JP2562355Y2

JP2562355Y2 - 二重容器

Info

Publication number: JP2562355Y2
Application number: JP1990129152U
Authority: JP
Inventors: 重明永井; 敦子佐治; 鈴木　　元; 義一安田; 広治南谷
Original assignee: 昭和アルミニウム株式会社
Priority date: 1990-11-30
Filing date: 1990-11-30
Publication date: 1998-02-10
Anticipated expiration: 2005-11-30
Also published as: JPH0486777U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は長期に保存が期待されるカップ入りゼリー、
ペースト、クリーム等、内容物が粘着性があってり取出
し難い物品、あるいはプリン等の如く取出す際に形の崩
れるのを嫌う商品のための容器に関する。

［従来の技術］長期保存型の容器に入っているゼリー等のデザート、
あるいはペースト状、クリーム状の医薬品、食品等は開
封後取出す際に容器の側壁に付いてしまい、内容物をす
べて取出すことは極めて困難である。

また、プリン等は硬質のプラスチック成形容器に入れ
て販売され、内容物を取出すときは底部に空気抜きのた
めの薄い部分に棒が付いており、これを折る（実際は底
の薄い部分に穴を開ける。）ことにより空気を入れ、取
出すことが行なわれていた。

この方法は極めてうまく作動し良好な手段ではある
が、輸送中のトラブル等により棒が折れる危険がある。
したがって、このトラブルを避けるため底を棒の長さよ
り高く上げて、また壁に近接して設けている。

しかし、この棒はある程度の長さ（約7mm位）が必要
であるため空隙率を大きくし、輸送効率を低下させる原
因となっている。

また、プリン等をスムーズに出し易くするため側壁の
テーパーを大きくとっていること、更に薄い材料でも容
器の剛性を高めるためプレーンな形状でなく凹凸の多い
形状とする等二層空隙を大きくとる必要もあって、貯
蔵、輸送の容積効率を低下させている。

棒を折り易くするため、一体成形容器の材質はポ
リスチレン等脆い材質であることが必要であり、強い衝
撃（容器本体が破損する程度でそれほど強くなくても良
い。）に会うと破損し、内容物が流れて他の製品を汚染
する危険がある。

などの欠点があり、また材質的にも遮光性、保香性、酸
素バリヤー性等が必要な場合にはこのような内容物の取
出し性は優れているプラスチック容器の使用は出来ない
ものである。

［考案が解決しようとする課題］本考案はゼリー、ペースト、クリーム等の長期保存も
可能な容器であって、内容物の取出し性が優れており、
また貯蔵や輸送に際しても空隙率が少なく、輸送のトラ
ブルや容器本体の破損によっても内容物の流れ出しで他
の製品を汚染したりせず、耐衝撃性、遮光性、保香性、
酸素バリヤー性に優れ、その上内容物充填に際しては自
動包装ラインによる包装が可能で、イージーピール可能
な欲張った性能の容器の開発を目的とした。

［課題を解決するための手段］本考案は上記の多くの目標を備えた容器を開発するこ
とに成功した。すなわち本考案は、（１）フランジ部に、アルミニウム箔複合積層体から
なる蓋材をヒートシールするアルミニウム箔複合積層体
容器本体と、この容器本体の内部に、内容物を取り出す
際に同時に取り出せるように嵌合させたプラスチック製
フィルムから作られた内容器及び蓋材からなる密封性の
ある二重容器、及び（２）蓋材が８〜15μｍのポリエチレンテレフタレー
トフィルム、９〜20μｍのアルミニウム箔、30〜50μｍ
のシーラントの積層体であるアルミニウム複合材であ
り、容器本体は２〜４μｍの延伸ポリプロピレンフィル
ム、80〜150μｍのアルミニウム箔、30〜60μｍの未延
伸ポリプロピレンフィルムの積層体から作られた容器本
体である上記（１）の二重容器に関するものである。

本考案の容器は、第１図及び第２図に示すように容器
本体1はフランジ部２を有する容器であり、中に内容器
３を嵌合させている。フランジ部２は蓋体４とヒートシ
ール５により溶着でき、密封することが可能である。

容器本体はプラスチックフィルムとアルミニウム箔の
積層体であって、サイズにより適正値は変わるため限定
するわけではないが、内側（フランジの蓋と接する側）
は蓋材との接着性、容器本体の柔軟性と剛性（保形性）
をもたせる必要から未延伸のポリプロピレンフィルム
（30〜60μｍ厚さ）、成形性、剛性等のバランスから中
間層のアルミニウム箔は80〜150μｍ位が好ましく、そ
の外側にアルミニウム箔の保護をかねて二軸延伸のポリ
プロピレンフィルム（２〜４μｍ）のアルミニウム箔複
合材が好ましい。

ここでは３層の複合材を示したが、これ以外のアルミ
ニウム箔複合材であって使用できないということはな
い。また、材質もポリプロピレンに限定されないことは
明らかであろう。

このような複合積層体は冷間プレス等により所定の形
状に成形する。この際ヒートシール部の内側のフランジ
部に内容器がかかるようにフランジ部を２段にしておく
とヒートシール部は完全にシールできるだけでなく、内
容器も完全に固定されるので好ましい態様である。

内容器は、材質は特に限定されないが、価格、成形性
及びその物理的な性質などを考慮すると容積により好適
な範囲は変わるが厚さ100〜300μｍのポリエチレンフィ
ルムが最も適している。この内容器は容器本体の内側に
ピッタリ合うよう圧空成形等により成形した容器が使用
される。

この内容器の材料であるフィルムに内容物が付着又は
粘着しないコーティングをするか又はフィルムをラミネ
ートすることも好ましい実施態様である。

蓋材は第２図に示すように内容物を装入した後容器本
体のフランジ部にヒートシールされる。したがって、ア
ルミニウム箔複合積層体であってもその構成は多くの構
成をとり得るが、延伸ポリエチレンテレフタレート（８
〜15μｍ）／アルミニウム箔（９〜20μｍ）／シーラン
ト（容器本体のフランジに合わせたもの、ポリプロピレ
ン系が良い。30〜50μｍ）の構成が前述の容器本体には
最も好ましい組み合わせである。

［作用］本考案の二重容器は、容器本体は柔軟性があって且つ
適度の剛性があり、衝撃に対して破損しないが内容物を
取出すときは内容器が一緒に取出される。内容器はポリ
エチレン等の軟質材料であり、内容物と材料自体付着し
ないものか、内容物の付着を防止する処理がしてあれば
内容物を完全にまたは変形させることなく取出すことも
出来る。

［考案の効果］本考案の二重容器は、容器本体、蓋体をアルミニウム
箔複合積層体とし、容器本体の中に内容器を組み合わせ
たものであるため、プリン等の容器として広く利用され
ている底に空気穴を開けるタイプの硬質プラスチック成
形容器と同じく、粘着性のゼリー等の取出し容易なこ
と、取出しによる形崩れがないこと、イージーピールの
包装が出来ることと、自動包装ラインでの包装が容易な
こと等の利点を保持したまま、更に長期保存可能な包装
が出来ることと、包装体は耐衝撃性が大きいこと、空隙
率を小さくできるので貯蔵、輸送効率が優れているこ
と、アルミニウム箔複合積層体であるため内容物の保
護、特に遮光性、保香性、酸素バリヤー性に優れてお
り、取扱い性に優れた包装容器である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る二重容器の斜視図である。第２図
はその断面図である。1 ：容器本体、2:フランジ部 3:内容器、4:蓋 5:ヒートシール

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者鈴木元大阪府堺市海山町６丁224番地昭和アルミニウム株式会社内 (72)考案者安田義一大阪府堺市海山町６丁224番地昭和アルミニウム株式会社内 (72)考案者南谷広治大阪府堺市海山町６丁224番地昭和アルミニウム株式会社内 (56)参考文献実開昭61−59589（ＪＰ，Ｕ) 実開昭64−11914（ＪＰ，Ｕ)

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】フランジ部に、アルミニウム箔複合積層体
からなる蓋材をヒートシールするアルミニウム箔複合積
層体容器本体と、この容器本体の内部に、内容物を取り
出す際に同時に取り出せるように嵌合させたプラスチッ
ク製フィルムから作られた内容器及び蓋材からなる密封
性のある二重容器。
【請求項２】蓋材が８〜15μｍのポリエチレンテレフタ
レートフィルム、９〜20μｍのアルミニウム箔、30〜50
μｍのシーラントの積層体であるアルミニウム複合材で
あり、容器本体は２〜４μｍの延伸ポリプロピレンフィ
ルム、80〜150μｍのアルミニウム箔、30〜60μｍの未
延伸ポリプロピレンフィルムの積層体から作られた容器
本体である請求項第１項の二重容器。