JP2565519Y2 - 扉の支持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は扉の支持構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３(a) の斜視図に示す如く、自動販売
機や自動交付機等の装置１に於いては、前面からの保守
が主であり、内部への物品補充や現金の回収は前扉２を
開いて行われる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】図３(b) に示す如く扉
２を開くと、通常この扉２には紙幣入金ユニット３や硬
貨入金ユニット４、硬貨オーバーフロー部５、取扱い業
務表示ユニット６等多くのものが取付けられており、
又、これらを取付ける為の面積も必要として大型になり
総じて重量が大となる。

【０００４】この為、扉２を開いた時に扉２を筐体７に
蝶着する支持部８に変形や破損を生じたり、扉２の傾き
に依る閉時のロック不良が発生したり、筐体７の重心が
前方に移動して転倒の危険性が生じる等の問題点があっ
た。

【０００５】この対策として、支持部８の蝶番を大きな
頑丈なものに取り換えることも考えられるが、見栄えが
悪くなり高価格化を招くと言う問題がある。又、図４
(a) に示す如く、扉２の開閉側の下部に床10と接するよ
うにキャスタ９を取付けて扉２を床面で支える方法があ
るが、床10の面に凹凸があると走行につれて床10から逆
に負荷を受けキャスタ９が床10に引っ掛かって扉２が開
かなかったり、閉時にロック不良を招くと言う問題があ
る。

【０００６】更に又、同図(b) に示す如く、扉２の裏面
に突出したガイドローラ11を設け、閉時に筐体７の底板
等のフレーム７ａに乗り上げて扉２を支える方法、或い
は同図(c) に示す如く、筐体７が傾かないようにレベル
フット12を金具13を使用しアンカーボルト25で床10に固
定する、或いは筐体７に重り14を搭載する等の方法があ
るが、効果が充分ではなく、これら複数の方法を同時に
実施するとコストが掛かり高価格化を招くと言う問題点
があった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案に於いては、図１
の斜視図に示す如く、一方の側部2aが筐体７の面に蝶着
された扉２の他方の側の下部2bに、床面との間隙よりも
短く長さ調節自在のキャスタ15を備え、筐体７に閉じた
扉２の下部の床10a と接してキャスタ15と床10a との間
隙を埋める高さの第１の台板16を備え、扉２が開いた位
置の床10b 上に第１の台板16と同じ高さの第２の台板17
を備えたものである。

【０００８】

【作用】扉を閉じるとキャスタは第１の台板に乗り上
げ、扉の支持部の負荷が減少すると共に正しい位置に維
持されロック不良が無くなる。

【０００９】扉を開くとキャスタは第２の台板に乗り上
げ、開かれた場合も扉の支持部の負荷を減少させる。
又、扉の開閉の途中ではキャスタは床面に触れず床面の
凹凸に影響されない。

【００１０】そして、筐体の重心の移動が防止され、筐
体転倒の危険性が無くなる。

【００１１】

【実施例】本考案に於いては、図１の斜視図に示す如
く、一方の側部２ａが筐体７の面に蝶着された扉２の他
方の側の下部２ｂに床面との間隙よりも短い長さのキャ
スタ15を備え、筐体７が扉２を備えた下部の床10ａと接
するようにキャスタ15と床10ａとの間隙を埋める高さの
第１の台板16を備え、扉２が開いた位置の床10ｂ上に第
１の台板16と同じ高さの第２の台板17を備えたものであ
る。

【００１２】第１と第２の台板16及び17は、キャスタ15
の乗り上げが容易なように端部に傾斜面16ａ、及び17ａ
を備えている。傾斜面16ａ、及び17ａはキャスタ15の乗
り上げを容易にする他に、顧客の躓きを防止する上でも
効果が有る。

【００１３】第１の台板16は、床10ａに両面テープで接
着しても良いが、図示の如く筐体７と同幅にして平板状
の取付け金具18で筐体７に取付けることで筐体７の下部
を覆い、顧客が落とした硬貨が転がって筐体７の下部に
入り込むことが防止出来る。

【００１４】第２の台板17は、床10ｂに両面テープで接
着するか、或いは扉２を開いた時に床に置いて使用す
る。キャスタ15は、Ｌの字型の取付け金具19で扉２に固
定される。

【００１５】取付け金具19の取付穴19ａは長孔であっ
て、キャスタ15の取付高さを調整出来る。このように構
成することで、扉２を閉じた場合キャスタ15は扉２を持
ち上げるように第１の台板16に乗り上げるので、扉２の
支持部８の負荷が減少すると共に扉２を正しい位置に維
持しロック不良が無くなる。

【００１６】一方、扉２を開くとキャスタ15は第２の台
板17に乗り上げて扉２を支持するので、前記同様に支持
部８の負荷を減少させる。又、キャスタ15は床10から浮
き上がっている為、扉２の開閉の途中で床10の面の凹凸
に影響されることは無い。

【００１７】尚、応用例として、図２の側面図に示す如
く、キャスタ20とキャスタ取付け金具21との間に２本以
上の軸22を備え、この軸22に圧縮ばね23を巻装して外れ
防止ワッシヤ24でキャスタ20を上下動可能に保持するこ
とで、床10面の凹凸を吸収して扉２の開閉途中でも扉２
を或る程度は支えることが可能となる。

【００１８】

【考案の効果】本考案に依って、重量のある扉であって
も、開閉に際してその支持部を変形させること無く扉を
正しい位置に維持し、ロックに支障を与えない等、経済
上及び産業上に多大の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の扉の支持構造の斜視図、

【図２】 本考案で使用されるキャスタの応用例を示す
側面図、

【図３】 本考案が適用される装置の斜視図であって、
(a) は扉が閉じられた状態を示し、(b）は扉が開かれた
状態を示す。

【図４】 (a) 〜(c) は従来の扉の支持部の変形対策を
示す側面図、

【符号の説明】

２ 扉、 ２ａ 一方の側
部、２ｂ 他方の側の下部、 ７ 筐体、８
支持部、 10、10ａ、10ｂ
床、15、20 キャスタ、 16 第１の台
板、17 第２の台板、 16ａ、17ａ
傾斜面、18、19、21 取付け金具、 19ａ 取
付穴、22 軸、 23 圧縮ば
ね、24 外れ防止ワッシヤ、

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方の側部(2a)が筐体(7) の面に蝶着さ
   れた扉(2) の他方の側の下部(2b)に、床面との間隙より
   も短く長さ調節自在のキャスタ(15)を備え、 前記筐体(7) に閉じた前記扉(2) の下部の床(10a) と接
   して前記キャスタ(15)と前記床(10a) との間隙を埋める
   高さの第１の台板(16)を備え、 前記扉(2) が開いた位置の床(10b) 上に前記第１の台板
   (16)と同じ高さの第２の台板(17)を備えたことを特徴と
   する扉の支持構造。