JP2562894B2 - 診断装置 - Google Patents

診断装置

Info

Publication number
JP2562894B2
JP2562894B2 JP11046387A JP11046387A JP2562894B2 JP 2562894 B2 JP2562894 B2 JP 2562894B2 JP 11046387 A JP11046387 A JP 11046387A JP 11046387 A JP11046387 A JP 11046387A JP 2562894 B2 JP2562894 B2 JP 2562894B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amount
oxygen
transmission amount
light
infrared light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11046387A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63275325A (ja
Inventor
進 鈴木
住男 八木
健夫 尾崎
直俊 袴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hamamatsu Photonics KK filed Critical Hamamatsu Photonics KK
Priority to JP11046387A priority Critical patent/JP2562894B2/ja
Publication of JPS63275325A publication Critical patent/JPS63275325A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2562894B2 publication Critical patent/JP2562894B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、人間あるいは動物の脳組織などの体内器官
の酸素量を測定する診断装置に関し、特に血液中のヘモ
グロビンの酸素量、細胞内のチトクロムの酸素量を近赤
外光によって検出することで、体内器官の酸素量を測定
する診断装置に関する。
〔従来の技術〕
一般的に、脳組織等の体内器官の機能を診断する際
に、体内器官内の酸素量が十分なものであって適切に利
用されているか否かは、基本的かつ重要なパラメータと
なる。体内器官への十分な酸素の供給は、胎児、新生児
の生育力に欠くことができないものであり、酸素の供給
が十分でない場合には、胎児、新生児の死亡率は高く、
また生存しえたとしても後遺症として体内器官に与える
影響は大きい。また酸素が欠乏することによって体内の
全ての器官が影響を受けるが、特に脳組織への損傷が大
きい。
このような体内器官の酸素量を早期にかつ容易に診断
するために、1981年8月4日に付与された米国特許第4,
281,645号に開示されているような診断装置が開発され
ている。この種の診断装置では、血液中の酸素運搬媒体
であるヘモグロビンと、酸化還元反応を行なう細胞中の
チトクロムa,a3とによる近赤外光の吸収スペクトルに基
づいて、体内器官、特に脳の酸素量の変化を測定するよ
うになっている。すなわち、波長範囲が700乃至1300nm
の近赤外光は、第6図(a)に示すように酸素と結合し
たヘモグロビン(HbO2)と酸素の取除かれたヘモグロビ
ン(Hb)とで異なる吸収スペクトルαHbO2Hbを示
し、また第6図(b)に示すように酸化されたチトクロ
ムa,a3(CyO2)と還元されたチトクロムa,a3(Cy)とで
異なる吸収スペクトルαcyo2cyを呈する。このよう
な近赤外光の性質を利用して、患者の頭部の一方の側か
ら4種類の異なる波長λ1,λ2,λ3,λ4(例えば775nm,
800nm,825nm,850nm)の近赤外光を時分割で入射させ、
頭部を透過した光量を頭部の他方の側で順次に検出し、
これら4種類の検出結果に所定の演算処理を施すこと
で、4つの未知数、すなわち、酸素と結合したヘモグロ
ビン(HbO2)、酸素の取除かれたヘモグロビン(Hb),
酸化されたチトクロムa,a3(CyO2),還元されたチトク
ロムa,a3(Cy)のそれぞれの濃度変化量を算出し、これ
に基づいて例えば脳の酸素量の変化を測定するようにな
っている。
第7図はこのような診断装置の概略構成図である。第
7図において従来の診断装置は、4種類の異なる波長λ
1,λ2,λ3,λ4の近赤外光をそれぞれ出力するレーザダ
イオードなどの光源LD1乃至LD4と、光源LD1乃至LD4の出
力タイミングを制御する光源制御装置55と、光源LD1乃
至LD4から出力される近赤外光を頭部60にそれぞれ照射
させるための光ファイバ50−1乃至50−4と、光ファイ
バ50−1乃至50−4の端部を互いに束にして保持する照
射側取付具51と、照射用取付具51の取付けられる側とは
反対側の頭部60の所定位置に取付けられる検出側取付具
52と、検出側取付具52に保持され頭部60を透過した近赤
外光を案内する光ファイバ53と、光ファイバ53によって
案内された近赤外光の光子数を計数し近赤外光の透過量
を測定する透過光検出装置54と、診断装置全体を制御
し、さらに近赤外光の透過量に基づき脳組織の酸素の変
化量を測定するコンピュータシステム56とからなってい
る。
コンピュータシステム56は、プロセッサ62と、メモリ
63と、ディスプレイ、プリンタなどの出力装置64と、キ
ーボードなどの入力装置65とを備えており、これらはシ
ステムバス66によって互いに接続されている。またコン
ピュータシステム56のシステムバス66には、外部I/Oと
して、光源制御装置55と、透過光検出装置とが接続され
ている。
光源制御装置55は、コンピュータシステム56からの指
示により、第8図(a)乃至(2)に示すような駆動信
号ACT乃至ACT4で光源LD1乃至LD4を駆動している。第8
図(a)乃至(d)において1測定期間Mk(k=1,2,…
…)は、N回のサイクルCY1乃至CYNからなっている。サ
イクルCY1乃至CYNのうちの任意のサイクルCYnのフェー
ズφn1では、いずれの光源LD1乃至LD4も駆動されず、頭
部60には光源LD1乃至LD4からの近赤外光は照射されな
い。またフェーズφn2では、光源LD1が駆動され、光源L
D1から例えば775nmの近赤外光が出力される。同様にフ
ェーズφn3では光源LD2が駆動されて光源LD2から例えば
800nmの近赤外光が出力され、フェーズφn4では光源LD3
が駆動されて光源LD3から例えば825nmの近赤外光が出力
され、フェーズφn5では光源LD4が駆動されて光源LD4か
ら例えば850nmの近赤外光が出力される。このように光
源制御装置55は、光源LD1乃至LD4を時分割で順次に駆動
するようになっている。
また透過光検出装置54は、光ファイバ53からの近赤外
光の光量を調節するフィルタ57と、レンズ70,71と、フ
ィルタ57からの光をパルス電流に変換して出力する光電
子増倍管58と、光電子増倍管58からのパルス電流を増幅
する増幅器59と、増幅器59からのパルス電流のうちで所
定の波高閾値以下のパルス電流を取除く波高弁別器60
と、チャンネルごとの光子数頻度を検出するマルチチャ
ンネルフォトンカウンタ61と、マルチチャンネルフォト
ンカウンタ61の検出期間を制御する例えば検出制御器67
と、光電子増倍管58を収容しているクーラ69の温度を調
節する温度コントローラ68とを備えている。
このような構成の診断装置では、使用に際して、照射
側取付具51と検出側取付具52とを頭部60の所定位置にテ
ープなどによりしっかりと取付ける。次いで光源制御装
置55により光源LD1乃至LD4を第8図(a)乃至(d)の
ようにそれぞれ駆動すると、光源LD1乃至LD4からは4種
類の異なる波長の近赤外光が時分割で順次に出力され、
光ファイバ50−1乃至50−4を介して頭部60に入射す
る。頭部60の骨や柔らかな組織は、近赤外光に対して透
過性であるので、近赤外光は主に血液中のヘモグロビ
ン、細胞内のチトクロムa,a3に一部が吸収されて光ファ
イバ53に出力され、光ファイバ53から透過光検出装置54
に加わる。なお、光源LD1乃至LD4のいずれもが駆動され
ないフェーズφn1では透過光検出装置54には光源LD1乃
至LD4からの透過光は入射せず、このときには透過光検
出装置54においてダーク光の検出が行なわれる。
透過光検出装置54の光電子増倍管58は、高感度、高応
答速度で動作するフォトンカウンティング用のものであ
る。光電子増倍管58の出力パルス電流は増幅器59を介し
て波高弁別器60に入力する。波高弁別器60では、所定の
波高閾値以下のノイズ成分を取除き信号パルスだけをマ
ルチチャンネルフォトンカウンタ61に入力させるように
なっている。マルチチャンネルフォトンカウンタ61は、
検出制御器67からの第8図(e)に示すような制御信号
CTLにより、第8図(a)乃至(d)に示すような光源L
D1乃至LD4の駆動信号ACT1乃至ACT4に同期した期間T0
け光子数の検出を行ない、光ファイバ53から入射した光
に対して各波長ごとの検出フォトン数を計数する。これ
により近赤外光の各波長ごとの透過量データが求められ
る。
すなわち、第8図(a)乃至(e)に示すように、光
源制御装置55の1つのサイクルCYn中、フェーズφ1で
は、光源LD1乃至LD4のいずれもが駆動されないので、透
過光検出装置54ではダーク光データdが計数される。ま
たフェーズφn2乃至φn5では光源LD1乃至LD4が時分割で
順次に駆動されるので、透過光検出装置54では、4つの
異なった波長λ1,λ2,λ3,λ4の近赤外光の透過量デー
タtλ1,tλ2,tλ3,tλ4が順次に計数される。
このように、1つのサイクルCYn中に順次計数される
ダーク光データdおよび透過量データtλ1,tλ2,t
λ3,tλ4は、N回のサイクルCY1乃至CYNにわたって計
数が続けられる。すなわちN回のサイクルをもって、1
測定期間Mk(k=1,2,……)とされる。具体的には、例
えば1つのサイクルCYnが200μ秒でありNが10000回で
あるとすると、1測定期間Mkは2秒となる。1測定期間
Mkが終了した時点で、ダーク光データの計数結果 および透過量データの計数結果Tλ1,Tλ2,Tλ3,T
λ4 がコンピュータシステム56に転送され、メモリ63に記憶
される。
プロセッサ62は、1測定期間Mkにおいてメモリ63に記
憶された透過量データ、ダーク光データ(Tλ1,
Tλ2,Tλ3,Tλ4,D)Mkと、測定開始時M0における透
過量データ、ダーク光データ(Tλ1,Tλ2,Tλ3,T
λ4,D)M0とから、ダーク減算を行ない、しかる後に透
過量の変化率ΔTλ1,ΔTλ2,ΔTλ3,ΔTλ4
を算出する。すなわち透過量の変化率ΔTλ1,ΔT
λ2,ΔTλ3,ΔTλ4は、 ΔTλj=log[(Tλj−D)Mk /(Tλj−D)M0](j=1乃至4) ……(1) として算出される。なお、ΔTλjの算出において対数
をとっているのは、光学密度としての変化を表わすため
である。
このようにして算出された透過量の変化率ΔTλ1
ΔTλ2,ΔTλ3,ΔTλ4から、酸素と結合したヘ
モグロビン(HbO2),酸素の取除かれたヘモグロビン
(Hb),酸化されたチトクロムa,a3(CyO2),還元され
たチトクロムa,a3(Cy)の濃度変化ΔXHb02,ΔXHb,ΔX
Cy02,ΔXCyをそれぞれ検出することができる。すなわち
各成分の濃度変化ΔXHb02,ΔXHb,ΔXCy02,ΔXCyは、 として検出される。ここでαijは、各波長λj(λ1,λ
2,λ3,λ4)における各成分i(HbO2,Hb,CyO2,Cy)の
吸収係数であり、第6図(a),(b)から予め定まっ
ている。またlは、近赤外光が進行する方向の頭部60の
長さである。
このようにしてコンピュータシステム56において検出
された各成分の濃度変化ΔXHb02,ΔXHb,ΔXCy02,ΔXCy
は、換言すれば、脳内の酸素量の変化であるので、これ
らを出力装置64に出力させることで、脳内の酸素量の変
化を知り診断することができる。
〔発明が解決しようとする問題点〕 このように従来の診断装置では、所定の体内器官の酸
素量の変化を測定することができる。第6図(a),
(b)を比較すると、測定される吸収スペクトルは主に
血液中のヘモグロビンによるものでありチトクロムa,a3
の寄与は非常に少ないので、測定によって得られる所定
の体内器官の酸素量の変化は、主に血液中のヘモグロビ
ン(HbあるいはHbO2)の濃度変化によるものとみなされ
る。
ところで、診断装置の使用者にとって酸素量の変化を
測定するのでなく、 として一般に定義される酸素の絶対飽和量Sの測定を望
む場合がある。なお(3)式において分母は全てのヘモ
グロビン濃度であり、分子は酸素と結合しているヘモグ
ロビン(HbO2)の血液中の濃度である。
このような酸素の絶対飽和量Sを測定する技術は、19
80年1月に発行された著書I.YO−SHIYA等による文献「M
edical & Biological Engineering & Computing」
(第18巻、第27頁乃至第32頁)に開示されている。
この文献によれば、ハロゲンランプからの光を指先に
照射し、指先からの光の透過量が心拍に同期して変調さ
れることを利用して指先の動脈血における酸素の絶対飽
和量Sを求めている。血液全体(動脈血+静脈血)の酸
素の絶対飽和量Sは、Beerの法則に従い、 として算出される。ここでα650805はそれぞれ波長6
50nm,波長805nmでの血液全体の吸収係数、A,Bはそれぞ
れ酸素と結合していないヘモグロビン(Hb),酸素と結
合しているヘモグロビン(HbO2)の吸収係数に関係した
係数である。
指先に入射する光は、血液量により減衰して透過光と
なる。このときに第9図に示すように光が動脈血によっ
て減衰されたものは心拍に同期して変動する一方、動脈
血によって減衰されたものは変動しないとする。いま、
全体の透過量EDC+ACと心拍に同期して変動する部分の透
過量EACとの対数比Yを、 Y=log(EDC+AC/EDC) ……(5) として定義すると、対数比Yは、吸収係数αに比例す
る。波長650nm,波長805nmにおける対数比Y650,Y805をそ
れぞれに測定してこれらの比Y650/Y805を求めると、 Y650/Y805=α650805 ……(6) となり、酸素の絶対飽和量Sは、測定されたY650,Y805
を用いて として求められる。
このように、上記文献に開示されている仕方によれ
ば、動脈血による光の減衰量あるいは光の透過量が心拍
に同期して変動されることを利用して指先の動脈血の酸
素の絶対飽和量Sを求めることができる。
しかしながら、上記文献に開示されている仕方では、
動脈血の酸素の絶対飽和量を求めることはできるもの
の、静脈血の酸素の絶対飽和量を求めることができない
という問題があった。
本発明は、静脈血の酸素の絶対飽和量を測定すること
の可能な診断装置を提供することを目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、体内器官の静脈血量を重量によって変動さ
せるような方向に体内器官を回動させながら、波長の異
なる近赤外光を順次に所定の体内器官に入射させ、所定
の体内器官を透過した上記各近赤外光の透過量をそれぞ
れ検出する透過量検出手段と、透過量検出手段によって
検出された各近赤外光の透過量から体内器官の回動によ
る透過量の変動分を波長ごとに算出する算出手段と、算
出手段によって算出された透過量の変動分に所定の演算
を施して所定の体内器官の静脈血中の酸素の絶対飽和量
を測定する演算手段とを備えていることを特徴とする診
断装置によって、上記従来技術の問題点を改善するもの
である。
〔作用〕
本発明では、体内器官を回動させ、これによって体内
器官の静脈血量を重量によって変動させて体内器官の静
脈血中の酸素の絶対飽和量を測定するようにしている。
すなわち体内器官を回動させながら光源から波長の異な
る近赤外光を順次に体内器官、例えば頭部に入射させ、
頭部を透過した近赤外光の透過量を透過量検出手段によ
って検出する。透過量検出手段によって検出された透過
量から、回動による透過量の変動分を算出手段によって
波長ごとに算出し、このようにして算出された透過量の
変動分に所定の演算処理を施すことで、所定の体内器官
の静脈血中の酸素の絶対飽和量を測定することができ
る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明に係る診断装置の実施例の構成図であ
る。第1図において第7図と同様の箇所には同じ符号を
付して説明を省略する。
第1図の診断装置1では、コンピュータシステム2
は、従来の診断装置のコンピュータシステム56と同様
に、プロセッサ3,メモリ4,出力装置5,入力装置6がシス
テムバス7に接続されている構成となっているが、シス
テムバス7には、被験者を回動させるための回動装置8
がさらに接続されている。回動装置8は、コンピュータ
システム2からの指示により、第2図(a)乃至(c)
に示すようにベッド10を例えば周期T(約25分)、最大
傾斜角度θ(約15゜)で回動させる。これにより、第2
図(a)に示す状態では、被験者9は水平位置にあり、
第2図(b)に示す状態では頭部60が下がった位置にあ
り、第2図(c)に示す状態では頭部60が上がった位置
にある。被験者9が未熟児の場合には、頭蓋骨が軟らか
いために頭部60を約15゜前後傾けただけで重力によって
頭部60の血液量、より詳しくは静脈血量が変化し、これ
により近赤外光の透過量を変調させることができる。
このような構成の診断装置1では、コンピュータシス
テム2は、回動装置8に指示を与えて第3図に示すよう
にベッド10を周期Tで回動させる。さらにこの周期Tを
P個の期間に区分して、これらをそれぞれ準測定時間
m1′乃至mP′としている。なお、各準測定期間m1′乃至
mP′は、心拍の周期に比べて十分大きいものであり、各
準測定期間m1′乃至mP′において心拍による動脈血量の
変動は平均化されているものとする。1つのサイクルCY
nで順次に駆動される光源LD1乃至LD4からの近赤外光は
頭部60により減衰されて透過光検出装置54に加わる。透
過光検出装置54のマルチチャンネルフォトンカウンタ61
は、波長λ1乃至λ4ごとにさらに準測定期間m1′乃至
mP′ごとに透過光のフォトン数を計数する。この計数
は、1つの周期Tの各準測定期間m1′乃至mP′について
1回だけ行なわれ、1回だけの測定で十分な透過量デー
タを得ることができる。透過量データは、Tλ1(1)
乃至Tλ4(1)として検出され、コンピュータシステ
ム2のメモリ4に記憶される。
ところで、静脈血量は周期Tで変化するので、上記透
過量データもこれに付随して変動する。すなわち、第3
図においてベッド10の角度θが正側にある準測定期間
m1′乃至m2′などでは、頭部60は、第2図(b)に示す
ように下がった状態にあり、頭部60の静脈血量は重量に
よって増加し、準測定期間m1′における透過量データT
λ1(1)乃至Tλ4(1),準測定期間m2′における
透過量データTλ1(2)乃至Tλ4(2)は、減少す
る。一方、ベッド10の角度θが負側にある準測定期間
mP′などでは、頭部60は、第2図(c)に示すように上
がった状態で、頭部60の静脈血量は減少しており、準測
定期間mP′における透過量データTλ1(p)乃至T
λ4(p)は増加している。
このようにして、頭部60の静脈血量を周期的に変化さ
せることにより、これに同期させて透過量データを変調
することができる。
第4図は、波長λ1に着目して、各準測定期間m1′乃
至mP′においてそれぞれ検出された透過量データTλ1
(1),Tλ1(2),……,Tλ1(p)を示したもので
ある。他の波長λ2,λ3,λ4の透過量データについても
図示しないが第4図に示すと同様に変動する。
第4図において、透過量データTλ1の最大透過量F
DCAC(λ1)は、角度θが−15゜になったときの透過
量であり、変動する部分の透過量FAC(λ1)は、角度
θが−15゜のときの透過量と角度θが15゜のときの透過
量との差となる。
このようにして求められた最大透過量FDC+AC(λ1)
は、前述の文献に示されているような全体の透過量E
DC+ACに対応し、変動する部分の透過量FAC(λ1)は、
前述の文献の変動する部分の透過量EACに対応してい
る。従って(4)式と同様にして、最大透過量F
DC+AC(λ1)と変動する部分の透過量FAC(λ1)との
対数比Yλ1を、 Yλ1=log(FDC+AC(λ1)/FAC(λ1)) ……
(8) として求める。他の波長λ2,λ3,λ4についても同様に
して対数比を求める。なお、着目すべきは、前述の文献
の変動する部分の透過量EACは、動脈血量の変動による
ものであるのに対し、本実施例の変動する部分の透過量
FACは、動脈血量の変動によるものであるので、(8)
式から以下のようにして求められる酸素の絶対飽和量S
は、静脈血中の酸素の絶対飽和量となる。
(3)式によって一般に定義される酸素の絶対飽和量
Sは、(8)式から求められる対数比Yλ1,Yλ2,Y
λ3,Yλ4を用いて のように表現される。(9)式においてai,biは前述の
吸収係数マトリックスαijにより一意的に定められる係
数である。(9)式の分母は、静脈血中の全てのヘモグ
ロビンの濃度(XHb02+XHb)すなわち静脈血量を表わし
ており、上述のようにして検出された対数比Yλ1乃至
λ4を用いて(9)式の分母を実際に演算すると、第
5図に示すような結果となる。すなわち第5図は、ベッ
ド10を約25分の周期で回動させたときの静脈血量の変化
を示しており、図中、“UP"は、頭部60が上がった状
態、“HR"は頭部60が水平の状態、“DW"は頭部60が下が
った状態を示している。同様にして、(9)式の分子も
対数比Yλ1乃至Yλ4を用いて演算することができ
る。
このようにして、(9)式に基づいて静脈血中の酸素
の絶対飽和量Sを測定することができる。
なお、上述の実施例では、4つの異なる波長λ1乃至
λ4の近赤外光を用いたが、波長の種類は4つに限定さ
れず、2つでも良いし、あるいは4つ以上であっても良
い。また上述の実施例では、1つの周期T内の各準測定
期間m1′乃至mP′において検出された透過量データに基
づいて静脈血中の酸素の絶対飽和量Sを求めたが、透過
量が微弱で、各サイクル間の変動が小さいような場合に
は、周期Tを繰返し、透過量データをサイクルごとに累
積加算して、静脈血中の酸素の絶対飽和量Sを求められ
るようにしても良い。
また上述の実施例では、頭部60を上下させて脳内の静
脈血中の酸素の絶対飽和量Sを求めたが、頭部60に限ら
ず、例えば腕や足を上下させることにより、これらの部
位の静脈血中の酸素の絶対飽和量Sを求めることができ
る。
また、上述の実施例のように静脈血量を周期的に変動
させて静脈血中の酸素の絶対飽和量を求めると同時に、
これと独立させて従来のように動脈血中の酸素の絶対飽
和量を求めるように診断装置1を構成しても良い。
さらに測定された酸素の絶対飽和量を出力装置5にリ
アルタイムで出力中、プロセッサ3は入力装置6からの
割込みを随時受付けるようになっており、これにより、
入力装置6から、酸素の絶対飽和量の出力結果に対する
所望のコメントを出力装置5に出力し、絶対飽和量の出
力結果と合わせて記録させることができる。
〔発明の効果〕
以上に説明したように、本発明によれば、体内器官を
回動させて透過量の変動分を算出するようにしているの
で、体内器官の静脈血量の変動による静脈血の酸素の絶
対飽和量を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る診断装置の実施例の構成図、第2
図(a)は頭部が水平位置にある状態を示す図、第2図
(b)は頭部が下がっている状態を示す図、第2図
(C)は頭部が上がっている状態を示す図、第3図は回
動周期におけるベッドの角度変化を示す図、第4図は回
動周期における波長λ1の透過量データの変動を示す
図、第5図は頭部を上下変化させたときの静脈血量の測
定結果を示す図、第6図(a),(b)はそれぞれヘモ
グロビン,チトクロムの吸収スペクトルを示す図、第7
図は従来の診断装置の構成図、第8図(a)乃至(d)
はそれぞれ駆動信号ACT1乃至ACT4のタイムチャート、第
8図(e)は制御信号CTLのタイムチャート、第9図は
動脈血の変動による透過量の変動を説明するための図で
ある。 1……診断装置、2……コンピュータシステム、3……
プロセッサ、4……メモリ、5……出力装置、6……入
力装置、7……システムバス、8……回動装置、9……
被験者、10……ベッド、60……頭部、LD1乃至LD4……光
源、m1′乃至mP′……準測定期間、T……回動周期

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】体内器官の静脈血量を重力によって変動さ
    せるような方向に体内器官を回動させながら、波長の異
    なる近赤外光を順次に所定の体内器官に入射させ、所定
    の体内器官を透過した上記各近赤外光の透過量をそれぞ
    れ検出する透過量検出手段と、透過量検出手段によって
    検出された各近赤外光の透過量から体内器官の回動によ
    る透過量の変動分を波長ごとに算出する算出手段と、算
    出手段によって算出された透過量の変動分に所定の演算
    を施して所定の体内器官の静脈血中の酸素の絶体飽和量
    を測定する演算手段とを備えていることを特徴とする診
    断装置。
JP11046387A 1987-05-08 1987-05-08 診断装置 Expired - Fee Related JP2562894B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11046387A JP2562894B2 (ja) 1987-05-08 1987-05-08 診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11046387A JP2562894B2 (ja) 1987-05-08 1987-05-08 診断装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63275325A JPS63275325A (ja) 1988-11-14
JP2562894B2 true JP2562894B2 (ja) 1996-12-11

Family

ID=14536346

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11046387A Expired - Fee Related JP2562894B2 (ja) 1987-05-08 1987-05-08 診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2562894B2 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69117964T2 (de) * 1991-12-30 1996-07-25 Hamamatsu Photonics Kk Diagnosegerät
US9042952B2 (en) 1997-01-27 2015-05-26 Lawrence A. Lynn System and method for automatic detection of a plurality of SPO2 time series pattern types
US9468378B2 (en) 1997-01-27 2016-10-18 Lawrence A. Lynn Airway instability detection system and method
US8932227B2 (en) 2000-07-28 2015-01-13 Lawrence A. Lynn System and method for CO2 and oximetry integration
US9521971B2 (en) 1997-07-14 2016-12-20 Lawrence A. Lynn System and method for automatic detection of a plurality of SPO2 time series pattern types
US20060195041A1 (en) 2002-05-17 2006-08-31 Lynn Lawrence A Centralized hospital monitoring system for automatically detecting upper airway instability and for preventing and aborting adverse drug reactions
US9053222B2 (en) 2002-05-17 2015-06-09 Lawrence A. Lynn Patient safety processor
US7869850B2 (en) 2005-09-29 2011-01-11 Nellcor Puritan Bennett Llc Medical sensor for reducing motion artifacts and technique for using the same
US8219170B2 (en) 2006-09-20 2012-07-10 Nellcor Puritan Bennett Llc System and method for practicing spectrophotometry using light emitting nanostructure devices
US7574245B2 (en) 2006-09-27 2009-08-11 Nellcor Puritan Bennett Llc Flexible medical sensor enclosure
US7796403B2 (en) 2006-09-28 2010-09-14 Nellcor Puritan Bennett Llc Means for mechanical registration and mechanical-electrical coupling of a faraday shield to a photodetector and an electrical circuit
US7684842B2 (en) 2006-09-29 2010-03-23 Nellcor Puritan Bennett Llc System and method for preventing sensor misuse
US8280469B2 (en) 2007-03-09 2012-10-02 Nellcor Puritan Bennett Llc Method for detection of aberrant tissue spectra
US8265724B2 (en) 2007-03-09 2012-09-11 Nellcor Puritan Bennett Llc Cancellation of light shunting
US8750953B2 (en) 2008-02-19 2014-06-10 Covidien Lp Methods and systems for alerting practitioners to physiological conditions
JP5474937B2 (ja) 2008-05-07 2014-04-16 ローレンス エー. リン, 医療障害パターン検索エンジン
US9895068B2 (en) 2008-06-30 2018-02-20 Covidien Lp Pulse oximeter with wait-time indication
US8968193B2 (en) 2008-09-30 2015-03-03 Covidien Lp System and method for enabling a research mode on physiological monitors
US8622916B2 (en) 2008-10-31 2014-01-07 Covidien Lp System and method for facilitating observation of monitored physiologic data
US8610769B2 (en) 2011-02-28 2013-12-17 Covidien Lp Medical monitor data collection system and method

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63275325A (ja) 1988-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2562894B2 (ja) 診断装置
JP2640412B2 (ja) 診断装置
EP0261789B1 (en) Feedback-controlled method and apparatus for processing signals
JP3625475B2 (ja) 非侵入的にヘマトクリット値をモニタするシステム
Wyatt et al. Response of cerebral blood volume to changes in arterial carbon dioxide tension in preterm and term infants
Zourabian et al. Trans-abdominal monitoring of fetal arterial blood oxygenation using pulse oximetry
US4908762A (en) Oximeter with system for testing transmission path
JP3096331B2 (ja) 診断装置
KR100612827B1 (ko) 비 침습적인 헤모글로빈 농도와 산소 포화도 모니터링방법 및 장치
US4863265A (en) Apparatus and method for measuring blood constituents
US4854699A (en) Backscatter oximeter
US5088493A (en) Multiple wavelength light photometer for non-invasive monitoring
US5127406A (en) Apparatus for measuring concentration of substances in blood
US4892101A (en) Method and apparatus for offsetting baseline portion of oximeter signal
JPWO2006040841A1 (ja) 血糖値の非侵襲測定装置
JPH0584233A (ja) 生体内酸素計測システム
WO1991015991A1 (en) Method and apparatus for monitoring blood analytes noninvasively by pulsatile photoplethysmography
JP2004230000A (ja) 血中吸光物質濃度測定装置
JP2004113353A (ja) 血液分析装置
Maisels Historical perspectives: transcutaneous bilirubinometry
Cahan et al. Agreement between noninvasive oximetric values for oxygen saturation
EP0290273A1 (en) Examination apparatus for measuring oxygenation
Gupta et al. Design and development of pulse oximeter
JP4052461B2 (ja) 血糖値の非侵襲測定装置
EP0290278A1 (en) Examination apparatus for measuring oxygenation

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees