JP2565710B2 - アゾグアニル化合物塩酸塩の製造法 - Google Patents

アゾグアニル化合物塩酸塩の製造法

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JP2565710B2
JP2565710B2 JP62110976A JP11097687A JP2565710B2 JP 2565710 B2 JP2565710 B2 JP 2565710B2 JP 62110976 A JP62110976 A JP 62110976A JP 11097687 A JP11097687 A JP 11097687A JP 2565710 B2 JP2565710 B2 JP 2565710B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高分子化合物製造に於ける重合開始剤とし
て有用なアゾグアニル化合物塩酸塩の製造方法に関す
る。
〔発明の背景〕
アゾグアニル化合物塩酸塩は、水溶性である為、特に
水溶液中での重合開始剤として有用な化合物である。
アゾグアニル化合物塩酸塩は、一般に次の合成ルート
で合成される。
即ち、例えばAIBN(2,2′−アゾビスイソブチロニト
リル)を出発物質として2,2′−アゾビス(イソブチル
アミジン)2塩酸塩を合成する場合を例にとって説明す
ると、適当な反応溶媒中AIBNに塩化水素ガスとアルコー
ルを反応させ、生成したイミノエーテル塩酸塩を単離
し、これをアルコール系溶媒中アンモニアガスと反応さ
せれば目的物が得られる。
また、最近、本発明者らは、イミノエーテルの合成法
について、上記アゾニトリルに代えてヒドラゾニトリル
を用い、塩化水素に代えて塩素を用いることによって、
同様の反応が進行することを見出し、先に特許出願して
いる(特願昭61−6092)。
このようにして得られたアゾイミノエーテルを上記と
同様アルコール系溶媒中アンモニアガス又は有機アミン
と反応させることによってもアゾグアニル化合物が得ら
れることは言うまでもない。
上記いずれの合成方法を選ぶにしても、イミノエーテ
ル化後は、通常イミノエーテル体を単離し、然る後これ
をアミジノ化反応に必要な溶媒中でアンモニアガス又は
有機アミンと反応させて、アゾグアニル化合物としてい
る。しかしながら、この方法は、イミノエーテル体の単
離工程に於て、塩酸ガスが甚だしく飛散する為、作業環
境面、設備面の両方の面で問題があり、工業的生産に当
って大きな障害となっている。一方、イミノエーテル化
後これを単離せずにそのままこの系にアミジノ化反応に
必要な溶媒を加え、アンモニアガス又は有機アミンを加
えて反応させた場合には、イミノエーテル化時通常過剰
に用いられ、残存している塩化水素と上記アンモニアガ
ス又は有機アミンとが反応して塩化アンモニウム又は有
機アミンの塩酸塩が副生し、これが目的とするアゾグア
ニル化合物中に混入してくる為、目的物の純度が著しく
低下する。また、これら不純物と目的物との分離は非常
に難しく、従ってこの方法によっては高品質のアゾグア
ニル化合物を得ることは極めて困難であった。
〔発明の目的〕
本発明は上記した如き状況に鑑みなされたもので、作
業環境面、設備面での上記問題点を有さず、工業的生産
が可能で、しかも高品質のものが容易に且つ収率よく得
られるアゾグアニル化合物塩酸塩の新規製造法を提供す
ることを目的とする。
〔発明の概要〕
本発明は、一般式[I] (式中、Rは炭素数1〜4の低級アルキル基を示し、
R1,R2はアルキル基又はシクロアルキル基を示す。またR
1とR2とで脂肪族環を形成していてもよい。)で示され
るアゾイミノエーテル塩酸塩にアンモニアガス又は有機
アミンを反応させて、 一般式[II] 〔式中、Gは 又は で示されるグアニル基(但し、R3,R4は夫々独立して水
素原子、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル
基、アリル基、フェニル基又は置換フェニル基を示し、
R5は置換基を有していてもよい低級アルキレン基を示
し、R6は水素原子又はヒドロキシアルキル基を示す。)
を示し、R1,R2は前記と同じ。〕で示されるアゾグアニ
ル化合物塩酸塩を製造する方法に於て、アゾイミノエー
テル塩酸塩を含む非極性溶媒中に、(1)アンモニアガ
ス又は有機アミンを加えて中和反応を行った後、アミジ
ノ化(グアニル化)反応に必要な溶媒(アミジノ化反応
を進行させ得る溶媒)と水とを加えてアミジノ化反応を
行うか、又は、(2)低級アルコールと、アンモニアガ
ス又は有機アミンを加えて中和反応並びにアミジノ化反
応を行った後、反応液に水を加えることにより製造する
ことを特徴とする高品質アゾグアニル化合物塩酸塩の製
造法である。
即ち、本発明者らは上記した目的を達成すべく鋭意研
究を重ねた結果、それ自体が水によく溶け、それによる
ロスが考えられることはさておき、本来水溶液状態では
極めて高活性で分解し易く、また、水を含んだ状態で放
置すると経済的に劣化することもよく知られているアゾ
グアニル化合物塩酸塩が存在する(或は生成してくる)
系に敢えて水を加えることにより、意外にも、このよう
な不所望の事態は殆ど起らず、上記した目的を極めて効
果的に達成し得ることを見出し、本発明を完成させるに
致った。
一般式[I]に於けるRとしては、例えば、メチル
基,エチル基,プロピル基、ブチル基等炭素数1〜4の
低級アルキル基が挙げられる。
一般式[I]及び[II]に於けるR1,R2としては、例
えば、メチル基,エチル,プロピル基,ブチル基,アミ
ル基,ヘキシル基等のアルキル基、例えば、シクロプロ
ピル基,シクロヘプチル基,シクロヘキシル基等のシク
ロアルキル基が挙げられ、互いに同じであっても異なっ
ていてもよく、また、R1とR2とが互いに結合し、 が、例えば、シクロヘキサン,シクロヘプタン,シクロ
オクタン等の如き脂肪族環を形成していてもよい。
一般式[II]に於けるグアニル基Gとしては、例え
ば、 又は で示されるグアニル基が挙げられ、R3,R4としは、水素
原子、例えばメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル
基,ペンチル基,ヘキシル基,オクチル基,ノニル基,
デシル基等のアルキル基(直鎖状,分枝状いずれにても
可)、例えばヒドロキシエチル基,ヒドロキシプロピル
基,クロロエチル基,ブロモエチル基,クロロプロピル
基,ブロモプロピル基,ベンジル基,フェネチル基等の
置換アルキル基、例えばシクロプロピル基,シクロヘプ
チル基,シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、アリ
ル基、フェニル基、例えば、トリル基,エチルフェニル
基,メトキシフェニル基,エトキシフェニル基,ヒドロ
キシフェニル基,ニトロフェニル基,アミノフェニル
基,アセチルフェニル基,アセチルアミノフェニル基等
の置換フェニル基等が挙げられ、R5としては、例えば、
−CH2・CH2−,−CH2・CH2・CH2−等の如き低級アルキ
レン基、若しくは、これら低級アルキレン基の水素のい
くつかがメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基等
の低級アルキル基、又は、水素基で置き換ったものが挙
げられ、またR6としては水素原子又は、例えばヒドロキ
シメチル基,ヒドロキシエチル基,ヒドロキシプロピル
基等のヒドロキシアルキル基が挙げられる。
本発明に係るアゾイミノエーテル塩酸塩は、例えば一
般式[III] (式中、R1,R2は前記と同じ。)で示されるアゾニトリ
ルを非極性溶媒中塩化水素ガス及びアルコールと反応さ
せて得られるアゾイミノエーテル塩酸塩でも、また、例
えば一般式[IV] (式中、R1,R2は前記と同じ。)で示されるヒドラゾニ
トリルを非極性溶媒中塩素ガス及びアルコールと反応さ
せて得られるアゾイミノエーテル塩酸塩でもよい。これ
らはいずれの場合もこれを単離せずに反応液のまま次の
工程に付されることが望ましい。そうすることにより、
アゾイミノエーテル塩酸塩単離時の塩酸ガスによる作業
環境面、設備面への悪影響は全く回避される。
一般式[III]で示されるアゾニトリルの代表的なも
のを例示すると、例えば2,2′−アゾビス(2−メチル
プロピオニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブ
チロニトリル)、1,1′−アゾビス(1−シアノシクロ
ヘキサン)等が挙げられる。
一般式[IV]で示されるヒドラゾニトリルの代表的な
ものを例示すると、例えば2,2′−ヒドラゾビス(2−
メチルプロピオニトリル)、2,2′−ヒドラゾビス(2
−メチルブチロニトリル)、1,1′−ヒドラゾビス(1
−シアノシクロヘキサン)等が挙げられる。
イミノエーテル化に用いられるアルコールは、塩化水
素の存在でシアノ基(−CN)をイミノエーテル 化し得るアルコールであればよく、例えばメタノール,
エタノール等の低級アルコールが挙げられる。アルコー
ルの使用量は、通常、イミノエーテル化に必要な理論量
乃至理論の若干過剰量程度用いれば充分である。なお、
イミノエーテル化は、出来得る限り非水条件を選ぶこと
常法通りである。
塩化水素ガス又は塩素の使用量は通常理論量乃至若干
過剰量で充分である。
アゾニトリルに塩酸ガスとアルコールを反応させる反
応温度は、アゾニトリル,アルコール及び反応溶媒の種
類等により若干異なるが、大略30℃以下が好ましい。反
応時間は、反応温度その他の反応条件によって異なる
が、通常3〜24時間程度であり、反応の進行状況をみて
適当な時間で終了させる。ヒドラゾニトリルに塩素とア
ルコールを反応させる反応条件も、これとほぼ同様であ
る。
本発明で用いられる非極性溶媒としては、例えば、ヘ
キサン,オクタン,デカン,シクロヘキサン,メチルシ
クロヘキサン,ビシクロヘキシル,ベンゼン,トルエ
ン,キシレン,アシルベンゼン,エチルベンゼン,トリ
メチルベンゼン,クメン,石油エーテル,灯油,テレピ
ン油,ジペンテン等の脂肪族及び芳香族炭化水素類、エ
チルエーテル,イソプロピルエーテル等のエーテル類、
クロロホルム,四塩化炭素,ジクロルメタン,ジクロル
エタン,トリクレン等のハロゲン化炭化水素類等、塩化
アンモニウム又は有機アミン塩酸塩を溶解し難い有機溶
媒が挙げられる。
本発明で用いられる有機アミンを例示すると、例え
ば、メチルアミン,エチルアミン,プロピルアミン,イ
ソプロピルアミン,n−ブチルアミン,ヘキシルアミン,
オクチルアミン,アリルアミン等飽和又は不飽和のアル
キルアミン、シクロプロピルアミン,シクロヘプチルア
ミン,シクロヘキシルアミン等のシクロアルキルアミ
ン、ベンジルアミン,フェネチルアミン等のアラルキル
アミン、2−アミノエタノール,2−アミノプロパノー
ル,3−アミノプロパノール等のアミノアルコール,β−
クロロエチルアミン、β−ブロモエチルアミン等のハロ
アルキルアミン、アニリン,メチルアニリン,エチルア
ニリン,p−アミノフェノール,p−アニシジン,p−ニトロ
アニリン,p−フェニレンジアミン,p−アセチルアニリ
ン,p−アセトアミドアニリン,p−クロロアニリン等の芳
香族アミン、エチレンジアミン,1,2−ジアミノプロパ
ン,1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン,1,2−ジアミノ
−2−メチルブタン,1,2−ジアミノ−2,4−ジメチルペ
ンタン,2,3−ジアミノブタン,2,3−ジアミノペンタン,
2,3−ジアミノ−5−メチルヘキサン等のα,β−アル
キレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン,2,2−ジメ
チル−1,3−プロピレンジアミン,1,4−ブタンジアミン
等のα,γ又はα,δ−アルキレンジアミン、2−ヒド
ロキシ−1,3−プロパンジアミン,N−(ヒドロキシエチ
ル)エチレンジアミン等のアミジノ化反応に直接関与し
ない官能基をもつアルキレンジアミン等が挙げられる。
アンモニアガス又は有機アミンの使用量は、系内に種
々の形で存在している全ての塩化水素を中和し得る量で
あれば充分であるが、通常はアミジノ化反応を促進さ
せ、反応時間を短縮させる目的で若干過剰量用いられ
る。
アゾイミノエーテル塩酸塩を含む非極性溶媒中にアン
モニアガス又は有機アミンを加えただけではアミジノ化
反応までは進まず、中和反応のみ起るが、この系に低級
アルコール等アミジノ化反応に必要な溶媒を一定量以上
存在させるとアミジノ化反応が進行する。
アミジノ化反応に必要な溶媒(アミジノ化反応を進行
させ得る溶媒)としては、通常、メタノール,エタノー
ル,プロパノール等の低級アルコール、アセトン,メチ
ルエチルケトン,アセトニトリル,ジオキサン,ジメチ
ルスルホキシド,ジメチルホルムアミド等の水溶性有機
溶媒が挙げられる。これらアミジノ化反応に必要な溶媒
の使用量は、特に限定されるものではないが、通常、目
的とするアゾグアニル化合物の理論得量の1〜6倍量
(容量/重量)が好ましく用いられる。
アミジノ化の反応温度は、他の要因によっても若干異
なり特に限定されるものではないが、通常40℃以下好ま
しくは25〜35℃前後で行われる。反応時間は、化合物に
よって、また、反応温度その他の反応条件によって異な
るが、通常1〜24時間程度(但し、化合物によっては更
に長時間を要するものもある)であり、反応の進行状況
をみて適当な時間で終了させる。
本発明は、作業性を改善し、しかも高品質の(副生す
る塩化アンモニウムや有機アミン塩酸塩の混入量が少な
い)アゾグアニル化合物を容易に且つ収率よく得ること
を目的として、アゾイミノエーテル塩酸塩を含む非極性
溶媒中にアンモニアガス又は有機アミンを加えて中和反
応を行った後、反応後に所定量の水を加えることを大き
な特徴とするが、水を加える時期としては、中和反応が
完了しさえしていれば、アミジノ化反応の前でも後でも
或はアミジノ化反応の途中でも一向に差支えない。
しかしながら、アミジノ化反応に際して水を加え、そ
の状態で同反応を実施した場合には、反応速度が一様に
著しく促進され、化合物によっては30℃前後の室温付近
での反応でも反応時間は約0.5〜2時間程度と極めて短
時間で反応が完了するので特に好ましい実施態様とな
る。このように、水がアミジノ化反応の反応促進に著し
い効果を有するということは、これまで全く知られてい
なかったことであり、本発明者らが初めて見出した全く
意外な効果である。反応を促進させる為に用いた水は、
反応後には、そのまま、目的物中に混入している塩化ア
ンモニウムや有機アミン塩酸塩を選択的に溶かし込む溶
剤となり得るので、反応終了後は、結晶状態で存在して
いる目的物を過や遠心脱水等により単離するだけで、
高品質のアゾグアニル化合物塩酸塩を容易に得ることが
できる。
即ち、アミジノ化反応に際して水を加えた場合には、
水は反応促進剤としての作用効果と高品質のアゾグアニ
ル化合物を得る為の作用効果の両方を有する。一方、ア
ミジノ化反応終了後に水を加えた場合には、当然のこと
ながら、水は反応促進には全く関与しないが高品質のア
ゾグアニル化合物を得るための作用効果は、アミジノ化
反応前に加えた場合と全く同様に有する。即ち、この場
合にも、水は、副生した過剰の塩化アンモニウム又は有
機アミン塩酸塩を選択的に溶かし込む溶剤となり得、結
晶状態で存在している目的物を過、遠心脱水等により
単離するだけで、高品質のアゾグアニル化合物塩酸塩を
容易に得ることができる。加える水の量は、イミノエー
テル化反応時過剰に用いられ、反応液中に残存してい
る、或は単離したイミノエーテル体に付着している塩酸
(ヒドラゾニトリルと塩素の反応に於ては過剰に用いら
れた塩素から生ずる塩酸であって同様に反応液に残存し
或はイミノエーテル体に付着している塩酸)に起因して
副生する塩化アンモニウム又は有機アミン塩酸塩を溶解
し得る量であれば良く、塩化アンモニウムの場合を例に
すると、その理論副生量の約4〜5倍程度が好ましく用
いられる。加える水の量があまり多すぎるとアゾグアニ
ル化合物塩酸塩の収率が低くなり、また、水の量があま
り少な過ぎると得られたアゾグアニル化合物の含量が低
くなる。
非極性溶媒中で中和反応のみを行い、次いでこれにア
ミジノ化に必要な溶媒を加えてアミジノ化反応を行おう
とする場合には、通常反応促進の目的でアンモニア又は
有機アミンを少量追加するが、中和反応完了後アミジノ
化反応に際して水を加えようとする場合、アンモニアガ
ス又は有機アミンと水とを加える代わりにアンモニア水
又は有機アミン水溶液を加えることも当然可能であり、
本発明の実施態様の一つであることは言うまでもない。
本発明の好ましい実施態様の概略を示すと下記の如く
なる。
即ち、例えば、まずアゾニトリルを常法によりトルエ
ン,四塩化炭素等の非極性溶媒中、塩化水素ガス及びア
ルコールと反応させてアゾイミノエーテル塩酸塩とする
か、或は、ヒドラゾニトリルを同非極性溶媒中、特願昭
61−6092号に記載の方法に従い塩素ガス及びアルコール
と反応させてアゾイミノエーテル塩酸塩とした後、これ
を単離せずに反応液のまま次工程の反応、(1)又は
(2)に付す。
(1)上記反応液に必要量のアンモニアガス又は有機ア
ミンを加えて中和反応を行った後、所定量のアミジノ化
反応に必要な溶媒及び所定量の水、並びに追加分のアン
モニアガス又は有機アミンを加えて中和反応並びにアミ
ジノ化反応を行う。
(2)上記反応液に所定量のアミジノ化反応に必要な溶
媒と所定量のアンモニアガス又は有機アミンを加えてア
ミジノ化反応を行う。
反応液は、(1)の場合にはそのまま常法に従い目的
物の結晶を単離すれば良く、また、(2)の場合には反
応後反応液に所定量の水を加えて充分撹拌した後、常法
に従い目的物の結晶を単離すれば良い。(1)又は
(2)のいずれの方法によるも随意であり、いずれの方
法によっても、目的とするアゾグアニル化合物塩酸塩の
結晶が、高収率,高品質で得られる。
以下に、実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に
よって何等の制約を受けるものではない。
〔実施例〕
実施例 1 AIBN(2,2′−アゾビスイソブチロニトリル)99g、メ
タノール46.5gにトルエン400mlを加え、撹拌冷却下、塩
化水素ガス53gを導入して5時間撹拌反応させた後、一
夜放置した。この反応液にメタノール440mlを加え、室
温でアンモニアガス31.4gを導入した後、25〜30℃で5
時間反応させ、一夜放置した。アミジノ化反応終了後、
反応液に水64mlを加えて充分撹拌した後、結晶を取
し、乾燥して、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)・2塩酸塩138gを得た。収率84.4%(AIBNより)。
mp163.8〜166.0℃(dec)。含量99.7%。
実施例 2 AIBN82g、メタノール38.5gにトルエン370mlを加え、
撹拌冷却下、塩化水素ガス44gを導入して5時間撹拌反
応させた後、一夜放置した。この反応液にメタノール26
gを加え、室温でエチレンジアミン73.6gを加えた後、30
〜35℃で5時間反応させ、一夜放置した。アミジノ化反
応終了後、反応液に水53mlを加えて充分撹拌した後、結
晶を取し、乾燥して、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメ
チレンイソブチルアミジン)・2塩酸塩120gを得た。収
率75.0%(AIBNより)。mp189.4(dec)。含量99.5%。
実施例 3 AIBNヒドラゾ体(2,2′−ヒドラゾビスイソブチロニ
トリル)99.7g、メタノール46.5gにトルエン400mlを加
え、撹拌冷却下、10〜25℃で塩素ガス44.8gを導入して2
5〜30℃で5時間撹拌反応させた後、一夜放置した。こ
の反応液に、撹拌冷却下、アンモニアガス31.4gを導入
し、次いでメタノール440mlを加えた後、25〜30℃で5
時間反応させ、一夜放置した。アミジノ化反応終了後、
反応液に水64mlを加えて充分撹拌した後、結晶を取
し、乾燥して、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)・2塩酸塩130gを得た。収率79.5%(AIBNヒドラゾ
体より)。mp163.3〜166.1℃(dec)。含量99.8%。
実施例 4 AIBNヒドラゾ体99.7g、メタノール46.5gにトルエン40
0mlを加え、撹拌冷却下、10〜25℃で塩素ガス44.8gを導
入して25〜30℃で5時間撹拌反応させた後、一夜放置し
た。この反応液に、室温でアニリン67gを加え、次いで
メタノール138mlを加えて25〜35℃で5時間反応させ、
一夜放置した。アミジノ化反応終了後、反応液に水64ml
を加えて充分撹拌した後、結晶を取し、乾燥して、2,
2′−アゾビス(N−フェニルイソブチルアミジン)・
2塩酸塩151gを得た。収率59.5%(AIBNヒドラゾ体よ
り)。mp138.8℃(dec)。含量99.7%。
実施例 5 AIBN82g、メタノール38.5gにトルエン370mlを加え、
撹拌冷却下、塩化水素ガス44gを導入して5時間撹拌反
応させた後、一夜放置した。この反応液にメタノール41
5mlを加え、室温でアンモニアガス24gを導入した。更
に、水53gを加え、30℃で30分間アミジノ化反応を行っ
た後、取し、乾燥して、2,2′−アゾビス(2−アミ
ジノプロパン)・2塩酸塩116gを得た。収率85.7%(AI
BNより)。mp163.6〜164.2℃(dec)。含量99.9%。
なお、アミジノ化の反応速度は、表1(残存イミノエ
ーテル体%)に示される通りであり、水添加の場合(実
施例5)のアミジノ化反応は、水添加無し(比較例1)
の場合と比較して著しく促進され、イミノエーテル体の
残存も反応30分間で0.3%と事実上無視し得るものであ
った。
実施例 6 AIBN99g、メタノール46.5gにトルエン400mlを加え、
撹拌冷却下、塩化水素ガス53gを導入して5時間撹拌反
応させた後、一夜放置した。この反応液に撹拌冷却下ア
ンモニアガス24gを導入し、次いでメタノール440ml呼び
水64mlを加え、更にアンモニアガス7.4gを導入して30分
間アミジノ化反応を行った。反応後、生成物を取し、
乾燥して2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)・
2塩酸塩139gを得た。収率85.0%(AIBNより)。mp164.
4〜167.2℃(dec)。含量99.4%。
実施例 7 AIBN82g、メタノール38.5gにトルエン370mlを加え、
撹拌冷却下、塩化水素ガス44gを導入して5時間撹拌反
応させた後、一夜放置した。この反応液にメタノール11
5mlを加え、室温でエチレンジアミン73.6gを加えた後、
水53gを加え、30℃で1.5時間アミジノ化反応を行い、
取し、乾燥して、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレン
イソブチルアミジン)・2塩酸塩119gを得た。収率74.0
%(AIBNより)。mp190.3℃(dec)。含量99.4%。
なお、アミジノ化の反応速度は、表2(残存イミノエ
ーテル体%)に示される通りであり、水添加の場合(実
施例7)のアミジノ化反応は、水添加無し(比較例2)
の場合と比較して著しく促進され、イミノエーテル体の
残存も反応1.5時間で0.2%と事実上無視し得るものであ
った。
実施例 8 AIBNヒドラゾ体166.5g、メタノール77gに四塩化炭素8
14mlを加え、撹拌冷却下に10〜25℃で塩素ガス72gを導
入して25〜30℃で5時間撹拌反応させた後、一夜放置し
た。この反応液に、撹拌冷却下、アンモニアガス46gを
導入し、次いでメタノール620ml及び水106mlを加え、30
℃で1時間アミジノ化反応を行った。反応後、生成物を
取し、乾燥して、2,2′−アゾビス(2−アミジノプ
ロパン)・2塩酸塩218gを得た。収率80.4%(AIBNヒド
ラゾ体より)。mp166.4〜167.8℃(dec)。含量99.5
%。
実施例 9 AIBNヒドラゾ体99.7g、メタノール46.5gにトルエン40
0mlを加え、撹拌冷却下、10〜25℃で塩素ガス44.8gを導
入して25〜30℃で5時間撹拌反応させた後、一夜放置し
た。この反応液に撹拌冷却下アンモニアガス24gを導入
し、次いでメタノール440ml及び水64mlを加え、更にア
ンモニアガス7.4gを導入して40分間アミジノ化反応を行
った。反応後、生成物を取し、乾燥して2,2′−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)・2塩酸塩130gを得た。
収率79.5%(ヒドラゾ体より)。mp163.3〜166.1℃(de
c)。含量99.8%。
実施例 10 AIBNヒドラゾ体166.5g、メタノール77gに四塩化炭素8
14mlを加え、撹拌冷却下に10〜25℃で塩素ガス72gを導
入して25〜30℃で5時間撹拌反応させた後、一夜放置し
た。この反応液に、室温でアニリン111.7gを加え、次い
でメタノール230ml、及び水107mlを加えて、30℃で2時
間アミジノ化反応を行った。反応後、生成物を取し、
乾燥して、2,2′−アゾビス(N−フェニルイソブチル
アミジン)・2塩酸塩247gを得た。収率58.5%(AIBN)
ヒドラゾ体より。)mp138.5℃(dec)。含量99.3%。
実施例 11 2,2′−アゾビス(2−シアノブタン)77g、メタノー
ル38.5gにトルエン370mlを加え、撹拌冷却下、塩化水素
ガス44gを導入して25〜30℃で6日間は反応させた。こ
の反応液にメタノール256mlを加え、室温でアンモニア
ガス24gを導入した後25〜30℃で40時間アミジノ化反応
を行った。反応液に水37mlを加えて充分撹拌した後、結
晶を取し、乾燥して、2,2′−アゾビス(2−アミジ
ノブタン)・2塩酸塩80.5gを得た。収率67.3%。mp16
4.0℃(dec)。紫外吸収λmax=375nm(H2O)。含量99.
7%。
実施例 12 実施例11に於てアンモニアガス24gを導入する代りに
2−メチル−1,2−ジアミノプロパン70.5gを滴下注入
し、それ以外は実施例11と全く同様にして反応及び後処
理を行い、式 で示されるアゾグアニル化合物塩酸塩62.4gを得た。収
率38.3%。mp137.7℃(dec)。紫外吸収λmax=368nm
(H2O)。含量99.3%。
実施例 13 実施例11に於てアンモニアガス24gを導入する代りに
エチレンジアミン48.0gを滴下注入し、それ以外は全て
実施例11と全く同様にして反応及び後処理を行い、式 で示されるアゾグアニル化合物塩酸塩106.1gを得た。収
率75.4%。mp188.6℃(dec)。紫外吸収λmax=370nm
(H2O)。含量99.2%。
実施例 14 2,2′−アゾビス(2−シアノブタン)77g、メタノー
ル38.5gにトルエン370mlを加え撹拌冷却下、塩化水素ガ
ス44gを導入して5〜10℃で6日間反応させた。この反
応液にメタノール256mlを加え、室温でアンモニアガス2
4gを導入した後、水37gを加え、30℃で8時間アミジノ
化反応を行った。反応後、析出晶を取し、乾燥して、
2,2′−アゾビス(2−アミジノブタン)・2塩酸塩82g
を得た。収率68.5%。mp164.4℃(dec)。紫外吸収λ
max=375nm(H2O)。含量99.2%。
なお比較のため上記アミジノ化反応を水を加えずに行
ったところ上記反応時間内ではアミジノ化反応が殆ど進
行せず目的とする化合物を得ることができなかった。
実施例 15 実施例14に於てアンモニアガス24gを導入する代りに
2−メチル−1,2−ジアミノプロパン70.5gを滴下注入
し、それ以外は実施例14と全く同様にして反応及び後処
理を行い、式 で示されるアゾグアニル化合物塩酸塩60.6gを得た。収
率37.2%。mp137.5℃(dec)。紫外吸収λmax=368nm
(H2O)。含量98.9%。
なお比較のため上記アミジノ化反応を水を加えずに行
ったところ、上記反応時間内では反応が殆ど進行せず目
的とするアゾグアニル化合物を得ることができなかっ
た。
実施例 16 実施例14に於てアンモニアガス24gを導入する代りに
エチレンジアミン48.0g滴下注入し、それ以外は実施例1
4と全く同様にして反応及び後処理を行い、式 で示されるアゾグアニル化合物塩酸塩108.5gを得た。収
率77.2%。mp188.3(dec)。紫外吸収λmax=370nm(H2
O)。含量99.3%。
なお比較のため上記アミジノ化反応を水を加えずに行
ったところ上記反応時間内では反応が殆ど進行せず、目
的とするアゾグアニル化合物を得ることができなかっ
た。
〔発明の効果〕
本発明は、高分子化合物製造に於ける重合開始剤とし
て有用なアゾグアニル化合物塩酸塩の新規で且つ極めて
有用な製造法を提供するものであり、本発明の製造法に
よれば、例えば、アゾニトリル又はヒドラゾニトリルを
出発物質とし、アゾイミノエーテル体を経由してアゾグ
アニル化合物を合成しようとする場合に2工程の反応を
1ポットで行うことができ、その結果として、アゾイミ
ノエーテル塩酸塩の単離に伴う塩酸ガスによる、作業環
境面及び設備面への悪影響が回避され、工業的規模での
生産が可能になった点、及び要求される高品質のアゾグ
アニル化合物が極めて容易に得られるようになった点、
更には、アミゾノ化反応に際して、水を加えてこれを行
った場合には反応が著しく促進され、極めて短時間で反
応が完了する点等に格別なる効果を奏するものであり、
斯業に貢献するところ甚だ大なるものである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I] (式中、Rは炭素数1〜4の低級アルキル基を示し、
    R1,R2はアルキル基又はシクロアルキル基を示す。またR
    1とR2とで脂肪族環を形成していてもよい。)で示され
    るアゾイミノエーテル塩酸塩にアンモニアガス又は有機
    アミンを反応させて、 一般式[II] 〔式中、Gは 又は で示されるグアニン基、(但し、R3,R4は夫々独立して
    水素原子、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキ
    ル基、アリル基、フェニル基又は置換フェニル基を示
    し、R5は置換基を有していてもよい低級アルキレン基を
    示し、R6は水素原子又はヒドロキシアルキル基を示
    す。)を示し、R1,R2は前記と同じ。〕で示されるアゾ
    グアニル化合物塩酸塩を製造する方法に於て、アゾイミ
    ノエーテル塩酸塩を含む非極性溶媒中に、(1)アンモ
    ニアガス又は有機アミンを加えて中和反応を行った後、
    アミジノ化(グアニル化)反応に必要な溶媒(アミジノ
    化反応を進行させ得る溶媒)と水とを加えてアミジノ化
    反応を行うか、又は、(2)低級アルコールと、アンモ
    ニアガス又は有機アミンを加えて中和反応並びにアミジ
    ノ化反応を行った後、反応液に水を加えることにより製
    造することを特徴とする高品質アゾグアニル化合物塩酸
    塩の製造法。
  2. 【請求項2】一般式[III] (式中、R1,R2は前記と同じ。)で示されるアゾニトリ
    ルを非極性溶媒中塩化水素ガス及び低級アルコールと反
    応させて得られるアゾイミノエーテル塩酸塩を単離せず
    に反応液のまま用いる特許請求の範囲第1項記載の製造
    法。
  3. 【請求項3】一般式[IV] (式中、R1,R2は前記と同じ。)で示されるヒドラゾニ
    トリルを非極性溶媒中塩素ガス及び低級アルコールと反
    応させて得られるアゾイミノエーテル塩酸塩を単離せず
    に反応液のまま用いる特許請求の範囲第1項記載の製造
    法。
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