JP2559802B2 - 緊張用ケーブル - Google Patents
緊張用ケーブルInfo
- Publication number
- JP2559802B2 JP2559802B2 JP63086032A JP8603288A JP2559802B2 JP 2559802 B2 JP2559802 B2 JP 2559802B2 JP 63086032 A JP63086032 A JP 63086032A JP 8603288 A JP8603288 A JP 8603288A JP 2559802 B2 JP2559802 B2 JP 2559802B2
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- Japan
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- cable
- resin
- steel
- sheath
- curing
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- Bridges Or Land Bridges (AREA)
- Reinforcement Elements For Buildings (AREA)
- Ropes Or Cables (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明に係る緊張用ケーブルは、プレストレストコン
クリート用のPCテンドンや斜張橋の吊り材等引張力が負
荷されるケーブルに適用される。
クリート用のPCテンドンや斜張橋の吊り材等引張力が負
荷されるケーブルに適用される。
(従来の技術) 従来プレストレストコンクリート用のポストテンショ
ン工法では、コンクリートの打設の前に金属製のシース
を配筋し、コンクリートを打設した後、当該シース中に
複数本のPC鋼材からなるケーブルを挿入し、コンクリー
トが硬化した後ケーブルを緊張・定着し、最後に防錆処
理及びPC鋼材からなるケーブルとコンクリートとの付着
一体化のために、セメントミルク等のPC鋼材とシースと
の間に注入するようにしている。
ン工法では、コンクリートの打設の前に金属製のシース
を配筋し、コンクリートを打設した後、当該シース中に
複数本のPC鋼材からなるケーブルを挿入し、コンクリー
トが硬化した後ケーブルを緊張・定着し、最後に防錆処
理及びPC鋼材からなるケーブルとコンクリートとの付着
一体化のために、セメントミルク等のPC鋼材とシースと
の間に注入するようにしている。
この場合、シースの配筋やシース中へのケーブルの挿
入及びグラウト作業は、非常に煩雑な作業で多大な労力
と時間を要し、コストアップの原因となっている。
入及びグラウト作業は、非常に煩雑な作業で多大な労力
と時間を要し、コストアップの原因となっている。
更に、コンクリートの打設時には、シース中にコンク
リートが入り込むことがあってケーブルの挿入がグラウ
トできなくなることがある。特に、グラウトは全長に渡
って完全に行うことは極めて難しく、グラウトが不充分
な鋼材は発錆することもある等の欠点があった。
リートが入り込むことがあってケーブルの挿入がグラウ
トできなくなることがある。特に、グラウトは全長に渡
って完全に行うことは極めて難しく、グラウトが不充分
な鋼材は発錆することもある等の欠点があった。
一方、高強度の鋼材を斜張橋等の吊りケーブルとして
使用する場合もあるが、その際、一般には鋼材を複数本
で構成するケーブルをポリエチレン等の樹脂製の管の中
に入れており、架設後防錆のためにセメントモルタル等
の防錆剤を注入している。この防錆剤の注入は、特殊な
器具或いは装置を用いなければならず、その上高度な熟
練が要る。また、架設から防錆剤の注入までの期間が長
いとその間に腐食が進行する問題点もある。
使用する場合もあるが、その際、一般には鋼材を複数本
で構成するケーブルをポリエチレン等の樹脂製の管の中
に入れており、架設後防錆のためにセメントモルタル等
の防錆剤を注入している。この防錆剤の注入は、特殊な
器具或いは装置を用いなければならず、その上高度な熟
練が要る。また、架設から防錆剤の注入までの期間が長
いとその間に腐食が進行する問題点もある。
この点を解消するための方策として、工場でケーブル
を製造する時にセメントモルタル等の防錆剤を注入する
事も考えられるが、セメントモルタル等の防錆剤では硬
化が速く、ケーブルの巻き取り作業が困難となって、取
扱いが不便であった。
を製造する時にセメントモルタル等の防錆剤を注入する
事も考えられるが、セメントモルタル等の防錆剤では硬
化が速く、ケーブルの巻き取り作業が困難となって、取
扱いが不便であった。
尚、上記セメントモルタル等の防錆剤の替わりにグリ
ースなど硬化しない防錆剤を使用することも考えられる
が、この防錆剤では架設後洩れ出す恐れがある。
ースなど硬化しない防錆剤を使用することも考えられる
が、この防錆剤では架設後洩れ出す恐れがある。
(発明が解決しようとする課題) 前掲の通り、従来のケーブルにあっては次の問題点を
抱えている。即ち、 プレストレスト・コンクリートの従来のポストレンシ
ョン工法ではPC鋼材からなるケーブルを用いるが、シー
スの配筋、ケーブルの挿入、グラウト作業等が必要であ
り、非常に作業が煩雑で多大な労力と時間がである。
抱えている。即ち、 プレストレスト・コンクリートの従来のポストレンシ
ョン工法ではPC鋼材からなるケーブルを用いるが、シー
スの配筋、ケーブルの挿入、グラウト作業等が必要であ
り、非常に作業が煩雑で多大な労力と時間がである。
従来の斜張橋の吊り材では、架設現場で防錆のための
セメントモルタル等を注入しているが、この作業も面倒
で特別な機器と熟練がいる。
セメントモルタル等を注入しているが、この作業も面倒
で特別な機器と熟練がいる。
上記何れにおいてもグラウト等の防錆処理は、現場作
業となり維持保全等の管理が充分にできない問題があ
る。また、このような防錆剤は何れも硬化時期の調節が
困難であるから工場での生産が不可能であった。
業となり維持保全等の管理が充分にできない問題があ
る。また、このような防錆剤は何れも硬化時期の調節が
困難であるから工場での生産が不可能であった。
(課題を解決するための手段) 本発明は前提の問題点に鑑み成されたものであって、
グラウト等の防錆処理を不要とする等その取扱が簡便で
あり、且つ防錆、腐食効果に優れ、コンクリート中で用
いられる場合にはコンクリートとの付着が大きい緊張用
ケーブルを提供することを目的とし、この目的を達成す
るためとして、鋼線、鋼撚り線、鋼棒等を複数本使用し
たケーブルが樹脂、金属等で成形されたシース中に挿入
され若しくは該シースで被覆されて、緊張材として用い
る緊張用ケーブルであって、この緊張材が緊張されるま
では硬化せずに流動性があり、緊張後に常温で硬化する
ように所要の硬化時間に応じた配合比率で硬化剤が添加
されて硬化を開始させてなる鋼材に対する防錆能力を有
する樹脂配合物をケーブルとシースとの間隙に充填した
ことを特徴とする緊張用ケーブルとしたものである。
グラウト等の防錆処理を不要とする等その取扱が簡便で
あり、且つ防錆、腐食効果に優れ、コンクリート中で用
いられる場合にはコンクリートとの付着が大きい緊張用
ケーブルを提供することを目的とし、この目的を達成す
るためとして、鋼線、鋼撚り線、鋼棒等を複数本使用し
たケーブルが樹脂、金属等で成形されたシース中に挿入
され若しくは該シースで被覆されて、緊張材として用い
る緊張用ケーブルであって、この緊張材が緊張されるま
では硬化せずに流動性があり、緊張後に常温で硬化する
ように所要の硬化時間に応じた配合比率で硬化剤が添加
されて硬化を開始させてなる鋼材に対する防錆能力を有
する樹脂配合物をケーブルとシースとの間隙に充填した
ことを特徴とする緊張用ケーブルとしたものである。
(作用) 本発明の緊張用ケーブルの前提の構成にした理由は次
の通りである。
の通りである。
A;ケーブルの構成要素として鋼線、鋼撚り線、鋼棒等を
複数本使用したのは、これらの材料は高強度の物であっ
て緊張用ケーブルとして好適との理由からであり、ま
た、その材料の組み合わせも使用条件により適当数平行
に束ねたり、撚り合わせて使用すれば良い。
複数本使用したのは、これらの材料は高強度の物であっ
て緊張用ケーブルとして好適との理由からであり、ま
た、その材料の組み合わせも使用条件により適当数平行
に束ねたり、撚り合わせて使用すれば良い。
B;充填する樹脂配合物は、硬化後鋼剤やシースと接着性
のあるものが望ましく、エポキシ樹脂にジシアンジアミ
ド等の様な潜在性硬化剤を混合したものに第3級アミン
等の硬化促進剤を加えた種類のもの等が適しているが、
要するに、樹脂とそれと常温で硬化反応を起こす硬化剤
及びその他の添加物からなる物であって、鋼材に対して
防錆能力のある物であれば良い。
のあるものが望ましく、エポキシ樹脂にジシアンジアミ
ド等の様な潜在性硬化剤を混合したものに第3級アミン
等の硬化促進剤を加えた種類のもの等が適しているが、
要するに、樹脂とそれと常温で硬化反応を起こす硬化剤
及びその他の添加物からなる物であって、鋼材に対して
防錆能力のある物であれば良い。
また、この樹脂配合物に添加する硬化剤の種類又は添
加量により、その硬化時間が調整できる物であればその
組み合わせでもよく、更に、硬化反応を助ける硬化促進
剤を加えることにより硬化時期を調整できる物でもよ
い。
加量により、その硬化時間が調整できる物であればその
組み合わせでもよく、更に、硬化反応を助ける硬化促進
剤を加えることにより硬化時期を調整できる物でもよ
い。
C;シースは、鋼製、樹脂製、紙製等前記樹脂配合物が硬
化するまで保護できるものであれば良く、また、コンク
リート中でケーブルを使用し、コンクリートと鋼材との
間で強力な付着が必要とされる場合には、当該シースの
表面にコンクリートとの軸方向とのずれが生じない様に
適当な凹凸を形成したものを使用する方が望ましい。
化するまで保護できるものであれば良く、また、コンク
リート中でケーブルを使用し、コンクリートと鋼材との
間で強力な付着が必要とされる場合には、当該シースの
表面にコンクリートとの軸方向とのずれが生じない様に
適当な凹凸を形成したものを使用する方が望ましい。
次に、本発明のケーブルの用途面についてみれば、以
下の事が言える。
下の事が言える。
D;プレストレスコンクリートに使用する場合について見
れば、この発明のケーブルは工場生産ができるので、充
填する樹脂の硬化時期を、ケーブルを緊張する以降に設
定すると共に当該ケーブルを所定位置に配筋し、コンク
リートを打設してこのコンクリートが所定強度に達した
後緊張定着するようにし、定着後樹脂が硬化する事によ
り鋼材とコンクリートとを一体化することができるの
で、従来のポストテンション工法と比較すればシースの
配筋、PC鋼材のシースへの挿入、ダラウトが全く不要と
なって省力化及び工期短縮化が図れる他、棒錆処理も充
分に行える。
れば、この発明のケーブルは工場生産ができるので、充
填する樹脂の硬化時期を、ケーブルを緊張する以降に設
定すると共に当該ケーブルを所定位置に配筋し、コンク
リートを打設してこのコンクリートが所定強度に達した
後緊張定着するようにし、定着後樹脂が硬化する事によ
り鋼材とコンクリートとを一体化することができるの
で、従来のポストテンション工法と比較すればシースの
配筋、PC鋼材のシースへの挿入、ダラウトが全く不要と
なって省力化及び工期短縮化が図れる他、棒錆処理も充
分に行える。
E;前項D以外の用途に使用される場合、例えば、プレス
トレスコンクリートのアウトケーブルや斜張橋の吊り材
等に用いられる時には、架設から緊張力導入までは樹脂
が硬化しないように条件設定をして工場で生産しておけ
ば、樹脂が硬化するまでは所定の径で巻き取ることがで
き、コンパクトな形で使用現場まで簡便に搬送できる。
トレスコンクリートのアウトケーブルや斜張橋の吊り材
等に用いられる時には、架設から緊張力導入までは樹脂
が硬化しないように条件設定をして工場で生産しておけ
ば、樹脂が硬化するまでは所定の径で巻き取ることがで
き、コンパクトな形で使用現場まで簡便に搬送できる。
そして、使用現場ではこれを架設し緊張力を導入して
おけば良く、面倒なグラウトは一切不要となるばかりで
なく防錆処理も工場で行う為に品質上に信頼性も向上さ
せることができる。
おけば良く、面倒なグラウトは一切不要となるばかりで
なく防錆処理も工場で行う為に品質上に信頼性も向上さ
せることができる。
また、樹脂の洩れについても緊張力導入後は、充填樹
脂が硬化するために架設後も漏れだす恐れはない。
脂が硬化するために架設後も漏れだす恐れはない。
(実施例) 以下本発明に係る緊張用ケーブルの実施例を第1図乃
至第3図に基ずき詳述する。
至第3図に基ずき詳述する。
第1実施例 第1図の断面図に於いて、鋼線、鋼撚り線、鋼棒等を
複数本使用した素線束(1)を、樹脂、金属等で成形さ
れたシース(2)で被覆し、その間隙に硬化するまでは
流動性があり、且つ経時的に硬化するエポキシ樹脂に潜
在性硬化剤であるジシアンジアミドと硬化促進剤である
第3級アミン及び希釈剤を加えた樹脂配合物(3)を充
填し、ケーブルKを構成する。
複数本使用した素線束(1)を、樹脂、金属等で成形さ
れたシース(2)で被覆し、その間隙に硬化するまでは
流動性があり、且つ経時的に硬化するエポキシ樹脂に潜
在性硬化剤であるジシアンジアミドと硬化促進剤である
第3級アミン及び希釈剤を加えた樹脂配合物(3)を充
填し、ケーブルKを構成する。
そして、上記樹脂配合物(3)の硬化時期は、硬化促
進剤である第3級アミン及び希釈剤の配合比率によって
調整する様にしているが、その量と硬化時間との関係
は、第2図に示したグラフの通りである。
進剤である第3級アミン及び希釈剤の配合比率によって
調整する様にしているが、その量と硬化時間との関係
は、第2図に示したグラフの通りである。
即ち、第2図のグラフは、硬化所要日数と硬化促進剤
配合比率との関係を示し、縦軸(対数軸)に樹脂の硬化
までの所要日数、横軸に硬化促進剤配合比率を各々示
し、この配合比率は樹脂量に対する硬化促進剤の重量の
割合(phr)示している。その結果は、同図中の直線
(4)に示す様になり、硬化するまでの所要日数は、硬
化促進剤の量の調整により自由に設定することができ
る。
配合比率との関係を示し、縦軸(対数軸)に樹脂の硬化
までの所要日数、横軸に硬化促進剤配合比率を各々示
し、この配合比率は樹脂量に対する硬化促進剤の重量の
割合(phr)示している。その結果は、同図中の直線
(4)に示す様になり、硬化するまでの所要日数は、硬
化促進剤の量の調整により自由に設定することができ
る。
尚、上記樹脂配合物(3)の組成例としては、 樹脂……エポキシ樹脂 硬化剤……ジシアンジアミド 硬化促進剤……第3級アミン 配合比率……0.20phr がある。
第2実施例 第3図の断面図に於いて、直径が12.7mmの鋼撚り線
(1a)7本を平行に束ねた素線束(1)を、樹脂(ポリ
エチレン)で成形された表面に凹凸形状(5)のあるシ
ース(2)で被覆し、その間隙に硬化するまでは流動性
があり、且つ経時的に硬化するエポキシ樹脂に潜在性硬
化剤であるジシアンジアミドと硬化促進剤である第3級
アミン及び希釈剤を加えた樹脂配合物(3)を充填し、
ケーブルKを構成する。
(1a)7本を平行に束ねた素線束(1)を、樹脂(ポリ
エチレン)で成形された表面に凹凸形状(5)のあるシ
ース(2)で被覆し、その間隙に硬化するまでは流動性
があり、且つ経時的に硬化するエポキシ樹脂に潜在性硬
化剤であるジシアンジアミドと硬化促進剤である第3級
アミン及び希釈剤を加えた樹脂配合物(3)を充填し、
ケーブルKを構成する。
以上のように構成されたケーブルを製造後3日目に、
型枠に配筋した後コンクリートを打設し、設定されたコ
ンクリート強度が得られた10日目に摩擦係数の測定を行
った。
型枠に配筋した後コンクリートを打設し、設定されたコ
ンクリート強度が得られた10日目に摩擦係数の測定を行
った。
この摩擦係数の測定は、第4図A及び第4図Bに示す
様にスパンLが約20mのコンクリート(6)中にケーブ
ルKを第4図Aに示す通り直線状に、また、第4図Bに
示す通り懸垂状に各々配筋し、片端をジャッキ(7)で
緊張する。この時の緊張側の荷重P0固定側の荷重Pxをロ
ードセルで測定し、次式により摩擦係数μ、λを求め
た。
様にスパンLが約20mのコンクリート(6)中にケーブ
ルKを第4図Aに示す通り直線状に、また、第4図Bに
示す通り懸垂状に各々配筋し、片端をジャッキ(7)で
緊張する。この時の緊張側の荷重P0固定側の荷重Pxをロ
ードセルで測定し、次式により摩擦係数μ、λを求め
た。
P0=PX(1+μα+λL) 但し μ;角度変化に対する摩擦係数(1/rad) λ;単位長さ当たりに対する摩擦係数(1/m) α;緊張端から固定端までの全角度変化(ra
d) L;緊張端から固定端までの全長さ(m) である。
d) L;緊張端から固定端までの全長さ(m) である。
測定の結果、角度変化に対する摩擦係数はμ≒0.06
(1/rad)、単位長さ当たりに対する摩擦係数はλ≒0.0
02(1/m)となり、通常のポストテンション工法でのμ
≒0.25(1/rad)、λ≒0.003(1/m)より小さくなり充
分緊張できることが判明した。
(1/rad)、単位長さ当たりに対する摩擦係数はλ≒0.0
02(1/m)となり、通常のポストテンション工法でのμ
≒0.25(1/rad)、λ≒0.003(1/m)より小さくなり充
分緊張できることが判明した。
次に、ケーブルKとコンクリートとの付着強度を、ケ
ーブルKを長さ1mのコンクリート中に埋設し、製造後40
日目にこれをジャッキ(7)で引き抜き測定したとこ
ろ、105kg/cm2の付着強度が得られた。
ーブルKを長さ1mのコンクリート中に埋設し、製造後40
日目にこれをジャッキ(7)で引き抜き測定したとこ
ろ、105kg/cm2の付着強度が得られた。
これは、従来のグラウトを行った場合に得られた付着
強度70kg/cm2よりも大きく、樹脂が硬化して充分付着性
が得られている事が確認できた。
強度70kg/cm2よりも大きく、樹脂が硬化して充分付着性
が得られている事が確認できた。
第3実施例 本発明のケーブルKを斜張橋の吊りケーブル等の引張
り材として用いた場合について記述すると、直径約7mm
の鋼線を55本平行に束ねて巻き取りが可能となるように
若干撚りを持たせて素線束(1)を成形し、それに硬化
するまでには流動性があり、且つ経時的に硬化するエポ
キシ樹脂に潜在性硬化剤であるジシアンジアミドと硬化
促進剤である第3級アミン及び希釈剤を加えた樹脂配合
物(3)を塗布し、それをポリエチレン製のシース
(2)内に配筋してケーブルKを製造し、その後10日目
に外径1.8mの巻き取りドラムに巻き取ったが、樹脂を充
填していないケーブルと同様に巻き取りが容易に行え
た。
り材として用いた場合について記述すると、直径約7mm
の鋼線を55本平行に束ねて巻き取りが可能となるように
若干撚りを持たせて素線束(1)を成形し、それに硬化
するまでには流動性があり、且つ経時的に硬化するエポ
キシ樹脂に潜在性硬化剤であるジシアンジアミドと硬化
促進剤である第3級アミン及び希釈剤を加えた樹脂配合
物(3)を塗布し、それをポリエチレン製のシース
(2)内に配筋してケーブルKを製造し、その後10日目
に外径1.8mの巻き取りドラムに巻き取ったが、樹脂を充
填していないケーブルと同様に巻き取りが容易に行え
た。
そして、巻き取りドラムに巻き取ったケーブルを製造
後15日目に繰り出して展開したところ、容易に展開でき
直線状に戻すことができた。
後15日目に繰り出して展開したところ、容易に展開でき
直線状に戻すことができた。
更に、これを吊り下げて置き製造後40日目にシース
(2)を除去して内部を観察した結果、樹脂が硬化して
いることが確認された。
(2)を除去して内部を観察した結果、樹脂が硬化して
いることが確認された。
(発明の効果) 本発明によれば次の効果がある。
本発明のケーブルでは、効果するまでには流動性があ
り、且つ経時的に硬化するエポキシ樹脂に潜在性硬化剤
であるジシアンジアミドと硬化促進剤である第3級アミ
ン及び希釈剤を加えた樹脂配合物(3)を充填するよう
にしているので、ケーブルの巻き取り作業が可能とな
り、工場で生産が出来る。
り、且つ経時的に硬化するエポキシ樹脂に潜在性硬化剤
であるジシアンジアミドと硬化促進剤である第3級アミ
ン及び希釈剤を加えた樹脂配合物(3)を充填するよう
にしているので、ケーブルの巻き取り作業が可能とな
り、工場で生産が出来る。
また、上記ケーブルをプレストレスコンクリートに適
用する場合には、ポストテンション工法で行われている
シースの配筋、ケーブルの挿入及びグラウト注入作業が
不要となるので、大幅な省力化及び工期短縮が図られ
る。
用する場合には、ポストテンション工法で行われている
シースの配筋、ケーブルの挿入及びグラウト注入作業が
不要となるので、大幅な省力化及び工期短縮が図られ
る。
上記ケーブルに使用している樹脂配合物は、硬化する
までには流動性があり、且つ経時的に硬化する性質を持
っているので、配筋後コンクリートを打設し、必要な強
度が得られた後にPC鋼剤を緊張する事ができ、その後、
樹脂が硬化することによってPC鋼材とコンクリーとの間
で付着がえられるので、従来のポストテンション工法に
よるコンクリート構造物と同様な特性を持った物が得ら
れる。
までには流動性があり、且つ経時的に硬化する性質を持
っているので、配筋後コンクリートを打設し、必要な強
度が得られた後にPC鋼剤を緊張する事ができ、その後、
樹脂が硬化することによってPC鋼材とコンクリーとの間
で付着がえられるので、従来のポストテンション工法に
よるコンクリート構造物と同様な特性を持った物が得ら
れる。
樹脂を硬化させる為に加熱や人為的な手段を用いない
ので、硬化の為の装置、手間がかからず危険もない。
ので、硬化の為の装置、手間がかからず危険もない。
更に、従来のケーブルでは工場生産が出来なかった
が、それが可能であるから品質管理が充分に行う事がで
き、特に防錆処理が充分である上にシースと樹脂との二
重防食構造にしているので腐食の心配は皆無である。
が、それが可能であるから品質管理が充分に行う事がで
き、特に防錆処理が充分である上にシースと樹脂との二
重防食構造にしているので腐食の心配は皆無である。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の緊張用ケーブルに係る実施例を示す断
面図、第2図は硬化所要日数と硬化促進剤配合比率との
関係を示したグラフ、第3図は本発明の緊張用ケーブル
に係る実施例を示す断面図、第4図A、Bは本発明の緊
張用ケーブルを摩擦係数の測定を行う際の配筋について
の説明図である。 符号の名称は以下の通りである。 (1)……素線束、(2)……シース、(3)……樹脂
配合物、 (5)……シース表面の凹凸、(6)……コンクリー
ト、 (7)……ジャッキ、K……ケーブル。
面図、第2図は硬化所要日数と硬化促進剤配合比率との
関係を示したグラフ、第3図は本発明の緊張用ケーブル
に係る実施例を示す断面図、第4図A、Bは本発明の緊
張用ケーブルを摩擦係数の測定を行う際の配筋について
の説明図である。 符号の名称は以下の通りである。 (1)……素線束、(2)……シース、(3)……樹脂
配合物、 (5)……シース表面の凹凸、(6)……コンクリー
ト、 (7)……ジャッキ、K……ケーブル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白濱 昭二 兵庫県尼崎市道意町7丁目2番地 神鋼 鋼線工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−169588(JP,A) 特開 昭55−132786(JP,A) 実開 昭62−132199(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】鋼線、鋼撚り線、鋼棒等を複数本使用した
ケーブルが樹脂、金属等で成形されたシース中に挿入さ
れ若しくは該シースで被覆されて、緊張材として用いる
緊張用ケーブルであって、この緊張材が緊張されるまで
は硬化せずに流動性があり、緊張後に常温で硬化するよ
うに所要の硬化時間に応じた配合比率で硬化剤が添加さ
れて硬化を開始させてなる鋼材に対する防錆能力を有す
る樹脂配合物をケーブルとシースとの間隙に充填したこ
とを特徴とする緊張用ケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63086032A JP2559802B2 (ja) | 1988-04-07 | 1988-04-07 | 緊張用ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63086032A JP2559802B2 (ja) | 1988-04-07 | 1988-04-07 | 緊張用ケーブル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01260083A JPH01260083A (ja) | 1989-10-17 |
JP2559802B2 true JP2559802B2 (ja) | 1996-12-04 |
Family
ID=13875322
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63086032A Expired - Lifetime JP2559802B2 (ja) | 1988-04-07 | 1988-04-07 | 緊張用ケーブル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2559802B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001065022A1 (fr) * | 2000-03-02 | 2001-09-07 | Anderson Technology Corporation | Structure de connexion de fils d'acier multibrin pour circuit imprime et procede de production de cette structure |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0696831B2 (ja) * | 1989-11-06 | 1994-11-30 | 株式会社神戸製鋼所 | 防錆処理を施した吊橋用ケーブルワイヤ |
FR2790490B1 (fr) * | 1999-03-05 | 2001-04-27 | Dyckerhoff Materiaux Sa | Composition de protection des torons de cables pour ouvrages d'art |
JP4262084B2 (ja) * | 2003-12-26 | 2009-05-13 | 株式会社ピーエス三菱 | プレグラウトpc鋼より線の被覆撤去方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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