JP2565970B2 - 内視鏡用可撓管 - Google Patents

内視鏡用可撓管

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JP2565970B2 JP63058058A JP5805888A JP2565970B2 JP 2565970 B2 JP2565970 B2 JP 2565970B2 JP 63058058 A JP63058058 A JP 63058058A JP 5805888 A JP5805888 A JP 5805888A JP 2565970 B2 JP2565970 B2 JP 2565970B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は内視鏡用可撓管、詳しくは、内視鏡用可撓管
における網管の改良に関する。
[従来の技術] 内視鏡の体腔内挿入部の主体を構成する可撓管は、周
知のように、弾性帯状板をスパイラル状に巻回したフレ
ックスと呼ばれる螺旋管と、この螺旋管の上に被覆され
たブレードと呼ばれる網管と、この網管の上に被着され
た熱可塑性エラストマ等からなる外皮とで形成されてい
る。このように構成された可撓管は内視鏡の使用に際し
ては、繰り返し体腔内への挿入および抜去が行なわれる
ので、その都度、曲げ,捩り等の力が頻繁に加わる。こ
のため、第9図に示すように、可撓管31の網管33と外皮
34間で剥離が発生し、外表面に凹凸が生ずることがあ
る。このように網管33と外皮34間に剥離が生じると、そ
の剥離部分の凹凸箇所が極度に軟化するため、体腔内へ
の挿入,抜去が不円滑となり、挿入性が損なわれること
になる。なお、第9図中、符号32はフレックス(螺旋
管)を示している。
従って、従来ではこのような欠点を解消するために特
開昭59-36号公報に示されるように、可撓管のブレード
(網管)を、外皮との接着性の強い合成繊維等の非金属
繊維と、金属細線を織り交ぜた混紡ブレードで形成し
て、外皮との密着性を高めるようにしたものが提供され
ている。
ところで、上述した金属細線と、非金属繊維との混紡
で形成された混紡ブレードは、第7図に示すようなブレ
ード編組機20によって形成される。このブレード編組機
20は、ドーナッツ状の回転体の周縁部に連続する8の字
状の案内溝22が設けられた編組機本体21と、この編組機
本体21の案内溝22に支軸が嵌合し、同案内溝22にガイド
されて正弦波状に移動するクリーク(糸巻具)23と、上
記編組機本体21の中心孔21aに挿通された芯材24とで、
その主要部が構成されており、上記クリーク23に巻き付
けられた金属細線11(第8図参照)と非金属繊維12とか
らなる単位繊維束13が正弦波状に移動する各クリーク23
から引き出されて矢印方向に進行する芯材24に巻き取ら
れることによってブレード8が編組されるようになって
いる。この単位繊維束13が24束で編組されるのが一般的
である。即ち、第7図におけるクリーク23が24個の場合
が一般的である。
一方、可撓管が良好な外観を得、かつ可撓管を曲げた
ときに上記繊維束13の動きが規制されないためには、第
8図に示すように、可撓管の軸方向に対して垂直な上記
繊維束13の交叉部外周線上における各繊維束13の幅の合
計を、上記外周線の全長q〜q′に対し80〜85%とした
ものが優れていることが知られている。即ち、第8図に
おけるyの値がq〜q′に対し80〜85%となるものが優
れていることが知られている。そして、上記yの値が小
さくなる、即ち上記q〜q′に対し80%以下になると外
皮9(第1図参照)のブレード8への浸み込みが増すな
どして可撓管4(第2図参照)の外周面に凹凸が生じる
などして外観が著しく悪化する。また上記yの値が上記
q〜q′に対して85%以上となると、交叉部における空
隙部14が不足して可撓管4の曲げに対して繊維束13の動
きが著しく規制され、可撓管が蛇行したり、網管8の耐
性が低下したりして、その機能を著しく劣化させること
が実験的に証明されている。
[発明が解決しようとする課題] 周知のように、内視鏡挿入部の可撓管における網管
(ブレードという)と外皮との接着力は、主として非金
属繊維と外皮との接着力に依存している。しかし、従来
のブレードは、上述したように繊維束13が24束で編み上
げられており、従って、各繊維束の交叉部外周線上では
ブレード全周に対しては12ケ所しか非金属繊維部分は外
皮と接しない。よってその接着力は接着の均一性という
点で不十分ではあり、部分的に弱い所が生じたりして、
ブレードと外皮との剥離を招いていた。
従って、本発明の目的は、上述したような従来の可撓
管におけるブレードと外皮との接着力の不足をカバー
し、ブレードそのものの耐性を維持しながら、より最適
なブレードと外皮との接着性を得るようにした内視鏡用
可撓管を提供するにある。
[課題を解決するための手段および作用] 本発明は、上記目的を達成するために上記ブレード
(網管)を28束〜32束の繊維束を編組して形成し、可撓
管の軸方向に対して垂直な上記繊維束の交叉部外周線上
における各繊維束の幅の合計が、上記外周線の全長に対
し、28束の場合は77%〜83%、32束の場合は73%〜80%
の割合となるようにしたことを特徴とするものである。
[実施例] 以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明する。
第2図は、本発明の内視鏡用可撓管が組み込まれた内
視鏡の全体の構成を示す概要図であって、この内視鏡1
は、操作部本体2と体腔内挿入部3とからなり、体腔内
挿入部3は操作部本体2側から順に可撓管4,弯曲管5,先
端構成部6と連設されて構成されている。
第1図は、本発明の一実施例を示す内視鏡用可撓管の
構成を示す要部の断面図である。この可撓管4は、弾性
帯状板をスパイラル状に巻いた螺旋管7と、この螺旋管
7を被覆する金属線11(第3図参照)と合成繊維12との
混紡織りで編組されたブレード8と、このブレード8の
外側全周にわたり被着された熱可塑性エラストマからな
る外皮9とで構成されている。
そして、上記ブレード8は、第3図に示すように、複
数本並列に配置した金属線11と同じ複数本並列に配置し
た合成繊維からなる非金属繊維12とをフラットに並べて
一単位繊維束13として編み上げて形成されている。本実
施例においては、線径が略同径の金属線11が5本,非金
属繊維12が3本の8本の単位繊維束13が32束で編組され
るようになっている。第3図においてl〜l′線は各単
位繊維束13の交叉部を結ぶ線であって、可撓管4の管軸
方向と垂直な方向となっている。このように形成された
ブレード8を第4図に示すように一単位繊維束13に分け
て見たとき、可撓管4の軸方向に対して垂直な上記単位
繊維束13の交叉部外周線上における各単位繊維束13の幅
の合計y(p−p″)の上記外周線の全長x(p−
p′)に対する比率を73%〜80%として空隙部14を形成
するようにしている。
また、本実施例におけるブレード8は、32束の単位繊
維束で編組されているので、第5図に示すように、可撓
管4の管軸に対して垂直な単位繊維束13の交叉部外周線
上に16個と多く並列するようになる。
このように構成された本実施例における内視鏡用可撓
管4は、非金属繊維12の外皮9への接着部分が細分され
(従来の12から16へ)、よりむらのないブレード8と外
皮9との接着性が得られると共に、空隙部14も十分確保
されているので、可撓管4の曲げに対する単位繊維束13
の動きが規制されるようなこともなく、スムーズな弯曲
を得ることができる。
次に、上記第4図において、単位繊維束13の交叉部外
周線上における単位繊維束13の幅yの上記外周線の全長
xに対する比率を73〜80%にした理由について更に詳し
く説明する。一般に、従来のように24束の繊維束で編組
したブレードと本発明のように32束の繊維束で編組した
ブレードとでは、その束の数が異なるものの、第6図に
示すように、可撓管4におけるブレード8は、同一径d
を有して同じ弯曲角Rだけ弯曲した場合は、上記単位繊
維束13の編組角α(第4図参照)が等しい限り全く同様
の動きをする。故に、各空隙部14は従来のものと同様の
幅が必要となる。
ところが、前述した従来の24束の単位繊維束で編組し
たブレードの場合のように、繊維束交叉部外周線上にお
ける単位繊維束の幅が上記外周線の全長に対して、例え
ば85%とすると、各単位繊維束13の空隙部14が だけ、その幅が狭くなってしまう。
つまり、外周線上での割合は同一だが、各空隙14は
(i)式だけ、その幅が狭くなる。即ち、ブレードの動
きは規制されてしまう。
そこで、従来の24束の単位繊維束で編組した場合の上
記各空隙部14を、従来の空隙部と同様の幅とするため
に、80〜85%に相当する比率を逆算すると、 の(ii),(iii)式からx=0.8,x=0.73が得られる。
即ち、従来のものの、24束のブレードにおける80〜85%
という数値は、本発明におけるブレードにおいて上記73
%〜80%に対応していることが明らかとなる。
そして、このように従来の接着箇所12ケ所(24束)か
ら本発明のように16ケ所(32束)に増加し、しかも空隙
部14の幅を変えないで、外周の径も増加しないという編
組手段は、例えば一つの繊維束を構成する繊維本数の
減少、繊維径の減少、編組角度の調整等によって行
なわれる。
また、上記実施例においては、ブレードを32束の単位
繊維束で編組し、上記繊維束交叉部外周線上における単
位繊維束の幅が上記外周線の全長に対する比率を73〜80
%としたが、これは、同じように考察し、接着力を従来
のものより多くするという観点から繊維束を28束として
同様に77〜83%としても良い。この場合も上記32束と同
様の効果が得られる。
なお、本実施例では金属線が5本,非金属繊維が3本
によって単位繊維束を構成したが、これらの組合わせ本
数は、例えば6本と2本、4本と3本等でもよく、本数
は任意に変えられることは勿論である。更にフレックス
も単層でなく、二層以上であっても良い。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、従来の可撓管に
おけるブレードの耐性を維持しながらブレードと外皮と
の接着力の不足をカバーし、ブレードと外皮とが剥離し
ない、外観も良好な内視鏡用可撓管を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示す内視鏡用可撓管の要
部断面図、 第2図は、上記第1図の内視鏡用可撓管が組込まれた内
視鏡の全体の構成を示す概要図、 第3図は、上記第1図の内視鏡用可撓管におけるブレー
ド(網管)の部分拡大斜視図、 第4図は、ブレードの単位繊維束の編み上げ状態を示す
部分平面図、 第5図は、ブレードの編み上げ状態を示す斜視図、 第6図は、可撓管の弯曲状態を示す要部断面図、 第7図は、混紡ブレードを製造する編組機の要部を示す
斜視図、 第8図は、従来のブレードの単位繊維束の編み上げ状態
を示す平面図、 第9図は、従来の内視鏡用可撓管における欠点を説明す
るための要部断面図である。1 ……内視鏡 4……可撓管 7……フレックス(螺旋管) 8……ブレード(網管) 9……外皮 11……金属細線 12……非金属繊維 13……単位繊維束

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯状弾性板材を螺旋状に巻回してなる螺旋
    管と、該螺旋管の外周に被覆されていて、金属繊維と非
    金属繊維を混紡にした繊維束を多数、編組して形成した
    網管と、該網管の外周に被覆した外皮とで構成された内
    視鏡用可撓管において、 上記網管を28束〜32束の繊維束を編組して形成し、可撓
    管の軸方向に対して垂直な上記繊維束の交叉部外周線上
    における各繊維束の幅の合計が、上記外周線の全長に対
    し、28束の場合は77%〜83%、32束の場合は73%〜80%
    の割合となるようにしたことを特徴とする内視鏡用可撓
    管。
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