JP2560309Y2 - 浄化・活水器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、主として水道水の浄化
及び活性化をもたらす浄化・活水器に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、水資源の環境汚染が注目され、飲
料水の汚染も例外ではない。従って、水道水の浄化を目
的とする浄水器が多用されており、主として活性炭層を
通過させて浄化するのがほとんどであった。

【０００３】又、活性炭や軽石、或いはサンゴ砂等の表
面に銀を付着させた殺菌浄化剤層を通過させ、水中の雑
菌を処理する方法も提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、これら従来
の浄化器にあっては、水中の夾雑物の除去及び殺菌が主
であって、無機質イオンを溶出したり水の活性化をもた
らす、いわゆる水のうまみを与える機能を備えた機器は
少なく、又、ハンデイタイプのものもほとんどなかっ
た。本考案は、主として水道水の浄化機能と水のうまみ
を与える機能とを兼ね備えた、コンパクトな浄化・活水
器を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、以上の目的を
達成するために次の構成を採用するものである。即ち、
下部に注入口を設けた密閉された外箱の内部に、上部に
水の流入口を設けた密閉された内箱を設置し、当該内箱
内に上段よりセラミック多孔層、活性炭層、四三酸化鉄
と場合によっては硫化鉄との粒状体第１層、麦飯石第１
層、繊維活性炭層、サンゴ砂層、麦飯石層第２層、四三
酸化鉄と場合によっては硫化鉄との粒状体第２層の各層
となるよう充填し、下端の開口部が粒状体第２層に臨む
と共に、上端部が内箱及び外箱の蓋部をつらぬく流出管
を備えてなる浄化・活水器にかかるものである。

【０００６】そして、粒状体第１層は粒状体第２層より
も大径の粒状体であり、活性炭層と粒状体第１層間及び
麦飯石第２層と粒状体第２層間に不織布を挟持してな
り、好ましくは、注入口近傍に磁石を備えた浄化・活水
器にかかるものである。

【０００７】

【作用】本考案にあっては、注入された水の流れの方向
に向かって、ゴミ等の除去、浄化、水の活性化をもたら
すものであり、基本的にはこれらの各処理が２度繰り返
される構造となっている。このため、水の浄化・活水化
が確実になされるものである。

【０００８】さて、セラミック多泡体層は１インチ長当
り１０〜２０個のセルをもつ多泡体であり、第１の活性
炭層は例えば１０〜３０メッシュの粒状体である。これ
らの層を通過した水は残留塩素や有機物、化学物質、雑
菌等を除去することとなる。又、四三酸化鉄の、場合に
よっては硫化鉄と一体となった直径が略１０ｍｍ程の粒
状体層にあっては、注入口に設けた磁石体と相まって、
いわゆる水分子にの集合体を小さくし、又、水のπ化を
もたらすものである。この水分子の集合体を小さくする
ことは、マイルドな味わいをもたらすものであり、又、
水がπ化されていわゆるπウオ−タ−とされて活性化さ
れ、更に、麦飯石層、サンゴ砂層はカルシウムイオンや
マグネシウムイオン等の、いわゆるミネラル分であるイ
オンを水中に溶出する層であって、かつ又、これは水を
弱アルカリ性とするものである。尚、この麦飯層とサン
ゴ砂層とは、場合によっては混合されていてもよい。

【０００９】

【実施例】以下図面をもって本考案を更に詳細に説明す
る。図１は本考案の浄化・活水器の縦断面図である。図
中、符号１は直径が１２５ｍｍ高さ２６０ｍｍの円筒状
外箱であり、底面中央に注入口２が備えられ、これに注
入管３が連結されている。４は外箱１内に挿入された直
径１２０ｍｍ、高さ２３５ｍｍの円筒状の内箱であり、
外箱１と内箱４との間にごくわずかの隙間が保持されて
同芯状に配置されている。

【００１０】かかる内箱４の上面には水の流入口５が形
成され、この内部に各種の充填剤が層別に充填されてい
る。６はセラミック製の多孔体であり、三次元網状化構
造をもち１インチ長さ当たり１２個のセルを有してい
る。次の７は活性炭層である。又、８は四三酸化鉄の直
径約１０ｍｍの粒状体第１層であり、充填量は２００ｇ
であった。そして、９は麦飯石第１層であり充填量は２
００ｇである。かかる活性炭層７と粒状体第１層８との
間には、活性炭を付着した不織布１０が介在し両者の混
在を防止している。

【００１１】１１は繊維状活性炭であり、これは帯状の
ものを巻き上げて構成されたものである。そして、１２
はサンゴ砂層であり、３００ｇが充填されている。又、
１３は麦飯石第２層であり、１００ｇ充填された。そし
て、前記したと同様の不織布１４を介在して、四三酸化
鉄の直径約５ｍｍの粒状体第２層１５が充填されてい
る。

【００１２】内箱４と外箱１との中央には、水の流出管
１６の下部が粒状体第２層１５の層に達して水を受け入
れる開口部１７が形成されており、流出管１６の上部は
このまま外部の配水管１８に連絡されている。

【００１３】さて、水道水は注入管３によって導かれ、
内箱４の底と外箱１の底の間におかれた磁石１９にふれ
つつ流れ、これは内箱４と外箱１との壁間をのぼり、内
箱４の上面に達する。すると、かかる水は内箱４の上面
に形成した流入口５より内箱４の内部に入り、各層にて
浄化と活水化がほどこされ、最下部の第２粒状体１５に
達し、ここで更に流出管１６の下部に設けられた開口部
１７内に入り、これが配水管１８によって器外に供給さ
れるものである。図にあって、２０は配水管１８と流出
管１６との連絡部であり、２１はキャップを示す。

【００１４】本考案における浄化・活水器の性能は極め
てすぐれたものであって、表１にこの浄化・活水器を通
過させた水と試験用に供した元来の水道水との分析結果
の一部を示す。

【００１５】

【表１】

【００１６】分析は水質基準に関する省令（５３年−５
６）によって行なった。又、本考案における水の採水は
給水栓に取り付け、水道水を６Ｌ／分の流量で５分間通
水させた直後に採水した。

【００１７】この表から分かる通り、窒素含量は半分以
下となり、有機物もかなりの割合で減少した。更に、こ
れ以外にトリハロメタン量及び塩素量も極く微量とな
り、一方では、カルシウムやマグネシウム量が増加する
と共に、ＰＨ値が弱アルカリ側に転化していることが証
明された。

【００１８】

【考案の効果】以上のように、本考案の浄化・活水器
は、水道水にあって問題とされてきた有機物や無機物の
溶融物や夾雑物等を効果的に除去すると共に、水の活性
化をもたらすものであって、その効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の浄化・活水器の縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１‥‥円筒状外箱、 ２‥‥注入口、 ３‥‥注入管、 ４‥‥円筒状内箱、 ５‥‥流入口、 ６‥‥セラミック製の多孔体、 ７‥‥活性炭層、 ８‥‥四三酸化鉄の粒状体第１層、 ９‥‥麦飯石第１層、 １０‥‥不織布、 １１‥‥繊維状活性炭、 １２‥‥サンゴ砂層、 １３‥‥麦飯石第２層、 １４‥‥不織布、 １５‥‥四三酸化鉄の粒状体第２層、 １６‥‥流出管、 １７‥‥開口部、 １８‥‥配水管、 １９‥‥磁石、 ２０‥‥連絡部、 ２１‥‥キャップ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−146491（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−80986（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−215392（ＪＰ，Ａ) 実開 平３−128487（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−11984（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−79697（ＪＰ，Ｕ)

Claims (5)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下部に注入口を設けた密閉された外箱の
   内部に、上部に水の流入口を設けた密閉された内箱を設
   置し、当該内箱内に上段よりセラミック多孔層、活性炭
   層、四三酸化鉄の粒状体第１層、麦飯石第１層、繊維活
   性炭層、サンゴ砂層、麦飯石層第２層、四三酸化鉄の粒
   状体第２層の各層となるよう充填し、下端の開口部が粒
   状体第２層に臨むと共に、上端部が内箱及び外箱の蓋部
   をつらぬく流出管を備えてなる浄化・活水器。
2. 【請求項２】 粒状体第１層は粒状体第２層よりも大径
   の粒状体である請求項第１項記載の浄化・活水器。
3. 【請求項３】 活性炭層と粒状体第１層間に不織布を挟
   持してなる請求項第１項記載の浄化・活水器。
4. 【請求項４】 麦飯石第２層と粒状体第２層間に不織布
   を挟持してなる請求項第１項記載の浄化・活水器。
5. 【請求項５】 注入口近傍に磁石を備えた請求項第１項
   記載の浄化・活水器。