JP2565489Y2 - 副室式断熱エンジン - Google Patents
副室式断熱エンジンInfo
- Publication number
- JP2565489Y2 JP2565489Y2 JP1991027648U JP2764891U JP2565489Y2 JP 2565489 Y2 JP2565489 Y2 JP 2565489Y2 JP 1991027648 U JP1991027648 U JP 1991027648U JP 2764891 U JP2764891 U JP 2764891U JP 2565489 Y2 JP2565489 Y2 JP 2565489Y2
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- JP
- Japan
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- sub
- chamber
- wall
- heat
- chamber wall
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- Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、シリンダヘッドに形
成した副室を備えた副室式断熱エンジンに関する。
成した副室を備えた副室式断熱エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、断熱エンジンの燃焼改善を目的と
して副室を持つ断熱エンジンが開発されている。このよ
うな副室式断熱エンジンは、シリンダヘッドに形成した
副室、該副室と主室とを連通する連絡孔及び副室内に配
置した燃料噴射ノズルを有しており、燃焼室全体を一様
に断熱構造に構成するか、或いは副室即ちスワールチャ
ンバの温度分布を均一にするように断熱構造によって断
熱度をコントロールするように構成したものである。
して副室を持つ断熱エンジンが開発されている。このよ
うな副室式断熱エンジンは、シリンダヘッドに形成した
副室、該副室と主室とを連通する連絡孔及び副室内に配
置した燃料噴射ノズルを有しており、燃焼室全体を一様
に断熱構造に構成するか、或いは副室即ちスワールチャ
ンバの温度分布を均一にするように断熱構造によって断
熱度をコントロールするように構成したものである。
【0003】また、実開昭54−174706号公報に
は、ディーゼル機関の燃焼室が開示されている。該ディ
ーゼル機関の燃焼室は、燃焼室壁面の少なくとも燃料噴
霧の当たる部分を過熱されやすい耐熱材料で形成したも
のである。耐熱材料としては、セラミックスから成る焼
金構造部材であり、該焼金構造部材の内側は過熱されや
すい耐熱金属とし、外側はその熱を遮断する断熱性のあ
るセラミックスを使用し、蓄熱効果を更に高めるように
構成されている。
は、ディーゼル機関の燃焼室が開示されている。該ディ
ーゼル機関の燃焼室は、燃焼室壁面の少なくとも燃料噴
霧の当たる部分を過熱されやすい耐熱材料で形成したも
のである。耐熱材料としては、セラミックスから成る焼
金構造部材であり、該焼金構造部材の内側は過熱されや
すい耐熱金属とし、外側はその熱を遮断する断熱性のあ
るセラミックスを使用し、蓄熱効果を更に高めるように
構成されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところで、従来の副室
式断熱エンジンでは、窒化珪素等のセラミックスによっ
て副室全体を副室壁体で製作し、該副室壁体の外周部に
空気層を設けて断熱構造を構成しており、また、シリン
ダヘッドの穴部へ副室壁体を取付ける場合に、応力等の
問題から肉厚のセラミックスから成る副室壁体を金属リ
ングで上下一体構造になるように、焼嵌めによって締め
付け、該金属リングの外周部に空気層を形成している。
式断熱エンジンでは、窒化珪素等のセラミックスによっ
て副室全体を副室壁体で製作し、該副室壁体の外周部に
空気層を設けて断熱構造を構成しており、また、シリン
ダヘッドの穴部へ副室壁体を取付ける場合に、応力等の
問題から肉厚のセラミックスから成る副室壁体を金属リ
ングで上下一体構造になるように、焼嵌めによって締め
付け、該金属リングの外周部に空気層を形成している。
【0005】このように副室を構成した場合には、窒化
ケイ素自体は耐熱性に富んでいるが、熱伝導は良好な材
料であるので、窒化ケイ素等のセラミックス材の副室壁
体の熱容量は大きくなり、運転時に副室壁体全体が温度
上昇するまでに時間がかかり、しかも副室壁体が一体構
造化であるため、燃料噴霧が衝突する部分のような高温
部が必要な部分も、それほど必要でない部分もほぼ均一
な温度分布になり、良好な燃焼を得るための副室壁体の
温度上昇に無駄が発生する。
ケイ素自体は耐熱性に富んでいるが、熱伝導は良好な材
料であるので、窒化ケイ素等のセラミックス材の副室壁
体の熱容量は大きくなり、運転時に副室壁体全体が温度
上昇するまでに時間がかかり、しかも副室壁体が一体構
造化であるため、燃料噴霧が衝突する部分のような高温
部が必要な部分も、それほど必要でない部分もほぼ均一
な温度分布になり、良好な燃焼を得るための副室壁体の
温度上昇に無駄が発生する。
【0006】この考案の目的は、上記の課題を解決する
ことであり、シリンダヘッドに形成した穴部に副室壁体
を配置して断熱構造の副室を構成し、該副室に燃料を噴
射する燃料噴射ノズルからの燃料噴霧が衝突する熱負荷
の過酷な衝突部分の肉厚を薄く構成すると共に、熱容量
を小さく構成して燃料噴霧及び吸入空気に対する温度追
従性を良好にし、温度追従性を良好にすることによって
該壁面部の温度上昇を他の部分より早急に上昇させたり
低下させることができ、HC等の発生を抑制し、該高温
になっても断熱性の向上による断熱度の高いことによっ
て該部分からの熱の放散を防止し、該部分の壁面の強度
を十分に確保することができる副室式断熱エンジンを提
供することである。
ことであり、シリンダヘッドに形成した穴部に副室壁体
を配置して断熱構造の副室を構成し、該副室に燃料を噴
射する燃料噴射ノズルからの燃料噴霧が衝突する熱負荷
の過酷な衝突部分の肉厚を薄く構成すると共に、熱容量
を小さく構成して燃料噴霧及び吸入空気に対する温度追
従性を良好にし、温度追従性を良好にすることによって
該壁面部の温度上昇を他の部分より早急に上昇させたり
低下させることができ、HC等の発生を抑制し、該高温
になっても断熱性の向上による断熱度の高いことによっ
て該部分からの熱の放散を防止し、該部分の壁面の強度
を十分に確保することができる副室式断熱エンジンを提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この考案は、上記の目的
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この考案は、シリンダヘッドに形成した穴部に配置した
断熱構造の副室を形成した副室壁体及び前記副室内に燃
料を噴射する燃料噴射ノズルを有する副室式断熱エンジ
ンにおいて、前記燃料噴射ノズルから噴射した燃料噴霧
が衝突する前記副室壁体の衝突部分を、他の部分に比較
して熱容量を小さくして温度追従性を良好にするよう
に、前記衝突部分に対応する前記副室壁体の外側のみに
凹部を形成して前記他の部分に比較して肉厚を薄し、更
に前記副室壁体に形成された前記凹部と前記シリンダヘ
ッドの前記穴部の壁面との間に断熱層を形成したことを
特徴とする副室式断熱エンジンに関する。
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この考案は、シリンダヘッドに形成した穴部に配置した
断熱構造の副室を形成した副室壁体及び前記副室内に燃
料を噴射する燃料噴射ノズルを有する副室式断熱エンジ
ンにおいて、前記燃料噴射ノズルから噴射した燃料噴霧
が衝突する前記副室壁体の衝突部分を、他の部分に比較
して熱容量を小さくして温度追従性を良好にするよう
に、前記衝突部分に対応する前記副室壁体の外側のみに
凹部を形成して前記他の部分に比較して肉厚を薄し、更
に前記副室壁体に形成された前記凹部と前記シリンダヘ
ッドの前記穴部の壁面との間に断熱層を形成したことを
特徴とする副室式断熱エンジンに関する。
【0008】また、この副室式断熱エンジンにおいて、
前記凹部に形成された前記断熱層はチタン酸アルミニウ
ム等のセラミックスから成る低熱伝導材から構成されて
いるものである。
前記凹部に形成された前記断熱層はチタン酸アルミニウ
ム等のセラミックスから成る低熱伝導材から構成されて
いるものである。
【0009】
【作用】この考案による副室式断熱エンジンは、上記の
ように構成されており、次のように作用する。即ち、こ
の副室式断熱エンジンは、燃料噴射ノズルから噴射した
燃料噴霧が衝突する副室壁体の衝突部分を他の部分に比
較して熱容量が小さくして温度追従性を良好にするよう
に、前記副室壁体の外側を凹部に形成して肉厚を薄くし
たので、肉厚を薄くした前記衝突部分は他の部分に比較
して温度上昇を図ることができ、HC等の発生を抑制す
る効果があると共に、副室壁体の衝突部分の温度追従性
を良好にすることによって、該衝突部分の壁面の温度上
昇が早くなると共に、逆に早く低下できるようになる。
また、前記凹部の外周面はシリンダヘッドに形成した穴
部壁面との直接的には接触しておらず、前記凹部側の前
記副室壁体の前記穴部壁面との接触部を小さく構成する
ことによって、前記シリンダヘッドを通じて外部に逃げ
る放熱量を小さくすることができる。
ように構成されており、次のように作用する。即ち、こ
の副室式断熱エンジンは、燃料噴射ノズルから噴射した
燃料噴霧が衝突する副室壁体の衝突部分を他の部分に比
較して熱容量が小さくして温度追従性を良好にするよう
に、前記副室壁体の外側を凹部に形成して肉厚を薄くし
たので、肉厚を薄くした前記衝突部分は他の部分に比較
して温度上昇を図ることができ、HC等の発生を抑制す
る効果があると共に、副室壁体の衝突部分の温度追従性
を良好にすることによって、該衝突部分の壁面の温度上
昇が早くなると共に、逆に早く低下できるようになる。
また、前記凹部の外周面はシリンダヘッドに形成した穴
部壁面との直接的には接触しておらず、前記凹部側の前
記副室壁体の前記穴部壁面との接触部を小さく構成する
ことによって、前記シリンダヘッドを通じて外部に逃げ
る放熱量を小さくすることができる。
【0010】即ち、燃料噴霧が衝突する部分を薄くする
ことで高温化することができるが、衝突部の壁体厚さを
薄くすることにより、他の部分の厚い壁体への熱流を断
面積を小さく絞っているので、結果として衝突部の温度
の上昇を図ることができる。また、高温となる衝突部分
は、他の部分より熱膨張をするが、高温部の熱膨張によ
って薄肉壁体には圧縮応力が作用し、セラミックスは圧
縮応力に対しては高強度であるので、強度的にも安定
し、熱負荷による破損等が生じることはない。
ことで高温化することができるが、衝突部の壁体厚さを
薄くすることにより、他の部分の厚い壁体への熱流を断
面積を小さく絞っているので、結果として衝突部の温度
の上昇を図ることができる。また、高温となる衝突部分
は、他の部分より熱膨張をするが、高温部の熱膨張によ
って薄肉壁体には圧縮応力が作用し、セラミックスは圧
縮応力に対しては高強度であるので、強度的にも安定
し、熱負荷による破損等が生じることはない。
【0011】また、この副室式断熱エンジンにおいて、
前記凹部内にチタン酸アルミニウム等のセラミックスか
ら成る低熱伝導材を配置したので、低熱伝導材を埋込む
ことで断熱性を向上させることができ、有効に機能させ
ることができる。
前記凹部内にチタン酸アルミニウム等のセラミックスか
ら成る低熱伝導材を配置したので、低熱伝導材を埋込む
ことで断熱性を向上させることができ、有効に機能させ
ることができる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して、この考案による副室
式断熱エンジンの実施例を説明する。図1はこの考案に
よる副室式断熱エンジンの一実施例を示す断面図、及び
図2は図1の線A−Aにおける断面図である。
式断熱エンジンの実施例を説明する。図1はこの考案に
よる副室式断熱エンジンの一実施例を示す断面図、及び
図2は図1の線A−Aにおける断面図である。
【0013】この副室式断熱エンジンは、シリンダブロ
ックに固定されたシリンダヘッド3、シリンダヘッド3
に形成した穴部9に配置された副室壁体10で断熱構造
の副室2を形成し、副室2内に燃料を噴射する燃料噴射
ノズル4を配置し、副室2を連絡孔15を通じて主室1
に連通し、更にシリンダブロックに形成したシリンダ内
を上下動するピストンを有する。副室2は、例えば、シ
リンダヘッド3に形成された穴部9に配置された耐熱性
及び断熱性に富んだ窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミ
ックス、耐熱金属等から成る副室壁体10から構成され
ている。副室壁体10は、シリンダヘッド3に取付金具
等で固定されている。副室壁体10の外側面12とシリ
ンダヘッド3の穴部9の内面との間には、断熱空気層1
1が形成され、副室2の断熱度を向上させている。ま
た、副室壁体10の下面13は、シリンダヘッド下面1
4の一部を構成し、副室壁体10の下面中央部にはシリ
ンダヘッド3に形成した副室2を主室1に対向して連絡
孔15が形成されている。連絡孔15の周囲部分の副室
壁体10は、他の部分に比較して薄い壁体で形成されて
いる。
ックに固定されたシリンダヘッド3、シリンダヘッド3
に形成した穴部9に配置された副室壁体10で断熱構造
の副室2を形成し、副室2内に燃料を噴射する燃料噴射
ノズル4を配置し、副室2を連絡孔15を通じて主室1
に連通し、更にシリンダブロックに形成したシリンダ内
を上下動するピストンを有する。副室2は、例えば、シ
リンダヘッド3に形成された穴部9に配置された耐熱性
及び断熱性に富んだ窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミ
ックス、耐熱金属等から成る副室壁体10から構成され
ている。副室壁体10は、シリンダヘッド3に取付金具
等で固定されている。副室壁体10の外側面12とシリ
ンダヘッド3の穴部9の内面との間には、断熱空気層1
1が形成され、副室2の断熱度を向上させている。ま
た、副室壁体10の下面13は、シリンダヘッド下面1
4の一部を構成し、副室壁体10の下面中央部にはシリ
ンダヘッド3に形成した副室2を主室1に対向して連絡
孔15が形成されている。連絡孔15の周囲部分の副室
壁体10は、他の部分に比較して薄い壁体で形成されて
いる。
【0014】また、この副室式断熱エンジンにおいて、
ピストンの上昇行程によって圧縮された高温高圧の空気
は、主室1から連絡孔15を通って副室2内へ流入し、
副室2内で高速のスワールを発生させる。このスワール
中に燃料噴射ノズル4から燃料を噴射し、燃料は高温の
空気により暖められて着火燃焼する。場合によっては、
副室2に加熱プラグ16を配置し、加熱プラグ16によ
って着火燃焼を補助することもできる。通常、副室2に
燃料がスワール中に噴射され、空気と燃料とが混合して
混合気を生成して着火すると、副室2内の温度と圧力が
高くなり、その間に噴射された燃料が燃焼し急激な圧力
上昇が起こり、次いで火炎と混合気は連絡孔15を通じ
て主室1側へ一気に噴出され、該噴出ガスは主室1内の
新気と二次混合して二次燃焼する。
ピストンの上昇行程によって圧縮された高温高圧の空気
は、主室1から連絡孔15を通って副室2内へ流入し、
副室2内で高速のスワールを発生させる。このスワール
中に燃料噴射ノズル4から燃料を噴射し、燃料は高温の
空気により暖められて着火燃焼する。場合によっては、
副室2に加熱プラグ16を配置し、加熱プラグ16によ
って着火燃焼を補助することもできる。通常、副室2に
燃料がスワール中に噴射され、空気と燃料とが混合して
混合気を生成して着火すると、副室2内の温度と圧力が
高くなり、その間に噴射された燃料が燃焼し急激な圧力
上昇が起こり、次いで火炎と混合気は連絡孔15を通じ
て主室1側へ一気に噴出され、該噴出ガスは主室1内の
新気と二次混合して二次燃焼する。
【0015】この副室式断熱エンジンは、特に、燃料噴
射ノズル4から噴射した燃料噴霧Fが衝突する副室壁体
10の衝突部分5を他の部分6に比較して肉厚が薄く且
つ熱容量が小さくなるように副室壁体10の外側を凹部
7形状に形成したことを特徴とするものである。図2に
示すように、副室壁体10の外周面12とシリンダヘッ
ド3の穴部9壁面との間には断熱空気層11が形成さ
れ、副室壁体10とシリンダヘッド3との接触する部分
17の面積を小さく構成することができ、副室壁体10
からシリンダヘッド3への熱流を絞る構造に構成するこ
ともできる。
射ノズル4から噴射した燃料噴霧Fが衝突する副室壁体
10の衝突部分5を他の部分6に比較して肉厚が薄く且
つ熱容量が小さくなるように副室壁体10の外側を凹部
7形状に形成したことを特徴とするものである。図2に
示すように、副室壁体10の外周面12とシリンダヘッ
ド3の穴部9壁面との間には断熱空気層11が形成さ
れ、副室壁体10とシリンダヘッド3との接触する部分
17の面積を小さく構成することができ、副室壁体10
からシリンダヘッド3への熱流を絞る構造に構成するこ
ともできる。
【0016】衝突部分5を副室壁体10の厚さを、例え
ば、1〜2mm程度に薄く構成することによって、該部
分の壁体の熱容量は小さくなり、壁面は副室2内のガス
への追従性が良くなり、しかも壁体10を薄くすること
で熱流の流動が絞られて衝突部分5に熱が溜り、衝突部
分5の温度上昇を図ることができ、短時間で高温にな
る。衝突部分5が高温になれば、衝突した燃料噴霧Fは
直ちに気化混合が促進され、HC等の発生を低減するこ
とができ、また、副室2内で燃料リッチで燃焼させるこ
とで、NOxの発生を低減できる。また、衝突部分5が
他の部分即ち厚肉部分6に比較して高温になれば、衝突
部分5は厚肉部分6に比較して熱膨張も大きくなり、圧
縮応力を受ける状態になるが、セラミックスは圧縮力に
対しては強いので、衝突部分5が熱負荷のため破損する
ようなことはない。
ば、1〜2mm程度に薄く構成することによって、該部
分の壁体の熱容量は小さくなり、壁面は副室2内のガス
への追従性が良くなり、しかも壁体10を薄くすること
で熱流の流動が絞られて衝突部分5に熱が溜り、衝突部
分5の温度上昇を図ることができ、短時間で高温にな
る。衝突部分5が高温になれば、衝突した燃料噴霧Fは
直ちに気化混合が促進され、HC等の発生を低減するこ
とができ、また、副室2内で燃料リッチで燃焼させるこ
とで、NOxの発生を低減できる。また、衝突部分5が
他の部分即ち厚肉部分6に比較して高温になれば、衝突
部分5は厚肉部分6に比較して熱膨張も大きくなり、圧
縮応力を受ける状態になるが、セラミックスは圧縮力に
対しては強いので、衝突部分5が熱負荷のため破損する
ようなことはない。
【0017】また、副室壁体10に形成された凹部7と
シリンダヘッド3の穴部9の壁面との間には、断熱層が
形成されている。凹部7内には、チタン酸アルミニウム
等のセラミックス、或いは窒化ケイ素、炭化ケイ素等の
セラミックスウィスカー、セラミックスファイバーから
成る低熱伝導材8が配置され、無駄容積を有効に利用し
て一層の断熱性を向上させている。即ち、凹部7に低熱
伝導材8を配置することによって、シリンダヘッド3を
通じて外部へ放散する熱エネルギーを低減させ、薄肉部
分即ち衝突部分の温度上昇を図ることができ、エンジン
性能の低下を防止する。凹部7内に低熱伝導材8を配置
した場合には、低熱伝導材8は副室壁体10の衝突部分
5の緩衝材として機能することもできる。或いは、場合
によっては、上記断熱層に低熱伝導材8を配置せず、該
断熱層を断熱空気層に構成することもできることは勿論
である。
シリンダヘッド3の穴部9の壁面との間には、断熱層が
形成されている。凹部7内には、チタン酸アルミニウム
等のセラミックス、或いは窒化ケイ素、炭化ケイ素等の
セラミックスウィスカー、セラミックスファイバーから
成る低熱伝導材8が配置され、無駄容積を有効に利用し
て一層の断熱性を向上させている。即ち、凹部7に低熱
伝導材8を配置することによって、シリンダヘッド3を
通じて外部へ放散する熱エネルギーを低減させ、薄肉部
分即ち衝突部分の温度上昇を図ることができ、エンジン
性能の低下を防止する。凹部7内に低熱伝導材8を配置
した場合には、低熱伝導材8は副室壁体10の衝突部分
5の緩衝材として機能することもできる。或いは、場合
によっては、上記断熱層に低熱伝導材8を配置せず、該
断熱層を断熱空気層に構成することもできることは勿論
である。
【0018】
【考案の効果】この考案による副室式断熱エンジンは、
上記のように構成されており、次のような効果を有す
る。即ち、この副室式断熱エンジンは、副室内に燃料噴
射ノズルから噴射した燃料噴霧が衝突する副室壁体の衝
突部分を他の部分に比較して肉厚が薄く且つ熱容量が小
さくなるように前記副室壁体の外側を凹部形状に形成
し、前記凹部とシリンダヘッドの穴部壁面との間に断熱
層を形成したので、前記衝突部分の熱容量が小さく、温
度追従性を良好にし、前記衝突部分の熱流動を抑えて短
時間で温度上昇を図ることができる。即ち、該衝突部分
の壁温の上昇、温度上昇率の向上を図ることができるの
で、エンジン始動時、始動直後時、低負荷時或いはリタ
ード時等に、HC等の発生を低減する燃焼状態を得るこ
とができ、また前記副室への吸入空気量を抑え、圧縮比
を低下させることができ、燃料リッチで燃焼させてNO
xの発生を抑制できる。
上記のように構成されており、次のような効果を有す
る。即ち、この副室式断熱エンジンは、副室内に燃料噴
射ノズルから噴射した燃料噴霧が衝突する副室壁体の衝
突部分を他の部分に比較して肉厚が薄く且つ熱容量が小
さくなるように前記副室壁体の外側を凹部形状に形成
し、前記凹部とシリンダヘッドの穴部壁面との間に断熱
層を形成したので、前記衝突部分の熱容量が小さく、温
度追従性を良好にし、前記衝突部分の熱流動を抑えて短
時間で温度上昇を図ることができる。即ち、該衝突部分
の壁温の上昇、温度上昇率の向上を図ることができるの
で、エンジン始動時、始動直後時、低負荷時或いはリタ
ード時等に、HC等の発生を低減する燃焼状態を得るこ
とができ、また前記副室への吸入空気量を抑え、圧縮比
を低下させることができ、燃料リッチで燃焼させてNO
xの発生を抑制できる。
【0019】また、前記凹部内には、断熱層を形成する
ため、チタン酸アルミニウム等のセラミックスから成る
低熱伝導材が配置されているので、前記衝突部分の薄肉
部分からの前記シリンダヘッドを通じて外部に逃げる熱
の放散を低減でき、該衝突部分の一層の早急な高温化と
温度追従性を良好にすることができる。
ため、チタン酸アルミニウム等のセラミックスから成る
低熱伝導材が配置されているので、前記衝突部分の薄肉
部分からの前記シリンダヘッドを通じて外部に逃げる熱
の放散を低減でき、該衝突部分の一層の早急な高温化と
温度追従性を良好にすることができる。
【図1】この考案による副室式断熱エンジンの一実施例
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図2】図1の線A−Aにおける断面図である。
1 主室 2 副室 3 シリンダヘッド 4 燃料噴射ノズル 5 衝突部分 6 厚肉部分(他の部分) 7 凹部 8 低熱伝導材 9 穴部 10 副室壁体 11 断熱層
Claims (2)
- 【請求項1】 シリンダヘッドに形成した穴部に配置し
た断熱構造の副室を形成した副室壁体及び前記副室内に
燃料を噴射する燃料噴射ノズルを有する副室式断熱エン
ジンにおいて、前記燃料噴射ノズルから噴射した燃料噴
霧が衝突する前記副室壁体の衝突部分を、他の部分に比
較して熱容量を小さくして温度追従性を良好にするよう
に、前記衝突部分に対応する前記副室壁体の外側のみに
凹部を形成して前記他の部分に比較して肉厚を薄くし、
更に前記副室壁体に形成された前記凹部と前記シリンダ
ヘッドの前記穴部の壁面との間に断熱層を形成したこと
を特徴とする副室式断熱エンジン。 - 【請求項2】 前記凹部に形成された前記断熱層はチタ
ン酸アルミニウム等のセラミックスから成る低熱伝導材
から構成されている請求項1に記載の副室式断熱エンジ
ン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991027648U JP2565489Y2 (ja) | 1991-03-30 | 1991-03-30 | 副室式断熱エンジン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991027648U JP2565489Y2 (ja) | 1991-03-30 | 1991-03-30 | 副室式断熱エンジン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04117149U JPH04117149U (ja) | 1992-10-20 |
JP2565489Y2 true JP2565489Y2 (ja) | 1998-03-18 |
Family
ID=31911894
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991027648U Expired - Lifetime JP2565489Y2 (ja) | 1991-03-30 | 1991-03-30 | 副室式断熱エンジン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2565489Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013081733A2 (en) * | 2011-12-01 | 2013-06-06 | Cummins Intellectual Property, Inc. | Prechamber device for internal combustion engine |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54174706U (ja) * | 1978-05-29 | 1979-12-10 | ||
JPS6350424U (ja) * | 1986-09-19 | 1988-04-05 | ||
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-
1991
- 1991-03-30 JP JP1991027648U patent/JP2565489Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013081733A2 (en) * | 2011-12-01 | 2013-06-06 | Cummins Intellectual Property, Inc. | Prechamber device for internal combustion engine |
WO2013081733A3 (en) * | 2011-12-01 | 2014-03-06 | Cummins Intellectual Property, Inc. | Prechamber device for internal combustion engine |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04117149U (ja) | 1992-10-20 |
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