応して部分18を通って軸方向に並進する。
しかし、図1A〜図1Dの実施例と違って、ピストン102から伸びるプランジャ26が無く;ピストン102が、弁100の内部で経験する液圧に反応して、単独でハウジング部18内を自由に動く。プランジャの代りに、ピストン102は、ハウジング部20を通って後方に伸びて球部104で終る、一体の後部を含む。
図2A〜図2Bに示す実施例では、ピストン102および球部104、並びに結合弾性要素106が、シリコンゴムのような、弾力的に非常に良く伸びる柔軟な材料でできた、単一の一体要素である。結合弾性要素106は、以下に議論するように、ピストン102を後方に動かそうとする弾性力を提供する。これを達成するために、球部104は、球部104と係合して球部104がハウジング部18の方へ前に動くのを防ぐようにハウジング部20内に配置された四つのリブ107(図2C参照)に保持される。
ハウジング部18の前端は、前と同様、円錐形端キャップ44を含む。端キャップ44は、前と同様、端キャップ44から内方に伸び、ピストン102が端キャップ44と完全に係合するのを防ぐ隆起46も含み、ピストン102が図2Bに示すその完全な前位置にあっても、ピストン102と端キャップ44の間に小さな半径方向の隙間47が残るようにする。
ハウジング部18のこの最前端は、直径が大きく、図2Bで最も良く分るように、ピストン102がその最前端に達するとき、ピストン102の外周がもうハウジング部18の内面を密閉することができず、従って液体が、ピストン102と端キャップ44の間の隙間47を通ってピストン102の周りに流れ、出口12から出ることができる。液体流がこの方向に続く限り、ピストン102が隆起46に保持され、ハウジング部18の外周と再係合しないだろう。しかし、もし、圧力が均等化し、液流が途絶えると、弾性要素106からの弾性力がピストン102をハウジング部18の最前端から引離し、ピストン102の外周をハウジング部18の円筒形壁と再係合させ、端キャップ44および出口12の中の液体がハウジング部18に通じるのを封止する。
ハウジング部18の後端は、類似の円錐形部を含む。この部分は、円周隆起108を含み、それは、ピストン102が図2Aに示すその最後位置にあるとき、ピストン102と係合し、それによってピストン102を封止し、この最後位置にあるとき、ピストン102の周りに液流がないことを保証する。
使用する際、この簡易型限定逆流環流弁100は、この弁を使う手動注入の備えがないことを除いて、図1Aおよび図1Bで議論した弁と同様に機能する。手順は、やはり造影剤注入に関連して議論するが、他の注入手順が弁100を使っても同様な結果が得られる。
前と同様、この弁を使う際の最初の工程は、注射器を充填することである。この工程のために、造影剤の大容量容器を入口16に結合し、注射器を両方向口14に結合する。次に、動力注入装置を逆に運転して空気および液体を注射器に引込む。この運動は、ハウジング部18および20の内部圧力を、ピストン102の後の領域で減らす。この動力注入装置の逆作動によって生ずる初期圧力降下が、ピストン102をハウジング部18を通って図2Aに示し位置へ後方に動かさせ、そのときにピストン102が運動を止める。(前と同様、弁100は、典型的には使い捨てで、ピストン102を予め図2Aに示すように配置してもよい。)
動力注入装置の逆作動を続けることによって生ずる更なる圧力低下は、ばね40によって生ずる圧縮力に打勝ってボール39を逆止弁胴36の外端から引込め、空気および液体を大容量造影剤容器から入口16へ、弁100のハウジングを通り、および両方向口14から注射器へ流れさせる。その後、動力注入装置の逆作動を続けると、造影剤に動力注入装置の注射器を満たさせるだろう。
所望量の造影剤を弁100を通して注射器に引込んだとき、動力注入装置の逆運動を終える。この瞬間、弁100の内部圧力が均等化され、その結果、ばね40の圧縮力がボール39を逆止弁胴36の外端と係合するように押付けて、入口16を弁100の内部から密閉する。
この様に動力注入装置の注射器を充填してから、カテーテルに接続するための1本の高圧管を弁100の出口12に取付ける。次に、動力注入装置を順方向運転して注射器内の空気を弁100の中へ、およびこの高圧管から押出す。この作業中、動力注入装置を典型的には上に傾け、動力注入装置の注射器内の空気がこの注射器のノズルへ動くようにする。更に、弁100を上に傾け、出口12を弁100の残りの部分より高くして、重力に弁100の中に混入した気泡を出口12の方へ動かさせ、そこから出させてもよい。
動力注入装置が口14から空気および造影剤を弁100に押込むので、弁ハウジングの内部のピストン102の後に正圧を生ずる。この正圧は、ピストン102に前向きの力を発生し、ピストンを図2Bに示す位置の方へ前に押出す。一旦ピストン102が図2Bに示す最前位置に達すると、空気および造影剤は、ピストン102の周り、および円錐形端キャップ44の中へ流れ、出口12からそれに接続した管の中へ流れることができる。
動力注入装置の十分な順方向運転の後、注射器、弁100および配管の中の空気を全て追出すことができ、それでこのシステムを注入に使う用意が完了する。従って、出口12の配管をカテーテルに接続し、そのカテーテルを患者に挿入してもよい。
カテーテルを適正に配置してから、動力注入装置を作動することによって、造影剤の大規模な注入を行うことができる。そうすることは、造影剤に両方向口14から弁100に流れ込ませ、最初にピストン102をその最前位置へ並進させ、その後、液体をこの位置のピストン102の周りに押し流す。
注入手順中は何時でも、医師が、カテーテルの開通性をチェックするために、血液をカテーテルを通して配管の中に引出したいかも知れない。そうするためには、医師が動力注入装置を逆に運転し、注射器の内部に負圧を作る。最初に、ピストン102は、ハウジング部18の前端にあり、後方に動くことによってこの負圧に反応し(上に注射器の初期充填に関して説明したのと同じ方法で)、血液を患者からカテーテルの中へ引込むだろう。配管の中に血液が見えるようになったとき、カテーテルが詰っていないことを確認できる。
一旦ピストン102が図2Aに示す最後位置に達すると、動力注入装置の更なる逆作動は、液体を、上に注射器の充填に関して説明した方法で、入口16から弁100の中へ引込むだろう。
この様に、弁100は、動力注入装置の運転によって、この動力注入装置の高精度の操作を必要とせずに、所定量の液体(例えば、2ml)を患者から引出させるようにする。更に、ピストン102が引出し中ハウジング部18の内部を堅く密閉しているので、患者から弁100に引込まれた血液は、弁100のピストン102の前の領域に包含され、口14に接続された動力注入装置の注射器と、口16に接続された大容量造影剤容器のどちらの汚染も避ける。
注入中は何時でも、注射器の中に残る造影剤がこの手順を完了するには不十分であることが分るかも知れない。そのような場合、技師は、この注射器を逆に操作するだけでよく、それが(限られた量の血液をカテーテルの中に最初に引込んだ後に)、追加の造影剤を大容量容器から入口16に流し、注射器を再充填させるだろう。この様に、注射器をこの手順中何時でも、配管を外さず、汚染オブ空気の導入の危険なしに、再充填できる。
上記は、ピストンが円筒形ハウジングの中を軸方向に並進して出口12から出る前方流、並びに出口12への限定された逆流を可能にする限定逆流環流弁を説明する。しかし、他の構造を使ってこの機能を達成してもよい。
例えば、図3Aは、液体チャンネル114内で回転してこのチャンネル114を通る無制限な前方流および限定された逆流を可能にする蝶番式ゲート112を含む弁110を示す。
図3B〜図3Dに見られるように、ゲート112は、ハウジング120内の軸116周りに回転または枢動してこれらの機能を果す。液体が液体チャンネル114を通って前方に放出されるとき、ゲート112が図3Cに示すその開位置へ反時計方向に枢動して、液体が妨害されずに通過できるようにする。
しかし、圧力が均一化して液流が止るときは何時でも、この回転軸に取付けられたばね118がゲート112を図3Bに示す密閉位置へ時計方向に枢動させ、それによって液体チャンネル114を密閉する。
その後、もし、チャンネル114内に逆の液流が起ると、ゲート112は、図3Aに示す位置に達するまで更に反時計方向に枢動し、そのときにゲート112がハウジングと係合して更なる枢動を防ぎ、更なる液流を防ぐ。ゲート112が密閉リム122を担持し、それが弁ハウジング120の内壁を密閉し、ゲート112が図3Aおよび図3Bに示す位置またはそれらの間にあるとき、液体がゲート112の周りに流れるのを防ぐことに気付くだろう。
図3Dに見られるように、ゲート112の軸116に取付けられた捻りばね118が、ゲート112に反時計方向のトルクを加えることによって、ゲート112を図3Bに示す位置へ戻す。
従って、図3A〜図3Dに示す限定逆流逆止弁構造体、またはこれらの機能を達成するその他の弁構造体を、図2A〜図2Bに示すこの発明の実施例のピストン102および主円筒形ハウジング部18の代りに用いて類似の結果を得ることができる。
本発明を種々の実施例の説明によって明らかにしてきて、これらの実施例をかなり詳しく説明してきたが、添付の請求項の範囲をそのような詳細に限定または何らかの方法で制限することは、この出願人の意図ではない。付加的利点および修正が当業者には容易に明白だろう。例えば、上に説明した弁構造体の何れか一つを造影剤の大容量容器、または使い捨て注射器、またはその両方と一体に製造して組立を単純化し、コストを低減できる。この弁の種々の機能要素を、図面に示すように、単一ハウジング、または配管で相互連結した別々のハウジングに組込むことができる。更に、カップ状弁構造体を図2A〜図2Bの簡易型弁に使い、それによって主円筒形ハウジング部18に拡大領域を含める必要なしに、図1A〜図1Bを参照して上に議論した方法で、ピストンの周りの液流を可能にすることができる(尤も、そのようなアプローチは、図1A〜図1Bに示すような2体構成のピストンを製造することが必要かも知れないが)。その上、他のプランジャ・ロック構造を図1Aおよび図1Bに示すものの代り、例えば、歯付きロックの代りに摩擦係合ロックを使うことができる。また、この弁は、初期接続およびこの弁の使用の手順を簡単にするために、予め造影剤を詰めて供給してもよい。従って、この発明は、その広い態様で、特定の詳細、代表的装置および方法、並びに図示し且つ説明した実施例に限定されない。それ故、出願人の一般的発明概念の精神および範囲から逸脱することなく、そのような詳細から離脱してもよい。

Claims (16)

  1. 注射器から患者に液体を注入するための限定逆流還流弁であって
    ハウジングと、
    該ハウジングの入口と、
    該ハウジングの出口と、
    該ハウジングの両方向口と、
    該ハウジング内に配置されていて、前記入口から前記両方向口へのみ液体が流れることを可能にする第1逆止弁と、
    該ハウジング内に配置されていて、該ハウジングの室及び該室の内壁と係合している密封部材を含む第2逆止弁とを有し、該密封部材は前記両方向口から前記密封部材を越えて前記出口へ液体が流れることを可能にし、また、前記密封部材は前記出口から前記密封部材を越えて前記両方向口へ液体が流れることを阻止しており、更に、前記密封部材は前記室内を可動であって、該室を前記両方向口に液体連通する部分と前記出口に液体連通する部分とに分割しており、前記室内で前記密封部材が移動すると、前記限定逆流還流弁の前記室内に所定の限られた量だけの液体が前記出口から逆流することを可能とし、この限られた量を超えて前記出口から前記限定逆流還流弁内への更なる逆流を阻止するようになっていることを特徴とする還流弁。
  2. 請求項1の限定逆流環流弁に於いて、
    上記限定逆流環流弁のハウジングが円筒形であり、並びに
    上記第2逆止弁の密封部材は、上記出口を通って液体が順方向および逆方向に流れる間、上記円筒形ハウジングの中を並進するように上記円筒形ハウジングに嵌められたピストンを含む環流弁。
  3. 請求項2の限定逆流環流弁に於いて、
    上記入口および上記両方向口および上記第1逆止弁が上記ピストンの第1側に対向する上記円筒形ハウジングの第1端で上記限定逆流環流弁に取付けられ、および
    上記出口が上記ピストンの第2側に対向する上記円筒形ハウジングの第2端で上記限定逆流環流弁に取付けられている環流弁。
  4. 請求項3の限定逆流環流弁に於いて、ピストンがその周辺境界でカップ状になっていて、上記ピストンの上記第1側から上記ピストンの上記第2側へ液体が流れることを可能にするが、上記ピストンの上記第2側から上記ピストンの上記第1側へ液体が流れることは阻止する環流弁。
  5. 請求項4の限定逆流環流弁に於いて、上記円筒形ハウジングの第2端は、上記ピストンと係合し、上記ピストンが完全に上記円筒形ハウジングの上記第2端へ並進するのを防ぎ、上記ピストンが上記円筒形ハウジングの上記第2端にある間、上記ピストンの周りに液体が自由に流れることを保証するリブを含む環流弁。
  6. 請求項4の限定逆流環流弁であって、更に、上記ピストンに取付けられ、および上記円筒形ハウジングの外に伸び、上記出口から液体を手動で注入するために、上記ピストンを上記円筒形ハウジングを通して手動で並進できるようにするプランジャを含む環流弁。
  7. 請求項6の限定逆流環流弁であって、更に、上記ハウジングの外部に取付けられ、上記プランジャを上記ハウジングの中で動き得るようにする第1位置へ、および上記プランジャの上記ハウジングの中での動きを阻止する第2位置へ動き得るロックを含む環流弁。
  8. 請求項3の限定逆流環流弁に於いて、上記円筒形ハウジングが上記第2端で拡張され、上記ピストンが上記円筒形ハウジングの上記第2端にあるとき、上記ピストンの周りに液体が流れるようにし、一方上記ピストンが上記円筒形ハウジング内の他の位置にあるときは、上記ピストンが上記円筒形ハウジングの周辺を密閉してこのピストンの周りに液体が流れるのを防ぐ環流弁。
  9. 請求項8の限定逆流環流弁であって、更に、上記ピストンに取付けられ、上記ピストンを上記円筒形ハウジングの上記第1端の方へおよび上記円筒形ハウジングの上記第2端から離してばねのように引立てる弾性要素を含む環流弁。
  10. 請求項1の限定逆流環流弁に於いて、上記第2逆止弁の密封部材が上記ハウジング内で回転するように取付けられたゲートを含み、上記ゲートが第1方向に回転して液体が上記出口を通って上記ハウジングから無制限に流出するようにし、上記ゲートが上記第1方向と反対の第2角度方向に限られた角度回転して、限られた量の液体が上記出口を通って上記ハウジングに流れ込むようにする環流弁。
  11. 液体を注入するための液体注入システムに使用する請求項1の限定逆流環流弁であって、更に:
    上記液体を保持し且つ加圧するための注射器が取付けられている動力注入装置、
    上記液体を上記患者に送込むために上記患者に挿入するためのカテーテル、および
    上記液体の大容量容器、
    を含み、
    請求項1に示す限定逆流環流弁の入口が上記液体の大容量容器に取付けられ、出口が上記カテーテルに取付けられ、および両方向口が上記注射器に結合されていて、
    それによって上記動力注入装置を順方向に運転して液体を上記注射器から上記限定逆流環流弁を介して上記カテーテルの中へ押込むことができ、および上記動力注入装置を逆方向に運転して最初液体を上記カテーテルから上記限定逆流環流弁の中へ引込み、その後、液体を上記大容量容器から上記注射器の中へ引込んで、液体を上記患者に注入できるようにし、および次に上記注射器を、上記注射器、カテーテルまたは大容量容器の取外しまたは再結合なしに、詰替えできるようにする環流弁。
  12. 動力付き造影剤注入装置と共に使用する造影剤供給システムに使用する請求項1の限定逆流環流弁であって、更に:
    上記造影剤の大容量容器、
    を含み、
    請求項1に示す限定逆流環流弁の入口が上記液体の大容量容器に取付けられ、出口がカテーテルに取付けるように形作られ、および両方向口が注射器に取付けるように形作られていて、
    それによって上記動力注入装置を順方向に運転して液体を上記注射器から上記限定逆流環流弁を介して上記カテーテルの中へ押込むことができ、および上記動力注入装置を逆方向に運転して最初液体を上記カテーテルから上記限定逆流環流弁の中へ引込み、その後、液体を上記大容量容器から上記注射器の中へ引込んで、液体を上記患者に注入できるようにし、および次に上記注射器を、上記注射器、カテーテルまたは大容量容器の取外しまたは再結合なしに、詰替えできるようにする環流弁。
  13. 限定逆流逆止弁であって、
    ハウジング、
    上記ハウジングの入口、
    上記ハウジングの出口、および
    上記ハウジング内の上記入口と上記出口の間に取付けられた密封要素、を含み、
    上記密封要素が上記ハウジング内の第1位置から第2位置へ移動可能であり、
    上記密封要素が少なくとも上記第1位置にあるとき、上記入口から上記出口へ上記ハウジングを通って液体が流れるようにし、
    上記密封要素は、上記密封要素が上記第2位置にある間、および上記密封要素が上記第1位置と上記第2位置の間を移動している間、上記出口から上記入口へ液体が流れないようにするシールを形成し且つ維持し、
    上記密封要素は、上記第1位置と上記第2位置の間の所定の限られた量の液体を排除して、上記出口に逆流させることができるが、その後は、上記出口に更に液体を逆流させることはできないようになっている逆止弁。
  14. 請求項13の限定逆流逆止弁に於いて、
    上記ハウジングが円筒形であり、および
    上記密封要素は、上記出口を通って液体が順方向および逆方向に流れる間、上記円筒形ハウジングの中を並進するように上記円筒形ハウジングに嵌めらたピストンを含む逆止弁。
  15. 請求項14の限定逆流逆止弁に於いて、
    上記ピストンが、第1側を上記入口に向け且つ第2側を上記出口に向けて上記円筒形ハウジングの中に取付けられ、および
    上記ピストンがその周辺境界でカップ状になっていて、上記ピストンの上記第1側から上記ピストンの上記第2側へ液体が流れることを可能にするが、上記ピストンの上記第2側から上記ピストンの上記第1側へ液体が流れることは阻止する逆止弁。
  16. 請求項14の限定逆流逆止弁に於いて、上記円筒形ハウジングが上記出口の最も近い端で拡張され、上記ピストンが上記円筒形ハウジングの上記端にあるとき、上記ピストンの周りに液体が流れるようにし、一方上記ピストンが上記円筒形ハウジング内の他の位置にあるときは、上記ピストンが上記円筒形ハウジングの周辺を密閉してこのピストンの周りに液体が流れるのを防ぐ逆止弁。
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