JP2566279Y2 - 人工股関節 - Google Patents

人工股関節

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JP2566279Y2
JP2566279Y2 JP7231991U JP7231991U JP2566279Y2 JP 2566279 Y2 JP2566279 Y2 JP 2566279Y2 JP 7231991 U JP7231991 U JP 7231991U JP 7231991 U JP7231991 U JP 7231991U JP 2566279 Y2 JP2566279 Y2 JP 2566279Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人の関節、殊に人工股関
節に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられている人工股関節にお
いてはステンレス鋼、コバルトクロム系合金などの金属
製の骨頭球とステムが一体的もしくはテーパー嵌合によ
って固定されており、上記ステムを大腿骨中に挿入し、
骨とステムとの隙間をセメントを用いて固定し、また一
方の臼蓋側は上記骨頭球を受座する合成樹脂よりなるソ
ケットを、骨盤の臼蓋側ソケットにセメントを用いて固
定するものが多数使用されてきた。
【0003】ところが、上述の人工関節において骨頭球
とこれを受座するソケットは、歩行のたびに摺動し、1
年間にソケットのポリエチレンの厚みは0.2mm程度摩
耗減少してしまう。
【0004】ここで発生するポリエチレンの摩耗粉は大
変小さい粉であり体内で細胞に取り込まれ、体外に排出
されることなく体内に蓄積されてしまう。そして、5
年、10年と経過していくうちに発生した摩耗粉、すな
わち体内に取り込まれ蓄積された摩耗粉の量は多大なも
のとなり、また、それを取り込む細胞の数もインプラン
トされた上記人工股関節の周辺地域を中心に増え続ける
こととなる。その結果、これらの摩耗粉を取り込んだ細
胞が人工関節の周りを取り囲んで群棲するようになり、
この人工関節のまわりを取り囲んだ細胞が人工関節を支
持する骨に悪影響を及ぼし、骨は次第に悪影響により脆
弱になってくる。そして、これらの変化が進むにつれて
人工関節は徐々に骨との間にゆるみを生じ、生体側はこ
の緩みによる人工関節の動揺により痛みを感じるに至
る。
【0005】最近、骨頭球にはセラミック、特にアルミ
ナが強度、表面粗さ、真円度等の特性の優秀さと対ポリ
エチレンとの摩擦係数の低さ、摩耗量の低さ等の理由に
より採用されている。
【0006】ソケット側はポリエチレン単体のものか
ら、外表面に金属の外殻をとりつけて、外力によりポリ
エチレンが変形するクリープ変形を防止し、ポリエチレ
ンの形状が常に一定の形にたもたれるようにして、工夫
したものが多く用いられるようになってきた。このこと
により、ソケットはクリープ変形を起こさなくなるとと
もに、骨頭球との摩耗の減少に寄与するようになり、ま
た金属の外殻の表面をポーラス状にしたり、又表面にア
パタイト等をコーティングして骨と強固に固定し、かつ
セメントも使用する必要がないという効果がある。しか
し、ポリエチレンを使用する限りは前述のような問題を
完全に解決するにいたっていない。
【0007】その他にも、セラミックの骨頭球に対して
セラミックの臼蓋側ソケットを用いて、セラミックどう
しで摺動面を構成した物もある。これは、臼蓋側にセラ
ミック製の臼蓋側ソケットをセメントで固定したり骨に
直接ネジ込んだりして臼蓋に固定し、セラミック製の骨
頭球と摺動させるようにしたものがある。
【0008】
【従来技術の課題】上述したように、従来の人工股関節
では、ポリエチレン等のソケットを使用するかぎり、ポ
リエチレンの摩耗粉の体内細胞による取り込み、蓄積、
そしてその結果としての人工関節と骨との緩みの発生と
いう問題は解決されない。
【0009】また、セラミック製の骨頭球に対してセラ
ミック製の臼蓋側ソケットを用いる人工股関節では、ポ
リエチレン等の合成樹脂を摺動面に持たないために、ポ
リエチレンの摩耗粉が発生することがなく、さらにセラ
ミックどうしの摺動面は、両構成部分を高精度に一致さ
せると、体液中では摩擦係数が極端に低い流体潤滑状態
となると言われており、摩擦がほとんどないことから、
摺動の観点からのみ見ると理想的な人工関節である。
【0010】しかし、この人工関節にはセラミック製骨
頭球,セラミック製臼蓋,骨盤とが連接されており、そ
のため衝撃に弱く、セラミック製部材の破損の問題が発
生する危険性がある。
【0011】さらに人工股関節のステムの先端部にあっ
てセラミック製骨頭球を固定する、截頭円錐形状をした
金属製のステムネックがセラミック製臼蓋に当接する事
により、無理な力が接触部分に生じ、セラミック製臼蓋
の破損がこの部分より起こりやすい。実際、多くの破損
例が報告されるに至っている。
【0012】加えて、金属とセラミックの接触により金
属がセラミックにより削り取られて、金属の摩耗粉が発
生し重大な組織破壊を生じてしまうことにもなる。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本考案は大腿骨の骨髄腔中に挿入されるステムと該
ステムの先端部に骨頭球を具備し、さらにこの骨頭球を
受座するための臼蓋ソケットで構成される人工股関節に
おいて、骨頭球を受座する臼蓋側ソケットにおける摺動
部材の材質がセラミックから成り、その外側にはポリエ
チレン等の樹脂層が配設してあり、さらに上記セラミッ
ク製の摺動部材の周縁部にはポリエチレン等の樹脂より
なる樹脂リングが固定してあることを特徴とする人工股
関節を提供する。
【0014】
【実施例】本考案の実施例では、図1に示すとおりアル
ミナセラミックから成る骨頭球1が、チタン合金の金属
製ステム本体2の先端部にある、截頭円錐形状をした金
属製のステムネック2aにテーパー嵌合されている。な
お、大腿骨骨幹部に挿入されるステム本体2は大腿骨3
にセメント4を用いて固定されている。また、上記ステ
ム本体2はコバルトクロム合金、チタン合金などの金属
材で構成されている。
【0015】5は臼蓋側ソケットであり、まずチタン合
金製の半球状のソケットの外殻6がチタン合金製のネジ
7で骨盤の骨8 に固定される。このチタン合金製の外殻
6 には、ネジ7 を用いて骨盤8 に固定できるように図2
に示すような貫通穴7aが数カ所に穿設してあり、適宜、
症例によって骨量の豊富な所を選択し固定出来るように
なっている。さらに、このチタン合金製の外殻6の外表
面は粗面で、アパタイトがコートされ、骨との癒着性を
良好にしてある。
【0016】樹脂層9は、図2に示すようにアルミナセ
ラミック製の摺動部材10とアンダーカット14を介して複
合一体化してあり、また、上記摺動部材10のの周縁部に
はアンダーカット15が設けられ、該アンダーカット15に
対し、図3 に示すような縦断面形状を持ったポリエチレ
ン等の樹脂材料よりなる樹脂リング11が下方から嵌め込
まれることによって、これを上記セラミック製の摺動部
材10と樹脂層9よりなる複合体と一体化する。
【0017】次にこれを、前述のチタン合金製の半球状
の外殻6の内側に嵌め込み、該外殻6の周縁部にある固
定用ツメ6aがストッパーとして作用して固定するように
なっている。
【0018】このようにして樹脂層9は複合用の部材と
して用いるだけでなくショックアブソーバーとしてアル
ミナセラミック製の摺動部材10の破損防止のために重要
な役割を果たすこととなる。
【0019】尚、本考案の実施例においては臼蓋側ソケ
ット5として外殻6を有するものを例示し、骨盤8への
固定手段としては、上述のように、まず、外殻6をチタ
ン合金製のネジ7を使用して骨盤8に固定し、次に、複
合一体化された摺動部材10,樹脂層9, 樹脂リング11を
上記固定用ツメ6aでもって、上記外殻6内に固定してい
るが、本考案の人工股関節の臼蓋側ソケット5の構成は
これに限るものではなく、図4に示す如く、上述の方法
で複合一体化された摺動部材10, 樹脂層9, 樹脂リング
11のみから構成され、外殻6を用いないものであっても
よい。
【0020】この場合例えば、骨盤8との固定にはセメ
ントを使って行い、さらに、樹脂層9の外表面に1つ又
は複数の溝9aを設けておくと、骨との固定性の強化、回
旋や緩みの防止に役立つ。
【0021】尚、上記骨頭球1が摺動する摺動部材10と
しては、アルミナセラミックを用いた例を述べたが、こ
れに限らずにその他のセラミック材、例えばジルコニア
セラミックを用いてもよい。また樹脂層9としてはポリ
エチレンの例を述べたが、これに限らずに、その他の樹
脂材料、例えばテフロン、ジュラコン、デルリン等を使
うことも出来る。
【0022】また、前記樹脂リング11は上記樹脂層9と
は別体で作られるので、同じ材質又は上記のような樹脂
材料から別の材料を選んで製作してもよい。
【0023】セラミック製の骨頭球1を固定する金属製
のステムネック2aが当接するのは樹脂リング11であり、
該樹脂リング11は、ステムネック2aが当接する部分にお
ける偏荷重を前記樹脂層9と協働して十分に吸収するの
で、摺動部材10のステムネック2aとの当接部分の破損が
生じない。また、金属とセラミックとの接触により発生
していたステムネック2aよりの金属の摩耗粉の発生を引
き起こすことがない。
【0024】また、上記樹脂リング11の厚さとしては最
低0.5mm 以上は必要である。これは、0.5mm より薄けれ
ば十分な応力吸収機能を果たすことができなくなるため
である。
【0025】次に、この樹脂層9と摺動部材10はモール
ドされ複合一体化しているが、以下その製造方法につい
て述べる。図5は樹脂層9と摺動部材10をモールドして
いるところを示すが、ポリエチレンの粉末9bを重量を予
め測定して、定量を下金型12の半球状の凹部に入れる。
そして内表面が鏡面状に研磨された摺動面を持つアルミ
ナセラミック製の摺動部材10をその上にのせ、該摺動部
材10の半球面と精密に一致させた凸状の半球面を持つ上
金型13を徐々に降下させながら上下金型を加熱し、ポリ
エチレンの粉末9bを溶融させ、加圧した後に徐々に冷却
する。上記摺動部材10の外表面にはアンダーカット部14
が設けてあり、冷却されるに従ってポリエチレンは収縮
しアルミナセラミック製の摺動部材10と強固に固定され
る。このようにして複合一体化された部材を、前述のよ
うにチタン合金製の外殻6に叩き込み固定用のツメ6aを
用いて固定する。
【0026】このように作成された人工股関節を用いる
ことによって: 1.セラミック製の摺動部材の外側に樹脂を配設するこ
とによってセラミックの破損を防止できる; 2.ポリエチレン等の樹脂材料よりなる樹脂リングの配
設によりセラミック製の摺動部材と金属製のステムネッ
クとの当接がなくなり、同時に該樹脂リングが、樹脂層
と協働して、ステムネックとの当接部分における偏荷重
を十分に吸収するため、この部分における該押力による
セラミックの破損が生じることがなく、また、ステムネ
ックよりの金属の摩耗粉の発生を引き起こすことがな
い; 3.摺動部材をセラミックどうしにすることによりポリ
エチレンの摩擦粉の発生が皆無であり、回りの細胞に悪
影響を及ぼさない; 4.関節の減りがなく、若い人にも使用することができ
る; 等のことが実現できるようになった。
【0027】
【考案の効果】上述のように、本考案による人工股関節
によればポリエチレンの摩耗粉の発生もなく、又セラミ
ック骨頭球等の関節摺動部材の破損の心配もなく、長期
に安全で安定した成績を期待することができ、歩行回復
に絶大なる威力を発揮し、長時間人工関節の安定した性
能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の人工股関節のステムと臼蓋ソケットを
それぞれ大腿骨と骨盤に挿着した状態を示す部分破断側
面図である。
【図2】本考案の人工股関節の構成要素である臼蓋側ソ
ケットの断面図である。
【図3】本考案の人工股関節の構成要素である樹脂リン
グの縦断面形状を示す斜視図である。
【図4】本考案の人工股関節のもうひとつの態様を示す
断面図である。
【図5】本考案実施例による人工股関節の構成部分であ
る臼蓋側ソケットの樹脂層とアルミナ摺動部材をモール
ドしているところを示す、その装置とポリエチレン粉末
と該アルミナ摺動部材の斜視断面図である。
【符号の説明】
骨頭球 1 ステム本体 2 ステムネック 2a 大腿骨 3 セメント 4 臼蓋側ソケット 5 外殻 6 ツメ 6a ネジ 7 貫通穴 7a 骨盤 8 樹脂層 9 摺動部材 10 樹脂リング 11 粉末 9b 下金型 12 上金型 13 アンダーカット部 14 、15

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大腿骨の骨髄腔中に挿入されるステムと
    該ステムの先端部に骨頭球を具備し、さらにこの骨頭球
    を受座するための臼蓋ソケットで構成される人工股関節
    において、骨頭球を受座する臼蓋側ソケットにおける摺
    動部材の材質がセラミックから成り、その外側にはポリ
    エチレン等の樹脂層が配設してあり、さらに上記セラミ
    ック製の摺動部材の周縁部にはポリエチレン等の樹脂よ
    りなる樹脂リングが固定してあることを特徴とする人工
    股関節。
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