JP2004113353A - 血液分析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】血液分析は、患者の血液を採血して分析する方法であるが、患者は苦痛と感染の危険性もあり、非侵襲の血液分析装置が望まれていた。しかし、さまざまな測定者に対応した測定値を表示させるために発光素子を増やすと、定量分析が複雑になるとともに装置が大型化し、従来法の分析装置と整合することもできなかった。
【解決手段】血液分析装置に、従来法の分析結果との差を是正して値づけするために、補正データを入力できるようにスイッチを設けた。この補正データは患者ごとに設定できるものであり、この補正データに基づいて血液成分比を算出することで、さまざまな測定者に対応させることができ、しかも、従来法と装置間差が少ない分析結果を表示できる。
【選択図】 図1
【解決手段】血液分析装置に、従来法の分析結果との差を是正して値づけするために、補正データを入力できるようにスイッチを設けた。この補正データは患者ごとに設定できるものであり、この補正データに基づいて血液成分比を算出することで、さまざまな測定者に対応させることができ、しかも、従来法と装置間差が少ない分析結果を表示できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非侵襲で血液中の成分を分析する血液分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から採血しないで血液成分を検査する装置としては、例えば動脈血の酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターがある。これは動脈血中のヘモグロビンのうち、酸素と結合したヘモグロビンの割合を非侵襲で測定するものであり、使いやすく装置の価格も妥当なことから、さまざまな医療現場で使われてきた。例えば、手術中や術後、集中治療室では、患者の容体を連続的に監視している。また在宅酸素療法では患者の状態把握として使われてきた。救急医療では、輸送中に患者の容体を短時間で把握するために使われてきた。さらに、高所登山での健康状態のチェックにも使われている。
【0003】
このパルスオキシメーターは、例えば、血流の脈動に起因する透過光の変化分を、630nmと900nmのふたつの波長帯域において測定して、このふたつの変化分の比、つまり吸光係数の比から動脈血のSpO2 (酸素飽和度)を算出している。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
この特許文献1に記載されたパルスオキシメータでは、オキシヘモグロビン(以下「Hb−O2 」と略記する。)とデオキシヘモグロビン(以下「Hb−red」と略記する。)の2成分の成分比を、630nmと900nmの2波長で測定している。
【0005】
パルスオキシメーターは、一般にHb−O2 とHb−redの2成分のみの成分比を求めるものであり、一酸化炭素と結合したカルボキシヘモグロビン(以下「Hb−CO」と略記する。)の存在は無視していた。確かに、手術中や術後、集中治療室、救急の輸送中などの臨床現場において、Hb−COの存在が引き起こす誤差は、無視できる程度のものであった。しかし、このことに着目してHb−COを分析対象とすることが考えられたものもある。(例えば、特許文献2参照)
【0006】
この特許文献2によれば、660nm、750nm、940nmの3つの光源で、Hb−O2 とHb−redに加えて、Hb−COの3つの成分比を算出して、動脈血のSpO2 を求めるものである。
【0007】
また従来から、糖尿病の診断や血糖コントロールの状態を知るための指標として、ヘモグロビンA1c(グリコヘモグロビンとも言う。)が臨床的に利用されている。これは血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが、血液中のグルコースと結合した状態を調べるものである。ヘモグロビンは血液中のグルコース濃度に応じてグルコースと結合する。これは反応時間の遅い不可逆反応であり、赤血球の寿命が約120日である。このことから、ヘモグロビンA1cは過去1から2ヵ月の平均血糖レベルを反映しているのである。
【0008】
ヘモグロビンA1cの分析方法としては、高速液体クロマトグラフィー法(HPLC法)や免疫法およびアフィニティー法などある。例えば、市販されているHPLC法のヘモグロビンA1c分析装置としては、東ソー自動グリコヘモグロビン分析計HLC−723G7(医療用具許可番号 第35BZ0019号)がある。また免疫法のヘモグロビンA1c分析装置としては、ADAMSマスターDM−3310(医療用具承認番号2100BZZ00391)がある。
【0009】
以前には、これらのヘモグロビンA1c分析装置は測定原理が違うために、測定値に相違があり統一されていなかった。つまり、医療施設によって使用する分析装置が違うために、患者の検査結果が異なっていたのである。それゆえに、患者の治療経過を把握するために、血糖コントロールの指標として使用されていたものの、糖尿病のスクリーニングには用いられなかった。そこで日本糖尿病学会では、グリコヘモグロビンの標準化に関する委員会報告(V)をまとめた。
【0010】
これは、日本糖尿病学会が供給するヒト溶血液の凍結乾燥品を標準品として、分析装置間差を是正するように値づけしたのである。このことによって、ヘモグロビンA1c分析装置の装置間差が改善され、糖尿病の診断に広く使われるようになった。
【0011】
【特許文献1】
特公昭53−26437号公報(第2−3頁、第4図)
【特許文献2】
特開平5−228129号公報(第4−6頁、図1)
【非特許文献1】
糖尿病編集委員会編集「糖尿病Vol.41 No.4」、社団法人日本糖尿病学会発行、1998年4月30日、p.317−323
【0012】
これらのヘモグロビンA1c分析装置は、患者の静脈血を採血して全血を検査している。このような検査方法では、医師や看護婦など医療従事者がいないと採血できず、さらに患者は採血の際に痛みを伴っていた。従って、非侵襲のヘモグロビンA1c分析装置が望まれている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
一般にパルスオキシメーターでは、ヘモグロビンの形態は酸素結合しているHb−O2、酸素と解離しているHb−redの2成分だけが存在するものとして取り扱っていた。例えば、その原理を応用して、HbA1c−O2 、Hb−O2 、Hb−COだけが存在するものとして取り扱い、非侵襲のヘモグロビンA1c分析装置を構成することもできる。しかし、ヘモグロビンの形態はそれほど単純なものではなく、例えば呼吸器疾患の患者の場合には、Hb−redを考慮する必要があるなど、さまざまな患者に適するように血液を分析しようとすると、さまざまな形態で存在するヘモグロビンを考慮する必要がある。
【0014】
単純に原理だけを考えれば、前記公知文献1に着目して公知文献2が発明されたように、光源、すなわち発光素子の数を増やしてより多くの成分を対象とすれば、より正確に血液を分析することができる。しかし、それにともなって、発光素子の数が増え、定量分析が複雑になることは避けられない。そして、装置が大型化して、高価になってしまう。
【0015】
また、例えば、Hb−redは、呼吸器疾患がある患者のみが対象であり、そうでない患者では分析対象とする必要がない。このように、特定の対象者のためだけに必要な成分を検出する目的で、全ての装置にそれを検出する発光素子や回路を付加したのでは、装置の購入者の立場で考えると、不必要な発光素子や回路が備わった高価な装置を購入することになる。
【0016】
また、分析する成分が増えると、吸収スペクトルに顕著な差がない成分が増え、
異なる波長の透過光を用いることによる分析が困難な場合もある。
【0017】
さらに、新たな測定原理による血液分析装置が開発された場合、以前から使われてきた分析装置と測定値が異なると、医師の診断も分析装置によって変わり、混乱してしまうため、測定値が整合されるべきであるが、発光素子を配置する数にも限界があるため、発光素子を増やしたところで、他の測定原理による血液分析装置と必ずしも測定値が同一にはならない。その結果、装置によって異なる測定値が表示され、測定原理を十分に理解していない患者や医療従事者が、装置の信頼性に不信感を抱くことにもなりかねない。
【0018】
これらは、非侵襲のヘモグロビンA1c分析装置に限った問題ではなく、非侵襲の血液分析装置が一般に有している問題である。
【0019】
本発明の目的は上記課題を解決し、簡単な構成で、さまざまな測定者に適した測定値を表示させることができ、測定者に不信感を与えない血液分析装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明で用いる手段は、生体に光を照射する発光素子と、前記生体を挟んで透過光を受光する受光素子と、該受光素子の光電流をデジタル値に変換する変換回路と、該変換回路によって変換されたデジタル値に基づいて血液の成分比を算出する演算回路と、該成分比を表示する表示器とを備えた血液分析装置において、該血液分析装置は、前記成分比を補正するための補正データを入力する入力手段を有するとともに、前記演算回路は、前記デジタル値と前記補正データとに基づいて前記成分比を算出することである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳述する。図1は本発明の一実施の形態によるヘモグロビンA1c分析装置の外観図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図2は本発明の一実施の形態によるヘモグロビンA1c分析装置の測定時の姿勢を示す装着図である。図3は本発明の一実施の形態によるヘモグロビンA1c分析装置のブロック図である。図4は各種ヘモグロビンの各波長におけるモル吸光係数の変化を示す吸光特性曲線である。
【0022】
まず図1(a)および(b)を用いて、本実施の形態によるヘモグロビンA1c分析装置の外観を説明する。図1において、10は血液中に含まれるヘモグロビンのうち、血液中のグルコースと結合した成分の割合を調べるヘモグロビンA1c分析装置である。分析装置10の側面には、測定部位を入れられる挿入穴11があり、被験者の指が入るようにほぼ円筒形状をしている。正面には電源を入れて分析を開始させるスイッチ12と、分析結果を表示する表示器13が設けられている。表示器13には血糖コントロールの指標となるヘモグロビンA1cが表示される。つまり、血液に含まれるヘモグロビンのうちの予め定められた一つの成分比が表示されるのである。さらに、従来法の高速液体クロマトグラフ法と値を合わせることができるように、表示器13に表示されるヘモグロビンA1cを補正するための補正データを入力するUPスイッチ14とDOWNスイッチ15が設けられている。
【0023】
次に図2を用いて、本実施の形態によるヘモグロビンA1c分析装置の使用方法を説明する。挿入穴11には指が挿入されている。標準的な指の使い方は、右手第3指(中指)を挿入穴11に入れて、両脇の第2指(人差し指)と第4指(薬指)で軽く分析装置10を支えて、手のひらを上に向ける。これが測定時の標準的な装着姿勢である。この場合には測定対象の生体組織1は右手第3指となる。この姿勢のままで、スイッチ12を他の指、例えば第1指(親指)で押せば、電源が入り分析が開始される。分析結果のヘモグロビンA1cは、表示器13が上を向いているので、簡単に読み取ることができる。
【0024】
表示器13の値を従来法の高速液体クロマトグラフ法による値と合わせるために、UPスイッチ14及びDOWNスイッチ15が設けられており、これらの補正データを増加及び減少させるスイッチを操作して、表示器13の値を変えることができる。なお、ここでは生体組織1を指としたが、挿入穴11の形状を変えることで耳たぶや鼻も測定対象とすることができる。
【0025】
次に、図3を用いて本発明の実施の形態によるヘモグロビンA1c分析装置のブロック図を説明する。波長λ1、λ2、λ3の光を発光する発光素子21、22、23は、発光駆動回路31の出力を受けて順番に点灯する。これらの発光素子21,22,23の光が、生体組織1である指に照射される。照射された光は、生体組織1の各種ヘモグロビンによって吸収されるが、赤血球による散乱も起こしている。生体組織1を挟んで対向して配置された受光素子24によって透過光が受光される。ここで、発光波長λ1、λ2、λ3は、例えば630nm、660nm、940nmにそれぞれ設定されている。この波長はそれぞれ橙色、赤色、赤外光の一般的な発光ダイオードの波長であり、安価であり部品調達も容易である。
【0026】
受光素子24の各波長における光電流は、生体組織1によって減衰されたあとの透過光量I1、I2、I3に対応している。増幅器32は受光素子24の光電流を電圧変換し、それを電圧増幅している。なお、各波長における透過光量I1、I2、I3には、脈動変動分に相当する脈動成分が含まれている。
【0027】
マルチプレクサ(MPX)33では、増幅器32の出力信号が、λ1、λ2、λ3の波長ごとに振り分けられ、バンドパスフィルタ(BPF)34、35、36に供給される。BPF34、35、36は、各信号中に含まれる高周波のノイズ成分が除去され、さらに生体組織1における各波長λ1、λ2、λ3についての透過光の脈動成分に相当する振幅信号、つまり指尖容積脈波を出力する。
【0028】
脈波検出回路(DET)37、38、39は、BPF34、35、36からの各出力信号より、透過光の脈動分の振幅値に相当する信号を検出する。これら検出信号は、生体組織1での各波長λ1、λ2、λ3における透過光の脈動変動分ΔA1、ΔA2、ΔA3に対応したものであり、アナログ/デジタル変換されたデジタル値である。DET37、38、39の出力信号であるデジタル値ΔA1、ΔA2、ΔA3は、演算手段40に供給される。ここまでに述べた増幅器32、MPX33、BPF34、35、36、DET37、38、39は、受光素子の光電流をデジタル値に変換する変換回路を構成している。
【0029】
入力手段42は、UPスイッチ14及びDOWNスイッチ15を含んでおり、入力された患者情報つまり補正データを増加及び減少させることができる。さらに、入力手段42は補正データを演算手段40に供給している。そして、演算手段40によって、各ヘモグロビンの成分比が算出される。そして、表示手段41は表示器13を含んであり、そこにヘモグロビンA1cの成分比が表示される。
【0030】
ここで、図4にHbA1c−O2 、Hb−O2 、Hb−CO、及びHb−redの各波長におけるモル吸光係数の変化を示す吸光特性曲線を示した。これから演算手段40で演算されるヘモグロビンの成分比の算出について説明するが、まず補正を行なわない演算について説明する。各ヘモグロビンのモル吸光係数と生体組織1の吸光度から、吸収成分である各ヘモグロビンの成分比を算出できるが、まず原理説明として、生体組織1の吸収成分が3成分であり、3波長の吸光度から算出する補正を行なわない演算について説明する。まず、モル吸光係数εijは、波長λi(i=1,2,3)における、各種ヘモグロビンj(j=1はHbA1c−O2 、j=2はHb−O2 、j=3はHb−CO)のモル吸光係数であり、実験などから得られた既知として扱うことができる。xはHbA1c−O2 の濃度であり、yはHb−O2 、zはHb−COの濃度である。kは血管による光路長を表す比例定数である。aiは、波長λi(i=1,2,3)における生体組織1による吸光度であり、吸収成分はHbA1c−O2 、Hb−O2 、Hb−COの各種ヘモグロビンによるものである。ランバート・ベールの法則に従って、(1)、(2)、(3)式の連立方程式が導かれる。
【数1】
【数2】
【数3】
この連立3元1次方程式を、3行3列の行列で表すと(4)式となる。
【数4】
【0031】
これを、HbA1c−O2 、Hb−O2 、Hb−COの濃度x、y、zについて解くと、それぞれ(5)、(6)、(7)式となる。
【数5】
【数6】
【数7】
【0032】
ここで、ヘモグロビンA1cは全ヘモグロビンに対するHbA1c−O2 の割合であり、HbA1c−O2 の成分比Xは(8)式となる。同様に、Hb−O2 の成分比Y、及びHb−COの成分比Zは、それぞれ(9)、(10)式となる。
【数8】
【数9】
【数10】
【0033】
なお、各種ヘモグロビンの成分比X、Y、Zでは、比例定数kは消去されている。これは血管による光路長が未知であっても解けることを示している。また、εijをモル吸光係数として説明したが、各種ヘモグロビンの濃度が不明な場合には、同一濃度条件での吸光度として扱うこともできる。このときにはディメンジョンが変わるが、基本的な考え方は同じである。これまでに、生体組織1の吸収成分が3成分に限定され、3波長の吸光度からその成分比を算出する原理について説明した。具体的には、HbA1c−O2 、Hb−O2 、Hb−COの各波長におけるモル吸光係数から数学的変換によって、血液に含まれるヘモグロビンのうちの予め定められたひとつの成分比を算出できることを説明した。
【0034】
さらに、ヘモグロビンの形態は3成分だけではなくHb−redが含まれることから、Hb−redについても同様にモル吸光係数の変化を測定した。図4にその測定結果も合わせて吸光特性曲線を示した。呼吸器疾患がある患者の場合には、ヘモグロビンの形態は主要な3成分ではなく、Hb−redが含まれることになる。この場合に主要な3成分に限定して、成分比を求めたのでは誤差が生じてしまう。それを補うために、次のような算出方法が取られている。まず第1の実施の形態による算出方法について説明する。各ヘモグロビンの各波長におけるモル吸光係数、各ヘモグロビンの成分比と、生体組織による吸光度を表した(4)式は、(11)式に書換えられる。
【数11】
ここで、モル吸光係数ε14、ε24、ε34は、波長λ1、λ2、λ3におけるHb−redのモル吸光係数である。濃度wは、Hb−redの濃度である。
【0035】
呼吸器疾患の場合には、常に一定の割合でHb−redを含むために、予めその濃度wを既知の値として知ることができる。そして、この濃度wは補正データとして入力手段42から供給され、演算手段40は、HbA1c−O2 の成分比を(12)式として求めることができる。
【数12】
呼吸器疾患の場合には、Hb−redを無視できないことについて説明したが、この場合に限らずに、胎児ヘモグロビンHb−Fを多く含む胎児ヘモグロビン血症や、異常ヘモグロビン症の場合にも、主要な3成分以外のヘモグロビンを無視できないために、同様な算出方法で対応することができる。例えば、呼吸器疾患、胎児ヘモグロビン血症、異常ヘモグロビン症など、特定のヘモグロビンのモル吸光係数を設定しておけば、3成分以外のヘモグロビン成分が無視できないほど含まれている場合であっても正確に算出することができる。従って、先に述べた高速液体クロマトグラフ法とほぼ一致した値を表示することができる。これらの各モル吸光係数は、演算手段40内に設けた記憶手段(図示せず)に記憶させておき、操作者が所定の操作によって疾患の病態を入力すると、これに応じたモル吸光係数が設定されるように構成すればよい。
【0036】
このように、簡単な構成でさまざまな患者に対応できる。すなわち、血液に含まれる成分の吸光特性の違いを利用した血液分析装置を用いて、その測定原理に起因する誤差を補正し、より正確に血液の分析が行える測定原理の血液分析装置の値とほぼ同じ測定値を表示させることができる。従って、患者や医療従事者に対して、装置の信頼性に不信感を抱かせなくなる。
【0037】
次に、第2の実施の形態による算出方法について説明する。主要な3成分は、HbA1c−O2 、Hb−O2 、Hb−COとして、その他の成分の存在は考慮するものの、その成分を特定しない方法である。上記(1)、(2)、(3)式の連立方程式が導かれ、(4)式の行列で表される。そしてHbA1c−O2 、Hb−O2 、Hb−COの濃度x、y、zについて解くところまでは同じである。しかし、HbA1c−O2 の成分比Xを(8)式により求めるのではなく、(13)式により求める。
【数13】
ここで、Vは、ヘモグロビンの補正成分比である。つまり、ヘモグロビンA1cの成分比を表すデータである。この補正成分比Vは補正データとして入力手段42から供給され、演算手段40は、HbA1c−O2 の成分比を(13)式として求めることができる。
【0038】
補正成分比Vを設定する方法について説明する。予め従来の高速液体クロマトグラフ法などのヘモグロビンA1c分析計で測定しておく。その値に合わせるために、入力手段42のUPスイッチ14とDOWNスイッチ15によって、補正成分比Vつまり補正データを設定するのである。例えば、補正成分比Vは、分解能が0.1パーセントで、正及び負の値を設定することができる。つまり、UPスイッチ14及びDOWNスイッチ15により補正成分比Vを調整して、ヘモグロビンA1cの値を高速液体クロマトグラフ法で予め測定しておいた値に合わせるのである。
【0039】
以上が本実施の形態によるヘモグロビンA1c分析装置の説明である。ここでは、UPスイッチ14とDOWNスイッチ15のふたつのスイッチにより、補正データを増加及び減少させるスイッチを設けたが、片側方向にだけ設定をずらすひとつのスイッチで、補正データを設定することもできる。
【0040】
この第2の実施の形態も、第1の実施の形態と同様、簡単な構成で、さまざまな患者に対応した測定値を表示させることができ、測定者に不信感を与えることはない。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、この血液分析装置は、簡単な構成でさまざまな患者に適した測定値を表示させることができるとともに、患者や医療従事者に不信感を与えない血液分析装置を提供することができる。さらに、このことは測定原理が違っても測定値が統一されるように、分析装置間差を是正する技術を確立させたということである。
【0042】
また、非侵襲で血液分析できるので、患者は検査のための苦痛がなくなり、在宅で検査できるようになれば、通院の必要性もがなくなる。このように、患者の負担が減ると共に、医療費の削減にもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるヘモグロビンA1c分析装置の外観図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図2】本発明の実施の形態によるヘモグロビンA1c分析装置の装着図である。
【図3】本発明の実施の形態による他のヘモグロビンA1c分析装置のブロック図である。
【図4】グリコヘモグロビンHbA1c−O2 、オキシヘモグロビンHb−O2 、カルボキシヘモグロビンHb−CO、及びデオキシヘモグロビンHb−redの各波長におけるモル吸光係数の変化を示す吸光特性曲線である。
【符号の説明】
1 生体組織
10 分析装置
11 挿入穴
13 表示器
21、22、23 発光素子
24 受光素子
33 マルチプレクサ
34、35、36 バンドパスフィルタ
37、38、39 脈波検出回路
40 演算手段
42 入力手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、非侵襲で血液中の成分を分析する血液分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から採血しないで血液成分を検査する装置としては、例えば動脈血の酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターがある。これは動脈血中のヘモグロビンのうち、酸素と結合したヘモグロビンの割合を非侵襲で測定するものであり、使いやすく装置の価格も妥当なことから、さまざまな医療現場で使われてきた。例えば、手術中や術後、集中治療室では、患者の容体を連続的に監視している。また在宅酸素療法では患者の状態把握として使われてきた。救急医療では、輸送中に患者の容体を短時間で把握するために使われてきた。さらに、高所登山での健康状態のチェックにも使われている。
【0003】
このパルスオキシメーターは、例えば、血流の脈動に起因する透過光の変化分を、630nmと900nmのふたつの波長帯域において測定して、このふたつの変化分の比、つまり吸光係数の比から動脈血のSpO2 (酸素飽和度)を算出している。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
この特許文献1に記載されたパルスオキシメータでは、オキシヘモグロビン(以下「Hb−O2 」と略記する。)とデオキシヘモグロビン(以下「Hb−red」と略記する。)の2成分の成分比を、630nmと900nmの2波長で測定している。
【0005】
パルスオキシメーターは、一般にHb−O2 とHb−redの2成分のみの成分比を求めるものであり、一酸化炭素と結合したカルボキシヘモグロビン(以下「Hb−CO」と略記する。)の存在は無視していた。確かに、手術中や術後、集中治療室、救急の輸送中などの臨床現場において、Hb−COの存在が引き起こす誤差は、無視できる程度のものであった。しかし、このことに着目してHb−COを分析対象とすることが考えられたものもある。(例えば、特許文献2参照)
【0006】
この特許文献2によれば、660nm、750nm、940nmの3つの光源で、Hb−O2 とHb−redに加えて、Hb−COの3つの成分比を算出して、動脈血のSpO2 を求めるものである。
【0007】
また従来から、糖尿病の診断や血糖コントロールの状態を知るための指標として、ヘモグロビンA1c(グリコヘモグロビンとも言う。)が臨床的に利用されている。これは血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが、血液中のグルコースと結合した状態を調べるものである。ヘモグロビンは血液中のグルコース濃度に応じてグルコースと結合する。これは反応時間の遅い不可逆反応であり、赤血球の寿命が約120日である。このことから、ヘモグロビンA1cは過去1から2ヵ月の平均血糖レベルを反映しているのである。
【0008】
ヘモグロビンA1cの分析方法としては、高速液体クロマトグラフィー法(HPLC法)や免疫法およびアフィニティー法などある。例えば、市販されているHPLC法のヘモグロビンA1c分析装置としては、東ソー自動グリコヘモグロビン分析計HLC−723G7(医療用具許可番号 第35BZ0019号)がある。また免疫法のヘモグロビンA1c分析装置としては、ADAMSマスターDM−3310(医療用具承認番号2100BZZ00391)がある。
【0009】
以前には、これらのヘモグロビンA1c分析装置は測定原理が違うために、測定値に相違があり統一されていなかった。つまり、医療施設によって使用する分析装置が違うために、患者の検査結果が異なっていたのである。それゆえに、患者の治療経過を把握するために、血糖コントロールの指標として使用されていたものの、糖尿病のスクリーニングには用いられなかった。そこで日本糖尿病学会では、グリコヘモグロビンの標準化に関する委員会報告(V)をまとめた。
【0010】
これは、日本糖尿病学会が供給するヒト溶血液の凍結乾燥品を標準品として、分析装置間差を是正するように値づけしたのである。このことによって、ヘモグロビンA1c分析装置の装置間差が改善され、糖尿病の診断に広く使われるようになった。
【0011】
【特許文献1】
特公昭53−26437号公報(第2−3頁、第4図)
【特許文献2】
特開平5−228129号公報(第4−6頁、図1)
【非特許文献1】
糖尿病編集委員会編集「糖尿病Vol.41 No.4」、社団法人日本糖尿病学会発行、1998年4月30日、p.317−323
【0012】
これらのヘモグロビンA1c分析装置は、患者の静脈血を採血して全血を検査している。このような検査方法では、医師や看護婦など医療従事者がいないと採血できず、さらに患者は採血の際に痛みを伴っていた。従って、非侵襲のヘモグロビンA1c分析装置が望まれている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
一般にパルスオキシメーターでは、ヘモグロビンの形態は酸素結合しているHb−O2、酸素と解離しているHb−redの2成分だけが存在するものとして取り扱っていた。例えば、その原理を応用して、HbA1c−O2 、Hb−O2 、Hb−COだけが存在するものとして取り扱い、非侵襲のヘモグロビンA1c分析装置を構成することもできる。しかし、ヘモグロビンの形態はそれほど単純なものではなく、例えば呼吸器疾患の患者の場合には、Hb−redを考慮する必要があるなど、さまざまな患者に適するように血液を分析しようとすると、さまざまな形態で存在するヘモグロビンを考慮する必要がある。
【0014】
単純に原理だけを考えれば、前記公知文献1に着目して公知文献2が発明されたように、光源、すなわち発光素子の数を増やしてより多くの成分を対象とすれば、より正確に血液を分析することができる。しかし、それにともなって、発光素子の数が増え、定量分析が複雑になることは避けられない。そして、装置が大型化して、高価になってしまう。
【0015】
また、例えば、Hb−redは、呼吸器疾患がある患者のみが対象であり、そうでない患者では分析対象とする必要がない。このように、特定の対象者のためだけに必要な成分を検出する目的で、全ての装置にそれを検出する発光素子や回路を付加したのでは、装置の購入者の立場で考えると、不必要な発光素子や回路が備わった高価な装置を購入することになる。
【0016】
また、分析する成分が増えると、吸収スペクトルに顕著な差がない成分が増え、
異なる波長の透過光を用いることによる分析が困難な場合もある。
【0017】
さらに、新たな測定原理による血液分析装置が開発された場合、以前から使われてきた分析装置と測定値が異なると、医師の診断も分析装置によって変わり、混乱してしまうため、測定値が整合されるべきであるが、発光素子を配置する数にも限界があるため、発光素子を増やしたところで、他の測定原理による血液分析装置と必ずしも測定値が同一にはならない。その結果、装置によって異なる測定値が表示され、測定原理を十分に理解していない患者や医療従事者が、装置の信頼性に不信感を抱くことにもなりかねない。
【0018】
これらは、非侵襲のヘモグロビンA1c分析装置に限った問題ではなく、非侵襲の血液分析装置が一般に有している問題である。
【0019】
本発明の目的は上記課題を解決し、簡単な構成で、さまざまな測定者に適した測定値を表示させることができ、測定者に不信感を与えない血液分析装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明で用いる手段は、生体に光を照射する発光素子と、前記生体を挟んで透過光を受光する受光素子と、該受光素子の光電流をデジタル値に変換する変換回路と、該変換回路によって変換されたデジタル値に基づいて血液の成分比を算出する演算回路と、該成分比を表示する表示器とを備えた血液分析装置において、該血液分析装置は、前記成分比を補正するための補正データを入力する入力手段を有するとともに、前記演算回路は、前記デジタル値と前記補正データとに基づいて前記成分比を算出することである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳述する。図1は本発明の一実施の形態によるヘモグロビンA1c分析装置の外観図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図2は本発明の一実施の形態によるヘモグロビンA1c分析装置の測定時の姿勢を示す装着図である。図3は本発明の一実施の形態によるヘモグロビンA1c分析装置のブロック図である。図4は各種ヘモグロビンの各波長におけるモル吸光係数の変化を示す吸光特性曲線である。
【0022】
まず図1(a)および(b)を用いて、本実施の形態によるヘモグロビンA1c分析装置の外観を説明する。図1において、10は血液中に含まれるヘモグロビンのうち、血液中のグルコースと結合した成分の割合を調べるヘモグロビンA1c分析装置である。分析装置10の側面には、測定部位を入れられる挿入穴11があり、被験者の指が入るようにほぼ円筒形状をしている。正面には電源を入れて分析を開始させるスイッチ12と、分析結果を表示する表示器13が設けられている。表示器13には血糖コントロールの指標となるヘモグロビンA1cが表示される。つまり、血液に含まれるヘモグロビンのうちの予め定められた一つの成分比が表示されるのである。さらに、従来法の高速液体クロマトグラフ法と値を合わせることができるように、表示器13に表示されるヘモグロビンA1cを補正するための補正データを入力するUPスイッチ14とDOWNスイッチ15が設けられている。
【0023】
次に図2を用いて、本実施の形態によるヘモグロビンA1c分析装置の使用方法を説明する。挿入穴11には指が挿入されている。標準的な指の使い方は、右手第3指(中指)を挿入穴11に入れて、両脇の第2指(人差し指)と第4指(薬指)で軽く分析装置10を支えて、手のひらを上に向ける。これが測定時の標準的な装着姿勢である。この場合には測定対象の生体組織1は右手第3指となる。この姿勢のままで、スイッチ12を他の指、例えば第1指(親指)で押せば、電源が入り分析が開始される。分析結果のヘモグロビンA1cは、表示器13が上を向いているので、簡単に読み取ることができる。
【0024】
表示器13の値を従来法の高速液体クロマトグラフ法による値と合わせるために、UPスイッチ14及びDOWNスイッチ15が設けられており、これらの補正データを増加及び減少させるスイッチを操作して、表示器13の値を変えることができる。なお、ここでは生体組織1を指としたが、挿入穴11の形状を変えることで耳たぶや鼻も測定対象とすることができる。
【0025】
次に、図3を用いて本発明の実施の形態によるヘモグロビンA1c分析装置のブロック図を説明する。波長λ1、λ2、λ3の光を発光する発光素子21、22、23は、発光駆動回路31の出力を受けて順番に点灯する。これらの発光素子21,22,23の光が、生体組織1である指に照射される。照射された光は、生体組織1の各種ヘモグロビンによって吸収されるが、赤血球による散乱も起こしている。生体組織1を挟んで対向して配置された受光素子24によって透過光が受光される。ここで、発光波長λ1、λ2、λ3は、例えば630nm、660nm、940nmにそれぞれ設定されている。この波長はそれぞれ橙色、赤色、赤外光の一般的な発光ダイオードの波長であり、安価であり部品調達も容易である。
【0026】
受光素子24の各波長における光電流は、生体組織1によって減衰されたあとの透過光量I1、I2、I3に対応している。増幅器32は受光素子24の光電流を電圧変換し、それを電圧増幅している。なお、各波長における透過光量I1、I2、I3には、脈動変動分に相当する脈動成分が含まれている。
【0027】
マルチプレクサ(MPX)33では、増幅器32の出力信号が、λ1、λ2、λ3の波長ごとに振り分けられ、バンドパスフィルタ(BPF)34、35、36に供給される。BPF34、35、36は、各信号中に含まれる高周波のノイズ成分が除去され、さらに生体組織1における各波長λ1、λ2、λ3についての透過光の脈動成分に相当する振幅信号、つまり指尖容積脈波を出力する。
【0028】
脈波検出回路(DET)37、38、39は、BPF34、35、36からの各出力信号より、透過光の脈動分の振幅値に相当する信号を検出する。これら検出信号は、生体組織1での各波長λ1、λ2、λ3における透過光の脈動変動分ΔA1、ΔA2、ΔA3に対応したものであり、アナログ/デジタル変換されたデジタル値である。DET37、38、39の出力信号であるデジタル値ΔA1、ΔA2、ΔA3は、演算手段40に供給される。ここまでに述べた増幅器32、MPX33、BPF34、35、36、DET37、38、39は、受光素子の光電流をデジタル値に変換する変換回路を構成している。
【0029】
入力手段42は、UPスイッチ14及びDOWNスイッチ15を含んでおり、入力された患者情報つまり補正データを増加及び減少させることができる。さらに、入力手段42は補正データを演算手段40に供給している。そして、演算手段40によって、各ヘモグロビンの成分比が算出される。そして、表示手段41は表示器13を含んであり、そこにヘモグロビンA1cの成分比が表示される。
【0030】
ここで、図4にHbA1c−O2 、Hb−O2 、Hb−CO、及びHb−redの各波長におけるモル吸光係数の変化を示す吸光特性曲線を示した。これから演算手段40で演算されるヘモグロビンの成分比の算出について説明するが、まず補正を行なわない演算について説明する。各ヘモグロビンのモル吸光係数と生体組織1の吸光度から、吸収成分である各ヘモグロビンの成分比を算出できるが、まず原理説明として、生体組織1の吸収成分が3成分であり、3波長の吸光度から算出する補正を行なわない演算について説明する。まず、モル吸光係数εijは、波長λi(i=1,2,3)における、各種ヘモグロビンj(j=1はHbA1c−O2 、j=2はHb−O2 、j=3はHb−CO)のモル吸光係数であり、実験などから得られた既知として扱うことができる。xはHbA1c−O2 の濃度であり、yはHb−O2 、zはHb−COの濃度である。kは血管による光路長を表す比例定数である。aiは、波長λi(i=1,2,3)における生体組織1による吸光度であり、吸収成分はHbA1c−O2 、Hb−O2 、Hb−COの各種ヘモグロビンによるものである。ランバート・ベールの法則に従って、(1)、(2)、(3)式の連立方程式が導かれる。
【数1】
【数2】
【数3】
この連立3元1次方程式を、3行3列の行列で表すと(4)式となる。
【数4】
【0031】
これを、HbA1c−O2 、Hb−O2 、Hb−COの濃度x、y、zについて解くと、それぞれ(5)、(6)、(7)式となる。
【数5】
【数6】
【数7】
【0032】
ここで、ヘモグロビンA1cは全ヘモグロビンに対するHbA1c−O2 の割合であり、HbA1c−O2 の成分比Xは(8)式となる。同様に、Hb−O2 の成分比Y、及びHb−COの成分比Zは、それぞれ(9)、(10)式となる。
【数8】
【数9】
【数10】
【0033】
なお、各種ヘモグロビンの成分比X、Y、Zでは、比例定数kは消去されている。これは血管による光路長が未知であっても解けることを示している。また、εijをモル吸光係数として説明したが、各種ヘモグロビンの濃度が不明な場合には、同一濃度条件での吸光度として扱うこともできる。このときにはディメンジョンが変わるが、基本的な考え方は同じである。これまでに、生体組織1の吸収成分が3成分に限定され、3波長の吸光度からその成分比を算出する原理について説明した。具体的には、HbA1c−O2 、Hb−O2 、Hb−COの各波長におけるモル吸光係数から数学的変換によって、血液に含まれるヘモグロビンのうちの予め定められたひとつの成分比を算出できることを説明した。
【0034】
さらに、ヘモグロビンの形態は3成分だけではなくHb−redが含まれることから、Hb−redについても同様にモル吸光係数の変化を測定した。図4にその測定結果も合わせて吸光特性曲線を示した。呼吸器疾患がある患者の場合には、ヘモグロビンの形態は主要な3成分ではなく、Hb−redが含まれることになる。この場合に主要な3成分に限定して、成分比を求めたのでは誤差が生じてしまう。それを補うために、次のような算出方法が取られている。まず第1の実施の形態による算出方法について説明する。各ヘモグロビンの各波長におけるモル吸光係数、各ヘモグロビンの成分比と、生体組織による吸光度を表した(4)式は、(11)式に書換えられる。
【数11】
ここで、モル吸光係数ε14、ε24、ε34は、波長λ1、λ2、λ3におけるHb−redのモル吸光係数である。濃度wは、Hb−redの濃度である。
【0035】
呼吸器疾患の場合には、常に一定の割合でHb−redを含むために、予めその濃度wを既知の値として知ることができる。そして、この濃度wは補正データとして入力手段42から供給され、演算手段40は、HbA1c−O2 の成分比を(12)式として求めることができる。
【数12】
呼吸器疾患の場合には、Hb−redを無視できないことについて説明したが、この場合に限らずに、胎児ヘモグロビンHb−Fを多く含む胎児ヘモグロビン血症や、異常ヘモグロビン症の場合にも、主要な3成分以外のヘモグロビンを無視できないために、同様な算出方法で対応することができる。例えば、呼吸器疾患、胎児ヘモグロビン血症、異常ヘモグロビン症など、特定のヘモグロビンのモル吸光係数を設定しておけば、3成分以外のヘモグロビン成分が無視できないほど含まれている場合であっても正確に算出することができる。従って、先に述べた高速液体クロマトグラフ法とほぼ一致した値を表示することができる。これらの各モル吸光係数は、演算手段40内に設けた記憶手段(図示せず)に記憶させておき、操作者が所定の操作によって疾患の病態を入力すると、これに応じたモル吸光係数が設定されるように構成すればよい。
【0036】
このように、簡単な構成でさまざまな患者に対応できる。すなわち、血液に含まれる成分の吸光特性の違いを利用した血液分析装置を用いて、その測定原理に起因する誤差を補正し、より正確に血液の分析が行える測定原理の血液分析装置の値とほぼ同じ測定値を表示させることができる。従って、患者や医療従事者に対して、装置の信頼性に不信感を抱かせなくなる。
【0037】
次に、第2の実施の形態による算出方法について説明する。主要な3成分は、HbA1c−O2 、Hb−O2 、Hb−COとして、その他の成分の存在は考慮するものの、その成分を特定しない方法である。上記(1)、(2)、(3)式の連立方程式が導かれ、(4)式の行列で表される。そしてHbA1c−O2 、Hb−O2 、Hb−COの濃度x、y、zについて解くところまでは同じである。しかし、HbA1c−O2 の成分比Xを(8)式により求めるのではなく、(13)式により求める。
【数13】
ここで、Vは、ヘモグロビンの補正成分比である。つまり、ヘモグロビンA1cの成分比を表すデータである。この補正成分比Vは補正データとして入力手段42から供給され、演算手段40は、HbA1c−O2 の成分比を(13)式として求めることができる。
【0038】
補正成分比Vを設定する方法について説明する。予め従来の高速液体クロマトグラフ法などのヘモグロビンA1c分析計で測定しておく。その値に合わせるために、入力手段42のUPスイッチ14とDOWNスイッチ15によって、補正成分比Vつまり補正データを設定するのである。例えば、補正成分比Vは、分解能が0.1パーセントで、正及び負の値を設定することができる。つまり、UPスイッチ14及びDOWNスイッチ15により補正成分比Vを調整して、ヘモグロビンA1cの値を高速液体クロマトグラフ法で予め測定しておいた値に合わせるのである。
【0039】
以上が本実施の形態によるヘモグロビンA1c分析装置の説明である。ここでは、UPスイッチ14とDOWNスイッチ15のふたつのスイッチにより、補正データを増加及び減少させるスイッチを設けたが、片側方向にだけ設定をずらすひとつのスイッチで、補正データを設定することもできる。
【0040】
この第2の実施の形態も、第1の実施の形態と同様、簡単な構成で、さまざまな患者に対応した測定値を表示させることができ、測定者に不信感を与えることはない。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、この血液分析装置は、簡単な構成でさまざまな患者に適した測定値を表示させることができるとともに、患者や医療従事者に不信感を与えない血液分析装置を提供することができる。さらに、このことは測定原理が違っても測定値が統一されるように、分析装置間差を是正する技術を確立させたということである。
【0042】
また、非侵襲で血液分析できるので、患者は検査のための苦痛がなくなり、在宅で検査できるようになれば、通院の必要性もがなくなる。このように、患者の負担が減ると共に、医療費の削減にもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるヘモグロビンA1c分析装置の外観図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図2】本発明の実施の形態によるヘモグロビンA1c分析装置の装着図である。
【図3】本発明の実施の形態による他のヘモグロビンA1c分析装置のブロック図である。
【図4】グリコヘモグロビンHbA1c−O2 、オキシヘモグロビンHb−O2 、カルボキシヘモグロビンHb−CO、及びデオキシヘモグロビンHb−redの各波長におけるモル吸光係数の変化を示す吸光特性曲線である。
【符号の説明】
1 生体組織
10 分析装置
11 挿入穴
13 表示器
21、22、23 発光素子
24 受光素子
33 マルチプレクサ
34、35、36 バンドパスフィルタ
37、38、39 脈波検出回路
40 演算手段
42 入力手段
Claims (5)
- 生体に光を照射する発光素子と、前記生体を挟んで透過光を受光する受光素子と、該受光素子の光電流をデジタル値に変換する変換回路と、該変換回路によって変換されたデジタル値に基づいて血液の成分比を算出する演算回路と、該成分比を表示する表示器とを備えた血液分析装置において、該血液分析装置は、前記成分比を補正するための補正データを入力する入力手段を有するとともに、前記演算回路は、前記デジタル値と前記補正データとに基づいて前記成分比を算出することを特徴とする血液分析装置。
- 前記演算回路は、血液に含まれるヘモグロビンのうちの予め定められた一の成分の成分比を算出し、前記入力手段により入力される補正データは、前記一の成分の成分比を表すデータであることを特徴とする請求項1に記載の血液分析装置。
- 前記一の成分は、グリコヘモグロビンであることを特徴とする請求項2に記載の血液分析装置。
- 前記入力手段は、前記補正データを増加及び減少させるスイッチを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の血液分析装置。
- 前記入力手段は、前記補正データを増加させるスイッチと、前記補正データを減少させるスイッチとを有することを特徴とする請求項4項に記載の血液分析装置。
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