JP2565239B2 - クリーニングリーダーテープ付き磁気テープ - Google Patents

クリーニングリーダーテープ付き磁気テープ

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JP2565239B2
JP2565239B2 JP62264395A JP26439587A JP2565239B2 JP 2565239 B2 JP2565239 B2 JP 2565239B2 JP 62264395 A JP62264395 A JP 62264395A JP 26439587 A JP26439587 A JP 26439587A JP 2565239 B2 JP2565239 B2 JP 2565239B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気テープのリーダー部及びトレーラー部
にクリーニングテープを備えたクリーニングリーダーテ
ープ付き磁気テープに関するものである。
〔発明の概要〕 本発明は、金属薄膜よりなるクリーニングリーダーテ
ープを有する磁気テープにおいて、上記クリーニングリ
ーダーテープのヤング率及び全厚と磁気テープのヤング
率及び全厚とが所定の関係を満足することにより、瞬時
ヘッドクロックやドロップアウトの発生率を低減するこ
とができるクリーニングリーダーテープ付き磁気テープ
を提供しようとするものである。
〔従来の技術〕
オーディオカセットテープレーコーダ,ビデオテープ
レコーダ等の磁気記録装置に使用される記録再生用媒体
である磁気テープは、蒸着型の磁気テープと塗布型の磁
気テープとに分けられるが、通常上述の各種磁気テープ
は混在して使用されている。
ところで、上記塗布型の磁気テープでは、磁気記録装
置で走行させた場合に摩擦により該塗布型の磁気テープ
の磁性層中に含まれる磁性粉が磁気テープ記録装置の磁
気ヘッドやピンチローラ等に付着するという現象が発生
する。このように磁気ヘッド等に磁性粉が付着したまま
の状態で例えば蒸着型の磁気テープを走行させた場合、
磁気ヘッドに付着した磁性粉の影響により瞬時ヘッドク
ロッグやドロップアウトを生じ、該磁気テープの再生の
際に大きな問題となる。
従来、上述の問題を解決するために、専用のクリーニ
ングリテープカセットを使用し、塗布型の磁気テープを
走行させた後、磁気ヘッドやピンチローラ等の清掃を行
い、改めて他の磁気テープ,例えば蒸着型の磁気テープ
を走行させていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上述のように専用のクリーニングテープカセットを使
用して磁気ヘッド等の清掃を行うことは、塗布型の磁気
テープの走行毎にクリーニングテープカセットを使用し
て磁気ヘッド等の清掃を行う必要があったため非常に面
倒な操作を余儀なくされていた。
そこで、本発明は上述の問題点を解決するために提案
されたものであって、瞬時ヘッドクロックやドロップア
ウトの発生率を低減することが可能なクリーニングリー
ダーテープ付き磁気テープを提供することを目的とする
ものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、上述の目的を達成するために、クリーニン
グリーダーテープを有する磁気テープにおいて、前記磁
気テープは非磁性支持体上に金属磁性薄膜よりなる磁性
層を有し、前記磁気テープのヤング率をYM,全厚をTM
前記クリーニングリーダーテープのヤング率をYC,全厚
をTCとした時、YM≧YC且つ2TM≧TCなる関係を満足する
ことを特徴とするものである。
上記クリーニングリーダーテープを有する磁気テープ
は、第1図に示すように、非磁性支持体(3)上にクリ
ーニング層(2)を有するクリーニングリーダーテープ
(1)と非磁性支持体(6)上に磁性層(5)を有する
蒸着型の磁気テープ(4)とを上記クリーニング層
(2)及び磁性層(5)の形成面側(7)とは反対に当
たる他面側(8)において接着剤(9)によって接着さ
れて構成されるものである。
上記クリーニングリーダーテープを構成する非磁性支
持体(3)としては、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム等、通常この種のテープのベースフィルム
として使用されるものであればいずれのものであっても
使用可能である。
また、クリーニングリーダーテープを構成するクリー
ニング層(2)は、下地層(2a)とクリーニング剤層
(2b)とからなるものであり、該クリーニング層(2)
上には潤滑剤がトップコートされていてもよい。
ここで、上記下地層(2a)はクリーニング層(2)の
表面粗さを規定するために設けられたもので、SiO2等の
無機顔料を用いればよく、その厚さとしては600Å程度
であることが好ましい。
また、クリーニング剤層(2b)は、金属薄膜からなる
蒸着層として形成してもよく、また非磁性粉末を結合剤
中に混合し塗布形成したものであってもよい。クリーニ
ング層(2b)を金属薄膜からなる蒸着層として形成する
場合には、Co80−Ni20等の金属材料が使用可能である。
上記蒸着層(2b)の材料としてはその他磁性材料や非磁
性材料等硬度があまり高くなく、蒸着可能なものであれ
ばいずれのものも使用可能である。上記蒸着層(2b)を
非磁性支持体(3)上に形成するにあたっては、通常使
用される蒸着方法を用いればよく、また通常の蒸着条件
で行えばよい。
また、クリーニング剤層(2b)を磁性粉末を結合剤中
に混合し塗布することによって形成する場合には、磁性
粉として例えばCo−γFe2O3を主体とし、これにカーボ
ン等の無機顔料を所定量加えたもの等が使用できる。そ
して、これら磁性粉はウレタン等の結合剤及び硬化剤と
ともに混合されクリーニング剤として非磁性支持体上に
塗布形成する。
さらに、上記クニーリング層(2)上にはクリーニン
グリーダーテープの走行性や耐久性を改善する目的で潤
滑剤がトップコートされていることが好ましい。この潤
滑剤としてはフッ素系の潤滑剤を使用することが好まし
いが、必ずしもこれに限定されるものではない。
このようにクリーニングリーダーテープを設けること
により、塗布型の磁気テープの走行後に蒸着型の磁気テ
ープを走行させても瞬時ヘッドクロックやドロップアウ
トの発生率を低減することができる。
一方、上記蒸着型の磁気テープ(4)は、スパッタリ
ング等の通常の真空薄膜形成技術で作製される磁気記録
媒体と同様な構成を成すものであって、非磁性支持体
(6)上に磁性層(5)を構成する蒸着膜が形成されて
構成されている。そして磁性層(5)上には、潤滑剤が
トップコートされており磁性層の走行性や耐久性を改善
している。なお、上記磁性層(5)の下部に該磁性層の
表面粗さを調整するために下地層を形成してもよい。こ
の下地層としては、Al2O3,MgO,CaO金属超微粒子等が使
用可能である。
上記蒸着型の磁気テープ(4)を構成する非磁性支持
体(6)としては、ポリアミド,ポリイミド,ポリエチ
レンナフタレート(PEN)等が使用可能であり、さらに
通常この種の磁気テープの非磁性支持体として使用され
るものがいずれも使用可能である。
また、蒸着膜(5b)としては、Co,Co−Ni,Fe−Co等の
強磁性金属材料が使用可能であり、その他通常の強磁性
金属材料が使用可能である。
上述のような材料により構成されるクリーニングリー
ダーテープ付き磁気テープにおいて、クリーニングリー
ダーテープのヤング率をYC,全厚をTC、 磁気テープのヤング率をYM,全厚をTMとした時、これ
らの関係が所定の関係を満足することが必要である。
すなわち、クリーニングリーダーテープのヤング率YC
と磁気テープのヤング率YMが YM≧YC であり、且つクリーニングリーダーテープの全厚TCと磁
気テープの全厚TMが 2TM≧TC なる関係を満足することである。
したがって、クリーニングリーダーテープが磁気テー
プよりも軟らかく、磁気テープの全厚の2倍より薄いこ
とが要求されている。これはクリーニング層のクリーニ
ング効果を良好に発揮させる必要性から要求されるもの
であり、本発明等の実験によっても確認されている。す
なわち、より軟らかい材質を使用したクリーニングテー
プによって磁気ヘッド等を清掃することにより、クリー
ニングテープが磁気ヘッド等に良好に密着接触して磁性
粉等を取り除くことになるからである。
クリーニングテープと磁気テープのヤング率と全厚を
上述のように規定することにより、クリーニング効果が
良好に発揮できる。
〔作用〕
クリーニングリーダーテープを蒸着型磁気テープの端
部に設けているので、塗布型の磁気テープを走行させた
後に専用のクリーニングテープカセットを使用して磁気
ヘッド等の清掃を行った後、蒸着型の磁気テープを走行
させるといった面倒な操作をすることなく、塗布型の磁
気テープを走行させた後、そのまま簡易に蒸着型の磁気
テープを走行させることができる。
また、クリーニングテープのヤング率YCと磁気テープ
のヤング率YM及びクリーニングリーダーテープの全厚TC
と磁気テープの全厚TMをYM≧YC、2TM≧TCと規定するこ
とにより、磁気ヘッド等にクリーニングテープが良好に
密着接触するためクリーニング効果が良好に発揮でき
る。
〔実施例〕
以下、本発明を適用したクリーニングリーダーテープ
付き磁気テープについて説明する。
先ず、クリーニングテープと磁気テープの全厚を変え
たことにより初期ドロップアウト量の変化を調べた。
実施例1 市販の8ミリ塗布型の磁気テープ(P6−120)を5巻
8ミリVTRで走行させた。そして、非磁性支持体として1
0μm厚のポリエチレンテレフタレートを使用し、下地
層として600Å厚のSiO2を設け、蒸着層としてCo80−Ni
20を形成し、その表面にフッ素系潤滑剤を塗布して構成
されるクリーニングリーダーテープを20cm有した蒸着型
の磁気テープを用いて走行させた。このクリーニングリ
ーダーテープ付き磁気テープを構成するクリーニングリ
ーダーテープの全厚は10μm,ヤング率は760、磁気テー
プの全厚は10μm,ヤング率は850である。
そのとき、5分間の初期ドロップアウト量(76dB,10
μs)を測定した。
実施例2 実施例1で使用したクリーニングリーダーテープ付き
磁気テープを構成するクリーニングテープの全厚を10μ
m,ヤング率を690、磁気テープの全厚を10μm,ヤング率
を850と変え、他は実施例1と同様の方法により、5分
間の初期ドロップアウト量(76dB,10μs)を測定し
た。
実施例3 実施例1で使用したクリーニングリーダーテープ付き
磁気テープを構成するクリーニングテープの全厚を8μ
m,ヤング率を650、磁気テープの全厚を10μm,ヤング率
を850と変え、他は実施例1と同様の方法により、5分
間の初期ドロップアウト量(76dB,10μs)を測定し
た。
実施例4 実施例1で使用したクリーニングリーダーテープ付き
磁気テープを構成するクリーニングテープの全厚を15μ
m,ヤング率を810、磁気テープの全厚を10μm,ヤング率
を850と変え、他は実施例1と同様の方法により、5分
間の初期ドロップアウト量(76dB,10μs)を測定し
た。
比較例1 実施例1で使用したクリーニングリーダーテープ付き
磁気テープを構成するクリーニングテープの全厚を25μ
m,ヤング率を1000、磁気テープの全厚を10μm,ヤング率
を850と変え、他は実施例1と同様の方法により、5分
間の初期ドロップアウト量(76dB,10μs)を測定し
た。
比較例2 市販の8ミリ塗布型の磁気テープ(p6−120)を5巻
8ミリVTRで走行させた。そして、クリーニングリーダ
ーテープを有さない全厚10μmの磁気テープからなる蒸
着型の磁気テープを用いて走行させた。
そのとき、5分間の初期ドロップアウト量(76dB,10
μs)を測定した。
参考例 何も走行させていない未使用VTRを使用して全厚10μ
mの磁気テープからなる蒸着型の磁気テープを走行させ
た。
そのとき、5分間の初期ドロップアウト量(76dB,10
μs)を測定した。
以上の結果を第1表に示す。
第1表より明らかなようにクリーニングリーダーテー
プの厚さが磁気テープの2倍より薄く、且つヤング率が
磁気テープのヤング率より少ない場合にクリーニングテ
ープを設けた効果が現れた。
また、クリーニングテープの全厚は薄い程、ヤング率
は小さい程ドロップアウト量が減少する。
次に、クリーニングテープと磁気テープのヤング率と
全厚の比を一定に保ち、塗布型の磁気テープの走行量を
変化させ、初期ドロップアウト量及び瞬時ヘッドクロッ
グの発生率の変化を調べた。
実施例5 市販の8ミリ塗布型の磁気テープ(P6−120)を5巻
8ミリVTRで走行させた。そして、非磁性支持体として1
0μm厚のポリエチレンテレフタレートを使用し、下地
層として600Å厚のSiO2を設け、蒸着層としてCo80−Ni
20を形成し、その表面にフッ素系潤滑剤を塗布して構成
されるクリーニングリーダーテープを20cm有した蒸着型
の磁気テープを用いて走行させた。この蒸着型の磁気テ
ープを構成するクリーニングテープのヤング率は760,全
厚は10μm、磁気テープのヤング率は850,全厚は10μm
である。
そのとき、5分間の初期ドロップアウト量(76dB,10
μs)及び瞬時ヘッドクロック発生率を測定した。
実施例6 市販の8ミリ塗布型の磁気テープ(P6−120)を20巻
8ミリVTRで走行させた。そして、クリーニングテープ
を20cm有した蒸着型の磁気テープを用いて走行させた。
この蒸着型の磁気テープを構成するクリーニングテープ
のヤング率は760,全厚は10μm、磁気テープのヤング率
は850,全厚は10μmである。
そのとき、5分間の初期ドロップアウト量(76dB,10
μs)及び瞬時ヘッドクロック発生率を測定した。
比較例3 市販の8ミリ塗布型の磁気テープ(P6−120)を5巻
8ミリVTRで走行させた。そして、クリーニングリーダ
ーテープを有さないヤング率850,全厚10μmの磁気テー
プを有した蒸着型の磁気テープを用いて走行させた。
そのとき、5分間の初期ドロップアウト量(76dB,10
μs)及び瞬時ヘッドクロック発生率を測定した。
比較例4 市販の8ミリ塗布型の磁気テープ(P6−120)を20巻
8ミリVTRで走行させた。そして、クリーニングリーダ
ーテープを有さないヤング率850,全厚10μmの磁気テー
プを有した蒸着型の磁気テープを用いて走行させた。
そのとき、5分間の初期ドロップアウト量(76dB,10
μs)及び瞬時ヘッドクロック発生率を測定した。
以上の結果を第2表に示す。
上記第2表より明らかなように、塗布型の磁気テープ
の走行量にかかわりなく、クリーニングリーダーテープ
によってクリーニングした後に蒸着型の磁気テープを走
行させるとドロップアウト量が減少するとともに瞬時ク
ロッグ発生率も大きく減少する。
〔発明の効果〕
以上の説明より明らかなように、本発明のクリーニン
グリーダーテープ付き磁気テープは、磁気テープのヤン
グ率をYM,全厚をTM、前記クリーニングリーダーテープ
のヤング率をYC,全厚をTCとした時、YM≧YC且つ2TM≧TC
なる関係を満足するクリーニングテープを蒸着型磁気テ
ープの端部に設けているため、塗布型の磁気テープと蒸
着型の磁気テープを混在して使用した場合にもドロップ
アウト量や瞬時ヘッドクロッグ発生率を低減させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用したクリーニングリーダーテープ
付き磁気テープの一構成例を示す要部拡大断面図であ
る。 1……クリーニングリーダーテープ 2……クリーニング層 3……非磁性支持体 4……蒸着型の磁気テープ 5……磁性層 6……非磁性支持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千葉 一信 東京都品川区北品川6丁目5番6号 ソ ニー・マグネ・プロダクツ株式会社内 (72)発明者 平野 明彦 東京都品川区北品川6丁目5番6号 ソ ニー・マグネ・プロダクツ株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クリーニングリーダーテープを有する磁気
    テープにおいて、 前記磁気テープは非磁性支持体上に金属磁性薄膜よりな
    る磁性層を有し、前記磁気テープのヤング率をYM,全厚
    をTM、前記クリーニングリーダーテープのヤング率を
    YC,全厚をTCとした時、YM≧YC且つ2TM≧TCなる関係を満
    足することを特徴とするクリーニングリーダーテープ付
    き磁気テープ。
JP62264395A 1987-10-20 1987-10-20 クリーニングリーダーテープ付き磁気テープ Expired - Lifetime JP2565239B2 (ja)

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