JP2560998B2 - ワインダの巻取再開方法 - Google Patents
ワインダの巻取再開方法Info
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- JP2560998B2 JP2560998B2 JP5275559A JP27555993A JP2560998B2 JP 2560998 B2 JP2560998 B2 JP 2560998B2 JP 5275559 A JP5275559 A JP 5275559A JP 27555993 A JP27555993 A JP 27555993A JP 2560998 B2 JP2560998 B2 JP 2560998B2
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- winder
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トラバース動作を電気
的に制御しているワインダに係り、特に、停電によるト
ラバース位置ずれを防止するワインダ、例えばパーンワ
インダの巻取再開方法に関するものである。
的に制御しているワインダに係り、特に、停電によるト
ラバース位置ずれを防止するワインダ、例えばパーンワ
インダの巻取再開方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パーンワインダは糸を芯の周りに巻き取
りパーンを形成するものである。パーンの形状は、中腹
では所定の範囲に亘って糸部分の径が一定であり、その
範囲外では糸部分の径が芯の両端近傍で芯にほぼ等しく
なるように円錐状にすぼんでいる。パーンを形成するに
は、芯を回転させつつ糸の供給位置を軸方向に往復移動
(トラバース)させる。しかし、巻き取り動作に伴って
トラバースの区間を常時変更させなければ上記のような
糸部分の径が中腹で一定で両端で小さいパーンの形状が
得られない。
りパーンを形成するものである。パーンの形状は、中腹
では所定の範囲に亘って糸部分の径が一定であり、その
範囲外では糸部分の径が芯の両端近傍で芯にほぼ等しく
なるように円錐状にすぼんでいる。パーンを形成するに
は、芯を回転させつつ糸の供給位置を軸方向に往復移動
(トラバース)させる。しかし、巻き取り動作に伴って
トラバースの区間を常時変更させなければ上記のような
糸部分の径が中腹で一定で両端で小さいパーンの形状が
得られない。
【0003】パーンの巻き取り方には、ワープとフィリ
ングとの2通りがあり、ワープは巻き取りの初期に芯の
両端に亘る広い幅でトラバースさせて巻き取り、糸部分
の径が増えるにつれてトラバースの幅を狭めることによ
り上記円錐状部分を形成する。フィリングは巻き取りの
初期に芯の一端に集中して糸を巻き取り双円錐状の糸部
分を形成し、その後、狭い幅でのトラバースを徐々に移
動させて芯の反対端に向けて糸部分を成長させて行う。
ングとの2通りがあり、ワープは巻き取りの初期に芯の
両端に亘る広い幅でトラバースさせて巻き取り、糸部分
の径が増えるにつれてトラバースの幅を狭めることによ
り上記円錐状部分を形成する。フィリングは巻き取りの
初期に芯の一端に集中して糸を巻き取り双円錐状の糸部
分を形成し、その後、狭い幅でのトラバースを徐々に移
動させて芯の反対端に向けて糸部分を成長させて行う。
【0004】ワープでもフィリングでもパーンを巻き取
っている間、トラバース機構の往復経路が常時変化する
ことになる。従って、トラバース機構は、任意の位置で
往復の折り返しができなければならない。従来は、トラ
バース機構を油圧で往復動作させていたが、近年では油
圧機構より安価なボールネジでトラバース機構を往復動
作させることが考えられている。即ち、トラバース機構
にボールネジ等を介してモータを連結し、このモータを
正逆回転させることによりトラバース機構を往復動作さ
せる。モータの回転角度をサーボによって制御すること
により、任意の位置での往復の折り返しが正確にでき
る。
っている間、トラバース機構の往復経路が常時変化する
ことになる。従って、トラバース機構は、任意の位置で
往復の折り返しができなければならない。従来は、トラ
バース機構を油圧で往復動作させていたが、近年では油
圧機構より安価なボールネジでトラバース機構を往復動
作させることが考えられている。即ち、トラバース機構
にボールネジ等を介してモータを連結し、このモータを
正逆回転させることによりトラバース機構を往復動作さ
せる。モータの回転角度をサーボによって制御すること
により、任意の位置での往復の折り返しが正確にでき
る。
【0005】回転角度をサーボ制御するために所定回転
角毎にパルスを発生するエンコーダが用いられる。エン
コーダパルスを計数した回数とモータが回転した角度と
がリニアな関係にあるから、トラバース機構の変位がモ
ータの回転角度とリニアな関係になるように、例えば、
ボールネジを用いてモータとトラバース機構とを連結す
ればエンコーダパルスによる位置制御ができる。ただ
し、パルスをカウントしたり、後述する台形動作を制御
したりするのは面倒であるから、一般に専用のサーボコ
ントローラが設けられ、このサーボコントローラがエン
コーダパルスに基づいた回転角度を管理する。
角毎にパルスを発生するエンコーダが用いられる。エン
コーダパルスを計数した回数とモータが回転した角度と
がリニアな関係にあるから、トラバース機構の変位がモ
ータの回転角度とリニアな関係になるように、例えば、
ボールネジを用いてモータとトラバース機構とを連結す
ればエンコーダパルスによる位置制御ができる。ただ
し、パルスをカウントしたり、後述する台形動作を制御
したりするのは面倒であるから、一般に専用のサーボコ
ントローラが設けられ、このサーボコントローラがエン
コーダパルスに基づいた回転角度を管理する。
【0006】サーボコントローラは、いわゆる台形動作
を行う。台形動作は、低速で回転を始め、直線的に加速
して高速に至り、それから一定速度を保ち、その後、直
線的に減速して停止する。その停止時に所望した回転角
度になるように、動作開始時に減速開始点が決定され
る。台形動作は、モータに無理を生じることなく、また
オーバーランを生じることなく、ある開始角度から目的
角度まで正確に移動することを目的としている。
を行う。台形動作は、低速で回転を始め、直線的に加速
して高速に至り、それから一定速度を保ち、その後、直
線的に減速して停止する。その停止時に所望した回転角
度になるように、動作開始時に減速開始点が決定され
る。台形動作は、モータに無理を生じることなく、また
オーバーランを生じることなく、ある開始角度から目的
角度まで正確に移動することを目的としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、工場の変電
設備においては、負荷の急激な増加等により供給電圧の
一時的な落ち込みが発生することがある。その落ち込み
の大きさによっては、工場内の機器の動作が保証できな
い電圧となり、停電に等しい状態となる。停電が直ぐに
復帰する場合でも、機器の動作が部分的に保証できない
ことがあり、これを瞬時停電として検知することが行わ
れる。瞬時停電が検知された場合、通常の停電の場合と
同じように機器を停止し、オペレータに警報で知らせ
る。機器の運転再開は自動若しくはオペレータの操作に
よって行われる。
設備においては、負荷の急激な増加等により供給電圧の
一時的な落ち込みが発生することがある。その落ち込み
の大きさによっては、工場内の機器の動作が保証できな
い電圧となり、停電に等しい状態となる。停電が直ぐに
復帰する場合でも、機器の動作が部分的に保証できない
ことがあり、これを瞬時停電として検知することが行わ
れる。瞬時停電が検知された場合、通常の停電の場合と
同じように機器を停止し、オペレータに警報で知らせ
る。機器の運転再開は自動若しくはオペレータの操作に
よって行われる。
【0008】パーンワインダの場合、運転を再開すると
きのトラバース機構の位置合わせが問題となる。前記の
ようにパーンワインダは、トラバース機構をサーボコン
トローラ等の電子回路で制御している、瞬時停電や通常
の停電(以下合わせて停電という)が起きたとき、トラ
バース機構は急には止まらず、惰性で動いて止まる。一
方、電子回路は停電のためにダウンしてしまう。エンコ
ーダパルスをトラバース機構が慣性で動いて止まるまで
計数することができない。従って、停電時にはトラバー
ス機構は不定の位置にあり、しかも電子回路はトラバー
ス機構の位置情報を失っていることになる。この状態で
運転を再開しようとしても、停電直前のトラバース位置
と再開するトラバース位置とを一致させることはできな
い。
きのトラバース機構の位置合わせが問題となる。前記の
ようにパーンワインダは、トラバース機構をサーボコン
トローラ等の電子回路で制御している、瞬時停電や通常
の停電(以下合わせて停電という)が起きたとき、トラ
バース機構は急には止まらず、惰性で動いて止まる。一
方、電子回路は停電のためにダウンしてしまう。エンコ
ーダパルスをトラバース機構が慣性で動いて止まるまで
計数することができない。従って、停電時にはトラバー
ス機構は不定の位置にあり、しかも電子回路はトラバー
ス機構の位置情報を失っていることになる。この状態で
運転を再開しようとしても、停電直前のトラバース位置
と再開するトラバース位置とを一致させることはできな
い。
【0009】ワープやフィリング等の巻取方式ではトラ
バース機構の往復経路を常時変化させて所定の仕上がり
形状を得ているため、巻取中に停電が起きて、巻取再開
時にトラバース位置がずれてしまうと、以後の往復経路
が全てずれることになり、仕上がり形状に不具合が生じ
てしまう。例えば、フィリングにおいて、巻取再開時に
トラバース位置がずれてしまうと、その後、成長する糸
部分がそれ以前の糸部分と離れたり重なったりするた
め、パーンに溝やこぶが形成されてしまう。
バース機構の往復経路を常時変化させて所定の仕上がり
形状を得ているため、巻取中に停電が起きて、巻取再開
時にトラバース位置がずれてしまうと、以後の往復経路
が全てずれることになり、仕上がり形状に不具合が生じ
てしまう。例えば、フィリングにおいて、巻取再開時に
トラバース位置がずれてしまうと、その後、成長する糸
部分がそれ以前の糸部分と離れたり重なったりするた
め、パーンに溝やこぶが形成されてしまう。
【0010】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、停電によるトラバース位置ずれを防止するワインダ
の巻取再開方法を提供することにある。
し、停電によるトラバース位置ずれを防止するワインダ
の巻取再開方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、トラバースガイドで糸をトラバースさせつ
つ巻き取る際に、停電を検知したときのトラバースガイ
ドの位置を記憶し、停電復帰後、トラバースガイドを上
記記憶した位置まで移動してから巻取を再開するもので
ある。
に本発明は、トラバースガイドで糸をトラバースさせつ
つ巻き取る際に、停電を検知したときのトラバースガイ
ドの位置を記憶し、停電復帰後、トラバースガイドを上
記記憶した位置まで移動してから巻取を再開するもので
ある。
【0012】
【作用】上記構成により、停電を検知したときのトラバ
ースガイドの位置が例えばバックアップメモリに記憶さ
れる。停電によって電子回路がダウンしてもバックアッ
プメモリは停電を検知した瞬間のトラバースガイドの位
置を保持する。一方、トラバースガイドは惰性で動いて
不定の位置で止まる。
ースガイドの位置が例えばバックアップメモリに記憶さ
れる。停電によって電子回路がダウンしてもバックアッ
プメモリは停電を検知した瞬間のトラバースガイドの位
置を保持する。一方、トラバースガイドは惰性で動いて
不定の位置で止まる。
【0013】停電復帰後、バックアップメモリに保持さ
れている位置を読みだし、トラバースガイドをその位置
まで移動する。これにより、停電が検知された瞬間のト
ラバース位置が再現され、停電前のトラバース位置と再
開するトラバース位置とが一致することになる。ここか
ら巻取を再開することにより、あたかも巻取中に停電が
なかったかのように巻取を達成することができる。
れている位置を読みだし、トラバースガイドをその位置
まで移動する。これにより、停電が検知された瞬間のト
ラバース位置が再現され、停電前のトラバース位置と再
開するトラバース位置とが一致することになる。ここか
ら巻取を再開することにより、あたかも巻取中に停電が
なかったかのように巻取を達成することができる。
【0014】なお、トラバースガイドの移動量をエンコ
ーダ等のパルスの計数で検知してトラバースを制御する
場合、パーンワインダが停電で停止したとき、停電直前
のパルスの計数値をバックアップメモリに記憶する。こ
の計数値は、パルスの計数を開始した位置、例えば、ト
ラバースガイドの原点からの移動量を示している。即
ち、パルスの計数値は相対的な位置情報なので、この計
数値からでは停電後の不定な位置にあるトラバースガイ
ドを直接、停電直前のトラバース位置に導くことはでき
ない。そこで、停電復帰後、いったんトラバースガイド
を原点に戻し、そこからパルスの計数を開始し、上記記
憶したパルスの計数値までトラバースガイドを移動させ
る。
ーダ等のパルスの計数で検知してトラバースを制御する
場合、パーンワインダが停電で停止したとき、停電直前
のパルスの計数値をバックアップメモリに記憶する。こ
の計数値は、パルスの計数を開始した位置、例えば、ト
ラバースガイドの原点からの移動量を示している。即
ち、パルスの計数値は相対的な位置情報なので、この計
数値からでは停電後の不定な位置にあるトラバースガイ
ドを直接、停電直前のトラバース位置に導くことはでき
ない。そこで、停電復帰後、いったんトラバースガイド
を原点に戻し、そこからパルスの計数を開始し、上記記
憶したパルスの計数値までトラバースガイドを移動させ
る。
【0015】
【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。
詳述する。
【0016】図2にはパーンワインダの機構部31が示
されている。機構部31は複数個のパーン(巻取パッケ
ージ)32を同時に巻き取ることができる。各パーン3
2は上下2段に分けて並べて配置される。パーン32は
横巻きを行うために起立させた状態で回転される。各パ
ーン32のスピンドル回転は、図示されない共通のスピ
ンドル駆動手段の回転をベルト等の伝達手段で伝達させ
て得る。トラバース動作は、上下2段に設けられた水平
アーム33の昇降によって行われる。水平アーム33に
は各パーン32の側方を通過するトラバースガイド34
が設けられている。駆動源はモータ35であり、水平ア
ーム33にはモータ35の回転運動を昇降運動に変換す
る昇降機構36が連結されている。トラバースガイド3
4のトラバース可能な範囲はパーン32の両端間であ
り、その範囲内でトラバースガイド34を任意の高さ位
置から他の位置までモータ35の回転角を制御すること
によってトラバースさせることができ、その速度もモー
タ35の回転速度で決めることができる。
されている。機構部31は複数個のパーン(巻取パッケ
ージ)32を同時に巻き取ることができる。各パーン3
2は上下2段に分けて並べて配置される。パーン32は
横巻きを行うために起立させた状態で回転される。各パ
ーン32のスピンドル回転は、図示されない共通のスピ
ンドル駆動手段の回転をベルト等の伝達手段で伝達させ
て得る。トラバース動作は、上下2段に設けられた水平
アーム33の昇降によって行われる。水平アーム33に
は各パーン32の側方を通過するトラバースガイド34
が設けられている。駆動源はモータ35であり、水平ア
ーム33にはモータ35の回転運動を昇降運動に変換す
る昇降機構36が連結されている。トラバースガイド3
4のトラバース可能な範囲はパーン32の両端間であ
り、その範囲内でトラバースガイド34を任意の高さ位
置から他の位置までモータ35の回転角を制御すること
によってトラバースさせることができ、その速度もモー
タ35の回転速度で決めることができる。
【0017】糸Yは水平アーム33の下方に装着したパ
ッケージ37から解舒し、パッケージ37上に固定され
た糸案内部38と昇降する水平アーム33のトラバース
ガイド34とを介して供給される。
ッケージ37から解舒し、パッケージ37上に固定され
た糸案内部38と昇降する水平アーム33のトラバース
ガイド34とを介して供給される。
【0018】図1には図2の機構部のトラバース動作を
制御するブロックが示されている。起立させたボールネ
ジ1とボールネジ1に噛み合せたボール軸受け2とが設
けられ、前記水平アーム33がボール軸受け2に取り付
けられることにより、水平アーム33を昇降させる昇降
機構36が構成されている。パーン32に糸Yを案内す
るトラバースガイド34と昇降機構36とによりトラバ
ース機構3が構成されている。ボールネジ1はモータ3
5の回転軸に直接又はギアヘッドを介して連結されてい
る。即ち、トラバース機構3はモータ35に連結されて
おり、モータ35を正逆回転させることによりトラバー
ス機構3が往復動作する。トラバースガイド34の高さ
位置はモータ35の回転角度とリニアな関係になる。
制御するブロックが示されている。起立させたボールネ
ジ1とボールネジ1に噛み合せたボール軸受け2とが設
けられ、前記水平アーム33がボール軸受け2に取り付
けられることにより、水平アーム33を昇降させる昇降
機構36が構成されている。パーン32に糸Yを案内す
るトラバースガイド34と昇降機構36とによりトラバ
ース機構3が構成されている。ボールネジ1はモータ3
5の回転軸に直接又はギアヘッドを介して連結されてい
る。即ち、トラバース機構3はモータ35に連結されて
おり、モータ35を正逆回転させることによりトラバー
ス機構3が往復動作する。トラバースガイド34の高さ
位置はモータ35の回転角度とリニアな関係になる。
【0019】モータ35には回転角度を検出するエンコ
ーダ4が取り付けられている。エンコーダ4は、例え
ば、モータ35に連動する回転円盤に所定間隔で多数の
小孔を設け、その小孔からの光の透過を検知するもので
ある。モータ35の回転中には光の検知信号が間欠して
パルス状となり、そのパルスの個数は回転角度に比例し
て得られる。
ーダ4が取り付けられている。エンコーダ4は、例え
ば、モータ35に連動する回転円盤に所定間隔で多数の
小孔を設け、その小孔からの光の透過を検知するもので
ある。モータ35の回転中には光の検知信号が間欠して
パルス状となり、そのパルスの個数は回転角度に比例し
て得られる。
【0020】また、トラバースガイド34のトラバース
可能範囲の下限位置には原点P0を示すためのセンサ
(図示せず)が取り付けられている。
可能範囲の下限位置には原点P0を示すためのセンサ
(図示せず)が取り付けられている。
【0021】本実施例では、エンコーダ4の出力は、カ
ウンタ部5とサーボコントローラ6とに入力されてい
る。カウンタ部5は、エンコーダ4の検出パルスを回転
方向に応じて加減計数するものである。トラバースガイ
ド34が原点P0の位置にあるときに零を設定しておく
ことにより、以後の計数値はトラバースガイド34の原
点P0からの距離に比例した値を示すようになる。サー
ボコントローラ6は、所望の回転方向・速度・目的角度
に応じて目的角度で停止するべく台形動作を演算してモ
ータ35を駆動するものであり、速度や角度の検出は、
エンコーダ4の出力パルスを内部で計数して行われる。
ウンタ部5とサーボコントローラ6とに入力されてい
る。カウンタ部5は、エンコーダ4の検出パルスを回転
方向に応じて加減計数するものである。トラバースガイ
ド34が原点P0の位置にあるときに零を設定しておく
ことにより、以後の計数値はトラバースガイド34の原
点P0からの距離に比例した値を示すようになる。サー
ボコントローラ6は、所望の回転方向・速度・目的角度
に応じて目的角度で停止するべく台形動作を演算してモ
ータ35を駆動するものであり、速度や角度の検出は、
エンコーダ4の出力パルスを内部で計数して行われる。
【0022】このパーンワインダには、瞬時停電を検知
する瞬時停電検知回路7が設けられている。本実施例で
は、瞬時停電検知回路7はパーンワインダのAC電源波
形を監視して、ピーク電圧の低下やサイクルの消失があ
れば瞬時停電と判定し、パーンワインダを停止させるも
のである。瞬時停電検知回路7は瞬時停電を検知したと
きに、瞬時停電の警報情報をバックアップメモリ8に書
き込むと共にカウンタ部5の計数値をバックアップメモ
リ8に転送することができる。バックアップメモリ8
は、図示されない電池により電源バックアップされたメ
モリであり、停電時にも内容を保持することができる。
する瞬時停電検知回路7が設けられている。本実施例で
は、瞬時停電検知回路7はパーンワインダのAC電源波
形を監視して、ピーク電圧の低下やサイクルの消失があ
れば瞬時停電と判定し、パーンワインダを停止させるも
のである。瞬時停電検知回路7は瞬時停電を検知したと
きに、瞬時停電の警報情報をバックアップメモリ8に書
き込むと共にカウンタ部5の計数値をバックアップメモ
リ8に転送することができる。バックアップメモリ8
は、図示されない電池により電源バックアップされたメ
モリであり、停電時にも内容を保持することができる。
【0023】以上の構成を用いた巻取動作を説明する。
【0024】ワープ巻取りにおいて、巻取の初期には上
の折り返し位置P1と下の折り返し位置P2は、図3
(a)に示されるように、ほぼ芯41の両端に近い点
b、点aに設定される。トラバース機構3は、この広い
幅でトラバースを行い、糸部分の径が増えるにつれて上
の折り返し位置P1を下げ、下の折り返し位置P2を上
げる。トラバースの幅が徐々に狭まることにより、最終
的に上の折り返し位置P1が点dに、下の折り返し位置
P2が点cになる。その結果、図示のようなトラバース
の軌跡を経てパーン42の正しい仕上がり形状が形成さ
れる。
の折り返し位置P1と下の折り返し位置P2は、図3
(a)に示されるように、ほぼ芯41の両端に近い点
b、点aに設定される。トラバース機構3は、この広い
幅でトラバースを行い、糸部分の径が増えるにつれて上
の折り返し位置P1を下げ、下の折り返し位置P2を上
げる。トラバースの幅が徐々に狭まることにより、最終
的に上の折り返し位置P1が点dに、下の折り返し位置
P2が点cになる。その結果、図示のようなトラバース
の軌跡を経てパーン42の正しい仕上がり形状が形成さ
れる。
【0025】フィリング巻取りにおいて、図3(b)に
示されるように、巻取の初期には芯41の一端に集中し
て糸を巻き取り双円錐状の糸部分43を形成する。次
に、下の折り返し位置P2が糸部分43の裾野である点
eに設定され、上の折り返し位置P1が点eから遠くな
い点fに設定される。トラバース機構3は、この狭い幅
でのトラバースを行い、糸が巻かれるにつれて徐々に上
の折り返し位置P1と下の折り返し位置P2とを平行し
て下げる。このようにして糸部分43に沿わせて新しい
糸部分が付け加えられる。下の折り返し位置P2が糸部
分43の頂点である点g=点cに達すると、下の折り返
し位置P2が点fに設定され、さらに新しい糸部分が付
け加えられるようになる。その結果、図示のようなトラ
バースの軌跡を経てパーン42の正しい仕上がり形状が
形成される。
示されるように、巻取の初期には芯41の一端に集中し
て糸を巻き取り双円錐状の糸部分43を形成する。次
に、下の折り返し位置P2が糸部分43の裾野である点
eに設定され、上の折り返し位置P1が点eから遠くな
い点fに設定される。トラバース機構3は、この狭い幅
でのトラバースを行い、糸が巻かれるにつれて徐々に上
の折り返し位置P1と下の折り返し位置P2とを平行し
て下げる。このようにして糸部分43に沿わせて新しい
糸部分が付け加えられる。下の折り返し位置P2が糸部
分43の頂点である点g=点cに達すると、下の折り返
し位置P2が点fに設定され、さらに新しい糸部分が付
け加えられるようになる。その結果、図示のようなトラ
バースの軌跡を経てパーン42の正しい仕上がり形状が
形成される。
【0026】次に、停電時の動作を説明する。
【0027】パーンワインダのAC電源に、ピーク電圧
の低下やサイクルの消失が生じると、瞬時停電検知回路
7が停電を検知し、パーンワインダを停止させる。瞬時
停電検知回路7は、瞬時停電が起きたことを復帰後に警
報するための警報情報をバックアップメモリ8に書き込
むと共にカウンタ部5の計数値をバックアップメモリ8
に転送する。カウンタ部5からバックアップメモリ8へ
転送される情報は、停電が検知された時点の最新のトラ
バースガイド34の位置Ptに対応する計数値である。
このバックアップメモリ8への書き込み、転送は、停電
により電子回路への電力供給が断たれるまえに終了す
る。一方、トラバース機構3にあっては停電により電力
供給が断たれ、惰性で動いて不定の位置で止る。
の低下やサイクルの消失が生じると、瞬時停電検知回路
7が停電を検知し、パーンワインダを停止させる。瞬時
停電検知回路7は、瞬時停電が起きたことを復帰後に警
報するための警報情報をバックアップメモリ8に書き込
むと共にカウンタ部5の計数値をバックアップメモリ8
に転送する。カウンタ部5からバックアップメモリ8へ
転送される情報は、停電が検知された時点の最新のトラ
バースガイド34の位置Ptに対応する計数値である。
このバックアップメモリ8への書き込み、転送は、停電
により電子回路への電力供給が断たれるまえに終了す
る。一方、トラバース機構3にあっては停電により電力
供給が断たれ、惰性で動いて不定の位置で止る。
【0028】停電復帰後、トラバースガイド34が原点
P0に戻される。このときカウンタ部5が零にクリアさ
れる。次いでカウンタ部5でエンコーダ4のパルスを計
数しながら、トラバースガイド34が移動される。カウ
ンタ部5の計数値がバックアップメモリ8に記憶されて
いる計数値に等しくなるとトラバースガイド34が停止
される。このときのトラバースガイド34の位置は位置
Ptとなる。停電が検知された瞬間のトラバース位置が
再現され、停電前のトラバース位置と再開するトラバー
ス位置とが一致することになる。これより巻取が再開さ
れる。
P0に戻される。このときカウンタ部5が零にクリアさ
れる。次いでカウンタ部5でエンコーダ4のパルスを計
数しながら、トラバースガイド34が移動される。カウ
ンタ部5の計数値がバックアップメモリ8に記憶されて
いる計数値に等しくなるとトラバースガイド34が停止
される。このときのトラバースガイド34の位置は位置
Ptとなる。停電が検知された瞬間のトラバース位置が
再現され、停電前のトラバース位置と再開するトラバー
ス位置とが一致することになる。これより巻取が再開さ
れる。
【0029】図3(c)には、形状不良のパーン42が
示されている。凹部44は従来の方法でフィリング巻取
を行っている途中で停電が発生しトラバースの位置ずれ
が起きたために生じたものである。本発明の方法では、
トラバースの位置ずれが解消されていることにより、あ
たかも巻取中に停電がなかったかのように図3(a)や
図3(b)のように巻取を達成することができる。
示されている。凹部44は従来の方法でフィリング巻取
を行っている途中で停電が発生しトラバースの位置ずれ
が起きたために生じたものである。本発明の方法では、
トラバースの位置ずれが解消されていることにより、あ
たかも巻取中に停電がなかったかのように図3(a)や
図3(b)のように巻取を達成することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
る。
【0031】(1)停電によるトラバース位置ずれがな
くなるので、パーン形状の不良発生が低減されることに
なる。
くなるので、パーン形状の不良発生が低減されることに
なる。
【図1】本発明によるトラバース動作を制御するブロッ
クのブロック図である。
クのブロック図である。
【図2】パーンワインダの機構部の側面図である。
【図3】パーンの形状及び巻取方法を示すための(a)
ワープ巻取によるパーンの断面図、(b)フィリング巻
取によるパーンの断面図、(c)フィリング巻取の失敗
によるパーンの断面図である。
ワープ巻取によるパーンの断面図、(b)フィリング巻
取によるパーンの断面図、(c)フィリング巻取の失敗
によるパーンの断面図である。
4 エンコーダ 5 カウンタ部 7 瞬時停電検知回路 8 バックアップメモリ 34 トラバースガイド
Claims (1)
- 【請求項1】 トラバースガイドで糸をトラバースさせ
つつ巻き取る際に、停電を検知したときのトラバースガ
イドの位置を記憶し、停電復帰後、トラバースガイドを
上記記憶した位置まで移動してから巻取を再開すること
を特徴とするワインダの巻取再開方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5275559A JP2560998B2 (ja) | 1993-11-04 | 1993-11-04 | ワインダの巻取再開方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5275559A JP2560998B2 (ja) | 1993-11-04 | 1993-11-04 | ワインダの巻取再開方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07125917A JPH07125917A (ja) | 1995-05-16 |
JP2560998B2 true JP2560998B2 (ja) | 1996-12-04 |
Family
ID=17557139
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5275559A Expired - Lifetime JP2560998B2 (ja) | 1993-11-04 | 1993-11-04 | ワインダの巻取再開方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2560998B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3676481B2 (ja) * | 1996-03-07 | 2005-07-27 | 三菱電機株式会社 | 空気調和機の電子膨張弁制御装置 |
DE19646564B4 (de) * | 1996-11-12 | 2005-07-14 | Saurer Gmbh & Co. Kg | Kreuzspulen herstellende Textilmaschine |
JP3951941B2 (ja) * | 2003-03-17 | 2007-08-01 | 村田機械株式会社 | 自動ワインダ |
-
1993
- 1993-11-04 JP JP5275559A patent/JP2560998B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07125917A (ja) | 1995-05-16 |
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