JP2561973Y2 - 内燃機関用ピストン - Google Patents

内燃機関用ピストン

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JP2561973Y2
JP2561973Y2 JP1989077119U JP7711989U JP2561973Y2 JP 2561973 Y2 JP2561973 Y2 JP 2561973Y2 JP 1989077119 U JP1989077119 U JP 1989077119U JP 7711989 U JP7711989 U JP 7711989U JP 2561973 Y2 JP2561973 Y2 JP 2561973Y2
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piston
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hole
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oil
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効市朗 倉田
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Suzuki Motor Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、疲労強度の向上を図った、内燃機関用ピス
トンに関するものである。
(従来の技術) 自動車のエンジン等に使用するピストンを第6図ない
し第8図について説明する。ピストン1の壁部の内側に
はピストンピン(図示せず、以下同じ)を挿通、支持す
る径方向のピン孔10を備えたピンボス2が形成されてお
り、ピンボス2にはストローク方向のオイル孔3が設け
られている。オイル孔3はピン孔10の軸方向に直交して
形成されているため、ピン孔10の内壁には周方向に沿っ
て開口部11が形成される。
オイル孔3はオイルリング(図示せず)によって掻き
落とされるシリンダ壁(図示せず、以下同じ)の余分の
オイルをピンボス2、すなわちピン孔10内に形成され
た、後述する潤滑溝に導いたり、オイルをクランクケー
ス(図示せず、以下同じ)に戻したりするために形成さ
れているものである。
詳述すると、ピストン1のリング溝4には等間隔で複
数個のオイル戻し孔(図示せず、以下同じ)が設けられ
ており、シリンダ壁の余分のオイルはシリンダ壁よりこ
のオイル戻し孔及びオイル孔3を通って、一部は開口部
11より潤滑溝5に、一部はクランクケース内に戻るよう
にしてある。
潤滑溝5はピン孔10の内周壁にオイル孔3に直交、接
続して形成されている。この潤滑溝5はピストンピンと
ピンボス2との潤滑、またごみ等を除去するためのもの
である。
このようにピンボス2にオイル孔3が設けられると、
オイル孔3とピン孔10との直交する部分の開口部11の、
ピン孔10の周方向に沿った側部(第7図の例えば符号×
で表す部分、第8図の例えば符号×で表す部分)に、後
述するようなシャープエッジが形成される。
すなわち、第9図のC線の符号×で示す部分にはシャ
ープエッジ6が形成される。なお、ピストン1の上側
(図の下側)に形成されたシャープエッジはその部分に
設けられた潤滑溝5によって取り除かれている。
(考案が解決しようとする課題) このような構成の従来の内燃機関用ピストンでは、ピ
ンボス、すなわちピン孔の内周壁にシャープエッジがあ
るため、ピストンが疲労破壊する問題があった。これは
シャープエッジのところに応力集中が発生しやすく、多
くの場合、そこが疲労破壊の起点となるからである。こ
のようなシャープエッジへの応力集中を緩和するため
に、潤滑溝をシャープエッジのところに形成してシャー
プエッジを取り除くようにしているが、潤滑溝を確実
に、シャープエッジの破壊の起点となるところに形成す
ることは位置的に難しかった。したがって、疲労破壊を
充分に回避することができなかった。
ピストンは、一般に上側(第6図および第7図では下
側)より爆発力による大きな荷重を受けるが、このとき
の変形はピンボスにおいては、それほど強くない。しか
し、ピストンが慣性力によって引張られたときは、ピン
ボスは大きく変形し、ピストンの下側(第6図ないし第
9図では上側の部分)のシャープエッジのところに応力
集中が発生し、そこが破壊し易くなるため、下側のシャ
ープエッジ及び全シャープエッジを取り除く必要性があ
った。
なお、ピストンのピンボスの内側に対摩耗性の皮膜を
形成したものが、特開昭56-132439号公報に開示されて
いるが、これはピンボスの内側に発生する傷や摩耗を回
避するもので、ピンボスのオイル孔の処のシャープエッ
ジに発生する応力集中を回避させるものではない。
本考案は、このような上記従来の問題点を解決するた
めになされたもので、ピン孔の開口部の部分に溝部を設
けて、シャープエッジ全体を取り除き、疲労に対する強
度を向上させた内燃機関用ピストンを提供することを目
的とする。
(課題を解決するための手段) 本考案は、上記目的を達成するために、ピストン壁の
内側にピストンピン支持用のピン孔を有するピンボスが
形成された内燃機関のピストンにおいて、前記ピンボス
に、前記ピン孔の内周壁の一部に開口部が形成されるよ
うに、ピストンのストローク方向にオイル孔を設け、該
オイル孔より幅広の溝部を、前記ピン孔に形成された開
口部の全周に設けたことを特徴とするものである。
(作用) 本考案は、以上説明したように、ピストン壁の内側に
形成したピストンピン支持用のピン孔を有するピンボス
に、ピストンのストローク方向のオイル孔を形成し、こ
のオイル孔と前記ピン孔とを交差させて、前記ピン孔の
内周壁の一部に開口部を形成させる。この開口部よりオ
イル孔を流れるオイルをピン孔の内周壁に導いてピン孔
とピストンピンとの潤滑を行なう。また、オイル孔によ
ってピン孔の内周壁に形成された開口部の全周に、すな
わち開口部を囲むように、オイル孔より幅広の溝部を設
けて、開口部にできる全シャープエッジを取り除く。
(実施例) 次に、本考案の一実施例を第1図ないし第3図につ
き、第6図ないし第9図と同一の部分には同一の符号を
付して、異なった部分を主体にして説明する。第1図お
よび第2図はピストン1の頭部を下側にして表示したも
のであり、また、第1図はピストン1の半径部分のみを
示したものである。第1図および第2図において、ピス
トン1の壁部の内側にはピンボス2が形成されており、
ピンボス2にはピストン1の直径方向にピン孔10が形成
されている。このピン孔10にはコンロッド(図示せず)
の上端が連結するピストンピンが挿通される。
また、ピストン1の頭部外周部にはリング溝4が形成
されており、リング溝4には等間隔で複数個のオイル戻
し孔が設けられている。
さらに、ピンボス2にはストローク方向に、オイル戻
し孔に連通するオイル孔3が形成されている。オイル孔
3はピン孔10の内周壁の一部に開口部11が形成されるよ
うに、ピン孔10に接近させて形成されている。このオイ
ル孔3はオイルリング(図示せず)によって掻き落とさ
れるシリンダ壁(図示せず)の余分のオイルをオイル孔
3から開口部11を通してピン孔10の内周壁に導いてい
る。
オイル孔3によって、ピン孔10の内周壁に形成された
開口部11の全周には、開口部11を取り囲むように(第1
図参照)、オイル孔3より幅広の溝部7が設けられてい
る。このような幅広の溝部7を、第2図に示すように、
ピン孔10の開口部11の位置の内周壁に環状に形成するこ
とにより、開口部11の全周部分は溝部7によって囲まれ
ることになる。
以上のように、開口部11の全周部分にオイル孔3より
幅広の溝部7を設けることにより、第3図の丸印の部分
のシャープエッジ6,8、すなわち、ピン孔10の内周壁の
開口部11の周縁にできる全シャープエッジ6,8(第3図
の塗りつぶした部分)は削られて取り除かれることにな
る。したがって、応力集中が緩和され、ピストン1の疲
労破壊も起こらなくなる。なお、第1図中、符号12はシ
ャープエッジ6,8の面取部を示している。
次に、本考案の他の実施例を第4図及び第5図につ
き、第1図ないし第3図と同一の部材には同一の符号を
付して、異なった部分を主体にして説明する。この他の
実施例は、第5図に示すように、ピン孔10の開口部11の
部分だけにオイル孔3より幅広の溝7を設けることによ
って、すなわち、ピン孔10の内周壁の全周でなく、開口
部11の位置だけに、幅広の溝7を設けることによって、
第4図に示すように、開口部11の全周部分に幅広の溝部
7が形成される。
このようにしても、全シャープエッジ6,8が取り除か
れ、応力集中が緩和し、ピストン1に疲労破壊が起きに
くくなる。この場合、溝部7の加工部分が周上にわたっ
ていないので(第5図参照)、ピストンピンとの接触面
圧はそれほど減ることはない。したがって、前述の実施
例のものに比べて強度はより向上する。
(考案の効果) 本考案は、以上詳細に説明したように、ピストン壁の
内側に形成したピストンピン支持用のピン孔を有するピ
ンボスに、前記ピン孔の内周壁の一部に開口部が形成さ
れるように、ピストンのストローク方向のオイル孔を形
成したので、オイル孔を流れるオイルが開口部よりピン
孔に流れ込むようになり、ピン孔の内周とピストンピン
の外周部分の潤滑を行なうことができる。また、オイル
孔より幅広の溝部をピン孔の内周壁に形成された開口部
の全周に設けたので、この溝部によって、開口部の周縁
にできたシャープエッジの全部を取り除くことができ
る。
これによって、疲労破壊の起因となるシャープエッジ
がなくなり、ピストンの疲労強度が向上すると共に、ピ
ストンの信頼性を高くすることができる。また、ピンボ
スの補強をすることなく、少しの追加加工だけで、疲労
強度を向上させることができ、コストアップを押えるこ
とができる。さらに、エンジンの暖機時においては、燃
焼室に直接、対面しているピストンはピストンピンより
熱膨張が大きいため、ピン孔のクリアランスが増大して
ピストンピンはピン孔内で首振り等の振動を起こし、ピ
ストンピンと、ピン孔の壁部とが繰り返し、打ち合って
摩耗が発生する(フレッチングという)。このとき、ピ
ン孔にシャープエッジがあると、その部分に、特に、フ
レッチングによる摩耗等が起こるが、本発明は、シャー
プエッジをなくしたので、そのような不具合の発生を防
止することができる。また、シャープエッジをなくした
ので、シャープエッジとピストンピンとの接触がなくな
ると共に、シャープエッジのところの応力集中もなくな
って、フレッチングによる潰れや疲労破壊及び腐食を防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例を示すピストンの断面図、第2
図は第1図のII-II線に沿う断面側面図、第3図は第2
図のA線、B線、C線の部分の拡大説明図、第4図は本
考案の他の実施例を示すピストンの断面図、第5図は第
4図のV−V線に沿う断面側面図、第6図は従来のもの
を説明するピストンの斜視図、第7図は第6図のVII-VI
I線に沿う断面正面図、第8図は第7図のVIII-VIII線に
沿う断面側面図、第9図は第8図のA線、B線、C線の
部分の拡大説明図である。 1……ピストン 2……ピンボス 3……オイル孔 7……幅広の溝部 10……ピン孔 11……開口部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストン壁の内側にピストンピン支持用の
    ピン孔を有するピンボスが形成された内燃機関のピスト
    ンにおいて、前記ピンボスに、前記ピン孔の内周壁の一
    部に開口部が形成されるように、ピストンのストローク
    方向にオイル孔を設け、該オイル孔より幅広の溝部を、
    前記ピン孔に形成された開口部の全周に設けたことを特
    徴とする内燃機関用ピストン。
JP1989077119U 1989-06-30 1989-06-30 内燃機関用ピストン Expired - Lifetime JP2561973Y2 (ja)

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JPH0317248U JPH0317248U (ja) 1991-02-20
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6019929Y2 (ja) * 1979-12-15 1985-06-15 スズキ株式会社 ピストンピンホ−ルの潤滑装置
JPS56132439A (en) * 1980-03-22 1981-10-16 Honda Motor Co Ltd Piston for internal combustion engine

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