JP2560487B2 - 車両用無段変速機の速度比制御装置 - Google Patents

車両用無段変速機の速度比制御装置

Info

Publication number
JP2560487B2
JP2560487B2 JP22814689A JP22814689A JP2560487B2 JP 2560487 B2 JP2560487 B2 JP 2560487B2 JP 22814689 A JP22814689 A JP 22814689A JP 22814689 A JP22814689 A JP 22814689A JP 2560487 B2 JP2560487 B2 JP 2560487B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
speed
speed ratio
relationship
road surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP22814689A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0392665A (ja
Inventor
雅司 水越
敏幸 滝本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP22814689A priority Critical patent/JP2560487B2/ja
Publication of JPH0392665A publication Critical patent/JPH0392665A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2560487B2 publication Critical patent/JP2560487B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Transmissions By Endless Flexible Members (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、車両用無段変速機の速度比制御装置に関す
るものである。
従来の技術 エンジンの回転を無段階に変速して駆動輪へ伝達する
無段変速機を備えた車両が知られている。このような車
両においては、たとえば、特開昭59−144850号に記載さ
れているように、車両のスロットル弁開度と車速に基づ
いて決定された目標入力軸回転速度と無段変速機の入力
軸回転速度とが一致するように速度比が制御される。こ
れにより、最適曲線に沿ってエンジンが作動させられ
て、良い燃費率が得られるようになっている。そして、
上記のように無段変速機を備えた車両において、車両の
制動操作に関連して車輪のスリップ状態を所定の範囲内
に維持するようにブレーキ液圧を自動的に調節するアン
チロックブレーキ装置を備える場合がある。しかし、こ
のような場合には、車両の制動に際して、充分なアンチ
ロック作動が得られ難い場合があった。すなわち、無段
変速機の速度比制御においては、車両の駆動輪とともに
回転する部材の回転速度から車速(以下、駆動輪車速と
いう)を検出し、少なくともその駆動輪車速に基づいて
速度比を調節するのであるが、車両のブレーキング操作
により上記駆動輪車速が急速に低下すると、速度比が急
速に最減速側へ変化させられて、駆動輪にエンジンブレ
ーキ作用が加えられる。このため、車両のブレーキ操作
時においてアンチロックブレーキ装置の作動によって制
動力が低くされても、駆動輪車速が車体速度まで復帰せ
ず、アンチロック作用が阻害される場合があったのであ
る。
これに対し、特願平1−56767号に記載されているよ
うに、アンチロックブレーキ装置(所謂ABS装置)が作
動している期間中には、それまで用いられていた速度比
を増速側の値に切り換えるようにする速度比制御装置が
提案されている。このような装置であれば、路面摩擦係
数が大幅に低い凍結路などを走行しているときの制動時
には、速度比が急速に減速側へ変化させられることに起
因するエンジンブレーキ作用によりアンチロックブレー
キ作用が阻害されることが防止される特徴がある。
発明が解決すべき課題 ところで、たとえば凍結路面から圧雪路面へのよう
に、車両の制動中における路面摩擦係数が変化する場合
がある。このような場合には、前述のように、低摩擦路
面用の関係に基づいて速度比が増速側へ制御されると、
無段変速機の速度比が最減速側へ戻る前に車両が停止す
るように車両の再発進時に駆動力が不足し、再発進が困
難になる場合があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであ
り、その目的とするところは、車両のアンチロックブレ
ーキ作動中において路面摩擦係数が変化する場合でも、
車両が停止する際には無段変速機の速度比が最減速側へ
戻され、車両の再発進時の駆動力が充分に得られるよう
にした車両用無段変速機の速度比制御装置を提供するこ
とにある。
課題を解決するための手段 斯る目的を達成するための本発明の要旨とするところ
は、エンジンの回転を無段階に変速して駆動輪へ伝達す
る無段変速機と、車両の制動操作に関連して車輪のスリ
ップ状態を所定の範囲に維持するように制動力を調節す
るアンチロックブレーキ装置とを備えた車両において、
予め記憶された関係から少なくとも実際の駆動輪車速に
基づいて目標値を決定し、実際のエンジン回転速度或い
は速度比がその目標値となるように速度比を調節する形
式の速度比制御装置であって、(a)速度比制御のため
の複数種類の関係を記憶する記憶手段と、(b)前記車
両の車体減速度を逐次検出する車体減速度検出手段と、
(c)前記アンチロックブレーキ装置の作動中におい
て、前記車体減速度に基づいて前記複数種類の関係から
路面摩擦状態に適した関係を選択する選択手段とを含む
ことにある。
作用および発明の効果 このようにすれば、車体減速度は路面摩擦係数に対応
するので、選択手段により、実際の車体減速度に基づい
て前記複数種類の関係から路面摩擦状態に適した関係が
選択されることにより、アンチロックブレーキ制御中に
路面の摩擦係数が変化しても、その路面摩擦状態に対応
した関係により速度比が制御される。したがって、たと
えば、アンチロックブレーキ装置の作動中に路面摩擦係
数が大幅に低い凍結路面からその路面摩擦係数よりもや
や大きい路面摩擦係数の圧雪路面に変化しても、車両が
停止する際には無段変速機の速度比が最減速側へ戻され
て、車両の再発進時の駆動力が充分に得られるようにな
る。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第1図において、エンジン10の回転は、ロックアップ
クラッチ12を並列に備えたフルードカップリング14を介
してベルト式無段変速機(CVT)16へ伝達され、このベ
ルト式無段変速機16により無段階に変速された後、前後
進切替装置18および差動歯車装置20を介して左右の駆動
輪(前輪)22および24へ伝達されるようになっている。
上記フルードカップリング14では、CVT用油圧制御回
路26から供給される作動油の流通方向が変化させられる
ことにより、ロックアップクラッチ12が解放させられた
り或いは係合させられたりする。上記CVT用油圧制御回
路26は、たとえば、特開昭61−2957号公報に記載された
油圧制御回路や、特開昭64−49749号に記載された油圧
制御回路と同様に構成されている。
また、上記ベルト式無段変速機16は、フルードカップ
リング14を介してエンジン10に連結された入力軸28と、
前後進切替装置18および差動歯車装置20を介して左右の
駆動輪22および24に連結された出力軸30と、それら入力
軸28および出力軸30にそれぞれ設けられた有効径が可変
な一対の可変プーリ32および34と、それら一対の可変プ
ーリ32および34に巻き掛けられた伝動ベルト36とを備え
ている。このため、CVT用油圧制御回路26によって一対
の可変プーリ32および34の挟圧力(推力)をそれぞれ付
与する一対の油圧シリンダの一方へ作動油が供給され且
つ他方から作動油が排出させられることにより、速度比
e(=出力軸30の回転速度Nout/入力軸28の回転速度
Nin)が変化させられるようになっている。
また、上記前後進切替装置18は、遊星歯車機構、前進
用クラッチ、および後進用ブレーキを備えており、シフ
トレバー37と機械的に連動するマニュアルバルブ38によ
って、Dレンジなどの前進レンジまたはRレンジへの操
作に応じて供給される作動油に従って前進用クラッチま
たは後進用ブレーキが選択的に作動させられることによ
り、車両が前進または後進させられるようになってい
る。また、上記シフトレバー37がPレンジ或いはNレン
ジへ操作されて上記前進用クラッチおよび後進用ブレー
キが共に作動させられない場合には、前後進切替装置18
内において動力伝達が遮断されるようになっている。
エンジン10の回転速度を検出するためのエンジン回転
センサ40からはエンジン回転速度Neを表す信号が、エン
ジン10に対する要求出力を検出するためのスロットルセ
ンサ42からはスロットル弁開度θを表す信号が、入力軸
28の回転速度を検出するための第1回転センサ44からは
入力軸回転速度Ninを表す信号が、出力軸30の回転速度
を検出するための第2回転センサ46からは出力軸回転速
度Noutを表す信号が、ブレーキペダル48の操作を検出す
るためのブレーキセンサ50からはブレーキ操作を表す信
号が、それぞれCVT用のECU(電子制御装置)51へ供給さ
れている。このCVT用ECU51は、CPU、ROM、RAMを含む所
謂マイクロコンピュータであって、そのCPUはRAMの記憶
機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従
って入力信号を処理し、前記CVT用油圧制御回路26にロ
ックアップクラッチ12の係合状態、ベルト式無段変速機
16の速度比などを制御させる。
たとえば、CVT用ECU51において、ロックアップクラッ
チ12に関しては、予め記憶された前後進切替装置18およ
び差動歯車装置20の減速比、駆動輪の径などから出力軸
回転速度Noutに基づいて実際の車速(駆動輪車速)SPD
が算出される一方、実際の車速SPDが予め定められた比
較的低い係合時の判断基準車速、たとえば20km/hを超え
るとロックアップクラッチ12を係合させ、実際の車速SP
Dが予め定められた比較的低い解放時の判断基準車速、
たとえば15km/hを下まわるとロックアップクラッチ12を
解放させる。
また、CVT用ECU51において、ベルト式無段変速機16に
関しては、燃費および運転性能を考慮した最適曲線に沿
ってエンジン10を作動させるための予め記憶された関係
から実際のスロットル弁開度θおよび車速SPDに基づい
て目標入力軸回転速度Nin が決定され、この目標入力
軸回転速度Nin と実際の入力軸回転速度Ninとが一致す
るようにベルト式無段変速機16の速度比が調節される。
或いは、入力軸回転速度Ninおよび出力軸回転速度Nout
から実際のベルト式無段変速機16の速度比eが算出され
た後、最適曲線に沿ってエンジン10を作動させるための
予め記憶された関係から実際のスロットル弁開度θおよ
び車速SPDに基づいて目標速度比eが決定され、この
目標速度比eと実際の速度比eとが一致するようにベ
ルト式無段変速機16の速度比eが調節される。目標速度
比e、目標入力軸回転速度Nin 、および車速SPDに対
応する出力軸回転速度Noutの間には、e=Nout/Nin
なる関係があるから、上記の前者の制御と後者の制御と
は実質的に同じである。第2図は、上記の関係の一例を
示すものである。そして、本実施例では、第3図に示す
ように、Lレンジが選択されたときに速度比制御に使用
されるLレンジ用の関係、Dレンジが選択されたときに
使用されるDレンジ用の関係、および路面摩擦係数が低
いときに使用される低μ路用の関係が、記憶手段として
機能する前記ROM内に予め記憶されている。上記低μ路
用の関係は、凍結路や圧雪路などのように摩擦抵抗が低
い路面の制動時に車輪にスリップが発生し、そのスリッ
プを所定の範囲に維持しようとするアンチロックブレー
キ作動が行われたとき、速度比制御における速度比を通
常の路面よりも増速側になるようにして、駆動輪22、24
のエンジンブレーキを少なくし、アンチロックブレーキ
作用が行われないように決定されたものである。なお、
第3図の関係は、一定のスロットル開度についてのみ記
載されている。
一方、本実施例の車両には、制動操作に関連して車輪
のスリップ状態を所定の範囲内に維持するようにブレー
キ液圧を自動的に調節するアンチロックブレーキ装置が
設けられている。すなわち、車両の左右の前輪22および
24と左右の後輪52および54とには、それぞれの回転速度
を検出するための車輪回転センサ56、58、60、62がそれ
ぞれ設けられており、それら車輪回転センサ56、58、6
0、62からは各車輪22、24、52、54の回転速度を表す信
号がABS用ECU(電子制御装置)64へ供給されている。ま
た、そのABS用ECU64には、前記ブレーキセンサ50からの
ブレーキ操作を表す信号が供給されている。ABS用ECU64
も、CPU、ROM、RAMを含む所謂マイクロコンピュータで
あって、そのCPUはRAMの記憶機能を利用しつつ予めROM
に記憶されたプログラムに従って入力信号を処理し、AB
S用油圧制御回路66などを制御する。たとえば、ブレー
キ操作が開始されたことを条件として、最もスリップし
ていない車輪の回転速度から推定車体速度Vs0を算出す
るとともに、この推定車体速度Vs0と制動時の各車輪の
実際の回転速度(平均値)からの車速VWmeanとに基づい
て駆動輪のスリップ率S〔=(Vs0−VWmean)/Vs0〕を
算出し、そのスリップ率Sが所定値以上大きい場合に
は、ABS制御を開始させるとともに、上記スリップ率S
が所定の範囲内となるようにABS用油圧制御回路66に各
車輪の制動力を調節させる。上記所定の範囲とは、大き
な路面摩擦係数μが維持でき且つコーナリングフォース
も確保できる予め定められた領域である。よく知られて
いるように、ABS用油圧制御回路66は、ポンプ、ダン
パ、リザーバ、制御弁などを備えたマスタシリンダ68と
各車輪に設けられたホイールシリンダ70、72、74、76と
の間に配置され、ABS用ECU64からの指令に従って各ホイ
ールシリンダ70、72、74、76への油圧を減圧、増圧、或
いは保持することにより各車輪の制動力をそれぞれ調節
する。
以下、上記CVT用ECU51およびABS用ECU64の作動の要部
を、第3図および第4図のフローチャートに従って説明
する。
第4図は、CVT用ECU51において所定時間、たとえば8m
s毎に繰り返し実行される割込ルーチンを示している。
先ず、ステップSC1においては車両のブレーキペダル48
が操作されたか否かがブレーキセンサ50からの信号に基
づいて判断される。このステップSC1においてブレーキ
が操作されていないと判断された場合には本ルーチンが
終了させられるが、ブレーキが操作されていると判断さ
れた場合にはステップSC2において制御信号CVT.CONTがA
BS用ECU64からCVT用ECU51へ供給されているか否かが判
断される。上記ステップSC2において制御信号CVT.CONT
が供給されていると判断された場合にはステップSC3が
実行されることにより第3図の低μ路用の関係が選択さ
れるが、ステップSC2において制御信号CVT.CONTが供給
されていないと判断された場合にはステップSC4が実行
されることによりシフトレバー37の操作位置に対応した
通常の関係、すなわち第3図のDレンジ用の関係或いは
Lレンジ用の関係が選択され、その後本ルーチンが終了
される。したがって、本実施例では、上記ステップSC2
が低μ路用の関係および通常の関係の一方を制御信号CV
T.CONTにしたがって選択する選択手段に対応している。
CVT用ECU51では、上記ステップSC3またはSC4により選択
され関係から実際のスロットル弁開度θおよび車速SPD
に基づいて目標速度比eが決定され、その目標速度比
が得られるように実際の速度比eが調節されるので
ある。
第5図は、ABS用ECU64において所定時間、たとえば8m
s毎に繰り返し実行される割込ルーチンを示している。
先ず、ステップSA1においてABS制御の作動中であるか否
かが判断される。そのステップSA1においてABS制御の作
動中でないと判断された場合には、ステップSA2におい
てABS制御の作動中を表す制御信号CVT.CONTを記憶する
ためのレジスタCVT.CONTの内容が「0」にクリアされ、
且つステップSA3において低μフラグFμの内容が
「0」にリセットされた後、本割込ルーチンが終了させ
られる。この低μフラグFμは、路面摩擦係数が低いと
判断された状態を示している。この状態では、制御信号
CVT.CONTがCVT用ECU51へ出力されないので、低μ路用の
関係から他の通常の関係へ切り換えられる。
しかし、ステップSA1においてABS制御の作動中である
と判断された場合には、ステップSA4においてABS制御が
開始されてから最初のサイクル、すなわち1回目のサイ
クルであるか否かが判断され、最初のサイクルであると
判断された場合には、ステップSA5においてタイマカウ
ンタABSの計時内容がクリアされるとともに、ステップS
A6においてレジスタCVT.CONTの内容が「1」にセットさ
れることにより制御信号CVT.CONTがABS用ECU64からCVT
用ECU51へ出力される。これにより、第3図の低μ路用
の関係を用いて速度比制御が実行される。そして、ステ
ップSA7において、駆動輪22、24の回転速度の平均値に
基づく駆動輪平均車速VWmeanが低μ路判断基準値VSLよ
り上回っているか否かが判断される。上記低μ路判断基
準値VSLは、推定車体速度Vs0に1以下の所定の係数χ
(=1−所定の判断基準スリップ率たとえば0.2)を掛
けることにより予め算出されたものである。
上記ステップSA7において実際の駆動輪平均車速V
Wmeanが低μ路判断基準値(スリップ量)VSLより上回っ
ていると判断された場合には、路面の摩擦係数が大きい
状態であるのでステップSA8の実行がスキップされた
後、本ルーチンが終了させられる。しかし、ステップSA
7において実際の駆動輪平均車速VWmeanが低μ路判断基
準値VSL以下であると判断された場合には、路面の摩擦
係数が小さい状態であるので、ステップSA8において低
μフラグFμの内容が「1」にセットされる。すなわ
ち、制動に際して路面の摩擦係数が低い場合には車輪の
スリップが発生して駆動輪平均車速VWmeanが低下するの
で、この駆動輪平均車速VWmeanの低下を利用して路面摩
擦の低下を検出するのである。
前記ステップSA4においてABS制御が開始されてから最
初のサイクルではないと判断された場合には、ステップ
SA9においてタイマカウンタABSの計時が開始された後、
ステップSA10においてタイマカウンタABSの計数内容が
予め定められた判断基準値αmsecに到達したか否かが判
断される。上記ステップSA10においてタイマカウンタAB
Sの計数内容が判断基準値αmsecに到達していないと判
断された場合にはステップSA7以下が再び実行される
が、タイマカウンタABSの計数内容が判断基準値αmsec
に到達したと判断された場合にはステップSA11において
タイマカウンタABSの計時が停止された後、前述のステ
ップSA7およびSA8と同様のステップSA12およびSA13が実
行される。なお、上記判断基準値αmsecは、ABS作動開
始直後の推定車体速度Vs0の不安定領域を通過したか否
かを判断するためのものである。また、上記ステップSA
12およびSA13は、路面の摩擦状態を確実に判断させるた
めのものである。
続くステップSA14においては低μフラグFμの内容が
「1」であるか否かが判断される。このステップSA14に
おいて、低μフラグFμの内容が「1」であれば、前記
ステップSA6と同様のステップSA15が実行されてレジス
タCVT.CONTの内容が「1」にセットされるが、低μフラ
グFμの内容が「0」であれば、ステップS16において
レジスタCVT.CONTの内容が「0」にクリアされてそれま
でのABS用ECU64からCVT用ECU51への制御信号CVT.CONTの
送信が停止される。
次いで、ステップSA17においてレジスタCVT.CONTの内
容が「1」であるか否かが判断され、「1」でない場合
には本ルーチンが終了させられるが、「1」である場合
には、ステップSA18乃至SA21が実行される。すなわち、
ステップSA18では、図示しないメインルーチンにおいて
逐次求められている推定車体速度Vs0から車体減速度G
が求められる。すなわち、このステップSA18では、前回
の推定車体速度Vs0(i-1)と今回の推定車体速度Vs0(i)
の差ΔV(i)が次式(1)から求められるとともに、この
ようにしてn回前(たとえば3乃至4回前)に求められ
た値ΔV(i-n)から上記今回の値V(i)までの平均値を次式
(2)に従って算出することにより実際の車体減速度G
が求められる。
ΔV(i)=ΔVs0(i)−Vs0(i-1) ・・・(1) 但し、上記Δtは本ルーチンの割込周期、上記Cは定
数である。
本実施例では、上記ステップSA18が車体減速度検出手
段として機能している。
そして、ステップSA19では、実際の減速度Gが予め定
められた低μ判断基準値(減速度)βより大きいか否か
が判断される。この低μ判断基準値βは、実際の路面摩
擦状態を判断するための加速度値であり、第3図の低μ
路用の関係を継続的に用いることが適している路面摩擦
状態の範囲の最大値に対応した値である。ABS制御中は
車輪の摩擦係数が最大となるようにスリップ率が制御さ
れるためにその路面における最大減速度が得られること
から、ABS制御中の車体減速度Gは走行路面の摩擦抵抗
を反映するので、実際の車体減速度Gの大きさにより路
面摩擦抵抗の変化を判断できるのである。
上記ステップSA19において実際の車体減速度Gが低μ
判断基準値βより大きくはないと判断された場合には、
路面摩擦抵抗が低い状態であるので本ルーチンが終了さ
せられるが、実際の車体減速度Gが低μ判断基準値βよ
り大きいと判断された場合には、路面摩擦抵抗が高くな
ったことを示すので、ステップSA20において低μフラグ
Fμの内容が「0」にリセットされるとともに、ステッ
プSA21において制御信号CVT.CONTの出力が停止されてCV
T用ECU51における速度比制御の関係がシフトレバー37の
操作により選択されているレンジに対応した通常の関
係、すなわちDレンジ用の関係或いはLレンジ用の関係
に戻される。
上述のように、本実施例によれば、アンチロックブレ
ーキ装置の作動中においてたとえば凍結路から圧雪路へ
或いは圧雪路からや舗装路へ切り換わることにより路面
摩擦抵抗が高くなった場合には、ステップSA19において
実際の車両減速度Gが低μ判断基準値βより大きいと判
断されて、それまで用いられていた低μ路用の関係から
通常の関係へ切り換えられるので、車両が停止する際に
はベルト式無段変速機16の速度比が最減速側へ戻され
て、車両の再発進時の駆動力が充分に得られるようにな
る。第6図は、上記本実施例の作用を示すタイムチャー
トである。図におけるA時点は、路面摩擦抵抗が高くな
ったときを示している。
因に、ABS作動の開始とともに低μ路用の関係に切り
換えられ、その関係から速度比が継続的に制御される従
来の制御装置では、たとえば、低μ路におけるABS作動
は損なわれない。しかし、制動中に路面摩擦抵抗が高く
なっても速度比制御のための関係が低μ路用の関係から
通常の関係に戻されないので、第7図に示すように、車
両の停止時には速度比eが最減速側へ戻されず、再発進
が困難になる場合があったのである。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明した
が、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例では、アンチロックブレーキ
装置の作動開始からα時間経過後に、車体減速度Gの大
きさに基づいて低μ路用の関係から通常の関係への切換
えが行われているが、前記ステップSA10を除去すること
により、アンチロックブレーキ装置の作動開始から直ち
にステップSA17以下が実行されるようにしてもよい。
また、前述の第5図のフローチャートには、スリップ
量から車両の路面の摩擦抵抗の状態を検出するステップ
SA12乃至SA13が設けられていたが、必ずしも設けられて
いなくてもよいのである。
また、前述の実施例では、車体減速度Gが(1)式お
よび(2)式から算出されるようになっていたが、車体
に設けられた加速度センサからの信号に基づいて直接的
に検出されてもよいのである。
また、前述の実施例では、1種類の低μ路用の関係が
用いられていたが、2種類以上の低μ路用の関係が予め
記憶され、車体減速度Gの大きさに従って複数段階に選
択されるようにしてもよい。
また、前述の実施例では、車体減速度検出手段として
機能するABS用ECU64から制御信号CVT.CONTがCVT用ECU51
へ送信されるように構成されているが、CVT用ECU51にも
車輪回転センサ56、58、60、62からの信号を供給し、CV
T用ECU51内で車体減速度Gを算出するように構成しても
よい。
また、前述の実施例においてはベルト式無段変速機16
について説明されているが、他の形式の無段変速機であ
ってもよい。
また、前述の実施例においてはFF車両の場合であった
が、FR車両の場合についても本発明が適用され得る。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であ
り、本発明はその精神を逸脱いない範囲において種々変
更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を含む車両の動力伝達制御
機構およびブレーキ制御機構を示すブロック線図であ
る。第2図および第3図は、第1図の速度比制御に用い
られる関係を示す図である。第4図および第5図は、第
1図の実施例における制御作動の要部をそれぞれ示すフ
ローチャートである。第6図は、第4図のフローチャー
トの実行により得られる作動を示すタイムチャートであ
る。第7図は、従来の制御装置における第6図に相当す
る図である。 10:エンジン 16:ベルト式無段変速機(無段変速機) 22:左前輪(駆動輪) 24:右前輪(駆動輪) 51:CVT用ECU(記憶手段、選択手段) 64:ABS用ECU(車体減速度検出手段)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの回転を無段階に変速して駆動輪
    へ伝達する無段変速機と、車両の制動操作に関連して車
    輪のスリップ状態を所定の範囲に維持するように制動力
    を調節するアンチロックブレーキ装置とを備えた車両に
    おいて、予め記憶された関係から少なくとも実際の駆動
    輪車速に基づいて目標値を決定し、実際のエンジン回転
    速度或いは速度比が該目標値となるように速度比を調節
    する形式の速度比制御装置であって、 速度比制御のための複数種類の関係を記憶する記憶手段
    と、 前記車両の車体減速度を逐次検出する車体減速度検出手
    段と、 前記アンチロックブレーキ装置の作動中において、前記
    車体減速度に基づいて前記複数種類の関係から路面摩擦
    状態に適した関係を選択する選択手段と を含むことを特徴とする車両用無段変速機の速度比制御
    装置。
JP22814689A 1989-09-01 1989-09-01 車両用無段変速機の速度比制御装置 Expired - Lifetime JP2560487B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22814689A JP2560487B2 (ja) 1989-09-01 1989-09-01 車両用無段変速機の速度比制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22814689A JP2560487B2 (ja) 1989-09-01 1989-09-01 車両用無段変速機の速度比制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0392665A JPH0392665A (ja) 1991-04-17
JP2560487B2 true JP2560487B2 (ja) 1996-12-04

Family

ID=16871950

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22814689A Expired - Lifetime JP2560487B2 (ja) 1989-09-01 1989-09-01 車両用無段変速機の速度比制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2560487B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6125576B2 (ja) * 2015-07-29 2017-05-10 本田技研工業株式会社 ベルト式無段変速機のプーリ側圧制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0392665A (ja) 1991-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2832281B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
US5819897A (en) Braking force control system for motor vehicle furnished with starting clutch
EP0893626B1 (en) Transmission control system for and method of automotive vehicle with continuously variable automatic transmission
GB2263519A (en) System for controlling a continuously-variable transmission for a motor vehicle
US5199399A (en) System and method for controlling idling speed for internal combustion engine linked to belt type electro-continuously variable transmission
US5012910A (en) Transmission ratio control system for a continuously variable transmission
JP3343679B2 (ja) 車両用動力伝達装置の制御装置
KR20000016207A (ko) 무단변속기(cvt)의 제어방법
JP3536523B2 (ja) 車両用駆動力制御装置
JPH0885373A (ja) 自動変速機付車両の制動制御装置
JP2560487B2 (ja) 車両用無段変速機の速度比制御装置
JP2687610B2 (ja) 車両用無段変速機の速度比制御装置
JP2580788B2 (ja) 車両用無段変速機の速度比制御装置
JPH09210093A (ja) 発進クラッチの制御装置
JP3453986B2 (ja) 無段自動変速機の変速制御装置
JP2003336666A (ja) オートマチックトランスミッションに配属されたクラッチのスリップを調整する方法
JP2527026B2 (ja) 車両用無段変速機の速度比制御装置
JP2527034B2 (ja) 車両用無段変速機の変速比制御装置
JP2527027B2 (ja) 車両用無段変速機の速度比制御装置
JPH03103660A (ja) 車両用無段変速機の変速比制御装置
JP4910298B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
KR100309150B1 (ko) 자동변속기의킥다운4→2다운쉬프트변속제어방법
JPH112317A (ja) アンチロックブレーキ装置付車両の自動変速機制御装置
JP2019078385A (ja) 車両用駆動装置
JP2970917B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070919

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 13

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090919

EXPY Cancellation because of completion of term