JP2561513B2 - γ−ANPを認識するモノクローナル抗体 - Google Patents
γ−ANPを認識するモノクローナル抗体Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、γ−ANPのN末端を認識するモノクローナ
ル抗体、該モノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マおよび該モノクローナル抗体を用いたγ−ANPの免疫
学的測定法に関する。さらに詳しくは、該モノクローナ
ル抗体はγ−ANPのN末端の1〜25番目の25アミノ酸残
基からなる部分(γ−hANP[1−25]:以下同様に記
載)を主に認識する。また、該モノクローナル抗体はヒ
トγ−ANPのみならず、ラットγ−ANPをも認識する。
ル抗体、該モノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マおよび該モノクローナル抗体を用いたγ−ANPの免疫
学的測定法に関する。さらに詳しくは、該モノクローナ
ル抗体はγ−ANPのN末端の1〜25番目の25アミノ酸残
基からなる部分(γ−hANP[1−25]:以下同様に記
載)を主に認識する。また、該モノクローナル抗体はヒ
トγ−ANPのみならず、ラットγ−ANPをも認識する。
従来の技術 心房性ナトリウム利尿ポリペプチド(atrial natriur
etic polypeptide、ANP)は、心房筋細胞により産生さ
れ顆粒中に含まれる、強い利尿作用およびナトリウム排
泄作用を有するポリペプチドである。このようなポリペ
プチドはヒトのみならずラットにおいても見出されてお
り、それぞれhANP、rANPと呼ばれる。hANPおよびrANPは
さらにα、β、γの3つのタイプに分類される。α−hA
NPは28アミノ酸残基からなり、N端から7番目のCys
[7]と23番目のCys[23]がジスルフィド結合してお
り、その間の配列がリング構造をなしている(Biochem.
Biophys.Res.Commun.(以下BBRCと略記する)118、131
−139、1984)。α−ANPは、α−hANPではN端から12番
目の残基がMetであるのに対し、α−rANPではIleである
点でのみ異なっている(BBRC 117、839−865、198
3)。β−hANPは、α−hANPの逆平行二量体である(特
開昭60−184098)。γ−hANPは126アミノ酸残基からな
り(第1図参照)、そのC端の99〜126アミノ酸配列が
α−hANPに相当する(Nature 313,397(1985))。
etic polypeptide、ANP)は、心房筋細胞により産生さ
れ顆粒中に含まれる、強い利尿作用およびナトリウム排
泄作用を有するポリペプチドである。このようなポリペ
プチドはヒトのみならずラットにおいても見出されてお
り、それぞれhANP、rANPと呼ばれる。hANPおよびrANPは
さらにα、β、γの3つのタイプに分類される。α−hA
NPは28アミノ酸残基からなり、N端から7番目のCys
[7]と23番目のCys[23]がジスルフィド結合してお
り、その間の配列がリング構造をなしている(Biochem.
Biophys.Res.Commun.(以下BBRCと略記する)118、131
−139、1984)。α−ANPは、α−hANPではN端から12番
目の残基がMetであるのに対し、α−rANPではIleである
点でのみ異なっている(BBRC 117、839−865、198
3)。β−hANPは、α−hANPの逆平行二量体である(特
開昭60−184098)。γ−hANPは126アミノ酸残基からな
り(第1図参照)、そのC端の99〜126アミノ酸配列が
α−hANPに相当する(Nature 313,397(1985))。
ラットの心房抽出物中に強いナトリウム利尿活性、利
尿活性、血圧降下活性が発見(de Bold,A.J.et al,Life
Sci.28,89−94,1981)されて以来、心房性ナトリウム
利尿ポリペプチドと呼ばれる一連のペプチドがヒトおよ
びラット心房組織から単離されており、このペプチドが
体液の恒常性および血圧のコントロールに関連している
ことが示唆されている(Kangawa,K et al,BBRC 118,131
−139,1984など)。
尿活性、血圧降下活性が発見(de Bold,A.J.et al,Life
Sci.28,89−94,1981)されて以来、心房性ナトリウム
利尿ポリペプチドと呼ばれる一連のペプチドがヒトおよ
びラット心房組織から単離されており、このペプチドが
体液の恒常性および血圧のコントロールに関連している
ことが示唆されている(Kangawa,K et al,BBRC 118,131
−139,1984など)。
α−ANP[17−28]に対するポリクローナルウサギ抗
血清を用いて、α−hANPおよびα−rANPを等しく認識す
るANPに特異的なラジオイムノアッセイ(RIA)が確立さ
れ(Nakao,K. et al,BBRC 124,815−821,1984)、α−A
NPが心臓から分泌されホルモンとして体内を循環するこ
とが示された(Sugawara,A.et al,Hypertension 8(Sup
pl I),I−151−155,1986)。また、RIAとクロマト分析
を用いた研究により、ANPは中枢神経系にも存在し(Mor
ii,N.et al,BBRC 127,413−419,1985)、ラット脳およ
び脊髄に存在するANPの主要分子構造はα−rANP[4−2
8]およびα−rANP[5−28]であることが明らかにな
り(Shiono,S.et al,BBRC 135,728−734,1986,Morii,N.
et al,BBRC 145,196−203,1987)、神経ペプチドとして
のANPの存在様式はホルモンとしてのANPのそれとは異な
っていることが示された(Nakao,N.et al,Can.J.Physio
l.Pharmacol.65,1756−1761,1987).このα−ANPに対
する抗血清は、循環血中のANPと脳のANPを識別しない
が、免疫組織化学的な研究にも使用された(Kawata,M.e
t al,Neurosicence 16,521−546,1985)。さらに、ラッ
トにおいて、この抗血清の脳室内投与により脳内の内因
性ANPの作用が中和され水摂取が促進された(Katsuura,
G.et al,European J. Pharmacol.121,285−287,198
6)。このように、ポリクロナールANP抗血清は多方面で
有用であるが、これらの抗血清は供給が限定されている
こと、エピトープが多様であること、ANP以外のものに
対する不要な抗体が混入してくることなど、避けられな
い欠点を有している。
血清を用いて、α−hANPおよびα−rANPを等しく認識す
るANPに特異的なラジオイムノアッセイ(RIA)が確立さ
れ(Nakao,K. et al,BBRC 124,815−821,1984)、α−A
NPが心臓から分泌されホルモンとして体内を循環するこ
とが示された(Sugawara,A.et al,Hypertension 8(Sup
pl I),I−151−155,1986)。また、RIAとクロマト分析
を用いた研究により、ANPは中枢神経系にも存在し(Mor
ii,N.et al,BBRC 127,413−419,1985)、ラット脳およ
び脊髄に存在するANPの主要分子構造はα−rANP[4−2
8]およびα−rANP[5−28]であることが明らかにな
り(Shiono,S.et al,BBRC 135,728−734,1986,Morii,N.
et al,BBRC 145,196−203,1987)、神経ペプチドとして
のANPの存在様式はホルモンとしてのANPのそれとは異な
っていることが示された(Nakao,N.et al,Can.J.Physio
l.Pharmacol.65,1756−1761,1987).このα−ANPに対
する抗血清は、循環血中のANPと脳のANPを識別しない
が、免疫組織化学的な研究にも使用された(Kawata,M.e
t al,Neurosicence 16,521−546,1985)。さらに、ラッ
トにおいて、この抗血清の脳室内投与により脳内の内因
性ANPの作用が中和され水摂取が促進された(Katsuura,
G.et al,European J. Pharmacol.121,285−287,198
6)。このように、ポリクロナールANP抗血清は多方面で
有用であるが、これらの抗血清は供給が限定されている
こと、エピトープが多様であること、ANP以外のものに
対する不要な抗体が混入してくることなど、避けられな
い欠点を有している。
以上のような理由により、ANPに対するモノクローナ
ル抗体が切望されているが、最近様々な特異性を有する
モノクローナル抗体が報告されてきている(John,A.et
al,Life Sci.38,1991−1997,1986;Milne,R.et al,Mol.I
mmunol.24,127−132,1987;Glembotski,C.C.et al,Endoc
rinology121,843−852,1987;Naomi,S.et al,Hybridoma
6,433−440,1987)。また、本発明者らにより、α−AN
Pを認識するモノクローナル抗体KY−ANP−I、KY−ANP
−IIが確立されている(特願昭62−218662、特願昭63−
47280)。
ル抗体が切望されているが、最近様々な特異性を有する
モノクローナル抗体が報告されてきている(John,A.et
al,Life Sci.38,1991−1997,1986;Milne,R.et al,Mol.I
mmunol.24,127−132,1987;Glembotski,C.C.et al,Endoc
rinology121,843−852,1987;Naomi,S.et al,Hybridoma
6,433−440,1987)。また、本発明者らにより、α−AN
Pを認識するモノクローナル抗体KY−ANP−I、KY−ANP
−IIが確立されている(特願昭62−218662、特願昭63−
47280)。
ANPの測定法としては既に抗血清を用いたRIAが確立さ
れている(Science 228、323−325、1985;Nature 314、
264−266、1985;BBRC 124、815−821、1984;BBRC 124、
663−668、1984;BBRC 125、315−323、1984)。このう
ち、抗血清CR−3はANPのC末端断片[17−28]を認識
することが知られている。
れている(Science 228、323−325、1985;Nature 314、
264−266、1985;BBRC 124、815−821、1984;BBRC 124、
663−668、1984;BBRC 125、315−323、1984)。このう
ち、抗血清CR−3はANPのC末端断片[17−28]を認識
することが知られている。
抗血清を用いたγ−ANPのRIAは、Hyper−tension Vol
11,No 2,I−52−56,1988に報告されている。
11,No 2,I−52−56,1988に報告されている。
発明が解決しようとする課題 最近、ANPに対する種々のモノクローナル抗体が報告
されており、ラジオイムノアッセイや免疫組織化学的実
験や中和実験に利用されている(John,A.et al,Life Sc
i.38,1991−1997,1986;Milne,R.et al,Mol.Immunol.24,
127−132,1987;Glembotski,C.C.et al,Endocrinology12
1,843−852,1987;Naomi,S.et al,Hybridoma6,433−44
0,1987;Stasch,J.P.et al,European J. Pharmacol.129,
165−168,1986)。しかし、これらの対象のほとんど全
てα−ANPであり、γ−ANPを特異的に認識するモノクロ
ーナル抗体は得られていなかった。また、本抗体をRIA
などに用いれば非常に高感度なγ−ANPの測定が可能で
ある。さらに、γ−ANP[99−126]はα−ANPに対応す
るため、本抗体と公知のα−ANPを認識する抗体、例え
ば、CR−3、11A−A11、KY−ANP−I、KY−ANP−IIを組
合わせれば、極めて高感度なγ−ANPのサンドイッチエ
ンザイムイムノアッセイ(EIA)が可能になる。
されており、ラジオイムノアッセイや免疫組織化学的実
験や中和実験に利用されている(John,A.et al,Life Sc
i.38,1991−1997,1986;Milne,R.et al,Mol.Immunol.24,
127−132,1987;Glembotski,C.C.et al,Endocrinology12
1,843−852,1987;Naomi,S.et al,Hybridoma6,433−44
0,1987;Stasch,J.P.et al,European J. Pharmacol.129,
165−168,1986)。しかし、これらの対象のほとんど全
てα−ANPであり、γ−ANPを特異的に認識するモノクロ
ーナル抗体は得られていなかった。また、本抗体をRIA
などに用いれば非常に高感度なγ−ANPの測定が可能で
ある。さらに、γ−ANP[99−126]はα−ANPに対応す
るため、本抗体と公知のα−ANPを認識する抗体、例え
ば、CR−3、11A−A11、KY−ANP−I、KY−ANP−IIを組
合わせれば、極めて高感度なγ−ANPのサンドイッチエ
ンザイムイムノアッセイ(EIA)が可能になる。
問題点を解決するための手段 本発明者らはγ−hANPを特異的に認識するモノクロー
ナル抗体を創製すべく鋭意研究を行なった結果、γ−AN
PのN末端を特異的に認識し親和性の高いモノクローナ
ル抗体を得、それを利用するγ−hANPの高感度測定法を
完成するに至った。さらに詳細には、本発明のモノクロ
ーナル抗体はγ−hANP[1−25]に含まれる部分を認識
しているものと考えられ、さらに、γ−rANPも認識す
る。
ナル抗体を創製すべく鋭意研究を行なった結果、γ−AN
PのN末端を特異的に認識し親和性の高いモノクローナ
ル抗体を得、それを利用するγ−hANPの高感度測定法を
完成するに至った。さらに詳細には、本発明のモノクロ
ーナル抗体はγ−hANP[1−25]に含まれる部分を認識
しているものと考えられ、さらに、γ−rANPも認識す
る。
(1) モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの調製 γ−hANPにおいては、γ−hANP[99−126]は、α−h
ANP[1−28]と同一であるため、γ−hANPに特異的な
抗体を調製するためには、抗原としてγ−hANP[1−9
8]に含まれる部分を用いればよい。それらを抗原とし
て用いるためには牛血清アルブミン、牛チログロブリン
などと結合させる。得られた複合体は、フロイントの完
全アジュバント等の適当なアジュバントに乳濁し、マウ
スの免疫に用いる。
ANP[1−28]と同一であるため、γ−hANPに特異的な
抗体を調製するためには、抗原としてγ−hANP[1−9
8]に含まれる部分を用いればよい。それらを抗原とし
て用いるためには牛血清アルブミン、牛チログロブリン
などと結合させる。得られた複合体は、フロイントの完
全アジュバント等の適当なアジュバントに乳濁し、マウ
スの免疫に用いる。
免疫は、上記乳濁液を数週間おきにマウスの腹腔また
は静脈に数回繰り返し接種することにより行なう。最終
免疫後3日ないし7日後に脾臓を取り出し、抗体産生細
胞として使用する。この時同時に抗体産生細胞と融合さ
せてハイブリドーマを得るための親細胞として、ヒボキ
サンチン−グアニン−ホスホリボシルトランスフェラー
ゼ欠損(HGPRT-)あるいはチミジンキナーゼ欠損(T
K-)の様な適切なマーカーを持つミエローマ細胞株を用
意し、これと抗体産生細胞とを融合させてハイブリドー
マを作製する。
は静脈に数回繰り返し接種することにより行なう。最終
免疫後3日ないし7日後に脾臓を取り出し、抗体産生細
胞として使用する。この時同時に抗体産生細胞と融合さ
せてハイブリドーマを得るための親細胞として、ヒボキ
サンチン−グアニン−ホスホリボシルトランスフェラー
ゼ欠損(HGPRT-)あるいはチミジンキナーゼ欠損(T
K-)の様な適切なマーカーを持つミエローマ細胞株を用
意し、これと抗体産生細胞とを融合させてハイブリドー
マを作製する。
ハイブリドーマ作製における培地として、イーグルME
M、ダルベツコ変法培地、RPMI−1640などの通常良く使
用されているものに、適宜約15%の牛胎児血清(FCS、f
etal calf serum)を加えて用いる。
M、ダルベツコ変法培地、RPMI−1640などの通常良く使
用されているものに、適宜約15%の牛胎児血清(FCS、f
etal calf serum)を加えて用いる。
まず、親細胞であるミエローマと脾細胞を約1:10の割
合で用意する。融合剤としてはよく用いられているポリ
エチレングリコール(PEG)の50%を用いるのが融合率
が高いとされている。融合株はHAT選択法により選択す
る。生じるハイブリドーマのスクリーニングは培養上清
を用い、膜螢光抗体法、ELISA法(Enzyme Linked Immun
osorbent Assay)、免疫組織染色法、RIA法など既知の
方法により行ない、目的の免疫グロブリンを分泌してい
るハイブリドーマのクローンを選択する。ハイブリドー
マの単一性を吟味するため、96穴のマイクロウェルにフ
イーダーレイヤー(feeder layer)として正常な脾細胞
を蒔いた上にハイブリドーマを1穴に1個より多くなら
ないように蒔き、生育してくるクローンについて再びス
クリーニングを行なう。このサブクローニングを繰り返
すことにより、単一性のハイブリドーマを得る。
合で用意する。融合剤としてはよく用いられているポリ
エチレングリコール(PEG)の50%を用いるのが融合率
が高いとされている。融合株はHAT選択法により選択す
る。生じるハイブリドーマのスクリーニングは培養上清
を用い、膜螢光抗体法、ELISA法(Enzyme Linked Immun
osorbent Assay)、免疫組織染色法、RIA法など既知の
方法により行ない、目的の免疫グロブリンを分泌してい
るハイブリドーマのクローンを選択する。ハイブリドー
マの単一性を吟味するため、96穴のマイクロウェルにフ
イーダーレイヤー(feeder layer)として正常な脾細胞
を蒔いた上にハイブリドーマを1穴に1個より多くなら
ないように蒔き、生育してくるクローンについて再びス
クリーニングを行なう。このサブクローニングを繰り返
すことにより、単一性のハイブリドーマを得る。
(2) モノクローナル抗体の産生 次に、本発明のモノクローナル抗体を製造するため
に、上記で得られたハイブリドーマを培養容器中(in v
itro)または動物体内(in vivo)で培養する。in vitr
o系で培養する場合、培地は先に述べた通常培地にFCSを
添加したものでよく、この培地で3から5日培養の後、
培養上清からモノクローナル抗体を得る。in vivo系の
培養では、ハイブリドーマを哺乳動物の腹腔に接種し、
7ないし14日後に腹水を採取し、これよりモノクローナ
ル抗体を得る。in vivo系での培養の場合、in vitro系
での培養に比べて遥かに大量の抗体を効率的に取得しう
るので好ましい。
に、上記で得られたハイブリドーマを培養容器中(in v
itro)または動物体内(in vivo)で培養する。in vitr
o系で培養する場合、培地は先に述べた通常培地にFCSを
添加したものでよく、この培地で3から5日培養の後、
培養上清からモノクローナル抗体を得る。in vivo系の
培養では、ハイブリドーマを哺乳動物の腹腔に接種し、
7ないし14日後に腹水を採取し、これよりモノクローナ
ル抗体を得る。in vivo系での培養の場合、in vitro系
での培養に比べて遥かに大量の抗体を効率的に取得しう
るので好ましい。
こうして得られた培養上清または腹水からのモノクロ
ーナル抗体の精製は、硫安分画、DEAEセフアロースカラ
ム等の既知の方法を適宜組み合わせて行なうことができ
る。
ーナル抗体の精製は、硫安分画、DEAEセフアロースカラ
ム等の既知の方法を適宜組み合わせて行なうことができ
る。
本発明者らは、γ−hANPに対するモノクローナル抗体
KY−ANP−IIIを確立しその特性を調べた。得られたモノ
クローナル抗体はγ−hANPに対して高い親和性を示し、
Kaは5.3×109M-1であった。また、このモノクローナル
抗体の特異性の分析においては、γ−hANP[1−25]お
よびγ−hANP[1−72]に強い交差反応性が見られた
が、γ−hANP[1−10]およびγ−hANP[17−25]とは
殆ど反応せず、γ−hANPの最初の25アミノ酸が抗体の結
合に最も重要であることを示している。また、本抗体
は、γ−rANPにも交差反応性を示した。
KY−ANP−IIIを確立しその特性を調べた。得られたモノ
クローナル抗体はγ−hANPに対して高い親和性を示し、
Kaは5.3×109M-1であった。また、このモノクローナル
抗体の特異性の分析においては、γ−hANP[1−25]お
よびγ−hANP[1−72]に強い交差反応性が見られた
が、γ−hANP[1−10]およびγ−hANP[17−25]とは
殆ど反応せず、γ−hANPの最初の25アミノ酸が抗体の結
合に最も重要であることを示している。また、本抗体
は、γ−rANPにも交差反応性を示した。
本発明のモノクローナル抗体KY−ANP−IIIを産生する
ハイブリドーマKY−ANP−IIIは1988年5月18日から茨城
県つくば市東1丁目1番3号の工業技術院微生物工業技
術研究所に、Mouse hybridoma KY−ANP−III、微工研条
寄第1887号(FERM BP−1887)として、ブダペスト条約
に基づいて寄託されている。
ハイブリドーマKY−ANP−IIIは1988年5月18日から茨城
県つくば市東1丁目1番3号の工業技術院微生物工業技
術研究所に、Mouse hybridoma KY−ANP−III、微工研条
寄第1887号(FERM BP−1887)として、ブダペスト条約
に基づいて寄託されている。
本発明のモノクローナル抗体KY−ANP−IIIを用いるγ
−ANPの免疫学的測定法としては、一抗体法によるRIAや
サンドイッチEIAを挙げることができる。RIAに関して
は、実施例に示すとおり、試料または標準γ−ANPと一
定量のアイソトープ標識したγ−ANPとを本抗体と結合
させ、抗体に結合した放射能を測定する競合法が上げら
れる。サンドイッチEIAとしては、前述のα−ANPを認識
する抗血清CR−3、KY−ANP−I、KY−ANP−IIなどはγ
−ANP[99−126]と反応するので、これらと組み合わせ
た方法が可能であり、以下の様にして測定できる。
−ANPの免疫学的測定法としては、一抗体法によるRIAや
サンドイッチEIAを挙げることができる。RIAに関して
は、実施例に示すとおり、試料または標準γ−ANPと一
定量のアイソトープ標識したγ−ANPとを本抗体と結合
させ、抗体に結合した放射能を測定する競合法が上げら
れる。サンドイッチEIAとしては、前述のα−ANPを認識
する抗血清CR−3、KY−ANP−I、KY−ANP−IIなどはγ
−ANP[99−126]と反応するので、これらと組み合わせ
た方法が可能であり、以下の様にして測定できる。
抗体を固定化する固相としては、通常の免疫測定法に
使用される市販の抗原抗体反応用担体、例えば、ガラス
または合成樹脂製の粒状物(ビーズ)あるいは球状物
(ボール)、チューブ、ブレートなどを用いることがで
きる。これらの担体に、α−ANPまたはγ−ANPを認識す
る抗体を吸着せしめる。吸着は通常リン酸バッファ−
中、pH6〜10、好ましくは中性付近で室温下に一夜放置
することにより行なう。抗体を吸着した担体は、アジ化
ナトリウムなどの防腐剤の存在下、冷所に保存する。
使用される市販の抗原抗体反応用担体、例えば、ガラス
または合成樹脂製の粒状物(ビーズ)あるいは球状物
(ボール)、チューブ、ブレートなどを用いることがで
きる。これらの担体に、α−ANPまたはγ−ANPを認識す
る抗体を吸着せしめる。吸着は通常リン酸バッファ−
中、pH6〜10、好ましくは中性付近で室温下に一夜放置
することにより行なう。抗体を吸着した担体は、アジ化
ナトリウムなどの防腐剤の存在下、冷所に保存する。
モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体につい
て、同様の処理で担体に結合せしめることができる。
て、同様の処理で担体に結合せしめることができる。
抗体を含む腹水または抗血清は硫酸ナトリウムで分画
し、次いで、DEAE−セルロースのカラムを通すことによ
りIgGを調製する。得られたIgGをペプシンで消化してF
(ab′)2断片とし、更にこれを2−メチルカプトエチ
ルアミンで還元すれば、抗α−ANP Fab′または抗γ−A
NP Fab′が得られる。IgGからFab′の調製については、
ジャーナル・オブ・イムノアッセイ[J.Immunoassa
y]、4、209〜327(1983)に詳細な説明があり、本発
明においても、同様の手法を利用することができる。
し、次いで、DEAE−セルロースのカラムを通すことによ
りIgGを調製する。得られたIgGをペプシンで消化してF
(ab′)2断片とし、更にこれを2−メチルカプトエチ
ルアミンで還元すれば、抗α−ANP Fab′または抗γ−A
NP Fab′が得られる。IgGからFab′の調製については、
ジャーナル・オブ・イムノアッセイ[J.Immunoassa
y]、4、209〜327(1983)に詳細な説明があり、本発
明においても、同様の手法を利用することができる。
抗体の標識酵素としては、アルカリ性ホスファター
ゼ、β−D−ガラクトシドーゼ、ベルオキシダーゼ、グ
ルコースオキシダーゼなどが利用可能であるが、本発明
においては、特に西洋わさびペルオキシダーゼが好まし
く用いられる。また、架橋剤としては、N,N′−o−フ
ェニレンジマレイミド、4−(N−マレイミドメチル)
シクロヘキサン酸・N−スクシンイミドエステル、6−
マレイミドヘキサン酸・N−スクシンイミドエステル、
3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸・N−スクシ
ンイミドエステル、4,4'−ジチオジピリジン、その他公
知の架橋剤が利用可能である。これらの架橋剤と酵素お
よび抗体との反応は、それぞれの架橋剤の性質に応じ
て、既知の方法に従って行なえばよい。また、抗体とし
ては、場合によっては、そのフラグメント、例えばFa
b′、Fab、F(ab′)2を用いる。また、ポリクローナ
ル、モノクローナル抗体にかかわらず同様の処理により
酵素標識体はを得ることができる。上記架橋剤を用いて
得られる酵素標識抗体はアフィニティ・クロマトグラフ
ィーなどにより精製すれば、更に感度の高い免疫測定系
が可能となる。精製した酵素標識抗体は、安定剤として
チメロサールまたはグリセリンを加えて、あるいは凍結
乾燥して冷暗所に保存する。
ゼ、β−D−ガラクトシドーゼ、ベルオキシダーゼ、グ
ルコースオキシダーゼなどが利用可能であるが、本発明
においては、特に西洋わさびペルオキシダーゼが好まし
く用いられる。また、架橋剤としては、N,N′−o−フ
ェニレンジマレイミド、4−(N−マレイミドメチル)
シクロヘキサン酸・N−スクシンイミドエステル、6−
マレイミドヘキサン酸・N−スクシンイミドエステル、
3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸・N−スクシ
ンイミドエステル、4,4'−ジチオジピリジン、その他公
知の架橋剤が利用可能である。これらの架橋剤と酵素お
よび抗体との反応は、それぞれの架橋剤の性質に応じ
て、既知の方法に従って行なえばよい。また、抗体とし
ては、場合によっては、そのフラグメント、例えばFa
b′、Fab、F(ab′)2を用いる。また、ポリクローナ
ル、モノクローナル抗体にかかわらず同様の処理により
酵素標識体はを得ることができる。上記架橋剤を用いて
得られる酵素標識抗体はアフィニティ・クロマトグラフ
ィーなどにより精製すれば、更に感度の高い免疫測定系
が可能となる。精製した酵素標識抗体は、安定剤として
チメロサールまたはグリセリンを加えて、あるいは凍結
乾燥して冷暗所に保存する。
上記で調製された免疫学的測定試薬を用いてγ−ANP
を測定する際の抗体の組合わせとしては、γ−ANPのN
端側を認識する抗体を固定化した場合にはα−ANPを認
識する抗体を酵素標識抗体とし、α−ANPを認識する抗
体を固定化した場合にはγ−ANPのN端側を認識する抗
体を酵素標識抗体とすればよい。一般には、固定化には
比較的大量の抗体が必要であるため安定的に大量の抗体
が得られるモノクローナル抗体が固定化に適している
が、抗血清から得られるポリクローナル抗体も不都合な
く使用できる。酵素標識する抗体は、モノクローナル抗
体、ポリクローナル抗体のいずれでもよく、固定化した
抗体が認識するのとは異なる部位を認識するものであれ
ばよい。例えば、固定化抗体として本発明のKY−ANP−I
IIを用いた場合には酵素標識抗体として上述の抗血清CR
−3、KY−ANP−I、KY−ANP−IIなどが適用でき、また
この逆の組合わせでもよい。
を測定する際の抗体の組合わせとしては、γ−ANPのN
端側を認識する抗体を固定化した場合にはα−ANPを認
識する抗体を酵素標識抗体とし、α−ANPを認識する抗
体を固定化した場合にはγ−ANPのN端側を認識する抗
体を酵素標識抗体とすればよい。一般には、固定化には
比較的大量の抗体が必要であるため安定的に大量の抗体
が得られるモノクローナル抗体が固定化に適している
が、抗血清から得られるポリクローナル抗体も不都合な
く使用できる。酵素標識する抗体は、モノクローナル抗
体、ポリクローナル抗体のいずれでもよく、固定化した
抗体が認識するのとは異なる部位を認識するものであれ
ばよい。例えば、固定化抗体として本発明のKY−ANP−I
IIを用いた場合には酵素標識抗体として上述の抗血清CR
−3、KY−ANP−I、KY−ANP−IIなどが適用でき、また
この逆の組合わせでもよい。
実施例 ハイブリドーマの調製 合成γ−hANP[1−25](5.0mg)と牛チログロブリ
ン(10mg)を1.6mlの蒸留水に溶解する。この溶液に、
蒸留水0.2mlに溶解した1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド20mgを4℃で10分か
けて滴下し、0℃で窒素気流下4時間撹拌する。この溶
液を、蒸留水1に対して4回、3日間透析する。この
透析物を5つに分注して−20℃で保存した(BBRC 124,
815−821,1984参照)。
ン(10mg)を1.6mlの蒸留水に溶解する。この溶液に、
蒸留水0.2mlに溶解した1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド20mgを4℃で10分か
けて滴下し、0℃で窒素気流下4時間撹拌する。この溶
液を、蒸留水1に対して4回、3日間透析する。この
透析物を5つに分注して−20℃で保存した(BBRC 124,
815−821,1984参照)。
上記の分注保存した溶液(300μgのγ−hANP[1−2
5]を含む)に蒸留水を加え1.2mlとし、これを1.2mlの
フロイントの完全アジュバントに懸濁した。そのうち約
2mlを10匹のBALB/c雌マウスの腹腔および皮下に注射し
た(1匹当り200μl)。その後、約4週間隔で、完全
アジュバントに乳濁した1匹当り7.5〜30μgのγ−hAN
P[1−25]の皮下投与を7回繰り返した。30μgのγ
−hANP[1−25]の静脈注射による最終免疫の6日後、
マウスの脾臓を摘出し、細胞融合に用いた。
5]を含む)に蒸留水を加え1.2mlとし、これを1.2mlの
フロイントの完全アジュバントに懸濁した。そのうち約
2mlを10匹のBALB/c雌マウスの腹腔および皮下に注射し
た(1匹当り200μl)。その後、約4週間隔で、完全
アジュバントに乳濁した1匹当り7.5〜30μgのγ−hAN
P[1−25]の皮下投与を7回繰り返した。30μgのγ
−hANP[1−25]の静脈注射による最終免疫の6日後、
マウスの脾臓を摘出し、細胞融合に用いた。
脾臓細胞とミエローマ細胞X63−Ag8.653(1:10)をダ
ルベッコ培地中(DMEM)で混合し、1500rpm、4℃で5
分間遠沈した。得られたペレットを37℃に加温し解した
後、50%PEG4000(PEG1g/DMEM1ml)1mlを37℃で1分間
かけて滴下した。37℃で2分間放置した後、37℃のDMEM
10mlを5分かけて加え希釈し、4℃で15%FCS添加DMEM
で遠心洗浄する。
ルベッコ培地中(DMEM)で混合し、1500rpm、4℃で5
分間遠沈した。得られたペレットを37℃に加温し解した
後、50%PEG4000(PEG1g/DMEM1ml)1mlを37℃で1分間
かけて滴下した。37℃で2分間放置した後、37℃のDMEM
10mlを5分かけて加え希釈し、4℃で15%FCS添加DMEM
で遠心洗浄する。
融合後、15%牛胎児血清を含むHAT培地中でハイブリ
ドーマを選択した。細胞の増殖に伴い、[125I]γ−hA
NP[1−25]を用いるRIAによって培養液中の抗体産生
を定期的に調べた。ほぼ全てのウェルにおいてハイブリ
ドーマの増殖が観察され、そのうち約0.8%(3ウエ
ル)が抗体を産生していた。抗体産生細胞は、マウス胸
腺細胞をフィーダーとして、限界希釈法により2回クロ
ーニングした。最も強い反応性を有する抗体を産生する
クローン株KY−ANP−IIIを確立し、その特性を調べるた
めに増殖させた。
ドーマを選択した。細胞の増殖に伴い、[125I]γ−hA
NP[1−25]を用いるRIAによって培養液中の抗体産生
を定期的に調べた。ほぼ全てのウェルにおいてハイブリ
ドーマの増殖が観察され、そのうち約0.8%(3ウエ
ル)が抗体を産生していた。抗体産生細胞は、マウス胸
腺細胞をフィーダーとして、限界希釈法により2回クロ
ーニングした。最も強い反応性を有する抗体を産生する
クローン株KY−ANP−IIIを確立し、その特性を調べるた
めに増殖させた。
モノクローナル抗体の調製 BALB/cマウスを、0.5mlのプリスタンを腹腔に2回1
〜2週間間隔で投与することにより前処理した。そのマ
ウスの腹腔に、200μlのDMEMに懸濁した5×106個のハ
イブリドーマKY−ANP−IIIを注射した。得られた腹水を
プロテインA−セファロースCL−4Bカラムで精製し、モ
ノクローナル抗体KY−ANP−IIIを得た。
〜2週間間隔で投与することにより前処理した。そのマ
ウスの腹腔に、200μlのDMEMに懸濁した5×106個のハ
イブリドーマKY−ANP−IIIを注射した。得られた腹水を
プロテインA−セファロースCL−4Bカラムで精製し、モ
ノクローナル抗体KY−ANP−IIIを得た。
モノクローナル抗体の特性 上記で得られたモノクローナル抗体のアイソタイプを
オクタロニー法(Mouse Monoclonal Typing Kit、Mile
s)によって決定した。親和定数は後記のRIAによるスキ
ャッチャード分析法に従って決定した。特異性は、γ−
hANPのRIAにおける各種ANP関連ペプチドとの交差反応性
を調べることにより分析した。
オクタロニー法(Mouse Monoclonal Typing Kit、Mile
s)によって決定した。親和定数は後記のRIAによるスキ
ャッチャード分析法に従って決定した。特異性は、γ−
hANPのRIAにおける各種ANP関連ペプチドとの交差反応性
を調べることにより分析した。
得られたモノクローナル抗体は、オクタロニー法によ
りIgG1サブクラスに属するものと決定された。スキャッ
チャード法により親和定数を調べたところ、γ−hANP
[1−25]に対するKa値は5.3×109M-1であり、高い親
和性を示した(第2図参照)。
りIgG1サブクラスに属するものと決定された。スキャッ
チャード法により親和定数を調べたところ、γ−hANP
[1−25]に対するKa値は5.3×109M-1であり、高い親
和性を示した(第2図参照)。
RIA モノクローナル抗体を用いたRIAは、Hypertension,Vo
l 11,No 2,I−52−56(1988)に詳述されているポリク
ローナル抗血清による方法に従って行なった。
l 11,No 2,I−52−56(1988)に詳述されているポリク
ローナル抗血清による方法に従って行なった。
試薬はすべて、0.1%ゼラチン(メルク)、1mM Na2ED
TA、0.2mMシスチン、0.1%Triton X−100と0.1%メルチ
オレイトを含む0.05Mリン酸バッファー(pH7.4)に溶解
した。
TA、0.2mMシスチン、0.1%Triton X−100と0.1%メルチ
オレイトを含む0.05Mリン酸バッファー(pH7.4)に溶解
した。
KY−ANP−IIIを含む腹水希釈液(100,000倍)100μ
l、試料または標準γ−ANP希釈液100μl、上記バッフ
ァー200μl、[125I]γ−hANP[1−25](約10,000c
pm)100μlの混合液を4℃で48時間反応させる。これ
をデキストラン−コーテッド−チャーコール1m1と混合
し4℃で15分間反応させる。その後、4℃で30分間3000
rpmにて遠心し、その上清の放射活性をγ−カウンター
で測定することにより、サンプル希釈液中の抗体価を求
めた。[125I]γ−hANP[1−25]の比活性は570μCi/
μgであった。マウス腹水は最終希釈500,000倍に希釈
して使用でき、その時のトレイサーとの結合率は約25%
であった。
l、試料または標準γ−ANP希釈液100μl、上記バッフ
ァー200μl、[125I]γ−hANP[1−25](約10,000c
pm)100μlの混合液を4℃で48時間反応させる。これ
をデキストラン−コーテッド−チャーコール1m1と混合
し4℃で15分間反応させる。その後、4℃で30分間3000
rpmにて遠心し、その上清の放射活性をγ−カウンター
で測定することにより、サンプル希釈液中の抗体価を求
めた。[125I]γ−hANP[1−25]の比活性は570μCi/
μgであった。マウス腹水は最終希釈500,000倍に希釈
して使用でき、その時のトレイサーとの結合率は約25%
であった。
上記125I−γ−hANP[1−25]はクロラミンT法によ
って調製した。即ち、γ−hANP[1−25](1μg)と
Na125I(1mCi)を混合し、10μlのクロラミンT(5.25
mg/ml)を加え、10秒後に20μlのピロ亜硫酸ナトリウ
ム(4.5mg/ml)を加える。さらに、2%ゼラチン1m1を
加え、Sep−Pak C18(Waters社製)で精製する。
って調製した。即ち、γ−hANP[1−25](1μg)と
Na125I(1mCi)を混合し、10μlのクロラミンT(5.25
mg/ml)を加え、10秒後に20μlのピロ亜硫酸ナトリウ
ム(4.5mg/ml)を加える。さらに、2%ゼラチン1m1を
加え、Sep−Pak C18(Waters社製)で精製する。
このモノクローナル抗体を用いたRIAにおけるγ−hAN
Pの標準曲線と関連ペプチドの交差反応性を第3図に示
す。
Pの標準曲線と関連ペプチドの交差反応性を第3図に示
す。
発明の効果 本発明のKY−ANP−IIIは、γ−hANPを特異的に認識
し、その他の公知のANPに対する抗体と組み合わせるな
どして、高感度に特異的にγ−hANPを測定できる。ま
た、γ−hANPをも認識するので、その測定も可能であ
る。このγ−hANPの測定法の確立により、心疾患、腎疾
患、高血圧症(本態性、二次性)、浮腫性疾患(肝硬
変、ネフローゼ、突発性浮腫等)、脱水症等体液バラン
スの異常を伴う疾患の診断および治療経過の簡便かつ観
察が可能になる。
し、その他の公知のANPに対する抗体と組み合わせるな
どして、高感度に特異的にγ−hANPを測定できる。ま
た、γ−hANPをも認識するので、その測定も可能であ
る。このγ−hANPの測定法の確立により、心疾患、腎疾
患、高血圧症(本態性、二次性)、浮腫性疾患(肝硬
変、ネフローゼ、突発性浮腫等)、脱水症等体液バラン
スの異常を伴う疾患の診断および治療経過の簡便かつ観
察が可能になる。
第1図はγ−hANPのアミノ酸配列を示す。 第2図は、[125I]γ−hANP[1−25]のモノクローナ
ル抗体KY−ANP−IIIへの結合のスキャッチャードプロッ
トである。KY−ANP−IIIを含む腹水を[125I]γ−hANP
[1−25](12〜800pM、500μ1/tube)と共に4℃で48
時間インキュベートし、デキストランコーテッドチャコ
ール法により分離した後、特異的な結合を測定した。 第3図は、KY−ANP−IIIを用いたRIAにおけるγ−hAN
Pの典型的標準曲線と関連ペプチドの交差反応曲線を示
す。[125I]γ−hANP[1−25]と種々の濃度の標準γ
−hANPまたは関連ペプチドをKY−ANP−IIIと共に4℃で
24時間インキュベートした。●はγ−hANP[1−25]、
○はγ−hANP[1−72]、▲はγ−hANP[1−67]、△
はγ−hANP[1−16]、◆はγ−hANP[1−10]、◇は
γ−hANP[17−25]、■はγ−hANP、□はγ−rANPを示
す。
ル抗体KY−ANP−IIIへの結合のスキャッチャードプロッ
トである。KY−ANP−IIIを含む腹水を[125I]γ−hANP
[1−25](12〜800pM、500μ1/tube)と共に4℃で48
時間インキュベートし、デキストランコーテッドチャコ
ール法により分離した後、特異的な結合を測定した。 第3図は、KY−ANP−IIIを用いたRIAにおけるγ−hAN
Pの典型的標準曲線と関連ペプチドの交差反応曲線を示
す。[125I]γ−hANP[1−25]と種々の濃度の標準γ
−hANPまたは関連ペプチドをKY−ANP−IIIと共に4℃で
24時間インキュベートした。●はγ−hANP[1−25]、
○はγ−hANP[1−72]、▲はγ−hANP[1−67]、△
はγ−hANP[1−16]、◆はγ−hANP[1−10]、◇は
γ−hANP[17−25]、■はγ−hANP、□はγ−rANPを示
す。
Claims (3)
- 【請求項1】γ−ANPのN末端の1〜25番目の25アミノ
酸残基からなる部分(γ−ANP[1−25])に含まれる
部分を認識し、ハイブリドーマKY−ANP−III(FERM BP
−1887)により産生されるモノクローナル抗体。 - 【請求項2】γ−ANP[1−25]に含まれる部分を認識
するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマKY−
ANP−III(FERM BP−1887)。 - 【請求項3】請求項1記載のモノクローナル抗体を用い
ることを特徴とするγ−ANPの免疫学的測定法。
Priority Applications (10)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63166641A JP2561513B2 (ja) | 1988-07-04 | 1988-07-04 | γ−ANPを認識するモノクローナル抗体 |
US07/380,597 US5124248A (en) | 1988-07-04 | 1989-06-26 | Monoclonal antibody recognizing gamma atrial natriuretic polypeptide |
AU37178/89A AU625398B2 (en) | 1988-07-04 | 1989-06-28 | Monoclonal antibody recognizing gamma atrial natriuretic polypeptide |
ES89306669T ES2055066T3 (es) | 1988-07-04 | 1989-06-30 | Anticuerpos monoclonales que reconocen el extremo n del gamma polipeptido natriuretico atrial, hibridomas que los producen y su preparacion y aplicacion. |
DE68914345T DE68914345T2 (de) | 1988-07-04 | 1989-06-30 | Gamma-atriales, natriuretisches Polypeptid erkennende monoklonale Antikörper, solche Antikörper produzierende Hybridome und deren Herstellung und Verwendung. |
EP89306669A EP0350218B1 (en) | 1988-07-04 | 1989-06-30 | Monoclonal antibodies recognizing gamma atrial natriuretic polypeptide, hybridomas producing such antibodies, and their preparation and use |
AT89306669T ATE103973T1 (de) | 1988-07-04 | 1989-06-30 | Gamma-atriales, natriuretisches polypeptid erkennende monoklonale antikoerper, solche antikoerper produzierende hybridome und deren herstellung und verwendung. |
DK198903297A DK175750B1 (da) | 1988-07-04 | 1989-07-03 | Monoklonale antistoffer, der genkender gamma-atrialt natriuretisk polypeptid, hybridomceller, der producerer sådanne antistoffer, og fremstilling og anvendelse deraf |
KR1019890009495A KR0145406B1 (ko) | 1988-07-04 | 1989-07-04 | 감마 아트리알 나트륨 이뇨성 폴리펩티드를 인식하는 단일 클론 항체 |
CA000604715A CA1334176C (en) | 1988-07-04 | 1989-07-04 | Monoclonal antibody recognizing gamma atrial natriuretic polypeptide |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63166641A JP2561513B2 (ja) | 1988-07-04 | 1988-07-04 | γ−ANPを認識するモノクローナル抗体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0216997A JPH0216997A (ja) | 1990-01-19 |
JP2561513B2 true JP2561513B2 (ja) | 1996-12-11 |
Family
ID=15835041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63166641A Expired - Lifetime JP2561513B2 (ja) | 1988-07-04 | 1988-07-04 | γ−ANPを認識するモノクローナル抗体 |
Country Status (10)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5124248A (ja) |
EP (1) | EP0350218B1 (ja) |
JP (1) | JP2561513B2 (ja) |
KR (1) | KR0145406B1 (ja) |
AT (1) | ATE103973T1 (ja) |
AU (1) | AU625398B2 (ja) |
CA (1) | CA1334176C (ja) |
DE (1) | DE68914345T2 (ja) |
DK (1) | DK175750B1 (ja) |
ES (1) | ES2055066T3 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2796470A2 (en) | 2013-04-05 | 2014-10-29 | Shibayagi Co., Ltd. | Anti-canine N-terminal pro-atrial natriuretic peptide antibody, and immunological measurement method and immunologically measuring kit using the same |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2561513B2 (ja) * | 1988-07-04 | 1996-12-11 | 塩野義製薬株式会社 | γ−ANPを認識するモノクローナル抗体 |
EP0721105B1 (en) * | 1994-12-09 | 1999-05-12 | Shionogi & Co., Ltd. | Sandwich immunoassay for N-peptide |
AT407674B (de) * | 1998-09-29 | 2001-05-25 | Biomedica Gmbh | Verfahren zur bestimmung von atrialem natriuretischem peptid (anp) |
ATE459370T1 (de) | 2002-11-26 | 2010-03-15 | Biocon Ltd | Modifizierte natriuretic verbindungen, konjugate und ihre verwendungen |
DE102007022367A1 (de) | 2007-05-07 | 2008-11-20 | B.R.A.H.M.S Ag | Verfahren zur Bestimmung von aminoterminalen pro-ANP bei übergewichtigen Patienten |
Family Cites Families (3)
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