JP2565111Y2

JP2565111Y2 - 単相３線式分電盤の充電部電圧変換構造

Info

Publication number: JP2565111Y2
Application number: JP9227291U
Authority: JP
Inventors: 浩司大川
Original assignee: 河村電器産業株式会社
Priority date: 1991-10-14
Filing date: 1991-10-14
Publication date: 1998-03-11
Anticipated expiration: 2006-10-14
Also published as: JPH0539107U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、住宅用分電盤の充電
部電圧を、電圧切り替えバーにより１００Ｖ又は２００
Ｖに軽易に切り換える単相３線式の分電盤の充電部電圧
変換構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の単相３線式の分電盤の充電部電圧
変換構造として、実開昭５９ー１６７４１０号公報に記
載の如く、１００Ｖ用接続導体と２００Ｖ用接続導体と
夫々専用の接続導体２種を備え、それら専用の接続導体
をネジ止めして電圧を切り換える技術が公知であった。
又、実公昭６１ー３２０３号公報には、１００Ｖ用と２
００Ｖ用と兼用の電圧切換金具を備え、それにより電圧
を切り換える技術が開示されている。更に、実開昭６０
ー３４７０８号公報には、「分電盤の分岐回路電圧切換
装置」として、切換板を設け、それを回動させてＮ極母
線、或いはＬ２極（又はＬ１極）母線のいずれか一方に
接続可能に形成して、１００Ｖ用又はと２００Ｖ用に電
圧を切換える技術が開示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記の分電
盤の充電部電圧変換構造において、実開昭５９ー１６７
４１０号公報に記載されている技術は、１００Ｖ用と２
００Ｖ用と２種の接続導体を必要とするので、製作や部
品管理に余計な手間が掛りコストアップを招く他、電圧
の切り換えのため接続導体のネジを外したり締めたりす
る作業が厄介であり、又、使用しない片方の接続導体を
紛失する虞れがある等の問題があった。

【０００４】一方、実公昭６１ー３２０３号公報に記載
されている技術は、兼用の電圧切換金具を使用するの
で、製作や部品管理上の無駄が省かれ、又、部品紛失の
虞れも無くなるが、電圧の切り換えに際しては、電圧切
換金具の止めネジを外し、電圧切換金具を１８０度回転
させて別の母線バーにネジ止めしなければならないの
で、狭少なスペース内での電圧の切り換え作業がしづら
く非能率的であった。又、実開昭６０ー３４７０８号公
報に記載されている技術は、実公昭６１ー３２０３号公
報と同じように、兼用の切換板を使用するので、製作や
部品管理上の無駄が省かれ、又、部品紛失の虞れも無く
なるが、止めネジを外して切換板を１８０度回転させな
ければならないので、実公昭６１ー３２０３号公報と同
じ問題を蔵していた。

【０００５】上記従来技術の問題点に鑑み、本考案の課
題は、止めネジを取り外すことなく、１００Ｖ用と２０
０Ｖ用との兼用の電圧切り替えバーをスライドさせて、
軽易に電圧の変換を可能とする単相３線式分電盤の充電
部電圧変換構造を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本考案に係る単相３線式分電盤の充電部電圧変換
構造は、複数の分岐ブレーカに夫々接続されるＸ相母線
バー（又はＹ相母線バー）、中性相母線バー及び中継接
続バーの各接続端面を同一平面上に配設し、Ｘ相母線バ
ー（又はＹ相母線バー）の接続端面に第１止めネジ及び
第２止めネジを、又、中性相母線バーの接続端面に第３
止めネジ及び第４止めネジを、更に、中継接続バーの接
続端面に第５止めネジを夫々螺着し、それらの止めネジ
を同一直線上に配して成り、互いに平行な２本の連結杆
とそれを繋ぐ連結枠を備え、且つその連結杆が摺接する
第５止めネジを基軸として左右に摺動自在な電圧切り替
えバーが、第５止めネジとその左右に隣接する前記止め
ネジとを交互に接続可能となして構成したものである。

【０００７】

【作用】電圧切り替えバーの連結杆の片端部を第５止め
ネジに摺接させながら、中継接続バーの接続端面に第５
止めネジを螺着し、一方、電圧切り替えバーの連結杆の
他端部を中性相母線バーの接続端面に第４止めネジ（又
は第３止めネジ）で締着すると１００Ｖ用の結線が得ら
れる。

【０００８】次に、第４止めネジ（又は第３止めネジ）
と、第５止めネジと、その第５止めネジに隣接するＸ相
母線バー（又はＹ相母線バー）の第１止めネジ（又は第
２止めネジ）とを任意位置まで緩め、電圧切り替えバー
の連結枠をつまんで電圧切り替えバーを第１止めネジ
（又は第２止めネジ）側へスライドさせると、各止めネ
ジは、同一平面且つ同一直線上にあるので、電圧切り替
えバーはスムースに移動する。そこで、連結杆の片端部
をＸ相母線バー（又はＹ相母線バー）の接続端面に第１
止めネジ（又は第２止めネジ）で締着し、更に、中継接
続バーの第５止めネジを締め付けると２００Ｖ用の結線
が得られる。そして、緩めておいた第４止めネジ（又は
第３止めネジ）を締め付ける。

【０００９】この動作を逆に行なうと、この分岐ブレー
カは元の電圧１００Ｖの結線となる。このように、第１
止めネジ（又は第２止めネジ）、第４止めネジ（又は第
３止めネジ）及び第５止めネジ等を取り外すことなく、
単に関係する３個のネジを緩めて電圧切り替えバーをス
ライドさせ、その緩めたネジを締め直すだけで良いの
で、軽易に分岐ブレーカの電圧を変換することが出来
る。

【００１０】

【実施例】本考案に係る単相３線式分電盤の充電部電圧
変換構造の構成を、実施例により以下説明する。図１は
単相３線式分電盤の充電部電圧変換構造の要部の一部分
解斜視図で、同図において、１は分岐ブレーカ、２はＸ
相母線バー、３はＹ相母線バー、４は中性相母線バー
で、分岐ブレーカ１には、Ｙ相母線バー３のＹ相分岐バ
ー５及び中継接続バー６が夫々接続している。

【００１１】各分岐ブレーカ１に夫々接続されるＸ相母
線バー２（又はＹ相母線バー３）、中性相母線バー４及
び中継接続バー６の各接続端面２ａ，４ａ，６ａは同一
平面上に配設され、Ｘ相母線バー２（又はＹ相母線バー
３）の接続端面２ａ（３ａ）には、第１止めネジ７及び
第２止めネジ８が、又、中性相母線バー４の接続端面４
ａには、第３止めネジ９及び第４止めネジ１０が、更
に、中継接続バー６の接続端面６ａには、第５止めネジ
１１が夫々螺着され、それらの止めネジ７，８，９，１
０，１１は同一直線ＬーＬ上に配置されている。

【００１２】そして、平行な２本の連結杆１２ａ，１２
ａとそれを連結する断面コ字状の連結枠１２ｂを備えた
電圧切り替えバー１２が、中継接続バー６の接続端面６
ａと中性相母線バー４の接続端面４ａに接続している。
即ち、図１，図２及び図３示の如く、連結杆１２ａ，１
２ａの片端部は、第５止めネジ１１によって接続端面６
ａに締めつけられると共に、他端部は第５止めネジ１１
に隣接する第４止めネジ１０によって接続端面４ａに締
めつけられ、連結枠１２ｂは第５止めネジ１１と第４止
めネジ１０の中間に位置している。この状態が、分岐ブ
レーカ１の１００Ｖ用結線である。

【００１３】このように構成された充電部電圧変換構造
は、次のようにして電圧を切り替える。即ち、図２示の
如く、第４止めネジ１０と第５止めネジ１１とその第５
止めネジ１１に隣接するＸ相母線バー２の第１止めネジ
７とを任意位置まで緩めると、連結杆１２ａ，１２ａ
は、第４止めネジ１０と第５止めネジ１１に対し摺接状
態となる。そこで、電圧切り替えバー１２の連結枠１２
ｂをつまんで電圧切り替えバー１２を、図２の点線で示
めすように、第１止めネジ７側へスライドさせて、連結
杆１２ａ，１２ａの先端部をＸ相母線バー２の接続端面
２ａに第１止めネジ７で締着し、更に、中継接続バー６
の第５止めネジ１１を締めつけると２００Ｖ用の結線が
得られる。そして、緩めておいた第４止めネジ１０を締
め付ける。

【００１４】この動作を逆に行なうと、この分岐ブレー
カ１は元の電圧１００Ｖの結線となる。このように、第
１止めネジ７、第４止めネジ１０及び第５止めネジ１１
等を取り外すことなく、単に関係する３個の止めネジ
７，１０，１１を緩めるだけで良い。更に、Ｘ相母線バ
ー２（又はＸ相母線バー３）、中性相母線バー４及び中
継接続バー６の各接続端面２ａ，４ａ，６ａが同一平面
上に配設され、且つ止めネジ７，８，９，１０，１１が
同一直線ＬーＬ上に配置されているため、電圧切り替え
バー１２を容易にスライドさせることが出来、スライド
後その緩めた止めネジ７，１０，１１を締め直すだけで
良いので、軽易に分岐ブレーカ１の電圧を変換すること
が出来る。

【００１５】尚、上記実施例においては、中継接続バー
６の第５止めネジ１１とＸ相母線バー２の第１止めネジ
７及び中性相母線バー４の第４止めネジ１０との間にお
ける電圧切り替えについて説明したが、中継接続バー６
の第５止めネジ１１とＸ相母線バー２の第２止めネジ８
及び中性相母線バー４の第３止めネジ９との間において
も、上記と同様に、電圧切り替えバー１２により１００
Ｖから２００Ｖへ、又それと逆に電圧切り替えが行なえ
る。又、分岐ブレーカ１に対向する側の分岐ブレーカ
（図示省略）については、Ｙ相母線バー３と中性相母線
バー４との間において、上記のように電圧切り替えバー
１２により電圧切り替えが行なえる。

【００１６】図５は図１における電圧切り替えバー１２
の形状を変更した例を示したもので、その形状以外の充
電部電圧変換構造は、図１の場合と全く同じであるの
で、重複を避けその説明を省略する。電圧切り替えバー
２０は、馬蹄形の中央部をくり抜いた形状をなし、連結
杆２０ａ，２０ａとそれを連結する左右の連結枠２０
ｂ、２０ｂとから成っている。そして、電圧切り替えバ
ー１２の片端部は、止めネジ２２によって中継接続バー
６に接続し、その他端部は止めネジ２１によって中性相
母線バー４に接続し、１００Ｖ用結線となっている。

【００１７】この状態から２００Ｖ結線に電圧切り替え
を行なうには、止めネジ２２を任意の位置まで緩めて、
連結杆２０ａ，２０ａを止めネジ２２に対し摺接状態と
なし、次に止めネジ２１を取り外し、連結枠２０ｂ、２
０ｂをつまんで電圧切り替えバー１２をＸ相母線バー２
側へスライドさせ、連結杆２０ａ，２０ａの先端を先に
取り外した止めネジ２１によってＸ相母線バー２に接続
すると、２００Ｖ結線が得られる。この動作を逆に行な
うと、元の電圧１００Ｖの結線が得られる。この電圧切
り替えバー２０を使用すると、止めネジを一個取り外さ
なければならないが、反面、止めネジの数を少なく出来
るメリットがあり、その他、図１の場合と同様の効果を
有するものである。

【００１８】尚、上記実施例における電圧切り替えバー
の形状は一例であって、これに限定されるものでなく、
連結枠は山形であっても良いし、半円形でも良いし、要
は、２本の連結杆を連結し且つスライドさせるためのつ
まみの役割りが出来るものであれば良い。

【００１９】

【考案の効果】以上詳述したように、本考案に係る単相
３線式分電盤の充電部電圧変換構造は、Ｘ相母線バー
（又はＹ相母線バー）、中性相母線バー及び中継接続バ
ーの各接続端面を同一平面上に配設し、各接続端面に夫
々止めネジを螺着し、それらの止めネジを同一直線上に
配して成り、中継接続バーの止めネジを基軸として左右
に摺動自在な電圧切り替えバーをスライドさせて、電圧
変換を行なうものであるから、１００Ｖ用と２００Ｖ用
と夫々専用の接続部品を必要としないので、製作や部品
管理に余計な手間が掛らず、且つ部品紛失の虞れの無
い。更に、電圧変換作業においては、止めネジを取り外
すことなく単に緩めるだけで良く、しかも、電圧切り替
えバーを左右にスライドさせて、１００Ｖから２００Ｖ
へ、逆に２００Ｖから１００Ｖへと電圧変換が出来るの
で、従来技術のように、ネジを取り外したり、電圧切り
換え金具を１８０度回転させたり反転させたりする必要
が無く、初心者でも狭少なスペース内での切り換え作業
を軽易且つ能率的に実施出来る等、頗る実用性に富むも
のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の要部の一部分解斜視図であ
る。

【図２】電圧変換の状態の説明図である。

【図３】図２の斜視図である。

【図４】図３の一部断面側視図である。

【図５】電圧切り替えバーの変更実施例の説明図であ
る。

【符号の説明】１・・分岐ブレーカ、２・・Ｘ相母線バー、２ａ・・接
続端面、３・・Ｙ相母線バー、４・・中性相母線バー、
４ａ・・接続端面、５・・Ｙ相分岐バー、６・・中継接
続バー、６ａ・・接続端面、７・・第１止めネジ、８・
・第２止めネジ９・・第３止めネジ、１０・・第４止め
ネジ、１１・・第５止めネジ、１２・・電圧切り替えバ
ー、１２ａ・・連結杆、１２ｂ・・連結枠。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】複数の分岐ブレーカに夫々接続されるＸ
相母線バー（又はＹ相母線バー）、中性相母線バー及び
中継接続バーの各接続端面を同一平面上に配設し、Ｘ相
母線バー（又はＹ相母線バー）の接続端面に第１止めネ
ジ及び第２止めネジを、又、中性相母線バーの接続端面
に第３止めネジ及び第４止めネジを、更に、中継接続バ
ーの接続端面に第５止めネジを夫々螺着し、それらの止
めネジを同一直線上に配して成り、互いに平行な２本の
連結杆とそれを繋ぐ連結枠を備え、且つその連結杆が摺
接する第５止めネジを基軸として左右に摺動自在な電圧
切り替えバーが、第５止めネジとその左右に隣接する前
記止めネジとを交互に接続可能となしたことを特徴とす
る単相３線式分電盤の充電部電圧変換構造。