JP2561769B2 - フツ素化単量体と(イソ)シアヌル酸アルケニルとの反応性二重結合を含有する非架橋共重合体 - Google Patents

フツ素化単量体と(イソ)シアヌル酸アルケニルとの反応性二重結合を含有する非架橋共重合体

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F214/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen
    • C08F214/18Monomers containing fluorine
    • C08F214/186Monomers containing fluorine with non-fluorinated comonomers

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は反応性不飽和側鎖を有するフッ素
化共重合体およびその製造方法に関するものである。
【0002】フッ素化重合体は、工業において低い表面
張力、化学薬品に対する高い抵抗性または老化安定性に
関する極端な要求のような特殊な性質が必要な場合に常
に使用される。たとえばゴムの分野において使用する場
合には、意図された多くの使用に関してこのフッ素化重
合体は成形中または成形後に架橋される。非改質フッ素
化弾性体、すなわち特殊な反応性部位を含有しないもの
の場合には、これらの架橋反応は劇的な条件を必要とす
るが、これは、架橋の制御が困難でフッ素化重合体が破
壊され得ることを意味する。これを回避するために、架
橋が選択的に、かつ、より温和な条件下で起こり得る反
応性部位、いわゆる硬化部位を重合体鎖に導入する。こ
の種の硬化部位は、たとえば少量の臭素および/または
ヨウ素含有ビニル化合物をフッ素化単量体と共重合させ
ることにより(US3,351,619;US 4,035,565;US
4,214,060;ドイツ公開明細書 3,715,210)、またはヨ
ウ素もしくは臭素およびヨウ素を含有する飽和化合物の
存在下に重合を行うことにより(ドイツ公開明細書 2,8
15,187;ドイツ公開明細書 3,710,818)フッ素化重合体
に導入された臭素置換基またはヨウ素置換基である。こ
の種の臭素および/またはヨウ素で改質したフッ素化重
合体は遊離基により、たとえば過酸化化合物により、共
架橋剤の存在下に架橋することができる。シアヌル酸ト
リアリルまたはイソシアヌル酸トリアリルを共架橋剤と
して使用することができる(ゴム化学工学(Rubber Che
m. Technol.)55(1982),1004)。
【0003】たとえばビスフェノールを用いて架橋した
型と比較して、この種の過酸化物により架橋したフッ素
化ゴムはかなり改良された塩基、親核剤および酸化性攻
撃に対する抵抗性を有する(弾性体およびゴム、合成樹
脂(Kautschuk und Gummi,Kunststoffe)38(1985),
471)。
【0004】しかし、上記の臭素またはヨウ素を含有す
るフッ素化重合体は、架橋反応中に蒸発して加工性と使
用性とを損なう低分子量の臭化アルキルまたはヨウ化ア
ルキルが遊離基架橋反応中に形成され得るという欠点を
有する。
【0005】したがって遊離基により、たとえば過酸化
物により温和な反応条件下で架橋され得る、上記の弱点
を持たないフッ素化重合体に対する要求が存在する。要
求されるこれらの性質は、二重結合の若干を維持する制
御された組み込みが可能であるならば、原理的には多官
能性単量体、すなわち 2 個以上の反応性二重結合を有
する単量体の組み込みにより達成されるであろう。
【0006】しかし、フッ素化単量体を先行技術に従っ
て多価不飽和単量体、たとえばパーフルオロジビニルエ
ーテルの存在下に重合させる(US 3,851,018)なら
ば、共重合中に既に重合体のかなりの架橋が多くの目的
に望ましくない様式で起こる。フッ素化重合体の特に高
度の架橋はイソシアヌル酸ヘキサフルオロトリアリルと
の共重合によっても達成される(US 4,320,216)。側
鎖に C=C 二重結合を有する非架橋フッ素化重合体は
公知の方法によっては得られない。
【0007】下記の型のフッ素含有ビニル化合物と下記
の型のイソシアヌル酸アルケニルおよび/またはシアヌ
ル酸アルケニルとを共重合させて、反応性二重結合を側
鎖として有し、遊離基により温和な条件下で架橋され得
る基本的には非架橋の共重合体を形成させ得ることがこ
こに見いだされた。
【0008】本発明は、 a) 全共重合単量体のモル数を基準にして 50 − 99.
9 モル%の1種または 2種以上の1− 4 個のフッ素原
子を含有するエチレン、 b) 全共重合単量体のモル数を基準にして 0 − 49.9
モル%の b1) 直鎖の、または枝分かれのある少なくとも1個
のフッ素原子を有する C3-C8-アルケン、 b2) 少なくとも1個のフッ素原子を有するアルキル
ビニルエーテル、 b3) フッ素化された α,α’-位を有する開鎖の、ま
たは環状の C3-C6-ケトン、および b4) 非フッ素化 C2-C4-アルケン、C3-C6-アルキ
ルビニルエーテルおよび C4-C6-ビニルエステル よりなるグループから選択した1種または 2 種以上の
共重合単量体、ならびに c) 全共重合単量体のモル数を基準にして 0.1 − 5
モル%の、好ましくは0.2 − 2.5 モル%の、特に好ま
しくは 0.3 − 1.5 モル%の式
【0009】
【化2】
【0010】式中、R1、R2、R4 および R5 は相互
に独立に末端二重結合を有する C3-C6-アルケニルを
表し、R3 および R6 は相互に独立に末端二重結合を
有する C3-C6-アルケニルまたは C1-C5-アルキルを
表すのイソシアヌル酸アルケニルおよびシアヌル酸アル
ケニルよりなるグループから選択した1種または 2 種
以上の共重合単量体よりなる反応性二重結合を含有する
非架橋共重合体に関するものである。
【0011】本発明はさらに、上記の共重合単量体を溶
液、懸濁液または乳濁液中 −15℃ないし +120℃ で、
好ましくは 20 − 90℃ で、特に好ましくは 30 − 80
℃で、加圧下で遊離基重合にかけることを特徴とする上
記の型の共重合体の製造方法に関するものでもある。
【0012】本発明記載の共重合体は基本的には非架橋
である。本発明に従えば、このことは本件共重合体が
<10 %の、好ましくは <4%のゲル含有量を有するこ
とを意味する。ゲル含有量は特に好ましくは検出限界以
下である。このことは、本発明記載のフッ素化重合体が
可溶である液体であればこれに完全に可溶であることを
意味する。ゲル含有量はここではホフマン(M. Hoffman
n)ら,重合体分析(Poymeranalytik)Iおよび II,ゲ
オルク・チーメ出版(Georg Thieme Verlag,Stuttgar
t)1977 の方法により測定する。ゲル含有量はここで
は、上の式(I)および/または(II)の組み込まれた
単量体単位を持たない対応するフッ素化重合体が完全に
溶解する溶媒中で測定する。本発明記載の共重合体は 1
03 ないし107 g/モルの、好ましくは 103 ないし 2 ×
106 g/モルの平均分子量を有する。本件共重合体は直
鎖の、または枝分かれのある形状に形成させることがで
きる。
【0013】1− 4 個のフッ素原子を有するエチレン
が本発明記載の共重合体の成分 a)として可能であ
る。2 個の炭素原子のフッ素により占められていない結
合は水素もしくは塩素、またはその双方を持つことが可
能である。この種のフッ素化エチレンは、たとえば:フ
ッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロトリ
フルオロエチレンおよびフッ化ビニルである。この種の
フッ素化エチレンは単独でもその数種の混合物としても
使用することができる。上に例として挙げたフッ素化エ
チレンが成分 a)として好適に使用される。
【0014】b1)、b2)、b3)および b4)よりな
るグループから選択した1種または2 種以上の共重合単
量体が成分 b)として可能である。グループ b1)の
成分は、少なくとも1個のフッ素原子を有する直鎖の、
または枝分かれのある C3-C8-アルケンである。グル
ープ b1)の物質の例は:ヘキサフルオロプロペン、2-
ヒドロペンタフルオロプロペン、3,3,3-トリフルオロプ
ロペン、一または多フッ素化ブテンたとえばヘキサフル
オロイソブチレン、ペンテン類、ヘキセン類またはオク
テン類である。この種の物質は、少なくとも1個のフッ
素原子に加えて塩素原子を持つことも可能である。グル
ープ b1)の物質は好ましくは少なくとも1個のフッ素
原子を有する C3-C6-アルケンであり、特に好ましく
は少なくとも1個のフッ素原子を有する C3-C4-アル
ケンである。
【0015】グループ b2)の物質は少なくとも1個の
フッ素原子を有するアルキルビニルエーテル、たとえば
パーフルオロプロピルパーフルオロビニルエーテル、パ
ーフルオロメチルパーフルオロビニルエーテル、パーフ
ルオロプロピルビニルエーテルおよび n-ブチルパーフ
ルオロビニルエーテルである。
【0016】グループ b3)の物質は、C=O 結合を
経由して共重合するフッ素化されたα,α'-位を有する
開鎖の、または環状の C3-C6-ケトン、たとえばヘキ
サフルオロアセトンおよびパーフルオロシクロペンタノ
ンである。
【0017】グループ b4)の物質は非フッ素化 C2-
4-アルケン、たとえばエチレン、プロペン、1-ブテ
ン、イソブチレン、C3-C6-アルキルビニルエーテル、
たとえばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル
等、および C4-C6-ビニルエステル、たとえば酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル等である。
【0018】イソシアヌル酸もしくはシアヌル酸のトリ
エステル、またはこれらの数種の混合物が成分 C)と
して使用される。この種のエステルは式(I)および
(II)に相当し、末端二重結合を有するアルケニルエス
テル基を少なくとも 2 個含有する。式(I)または(I
I)の各々の場合に存在する第 3 のエステル基は、同様
に末端二重結合を有するアルケニル基であっても1− 5
個の C 原子を有するアルキル基であってもよい。こ
の種のアルキルはたとえば:メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第 3 ブチ
ル、または直鎖の、もしくは枝分かれのあるペンチルで
ある。末端二重結合を有する C3-C6-アルケニルはた
とえばアリル、ブタ-3-エニル、1-メチル-ブタ-3-エニ
ルまたは 2,2-ジメチルプロパ-3-エニルである。R1
2 および R3 または R4、R5 および R6 が同一で
あって二重結合上に枝分かれを持たない物質が成分
C)として好適に使用される。これらの同一の置換基は
特に好ましくはアリルを表す。
【0019】フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレンおよび/またはフッ化
ビニルが成分 a)として可能な好ましい場合には、フ
ッ素含有 C3-C8-アルケンに加えて他のフッ素含有エ
チレン類も成分 b1)の共重合単量体として可能であ
る。
【0020】成分 a)、b)および c)は原則的には
上記の量で存在する。成分 a)および c)は本発明記
載の共重合体の必須の成分である。その合計含有量は 1
00モル%にまで達するが、成分 a)の若干は1種また
は 2 種以上の成分 b)の化合物により置き換えること
ができる。b)の下位グループ、すなわち b1)、b
2)、b3)および b4)は、ここでは原理的には同等で
あり、単一の化合物の形状の、またはこれらの下位グル
ープの数種の化合物の混合物の形状の共重合単量体とし
て表される。
【0021】成分 c)の量は 0.1 − 5 モル%、好ま
しくは 0.2 − 2.5 モル%、特に好ましくは 0.3 − 1.
5 モル%である。これと対応して、成分 a)の量、ま
たは成分 a)と下位グループ b1)、b2)、b3)お
よび/または b4)を用いるb)との合計量は 95 − 9
9.9 モル%、好ましくは 97.5 − 99.8 モル%、特に好
ましくは 98.5 − 99.7 モル%である。上記の最後の量
の範囲において、成分a)の量は、本件明細書中で引用
される場合には常に、本発明記載の共重合体に関する他
のデータ場合にも同様に、全共重合単量体の全モル数に
対して少なくとも 50 モル%である。グループ b)の
共重合単量体は 0 ないし 49.9 モル%の含有量を有
し、フッ素を含有しない下位グループ b4)の不飽和化
合物は好ましくは 25 モル%の最高含有量以内で使用さ
れる。下限の 0 モル%は成分 b)の共重合単量体が本
発明記載の共重合体の任意の共重合単量体であって、適
宜に完全に省略されることを示す。しかし、本発明記載
の共重合体をゴムとして使用する場合には、成分 b)
の含有量が共重合体中に常に存在するのが有利であるこ
とが実証されている。ゴムとしての使用に可能な含有量
は、全共重合単量体のモル数を基準にして 5 − 45 モ
ル%、好ましくは 10 − 40 モル%であり、成分b)の
種々の下位グループにわたって分布することも可能であ
り、2 種以上の化合物よりなるものであってもよい。好
適に使用される成分 b)は下位グループb1)、b2)
および/または b4)から選択したものである。ゴムと
しての使用のための成分 a)と b)との組合わせの挙
げ得る例は:フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロペ
ン、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキ
サフルオロプロペン、フッ化ビニリデン/テトラフルオ
ロエチレン/パーフルオロアルキルパーフルオロビニル
エーテル、テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン
/ヘキサフルオロプロペン/ペンタフルオロプロペン、
テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/ヘキサフ
ルオロプロペン/パーフルオロアルキルパーフルオロビ
ニルエーテル、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオ
ロプロペン/ヘキサフルオロイソブチレンおよびフッ化
ビニリデン/クロロトリフルオロエチレン/ヘキサフル
オロプロペンである。
【0022】直上に記述したグループ b)の共重合単
量体がグループ a)と比較して等当量以下で存在する
共重合体に加えて、グループ a)および b)の共重合
単量体がほぼ等モル量で存在する共重合体も重要であ
る。
【0023】この場合には、重合体鎖の大部分が単量体
a)と b)とを厳密に交互に含有し、加えてグループ
c)の(イソ)シアヌル酸アルケニルが − その全量
に応じて − より大きな間隔で存在するように重合を導
くことができる。
【0024】ほぼ等モル量のグループ a)および b)
の共重合単量体を含有するような本発明記載の共重合体
の組成は 50 − 55 モル%のグループ a)、44.9 − 4
9.9モル%のグループ b)および 0.1 − 5 モル%のグ
ループ c)である。ほぼ等モル量で共重合させる二成
分の共重合単量体の組合わせの重要な例は、テトラフル
オロエチレン/プロペンの組合わせであり、ここでは、
これに加えてグループc)の(イソ)シアヌル酸アルケ
ニルも存在する。
【0025】フッ素含有単量体の共重合用の公知の工程
変量を本発明記載の共重合体の製造に使用することがで
き、共重合は溶液、懸濁液または乳濁液中で実施するこ
とができる(US 2,968,649;US 3,051,677;US
3,053,818;US 3,331,823;US 3,335,106、可能な
反応媒体および一般的反応条件が述べられている)。原
理的には公知の、特殊な反応媒体に適した化合物を遊離
基共重合の開始に使用する。フッ素化されていてもよい
有機の油溶性過酸化物、たとえば過酸化ベンゾイルもし
くは過酸化トリフルオロアセチル、または有機可溶性ア
ゾ化合物、たとえばアゾビスイソブチロニトリルを溶液
重合および懸濁重合に使用する。水溶性の無機過化合
物、たとえば一般にはそのナトリウム塩またはアンモニ
ウム塩の形状の過硫酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩等は、
本発明記載の共重合体の製造に好適な乳濁重合に使用さ
れる。比較的低い温度を重合に使用する場合には、一般
には還元剤である分解促進剤を、重合温度および開始剤
の分解速度に応じて付加的に使用しなければならない。
使用し得る分解促進剤は:硫黄化合物、たとえば亜硫酸
ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムまたはロンガリット
C(ホルムアミジンスルフィン酸ナトリウム)、およ
び有機還元剤、たとえばアスコルビン酸、トリエタノー
ルアミン、金属塩たとえば鉄(II)塩またはコバルト
(II)塩、有機金属化合物等である。共重合用の反応温
度は −15 ないし +120℃、好ましくは 20ないし 90
℃、特に好ましくは 30 ないし 80℃ である。最後に挙
げた温度範囲は空時収率および共重合体の化学的均一性
に関して特に好ましい条件を与える。乳濁重合の好まし
い場合には、分散液を安定化するためにフッ素化乳化剤
を使用する。過フッ素化乳化剤(たとえば C6-C12-パ
ーフルオロカルボン酸またはスルホン酸の水溶性塩)が
好適に使用される。ここでは、パーフルオロオクタン酸
のナトリウム塩またはアンモニウム塩およびパーフルオ
ロオクタンスルホン酸のリチウム塩を例として挙げるこ
とができる。使用する量は使用する乳化剤が特定の系に
おいて有する限界ミセル濃度に応じて変化する。たとえ
ば、使用するパーフルオロオクタンスルホン酸リチウム
の量は水相を基準にして 0.3 ないし1重量%であり、
一方、1ないし 2 重量%のパーフルオロオクタン酸ナ
トリウムまたはパーフルオロオクタン酸アンモニウム濃
度が必要である。
【0026】生成する重合体の分子量を調節するために
必要ならば連鎖移動剤、たとえばメタノール、イソプロ
パノール、イソペンタン、酢酸エチル、マロン酸ジエチ
ルおよび四塩化炭素を使用することができる。
【0027】共重合を加圧下で実施することが本発明記
載の方法の他の特徴である。この圧力は少なくとも 6
バール、好ましくは少なくとも 10 バールでなければな
らないが、100 バールの値を超える必要はない。
【0028】本発明記載の共重合はバッチ方式で実施す
ることもできるが、半連続法または連続法に好適であ
る。
【0029】本発明記載の方法の有利な変法において
は、成分 c)の遊離単量体の、すなわち式(I)およ
び(II)に含まれる化合物の不変濃度は低く保たれる。
バッチ方式または半連続法においてはこれは、最初に、
反応させる共重合単量体の全モル数を基準にして 0.02
− 1.5 モル%の、好ましくは 0.02 − 0.5 モル%の式
(I)または(II)の化合物を適宜に他の反応容器とと
もに、適宜に成分 a)および b)の他の共重合単量体
とともに反応容器に導入し、続いて成分 c)の残量を
共重合の進行に従って均一に計量導入することにより達
成される。この引き続く計量導入はもちろん、引き続く
成分 a)および b)の計量導入と同時に行われる。式
(I)および/または(II)の単量体に関して述べた
0.02 − 1.5モル%の範囲は、いずれの場合にも使用す
る成分 c)の 0.1 − 5 モル%の全量を基準にして、
成分 c)の約 5 − 20 %の相対比率を表す。成分c)
はこの種の単量体の熔融物の形状で最初に導入し、計量
導入することができるが、遊離基共重合を妨害しない溶
媒中の溶液として導入することもできる。この種の溶媒
は、たとえば t-ブタノール、n-ヘキサンおよび酢酸
メチルである。
【0030】成分 a)および適宜に(使用するなら
ば)b)も上記の様式で、続いて可能な限り均一に、た
とえば圧力を一定に保つことにより影響される使用速度
で計量導入する。この種の方法は半連続法または完全連
続法に特に好適である。
【0031】本発明記載の共重合体は遊離基により架橋
することができ、これには共架橋剤の添加を適宜に省略
してもよい。遊離基開始は遊離基開始剤の存在下に高エ
ネルギー放射線または熱により誘起することができる。
使用する遊離基開始剤は好ましくは 100℃ 以上の温度
において少なくとも 5 分の分解半減期を有する過酸化
物である。この種の開始剤はたとえば過酸化ジベンゾイ
ル、ビス-(第 3 ブチルペルオキシイソプロピル)-ベン
ゼンまたは 2,5-ビス-(第 3 ブチルペルオキシ)-2,5-ジ
メチルヘキサンであり、これらは慣用的な量で使用す
る。この種の過酸化物は、混合物形成の通常の方法によ
り本発明記載の非架橋共重合体に組み入れることができ
る。したがって本発明記載の共重合体はミルで、または
混練機中で加工して上記の混合物とし、ついでこれを 1
20 ないし 180℃ で加硫して弾性体とすることも、圧縮
して寸法的に安定な成形品とすることもできる。溶液中
での、または熔融状態での加工も可能であり、たとえば
成形品を箔、フィルム、繊維または圧縮成形品の形状で
製造するならば、乾燥と架橋とを成形後の単一段階で行
うことも可能である。付加的な共架橋剤を組み入れるこ
とも、もちろん可能である。使用し得るこの種の共架橋
剤は、数個の二重結合を有する多くの公知の化合物、た
とえばシアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリ
ル、イソシアヌル酸トリメタリル、テトラメチルテトラ
ビニルシクロテトラシロキサン、m-フェニレンビスマ
レイミド等から選択した1種または 2 種以上の化合物
である。
【0032】本発明記載の共重合体はとりわけ良好な加
工性、たとえば充填剤、架橋助剤、顔料等と混合して高
度の均質性を有し、続いて迅速に、温和な条件下で架橋
して熱安定性加硫物または硬化した成形品を与え得る混
合物または混和物を製造することを可能にする能力を特
色としている。架橋の程度、したがってまた架橋性物質
の物理機械的性質は広い範囲内で、制御された様式で変
えることができる。
【0033】本発明記載の共重合体の特別な利点は臭素
および/またはヨウ素を含有せず、したがって有毒な臭
化アルキルおよび/またはヨウ化アルキルが過酸化物に
よる架橋中に放出され得ないことである。
【0034】
【実施例】
実施例1 300 ml の脱イオン水を最初に 0.7 l のオートクレーブ
に導入した。パーフルオロオクタン酸ナトリウム 4.1 g
および過硫酸カリウム 1.6 g をこれに溶解させた。こ
の溶液を水酸化ナトリウムで約 10 の pH にした。つ
いで、イソシアヌル酸トリアリル 1.3 g をこれに分散
させた。続いて、閉じたオートクレーブにいずれの場合
にも 10 バールの窒素圧を負荷し、ついで常圧に低下さ
せた。この操作を 2 回繰り返した。ヘキサフルオロプ
ロペン 50 gとフッ化ビニリデン50 gとをオートクレー
ブに導入し、この反応混合物を撹拌しながら 70℃ に加
熱した。この温度に達したところで、15 ml の第 3 ブ
タノールに溶解させたイソシアヌル酸トリアリル 2.3 g
を 3.5 時間かけてポンプ導入した。70℃ において 4.
5 時間の、反応圧力が 42 バールから21 バールに低下
する全反応時間ののちにオートクレーブの内容物を冷却
し、未反応の気体混合物を排気として除去した。このよ
うにして得られる水性乳濁液を 300 ml の 4 %強度の
硫酸マグネシウム水溶液に注ぎ入れて生成物を凝集させ
た。この生成物を水で洗浄し、ついで乾燥して 57g の
ゴム様共重合体を得た。以下の共重合体組成は窒素含有
量およびフッ素含有量の分析から測定した: フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロペン/イソシア
ヌル酸トリアリル= 76.2/23.0/0.8(モル比)。
【0035】この共重合体はジメチルホルムアミドに完
全に溶解する。固有粘性(ジメチルホルムアミド、25
℃)は 0.5 dl/g である。遊離の二重結合の存在は臭
化ヨウ素の添加により検出することができる。HANU
S ヨウ素価は重合体 100 g あたりヨウ素 2.0 gであ
る。
【0036】実施例2 実施例1に記載した方法により、ただ、重合バッチに最
初に導入するイソシアヌル酸トリアリルの量を 0.8 g
に減少させ、イソシアヌル酸の 1.8 g のみを25 ml の
第 3 ブタノールに溶解させて3.5 時間かけてポンプ導
入して、66 gのゴム様共重合体を得た。
【0037】以下の共重合体組成は窒素含有量およびフ
ッ素含有量の分析値から測定した: フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロペン/イソシア
ヌル酸トリアリル= 75.1/24.5/0.4(モル比)。
【0038】この共重合体はジメチルホルムアミドに完
全に溶解する。固有粘性(ジメチルホルムアミド、25
℃)は 1.1 dl/g である。HANUS ヨウ素価は重合
体 100g あたりヨウ素 0.5g である。
【0039】実施例3 2500 ml の脱イオン水を最初に 6 l のオートクレーブ
に導入した。パーフルオロオクタンスルホン酸リチウム
9 g とペルオキシ二硫酸カリウム 15 g とをこれに溶
解させ、イソシアヌル酸トリアリル 1.3 g をこれに分
散させた。この混合物は 10.5 の pH を有していた。
ついで、閉じたオートクレーブにいずれの場合にも 10
バールの窒素圧を負荷し、続いて常圧に低下させた。こ
れを2回繰り返した。ヘキサフルオロプロペン 300 g と
フッ化ビニリデン 200 g とをオートクレーブに導入
し、この反応混合物を撹拌しながら 50℃ に加熱した。
この温度に達したときにオートクレーブの内圧は 20 バ
ールであった。毎時 10 mlの 1.5 gのトリエタノールア
ミンを含有する水溶液を連続的に添加して重合を開始さ
せた。重合の間、60 重量部のフッ化ビニリデンと 40
重量部のヘキサフルオロプロペンとの単量体混合物を引
き続き強制導入してオートクレーブの内圧を 20 バール
で一定に保った。続いて強制導入するフッ素化単量体の
100 重量部を基準にして 2.7 重量部のイソシアヌル酸
トリアリル(5.4 ml の酢酸メチルに溶解させたもの)
を同一の速度でオートクレーブに連続的に強制導入し
た。同一の重量比を用いる 9 時間の全反応時間中に全
量 300 g のフッ化ビニリデン、200 g のヘキサフルオ
ロプロペンおよび 13.5 g のイソシアヌル酸トリアリル
をこの様式で重合に使用した。重合を終了させるために
オートクレーブの内容物を冷却し、未反応の気体混合物
を排気として除去した。凝集物のない、18 %の固体分
含有量を有する水性乳濁液が得られた。実施例1に記載
したものと同様な生成物の単離方法により、550 g のフ
ッ素化ゴムを得た。共重合体中のフッ化ビニリデンのヘ
キサフルオロプロペンに対するモル比は 19F 核磁気共
鳴スペクトル法により測定し、重合体に結合したイソシ
アヌル酸トリアリルの含有量は窒素の元素分析により測
定した。共重合体の組成は: フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロペン/イソシア
ヌル酸トリアリル= 79.9/19.7/0.4(モル比)であ
る。
【0040】この共重合体はジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセタミドおよびアセトンに完全に可溶であり:
固有粘性は 1.2 dl/g(ジメチルホルムアミド、25℃)
である。HANUS ヨウ素価は重合体 100 g あたりヨ
ウ素 2.2 g である。
【0041】実施例4 2580 ml の脱イオン水を最初に 6 l のオートクレーブ
に導入した。パーフルオロオクタン酸ナトリウム 34.4
g と過硫酸カリウム 12.9 g とをこれに溶解させた。こ
の溶液を水酸化ナトリウムで約 10 の pH にした。つ
いで、イソシアヌル酸トリアリル 7.7 g をこれに分散
させた。続いて、閉じたオートクレーブにいずれの場合
にも 10 バールの窒素圧を負荷し、ついで常圧に低下さ
せた。この操作を 2 回繰り返した。ヘキサフルオロプ
ロペン 516 g とフッ化ビニリデン516 g とをオートク
レーブに導入し、この反応混合物を撹拌しながら 70℃
に加熱した。この温度に達したところで 130 ml の第 3
ブタノールに溶解させたイソシアヌル酸トリアリル 3
1.4 g を 4 時間かけてポンプ導入し、ついで 70 mlの
第 3 ブタノールに溶解させたイソシアヌル酸トリアリ
ル 17.6 g を 3 時間かけてポンプ導入した。70℃ にお
いて 8 時間の、その間に反応圧が 46 バールから 33
バールに低下する全反応時間ののちにオートクレーブの
内容物を冷却し、未反応の気体混合物を排気として除去
した。実施例1に記載したものと同様な生成物の単離方
法により、477 g のゴム様共重合体が得られた。
【0042】以下の共重合体組成は窒素含有量およびフ
ッ素含有量の分析値から決定した: フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロペン/イソシア
ヌル酸トリアリル= 81.7/15.4/2.9(モル比)。
【0043】この共重合体はジメチルホルムアミドに 9
2.5 %まで可溶であり、7.5 重量%のゲル含有量が見い
だされる。固有粘性(ジメチルホルムアミド、25℃)は
1.6dl/g である。HANUS ヨウ素数は重合体 100
g あたりヨウ素 5.0 g である。
【0044】実施例5 250 ml の脱イオン水を最初に 0.7 l のオートクレーブ
に導入した。パーフルオロオクタン酸ナトリウム 5.0 g
と過硫酸カリウム 2.0 g とをこれに溶解させた。この
溶液を水酸化ナトリウムで約 10 の pH にした。つい
で、シアヌル酸トリアリル1.0 g をこれに分散させた。
続いて、閉じたオートクレーブにいずれの場合にも 10
バールの窒素圧を負荷し、ついで常圧に低下させた。こ
の操作を 2 回繰り返した。フッ化ビニリデン 80 g を
オートクレーブに導入し、この反応混合物を撹拌しなが
ら 70℃ に加熱した。この温度に達したところで、27ml
の第 3 ブタノールに溶解させたイソシアヌル酸トリア
リル 3 g を 6 時間かけてポンプ導入した。70℃ にお
いて 6.5 時間の、その間に反応圧力が 43 バールから
24 バールに低下する全反応時間ののちにオートクレー
ブの内容物を冷却し、未反応のフッ化ビニリデンを排気
として除去した。実施例1に記載したものと同様な生成
物の単離方法により 46 gの共重合体が得られた。以下
の共重合体組成は窒素含有量およびフッ素含有量の分析
値から決定した: フッ化ビニリデン/シアヌル酸トリアリル= 98.7/1.3
(モル比)。
【0045】この共重合体はジメチルホルムアミドに 9
6.2 %まで可溶であり、3.8 重量%のゲル含有量が見い
だされる。固有粘性(ジメチルホルムアミド、25℃)は
1.1dl/g である。HANUS ヨウ素数は重合体 100
g あたりヨウ素 1.3 g である。
【0046】実施例6 150 ml の脱イオン水を最初に 0.3 l のオートクレーブ
に導入した。パーフルオロオクタンスルホン酸リチウム
1.1 g および過硫酸カリウム 0.8 g をこれに溶解させ
た。この溶液を水酸化ナトリウムで約 10 の pH にし
た。ついで、シアヌル酸トリアリル 1.3 g をこれに分
散させた。続いて、閉じたオートクレーブにいずれの場
合にも 10 バールの窒素圧を負荷し、ついで常圧に低下
させた。この操作を 2 回繰り返した。クロロトリフル
オロエチレン 60 g をオートクレーブに導入し、この反
応混合物を撹拌しながら 70℃ に加熱した。70℃ にお
いて 6.5 時間の、その間に反応圧が 19 バールから 13
バールに低下する全反応時間ののちにオートクレーブ
の内容物を冷却し、未反応のクロロトリフルオロエチレ
ンを排気として除去した。実施例1に記載したものと同
様な生成物の単離方法により、43 g の共重合体が得ら
れた。
【0047】以下の共重合体組成は窒素含有量およびフ
ッ素含有量の分析値から決定した: クロロトフルオロエチレン/シアヌル酸トリアリル= 9
7.6/2.4(モル比)。
【0048】この共重合体はジメチルホルムアミドに不
溶であり、同様にして製造したシアヌル酸トリアリルを
含有しないポリクロロトリフルオロエチレンも同様にジ
メチルホルムアミドに不溶である。この共重合体は 209
ないし 213℃ で融解し、球体平板レオメーターで 0.8
-1 の剪断速度で測定して、230℃ において 900Pa・
s の熔融粘性を有する。同様にして製造したポリクロロ
トリフルオロエチレンは 210 ないし 212℃ で融解し、
同一の剪断条件下で 230℃ において 750Pa・s の熔融
粘性を有する。したがって、シアヌル酸トリアリルを含
有する共重合体は非架橋重合体である。
【0049】実施例7 実施例2に従って得た共重合体 100 重量部と水酸化カ
ルシウム 3重量部およびビス-(第 3 ブチルペルオキシ
イソプロピル)-ベンゼン 5 重量部との混合物を混練機
中で製造した。この混合物を加圧下、180℃ で 30 分間
加硫し、循環空気炉中、200℃ で 24 時間後加硫した。
【0050】出発共重合体とは対照的に、加硫した生成
物はジメチルホルムアミドに不溶である(ジメチルホル
ムアミド中でのゲル含有量:92 %、膨潤度 7、すなわ
ち実質的に完全に架橋されている)。フッ化ビニリデン
-ヘキサフルオロプロペン共重合体から同様にして製造
した、重合体に結合したイソシアヌル酸トリアリルを含
有しない混合物は上記の条件下では架橋することができ
ない。
【0051】実施例8 実施例3に従って得た共重合体 100 重量部と水酸化カ
ルシウム 3重量部、カーボンブラック MT ブラック
N 990 30 重量部、ペルカリンク(Percarink)301-50
(イソシアヌル酸トリアリル、不活性充填剤中 50 %強
度)2 重量部およびルペルコ(Luperco)101 XL(2,5
-ジメチル-2,5-ビス-(第 3 ブチル)-ヘキサン)(不活
性充填剤中 45 %強度)3 重量部との混合物を二ロール
ゴム混合ミルで製造した。この混合物を加圧下、170℃
で 10 分間加硫し、循環空気炉中、200℃ で 24 時間後
加硫した。
【0052】実施例7および8に従って製造した加硫物
(100 × 100 ×1mm のシート)は以下の引っ張り強度
−伸長特性を有している:
【0053】
【表1】 測定変量 実施例7 実施例8 引っ張り強度[N/mm2] 22 24 破断時伸長度[%] 310 350 100 %伸長時の応力[N/mm2] 9.5 5.9 実施例9 実施例5に従って製造した共重合体 5 g を、シアヌル
酸トリアリル1.5 g および過酸化ジベンゾイル 0.75 g
とともに 20 g のジメチルホルムアミドに溶解させ、こ
の溶液を厚さ1mm のフィルムに鋳込んだ。このフィル
ムを 120℃ で 5時間乾燥した。もはやジメチルホルム
アミドに溶解しない架橋フィルム(ジメチルホルムアミ
ド中のゲル含有量:80 %、5 の膨潤度を有する)が得
られた。ポリフッ化ビニリデンまたはフッ化ビニリデン
-ヘキサフルオロプロピレン共重合体のフィルムは上記
の条件下では架橋することができない。
【0054】本発明の主な特徴及び態様は以下のとおり
である。
【0055】1. a) 全共重合単量体のモル数を基
準にして 50 − 99.9 モル%の1種または 2 種以上の
1− 4 個のフッ素原子を含有するエチレン、 b) 全共重合単量体のモル数を基準にして 0 − 49.9
モル%の b1) 直鎖の、または枝分かれのある少なくとも1個
のフッ素原子を有する C3-C8-アルケン、 b2) 少なくとも1個のフッ素原子を有するアルキル
ビニルエーテル、 b3) フッ素化された α,α'-位を有する開鎖の、ま
たは環状の C3-C6-ケトン、および b4) 非フッ素化 C2-C4-アルケン、C3-C6-アルキ
ルビニルエーテルおよび C4-C6-ビニルエステル よりなるグループから選択した1種または 2 種以上の
共重合単量体、ならびに c) 全共重合単量体のモル数を基準にして 0.1 − 5
モル%の、好ましくは0.2 − 2.5 モル%の、特に好ま
しくは 0.3 − 1.5 モル%の式
【0056】
【化3】
【0057】式中、R1、R2、R4 および R5 は相互
に独立に末端二重結合を有する C3-C6-アルケニルを
表し、R3 および R6 は相互に独立に末端二重結合を
有する C3-C6-アルケニルまたは C1-C5-アルキルを
表すのイソシアヌル酸アルケニルおよびシアヌル酸アル
ケニルよりなるグループから選択した1種または 2 種
以上の共重合単量体よりなる、反応性二重結合を含有す
る非架橋共重合体。
【0058】2. 成分 a)としてフッ化ビニリデ
ン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチ
レンおよびフッ化ビニルよりなるグループから選択した
1種または 2 種以上の共重合単量体を含有し、フッ素
含有 C3-C8-アルケンに加えて他のフッ素含有エチレ
ンも成分 b1)として可能であることを特徴とする上記
1記載の共重合体。
【0059】3. フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロ
プロペン、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン
/ヘキサフルオロプロペン、テトラフルオロエチレン/
フッ化ビニリデン/パーフルオロアルキルパーフルオロ
ビニルエーテル、テトラフルオロエチレン/プロペン、
テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/ヘキサフ
ルオロプロペン/ペンタフルオロプロペン、テトラフル
オロエチレン/フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロ
ペン/パーフルオロアルキルパーフルオロビニルエーテ
ル、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロペン
/ヘキサフルオロイソブチレンおよびフッ化ビニリデン
/クロロトリフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロペ
ンよりなるグループから選択した 2 種または 3 種以上
のフッ素化単量体の組合わせを使用することを特徴とす
る上記1記載の共重合体。
【0060】4. R1、R2 および R3、または R4
5 および R6 が同一であり、かつ、R1 ないし R6
が好ましくはアリルを表すことを特徴とする上記1記載
の共重合体。
【0061】5. 全共重合単量体のモル数を基準にし
て 5 − 45モル%の、好ましくは10 ないし 40 モル%
の量の成分 b)の、好ましくは成分b1)、b2)およ
び/または b4)の共重合単量体を含有することを特徴
とするゴム前駆体として使用するための上記1記載の共
重合体。
【0062】6. 上記1で挙げた共重合単量体を溶
液、懸濁液または乳濁液中 −15℃ ないし +120℃
で、好ましくは 20 − 90℃ で、特に好ましくは 30 −
80℃ で、加圧下で遊離基共重合にかけることを特徴と
する上記1記載の共重合体の製造方法。
【0063】7. 上記の共重合を乳濁液中で実施する
ことを特徴とする上記6記載の方法。
【0064】8. 遊離基開始剤として無機過化合物を
使用することを特徴とする上記7記載の方法。
【0065】9. 全共重合単量体のモル数を基準にし
て 0.02 −1.5 モル%を超えない式(I)または(II)
のイソシアヌル酸アルケニルおよび/またはシアヌル酸
アルケニルを最初に反応容器に導入し、続いて意図した
量の(I)または(II)の残余を重合の進行に従って計
量導入することを特徴とする上記6記載の方法。
【0066】10. (I)または(II)のイソシアヌ
ル酸アルケニルおよび/またはシアヌル酸アルケニルと
フッ素化共重合単量体またはこれを部分的に置き換えた
非フッ素化単量体との双方を続いて重合の進行に従って
計量導入することを特徴とする上記9記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 216:14 218:04 226:06) (72)発明者 ゲルハルト・ラングスタイン ドイツ連邦共和国デー5067キユルテン− ビースフエルト・アムリンゲンストツク 43

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a) 全共重合単量体のモル数を基準に
    して50−99.9モル%の1種または2種以上の1−
    4個のフッ素原子を含有するエチレン、 b) 全共重合単量体のモル数を基準にして0−49.
    9モル%の b1) 直鎖の、または枝分かれのある少なくとも1個
    のフッ素原子を有するC−C−アルケン、 b2) 少なくとも1個のフッ素原子を有するアルキル
    ビニルエーテル、 b3) フッ素化されたα,α’−位を有する開鎖の、
    または環状のC−C−ケトン、および b4) 非フッ素化C−C−アルケン、C−C
    −アルキルビニルエーテルおよびC−C−ビニルエ
    ステルよりなるグループから選択した1種または2種以
    上の共重合単量体、ならびに c) 全共重合単量体のモル数を基準にして0.1−5
    モル%の式 【化1】 式中、 R、R、RおよびRは相互に独立に末端二重結
    合を有するC−C−アルケニルを表し、 RおよびRは相互に独立に末端二重結合を有するC
    −C−アルケニルまたはC−C−アルキルを表
    すのイソシアヌル酸アルケニルおよびシアヌル酸アルケ
    ニルよりなるグループから選択した1種または2種以上
    の共重合単量体よりなり、10 ないし10 g/mo
    lの平均分子量を有し、反応性二重結合を含有する非架
    橋共重合体。
JP3342303A 1990-12-04 1991-11-30 フツ素化単量体と(イソ)シアヌル酸アルケニルとの反応性二重結合を含有する非架橋共重合体 Expired - Fee Related JP2561769B2 (ja)

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