JP2562892B2 - インスリン結合活性を有するポリペプチド - Google Patents

インスリン結合活性を有するポリペプチド

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はインスリン結合活性を有するポリペプチド、
更に詳細にはフイブロネクチンフラグメントであるポリ
ペプチドに関する。
〔従来の技術〕
従来、インスリンを結合する蛋白としては、細胞表面
に存在するインスリンレセプターが知られており、非レ
セプター性蛋白については全く検討されていなかつた。
一方、インスリンと非常に構造の良く似たインスリン様
成長因子I(IGF−I:ソマトメジンC)及びIGF−IIにつ
いては古くから非レセプター性結合蛋白であるIGF結合
蛋白が血中等から抽出され、近年、単離精製されてい
る。
IGFはインスリンとは異なり、血中では結合蛋白と高
分子複合体を形成しており、生物学的に不活性の状態で
大多数存在している。そして、複合体となることでイン
ビボ(in vivo)における半減期は増大し、安定化し、
生体内でのIFGのホメオスタシスに関与している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は上記現状にかんがみてなされたものであり、
その目的はインスリンのホメオスタシスを調節可能な、
非レセプター性のインスリン結合活性を有するポリペプ
チドを提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明を概設すれば、本発明はインスリン結合活性を
有するポリペプチドに関する発明であつて、トリプシン
処理により生成するフイブロネクチンフラグメントのう
ち、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分子量29K
を示し、かつN末端アミノ酸配列がGln−Ala−Gln−Gln
であるフラグメントに含有されていることを特徴とす
る。
本発明者らは、インスリン結合活性、あるいはキヤリ
ヤー性を有するポリペプチドがあるのではないかと考え
た。しかして、そのような性質を持つポリペプチドが存
在すれば、成長因子活性、及びホルモン活性を有するイ
ンスリンのホメオスタシスを調節することが可能であ
り、糖尿病患者に代表される種々の疾患々者にインスリ
ンを投与する時インスリンの作用部位へのターゲテイン
グや持続時間の長い、安全で、免疫原性のない、医薬品
を作ることができ、インスリンの効果を最大限に発揮さ
せ、かつ、副作用のない新しい製剤及びドラツクデリバ
リーシステムを構築することが可能となる。例えば、生
化学的研究における、インスリン依存性の細胞を培養す
る時に有効な増殖促進試薬が提供され、表皮細胞の増殖
を高め、皮膚の老化を防ぐ有用な化粧品が提供され、更
に外傷や、外科手術後の創傷治癒を促進する経皮薬及び
治療薬が提供され、糖尿病の治療に用いる、持続性の高
い、副作用のないインスリン製剤が提供される。
本発明者らは上記課題を解明する研究を行い、生体成
分よりインスリン結合活性を示すポリペプチドを単離
し、更に、その新規活性を有するポリペプチドを特定し
て本発明を完成させるに至つた。以下に本発明の構成を
詳細に説明する。
インスリン結合活性を有するポリペプチドの検索に
は、インスリンを担体に固定化した固定化インスリンカ
ラムが用いられる。担体としてはセフアロース4B(フア
ルマシア社製)が最も適している。固定化方法としては
CNBr活性化法が最も適している。このようにして作成さ
れた固定化インスリンカラムに生体成分及びその抽出物
を付し、吸着された画分を強イオン強度、又は尿素存在
下で溶出させ、吸着画分を得、これを免疫学的に、及び
電気泳動的に同定することで検索した。更に、得られた
蛋白を酵素的又は化学的に断片化し、これを先の固定化
インスリンカラムに付し、同様にしてインスリン結合活
性をもつポリペプチドを特定した。その結果、フイブロ
ネクチンをトリプシン消化して生じる分子量29Kのポリ
ペプチドが、この新規な結合活性を有していることを確
認し本発明を完成するに至つた。
本発明によつて提供されるインスリン結合活性を有す
るポリペプチドは、それ自体で、あるいはそれを通常の
薬剤の投与形態、例えば液体、ローシヨン、軟膏、ゲ
ル、錠剤若しくはカプセルの形で、又は固体基質、経皮
器具、移植片等に付着、結合若しくは包合した形で使用
される。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1 (1) インスリン結合活性を有する蛋白の単離と同定 ニワトリ胚フイブロブラストの培養細胞を3H−グルコ
サミンを用いて3〜4日間標識した後、細胞表面の蛋白
を4M尿素と5mMEDTAを含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS p
H 7.2)で室温、1時間抽出した。このとき細胞は破壊
されず、表面物質のみを特異的に抽出することができ
る。この抽出液を濃縮、透析後2分し、一方からはイン
スリンセフアロースを用いてインスリン結合活性を有す
る蛋白を分画し、他の一方からはゼラチンセフアロース
(フアルマシア社製)を用いてフイブロネクチンの精製
を行つた。このようにして得られたインスリン結合活性
を有する蛋白及びフイブロネクチンをSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動に付し、オートラジオグラフイー
により糖蛋白を検出すると、共に分子量約220Kのバンド
が検出された。一方、電気泳動で分画した後、これを電
気的にニトロセルロース膜上にウエスタンブロツテイン
グし、抗フイブロネクチン抗体を用いて、免疫染色を行
つた結果、インスリン結合活性を有する蛋白はフイブロ
ネクチンと同様に染色された。以上の結果より、インス
リン結合活性を有する蛋白は免疫学的に、また分子量の
上でもフイブロネクチンと同定された。更に、ヒト・フ
イブロネクチンを固定化インスリンカラムに付し、4M尿
素で溶出した結果、ヒト・フイブロネクチンも固定化イ
ンスリンカラムに吸着されることが示された〔なお、ヒ
ト・フイブロネクチン2mgを1.0×8.0cmの固定化インス
リンカラムに付し、開始バツフアーはPBS(pH 7.2)
で、溶出には4M尿素を含むPBSで行つた〕。結果を第2
図に示す。すなわち第2図は、ヒト・フイブロネクチン
のインスリンセフアロースカラムによるアフイニテイー
クロマトグラフイーの結果を、吸光度(280nmにおけ
る、縦軸)と分画数(横軸)との関係で示すグラフであ
る。このとき、固定化インスリン1mg当りの結合量は28u
gであつた。
(2) フイブロネクチン分子中のインスリン結合部位
の特定 フイブロネクチン(2mg)とトリプシンの重量比を50
0:1として35℃で60分間消化し、これを固定化インスリ
ンカラムに付し、分画すると非吸着部分、1M NaCl溶出
画分、及び4M尿素溶出画分が得られた。結果を第3図に
示す。すなわち第3図は、ヒト・フイブロネクチンのト
リプシン消化物のインスリンセフアロースカラムクロマ
トグラフイーの結果を、蛋白濃度(ug/ml、縦軸)と分
画数(横軸)との関係で示すグラフである。
これらの画分をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動に付した結果、1M NaCl溶出画分には分子量29Kの、そ
して、4M尿素溶出画分には分子量31Kのポリペプチドが
存在した。
この2種のインスリン結合活性を有するポリペプチド
を、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に付し分画
し、電気的にニトロセルロース膜上にウエスタンブロツ
トし、ドメイン特異性の明確な抗ヒト・フイブロネクチ
ンモノクローナル抗体(特願昭61−308311号明細書参
照)を用い、免疫染色することで性状を確認した。その
結果、29Kポリペプチドは、フイブロネクチンのN末端
に、また31Kポリペプチドは、フイブロネクチンのC末
端付近に由来することが確認された。その結果をまとめ
たのが第1図である。すなわち第1図は、本発明のイン
スリン結合活性を有するポリペプチドを特定した模式図
である。なお、第1図中↓印は、トリプシン分解個所を
示す。なお、また、フイブロネクチンの全アミノ酸配列
は、A.R.コーンブリツト(A.R. Kornblihtt)らによつ
て明らかにされている〔エムボ ジヤーナル(EMBO
J.)第4巻、第1755頁(1985)参照〕 〔発明の効果〕 以上の説明より明らかなごとく、本発明のインスリン
結合活性を有するポリペプチドは、インスリンと結合す
るという新規な活性を有するものであり、インスリンを
用いることに生化学的ないし医学的意義が見出せる分野
に有用な作用、効果を示すものである。特にインスリン
の新しい製剤及びドラツグデリバリーシステムに応用さ
れるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のインスリン結合活性を有するポリペプ
チドを特定した模式図、第2図はヒト・フイブロネクチ
ンのインスリンセフアロースカラムによるアフイニテイ
ークロマトグラフイーの結果を示すグラフ、第3図はヒ
ト・フイブロネクチンのトリプシン消化物のインスリン
セフアロースカラムクラマトグラフイーの結果を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 EMBO J.Vol.4〔1985〕 P.1755−1759

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリプシン処理により生成されるフイブロ
    ネクチンフラグメントのうち、SDS−ポリアクリルアミ
    ドゲル電気泳動で分子量29Kを示し、かつN末端アミノ
    酸配列がGln−Ala−Gln−Glnであるフラグメントに含有
    されていることを特徴とするインスリン結合活性を有す
    るポリペプチド。
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