JP2566069B2 - ハーメチック被覆光ファイバの製造方法とその装置 - Google Patents

ハーメチック被覆光ファイバの製造方法とその装置

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JP2566069B2
JP2566069B2 JP3108734A JP10873491A JP2566069B2 JP 2566069 B2 JP2566069 B2 JP 2566069B2 JP 3108734 A JP3108734 A JP 3108734A JP 10873491 A JP10873491 A JP 10873491A JP 2566069 B2 JP2566069 B2 JP 2566069B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,アモルファス(非晶
質)カーボンなどの導電性ハーメチック被覆を有する光
ファイバのハーメチック被覆の成膜状態をオンラインで
評価して,その評価結果に基づいてハーメチック被覆を
形成させるハーメチック被覆光ファイバの製造方法およ
びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に光ファイバ心線(ケーブル)は,
石英製の光ファイバ母材(プリフォーム)から紡糸され
たコアとクラッドから構成される光ファイバの表面に保
護用プラスチック被覆を設けることにより製造されてい
る。このようなプラスチック被覆を有する光ファイバ心
線は,大気中の水素や水分のコアへの透過侵入によって
光信号の伝送損失が時間の経過と共に増加する性質があ
る。このような光ファイバ心線の欠点を解消するため
に,光ファイバ素線の表面,すなわち,クラッドの外表
面に緻密な構造を有するアモルファスカーボン等の無機
物質よりなるハーメチック被覆を設けて,水素分子や水
分子のコア部への透過を防ぐ構造のハーメチック被覆光
ファイバ心線が提案されている。
【0003】このようなハーメチック被覆光ファイバ心
線は,光ファイバ母材から紡糸した直後のコアおよびク
ラッドを有する光ファイバを,反応管内においてハーメ
チック被覆形成用原料ガスに接触させ,反応管の外に設
けられたヒータからの熱および紡糸直後の光ファイバ自
体の熱を利用することによって,上記原料ガスを熱分解
反応させてクラッドの外表面にアモルファスカーボン等
のハーメチック被覆を形成させて製造される。その後,
ハーメチック被覆の外表面にプラスチック被覆などの保
護用被覆を施して光ファイバ心線とする。かかる構造の
ハーメチック被覆光ファイバ心線は,前述したハーメチ
ック被覆が有する特徴のため水素や水分の光ファイバの
コア部への透過侵入を防止して長期間にわたって光信号
の伝送損失を増加させず,さらに光ファイバの外表面を
機械的に保護し光ファイバの機械的強度を高めるという
効果を奏する。
【0004】このようなハーメチック被覆光ファイバ心
線では,ハーメチック被覆のケーブル長手方向の安定性
が重要であり,膜質や膜厚変動が1か所でもあると,膜
厚の薄い部分から水素分子や水分子が光ファイバのコア
部に侵入し伝送損失の増加を招くこととなる。そこで,
ハーメチック被覆が光ファイバ全長に渡って均一に設け
られていることを保証する必要がある。アモルファスカ
ーボンなどのハーメチック被覆は,通常,500〜10
00Åの膜厚を有し,数〜数10KΩ/cmの電気抵抗値
を持った導電体でもある。したがって,ハーメチック被
覆の成膜状態を評価する1つの方法としてその電気抵抗
値を測定することがハーメチック被覆の成膜状態を評価
する上で有効である。従来知られているハーメチック被
覆の成膜状態を評価する方法は,ハーメチック被覆の外
表面に形成されたプラスチック被覆を除去し,剥き出し
になったハーメチック被覆をテスターを用いてその電気
抵抗値を測定するオフラインかつ破壊方式の評価方法で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のオフラインかつ
破壊方式による電気抵抗測定方法では,ハーメチック被
覆が形成され,さらにプラスチック被覆などの保護被覆
が形成された製品として完成された段階で行われるか
ら,ハーメチック被覆の成膜状態に不良が検出されたと
しても,その結果をハーメチック被覆形成段階にオンラ
インで製造工程にフィードバックして,その後連続して
形成されるハーメチック被覆を所定の品質を維持するた
めに有効に使用することができない。また従来の破壊方
式による電気抵抗測定方法では,部分的な抜き取り検査
となり,光ファイバ素線全長にわたってプラスチック被
覆を除去することはできないから,光ファイバ素線のケ
ーブル長手方向全長にわたって連続的にハーメチック被
覆の成膜状態を検査することは出来ない。したがって,
その検査結果を有効にハーメチック被覆形成にフィード
バックさせることができない。ハーメチック被覆形成段
階で未然に不良ハーメチック被覆が形成されないように
することが望まれるが,以上から明らかなように,従来
の電気抵抗測定方法では不良ハーメチック被覆が形成さ
れないように,ハーメチック被覆の形成段階で品質管理
を行うことができない。また,従来の他の方法として
は,保護被覆を形成させる前に電気抵抗測定用プロープ
をハーメチック被覆に直接接触させる接触電気抵抗測定
方式が考えられるが,プローブなどを移動しているハー
メチック被覆に直接接触させるとハーメチック被覆に傷
などがつき光ファイバの強度低下の原因になる場合があ
り,その従来方法を採用することはできない。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め,本願発明者は,渦電流検出方法によって,導電性ハ
ーメチック被覆の電気抵抗値を非接触でかつオンライン
で測定することを見出した。本発明によれば,コアおよ
びクラッドを有する光ファイバに導電性ハーメチック被
覆を形成する光ファイバの製造方法において,渦電流検
査法に基づいて上記ハーメチック被覆の電気抵抗値を非
接触かつオンラインで測定し,この測定した電気抵抗値
に基づいてハーメチック被覆形成条件をオンラインで調
整することを特徴とするハーメチック被覆光ファイバの
製造方法が提供される。好適には,上記渦電流検査法
は,渦電流を発生させるに充分な高周波電流をその周波
数より充分低い周波数で変動させ平均強度を変化させて
行う。また本発明によれば,上記ハーメチック被覆光フ
ァイバの製造方法を行う装置,すなわち,導電性ハーメ
チック被覆が形成された光ファイバの移動経路の近傍に
配設された渦電流発生および検出用コイル,このコイル
に,その平均強度が変化し,上記ハーメチック被覆に渦
電流を発生させる高周波電流を印加する手段,上記コイ
ルでハーメチック被覆に発生した渦電流を検出した渦電
流検出値からハーメチック被覆の電気抵抗値を算出する
手段,この算出された電気抵抗値に基づいてハーメチッ
ク被覆形成装置を制御するプロセス制御手段を有するハ
ーメチック被覆光ファイバ製造装置が提供される。
【0007】
【作用】渦電流検査法は,導体を交番磁場中に置くとそ
の導体内に磁界を打ち消す方向に渦電流が流れ,この渦
電流の大きさや分布が,導体の形状,導電率,透磁率,
内部欠陥などにより変化することを利用してハーメチッ
ク被覆の電気抵抗値を測定するという原理に基づく。つ
まり,渦電流検査方法は,渦電流により発生する磁界が
相互誘導により渦電流発生・検出用コイルのインピーダ
ンスを変化させるので,このインピーダンスの変化を電
圧値や位相の変化として検出する。特に,本発明におい
ては,電気抵抗値を複素インピーダンス平面における位
相角として検出する。好適には,渦電流を発生されるに
充分な高周波電流をその周波数より充分低い周波数で変
動させてハーメチック被覆の渦電流発生用平均強度を変
化させると,ドリフトなどの影響を受けない位相角を規
定する2点が得られ,電気抵抗値を正確に測定できる。
渦電流検査法によってハーメチック被覆の電気抵抗値を
測定したら,その電気抵抗値からハーメチック被覆の膜
厚形成状態を評価する。この評価結果をハーメチック被
覆形成装置にフィードバックする。
【0008】
【実施例】図1は本発明の第1実施例のハーメチック被
覆光ファイバ製造装置の構成図である。このハーメチッ
ク被覆光ファイバ製造装置は,光ファイバ母材(プリフ
ォーム)1を線引(紡糸)するためヒータ5が配設され
た線引炉(図示せず),反応管6,レーザーファイバ外
径測定器9,樹脂被覆用ダイス10,キャプスタンロー
ラー11,ダンサーローラー12,巻取りドラム13を
有している。ハーメチック被覆光ファイバ製造装置はま
た,シールガスおよび希釈ガスとして用いる不活性ガ
ス,本実施例では窒素(N2 )ガスが充填された窒素ガ
スボンベ14,ハーメチック被覆形成用原料ガス,本実
施例ではアセチレン(C2 2 )ガスが充填されたアセ
チレンガスボンベ15,これらの供給量を制御するマス
フローコントローラ(MFC)23〜26を有してい
る。ハーメチック被覆光ファイバ製造装置はさらに,渦
電流発生・検出用コイル20,このコイル20に高周波
電流を供給しハーメチック被覆の電気抵抗値を測定する
電気抵抗測定装置21,および,プロセス制御装置22
を有している。
【0009】反応管6は上部シールゾーンに窒素ガスボ
ンベ14からシールガスであるN2 ガスを封入する上部
シールガス入口6A,下部のシールゾーンにN2 ガスを
封入する下部シールガス入口6Cを有している。これら
のシールガスの質量制御はMFC23,26が行う。上
部シールガス入口6Aの下部に原料ガス入口6Bが設け
られており,MFC24およびMFC25によって,原
料ガスのC2 2 ガスと希釈ガスとしてのN2 ガスが反
応部6Eに導入される。使用ずみのガスは排気ポンブ8
が排出口6Dから排出する。上部シールガス入口6Aと
下部シールガス入口6Cとの間の内部空間6Eがハーメ
チック被覆を形成させる反応部である。この反応部6E
の圧力を測定するため圧力センサ7が配設されている。
【0010】プリフォーム1を線引炉で線引して,たと
えば,直径10μmのコアと,このコアの外部に形成さ
れた外径125μmのクラッドとを有する光ファイバ2
が形成される。この光ファイバ2は反応管6に導入され
て線引炉から導出された直後の光ファイバ2自体の熱,
あるいは,この熱と反応管6の外部に配設されるヒータ
(図示せず)からの熱によって,反応部6B内に導入さ
れたC2 2 ガスが加熱反応しクラッドの表面にカーボ
ンが析出されて厚さ500〜1000Åのアモルファス
・カーボンハーメチック被覆が形成され,裸の光ファイ
バ素線2Aとして反応管6から引き出される。MFC2
4,25はハーメチック被覆が形成されるように,C2
2 ガスおよびN2 ガスを適切に質量(流量)制御を行
う。裸の光ファイバ素線2Aはレーザー外径測定器9を
通過するときその外径が測定される。レーザー外径測定
器9を通過した光ファイバ2Aは樹脂被覆用ダイス10
においてプラスチック樹脂が保護被覆として付着され,
ハーメチック被覆光ファイバ素線2Bとなる。図2に上
記製造工程で製造されたハーメチック被覆光ファイバ素
線2Bの断面を示す。内部から外部に向けて,コア2
a,クラッド2b,アモルファス・カーボンハーメチッ
ク被覆2c,プラスチック被覆2dが形成され,それぞ
れ上述した厚さを有している。このハーメチック被覆光
ファイバ素線2Bはキャプスタンローラー11,ダンサ
ーローラー12を介して搬送され,巻取りドラム13で
巻き取られる。
【0011】本実施例においては,キャプスタンローラ
ー11とダンサーローラー12の間に,移動するハーメ
チック被覆光ファイバ素線2Bに接近させて渦電流発生
・検出用コイル20を配設して,プラスチック被覆2d
の外側から非接触状態でハーメチック被覆2cの電気抵
抗値をオンラインで測定する。図3に示すように,渦電
流発生・検出用コイル20は円筒状コイル201が空心
樹脂202内に固められて形成されている。図3はま
た,ハーメチック被覆光ファイバ素線2Bに渦電流を発
生させるに充分な高周波電流を渦電流発生・検出用コイ
ル20に供給し,このコイル20からの渦電流検出値を
入力する電気抵抗測定装置21の構成を示す。電気抵抗
測定装置21は,ハーメチック被覆光ファイバ素線2B
に渦電流を発生させるに充分な高周波電流,たとえば,
振幅A1は実効値で5mA,周波数f1 =2〜3MHZ
の電流を発生させる高周波電流源211,バイアス電流
D1=500mAの直流電流を発生させるバイアス電源
212,電流加算回路214,制御回路215,および
スイッチング回路216を有している。
【0012】この電気抵抗測定装置21によって渦電流
発生・検出用コイル20に印加される検査用電流の波形
を図4に示す。制御回路215が高周波数f1 よりも充
分低い周波数f2 ,たとえば,周波数f1 の100分の
1の周波数f2 =200HZ でスイッチング回路216
をオン・オフさせることにより,バイアス電流D1でバ
イアスされた高周波電流が渦電流発生・検出用コイル2
0に断続的に印加される。本実施例では,検出用電流の
平均強度を図4に示すように,検出用高周波数2MHZ
よりも充分低い周波数200HZ で検出用高周波電流を
断続的にオン・オフさせた。オンタイミングの電流の周
波数は高い周波数2MHZであるが,その振幅はオン・
オフするときの振幅より充分小さい。このようにオン・
オフするのは,オン時の渦電流とオフ時の渦電流を検出
してこの2点で規定される複素インピーダンスベクトル
の位相角を正確に測定するためである。
【0013】ハーメチック被覆光ファイバ素線2Bの電
気抵抗値は,図5に示すように,渦電流発生・検出用コ
イル20が検出した渦電流から求めた複素インピーダン
ス平面における位相角θとして規定される。図5の横軸
Xは複素インピーダンスの実数部,縦軸Yは複素インピ
ーダンスの虚数部を示す。実際に抵抗値の異なる下記の
3つのサンプルa〜c,すなわち,ハーメチック被覆光
ファイバ心線内の3種のハーメチック被覆に対する測定
結果に基づく複素インピーダンスべクトルの位相角θa
〜θc を示す。 サンプルaの抵抗値=4.6KΩ/cmのときθa =21° サンプルbの抵抗値=7.0KΩ/cmのときθb =19° サンプルcの抵抗値=9.3KΩ/cmのときθc =13° この測定結果は下記の渦電流発生・検出用コイル20お
よび高周波電流印加条件で求めた。 検出コイル201の内径 1.6mmΦ 検出コイル201の線径 0.05mmΦ 検出コイルのターン数 150 検出コイルの長さ 10mm 検出コイルに流す検出用高周波数電流の周波数f1 2MHz 検出用電流の平均強度を変化させるオン・オフする周波数f2 200Hz 光ファイバ2Bの走行速度(線速) 600m/min
【0014】以上の結果は,サンプルとなるハーメチッ
ク被覆2cの電気抵抗値の増加につれて位相角θが小さ
くなっており,位相角θがサンプルの電気抵抗値に依存
していることを示している。したがって,電気抵抗測定
装置21内の制御回路215にマイクロコンピュータな
どの演算手段を配設して,上記位相角θからハーメチッ
ク被覆光ファイバ素線2Bの電気抵抗値を計算すること
ができる。なお,図5において,渦電流発生・検出用コ
イル20に検査用電流が印加されたONタイミングにお
ける出力点が,1点にならず位相角θ方向に伸びている
のは,走行するハーメチック被覆光ファイバ素線2Bの
振動による。コイル20に印加する検出用電流がオフの
時は,出力は零となるため原点位置になるから,この時
に毎回,零点の補正を行う。したがって,出力の零点が
温度によってドリフトすることによる影響をなくすこと
ができる。
【0015】図6にハーメチック被覆2cの電気抵抗値
の変化を示す。図6の曲線CV1はMFC24が同じ設
定条件でC2 2 ガスを原料ガス供給入口6Bに導入し
たときの変化を示す。このときの光ファイバ製造条件を
下記に示す。 線引炉の温度 2100°C 線引速度 600m/min 反応管6内圧力 −30mmAq シールガス流量 10リットル/min 原料ガス流量 1リットル/min 希釈ガス流量 9リットル/min 渦電流発生・検出用コイル20の形状は上記したものと
同じである。通常,ハーメチック被覆2cの電気抵抗値
は10KΩ/cm前後であるが,曲線CV1は,MFC
24が同じ設定値であっても,ハーメチック被覆2cの
電気抵抗値が増加すること,換言すれば,膜厚が薄くな
ることを示している。その理由としては,時間経過とと
もにカーボンが反応部6Eの内壁に付着して管径が細く
なりガス流速が大きくなるため,クラッド2bの外表面
に付着するカーボン量が低下するためと考えられる。
【0016】上記ハーメチック被覆2cの成膜状況のオ
ンライン補正を行うため,本発明においては,電気抵抗
測定装置21において計算したハーメチック被覆2cの
電気抵抗値をプロセス制御装置22に出力する。プロセ
ス制御装置22は,この電気抵抗値が所定の範囲,たと
えば,10KΩ/cmになるようにMFC24に制御指
令を出力する。MFC24はプロセス制御装置22から
の制御指令に基づいて,アセチレンガスボンベ15から
反応部6Eに導入されるC2 2 ガスの流量を低下させ
て,クラッド2bの外表面に所定の厚さのアモルファス
カーボン被覆が形成されるようにする。このようにC2
2 ガスの流量を制御して,図6の曲線CV2に示すよ
うにハーメチック被覆2cの電気抵抗値をほぼ10KΩ
/cmに保ち,ハーメチック被覆2cの膜厚が所定の
値,たとえば,1000Åになるようにする。このよう
にC2 2 ガスの導入量を形成されたハーメチック被覆
2cの電気抵抗値をフィードバックさせることにより,
後続して形成されるハーメチック被覆2cの膜厚を正確
に管理することができる。
【0017】図7に本発明の第2実施例のハーメチック
被覆光ファイバの製造装置の構成を示す。この実施例
は,図1にハーメチック被覆光ファイバの製造装置の構
成と比較すると明らかなように,プロセス制御装置22
からのフィードバックをヒータ5を制御する温度調整器
27の設定値を変化させるように構成したものである。
すなわち,この例は第1実施例のように直接,カーボン
流量を制御するのではなく,線引炉における線引温度を
制御する。図8A〜図8Cに電気抵抗値と線引温度との
関係を示す。この図は,電気抵抗値がそれぞれ10,1
5,20KΩ/cmにおける線引温度,そして線速を示
す。線引温度を低下させると,コア2aおよびクラッド
2bからなる光ファイバの直径が細くなり,線速が遅く
なる。これにより,原料ガスの分解温度を効果的に低下
させることができる。さらに,第1実施例を参照して述
べたように,反応部6E内の変化によって電気抵抗値が
上昇するため,個々の設定条件では,ハーメチック被覆
2cの電気抵抗値を一定にするように線引温度を徐々に
上昇させている。
【0018】本発明の実施に際しては,上述した第1実
施例と第2実施例とを組み合わせることもできる。また
図1および図7において,渦電流発生・検出用コイル2
0を樹脂被覆用ダイス10とキャプスタンローラー11
との間に配設してもよい。さらに,本発明においては,
渦電流発生・検出用コイル20とハーメチック被覆2c
とは接触しないので,レーザー外径測定器9と樹脂被覆
用ダイス10との間に配設して,ハーメチック被覆2c
の電気抵抗値を測定することもできる。
【0019】また渦電流発生・検出用コイル20に印加
する高周波電流は上述した図4に示した波形の他,種々
の波形の高周波電流を印加することができる。図9にそ
の高周波電流波形を示す。この高周波電流は,渦電流発
生・検出用コイル20に流す検出用電流の周波数を3M
Hzとし,検出用電流の平均強度を50Hzで変化させ
たものである。すなわち,第1実施例では高周波電流を
断続(オン・オフ)させたが,この第2実施例では,正
弦波状に変化させる。この例においては,高周波電流の
振幅A2は実効値で3mA,低周波交流の振幅A3は実
効値で10mA,直流バイアス電流D2は20mAであ
った。この場合,電気抵抗測定装置21は,図3に示す
ように,高周波数f3 =3MHZ の交流電源211と,
破線で示した低周波数f4 =50HZ の交流電源21
3,たとえば,商用周波数電源を有し,さらに,50H
Z の交流電流に3MHZ の電流を加算する回路214を
有している。この加算された交流電流は渦電流発生・検
出用コイル20に印加される。この例においても,上述
したように,ハーメチック被覆2cの電気抵抗値に応じ
た位相角を求めることができ,その位相角からハーメチ
ック被覆2cの電気抵抗値を算出することができる。直
流バイアス電源212の出力電流を調整することによ
り,出力点が原点(零点)に近づいた時に,信号の変化
の直線が零点を通るように,補正することができる。ま
た補正をしなくとも複素インピーダンス・ベクトルの方
向のみ,すなわち位相角θを測定すれば,零点のドリフ
トとは関係なく安定した測定が可能である。
【0020】ハーメチック被覆2cの電気抵抗値を非接
触かつオンラインで行う他の実施例について述べる。図
10は,図1または図7の部分図を示す。この実施例に
おいては,電気抵抗測定装置21がキャプスタンローラ
ー11とダンサーローラー12との間に配設された振動
台28を,渦電流を発生させる高周波電流の1/10程
度の200HZ 程度の振動数で高速に振動させ,この載
置台28に載置された渦電流発生・検出用コイル20を
移動するハーメチック被覆光ファイバ素線2Bの近傍で
高速に振動させる。この振動は上述した高周波電流を低
い周波数電流に加算して平均電力を変化させることに等
しい。したがって,この方法によっても,移動するハー
メチック被覆光ファイバ素線2B内のハーメチック被覆
2cの電気抵抗値を非接触かつオンラインが正確に測定
することができる。なお,渦電流発生・検出用コイル2
0を固定しておき,移動するハーメチック被覆光ファイ
バ素線2Bを渦電流発生・検出用コイル20に対して振
動させてもよい。以上から明らかなように,渦電流発生
・検出用コイル20とハーメチック被覆光ファイバ素線
2Bとの間を渦電流発生用高周波電流の周波数の1/1
0程度の周波数で接近・離間させることにより,上述し
たと同様にハーメチック被覆2cの電気抵抗値を測定す
ることができる。
【0021】以上の実施例はハーメチック被覆としてア
モルファスカーボン被覆を例示したが,導電性被覆であ
れば上記本発明の方法および装置を適用することができ
る。したがって,たとえば,本発明をアルミニウムなど
の導電性被覆を有するケーブルなどの製造にも用いるこ
とができる。
【0022】
【発明の効果】以上に述べたように,本発明によれば,
移動しているハーメチック被覆光ファイバ素線内の導電
性ハーメチック被覆の電気抵抗値を非接触かつオンライ
ンで測定し,その結果をハーメチック被覆形成にフィー
ドバックさせることができるので,ハーメチック被覆形
成条件の変化に依存せず,一定の条件を充足するハーメ
チック被覆を形成することができ,不良品の発生を防止
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のハーメチック被覆光ファ
イバの製造装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示したハーメチック被覆光ファイバの製
造装置において製造されるハーメチック被覆光ファイバ
心線の断面図である。
【図3】図1における電気抵抗測定装置および渦電流発
生・検出用コイルの構成を示す図である。
【図4】図3の電気抵抗測定装置によって渦電流発生・
検出用コイルに印加される電流波形図である。
【図5】図4に示した渦電流発生・検出用コイルによっ
て検出されるハーメチック被覆の電気抵抗値に相当する
位相角測定結果を示すグラフである。
【図6】ハーメチック被覆形成工程における時間経過に
よって変化するハーメチック被覆の電気抵抗値の時間変
化を示すグラフである。
【図7】本発明の第2実施例のハーメチック被覆光ファ
イバの製造装置の構成を示す図である。
【図8】図7に示したハーメチック被覆光ファイバの製
造装置によるハーメチック被覆の電気抵抗値,線引温度
および線速の関係を示すグラフである。
【図9】図3に示した電気抵抗測定装置によって渦電流
発生・検出用コイルに印加される電流波形の変形例を示
す図である。
【図10】本発明のハーメチック被覆光ファイバの製造
装置におけるハーメチック被覆の電気抵抗値を測定すの
他の方法として,渦電流発生・検出用コイルをハーメチ
ック被覆光ファイバ素線に対して振動させる構成を示す
図である。
【符号の説明】
1・・プリフォーム,2B・・ハーメチック被覆光ファ
イバ素線,2c・・ハーメチック被覆,5・・線引炉の
ヒータ,6・・反応管,6E・・反応部,7・・圧力セ
ンサ,9・・レーザー外径測定器,10・・樹脂被覆用
ダイス,11・・キャプスタンローラー,12・・ダン
サーローラー,13・・巻取りドラム,14・・窒素ガ
スボンベ,15・・アセチレンガスボンベ,20・・渦
電流発生・検出用コイル,21・・電気抵抗測定装置,
22・・プロセス制御装置,23〜26・・MFC,2
7・・温度調整器,28・・振動載置台。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアおよびクラッドを有する光ファイバ
    に導電性ハーメチック被覆を形成する光ファイバの製造
    方法において,渦電流検査法に基づいて上記ハーメチッ
    ク被覆の電気抵抗値を非接触,オンラインで測定し,こ
    の測定した電気抵抗値に基づいてオンラインでハーメチ
    ック被覆形成条件を調整することを特徴とするハーメチ
    ック被覆光ファイバの製造方法。
  2. 【請求項2】 導電性ハーメチック被覆が形成された光
    ファイバの移動経路の近傍に配設された渦電流発生およ
    び検出用コイル,このコイルに,その平均強度が変化
    し,上記ハーメチック被覆に渦電流を発生させる高周波
    電流を印加する手段,上記コイルでハーメチック被覆に
    発生した渦電流を検出した渦電流検出値からハーメチッ
    ク被覆の電気抵抗値を算出する手段,この算出された電
    気抵抗値に基づいてハーメチック被覆形成装置を制御す
    る制御手段を有するハーメチック被覆光ファイバ製造装
    置。
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