JP2004290544A - 血液分析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】血液分析装置では異なる波長の光を照射するが、特定波長において生体組織の吸光度が大きく、十分な透過光が得られない。そのためにS/N比が悪くなり測定精度の低下の原因となっていた。
【解決手段】波長の異なる複数の光を生体に照射するための複数の発光素子と、該複数の発光素子から前記生体に照射した光を前記生体を介して受光する受光素子とを有し、該受光素子の光電流に基づいて、前記生体の血液中の少なくとも一成分の濃度を算出する血液分析装置において、前記複数の光のうちの少なくとも一つの光を、他の光とは異なる数の発光素子を用いることにより、十分な透過光が得られるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】波長の異なる複数の光を生体に照射するための複数の発光素子と、該複数の発光素子から前記生体に照射した光を前記生体を介して受光する受光素子とを有し、該受光素子の光電流に基づいて、前記生体の血液中の少なくとも一成分の濃度を算出する血液分析装置において、前記複数の光のうちの少なくとも一つの光を、他の光とは異なる数の発光素子を用いることにより、十分な透過光が得られるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非侵襲で血液中の成分を分析する血液分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から採血しないで血液成分を検査する装置としては、動脈血の酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターがある。これは動脈血中のヘモグロビンのうち酸素と結合したヘモグロビンの成分比を非侵襲で測定するものであり、使いやすく装置の価格も妥当なことから、さまざまな医療現場で使われてきた。例えば、手術中や術後、集中治療室では、患者の容体を連続的に監視している。また救急医療では、輸送中に患者の容体を短時間で把握するために使われてきた。
【0003】
動脈血だけでなく静脈血も含めた総合の酸素飽和度を測定できるオキシメーターが開発された。(例えば、特許文献1)この文献には、生体組織に照射する光源としては、3つの異なった波長の光を発生する発光ダイオードと、生体組織と同じ散乱性をもつ散乱板により構成されていることが示されている。
【0004】
特許文献1によれば、生体組織のような散乱体に直進光を入射すると、進行して行くにつれて散乱され、ある程度以上の深いところでその散乱体固有の散乱度に達する。つまり、直進光照射では、散乱体の浅い部位と深い部位とでは、減光率が異なってしまうことになる。そこで、生体組織に近い散乱性をもった散乱板を発光ダイオードの前面に配置した光源で、生体組織に密着させて散乱光を照射すれば、組織の浅い部位であっても、深い部位であっても同じ減光率となり、正確な測定結果を得ることができることになっている。
【0005】
また、パルスオキシメーターの精度向上のために、改良がなされ光波長の数を増やしてカルボキシヘモグロビンやメトヘモグロビンなどによる影響を補正するパルスオキシメーターの開発がされた。そして、この光波長の数を増やした多波長化の光学系の構造についても開発された。(例えば、特許文献2)この文献によれば、測定部位の生体組織に照射する光照射装置は、3個の発光ダイオードと光を散乱させる光散乱板を備えており、光拡散板を備えていることは特許文献1と同様である。そしてさらに、受光装置にも、フォトダイオードの前面に別の光散乱板を設けている。そして、光照射装置の光散乱板と受光装置の散乱板を、生体組織10に密着させるように保持している。そして特許文献2によれば、散乱によって生じる減光度が波長に影響されなくなる。さらに、測定対象となる血液層が生体組織のどの深さにあっても、深さの影響をなくすことができる。
【0006】
パルスオキシメーターなどの分光分析装置では、各発光素子から照射された光を、ひとつの受光素子によって受光し、この受光素子の出力に基づいて血液中の各成分の濃度を演算するように構成されている。これは、血液中の各成分の吸光係数が、異なったスペクトル特性を持っていることを応用している。特に、特許文献3では血液の脈動とは逆位相で生体組織が脈動をしていることに着目したので、N個の発光素子に対して、分析される血液成分はN個ではなく、N−1個となっているが、基本原理はパルスオキシメーターと同様である。パルスオキシメーターでは、2個の発光素子から照射され、ひとつの受光素子で透過光を受光して、オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンの2成分比を求めている。特許文献3には、このふたつのヘモグロビンの吸光係数スペクトルが示されているが、ヘモグロビンの吸収特性は波長に対して一様でないことがわかる。
【0007】
光源の光量を調整する光源調整部を備えるオキシメータが開発された。特許文献4によれば、光源1と光源2の2種類の光源がある場合には、2光の透過光が所定の範囲内になるように、一方或は両方の放射強度を制御するのである。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−212016号公報(第3−4頁、第1図)
【特許文献2】
特開2001−198111号公報(第6−9頁、第1図)
【特許文献3】
特公平5−88609号公報(第6−7頁、第4図)
【特許文献4】
特開平3−86152号公報(第4頁、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
生体組織の吸光度が大きい波長では、十分な透過光を得ることができない。そのために、生体組織の吸光度が大きい特定の波長では、透過光の信号成分が少なくなり、S/N比を下げてしまう。そこで、光量調整部により発光ダイオードの放射強度を制御できるが、特に吸光度が大きい場合には放射強度を上げても十分な透過光の信号成分が得られない場合がある。また、発光波長によっては高輝度の発光ダイオードが流通していないために、高輝度のものを採用できずに、十分な透過光の信号成分が得られないこともある。これらの場合には、精度良く非侵害襲で血液中の成分を分析することができなかった。
【0010】
本発明の目的は上記課題を解決し、特定の波長で測定精度を下げることがなく、非侵襲で血液中の成分を分析する血液分析装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の特徴は、波長の異なる複数の光を生体に照射するための複数の発光素子と、該複数の発光素子から前記生体に照射した光を前記生体を介して受光する受光素子とを有し、該受光素子の光電流に基づいて、前記生体の血液中の少なくとも一成分の濃度を算出する血液分析装置において、前記複数の光のうちの少なくとも一つの光を、他の光とは異なる数の発光素子を用いて前記生体に照射したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳述する。図1は本発明の一実施の形態による血液分析装置のセンサ部構造を示す断面図である。図2(a)および(b)は本発明の一実施の形態による血液分析装置の外観図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。図3は本発明の一実施の形態による血液分析装置の測定時の姿勢を示す装着図である。図4は本発明の一実施の形態による血液分析装置の断面図である。図5(a)および(b)は本発明の一実施の形態による血液分析装置の発光部の平面図であり、(a)は発光素子を4個配置、(b)は発光素子を10個配置した平面図である。図6は本発明の一実施の形態による血液分析装置のブロック図である。
【0013】
まず図2(a)および(b)を用いて、本実施の形態による血液分析装置の外観を説明する。これは糖尿病の診断や検査のための血液分析装置であり、分析装置10は、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが、血液中のグルコースと結合したヘモグロビンA1c割合を測定する。ヘモグロビンにグルコースが結合したものを総称してグリコヘモグロビンと呼び、その中でもヘモグロビンのβ鎖のN末端にグルコースが結合したものをヘモグロビンA1cと呼ぶ。臨床的には過去1〜2ヶ月の平均血糖値を反映する情報として、血糖コントロールの指標とされ、患者の治療状態を把握するマーカーとなっている。但し、グリコヘモグロビンとヘモグロビンA1cとは同義語として用いられ、臨床医学の領域では一般には区別せずに用いている。分析装置10の側面には、測定部位を入れられる挿入穴11があり、患者の指が入るようにほぼ円筒形状をしている。上面には電源を入れて分析を開始させるスイッチ12と、分析結果を表示する表示器13が設けられている。表示器13には血糖コントロールの指標となる血液中の総ヘモグロビンに対するヘモグロビンA1cの割合が、小数点以下第一位までの質量百分率で表した濃度で表示される。ハウジング14(図4参照)は、プラスチックでできた分析装置10の外装である。
【0014】
指先などの光透過性のよい生体部位に一定の光を照射して、その透過光を受光素子で検出すると、検出された成分はほとんど一定だが、脈拍に対応して少し変動する成分が検出できる。この変動分は光電指尖容積脈波と呼び、心拍動による血圧の増減により血管が膨張収縮することに起因している。この変動分の解析によって、血液成分の分析が行なえるのである。血液成分の中で600nmから1000nmの近赤外領域における吸収は、ほとんどがヘモグロビンによるものである。血液中のヘモグロビンはいくつかの分子形態をとり、それぞれのヘモグロビンの分子形態によって吸収スペクトルに違いがある。この吸収スペクトルの違いを利用して、血液中の各ヘモグロビン成分の濃度を分析するのである。
【0015】
次に図3を用いて、本実施の形態による血液分析装置の使用方法を説明する。挿入穴11には指が挿入されている。標準的な指の使い方は、右手第3指(中指)を挿入穴11に入れて、両脇の第2指(人差し指)と第4指(薬指)で軽く分析装置10のハウジング14を支えて、手のひらを上に向ける。これが測定時の標準的な装着姿勢である。この場合には測定対象の生体組織1は右手第3指となる。この姿勢のままで、スイッチ12を押せば、電源が入り分析が開始される。例えば、スイッチ12は右手第1指(親指)で押しやすいように、上面つまり上を向いて配置されている。分析結果の血液中のヘモグロビンA1c成分比は、スイッチ12と同じように、上を向いている表示器13に表示されるので、簡単に読み取ることができる。
【0016】
次に図4を用いて、本実施の形態による血液分析装置の断面構造を説明する。まず挿入穴11は先端が閉じたほぼ円筒形状のホルダ27からなり、指である生体組織1をホルダ27の先端に突当たるように挿入する。ホルダ27には、指の腹が当たる部分に受光フィルタ26と、その反対側の指の爪側には拡散板29が備え付けられている。拡散板29は光拡散樹脂を成形したものであり、その奥には拡散板29と隙間を持たせて発光素子21、22、23が近接して配置されている。すなわち、発光素子21、22、23と、生体組織1との間に拡散板29が配置され、生体組織1と受光素子との間に受光フィルタ26が配置されている。発光素子21、22、23は、それぞれの発光波長がλ1、λ2、λ3のチップ型発光ダイオードであり、これらにより、波長の異なる複数の光を生体組織1に照射している。なお、発光素子21、22、23と拡散板29によって発光部を構成している。
【0017】
受光フィルタ26は、発光波長λ1、λ2、λ3を透過させるが、その他の蛍光燈や太陽光を減衰させるための光学フィルタであり、挿入穴11と生体組織1との隙間から漏れてくる外来光の影響を少なくしている。また、受光フィルタ26は防塵効果もあり、清掃を簡単に行うことができる。受光フィルタ26の奥には受光素子28が配置されている。受光素子28は発光波長λ1、λ2、λ3を含んだ波長感度のあるフォトダイオードである。なお、受光素子28と受光フィルタ26によって受光部を構成している。回路30には受光素子28が実装されていて、それぞれの波長において脈動による光電流の変化から、血液中のヘモグロビンA1c成分比を算出している。その算出結果は、回路30に接続された表示器13によって表示する。表示器13は、ホルダ27の上側にあり、上を向いているので読み取りやすい。
【0018】
次に、図5を用いて本発明の実施の形態による血液分析装置の発光素子の配置を説明する。まず、図5(a)は発光素子4個を配置した平面図である。拡散板29の下面には発光素子4個を配置してあり、拡散板29の周囲はホルダー27で光を遮断している。発光素子21aおよび21bは発光波長λ1の発光ダイオードであり、2個を配置している。発光素子22は発光波長λ2の発光ダイオードであり、発光素子23は発光波長λ3の発光ダイオードであり、1個づつを配置している。
【0019】
ここで、発光波長によって発光素子の数量を変えているが、その理由を説明する。前述したように、血液成分の中で600nmから1000nmの近赤外領域における吸収は、ほとんどがヘモグロビンによるものである。このヘモグロビンの吸収スペクトルは、この近赤外領域で決して一様な特性とはなっていない。勿論、指尖など生体組織1の場合でも、照射光と透過光の関係は波長によって一様な関係にはなっていないので、同じ放射強度で照射しても透過光は等しくならない。例えば、λ1、λ2、λ3を630nm、680nm、940nmとすると、同じ放射強度で照射しても、透過光としては630nmのλ1の光が極めて少なくなり、それは生体組織での吸光度が大きいからである。そのために、生体組織の吸光度が大きい波長λ1では、発光素子の数を増やして、透過光の強度を多くしている。つまり、これは血液を含めた生体組織の吸収によって、発光素子の数を設定しているのである。勿論、発光素子の性能が悪く、十分な放射強度が得られない場合にも、発光素子の数を増やして対応してもかまわない。また受光素子の波長感度特性が劣る波長がある場合には、その波長に対応した発光素子の数を増やしてもかまわない。このように、一つの発光素子で放射強度を調整するのではなく、発光素子の数を増やすことにより、一つの発光素子による放射強度の調整では十分な透過光の信号成分を得られない場合でも、十分な透過光の信号成分を得ることができ、特定の波長で測定精度を下げることなく血液成分の分析を行なうことができる。
【0020】
発光素子を近づけて配置したとしても、複数の発光素子を同一位置には実装できないために、同一光路とはならない。このことによる誤差をさらに小さくするために、光拡散樹脂や光拡散フィルムでできている拡散板29を挿入し、発光ダイオードによる点発光を、拡散板29による面発光に変換している。このように面発光に変換してから生体組織に光照射することによって、生体組織での光路を同一と扱うことができ、各波長による光路差による影響を解消している。この光拡散樹脂は、例えば光を拡散させる物質を透明樹脂材に混ぜて成形したものである。なお、発光波長λ1のふたつの発光素子を近づけて配置すると、発光素子を配置した付近の光の放射強度が強くなり、拡散板29の放射強度にむらができやすくなるため、このふたつの発光素子を離れた位置に配置可能な場合は、図5(a)に示すように、離して配置するのが望ましい。
【0021】
同様に、図5(b)は3波長の発光素子を合計10個配置した平面図である。発光波長λ1の発光素子は、21a、21b、21c、21d、21eで、5個配置している。発光波長λ2の発光素子は22a、22b、22cで、3個配置してあり、発光波長λ3の発光素子は23a、23bで、2個配置している。拡散板29の内側に10個の発光素子を配置してあり、拡散板29の周囲はホルダー27で光を遮断している。この場合にも同様に、発光素子の前面に拡散板29を挿入し、発光素子の点発光により照射するのではなく、拡散板29により面発光に変換して照射している。
【0022】
生体組織の吸光度が大きい発光波長λ1では、発光素子の数を5個と増やして、透過光の強度を多く取れるようにしている。逆に、生体組織の吸光度が小さい光波長λ3では、発光素子の数を減らし、他の波長の透過光に合わせている。また、複数個を配置した発光素子は、かたまった接近した位置には配置せず、まばらに配置することが望ましい。これは拡散板29の面発光のムラを少なくすためである。
【0023】
次に、第1図を用いて本発明の実施の形態による光学系の断面構造を説明する。発光素子21、22、23の前面には、拡散板29が隙間をもって配置されている。発光素子21、22、23の発光ダイオードは視野角はおよそ80度と広いために、それぞれの発光ダイオードは拡散板29の広い面積を照射することになる。この発光素子と拡散板29の隙間を3ミリメートル以上とすると、拡散板29が直径6ミリメートルと広くとも面発光ムラを少なくできる。また、拡散板29は光拡散物質を透明樹脂材に混ぜて成形したものであり、拡散板29では散乱が繰り返されて、ほぼ均一な面発光となる。つまり、発光素子による点発光を、拡散板29による面発光に変換して照射している。拡散板29は、ムラが少なくほぼ均一な面発光を実現させるために、発光素子の前面に配置してある。生体組織による散乱の波長特性を軽減させるために、配置しているのではないので、拡散板29を生体組織1に接触させる必要はない。これによって、挿入穴11に指を入れるだけで、発光素子を装着する手間がなく簡単に測定を始められる。また、拡散板29の散乱状態を生体組織の散乱状態に合わせる必要がないので、拡散板29の設計が容易になり、製造もしやすくなる。拡散板29を光拡散物質を透明樹脂材に混ぜた成形品として説明したが、これに限るものではなく、厚さ0.5ミリメートルの拡散フィルムとしてもよい。このことによって、発光部を薄く設計することができ小型化できると共に、部品コストを下げることができる。
【0024】
発光波長λ1、λ2、λ3は、拡散板29によって面発光に変換されて、生体組織1に照射されている。このことによって、発光部の拡散板29から生体組織を挟んで受光素子までの体組織内の光路は、発光波長によらず等しい光路として扱うことができる。なお、受光素子のフォトダイオードは視野角が広いために、光照射されていない生体組織を受光視野角に入れてしまうことがある。その影響を少なくするために、拡散板29の面積は、受光素子28の面積よりも大きく設計すると良い。
【0025】
次に、図6を用いて本発明の実施の形態による血液分析装置のブロック図を説明する。波長λ1、λ2、λ3の光を発光する発光素子21、22、23は、発光駆動回路31の出力を受けて順番に点灯する。例えば、繰返し周期は10msで点灯を繰り返している。これらの発光素子21,22,23の光が、生体組織1である指に照射される。照射された光は、生体組織1の各種ヘモグロビンによって吸収される。同時に、この照射された光は、生体組織中の細胞組織や血液成分によって散乱も起こしている。生体組織1を挟んで対向して配置された受光素子28によって、生体組織1の光学的特性を検出できる。つまり、生体組織1を介すことによって、吸収および散乱により減光された透過光が受光される。分光学的測定方法としては、透過光を用いる透過吸収スペクトル法や、全反射測定法や拡散反射法などがある。発光素子21、22、23と、受光素子28の生体組織1への取り付け位置は、それぞれの方法に適した位置に付けられる。ここでは、指を挟んで対向して配置されているが、発光素子21、22、23と、受光素子24を生体組織1の同一面側に取り付けて、生体を介して受光するように構成されることもある。なお、発光波長λ1、λ2、λ3は、例えば630nm、680nm、940nmにそれぞれ設定されている。
【0026】
受光素子28の各波長における光電流は、生体組織1によって減衰されたあとの透過光量I1、I2、I3に対応している。増幅器32は受光素子28の光電流を電圧変換し、それを電圧増幅している。なお、各波長における透過光量I1、I2、I3には、脈動変動分に相当する脈動成分が含まれている。
【0027】
マルチプレクサ(MPX)33では、増幅器32の出力信号が、λ1、λ2、λ3の波長ごとに振り分けられ、バンドパスフィルタ(BPF)34、35、36に供給される。BPF34、35、36によって、各信号中に含まれる高周波のノイズ成分が除去されることにより、各信号は、生体組織1における各波長λ1、λ2、λ3についての透過光の脈動成分に相当する振幅信号、つまり各波長のそれぞれの指尖容積脈波となる。
【0028】
脈波検出回路(DET)37、38、39は、BPF34、35、36からの各出力信号をそれぞれ検波して、透過光の脈動分の振幅値に相当する信号を検出する。これら検出信号は、生体組織1での各波長λ1、λ2、λ3における透過光の脈動変動分ΔA1、ΔA2、ΔA3に対応したものであり、アナログ/デジタル変換されたデータである。DET37、38、39の出力信号ΔA1、ΔA2、ΔA3は、演算手段40に供給されて、血液中のヘモグロビン分子形態ごとのヘモグロビンの成分濃度が算出される。例えばヘモグロビンの成分は、グリコヘモグロビン、オキシヘモグロビン、カルボキシヘモグロビンの3成分を主なヘモグロビン成分としている。なお、生体組織1の散乱による減光は、波長依存性をもっている。脈動変動分ΔA1、ΔA2、ΔA3は、この波長依存性を考慮して取り扱われ、成分比が算出されている。そして、表示手段41ではヘモグロビンA1cの成分比が表示される。なお、回路30は、増幅器32、マルチプレクサ33、バンドパスフィルタ34、35、36、脈波検出回路37、38、39、演算手段40から構成されている。
【0029】
以上が本実施の形態による血液分析装置の説明である。これと同様な方法によって、全ヘモグロビンのうち酸素と結合したオキシヘモグロビンの割合である酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターや、グルコース濃度を測定する血糖計などの、他の分光分析による血液分析装置にも利用できる。
【0030】
また、ヘモグロビンA1cは、過去1〜2ヶ月間の平均血糖値を反映する血糖コントロールの指標とされ、患者の治療状態を把握するマーカーとなっている。患者や臨床医師が測定結果を使いやすいように、百分率表示のヘモグロビンA1cをそのまま表示するのではなく、血糖値の濃度単位であるmg/dl表示の平均血糖値に変換して表示することもできる。
【0031】
また、ヘモグロビンの成分としては、グリコヘモグロビン、オキシヘモグロビン、カルボキシヘモグロビンの3成分を考慮して分析した。そしてヘモグロビンA1c一成分の濃度だけを表示したが、喫煙による有害性を認識させるために、生活習慣病のマーカーとしては、カルボキシヘモグロビンとグリコヘモグロビンの二成分の濃度を算出して表示してもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、生体組織の吸光度が大きい波長では、発光素子の数を増やして、良好な透過光の強度を得られるようにした。このことによって、生体組織の吸光度が大きい特定の波長でS/N比を下げてしまうことがなくなり、測定精度を向上させるという効果がある。
【0033】
さらに、発光素子の前面に拡散板を配置する構成にした場合には、どの発光波長であっても面発光による照射ができ、発光波長によらずに発光部の拡散板29から受光素子28までの体組織内の光路を等しくすることができる。このことによって、発光波長による光路差がなくなり、測定精度が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による血液分析装置の光学系の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態による血液分析装置の外観図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図3】本発明の実施の形態による血液分析装置の装着図である。
【図4】本発明の実施の形態による血液分析装置の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態による血液分析装置の発光素子の配置を示す平面図であり、(a)は3個配置の平面図、(b)は12個配置の平面図である。
【図6】本発明の実施の形態による血液分析装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 生体組織
10 分析装置
11 挿入穴
13 表示器
14 ハウジング
21、22、23 発光素子
28 受光素子
29 拡散板
【発明の属する技術分野】
本発明は、非侵襲で血液中の成分を分析する血液分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から採血しないで血液成分を検査する装置としては、動脈血の酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターがある。これは動脈血中のヘモグロビンのうち酸素と結合したヘモグロビンの成分比を非侵襲で測定するものであり、使いやすく装置の価格も妥当なことから、さまざまな医療現場で使われてきた。例えば、手術中や術後、集中治療室では、患者の容体を連続的に監視している。また救急医療では、輸送中に患者の容体を短時間で把握するために使われてきた。
【0003】
動脈血だけでなく静脈血も含めた総合の酸素飽和度を測定できるオキシメーターが開発された。(例えば、特許文献1)この文献には、生体組織に照射する光源としては、3つの異なった波長の光を発生する発光ダイオードと、生体組織と同じ散乱性をもつ散乱板により構成されていることが示されている。
【0004】
特許文献1によれば、生体組織のような散乱体に直進光を入射すると、進行して行くにつれて散乱され、ある程度以上の深いところでその散乱体固有の散乱度に達する。つまり、直進光照射では、散乱体の浅い部位と深い部位とでは、減光率が異なってしまうことになる。そこで、生体組織に近い散乱性をもった散乱板を発光ダイオードの前面に配置した光源で、生体組織に密着させて散乱光を照射すれば、組織の浅い部位であっても、深い部位であっても同じ減光率となり、正確な測定結果を得ることができることになっている。
【0005】
また、パルスオキシメーターの精度向上のために、改良がなされ光波長の数を増やしてカルボキシヘモグロビンやメトヘモグロビンなどによる影響を補正するパルスオキシメーターの開発がされた。そして、この光波長の数を増やした多波長化の光学系の構造についても開発された。(例えば、特許文献2)この文献によれば、測定部位の生体組織に照射する光照射装置は、3個の発光ダイオードと光を散乱させる光散乱板を備えており、光拡散板を備えていることは特許文献1と同様である。そしてさらに、受光装置にも、フォトダイオードの前面に別の光散乱板を設けている。そして、光照射装置の光散乱板と受光装置の散乱板を、生体組織10に密着させるように保持している。そして特許文献2によれば、散乱によって生じる減光度が波長に影響されなくなる。さらに、測定対象となる血液層が生体組織のどの深さにあっても、深さの影響をなくすことができる。
【0006】
パルスオキシメーターなどの分光分析装置では、各発光素子から照射された光を、ひとつの受光素子によって受光し、この受光素子の出力に基づいて血液中の各成分の濃度を演算するように構成されている。これは、血液中の各成分の吸光係数が、異なったスペクトル特性を持っていることを応用している。特に、特許文献3では血液の脈動とは逆位相で生体組織が脈動をしていることに着目したので、N個の発光素子に対して、分析される血液成分はN個ではなく、N−1個となっているが、基本原理はパルスオキシメーターと同様である。パルスオキシメーターでは、2個の発光素子から照射され、ひとつの受光素子で透過光を受光して、オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンの2成分比を求めている。特許文献3には、このふたつのヘモグロビンの吸光係数スペクトルが示されているが、ヘモグロビンの吸収特性は波長に対して一様でないことがわかる。
【0007】
光源の光量を調整する光源調整部を備えるオキシメータが開発された。特許文献4によれば、光源1と光源2の2種類の光源がある場合には、2光の透過光が所定の範囲内になるように、一方或は両方の放射強度を制御するのである。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−212016号公報(第3−4頁、第1図)
【特許文献2】
特開2001−198111号公報(第6−9頁、第1図)
【特許文献3】
特公平5−88609号公報(第6−7頁、第4図)
【特許文献4】
特開平3−86152号公報(第4頁、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
生体組織の吸光度が大きい波長では、十分な透過光を得ることができない。そのために、生体組織の吸光度が大きい特定の波長では、透過光の信号成分が少なくなり、S/N比を下げてしまう。そこで、光量調整部により発光ダイオードの放射強度を制御できるが、特に吸光度が大きい場合には放射強度を上げても十分な透過光の信号成分が得られない場合がある。また、発光波長によっては高輝度の発光ダイオードが流通していないために、高輝度のものを採用できずに、十分な透過光の信号成分が得られないこともある。これらの場合には、精度良く非侵害襲で血液中の成分を分析することができなかった。
【0010】
本発明の目的は上記課題を解決し、特定の波長で測定精度を下げることがなく、非侵襲で血液中の成分を分析する血液分析装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の特徴は、波長の異なる複数の光を生体に照射するための複数の発光素子と、該複数の発光素子から前記生体に照射した光を前記生体を介して受光する受光素子とを有し、該受光素子の光電流に基づいて、前記生体の血液中の少なくとも一成分の濃度を算出する血液分析装置において、前記複数の光のうちの少なくとも一つの光を、他の光とは異なる数の発光素子を用いて前記生体に照射したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳述する。図1は本発明の一実施の形態による血液分析装置のセンサ部構造を示す断面図である。図2(a)および(b)は本発明の一実施の形態による血液分析装置の外観図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。図3は本発明の一実施の形態による血液分析装置の測定時の姿勢を示す装着図である。図4は本発明の一実施の形態による血液分析装置の断面図である。図5(a)および(b)は本発明の一実施の形態による血液分析装置の発光部の平面図であり、(a)は発光素子を4個配置、(b)は発光素子を10個配置した平面図である。図6は本発明の一実施の形態による血液分析装置のブロック図である。
【0013】
まず図2(a)および(b)を用いて、本実施の形態による血液分析装置の外観を説明する。これは糖尿病の診断や検査のための血液分析装置であり、分析装置10は、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが、血液中のグルコースと結合したヘモグロビンA1c割合を測定する。ヘモグロビンにグルコースが結合したものを総称してグリコヘモグロビンと呼び、その中でもヘモグロビンのβ鎖のN末端にグルコースが結合したものをヘモグロビンA1cと呼ぶ。臨床的には過去1〜2ヶ月の平均血糖値を反映する情報として、血糖コントロールの指標とされ、患者の治療状態を把握するマーカーとなっている。但し、グリコヘモグロビンとヘモグロビンA1cとは同義語として用いられ、臨床医学の領域では一般には区別せずに用いている。分析装置10の側面には、測定部位を入れられる挿入穴11があり、患者の指が入るようにほぼ円筒形状をしている。上面には電源を入れて分析を開始させるスイッチ12と、分析結果を表示する表示器13が設けられている。表示器13には血糖コントロールの指標となる血液中の総ヘモグロビンに対するヘモグロビンA1cの割合が、小数点以下第一位までの質量百分率で表した濃度で表示される。ハウジング14(図4参照)は、プラスチックでできた分析装置10の外装である。
【0014】
指先などの光透過性のよい生体部位に一定の光を照射して、その透過光を受光素子で検出すると、検出された成分はほとんど一定だが、脈拍に対応して少し変動する成分が検出できる。この変動分は光電指尖容積脈波と呼び、心拍動による血圧の増減により血管が膨張収縮することに起因している。この変動分の解析によって、血液成分の分析が行なえるのである。血液成分の中で600nmから1000nmの近赤外領域における吸収は、ほとんどがヘモグロビンによるものである。血液中のヘモグロビンはいくつかの分子形態をとり、それぞれのヘモグロビンの分子形態によって吸収スペクトルに違いがある。この吸収スペクトルの違いを利用して、血液中の各ヘモグロビン成分の濃度を分析するのである。
【0015】
次に図3を用いて、本実施の形態による血液分析装置の使用方法を説明する。挿入穴11には指が挿入されている。標準的な指の使い方は、右手第3指(中指)を挿入穴11に入れて、両脇の第2指(人差し指)と第4指(薬指)で軽く分析装置10のハウジング14を支えて、手のひらを上に向ける。これが測定時の標準的な装着姿勢である。この場合には測定対象の生体組織1は右手第3指となる。この姿勢のままで、スイッチ12を押せば、電源が入り分析が開始される。例えば、スイッチ12は右手第1指(親指)で押しやすいように、上面つまり上を向いて配置されている。分析結果の血液中のヘモグロビンA1c成分比は、スイッチ12と同じように、上を向いている表示器13に表示されるので、簡単に読み取ることができる。
【0016】
次に図4を用いて、本実施の形態による血液分析装置の断面構造を説明する。まず挿入穴11は先端が閉じたほぼ円筒形状のホルダ27からなり、指である生体組織1をホルダ27の先端に突当たるように挿入する。ホルダ27には、指の腹が当たる部分に受光フィルタ26と、その反対側の指の爪側には拡散板29が備え付けられている。拡散板29は光拡散樹脂を成形したものであり、その奥には拡散板29と隙間を持たせて発光素子21、22、23が近接して配置されている。すなわち、発光素子21、22、23と、生体組織1との間に拡散板29が配置され、生体組織1と受光素子との間に受光フィルタ26が配置されている。発光素子21、22、23は、それぞれの発光波長がλ1、λ2、λ3のチップ型発光ダイオードであり、これらにより、波長の異なる複数の光を生体組織1に照射している。なお、発光素子21、22、23と拡散板29によって発光部を構成している。
【0017】
受光フィルタ26は、発光波長λ1、λ2、λ3を透過させるが、その他の蛍光燈や太陽光を減衰させるための光学フィルタであり、挿入穴11と生体組織1との隙間から漏れてくる外来光の影響を少なくしている。また、受光フィルタ26は防塵効果もあり、清掃を簡単に行うことができる。受光フィルタ26の奥には受光素子28が配置されている。受光素子28は発光波長λ1、λ2、λ3を含んだ波長感度のあるフォトダイオードである。なお、受光素子28と受光フィルタ26によって受光部を構成している。回路30には受光素子28が実装されていて、それぞれの波長において脈動による光電流の変化から、血液中のヘモグロビンA1c成分比を算出している。その算出結果は、回路30に接続された表示器13によって表示する。表示器13は、ホルダ27の上側にあり、上を向いているので読み取りやすい。
【0018】
次に、図5を用いて本発明の実施の形態による血液分析装置の発光素子の配置を説明する。まず、図5(a)は発光素子4個を配置した平面図である。拡散板29の下面には発光素子4個を配置してあり、拡散板29の周囲はホルダー27で光を遮断している。発光素子21aおよび21bは発光波長λ1の発光ダイオードであり、2個を配置している。発光素子22は発光波長λ2の発光ダイオードであり、発光素子23は発光波長λ3の発光ダイオードであり、1個づつを配置している。
【0019】
ここで、発光波長によって発光素子の数量を変えているが、その理由を説明する。前述したように、血液成分の中で600nmから1000nmの近赤外領域における吸収は、ほとんどがヘモグロビンによるものである。このヘモグロビンの吸収スペクトルは、この近赤外領域で決して一様な特性とはなっていない。勿論、指尖など生体組織1の場合でも、照射光と透過光の関係は波長によって一様な関係にはなっていないので、同じ放射強度で照射しても透過光は等しくならない。例えば、λ1、λ2、λ3を630nm、680nm、940nmとすると、同じ放射強度で照射しても、透過光としては630nmのλ1の光が極めて少なくなり、それは生体組織での吸光度が大きいからである。そのために、生体組織の吸光度が大きい波長λ1では、発光素子の数を増やして、透過光の強度を多くしている。つまり、これは血液を含めた生体組織の吸収によって、発光素子の数を設定しているのである。勿論、発光素子の性能が悪く、十分な放射強度が得られない場合にも、発光素子の数を増やして対応してもかまわない。また受光素子の波長感度特性が劣る波長がある場合には、その波長に対応した発光素子の数を増やしてもかまわない。このように、一つの発光素子で放射強度を調整するのではなく、発光素子の数を増やすことにより、一つの発光素子による放射強度の調整では十分な透過光の信号成分を得られない場合でも、十分な透過光の信号成分を得ることができ、特定の波長で測定精度を下げることなく血液成分の分析を行なうことができる。
【0020】
発光素子を近づけて配置したとしても、複数の発光素子を同一位置には実装できないために、同一光路とはならない。このことによる誤差をさらに小さくするために、光拡散樹脂や光拡散フィルムでできている拡散板29を挿入し、発光ダイオードによる点発光を、拡散板29による面発光に変換している。このように面発光に変換してから生体組織に光照射することによって、生体組織での光路を同一と扱うことができ、各波長による光路差による影響を解消している。この光拡散樹脂は、例えば光を拡散させる物質を透明樹脂材に混ぜて成形したものである。なお、発光波長λ1のふたつの発光素子を近づけて配置すると、発光素子を配置した付近の光の放射強度が強くなり、拡散板29の放射強度にむらができやすくなるため、このふたつの発光素子を離れた位置に配置可能な場合は、図5(a)に示すように、離して配置するのが望ましい。
【0021】
同様に、図5(b)は3波長の発光素子を合計10個配置した平面図である。発光波長λ1の発光素子は、21a、21b、21c、21d、21eで、5個配置している。発光波長λ2の発光素子は22a、22b、22cで、3個配置してあり、発光波長λ3の発光素子は23a、23bで、2個配置している。拡散板29の内側に10個の発光素子を配置してあり、拡散板29の周囲はホルダー27で光を遮断している。この場合にも同様に、発光素子の前面に拡散板29を挿入し、発光素子の点発光により照射するのではなく、拡散板29により面発光に変換して照射している。
【0022】
生体組織の吸光度が大きい発光波長λ1では、発光素子の数を5個と増やして、透過光の強度を多く取れるようにしている。逆に、生体組織の吸光度が小さい光波長λ3では、発光素子の数を減らし、他の波長の透過光に合わせている。また、複数個を配置した発光素子は、かたまった接近した位置には配置せず、まばらに配置することが望ましい。これは拡散板29の面発光のムラを少なくすためである。
【0023】
次に、第1図を用いて本発明の実施の形態による光学系の断面構造を説明する。発光素子21、22、23の前面には、拡散板29が隙間をもって配置されている。発光素子21、22、23の発光ダイオードは視野角はおよそ80度と広いために、それぞれの発光ダイオードは拡散板29の広い面積を照射することになる。この発光素子と拡散板29の隙間を3ミリメートル以上とすると、拡散板29が直径6ミリメートルと広くとも面発光ムラを少なくできる。また、拡散板29は光拡散物質を透明樹脂材に混ぜて成形したものであり、拡散板29では散乱が繰り返されて、ほぼ均一な面発光となる。つまり、発光素子による点発光を、拡散板29による面発光に変換して照射している。拡散板29は、ムラが少なくほぼ均一な面発光を実現させるために、発光素子の前面に配置してある。生体組織による散乱の波長特性を軽減させるために、配置しているのではないので、拡散板29を生体組織1に接触させる必要はない。これによって、挿入穴11に指を入れるだけで、発光素子を装着する手間がなく簡単に測定を始められる。また、拡散板29の散乱状態を生体組織の散乱状態に合わせる必要がないので、拡散板29の設計が容易になり、製造もしやすくなる。拡散板29を光拡散物質を透明樹脂材に混ぜた成形品として説明したが、これに限るものではなく、厚さ0.5ミリメートルの拡散フィルムとしてもよい。このことによって、発光部を薄く設計することができ小型化できると共に、部品コストを下げることができる。
【0024】
発光波長λ1、λ2、λ3は、拡散板29によって面発光に変換されて、生体組織1に照射されている。このことによって、発光部の拡散板29から生体組織を挟んで受光素子までの体組織内の光路は、発光波長によらず等しい光路として扱うことができる。なお、受光素子のフォトダイオードは視野角が広いために、光照射されていない生体組織を受光視野角に入れてしまうことがある。その影響を少なくするために、拡散板29の面積は、受光素子28の面積よりも大きく設計すると良い。
【0025】
次に、図6を用いて本発明の実施の形態による血液分析装置のブロック図を説明する。波長λ1、λ2、λ3の光を発光する発光素子21、22、23は、発光駆動回路31の出力を受けて順番に点灯する。例えば、繰返し周期は10msで点灯を繰り返している。これらの発光素子21,22,23の光が、生体組織1である指に照射される。照射された光は、生体組織1の各種ヘモグロビンによって吸収される。同時に、この照射された光は、生体組織中の細胞組織や血液成分によって散乱も起こしている。生体組織1を挟んで対向して配置された受光素子28によって、生体組織1の光学的特性を検出できる。つまり、生体組織1を介すことによって、吸収および散乱により減光された透過光が受光される。分光学的測定方法としては、透過光を用いる透過吸収スペクトル法や、全反射測定法や拡散反射法などがある。発光素子21、22、23と、受光素子28の生体組織1への取り付け位置は、それぞれの方法に適した位置に付けられる。ここでは、指を挟んで対向して配置されているが、発光素子21、22、23と、受光素子24を生体組織1の同一面側に取り付けて、生体を介して受光するように構成されることもある。なお、発光波長λ1、λ2、λ3は、例えば630nm、680nm、940nmにそれぞれ設定されている。
【0026】
受光素子28の各波長における光電流は、生体組織1によって減衰されたあとの透過光量I1、I2、I3に対応している。増幅器32は受光素子28の光電流を電圧変換し、それを電圧増幅している。なお、各波長における透過光量I1、I2、I3には、脈動変動分に相当する脈動成分が含まれている。
【0027】
マルチプレクサ(MPX)33では、増幅器32の出力信号が、λ1、λ2、λ3の波長ごとに振り分けられ、バンドパスフィルタ(BPF)34、35、36に供給される。BPF34、35、36によって、各信号中に含まれる高周波のノイズ成分が除去されることにより、各信号は、生体組織1における各波長λ1、λ2、λ3についての透過光の脈動成分に相当する振幅信号、つまり各波長のそれぞれの指尖容積脈波となる。
【0028】
脈波検出回路(DET)37、38、39は、BPF34、35、36からの各出力信号をそれぞれ検波して、透過光の脈動分の振幅値に相当する信号を検出する。これら検出信号は、生体組織1での各波長λ1、λ2、λ3における透過光の脈動変動分ΔA1、ΔA2、ΔA3に対応したものであり、アナログ/デジタル変換されたデータである。DET37、38、39の出力信号ΔA1、ΔA2、ΔA3は、演算手段40に供給されて、血液中のヘモグロビン分子形態ごとのヘモグロビンの成分濃度が算出される。例えばヘモグロビンの成分は、グリコヘモグロビン、オキシヘモグロビン、カルボキシヘモグロビンの3成分を主なヘモグロビン成分としている。なお、生体組織1の散乱による減光は、波長依存性をもっている。脈動変動分ΔA1、ΔA2、ΔA3は、この波長依存性を考慮して取り扱われ、成分比が算出されている。そして、表示手段41ではヘモグロビンA1cの成分比が表示される。なお、回路30は、増幅器32、マルチプレクサ33、バンドパスフィルタ34、35、36、脈波検出回路37、38、39、演算手段40から構成されている。
【0029】
以上が本実施の形態による血液分析装置の説明である。これと同様な方法によって、全ヘモグロビンのうち酸素と結合したオキシヘモグロビンの割合である酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターや、グルコース濃度を測定する血糖計などの、他の分光分析による血液分析装置にも利用できる。
【0030】
また、ヘモグロビンA1cは、過去1〜2ヶ月間の平均血糖値を反映する血糖コントロールの指標とされ、患者の治療状態を把握するマーカーとなっている。患者や臨床医師が測定結果を使いやすいように、百分率表示のヘモグロビンA1cをそのまま表示するのではなく、血糖値の濃度単位であるmg/dl表示の平均血糖値に変換して表示することもできる。
【0031】
また、ヘモグロビンの成分としては、グリコヘモグロビン、オキシヘモグロビン、カルボキシヘモグロビンの3成分を考慮して分析した。そしてヘモグロビンA1c一成分の濃度だけを表示したが、喫煙による有害性を認識させるために、生活習慣病のマーカーとしては、カルボキシヘモグロビンとグリコヘモグロビンの二成分の濃度を算出して表示してもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、生体組織の吸光度が大きい波長では、発光素子の数を増やして、良好な透過光の強度を得られるようにした。このことによって、生体組織の吸光度が大きい特定の波長でS/N比を下げてしまうことがなくなり、測定精度を向上させるという効果がある。
【0033】
さらに、発光素子の前面に拡散板を配置する構成にした場合には、どの発光波長であっても面発光による照射ができ、発光波長によらずに発光部の拡散板29から受光素子28までの体組織内の光路を等しくすることができる。このことによって、発光波長による光路差がなくなり、測定精度が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による血液分析装置の光学系の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態による血液分析装置の外観図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図3】本発明の実施の形態による血液分析装置の装着図である。
【図4】本発明の実施の形態による血液分析装置の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態による血液分析装置の発光素子の配置を示す平面図であり、(a)は3個配置の平面図、(b)は12個配置の平面図である。
【図6】本発明の実施の形態による血液分析装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 生体組織
10 分析装置
11 挿入穴
13 表示器
14 ハウジング
21、22、23 発光素子
28 受光素子
29 拡散板
Claims (5)
- 波長の異なる複数の光を生体に照射するための複数の発光素子と、該複数の発光素子から前記生体に照射した光を前記生体を介して受光する受光素子とを有し、該受光素子の光電流に基づいて、前記生体の血液中の少なくとも一成分の濃度を算出する血液分析装置において、前記複数の光のうちの少なくとも一つの光を、他の光とは異なる数の発光素子を用いて前記生体に照射したことを特徴とする血液分析装置。
- 前記波長の異なる複数の光には、前記生体の吸光度に大小関係がある少なくとも2つの光が含まれており、前記生体の吸光度の大きな光を前記生体に照射するために用いる発光素子の数を、前記生体の吸光度の小さな光を前記生体に照射するために用いる発光素子の数よりも多くしたとを特徴とする請求項1に記載の血液分析装置。
- 前記血液分析装置は、前記複数の発光素子と前記生体との間に配置される拡散板を有することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の血液分析装置。
- 前記拡散板の面積を、前記受光素子の面積よりも大きくしたことを特徴とする請求項3に記載の血液分析装置。
- 前記複数の発光素子を、前記拡散板との間に所定の間隔を設けて配置したことを特徴とする請求項3または請求項4のいずれか1項に記載の血液分析装置。
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